研究者データベース

砂田 徹(スナダ トオル)
文学研究院 人文学部門 歴史学分野
特任教授

基本情報

所属

  • 文学研究院 人文学部門 歴史学分野

職名

  • 特任教授

学位

  • 博士(文学)(北海道大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 同盟市戦争   スッラ   トリブス   ノビレス貴族   エリートと民衆   ローマ共和政   

研究分野

  • 人文・社会 / ヨーロッパ史、アメリカ史

担当教育組織

職歴

  • 2023年04月 - 現在 北海道大学 大学院文学研究院 特任教授
  • 2019年04月 - 2023年03月 北海道大学 大学院文学研究院 教授
  • 2008年04月 - 2019年03月 北海道大学 文学研究科 教授
  • 2007年04月 - 2008年03月 北海道大学 文学研究科 准教授
  • 2000年04月 - 2007年03月 北海道大学 文学研究科 助教授
  • 1995年04月 - 2000年03月 北海道大学 文学部 助教授
  • 1988年04月 - 1995年03月 名古屋大学 文学部 助手

学歴

  • 1986年04月 - 1988年03月   名古屋大学   文学研究科博士後期課程
  • 1983年04月 - 1986年03月   金沢大学   文学研究科修士課程
  • 1978年04月 - 1983年03月   金沢大学   法文学部

所属学協会

  • 日本西洋史学会   北大史学会   史学会   日本西洋古典学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 世界歴史大系 イタリア史1 古代・初期中世
    松本宣郎編 (担当:分担執筆範囲:ローマの人的社会関係、有力者論)
    山川出版社 2021年03月
  • 侠の歴史 西洋編(上)+中東編
    鈴木董編 (担当:分担執筆範囲:グラックス兄弟)
    清水書院 2020年07月
  • 共和政ローマの内乱とイタリア統合―退役兵植民への地方都市の対応
    砂田徹 (担当:単著)
    北海道大学出版会 2018年11月
  • 文献解説 ヨーロッパの成立と発展
    砂田徹 (担当:分担執筆範囲:第2章ローマ(1~3節))
    南窓社 2007年03月
  • 共和政ローマとトリブス制
    砂田徹 (担当:単著)
    北海道大学出版会 2006年02月

その他活動・業績

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2003年 
    代表者 : 砂田 徹
     
    古代ローマには、トリブスと呼ばれる市民団の下部単位が存在したが、トリブスは民会での投票単位にはじまり、戸口調査、徴兵・徴税、審判人の選出等々、古代ローマ人の社会生活・政治生活において実に様々な機能を果たしていた。本研究はこのようなトリブスに関して、もっぱらその社会的諸機能に考察の焦点を据えることにより、それが共和政期のローマ社会において担っていた役割を総合的に検討することを課題とした。 ただし私は、すでに本研究課題に先だって、審判人の選出(徴税・徴兵を含む)および市民団の拡大とトリブスとのかかわりに関して考察を行い、その成果を公表してきた。そこで本研究では、トリブスの社会的諸機能のうち、まずは市民団の登録という最も基本的な機能との関連で都市トリブスの性格について、ついで帝政期に見られる穀物配給とトリブスとの関連についての2点を検討した。その結果、前者に関しては、それが一般的に考えられているような「社会的には劣格で政治的には不利な」トリブスではないことを明かにし、トリブスが従来考えられてきた以上にニュートラルな単位であったことを指摘して、通説を修正した。また後者については、穀物配給との関連で現れるトリブスが、全ローマ市民を包含する組織としてのそれではなく、あくまでも穀物供給に与ったローマ市居住のローマ市民の組織にすぎなかった点を明らかにし、帝政期におけるトリブスの衰退を展望した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1998年 
    代表者 : 砂田 徹
     
    本研究は、「共和政期ローマにおける支配エリートと一般民衆の関係性」の解明を課題としていたが、平成9年度はまず、1984年のF・ミラーの問題提起以来、それを承ける形で展開されてきた共和政期ローマの社会=政治構造をめぐる論争の整理を行なった。その結果、従来のような「ノビレス貴族」と呼ばれる一群の支配エリートが「上から」一般民衆を操作していたとするのではなく、しかしながら他方で、民会=一般民衆の「下から」の影響力をその実態以上に過大評価するのでもなく、まさに両者の関係性から共和政期ローマの政治的特質を解明していく必要性があることが明らかとなった。 このような考察を前提としながら、平成10年度は両者の出会いの場であるコンティオに焦点を定め、両者の関係性をより具体的に明らかにしようとした。その結果、民会に先行して開催されたコンティオと呼ばれる集会は、最近強調されるほどに「民主的」ではないが、共和政期ローマの支配エリートたちは、このコンティオの場で雄弁術を駆使しながら頻りに民衆を説得しようとしていたこと、そしてそこからは、とりもなおさず「政治の公開性」という特質が窺われることが明らかとなった。共和政期のローマが「ノビレス貴族」により統治されていたのは確かだとしても、彼らは従来考えられてきた以上に、一般民衆の意向に規定されていたのである。 なお、当初予定していた、トリブスというレヴェルで「支配エリートと一般民衆の関係性」を考えるという点に関しては、今回十分検討することができなかったので今後の課題としていきたい。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 砂田 徹
     
    私は、単に表層的な事件の流れを追うのではなく、社会構造のレヴェルから共和政期ローマの政治を捉える、いわゆる社会=政治史を当面の課題としているが、本研究は、その一環として、トリブスと呼ばれるローマ市民団の下部単位のレヴェルから、共和政末期の政治を捉え直すことを当初の予定としていた。しかしながら、それ以前の共和政初期・中期に関しても、トリブスの内部構造がまだ充分に解明されているとは言えず、それ故、このトリブスというレヴェルから政治が論じられることが少なかったことに鑑み、まずは、共和政初期・中期のトリブスの内部構造の解明を目指すこととし、結果として、共和政末期にいたることなく、共和政初期・中期の考察に終始することとなった。その成果の一部は、「ケントゥリア民会の改革とローマ共和政中期のトリブス」という形でまとめることができたが、そこでは、紀元前3世紀の後半に行なわれたとされる「ケントゥリア民会の改革」、およびそれとかかわる諸事件の検討を通して、この改革の背景として、有力政治家たちがすでに自己のトリブスをかなりの程度掌握していたと考えられること、またたとえそうでなくとも、少なくともこの改革の後、トリブスという単位での権力の確立が政治活動上の必須要件となり、その形跡がわずかながらも史料に見られることが指摘されている。しかし他方、この検討の過程で、有力政治家によるそのようなトリブスの掌握が完全なものではなかったことを窺わせる事件も顕わとなり、共和政初期・中期のトリブスがどのような内部構造を持っていたのか、そしてそれがどのように当時の政治構造と関連していたのかについては、引き続いて考察が必要である。その上ではじめて、共和政末期についての考察もより有意義なものとなることであろう。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 長谷川 博隆, 砂田 徹
     
    長谷川博隆は、自ら編者として前年度に公表した著書『古典古代とパトロネジ』中の論文「クリエンテーラ〜パトロネジの底にあるもの」を踏まえ、クリエンテラを支える理念フィデス(fides)についての研究を進めた。フィデスとポテスタス(potestas)及びポテンティア(potentia)との関連性を究明することにより、普通、信義に訳される理念フィデスの「力」的な性格、ひいてはクリエンテラ自体の(1)強制・拘束力、その内たる(2)具体的な力の要素を明らかにすることができた。 これを基礎に、古代ローマ史研究における古くて新しい課題、しかし歴史学以外の広い領域では現在最も斬新な枠組み(=課題)となっているパトロネジ(クリエンテラ)の基本的な性格解明に寄与することができたと思う。なお長谷川博隆は、未だ公表の段階には達していないが、地縁的な結合という祖角を「アルゲイの祭り」の問題解明のために再び(〓にモムゼンの行なうところ)導入することの可能性と一方で老若の対立とクリエンテラの接点を模索しつつある。このような長谷川博隆の理念史的な研究に対して、砂田徹の研究は、構造史的な研究というべきであり、紀元前三世紀に焦点を絞り、トリグスという地縁的な結合体とケントリアという財産(土地)に基づく戦士共同体との、相互の力関係の揺れと、その統合過程の中に働くパトロネジ(クリエンテラ)の問題を考えている。 長谷川論文は、別記の通り公表されているが、砂田論文「ケントリア民会の改革とローマ共和政中期のトリブス」は本年中に雑誌『古代学』に掲載の予定である(従って、別記はしていない)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1989年 -1990年 
    代表者 : 長谷川 博隆, 砂田 徹, 小川 正廣, 田村 孝, 土岐 正策, 國原 吉之助
     
    昭和63年度から平成2年度にかけて、本課題研究においては、古代ロ-マ人の死にかかわる諸問題について多面的に検討を加えてきたが、その成果は次のようにまとめることができる。 (1)まず社会史的テ-マとしては、長谷川博隆が、死者・祖先崇拝との関連の中での「父祖の肖像」の問題と、「60歳になった者を橋から棄てること」という格言に焦点を合わせ、老人と死にかかわる問題を取り扱った。(2)文学・神話学からのアプロ-チとしては、國原吉之助が詩にあらわれる死のイメ-ジに注目し、叙情派詩人プロペルティウスと理性派詩人ルクレティウス間の比較検討を行なった。また小川正廣は、死と密接に結びついたギリシアの英雄崇拝とは異なって、ロ-マ的な「英雄崇拝」である神格化が死と矛盾することを指摘し、その矛盾をロ-マ人が、建国の英雄に関する神話や共和政末期から帝政初期の歴史的市実において、どのように克服しようとしたのかを考察した。(3)政治史の分野では、田村孝が、共和政末期において要人が死亡した場合にどのようにして権力が継承されたのか、その具体相について考察した。一方、砂田徹は「元老院最終決議」と呼ばれる一種の非常態宣言を取り上げ、そのもとでのロ-マ人の行動様式を分析することにより、同じく共和政期における権力のあり方について考察した。(4)最後に、キリスト教との関連では、土岐正策が、キリスト教が入ることによりロ-マ人の自殺がどのように変化したかを検討した。 以上の個別研究により古代ロ-マ人の死をめぐるいくつかの特微が明らかにされたものの、当初目指したような総合的研究のためには、その前提として個別研究をまだまだ積み重ねていかなければならないと痛感している。

教育活動情報

主要な担当授業

  • 西洋古代史特別演習
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 文学研究科
  • 西洋史学特別演習
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 文学院
  • 西洋史学特殊講義
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 文学研究科
  • 西洋史学特殊講義
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 文学院
  • ドイツ語演習
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 全学教育
  • 歴史の視座
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 全学教育
  • 西洋史学演習
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 文学部
  • 歴史・文化モジュール特殊科目B
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 現代日本学プログラム課程
    キーワード : 西洋史学 導入科目 史学史
  • 西洋史学概論
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 文学部
    キーワード : 西洋史学 導入科目 史学史


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