日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2015年04月 -2019年03月
代表者 : 水上 雅晴, 小幡 敏行, 鶴成 久章, 名和 敏光, 末永 高康, 武田 時昌, 石井 行雄, 近藤 浩之, 高田 宗平
日本の大半の年号が漢籍の出典を持つことはよく知られているが、典拠として使われた漢籍については、学術的な調査・考察の対象となったことがほとんどない。本研究は、新元号を決める会議に提出される「年号勘文」と呼ばれる文書や「難陳」と呼ばれる討議に着目し、これらの中で引かれる漢籍と引用文の調査と分析を中心に研究を進め、国内における漢籍の伝来・受容に関して新たな資料群を見出した。「年号勘文資料」と名づけられるこれらの資料群を対象として進めた研究は、『日本漢籍珍稀資料(年号之部)』全5冊(上海社会科学院出版社、2018年)と『年号と東アジア』(八木書店、2019年)の2点に結実した。