【逆流性食道炎をめぐる新たな知見】 内視鏡陰性逆流性食道炎に対する拡大内視鏡観察の有用性
山本 純司, 清水 勇一, 加藤 元嗣, 小野 尚子, 森 康明, 布施 望, 結城 敏志, 武居 正明, 中川 学, 小平 純一, 中川 宗一, 河原崎 暢, 小松 嘉人, 武田 宏司, 杉山 敏郎, 浅香 正博
消化器科 (有)科学評論社 38 (2) 172 - 176 0289-8756 2004/02
[Not refereed][Not invited] 拡大内視鏡で観察されるIPCLの形態と胃食道逆流症(GERD)病理所見,臨床症状との関連性を検討して,拡大内視鏡による内視鏡陰性GERD診断の可能性を探ることを目的とし前向き研究を行った.61例中,33例がRtypeを示し,平均年齢は50.1歳であった.27例がDtypeを示し,平均年齢は60.3歳であった.Itypeは1例(78歳男),Otypeは3例(女)であった.QUEST陽性率はRtypeで19.4%,Dtype,Itypeは71,4%であった.QUEST陽性者は有意にIPCLが拡張して認められた.Rtypeの基底層は上皮厚の11.7±3.4%を占め,Dtypeの基底層は14.7±3.0%を占めた.Dtypeには有意な基底層の肥厚が認められた.また,Rtypeの上皮内乳頭は上皮厚の67.5±10.6%を占めたが,Dtypeでは乳頭が74.7±8.3%を占めた.Dtypeには有意な乳頭の伸長が認められた