YAMAMOTO Manabu, ISHIZAKI Kosuke, MURAMOTO Mitsuru, SASAKI Kanemi, ITOH Kiyohiko
The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B 一般社団法人電子情報通信学会 83 (12) 1730 - 1738 1344-4697 2000/12
[Refereed][Not invited] バックワード励振スロットアレーアンテナは, 平面マルチセクタアンテナの構成要素として有望である.本論文では, キャビティを装着し, 背面への放射をおさえたバックワード励振スロットアレーアンテナを取り扱う.製作工程の簡略化を目的として, アレーを構成するすべてのスロットが一つのキャビティを共有する構造を提案している.キャビティを介した素子間相互結合をおさえるための設計指針について検討し, TE_<10>モードがカットオフとなるキャビティ幅とすればよいことを示している.この条件を満たすキャビティを付加した4素子アレーアンテナについて, スペクトル領域モーメント法による特性評価を行い, キャビティなしの場合と同様に, エンドファイア方向へのビームチルトが得られることを示している.また, キャビティの長さと深さをパラメータとしたアンテナ特性の評価を行い, キャビティ長さの変化がアンテナ特性に与える影響は極めて小さいことと, キャビティの薄型化が可能なことを示している.更に, 19GHz帯において試作実験を行い, 数値計算による検討の妥当性を確認している.