文部科学省:科学研究費補助金(萌芽研究)
Date (from‐to) : 2005 -2005
Author : 渡部 正夫, 真田 俊之, 澤江 義則, 古江 増隆
本研究の目的は,ヒト皮膚毛細管動静脈ループに注目し,血流動態と血管形状の非侵襲・高時空間解像度解析を行うシステムを開発することである.まず,ヒト爪郭皮膚毛細管動静脈ループを観測するために,計測システムを構築した.特に,被写体から対物レンズまでの距離を固定し,被写体のブレを抑えるために光学アタッチメントの開発を行い,実用に耐えうることを確認した.また,高速度カメラで被写体を撮影し,画像のブレを抑制するためにシャッタースピードを上げる必要があるために光源の高光度が要求されるが,光源は熱源となるために過度の光量は被写体の熱損傷を引き起こす.光源・レンズ・光学系の設計・開発を行い,照射面積を大幅に減じ効率の向上を図った結果,鮮明な画像取得と被写体の低侵襲観察の相反する要求を満足させることに成功した.さらに,フレキシブルアームスタンドによりカメラを固定することにより,光軸に空間自由度を与えることに成功し,ヒト皮膚毛細管動静脈ループに限定されない他の皮膚毛細血管,特に血管腫等の観察の臨床応用に適用可能であることを示した.得られた画像には,Matlabを用いて様々な画像処理を施すことにより画像強調を行い,生画像に比して格段の視認性を得られることを確認した.10μm程度の径を持つ細小動静脈管内を流れる赤血球,白血球および血漿の非定常挙動の観察に成功した.また,医療画像認識工学で用いられるレベ...