Japan Society for the Promotion of Science:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Special Purposes
Date (from‐to) : 2019/12 -2020/03
Author : 二瓶 泰雄, 中北 英一, 竹見 哲也, 山田 朋人, 三隅 良平, 飯塚 聡, 鈴木 真一, 仲江川 敏之, 柳瀬 亘, 立川 康人, 田中 茂信, 佐山 敬洋, 田中 智大, 朝位 孝二, 前野 詩朗, 田中 仁, 吉谷 純一, 田中 規夫, 泉 典洋, 矢野 真一郎, 森脇 亮, 赤松 良久, 内田 龍彦, 重枝 未玲, 岩崎 理樹, 清水 義彦, 小山 毅, 長谷川 兼一, 西嶋 一欽, 藤本 郷史, 毛利 栄征, 前田 健一, 岡村 未対, 卜部 厚志, 森口 周二, 蝦名 裕一, 松四 雄騎, 王 功輝, 竹林 洋史, 鈴木 素之, 田島 芳満, 佐々木 淳, 信岡 尚道, 森 信人, 有川 太郎, 鈴木 崇之, 下園 武範, 松井 正宏, 小林 文明, 畑山 満則, 牛山 素行, 佐藤 健, 梶谷 義雄
令和元年東日本台風(台風19号)とその2週間後の大雨(台風21号と低気圧)による広域災害の被害状況・メカニズムの全容を明らかにすることを目的とし,多角的・総合的に多くの分野の専門家からなる研究グループを結成し,調査研究を継続して行った.ここでは,①台風・低気圧による豪雨・流出現象の気象学的解明,②広域にわたる洪水氾濫災害を引き起こしたメカニズムの解明,③多発した土砂災害・土構造物破壊におけるメカニズムの解明,④強風や高潮による被害実態の解明,⑤住民の避難行動の実態と防災情報の伝達状況の把握,の5つのテーマと主に対象とした.その結果,台風19号による豪雨に,山岳部は勿論,平野部でもseeder-feeder機構が貢献していることを,XRAINによる立体観測情報,ひまわりによる観測情報により,seeder-feeder機構を表現した数値モデルを用いて示した.2019年台風19号による豪雨発生機構について,気象庁メソ客観解析データを用いて,降水活動に係る大気安定度や水蒸気場の解析をし,本豪雨発生時には,最近の他の豪雨事例と比較して,湿潤絶対不安定が持続して形成されていたことが分かった.また,洪水氾濫による建築被害に関しては,長野市内の水害被害住宅を対象に,復旧後の室内環境に着目して現地調査を実施している.復旧には数ヶ月の期間を要するが,復旧手順は現地の判断で実施している場合が多く,客観的な情報が整備されていない.その一助となるべく,限られた事例ではあるが,復旧手順とともにそれに伴う環境改善効果を評価しながら知見を蓄積し,環境改善を測るために室内の浮遊真菌濃度や部位の含水率等を計測した.さらに,風水害に関しては,台風に伴って発生した竜巻の影響が大きかったため,台風と竜巻発生の関係を過去の気象資料から抽出し整理した.