研究者データベース

白水 浩信(シロウズ ヒロノブ)
教育学研究院 教育学部門 教育学部門教育基礎論分野
教授

基本情報

所属

  • 教育学研究院 教育学部門 教育学部門教育基礎論分野

職名

  • 教授

学位

  • 修士(教育学)(東京大学)
  • 博士(教育学)(東京大学)

論文上での記載著者名

  • Shiramizu Hironobu

科研費研究者番号

  • 90322198

J-Global ID

研究キーワード

  • 西洋教育史   教育言説史   教育史   

研究分野

  • 人文・社会 / 教育学 / 教育思想
  • 人文・社会 / 教育学 / 西洋教育史
  • 人文・社会 / 教育学 / 教育哲学

職歴

  • 2019年11月 - 現在 北海道大学 大学院教育学研究院 教授
  • 2013年04月 - 2019年10月 北海道大学 大学院教育学研究院 准教授
  • 2007年04月 - 2013年03月 神戸大学 大学院人間発達環境学研究科 准教授
  • 2003年08月 - 2007年03月 神戸大学 発達科学部 助教授
  • 2003年06月 - 2004年01月 パリ第Ⅴ大学 文部科学省・在外研究員
  • 1999年10月 - 2003年07月 神戸大学 発達科学部 講師
  • 1998年11月 - 1999年09月 日本学術振興会 特別研究員(PD)

学歴

  • 1995年04月 - 2001年11月   東京大学   大学院教育学研究科   総合教育科学専攻・博士課程
  • 1993年04月 - 1995年03月   東京大学   大学院教育学研究科   教育学専攻・修士課程
  • 1991年04月 - 1993年03月   東京大学   教育学部   教育学科
  • 1988年04月 - 1991年03月   東京大学   教養学部   前期課程理科1類

所属学協会

  • 北海道教育学会   大人と子供の関係史研究会   教育哲学会   教育史学会   日本教育学会   

研究活動情報

論文

  • Mens sana in corpore sano ―教育とスポーツの関係史再考―
    白水浩信
    日本の教育史学 63 129 - 131 2020年10月01日 [査読無し][招待有り]
  • 白水浩信, 寺崎弘昭
    北海道大学大学院教育学研究院紀要 136 93 - 118 2020年06月 [査読無し][通常論文]
  • 教育言説揺籃期のéducationなき教育論―ジャック・アミヨとプルタルコス『子どもの教育について』
    白水 浩信
    『思想』(岩波書店) 1126 31 - 43 2018年02月 [査読無し][招待有り]
     
    educationの原義は引き出すことであるというが、それはラテン語educereを原義と見做す基本的誤解に基づく。なぜこうした錯誤が生じたのかについて検討すべく、擬プルタルコス『子どもの教育について』をフランス語訳した、16世紀のジャック・アミヨの訳業を精査した。古典ギリシア語で「養うこと」を意味したトロフェーと「導くこと」を意味した「アゴーゲー」が同じフランス語nourriture(養育)によって訳出されているケースがあることが判明し、本来、トロフェー(養い)の一般的訳語であったeducatioとnourritureが、次第にアゴーゲー(導き)の語義でも用いられていく用法の拡大の端緒を指摘するに至った。16世紀の古典の受容・翻訳において、éducation言説の変質・旋回が生じており、それ以前のヴァナキュラーな語彙と一線を画していることが解明された。
  • 白水 浩信
    北海道大学大学院教育学研究院紀要 126 139 - 154 2016年06月 [査読無し][通常論文]
     
    近年の研究の進展により,‘education’を「引き出すこと」とする教育学神話から離れて,語の本来の歴史が解明されつつある。‘education’とはラテン語educere(引き出す)ではなく,人間,動物,植物にまで用いられたeducare(養い育てる)に由来する。本研究はeducareの用例を古典ラテン語文献に求め,用いられた文脈,語義を明らかにすることを目ざすものである。
    本稿では,ラテン語文法書におけるeducareの語釈に焦点を絞って検討する。ノニウス・マルケッルス『学説集』とエウテュケスの『動詞論』を取りあげる。これらは中世においてラテン語文法の教科書として利用され,重要な史料である。両者ともに,educareをnutrire(栄養を与える)として理解している点は特筆すべきである。また,古代末の文法学者がeducareをeducereと区別していた点は強調されてよい。
  • 白水 浩信
    北海道大学教職課程年報 5 37 - 56 2015年03月 [査読無し][通常論文]
     
    西洋思想の伝統においては、「道徳(moral)」観念は習慣(habit)あるいは慣習(custom)と不可分のものである。本稿では習慣形成としての道徳教育という立場を批判し、いかにして克服することができるかについて論じた。その際、知育と分断されてきた徳育の教育思想史的意義について解説し、既存の道徳的諸価値を強制するのではない、知的反省(reflection)に導く道徳教育、「考える道徳教育」について提唱した。
  • 白水 浩信
    Senri Ethnological Studies, National Museum of Ethnology 80 33 - 52 2013年 [査読有り][通常論文]
     
    沖縄県にある、高齢者福祉と保育所が融合した複合福祉施設を現地調査し、その報告を英訳し、投稿後、採択されたものである。(著書1)の通り、少子高齢化に伴い、過疎に悩む地域の今後の福祉のあり方を考える上で、高齢者と乳幼児が寄り添う、福祉と教育が協生する形で運営されている本施設の意義を英語で解説し、海外に発信した。また、本施設が廃校利用の試みである点も特筆した。こうした沖縄でのユニークなウェルビーイングのあり方を海外に発信する意義ある論文と評価され掲載された。
  • 楊 鋥, 白水 浩信
    神戸大学大学院人間発達環境学研究科『研究紀要』 5 2 47 - 54 2012年03月 [査読有り][通常論文]
     
    本稿では、20世紀初頭に生じた精神衛生運動の基本的性格を明らかにし、その歴史的意義を規定しようとした。先行研究も指摘しているように、精神衛生運動は進歩主義教育運動とも深く関わっており、教育言説を「人格発達」を軸とした言説へと転換させた契機であり、教育の医療化の展開を理解するための重要な手がかりになる。その端緒として、本稿では、精神衛生運動の指導者であり、アメリカの精神医学に新たな指針を与え、現代まで影響を及ぼしているアドルフ・マイヤー(Adolf Meyer)を取り上げた。マイヤーが「精神衛生」の理念を提唱することによって「精神衛生運動」を推進し、その一方、学校教育についても大いに発言しながら、精神医学と教育との連携を図ることによって精神衛生という見地に立った人間形成を正面から論じていることが明らかとなった。
  • 白水 浩信
    日本教育学会『教育学研究』 78 2 50 - 60 2011年06月 [査読有り][招待有り]
     
    本稿は、教育(education)の原義を能力を引き出すこととする語源解釈から福祉との連携を図る言説を批判的に検証するものである。人間をその能力において把捉し、国力の増大、社会的福祉の増進を目指そうとする統治言説の系譜は、西洋では近代ポリス論にまで遡りうる。教育と福祉を接合するこの基本的視座を克服すべく、教育の語源を歴史的に再検討し、それが食に支えられた養生の営みであったことを明らかにする。
  • 白水 浩信
    MINPAKU: Anthropology Newsletter 29 5 - 6 2009年12月 [査読無し][招待有り]
     
    国立民族学博物館の英文広報誌、MINPAKUに応募者の研究を紹介する記事を執筆した。今日、ますます幅を効かせるようになっている近代的統治の出現にあたっては、18世紀前後に遡る近代ポリス論という確固とした行政実務論の展開が存在したことをトピックとして解説した。
  • 高齢者の自立と交通
    白水 浩信
    国立民族学博物館機関研究 プロジェクト「ライフデザインと福祉(Well-being)の人類学―多機能空間の創出と持続的活用の研究」 67 - 68 2009年03月 [査読無し][通常論文]
  • 島野 裕子, 白水 浩信
    神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要 1 1 91 - 1000 2007年11月 [査読有り][通常論文]
     
    本稿では、近世産育書における「胎毒」観に関する研究として、「胎毒」と「かにばば(ここ)」に焦点をあてた。「胎毒」とは、子どもの病の原因となる重要な概念であり、出生直後の子どもに対する世話が依って立つ基本的視座になっていた。産育書の中において人びとは、子どもがこの「胎毒」が原因となって「病」になることを恐れ、産まれた直後から非常な注意を傾けていたのである。本稿では、千村拙庵『小児養生録』(1688)、苗村常伯『女重宝記』(1692)、香月牛山『小児必用記』(1715)、岡了允『小兒戒草』(1820)、平野元良『病家須知』(1867)、石田鼎貫『小児養育金礎』(1813)を主な史料としてとりあげ、著者たちが「かにばば(ここ)」と「胎毒」をどのように関連づけ、子どもを「胎毒」から守ろうとその啓蒙に努めたのかを分析した。
  • 教育史学会会員調査
    増井三夫, 松岡律, 柏木敦, 白水浩信, 新保敦子, 橋本伸也, 羽田貴史
    教育史学会『日本の教育史学』 48 158 - 172 2005年09月 [査読無し][通常論文]
  • 白水 浩信
    神戸大学発達科学部『研究紀要』 11 1 11 - 28 2003年09月 [査読無し][通常論文]
     
    近代行政実務論の嚆矢とされる近代ポリス論における教育観、人間観を明らかにした。ポリス論はとりわけ人間の精神(道徳・習俗)の状態、身体(医療・衛生)の状態を国家統治という観点から重視し、顕著な人的資源論として展開した。宗教、習俗、衛生、治安と併置される形で教育がポリス領域として位置づけられていたのはそのためであり、しかもポリス論それ自体が家族=国家論に立脚するパターナリスティックな国民教化論であったことが明らかにされた。
  • 近代ポリス論における教育理念形成に関する歴史研究
    白水 浩信
    科学研究費補助金研究成果報告書 全180頁  2002年03月 [査読無し][通常論文]
     
    18世紀フランスを中心に、教育と社会統治との関係を具体的に示す史料を網羅的に収集し、その精緻な読解を通じて「ポリス」という固有の理念、実践がいかなるものであったかについて明らかにした。近代教育の成立という出来事(event)は、救貧、衛生、治安といったポリス的諸配慮間の類縁性、連携によって惹起され、近代教育はポリス的性格を刻印された特異な性格を帯びたものとして出立する。ポリスという新たな行政実務領域のなかで、教育的配慮がいかに再編され、救貧、衛生、治安といった隣接諸領域にとっていかなる作用を与えていったのかについて、歴史的に考察した。
  • ヘーゲル『法哲学綱要』における教育-「市民社会の息子」とポリツァイ
    白水 浩信
    神戸大学発達科学部教育科学論講座『教育科学論集』 6 45 - 53 2002年03月 [査読無し][通常論文]
     
    ヘーゲル『法哲学綱要』、「市民社会」の部分で展開されている「ポリツァイ」に関する節を分析し、そこで「教育」が語られていることの歴史的意義について検討した。福祉行政と訳出されてきた経緯のある「ポリツァイ」とは、まずは市民社会の秩序を下支えする行政実務論の母胎と見なすことができ、「事前の配慮」の総体であると語られている。そこでは、社会と市民の関係が親子関係になぞらえられ、「市民社会の息子」という表現に端的に示されるように、「ポリツァイ」によって市民は扶養・教育され、教育国家論の性格が顕著に認められる。
  • 西欧ポリス論における近代教育の生成-ポリス・衛生・教育
    白水 浩信
    博士論文 全174頁  2001年11月 [査読有り][通常論文]
     
    本研究は、17・18世紀ヨーロッパにおいて発生し展開した〈ポリス(police)〉から近代教育が生成してきた事実を重視して、〈ポリス〉のなかで教育がいかなるものとしてあったかを明らかにしようとしたものである。近代教育の生成をその生成の場たる〈ポリス〉という全体図柄の中に戻して再考しようとした最初の本格的研究であり、とりわけ浩瀚なドラマール『ポリス論』を初めて正面から分析し、近代教育の原像が福祉・衛生・治安などと緊密に結びついていたことを鮮明にすると同時に〈ポリス〉の教育国家論的性格を抽出した、貴重な成果である。
  • 白水 浩信
    神戸大学発達科学部『研究紀要』 8 1 49 - 67 2000年09月 [査読無し][通常論文]
     
    明治期、日本におけるポリス論の受容に関して後藤新平『國家衛生原理』を主史料に据えて分析した。後藤新平は黎明期の日本の公衆衛生行政にあって、その上司、長与専斎とともに注目される人物であり、若き日の後藤が明確に「警察(ポリツァイ)」という理念でもって、公衆衛生事業を捉えていた点は特筆に値する。進化論の影響が認められる後藤の議論からは、狭義の医療・衛生制度の整備のみならず、広く社会・法・教育にいたるまで「衛生」ととらえて配慮する傾向が顕著である。
  • 統治技術から人類学へ(コメント)
    白水 浩信
    日本民族学会『民族学研究』 64 4 521 - 523 2000年03月 [査読無し][通常論文]
     
    日本民族学会(現文化人類学会)の研究発表「統治技術から人類学へ」を承けて、その成果を学会誌に掲載した。文化人類学が犯罪者や植民地における先住民等を特定する顔面角測定等の自然人類学に起源を持つ統治技術であることを明らかにし、学の生成のもう一つの歴史に注目した。
  • 白水 浩信
    教育史学会『日本の教育史学』 41 213 - 231 1998年10月 [査読有り][通常論文]
     
    教育における性の問題に歴史研究としてアプローチすべく、イギリスの匿名著者による『オナニア』(1710)とティソーの『オナニスム』(1760)を分析した。これらは19世紀に繰り広げられる様々な反マスターベーション戦略の起点に位置する文献である。子ども・青年の性に対する教育的配慮の形成において、「教育学そのものの医療化」、「自尊心の称揚とその過剰への懸念」、「子どもの性という発明」といった三つの契機が関与していることを指摘し、これらは相互に連携し、〈予防〉という配慮において子ども・青年の性の主題を教育的配慮の一つとして編成していった点を明らかにした。
  • 書評 鈴木七美著『出産の歴史人類学』
    白水 浩信
    大人と子供の関係史研究会論集 3 109 - 111 1998年09月 [査読無し][通常論文]
     
    鈴木七美『出産の歴史人類学』に関する教育史研究という立場からの書評である。教育史は学校制度史という既存の枠組みを越えて、産育史にまで視野を広げることの画期的意義、文化人類学研究との連携の可能性について論評した。
  • 翻訳 ブシェ・ダルジ「ポリス」-『百科全書』より
    白水 浩信
    東京大学大学院教育学研究科教育学研究室・研究室紀要 24 75 - 84 1998年06月 [査読無し][通常論文]
     
    18世紀フランス啓蒙思想の集大成、『百科全書(Encyclopédie)』(1751-1780)における項目「ポリス」を訳出したものである。法学関連の項目記事を多く執筆したことで知られるブシェ・ダルジ(Boucher d'Argis)によるこの項目は、二部構成になっており、第一部が古代から紐解かれるポリス史であり、第二部が18世紀フランスのポリス実務概略となっている。特に第二部には、習俗・衛生・治安・救貧といった多岐にわたるポリス業務の一つとして、明確に教育もまたその射程にあるものとして数え上げられている。ポリスと教育の関係を考察する上で興味深い歴史的証言だと言えよう。
  • 白水 浩信
    日本教育学会『教育学研究』 65 2 11 - 20 1998年06月 [査読有り][通常論文]
     
    フーコーが重視するポリスの理念と実践について、彼自身が用いた史料、N・ドラマール『ポリス概論』を実際に手に取りその再検証を行った。その際、ポリスと教育の思想史的連動を理解する上でJ・J・ルソー、モンテスキューらの見解をも参照し、ポリスは18世紀政治・教育思想史上特筆すべき理念であることを指摘した。さらにまたポリスと教育との関係は現実の行政実務においても看過できないものであり、学校運営・青少年犯罪・乳幼児保護をめぐって、明確に教育をも射程においたポリス実務が展開していた点をも実証した。
  • 人口・衛生・教育-J・P・フランクを中心に
    白水 浩信
    東京大学大学院教育学研究科教育学研究室『研究室紀要』 23 23 - 33 1997年06月 [査読無し][通常論文]
     
    従来、言及されるのみで史料に即した本格的研究を欠いてきた、ヨハン・ペーター・フランク『医療ポリツァイ』(1779-1827)を、その章構成一覧などを提示しながら丹念に紹介し、フランクの公教育論についてもふれ、公教育における子どもの欲求の活用を通して学校の医療化が進行した点を詳述した。その際、フーコー〈生-権力論〉を援用しつつ、近代ポリス論における統治の合理性の特徴を抽出した。すなわち、教育や健康に対する欲求や快楽をもとに諸個人のアイデンティティを形成する過程と、これを社会的に保障しながら政治的全体性へと統合する過程の相互干渉こそ、ポリス論の核心に位置づく合理化の源泉なのである。
  • J・P・フランク『医療ポリツァイ』と家族の実践-官房学における人口と産育
    白水 浩信
    科学研究費補助金研究成果報告書(研究代表者:寺崎弘昭) 35 - 51 1997年03月 [査読無し][通常論文]
     
    従来、言及されるのみで史料に即した本格的研究を欠いてきた、J・P・フランク『医療ポリツァイ』(1779-1827)を、その章構成一覧などを提示しながら丹念に紹介し、近代医療制度構想にとって人口論と産育論がどのように結合していたかを考察した。そこでは人口産出の場としての家族生活が詳論され、特に出産・養育・公教育における医学の責務がひときわ力説されていた。この人口論と産育論との交点たる医療ポリス論にこそ、近代教育思想の医学化の契機を求める必要がある点を強調した。
  • 近代ポリス論における教育・序説-社会という幻想・個人という妄想
    白水 浩信
    東京大学大学院教育学研究科教育学研究室『研究室紀要』 22 57 - 65 1996年06月 [査読無し][通常論文]
     
    18世紀西欧に成立した統治論の一形態、ポリス論を分析する基本的視座を提示した論稿である。ポリスの重要性はヘーゲル『法哲学綱要』のなかでも述べられており、教育はその一環とさえ言われている。このポリスの基本的性格とは、(1)個と共同性の相補的関係を重視すること、(2)医療や教育を通して、人的資源すなわち生そのものを統治しようとしたこと、(3)諸個人の欲求を社会的なものとして再編・活用する<欲求の政治学>として現出する点に求められる。近代教育とはこうした生(bios)を醸し出すポリス的権力装置の一つとして捉えられるのである。
  • 白水 浩信
    東京大学大学院教育学研究科『紀要』 36 81 - 90 1996年06月 [査読無し][通常論文]
     
    近代行政学の祖型とも言える、フランス・ポリス学の集大成、N・ドラマール『ポリス概論』(1705-1738)を分析した。総頁数二千頁を越えるこの浩瀚な書物は、古代から18世紀にいたる広大なポリス領域-宗教、習俗、健康、食糧、治安、学芸、商工業、使用人、道路、貧民-を網羅する興味深い史料である。本稿では、その総論部分における教育観、家族観、子ども観を中心に分析を加えた。「家族は国家の苗床である」という記述からも分かるように、近代ポリス論とは家族=小国家という思想に貫かれた教育国家論そのものであり、「不寝番」に示される細心の注意と懲治をその広範な領域すべてに行き渡らせようとした教育的機能を行政の柱に据えた議論なのである。
  • 独身者のユートピアと近代家族
    小松 佳代子, 白水 浩信
    大人と子供の関係史研究会論集 1 166 - 167 1994年07月 [査読無し][通常論文]
     
    J・ベンサムの描いた自立した個人からなる市民社会とは、究極的には独身者からなるユートピア社会の構想であり、家族を基礎単位とする市民社会像をも解体するのではないかとの問題提起をおこなった。
  • 近代ポリス論における教育の位相-E.Chadwickを手がかりに
    白水 浩信
    東京大学 全120頁  1994年03月 [査読無し][通常論文]
     
    15世紀頃から18世紀にかけて用いられた西欧諸語におけるポリス(police, Polizei)とは、今日の「警察」という概念からは想像することもできない広範な領域に関わるものであった。まずはドイツ官房学を中心に、その理念史的展開を検討し、ドイツ・ポリツァイ学が、福祉の増進と危険の予防という二つの配慮のうちに〈教育〉をも包含するものであった点を突きとめた。このような議論はドイツにのみ見受けられるものではなく、自由主義的伝統から福祉国家的ポリツァイに批判的だったイギリスにおいてさえ確認しうるものである。そこで救貧法改革、公衆衛生立法に深く関わった行政官E・チャドウィックの議論を近代ポリス論と教育との関係という見地から分析した。

書籍

  • ともに生きるための教育学へのレッスン40―明日を切り拓く教養
    宮﨑隆志, 松本伊智朗, 白水浩信 (担当:共編者(共編著者)範囲:「Ⅱ 学びと教育」(扉); 「educationは能力を引き出すことか」)
    明石書店 2019年08月 (ISBN: 9784750348827) 193 70-75
  • 폴리스로서의 교육 : 교육적 통치의 아르케올로지
    白水 浩信 (担当:単著)
    학이시습 2017年12月
  • 現代家族ペディア
    白水 浩信 (担当:共著範囲:「出産と育児」,「家族と啓蒙」,「性教育」,「治安と家族」)
    弘文堂 2015年11月 360 124-126, 145-147, 143, 150-151 
    (担当:第6章「教育と家族」のうち中項目「出産と育児」及び「家族と啓蒙」の総論、小項目「性教育」及び「治安と家族」を執筆) 比較家族史学会の企画として、既刊『事典家族』の内容を改訂し、現時点での家族史研究の成果を教育史という観点から「出産と育児」「家族と啓蒙」という中項目の執筆・編集を担当した。
  • 高齢者のウェルビーイングとライフデザインの協働
    白水 浩信 (担当:共著範囲:第3章 寄り添う―福祉・教育の総合施設「楚洲あさひの丘」)
    御茶の水書房 2010年10月 37-52 
    「第3章 寄り添う―福祉・教育の総合施設「楚洲あさひの丘」」(37-52頁)を執筆。 沖縄県国頭村にある、高齢者福祉と保育所が融合した複合福祉施設を現地調査し、その分析報告をおこなった。少子高齢化に伴い、過疎に悩む地域の今後の福祉のあり方を考える上で、高齢者と乳幼児が寄り添う形で運営されている本施設の意義を論じた。また、本施設が廃校利用の試みである点も特筆した。
  • 文化人類学事典
    白水 浩信 (担当:分担執筆範囲:福祉と生権力)
    丸善 2009年01月 
    文化人類学会編の学術キーワード事典のうち、「福祉と生権力」(「第10章 癒す」)を執筆した。西洋及び日本における「福祉」の概念の歴史的検討をふまえ、現代の福祉国家統治へといたる歴史的過程について解説した。今日、福祉は教育をも含む形で、生権力の具体的行使の場を構成しているという認識を示した上で、その超克の必要性を論じた。
  • 教育史研究の最前線
    白水 浩信 (担当:共著範囲:第9章 身体と教育―第5節 西洋における身体と教育の歴史)
    日本図書センター 2007年03月 
    「第9章 身体と教育―第5節 西洋における身体と教育の歴史」(196-202頁)を執筆。 西洋教育史研究における身体の歴史について、体育・スポーツ、衛生、習俗といった観点から、最新の動向を紹介し、研究の課題と展望をおこなった。その際、①身体に関する教育の歴史と問題設定するもの、②教育という営みの身体性の歴史と問題設定される場合に分け、①では狭義の体育史、学校衛生史等について解説し、②では教育を支える身体コミュニケーション、世代間で継承される様々な慣習行動とその伝達の様式、その背景にある身体観について論じた。
  • 人間像の発明
    白水 浩信 (担当:共著範囲:第2章 健康な人間―衛生的配慮と予防のユートピア)
    ドメス出版 2006年10月 53-85 
    「第2章 健康な人間-衛生的配慮と予防のユートピア」(53-85頁)を執筆。 近代における衛生的配慮の成立過程に焦点をあて、近代人=健康な人間像という観点から考察した。まずは「衛生」の語源分析と学校教育(修身・道徳)による普及、さらに衛生的配慮による習俗の変容、予防実践による衛生的範疇の拡大プロセスについて分析した。
  • キーワード 人間と発達
    白水 浩信 (担当:共著範囲:人間は「発達」をどのようにとらえてきたか?―「発達」の発見と変遷/統治としての教育)
    大学教育出版 2005年04月 13-16, 78-79 
    「人間は「発達」をどのようにとらえてきたか?―「発達」の発見と変遷」(13-16頁)及び「統治としての教育」(78-79頁)を執筆。 「人間は「発達」をどのようにとらえてきたか?―「発達」の発見と変遷」では、「発達(development)」の概念を語源にまで遡り、その歴史的意義を概観した。 「統治としての教育」(78-79頁)では、教育が福祉とともに、国家統治の一環として想念されるにいたった歴史的経緯について、西洋教育史研究の最新の知見をまじえて論じた。
  • ポリスとしての教育―教育的統治のアルケオロジー
    白水 浩信 (担当:単著)
    東京大学出版会 2004年02月 
    18世紀フランスを中心に、教育と社会統治との関係を具体的史料に即して詳細に分析し、そこに「ポリス」という固有の理念、実践が存在したことを明らかにした。さらに近代教育の成立にあたって、救貧、衛生、治安といったポリス的配慮とのあいだに顕著な類似性、連携が認められ、個人と社会の関係はこれらポリスが包含した新たな行政実務領域のなかで、教育的配慮を軸に再編されていく過程を歴史的に考察した。

講演・口頭発表等

  • スポーツと人間形成―教育とスポーツの関係史を問い直す  [招待講演]
    白水 浩信
    教育史学会第63回大会シンポジウム 2019年09月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名) 静岡大学 教育史学会
     
    〔報告者〕佐々木浩雄・中澤篤史・來田享子 〔指定討論者〕鈴木明哲・白水浩信 〔司会〕藤井基貴・吉川卓治
  • からだを捉える(コメント)  [通常講演]
    白水 浩信
    第36回日本教育史研究会サマーセミナー 2017年09月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • 高等教育をめぐる改革の現状と行方(コメント)  [通常講演]
    白水 浩信
    現代東アジアにみる教育課題 ― 現状と変革の試み 2013年11月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 白水 浩信
    グローバリゼーション下における教育学・教育科学の挑戦-日本とフランス 2013年03月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • Healing Alternatives: Care and Education as a Cultural Life-style  [通常講演]
    白水 浩信
    The Anthropology of Care and Education for Life 2012年11月 口頭発表(基調)
  • 教育・福祉・統治性―能力言説を越えて  [招待講演]
    白水 浩信
    国立民族学博物館機関研究プロジェクト「ケアと育みの人類学の射程」 2012年01月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 教育(education)の語源―養生の場としての学校  [招待講演]
    白水 浩信
    近畿地区国立大学附属学校副校園長夏期研修会 2010年08月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • 教育学研究における若手研究者育成  [招待講演]
    江原由美子, 佐藤学, 今田絵里香, 金子元久, 小玉亮子, 白水浩信
    日本教育学会第68回大会 2009年08月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 横石知二, Fumiko Ikawa-Smith, 遠藤英樹, 白水浩信
    国立民族学博物館国際研究フォーラム 「ライフデザインと福祉の人類学」 2009年03月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 増井三夫, 所伸一, 越水雄二, 小松佳代子, 塚本智宏, 白水浩信
    教育史学会第49回大会 2005年10月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 岩下誠, 柴田 賢一, 白水浩信
    大人と子供の関係史研究会 2005年03月 口頭発表(招待・特別)
  • 増井三夫, 松岡律, 柏木敦, 白水浩信, 新保敦子, 羽田貴史
    教育史学会第48回大会 2004年10月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 塩崎恵美子, 入谷亜希子, 白水浩信
    東京大学大学院教育学研究科・総合演習 2004年07月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • 白水 浩信
    日本民族学会第33回研究大会 1999年05月 口頭発表(招待・特別)
  • 白水 浩信
    教育史学会第41回大会 1997年10月 口頭発表(一般)
  • 白水 浩信
    日本教育学会第56回大会 1997年08月 口頭発表(一般)
  • 近代ポリスと教育―E. Chadwickを中心に  [招待講演]
    白水 浩信
    大人と子供の関係史研究会 1995年05月 口頭発表(招待・特別)

その他活動・業績

  • 小山静子・小玉亮子編著、比較家族史学会監修『家族研究の最前線③子どもと教育―近代家族というアリーナ』
    白水浩信 比較家族史研究 34 116 -119 2020年03月 [査読無し][招待有り]
  • からだとこころを捉える―サマーセミナー雑感
    白水 浩信 日本教育史往来 230 9 -10 2017年10月 [査読無し][通常論文]

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 近代揺籃期における教育関連語彙の翻訳と受容に関する歴史研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 白水 浩信
  • 転換期における民衆的教育思想の生成に関する実証的研究
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基板研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2021年03月 
    代表者 : 宮崎 隆志
  • 近代における教育統治論と能力言説の生成に関する歴史研究
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基板研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 白水 浩信
  • 異年齢期カップリングの発達学:子どもの生きづらさを超えるための学際的協働
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基板研究(B)
    研究期間 : 2015年04月 -2019年03月 
    代表者 : 川田 学
  • 多世代共生「エイジ・フレンドリー・コミュニティ」構想と実践の国際共同研究
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基板研究(B)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 鈴木 七美
  • ラテン語educareとeducereに関する教育概念史研究
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2016年03月 
    代表者 : 白水 浩信
  • ケアと育みの人類学
    国立民族学博物館:機関研究プロジェクト
    研究期間 : 2011年04月 -2015年03月 
    代表者 : 鈴木 七美
  • ヨーロッパ学校衛生論史研究
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基盤研究(C)
    研究期間 : 2011年04月 -2015年03月 
    代表者 : 寺崎 弘昭
  • 少子高齢・多文化社会における福祉・教育空間の多機能化に関する歴史人類学的研究
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基盤研究(B)
    研究期間 : 2009年04月 -2012年03月 
    代表者 : 鈴木 七美
  • ウェルビーイング(福祉)の思想とライフデザイン
    国立民族学博物館:共同研究
    研究期間 : 2008年04月 -2012年03月 
    代表者 : 鈴木 七美
  • 西洋養生思想における「身体」と「心」の教育概念史
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基盤研究(C)
    研究期間 : 2008年04月 -2012年03月 
    代表者 : 白水 浩信
  • ライフデザインと福祉(Well-being)の人類-多機能空間の創出と持続的活用の研究
    国立民族学博物館:機関研究プロジェクト
    研究期間 : 2008年04月 -2010年03月 
    代表者 : 鈴木 七美
  • 西欧養生論史に関する基礎的研究
    日本学術振興会:科学研究費補助金 若手研究(B)
    研究期間 : 2005年04月 -2008年03月 
    代表者 : 白水 浩信
  • 『ポリスとしての教育―教育的統治のアルケオロジー』(東京大学出版会)
    日本学術振興会:科学研究費補助金 研究成果公開促進費
    研究期間 : 2003年04月 -2004年03月 
    代表者 : 白水 浩信
  • 近代ポリス論における教育理念形成に関する歴史研究
    日本学術振興会:科学研究費補助金 奨励研究(A)
    研究期間 : 2000年04月 -2002年03月 
    代表者 : 白水 浩信
  • 18世紀フランス・ポリス学における教育理念形成に関する思想史研究
    日本学術振興会:特別研究員奨励費
    研究期間 : 1999年04月 -1999年09月 
    代表者 : 白水 浩信

教育活動情報

主要な担当授業

  • 教育学調査実験Ⅰ
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 教.学院
  • 学校教育特論
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 教育学院
    キーワード : 告白、性(セクシュアリティ)、主体、フーコー、統治
  • 教育学調査実験Ⅱ
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 教.学院
  • 教育学概説
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
    キーワード : 教育思想 教育 education 学校空間 規律 体罰 能力 統治 福祉 ポリス
  • 教育学調査実験Ⅲ
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 教.学院
  • 教育基礎論講義
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
    キーワード : 家族 大人と子供の関係 通過儀礼 声 文字
  • 教育学調査実験Ⅳ
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 教.学院
  • 専門演習
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
    キーワード : 教育思想 研究方法 教育思想の古典
  • 専門演習Ⅰ
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
  • 専門演習
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
    キーワード : 教育思想 文化史 言説史 狂気 進歩主義 確実性 権威と服従
  • 専門演習Ⅲ
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
  • 卒業論文
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
    キーワード : 教育思想 卒業論文
  • 比較教育学
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
    キーワード : 家族 大人と子供の関係 通過儀礼 声 文字
  • 教育学
    開講年度 : 2018年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 教育学部
    キーワード : 教育 近代学校 体罰 家族 教師の困難 教育理念の変遷 教員養成 教科書 学習指導要領

大学運営

委員歴

  • 2020年09月 - 現在   教育史学会   機関誌編集委員
  • 2020年03月 - 現在   教育史学会   機関誌書評委員
  • 2019年09月 - 現在   教育史学会   理事
  • 2019年09月 - 現在   教育史学会   国際交流委員
  • 2016年04月 - 2020年03月   北海道教育学会   理事
  • 2015年03月 - 2020年03月   北海道教育学会   事務局長
  • 2016年10月 - 2018年09月   教育史学会   機関誌編集委員
  • 2016年03月 - 2017年10月   教育史学会   機関誌書評委員
  • 2016年03月 - 2016年09月   日本教育学会   第75回大会実行委員
  • 2012年03月 - 2013年09月   教育史学会   機関誌書評委員
  • 2005年10月 - 2006年10月   教育史学会   会員調査ワーキンググループ


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