野田 五十樹(ノダ イツキ) |
情報科学研究院 情報理工学部門 複合情報工学分野 |
教授 |
In this paper, we analyze the effect of two-phase evacuation with a temporary gathering place on congestion reduction with a pedestrian simulator. At first, we construct an evacuation behavior model based on the questionnaires in Senju Area, Tokyo, and estimate the number of the evacuees under several disaster situations. We apply CrowdWalk, pedestrian simulator to measure the effect of two-phase evacuation and direct evacuation to wide-area evacuation sites with using two evaluation indexes, an average evacuation time of all evacuees and average stopping time in congestion of all evacuees. As a result of our simulation, we conform that two-phase evacuation has an effect preventing the evacuees from concentrating in an evacuation route, and the variation of evacuation behavior can be caused by two-phase evacuation. Finally, we discuss the availability of the two-phase evacuation for practical use.
数万人規模の人々が集まるイベントにおいて、運営者は来場者にイベントを楽しんでもらうことを意図するとともに、効率的で安全な誘導を計画している。しかし、道路交通における交通情報の収集・提供、信号制御といった交通管制に比べ、群集の誘導、停止および分断といった規制の効果は定量的に論じられていない。本稿ではこのような背景を踏まえて、雑踏警備で行われる誘導手法をモデル化し,人流シミュレーションへの実装を行う。
本研究では混雑時の群衆移動において、従来行われてきた通行制限などの空間的制御だけでなく、段階的避難のような時間的制御を加え、移動に関する効率がどう変化するかをシミュレーションで評価する。混雑時では必要以上に時間がかかったり、歩行速度の違いにより事故が生じたりする。本研究では、エージェントごとに優先時間や優先経路を付与することで、移動時間や混雑状況に関する評価を歩行者シミュレーションによって行う。
これまでに,デマンドバスの利便性(目的地までの到着時間)は, デマンドの多い都市部において有効と考えられることが示されてきた. ただし,条件は全てを路線バスで運行した場合と, デマンドバスで運行した場合の比較であり, 両者が混在したときの状態は明かでなかった. 本発表では,路線バスとデマンドバスが混在する環境において, それらの割合が利便性にどのような影響を及ぼすか,報告する.
本報では,交通シミュレータを利用して,デマンドバスの効率性に寄与する条件を分析した結果について述べる. 対象としては,従来デマンドバスの導入対象として一般的ではなかった中規模サイズの都市を念頭に,函館市を設定する. また,基礎データとして既存路線バスの運行・乗降データ,パーソントリップなどの実データを利用する. その上で,バスの台数や利用者数,運行形態などを様々に変化させ,条件を分析する.
水害・土砂災害から住民を守るためには、適切なタイミングで対象地域に避難勧告等の発令することが求められる。災害が発生するまでに安全な地域へ避難を完了していることが望ましいが、状況に応じた避難行動を実施することも重要である。本稿では、河川が氾濫し、浸水が発生する可能性がある状況において、どのようなタイミングで避難勧告を発令することが被害軽減につながるかを歩行者シミュレーションを用いて検証する。
近年,実世界情報の計測や状況の認識,知識の蓄積を可能とする研究が進み,社会システムにおけるボトルネックの発見や妥当性を検証する社会シミュレーションに対するニーズが高まっている.本研究では,シミュレーションを特定のルールに基づき網羅的に実行し,評価関数に対し最適な解を得る手法を提案する.具体的な問題として多数の歩行者を効率的に誘導する群衆誘導計画を網羅的なシミュレーションにより得ることができた.
ネットワーク型マルチエージェント人流シミュレータのパラメータを,既存のマルチエージェント型人流シミュレータや実測値を利用して調整する方法について説明する.
震災などの災害時には交通網も大きな打撃を受け,道路ネットワークが大きく変化する.このような道路ネットワークについての情報が乏しい状況では,どのような情報を車両ドライバに提供するかにより交通状況に大きな影響が出ると考えられる.本研究では,交通シミュレーションを用いてその影響を検証する.
本研究は,大規模マルチエージェントシミュレーションにおける様々なパラメータの組み合わせとそれにより生じる特徴的な結果(差異)を網羅的なパラメータ探索からより効率的な探索にするための手法を組み込んだプラットフォームを提案し,その有効性を検証することを目的とする.具体的には,幾つかの初期設定パラメータによるシミュレーション結果から,実験計画法に基づく分析手法によりパラメータを効率的に探索する.
外食店舗における接客業務は、顧客のニーズを適切に把握し顧客満足度の高いサービスを提供するための重要な業務である。本研究では、外食店舗におけるPOSデータや従業員の店内移動記録といった実データを用いて、接客従業員の業務や行動ルールをモデル化し、シミュレーションにより顧客の料理待ち時間、接客可能時間、従業員の労力といった観点からより効果的な従業員投入量や接客業務の改善方法について検討する。