加美山 隆 (カミヤマ タカシ)

工学研究院 応用量子科学部門 物質量子工学教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(工学), 東北大学
  • 工学修士, 東北大学
■ URL
researchmap URL■ ID 各種
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 結晶組織
  • 中性子イメージング
  • 動的構造
  • ガラス
  • 液体
  • Dynamical Structure
  • Glass
  • Liquid
研究分野
  • エネルギー, 量子ビーム科学, 中性子工学
  • ナノテク・材料, 無機材料、物性
  • ナノテク・材料, 基礎物理化学
  • 自然科学一般, 数理物理、物性基礎
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2019年04月 - 現在
    北海道大学大学院, 教授
  • 2005年04月 - 2019年03月
    北海道大学大学院, 准教授
  • 1996年04月 - 2005年03月
    - 北海道大学大学院 助教授
  • 1991年 - 1996年
    北海道大学 助手
  • 1991年 - 1996年
    Hokkaido University, Research Assistant
  • 1996年
    - Hokkaido University, Associate Professor
学歴
  • 1991年, 東北大学, 工学研究科, 材料物性学, 日本国
  • 1991年, 東北大学, Graduate School, Division of Engineering
  • 1987年, 東北大学, 工学部, 材料物性学科, 日本国
  • 1987年, 東北大学, Faculty of Engineering
委員歴
  • 2022年04月 - 2024年03月
    日本中性子科学会, 評議員, 学協会
  • 2018年04月 - 2020年03月
    日本中性子科学会, 評議員, 学協会
  • 2002年
    日本中性子科学会, 地区編集委員, 学協会

研究活動情報

■ 受賞
  • 2016年09月, 日本金属学会, 第64回 論文賞
    Relation between Vickers Hardness and Bragg-Edge Broadening in Quenched Steel Rods Observed by Pulsed Neutron Transmission Imaging (Materials Transactions, Vol.56, No.8)
    佐藤博隆;佐藤友哉;塩田佳徳;加美山隆;Anton S. Tremsin;大沼正人;鬼柳善明
  • 2012年09月, 日本金属学会, 第60回 論文賞
    A Rietveld-Type Analysis Code for Pulsed Neutron Bragg-Edge Transmission Imaging and Quantitative Evaluation of Texture and Microstructure of a Welded alpha-Iron Plate (Materials Transactions, Vol.52)
    佐藤博隆;加美山隆;鬼柳善明
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
  • DOS/Vパソコンによる科学計測入門(共著)
    NFS出版, 1994年
  • Introduction to the Scientific Measurements Using DOS/V Personal Computers
    1994年
■ 講演・口頭発表等
■ 主な担当授業
  • 量子ビーム計測工学特論, 2024年, 修士課程, 工学院
  • 量子理工学特別講義, 2024年, 修士課程, 工学院
  • 医理工放射線物理学, 2024年, 修士課程, 医理工学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 放射線物理学特論, 2024年, 修士課程, 工学院
  • 物質構造科学特論, 2024年, 修士課程, 工学院
  • 量子ビーム計測工学特論, 2024年, 博士後期課程, 工学院
  • 量子理工学特別講義, 2024年, 博士後期課程, 工学院
  • 放射線物理学特論, 2024年, 博士後期課程, 工学院
  • 物質構造科学特論, 2024年, 博士後期課程, 工学院
  • 統計力学, 2024年, 学士課程, 工学部
  • 化学Ⅰ, 2024年, 学士課程, 全学教育
  • 一般教育演習(フレッシュマンセミナー), 2024年, 学士課程, 全学教育
  • 科学・技術の世界, 2024年, 学士課程, 全学教育
  • 一般教育演習(フレッシュマンセミナー), 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 所属学協会
  • 日本中性子科学会
  • 日本原子力学会
  • 物理学会
  • 化学会
  • 金属学会
■ Works(作品等)
  • eV中性子による中性子散乱の研究
    2001年
  • A study of Neutron Scattering by eV Neutron
    2001年
  • 液体金属の中性子散乱
    1999年
  • Neutron Scattering of Liquid Metals
    1999年
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 天然の白雲母を用いた暗黒物質の探索実験DMICAのための基盤研究
    科学研究費助成事業
    2025年04月01日 - 2028年03月31日
    廣瀬 重信; 中 竜大; 小國 健二; 常 青; 加美山 隆; 長谷部 徳子; 鈴木 勝彦; 星野 靖; 阿部 なつ江; 河村 洋史; 山崎 誠子
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 25K07350
  • マルチエネルギー中性子同時ラジオグラフィ法を利用するシナジーイメージングの高度化
    科学研究費助成事業
    2024年04月01日 - 2028年03月31日
    加美山 隆
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 24K01392
  • 産業利用への実用を目指した中性子共鳴吸収温度測定法の展開
    科学研究費助成事業
    2017年04月01日 - 2021年03月31日
    加美山 隆; 佐藤 博隆
    本研究では、非破壊で物体の内部温度を測定可能な中性子共鳴吸収分光法(N-RAS)について、作動機械を模擬した回転運動している中性子共鳴吸収体に対して粒子輸送計算の援用による温度検量線法(N-RAS/PTS法)を適用し、非破壊・非接触・リモートで回転体の温度測定が室温から600 Kまでの間で数Kの精度で可能であることを明らかにした。N-RASの測定では中性子ビームの照射野に何の制限も必要無く、加速器の運転と測定試料の回転の同期をとることも必要ない。N-RAS/PTS法は測定試料体系さえ分かっていれば事前に検量線を作成することが可能で、測定時間の効率的な利用が可能となる。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 17H03515
  • 「パルス中性子による物質材料および空間場の組織構造・物理量イメージング」
    科学研究費助成事業
    2011年04月01日 - 2016年03月31日
    鬼柳 善明; 加美山 隆; 古坂 道弘; 宇野 彰二; 持木 幸一; 篠原 武尚; 木野 幸一; 佐藤 博隆; 長谷美 宏幸; 甲斐 哲也; 塩田 佳徳; 岩瀬 謙二; 矢代 航; 大竹 淑恵
    パルス中性子源を用いたエネルギー分析型透過イメージング法の高度化と応用分野の拡大を行った。まず、解析コードを改良し、焼き入れ鉄のマルテンサイト相、日本刀や新材料の結晶組織構造情報の分布を得、硬さ分布の非破壊測定法を見いだした。さらに、CT法の開発を行った。水素貯蔵合金への適応可能性を示すとともに、小角散乱イメージング法を開発し、共鳴吸収スペクトルの定量解析を可能とした。磁気イメージング法の定量性の評価と磁性薄膜への応用、さらに、世界初のパルス中性子による位相コントラスト測定を成功させた。また、高計数率2次元検出器やカメラタイプで短時間チャンネル飛行時間測定ができる検出器の開発に成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 23226018
  • 中性子共鳴吸収分光法を用いた高効率なマルチポイント同時非破壊内部温度測定法の開発
    科学研究費助成事業
    2012年04月01日 - 2015年03月31日
    加美山 隆
    即発γ線型中性子共鳴吸収分光法による温度測定法は、温度の断層内分布を非破壊で可視化することができるが、測定に時間がかかるのが課題である。これについて高効率化を図るため、温度情報が必要な複数の位置にそれぞれ別種の共鳴吸収核種を置いて解析することにより複数位置の温度情報を一度に得るマルチポイント同時非破壊内部温度測定法の開発を行った。また、共鳴吸収ピークの測定感度を高めるために、検出器の不均等配置法を検討した。これらの結果、室温以上では数K内程度の精度で、複数核種を用いた同時非破壊温度測定が可能であることを実証した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 24510116
  • 長寿命核廃棄物の核変換処理技術開発のための中性子捕獲反応断面積の系統的研究
    科学研究費助成事業
    2010年04月01日 - 2015年03月31日
    井頭 政之; 片渕 竜也; 原田 秀郎; 中村 詔司; 岩本 信之; 木村 敦; 堀 順一; 鬼柳 善明; 加美山 隆; 木野 幸一; 平賀 富士夫; 八島 浩
    本研究では、長寿命核廃棄物の核変換処理技術開発のための中性子捕獲反応断面積データベースの高精度化に資することを目的とした。まず、長寿命核廃棄物のZr-93, Tc-99, Pd-107, I-129, Np-237, Am-241, Am-243, Cm-244, Cm-246、及び関連する安定同位体の中性子捕獲反応断面積の高精度測定を行った。そして、測定結果の系統的理論解析を行い、長寿命核廃棄物の中性子捕獲反応機構の解明を行った。そして、測定できない核種・中性子エネルギー領域の中性子捕獲反応断面積を理論計算によって提供した。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 東京工業大学, 22226016
  • 位相トモグラフィーによる屈折率分布の三次元非接触計測
    科学研究費助成事業
    2009年 - 2011年
    富岡 智; 西山 修輔; 加美山 隆; 坂下 弘人
    気体の温度分布や液体の濃度分布を測定する場合、熱電対等のセンサーを挿入すると測定対象の状態が変わってしまうため、正しい測定ができない。本研究では、光をプローブとした干渉法による位相計測とコンピュータトモグラフィーの組み合わせによる、位相トモグラフィーを用いて三次元かつ非接触な屈折率分布計測を検討した。これにより発熱体周辺の気体の温度を求め、理論値と比べ定性的に妥当な結果が得られた。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 21560197
  • 中性子/γ線複合型CTによる多元多重データ可視化と非破壊データマイニングの可能性
    科学研究費助成事業
    2009年 - 2011年
    加美山 隆; 鬼柳 善明
    中性子共鳴吸収分光法とコンピュータ断層撮像を組み合わせたN-RAS/CTは、核種や温度の断層内分布を非破壊で可視化することができるが、空間分解能の低いことが問題となる。これを、加速器中性子源から放射されるγ線(X線)を利用し同一ビームライン上で高空間分解能γ線ラジオグラフィを行うことで高空間分解能化した。また、シャッター機能を付加した中性子イメージインテンシファイアを使うことにより、エネルギー分解した中性子イメージから材質特定と分布のイメージングを行った。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21360459
  • メゾスコピック構造の理解をベースとした地層処分バリア材料の性能発現機構の解明
    科学研究費助成事業
    2008年 - 2010年
    小崎 完; 富岡 智; 西山 修輔; 加美山 隆; 佐々木 隆之; 香西 直文
    高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価のための基礎研究として、地層処分で期待されるバリア材(ベントナイトおよび堆積岩)のメゾスコピック構造を、X線回折、X線マイクロCT観察、μ-PIXE分析の結果に基づいて検討した。また、バリア性能に及ぼすメゾスコピック構造の影響を検討するため、バリア材のバリア性能、すなわち透水係数、放射性核種の拡散係数、放射性核種の収着係数を評価した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 20360415
  • パルス中性子透過分光撮影法の透過断面積変化の解明と新応用分野の開発
    科学研究費助成事業
    2008年 - 2010年
    鬼柳 善明; 古坂 道弘; 加美山 隆; 持木 幸一; 平賀 富士夫; 金子 純一; 岩瀬 謙二; 原田 正英; 大井 元喜; 佐藤 節夫; 下ヶ橋 秀典
    パルス中性子を用いた透過イメージング法で、中性子透過断面積が金属材料の結晶子配向、結晶子サイズなどの違いによって変化することを明らかにし、それらを定量的に評価できるデータ解析コードを世界に先駆けて開発した。このコードを用いて鉄溶接片における組織構造、結晶子サイズ、さらに引っ張り試験中の鉄版の組織構造、結晶子サイズ、歪イメージの取得に成功した。また、カメラ型検出器のパルス中性子対応化も行なった。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 20246136
  • パルス中性子源を活用した量子機能発現機構に関する融合研究
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2008年
    池田 進; 伊藤 晋一; 鳥飼 直也; 神山 崇; 大友 季哉; 古坂 道弘; 福永 俊晴; 吉沢 英樹; 斎藤 努; 秋葉 悦男; 那須 奎一郎; 山田 和芳; 新井 正敏; 金谷 利治; 鬼柳 善明; 杉山 正明; 森 一広; 横尾 哲也; 清水 裕彦; 三沢 正勝; 山田 悟史; 高原 淳; 桜井 健次; 辻井 敬亘; 日野 正裕; 筑紫 格; 石垣 徹; 高橋 美和子; 八島 正知; 菅野 了次; ステファヌス ハルヨ; 米村 雅雄; 中村 優美子; 鬼柳 亮二; 佐藤 卓; 伊藤 恵司; 川北 至信; 丸山 健二; 山室 修; 加美 山隆; 山口 敏男; 吉田 亨次; 亀田 恭男; 澤 博; 古川 はづき; 李 哲虎; 川合 將義; 上野 健治; 川端 節爾; 猪野 隆; 武藤 豪; 高橋 浩之; 曽山 和彦; 小林 謙一; 河西 学; 小林 正史; 古坂 道弘; 斎藤 努; 福永 俊晴; 吉沢 英樹; 那須 奎一郎; 秋葉 悦男; 山田 和芳
    本計画では、大強度パルス中性子源の建設が世界的に進む中で、我が国が将来先導することが期待される表面・界面の精密構造研究、グリーンマテリアルの機能発現機構研究、非一様系の構造とダイナミクス研究、水素結合を基調とする生体分子ネットワーク研究、強相関物質の物性発現機構の研究を深化させ、新しい研究方向を確立させた。また、医学や考古学のような全く新しい分野での中性子利用の可能性を示すことに成功した。これに加えて、世界のパルス中性子施設と協力してパルス中性子科学技術の革新を行い、多くの基盤技術や解析手法を実現させ、これらを用いた新しい中性子実験装置の提案に至った。
    日本学術振興会, 学術創成研究費, 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 16GS0417
  • 中性子位相空間変換光学素子の開発
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2007年
    金子 純一; 古坂 道弘; 藤田 文行; 鬼柳 善明; 加美山 隆; 大竹 淑恵
    振動する結晶からの中性子回折を二次元中性子検出器と飛行時間法を併用することで、中性子回折角度ならびに強度変化を測定した。
    測定では3mm×120mm×14mmのXカット水晶を使用した。水晶はX軸方向に分極を起こすため、この軸に垂直なXカットの変位が最も大きい。結晶上に製作したAl電極に対して40Vの電圧を印加し、22.7kHzの固有振動モードで振動させた。顕微鏡で観察した最大変位量は約5μmであった。
    中性子回折実験はJRR-3M、ULSにおいて4.7Åの中性子を使用して行なった。測定器として抵抗分割型光電子増倍管とZnS:Liシンチレータを組み合わせて使用した。結晶を22.7kHz、44μsの周期で振動させて中性子回折像を測定した。その結果、中性子強度分布が時間とともに変化する事を観測した。中性子強度分布は大きく2つの成分からなることが分かった。4.7Åの中性子の速度は約840m/sであり、半周期に当たる22μsで1.8cm進む。検出器を1.8cmもとの1位置からずらした場合、中性子強度変化の位相がπずれることを確認し、回折中性子が結晶の振動周波数と一致した周期性を持つことを確認した。
    測定データに対して、二重ガウスフィッティングを行い、ピーク位置ならびに中性子強度変化の時間変化を導いた上で、理論モデルと比較した。ドップラー効果による変位量が変形による変位量より大きい場合、回折中性子強度の時間変化は正弦関数を折り返した形であられる。測定した中性子ピークはこの形になることを確認した。位置の時間変化に関しては、一つのピークに関しては理論計算と概ね一致したが、他方は予測と異なる結果となった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 17360448
  • パルス中性子透過分光撮影法を用いた新しいマテリアルキャラクタリゼーション法の開発
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2007年
    鬼柳 善明; 加美山 隆; 金子 純一; 富岡 智; 竹中 信幸; 古坂 道弘; 猪野 隆
    パルス中性子を用いた中性子透過分光法によって得られる画像は、ピクセルごとに中性子断面積の情報を持っているため、これまでの中性子ラジオグラフィーと比べ、対象とするマテリアルの構造情報なども含んだ多くの情報を提供できる。特に、低エネルギー領域に現れるブラッグエッジは結晶構造を反映したものである。その位置のシフトによって歪みの大きさを評価することができる。本研究において屈曲させた鉄試料において、歪みの大きさを定量化できるとともに特定の結晶面で歪みが大きく現れることが明らかに示された。また、ブラッグエッジ付近の断面積の大きさの変化が、結晶粒の大きさと関係することを明らかにし、断面積の大きさと線形関係にあることを示した。さらに、鉄一鉄及びステンレスー鉄の溶接部付近の透過断面積は場所によって変化し、溶接部に近くなるに従って、鋭いブラッグエッジとなることが分った。このことは、結晶面の分布がより等方的になっていることを示唆している。一方、高エネルギー領域では、共鳴吸収を利用した画像が取得でき、元素分布測定や温度測定ができる可能性を示した。検出器素子開発として、Gdベースのシンチレータを用いた検出器を試作し画像を取得した。
    このように、パルス中性子透過分光法では、単なる透過画像を取るだけの従来のラジオグラフィーと全く異なった、結晶構造、結晶粒の大きさなどマテリアルのテクスチュアに関係した内部情報を得ることができ、世界的にも注目されている。大型陽子加速器中性子源が稼働をはじめる時期でもあり、これからはより精密な測定が可能になる。この手法の全断面積情報に内包されているものを有効に利用して、より詳細なマテリアルキャラクタリゼーションができるよう、さらなる研究が望まれる。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 17206096
  • 中性子CTスキャン法の開発と物体内部核種分布・温度分布測定への応用研究
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2005年
    加美山 隆
    本研究は、中性子共鳴吸収分光法を利用して、バルク内部の温度分布や元素分布を非破壊的に調べる技術を開発し、あわせて中性子散乱法へのコンピューター断層撮像(CT)による可視化技術応用の可能性を検討することを目的とする。中性子共鳴吸収分光法は、物質中のある特定同位体元素のみについての運動状態を実効温度というパラメータで決定することが出来る。実効温度は、充分に高い温度で実際の試料温度とほぼ一致するので、測定対象の実際の温度を測定することが可能である。さらに中性子を利用するため物体内部の情報が得られること、また感度も非常に高いことから、試料の回転やスリット移動を組み合わせて実空間情報も得ることが出来れば、CT法を応用して、物体内部の非破壊・非接触の物体内部温度分布測定が可能となる。
    平成16年度は、中性子スリットの移動とバルク試料の回転を組み合わせた測定用のCTステージを作成し、空間情報を持つ中性子共鳴吸収スペクトルの組を得た。この一連のデータに対し、CT変換を行うと、バルク試料断層における核種分布と温度分布のマップが得られた。これと実験シミュレーションの比較により、本研究で開発した手法による分析結果は、現実の核種/温度分布に対応していると確認できた。
    平成17年度には、一連のデータの組を使って飛行時間スペクトルを時間チャンネルごとに分解して再構成し、CT法による中性子共鳴吸収スペクトルの再現を行った。この手法により再構成した試料内各位置のスペクトルは、対象物の内部構造を空間的にも分解能的にも矛盾無く再現できており、さらにこのスペクトルを解析した試料温度は実際の温度と良く一致した。この結果はCTスキャン法により試料内部の任意の位置のスペクトルをピーク形状まで含めて取得することが出来ることを示しており、ソフトウェアによる中性子顕微鏡の可能性を実証した結果であると考えられる。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 16560622
  • 新材料メタンハイドレートを用いた高性能パルス中性子減速材の開発
    科学研究費助成事業
    2002年 - 2004年
    鬼柳 善明; 加美山 隆; 平賀 富士夫; 澤村 晃子; 金子 純一; 古坂 道弘
    メタンハイドレートの中性子断面積の特性を知るために、中性子非弾性散乱実験を行い、そのデータ解析を進めた。メタン分子の回転は自由回転に近く、最低レベルを1.1meVとして自由回転モデルで計算することによって、上手く実験でのエネルギーレベルが再現できる。しかし、これだけでは散乱強度を全て説明できなかった。この原因としてメタンの氷格子中での並進運動が考えられ、4.4meVと7.4meVに大ケージと小ケージに対応すると思われるピークがあることが分かった。これらのピークは実験的に初めて明らかにされたものである。水分子の揺動運動については、メタンハイドレートと氷で、強度分布に少し差がみられた。しかし、全体としては、メタンハイドレートの断面積は、メタン単体の断面積と氷の断面積を足し合わせることによって近似出来ることが分かった。
    メタンハイドレートの中性子エネルギースペクトルと放出時間分布の測定を、結合型と非結合型の減速材タイプについて行った。結合型減速材においてはスペクトルの形は、氷のものに近かった。ピークエネルギーは、メタンや水素が約3meVであるのに対して、約7meVと高くなっていた。そのため、熱中性子領域では強度が高いが、冷中性子領域ではかなり低くなっている。非結合型減速材においても、同様の結果が得られ、水素減速材やメタン減速材よりも特性は劣っていた。また、中性子放出時間は、他の減速材より広い分布を示しており、この観点からも劣ることが示された。この結果から、メタンハイドレートは、熱中性子から冷中性子までの広いエネルギー領域でスペクトル強度があまり変化しないという特徴を持つが、冷中性子領域では、強度がメタンや水素より劣る。これは、減速が良いメタンの効果があまり大きくなく、氷の特徴が主として表れたためと考えられる。この減速材を冷中性子源として使用するメリットはあまりないと考えられる。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 14380229
  • イオン伝導体内Agの原子運動-中性子共鳴吸収分光法N-RASによる機能性材料評価
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2001年
    加美山 隆
    中性子共鳴吸収分光法(N__-eutron R__-esonance A__-bsorption S__-pectroscopy, N-RAS)は、中性子共鳴吸収即発γ線分析法と飛行時間法を組み合わせた、我国の中性子実験グループにより提案・開発された全く新しい概念に基づく分光法である。本研究は、この新しい分光法でイオン伝導体中のAg原子の運動を追跡し、材料研究に対する本手法の有用性と応用性を明らかにする事を目的とした。平成13年度は、イオン伝導体中のAgについて測定を系統的に進めると共に、並行してこの実験手法の実験誤差要因について系統的に検討を行った。イオン伝導体としてはAgIの他、Ag3SI及びAg3Brを試料とし、キャリアイオンAgの運動状態と骨格を形成するIの運動状態について個別に情報を取り出し、相転移点を含む温度範囲で測定した。この結果、(1)骨格を形成するIの実効温度は、AgIとAg3SIの双方において各転移を含む測定温度領域の全体にわたって運動変化の傾向に変化は見られない、(2)キャリアであるAgイオンの運動は、Ag3SIやAg3SBrのγ→β転移のように骨格の変化を伴わないものではその傾向に変化は現れないが、骨格の変化を伴うAgIのβ→α転移ではAgイオンの運動に変化が現れる、ということがわかった。即ち、骨格を形成する陰イオンの作る環境がキャリアの運動に非常に大きく影響を及ぼすものと考えられる。また、N-RAS測定において問題となる誤差要因については、主としてスペクトルのフィッティングに影響を及ぼす原子の断面積の大きさについて検討した。この結果、試料を10%程度の吸収条件に調整すれば実効温度の誤差を0.5%程度に押さえられることがわかった。以上、本研究により、N-RASが実用材料の研究に応用が可能で有用な情報を与えること、試料に必要な調整条件を明らかにすることができた。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 12750001
  • 超強力パルス中性子源開発に関する共同研究
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2001年
    鬼柳 善明; 成田 正邦; 平賀 富士夫; 加美山 隆; 渡辺 昇; 古坂 道弘
    スポレーション中性子源は超強力中性子源として、現在、アメリカ・日本で1MWクラスの大強度陽子加速器が建設されている。また、ヨーロッパではより大型の5MWクラスの計画が進行中である。このような施設の中性子発生部は施設の性能を決定付ける重要なものである。本課題では、中性子発生部であるターゲット・減速材・反射体システムについて、以下のテーマについて研究を行い、成果を得た。
    Los Alamos研究所との協力によって、スポレーション中性子源の計算コードシステムの導入がはかられ、その使用に関して大きな進歩があった。ここで築かれた協力関係は、今後の計算機シミュレーションによるシステムの最適化の研究において大きな力になる。
    液体水素減速材は、MWクラス中性子源では唯一の現実的減速材物質である。しかし、水素数密度が低いために、中性子強度が低くなる。それを防ぐ方法として、前置減速材を考えた。前置減速材としては軽水と重水が候補であるが、重水を用いることによって、軽水よりも高い強度が得られ、1.5倍程度増えることを明らかとした。また、Argonne研究所との共同研究では、重水素化水素(HD)、メタンの中性子特性の測定を行い、重水素では極低エネルギー領域で中性子強度が軽水素より良くなる可能性があることが明らかになった。しかし、メタンでは、水素数密度の低さがデメリットとなって、強度が低くなることが分かった。
    世界第2位のスポレーション中性子源であるAlamos研究所において中性子特性の測定を行い、計算との一致が得られること、ビームラインの設計によって強度が大きく変わることなどが明らかとなった。また、水素分子のオルソ・パラ変換についての情報も得られ、触媒がないのにもかかわらず、変換が比較的早く起こっていることがわかった。
    これらの、研究を通して、日本の超強力中性子源設計に有用な知見が得られた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 11694111
  • 時間の不反転性-超冷中性子による中性子電気双極子能率の測定
    科学研究費助成事業
    1998年 - 2001年
    吉城 肇; 戎 健男; 加美山 隆; 武藤 豪; 増田 康博
    平成10年度に於いては同8年迄の重点領域研究の結果を受けクライオスタットの改良が開始され、また実験候補地としてILL, PSIが物色された。その結果edm測定で最高の実績をもつSussex大学とRNLとの提携が進められSussex, ILLの若手研究者の訪日が実現した。平成11年は6月から超伝導ソレノイドの冷却を開始し7月25日頃用意された超伝導ソレノイドが永久電流モードに入り、必要な磁場10mGが超安定度で発生している事を確認した。その間Sussexグループとの協力関係に前進があり、以上の結果平成11年8月30日にSussex大学と連名でCryoEDMを目指した実験プロポーザルがILLに行われ、10月半ば組織委員会で正式に認められた。9月20日に文部省の実地調査を受けた。12月半ばよりクライオスタット(CoolingTowerII)の試験が行われ平成12年2月4日に液体ヘリウムの温度は0.48Kを記録した。平成12年3月15日前年8月のプロポーザルの確認文書がILLに送付された。同4月委員会はこのプロジェクトに40日のビームタイム割り当てた(11.22-12.7,3.15-4.10)。これを受けてRALでメンバー13人が会した。かくて実験機器を英国とフランスに送ることが12年夏より始まった。改良を行ったCoolingTowerIが6.29に完成し7.10他の品目約100点と共に日本から発送された。8.7-21,9.7-23,11.9-12.15に渡欧し11.22からビームの建設に携わった。明けて13年3月第三者の予想以上に大量のUCNの発生を確認しスーパーサーマル法の有効性を世界に示した。ただしILLのH53ビーム強度が仕様の1/60しかないことも発見された。この結果は6月ロシアのプーシキン市で発表された。平成14年1-3月に新たにvelocity selectorをビームに挿入することにより入射中性子波長対UCN発生率を観測して超流動ヘリウムに関する物理学的成果を得た。照射により得たUCN密度は8/cm^3,発生率0.7/cm^3/sで従来の記録を大きく塗り替えただけでなく、修復されたH53ビームを使えば500ヶ、H112で約3000ヶ/cm^3が見込まれ、測定可能な領域として10^<-28>e.cmが見えてくる。平成10年,この実験新規申請にあたり研究目的としたedm値10^<-26>e.cmは、昨年Sus-sexグループによって達成された(PRL82(1999)904)。しかし同グループはUCN源の微弱を理由にここで常温測定を中止しCryo-EDM測定に移行することになった。一方研究分担者の戎は中性子源を更新して測定を行うことにより、準安定超伝導粒子による中性子の検出の研究を昨年度に引き続き行い、何ら疑う余地のない中性子の確定的検出に成功、これによって中性子はもとよりダークマターなどの中性粒子の検出方法の道が大きく開けた。
    日本学術振興会, 特別推進研究, 呉大学, 10101001
  • 磁場およびマルチキャピラリーファイバーを用いた中性子ビームの輸送
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    鬼柳 善明; 平賀 富士夫; 加美山 隆; 澤村 貞史; 川端 祐司; 古坂 道弘; 曽山 和彦
    狭い領域に高い強度のビームを作ることができれば,中性子利用の分野を拡大できる可能性がある.本研究では二つの方法による中性子収束を検討した.中性子の磁気モーメントを利用して6極磁場で収束させるもの(中性子磁気レンズ),もう一つはマルチキャピラリーファイバーによる収束である.
    磁場収束については,実験における収束強度とシミュレーションによる結果が2倍異なっていたので,その理由について検討を行なった.その結果,磁気中性子レンズが磁場が強いためにゆがんでいて,それが収束強度に影響することが分かった.また,磁気レンズを二本組み合わせて,凸レンズと凹レンズとして働かせ,中性子ビームの収束と平行化をおこなうための基礎実験を行なった.この装置では二本のレンズの間に中性子のスピンフリッパーをいれて,スピン反転を行なう必要がある.このための装置を試作し,実際にスピンの反転が起こっていることが確認され,凸レンズ,凹レンズとして働いていることが示された.
    マルチキャピラリーファイバーについては,3次元シミュレーションコードを作って,キャピラリーの径による透過中性子の波長依存性を調べた.その結果,径が大きいほうが長波長の中性子をより多く透過できることが分かった.また,ファイバーを曲げた場合の曲率によっても特性が変わることが示された.また,キャピラリーの小さな歪みが,中性子透過特性に大きく影響することも分かった.このことを実験で調べたが,実験でのキャピラリーのセッティング等の問題のため,計算で示されたような,径に対する一般的な依存性は観測されなかった.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 11480119
  • 不規則系の化学構造と物性
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1999年
    中村 義男; 田村 剛三郎; 河村 純一; 伊丹 俊夫; 乾 雅祝; 加美山 隆; RAUOX Denis; JAL JーFranco
    本国際共同研究の実績の概要は、研究の対象とした系別に以下の3項目にまとめられる。
    1)代表的な液体金属である水銀は、超臨界領域で金属-非金属転移を起こす。また、代表的な液体半導体であるセレンは、半導体から金属さらには絶縁体へと転移する。このような物性変化が、原子配列、密度のゆらぎ、クラスター形成とどのような関連性をもつかを調べることは極めて重要である。本研究では、我々が独自に開発してきた実験技術をもとにし、強力X線源としてグルノーブルの大型放射光施設ESRFおよび西播磨のSPring-8を利用することにより、水銀やセレン等の超臨界金属流体の短・中・長距離構造について調べ、重要な知見を得ることができた。
    2)高イオン伝導性ガラスでは、大きなイオン導電率にマスクされて、ガラス転移に特有な誘電緩和は測定できない。しかし、高周波域ではイオン伝導の寄与は相対的に小さくなり、この緩和が観測される可能性がある。本年度は、AgI-Ag_3O-B_2O_3系、およびAgI-AgPO_3系について、ガラス転移点付近までの誘電緩和測定(周波数範囲1MHzから1GHz)をBourgogne大学で行なった。得られた結果について、ガラス中の酸化物とハロゲン化物の濃度揺らぎに関連させてた、定量的な検討を行なっている。今年度はさらにまた超臨界溶液系の研究の一貫として、臭化亜鉛水溶液中のBr^-の予備的なNMR測定を室温から140℃付近までで行った。
    3)アルカリ金属-水銀系は、熱電能の極小現象はじめ興味ある電子物性を示すことが知られている。このような物性には、成分金属間の電荷移動による中距離の化学構造の出現がかかわっていることが示唆されている。今年度はグルノーブルのESRFを利用して、液体Rb-Hg系のX線吸収(EXAFSとXANES)の測定を行った。HgについてはL端、RbについてはK端の吸収を合金の組成の関数として測定した。その結果から、RbおよびHgの周りの溶液構造の変化と電子物性が強く関係していることが示唆された。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 10044045
  • 物質内Ag原子運動の選択的測定−中性子共鳴吸収分光法N−RASの材料研究への応用
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1998年
    加美山 隆
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 10750473
  • 異種結合混在系液体・ガラスの構造と電気物性
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1997年
    中村 義男; 加美山 隆; 河村 純一
    われわれがこの研究で得た成果は、以下のようにまとめられる。
    1.金属・非金属系:セシウム・メチルアミン・アンモニア系のCs-133のNMRスペクトルと電気伝導率の測定を行い系の示す金属・非金属転移と濃度ゆらぎなどの溶液構造との関連を明らかにした。またナトリウム・アンモニア系で200MHzのESR測定を行い、バルクの金属化に先立つ電子の非局在化を示唆する結果を得た。また酸化物ガラス中にビスマス、銀のナノサイズ超微粒子を析出させ、その光学吸収、融解温度などの物性の微粒子のサイズ依存性を明らかにした。タリウム・カルコゲン化物系の濃度ゆらぎと系の電気的性質の関係を明らかにした。
    2.有機・無機超イオン伝導ガラス系:ヨウ化銀と・ヨウ化テトラアルキルアンモニウム系のアルキル基のサイズを変えることにより、さまざまなヨウ化銀の容積分率のガラス試料を作製し、その交流伝導率を測定した。その結果、容積分率0.35付近で、顕著なパコレーション的なイオン導体・絶縁体転移を示すことがわかった。銀イオンと有機塩のプロトンのNMR、中性子錯乱、X線小角散乱などにより、このガラス中のイオンと分子の微視的運動状態についてさらに詳細に調べた。
    3.無機塩・分子性液体系:硝酸リチウム・グリセロール系では、塩の濃度の増加とともに粘性が増大し、電気伝導率は低下することがわかった。この系のグリセロールの分子運動を中性子の準弾性散乱の測定から調べた。また塩化リチウム濃厚水溶液とそのガラス中の水分子の運動をNMRにより測定し、中性子散乱の結果と比較検討した。これらの系ではイオンを介した低分子物質のネットワーク構造形成が系の物性を支配していることが分かった。
    これらの結果より、異種結合混在系の液体あるいはガラスでは、異相分離的(同種安定)、もしくは秩序形成的(異種安定)な「局所的ゆらぎ」が、系の電気物性を支配していると結論される。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 07454143
  • 超臨界領域を含む液体の化合結合、構造、物性
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1996年
    中村 義男; MAURIN Pierr; PERNOT Etien; HAZEMANN Jea; GEAYMOND Oli; RAOUX Denis; ARGOUD Roger; SOLDO Yvonne; JAL JeanーFra; DUPUYーPHILON ジョゼット; 坂口 佳史; 河村 純一; 加美山 隆; 乾 雅祝; 田村 剛三郎; JOSETTE Dupu
    本国際共同研究は、液体および超臨界流体の研究で多くの実績のある日仏の4つの研究グループが、それぞれの特質を活かしつつ協力体制を組み、2年にわたり実施したものである。フランス側のグルノ-ブル、リヨン地区はラウエ・ランジュバン研究所(ILL)と欧州放射光施設(ESRF)をもち、グルノ-ブル大学(ラウ-他)とリヨンI大学(デユピュイ・フィロン他)のグループがX線、中性子の散乱を主とする構造研究を担当た。一方、日本側は広島大学田村グループが、高温高圧のX線回折、XAFSなどを用いた液体・超臨界流体の構造研究における従来の実績により、今回のESRFにおける超臨界流体の研究を主導した。北海道大学中村グループはNMR測定、中性子準弾性散乱に実績をもち、とくにNMRを用いた測定を担当した。得られた研究実績は以下のようにまとめられる。
    1)融点近傍の液体セレンは、鎖状構造をもつ代表的な液体半導体として知られている。融点において一本の鎖に含まれるセレン原子の数は10万個にものぼるが、温度と圧力を増加させてゆくと、鎖は切断され次第に短くなる。臨界点(1615℃、385bar)近傍に至り、その数が10個程度まで減少したとき半導体から金属への転移がおこる。この半導体-金属転移の特徴は、第一に、液体から気体への連続的な体積膨張に伴って起きる点であり、第二には、鎖の切断が進行し10個程度のセレン原子を含む長さになったとき金属への転移が生ずるという鎖構造の安定性に深い関わりをもつと考えられる点である。我々は、セレン金属流体の成因を探る上で重要な短・中・長距離構造を調べる目的で、超臨界領域にわたる広い温度圧力範囲でエネルギー分散型X線回折、X線小角散乱、XAFS測定を行なってきた。本研究における特筆すべき点は、フランスのグルノ-ブルにある大型放射光施設ESRFの強力なX線を利用し、フランス人研究者と共同で、超臨界流体セレンのXAFSならびX線回折測定を世界で初めて成功させたことである。得られた成果を以下に記す。(1)金属的な領域においても依然として二配位構造が残っており、しかも、半導体-金属転移に際してボンドの長さがむしろ短くなることが判明した。(2)この実験結果をもとに、金属化の機構についてのモデルを提案した。σボンドに加えてπボンドをもつ平面ジグザグ構造の短い鎖状分子の出現が金属化に重要な役割を担っている可能性がある。(3)まだ確定的ではないが、半導体-金属転移の際に50Å程度のスケールの不均質な構造の存在する可能性がある。また、密度測定の結果として、(4)流体セレンの流体-気体共存曲線は非常に特異な形をしており、そのため、直線径則からのずれ、臨界指数βにクロスオーバーが存在する。
    2)塩化リチウムの濃厚水溶液は粘性が高く、新しいタイプのイオン性ガラスを容易に形成する。この系のイオン、分子の動的性質を明らかにするため、北海道大学グループはフランス側研究者とともに、中性子準弾性散乱、NMR(緩和、拡散係数)の測定を共同で行った。とくに北海道大学におけるNMR測定では、過冷却濃厚電解質溶液中の水分子の拡散係数を初めて測定し、その温度変化が中性子散乱から得られた結果とほぼ一致することを見い出した。またプロトンの緩和時間を過冷却液体を含む広い温度領域で測定し、拡散係数の測定結果を用いて、分子間および分子内のプロトン緩和の寄与を分離した。分子間(並進)、分子内(回転)それぞれの運動の相関時間が、中性子準弾性散乱およびミュオンを用いたフランス側の実験の結果と良く対応していることが分かった。これらの成果の一部は、ガラスの動的性質に関する国際会議(YKIS'96)において発表した。
    3)日仏共同研究者の相互訪問により、従来の課題の実施に加えて、高温高圧NMR(北大)、高温高圧RD(広島大)による液体半導体、金属-非金属溶液を対象とする研究の展開の足掛りを作った。とくに広島大学におけるフランス側研究者の高圧測定技術の研修、北海道大学におけるNMR研究への参画は、フランスにおける日本側研究者のXAFS、中性子散乱実験への参加と共に、今後の両国の研究グループの発展に多いに資するもの考える。
    日本学術振興会, 国際学術研究, 北海道大学, 07044047
  • 定トルク型回転粘度計の製作とそれによる低温溶融塩系の測定
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1995年
    加美山 隆
    通常の共軸2重回転粘度測定法を改良し、内筒の回転によって試料にかかるトルクの大きさを、トルクをかけるモーターにフィードバックすることによって、非常に幅の広い粘度域を測定可能にし、且つ試料にかかるトルク型を低くする定トルク型の粘度計を作製して、実際にネットワーク構造を持つ液体系の測定に応用する研究を行った。
    定トルク型の粘度計は内筒を回転させるモーターと内筒の間を細いワイヤーで結び、ワイヤーのねじり強さを適当に変えることで試料に与えるトルクを決定するため、単一の装置で幅広い粘度領域の測定に対応できるようになった。ワイヤーのねじれ角度は光学式エンコーダーを用いて検出するので非常に高い精度で角度の検出が可能である。これにより測定される最少のねじれ角度を制御用計算機でステッピングモーターにフィードバックし、モーターをそのねじれ角度分回転させることにより、非常に低いトルクで粘度の測定が可能となった。
    本装置では、当初粘度標準液を幾つか測定して広い粘度範囲で装置のキャリブレーションを行った後、液体中において静電的な結合により比較的弱いネットワークを形成していると考えられるグリセロール-硝酸リチウム系の測定を行った。粘度標準液を使用した測定結果では、各温度において本装置の測定精度は±1%程度であった。グリセロール-硝酸リチウム系の測定では組成・温度を変化させて行った結果、この系がストロングガラス形成系とフラジャイルガラス形成系の中間に位置し、塩濃度を高めるとよりフラジャイルな性質を示すことが明らかとなった。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 07750809
  • 大型スポレーションパルス中性子源を用いた中性子散乱による物質の動的構造研究
    科学研究費助成事業
    1992年 - 1994年
    池田 宏信; 稲葉 章; STEIGENBERGE ユウ.イイ.; 金谷 利治; 松尾 隆祐; 加倉井 和久; 梶 慶輔; 伊藤 晋一; 新井 正敏; 古坂 道弘; 池田 進; 三沢 正勝; 神山 崇; 浅野 肇; 柴田 薫; 山田 和芳; 神木 正史; 遠藤 康夫; 渡辺 昇; 辛 埴; 加美山 隆; 増田 康博; 鬼柳 善明; 田島 圭介; 入江 吉郎; 鈴木 謙爾; 山口 敏男; FINNEY J.L.; 山室 修; 本河 光博; 新村 信雄; J L Finney
    本研究は、「連合王国科学工学会議(SERC)及び日本高エネルギー物理学研究所(KEK)間のラザフォード・アプルトン研究所(RAL)スポレーション中性子源(ISIS)を用いた中性子散乱研究に関する協定」(1986年12月締結)に基づく研究を実施することを目的としている。この協定に基づき、我々はわが国の予算により高性能チョッパー型分光器MARIをISISに設置し(平成元年度)、これまで既存の中性子源利用によっては達成できなかった新しい中性子散乱研究の開拓をめざして、1992年度から本格的な実験研究を開始した。本年度は、MARIを中心とした14課題の実験を実施したが、数多くの成果が得られた。顕著な成果は以下の通りである。
    高温超伝導体La_<1.85>Sr_<0.15>CuO_4単結晶の磁気揺動の観測を行い300meVまでに及ぶシグナルの観測に成功した。このような大きなエネルギースケールの磁気揺動は、同じ銅酸化物超伝導体のYBa_2Cu_3O_7とは大きく異なっており、高温超伝導発現と磁気揺動の関連を研究する上での重要な発見となった。
    一次元反強磁性体の磁気励起に及ぼす量子効果の研究は統計物理学の基本問題として重要な課題の一つである。スピン値が3/2の系CsVCl_3の一次元鎖方向の磁気励起を測定することによって、ゾーン境界の励起エネルギーが75meVをとることが分かったが、この値は古典的なスピン波論で予測される値の1.26倍である。また、励起の線幅は古典論で予測される値の2,4倍とう異常を示すことが判明された。線幅の温度変化の詳細を現在解析中であり、スピン値の増大に伴う量子論から古典論へのクロスオーバーについての理解が進みつつある。
    水素結合物質KHCO_3の水素の波動関数とポテンシャルを求めるための実験が行なわれ、水素の励起状態(125meV,230meV、320meV)の運動量空間での強度分布の測定に成功した。これで得られた散乱関数のフーリエ変換から、水素の励起状態の波動関数の対称性、また、それを再現するポテンシャルの決定作業が進行している。
    典型的非質晶合金(例えばNi_<40>V_<60>)では、非晶化に伴い、局所的な四面体基本構造ユニットが互いに、結晶相での面共有型から頂点共有型に変化するものと予想されている。このような変化は原子振動の相違を伴うので、MARIでの動的構造因子の測定が決め手となる。この測定によって、非晶質合金において初めて、分散の無い励起状態(12meV)が発見された。このことから、四面体を基本とした二十面体構造の存在が示唆されており、原子振動のダイナミクスの情報から原子配列の詳細が決定されつつある。
    以上はMARIを用いた実験成果の一部であるが、他の分光器を使用した共同研究によって以下のような興味深い成果が得られている。
    高エネルギー分解能分光器IRISで、4μeVという高い分解能の実験条件のもとで、フラクタル構造をもつパーコレーションネットワーク上を拡散するスピンの運動を支配する異常拡散則の観測に初めて成功した。一様な系での粒子の拡散則はすでに確立されているが、フラクタル格子上を拡散する粒子の運動を明らかにした最初の実験である。
    典型的遍歴磁性体Mn_<3-x>Si_x(x=0-1.2)の低温での磁気秩序状態は、x=0では横波正弦波、x=0.2-1.2では反強磁性構造である。局所的にはMnがBCC構造をとることから、スピン密度波が観測される例として有名なBCC-Crとの比較に大きな興味がもたれている。高エネルギー励起用チョッパー分光器HETを用いたMn_<2.8>Si_<0.2>単結晶の実験によって、スピン波はエネルギーが30-40meVの付近で急速にダンピングするという現象が見いだされた。磁気転移以上の温度で観測された異常に強い常磁性散乱とともに、この系の磁性が明らかにされようとしている。
    日本学術振興会, 国際学術研究, 高エネルギー物理学研究所, 04044160
  • アルカリリン酸塩融体内における網目構造形成過程に関する中性子非弾性散乱による研究
    科学研究費助成事業
    1993年 - 1993年
    加美山 隆
    本研究は、中性子準弾性散乱によりアルカリリン酸塩融体内のPO_4四面体の揺動運動を測定することでPO_4ネットワークの形成過程を調べることを目的としたものである。試料としてはNa_2OとP_2O_5の1:1の混合系を用いた。理想的にはこの混合比でリン酸塩ガラスはそのネットワークが分岐点を有しない1本のPO_4重合体からなるはずであり、溶融〜ガラス状態の変化においてどのような大きさのPO_4重合体からネットワークが形成されていくのか興味深い。
    試料はリン酸二水素アンモニウム(NH_4H_2PO_4)と炭酸ナトリウム(Na_2CO_3)の混合物を真空中で溶融・分解させて作成した。この試料は300℃以下でも固化せず非常に安定して過冷却する。作成試料は粉末にして、中性子非弾性散乱用円筒型石英セルに真空封入した。中性子散乱の測定には高エネルギー物理学研究所・ブ-スター利用施設中性子散乱実験室に設置されているLAM-40型中性子準弾性散乱分光器を使用した。この装置はエネルギー移行omega=-4〜10meV、弾性散乱位置において分解能が200mueVで運動量移行O=0.2〜2.5A^<-1>の範囲の動的構造因子S(O,omega)を測定することができる。試料の取り付けでは抵抗線加熱型真空炉内でアダプターを介して石英セルを支え、それにより試料の昇温を行った。実験の測定では真空炉の能力及びマシンタイムの都合上、融点上の600℃、過冷状態の400℃、ガラス状態り室温の3点のみで行い、さらに各温度に保持した石英セルのバックグランドと標準試料のバナジウムの測定も行った。測定データの処理は東北大学大型計算機センターで稼動中のプログラムを用いてバックグランド、カウンター効率、吸収、エネルギー窓幅等の補正を行い、試料の動的構造因子S(O,omega)を得た。
    その結果では、過冷状態と600℃の動的構造因子S(O,omega)のスペクトルの概形はガラス状態のそれとほぼ変わらず裾に分子内揺動運動モードを表す幅広い準弾性散乱スペクトルが見られない。このことはNa_2O-P_2O_5のリン酸塩ガラスでは融点より高い温度においてもPO_4四面体を骨格としたネットワークがほぼ完全に形成されていることを示している。一方、スペクトルの高さはガラス状態に向け温度が下がるほど高くなるという変化を示し、このガラスの融体はネットワーク鎖の揺動運動による流動性で特徴づけられているものと考えられる。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 05750651
  • 中性子散乱に関する研究
    競争的資金
  • 液体とガラスの動的構造に関する研究
    競争的資金
  • Study of Neutron Scattering
    競争的資金
  • Study on Dynamic Structures of Liquids and Glasses
    競争的資金
■ 産業財産権
  • 核反応検出装置及び方法並びにプログラム【時刻】
    特許権, 岩下秀徳; 舩津玄太郎; 古坂道弘; 加美山隆; 佐藤博隆; 鬼柳善明
    特願JP2020026274, 2020年07月03日
    特開WO2021002469, 2021年01月07日
    特表WO2021002469, 2021年01月07日
  • 核反応検出装置及び方法並びにプログラム【位置】
    特許権, 岩下秀徳; 舩津玄太郎; 古坂道弘; 加美山隆; 佐藤博隆; 鬼柳善明
    特願JP2020026279, 2020年07月03日
    特開WO2021002470, 2021年01月07日
    特表WO2021002470, 2021年01月07日
  • 診断装置、及び診断方法
    特許権, 加美山 隆; 佐藤 博隆; 吉澤 章博; 三和田 靖彦; 石井 博行; 松本 清市, 国立大学法人北海道大学, トヨタ自動車株式会社
    特願2014-142069, 2014年07月10日
    特開2016-017901, 2016年02月01日
    特許第6306456号
    201803018099880289
  • 診断装置、及び診断方法
    特許権, 加美山 隆; 佐藤 博隆; 吉澤 章博; 三和田 靖彦; 石井 博行; 松本 清市, 国立大学法人北海道大学, トヨタ自動車株式会社
    特願2014-142069, 2014年07月10日
    特開2016-017901, 2016年02月01日
    201603010868948457

研究シーズ集

■ 研究シーズ