研究者データベース

研究者情報

マスター

アカウント(マスター)

  • 氏名

    辻 康夫(ツジ ヤスオ), ツジ ヤスオ

所属(マスター)

  • 法学研究科 附属高等法政教育研究センター ガバナンス部門

所属(マスター)

  • 法学研究科 附属高等法政教育研究センター ガバナンス部門

独自項目

syllabus

  • 2020, 公共哲学, Public Philosophy, 修士課程, 法学研究科, 自由主義、民主主義、公共性、政治参加、熟議、多文化主義、アイデンティティ、社会民主主義、福祉国家、新自由主義
  • 2020, 政治学特殊演習, Seminar in Political Studies, 修士課程, 法学研究科, 政治理論、多文化主義
  • 2020, 政治学特別研究, Issues in Political Studies, 博士後期課程, 法学研究科, 政治理論、多文化主義
  • 2020, 政治学, Politics, 学士課程, 文学部, 自由主義、民主主義、公共性、政治参加、熟議、多文化主義、アイデンティティ、社会民主主義、福祉国家、新自由主義
  • 2020, 政治学, Political Science, 学士課程, 法学部, 自由主義、民主主義、公共性、政治参加、熟議、多文化主義、アイデンティティ、社会民主主義、福祉国家、新自由主義
  • 2020, 政治学概論, Introduction to Political Science, 学士課程, 農学部, 自由主義、民主主義、公共性、政治参加、熟議、多文化主義、アイデンティティ、社会民主主義、福祉国家、新自由主義
  • 2020, 公共哲学, Public Philosophy, 専門職大学院, 公共政策学教育部, 自由主義、民主主義、公共性、政治参加、熟議、多文化主義、アイデンティティ、社会民主主義、福祉国家、新自由主義

timetable

  • 博士後期課程, 法学研究科, 2020, 法政理論総合研究Ⅱ

PositionHistory

  • 大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター長, 2019年4月1日, 2021年3月31日

researchmap

プロフィール情報

所属

  • 北海道大学・アイヌ先住民研究センター, 教授
  • 北海道大学・公共政策学連携研究部, 教授

学位

  • M.A.(McGill University)

プロフィール情報

  • 辻, ツジ
  • 康夫, ヤスオ
  • ID各種

    200901093621183377

所属

  • 北海道大学・アイヌ先住民研究センター, 教授
  • 北海道大学・公共政策学連携研究部, 教授

業績リスト

研究キーワード

  • 移民問題   チャールズ・テイラー   ジョン・ロック   ソーシャル・キャピタル論   先住民をめぐる政治理論   多文化主義の政治理論   political theory   

研究分野

  • 人文・社会 / 政治学 / 多文化主義、先住民、移民、地域的マイノリティ
  • 人文・社会 / 社会学 / 多文化主義、先住民、移民、地域的マイノリティ
  • 人文・社会 / 政治学 / 政治理論 コミュニティ、ソーシャル・キャピタル論

経歴

  • 2008年04月 - 現在 北海道大学 アイヌ先住民研究センター 教授
  • 2005年04月 - 現在 北海道大学 公共政策大学院 教授
  • 2004年04月 - 現在 北海道大学 法学研究科 教授
  • 1999年04月 - 2004年03月 北海道大学 法学部 助教授
  • 1993年10月 - 1999年03月 新潟大学 法学部 助教授
  • 1992年04月 - 1993年09月 東京大学 法学政治学研究科 専任講師
  • 1987年04月 - 1992年03月 東京大学 法学部 助手

学歴

  • 1989年09月 - 1993年06月   マッギル大学   政治学部   修士課程
  •         - 1993年   マッギル大学大学院   政治学科   政治学
  • 1982年04月 - 1987年03月   東京大学   法学部   政治コース
  •         - 1987年   東京大学   法学部   政治

委員歴

  • 2017年10月 - 現在   日本学術会議   連携会員
  • 2009年05月 - 現在   政治思想学会   理事   政治思想学会

論文

MISC

  • 解説:「研究の正当化 対話不可欠:遺骨返還拒絶、道徳的に不適切」
    辻康夫 沖縄タイムス 2021年09月23日
  • 司会・コメント:公開講演会「コロナ危機から考える現代社会」北海道大学法学研究科・高等法政教育研究センター
    講演:村上裕一、森悠一郎。辻康夫, 司会, コメント 2021年01月
  • 司会・コメント:公開講演会「アメリカはどこへ向かうのか:トランプ時代とこれから」北海道大学法学研究科・高等法政教育研究センター
    講演:古矢旬、會澤恒。司会・コメント:辻康夫 2020年12月
  • コメント:シンポジウム「グローバルな覇権と文明」(政治思想学会研究大会 シンポジウムⅡ)
    辻康夫(コメント 2018年05月 [通常論文]
  • 司会・コメント:政治思想学会研究大会「自由論題C」
    司会・コメント:辻康夫 2017年05月
  • 司会・コメント:公開講演会「近代政治学と先住民族問題」北海道大学アイヌ・先住民研究センター
    講演:James Tully, 加藤節。司会、コメント:辻康夫 2016年10月26日
  • 司会・コメント:政治思想学会研究大会「自由論題C」
    司会・コメント:辻康夫 2016年05月
  • 司会・コメント:公開講演会「『先住民族の権利』と『文化』」北海道大学アイヌ・先住民研究センター公開講演会
    講演:Avigail Eisenberg, 司会・コメント:辻康夫 2013年09月13日
  • Commentator: 【EUSI政治プロジェクト研究会】"Europe’s Crisis of Multiculturalism: Causes, Trends, and Prospects" 2013年9月13日、慶應義塾大学 三田キャンパス。
    Speaker: Christian Joppke. Commentator, Yasuo TSIJI 2013年09月13日
  • 司会・コメンテイター:公開講演会「マイノリティとシティズンシップ:少数派であること、国民であること」北海道大学アイヌ先住民研究センター
    講演者: Lucas Swaine, 司会・コメント:辻康夫 2012年03月29日
  • 司会・コメント:分科会「政治思想の伝統とその復権」日本政治学会研究大会
    報告:木村俊道、堤林剣。司会・コメント:辻康夫 2011年10月09日
  • コメント:分科会「多文化主義の新展開」日本政治学会研究大会
    報告者, 飯田文雄, 浪岡新太郎。コメント, 辻康夫 2010年10月10日
  • 司会・コメント: 公開講演会「過去の不正とどう向き合うか:政府による認知と謝罪をめぐって」北海道大学アイヌ先住民研究センター
    講師:Jeff Spinner-Halev, 司会・コメント, 辻康夫 2009年02月22日
  • Commentator :Kyoto Prize Symposium "A Secular Age and After- Secularization and Modernity"
    Lecture: Charles Taylor. Commentator, S.Iijima, T.Inoue, T.Tanaka, T.Nakano, Y. Tsuji 2008年11月12日
  • コメント:分科会「政治思想における古典の力」、司会、千葉真
    報告者, 加藤節, 松本礼二, コメント:辻康夫, 齋藤純一 2007年10月06日
  • コメント:分科会「社会的紐帯とデモクラシー」日本政治学会研究集会
    報告:早川誠、中田晋自、鹿毛利枝子、コメント:辻康夫、司会:宇野重規。 2007年10月06日
  • Chair and Commentator for :Session 'Justice in an Age of Diversity,'International Political Science Association, 20th World Congress
    Paper givers: David Kahane, Catherine Kellogg, Fumio Iida, Makoto Hayakawa. Chair and commentator: Yasuo Tsuji 2006年07月13日
  • Commentator : International Symposium "Cambridge Moment", Chiba University
    Presentation: John Pocock,James Alexander, Lee Quan. Commentator Yasuo Tsuji 2005年12月
  • Commentator: International;Symposium "Americanization;Nationalism in;a;Global Age"; Hokkaido University
    2002年08月23日
  • Commentator: International Symposium "Local Governance in a Global Era: In search of concrete visions for a multi-level governance", Hokkaido University
    2001年12月07日

書籍等出版物

  • ジョン・ロック
    辻康夫 (担当:分担執筆)
    A.Sugita and O.Kawasaki (ed.) Western Political Thought 2014年09月
  • ロック:宗教的自由と政治的自由
    辻康夫, 小野 紀明, 川崎 修, 川出 良枝, 犬塚 元, 宇野 重規, 杉田 敦, 齋藤 純一 
    川出良枝編『主権と自由』 (岩波講座 政治哲学 第1巻) 2014年03月 (ISBN: 4000113518) 240
  • 「宗教的なるものと社会的つながり」
    辻康夫 
    宇野重規編『つながる(政治の発見:第4巻)』風行社、pp. 217-243 2010年
  • 政治的平等とは何か
    R.A.ダール, 飯田文雄, 辻康夫, 早川誠 (担当:共訳)
    法政大学出版局 2009年05月
  • 政治学のエッセンシャルズ
    辻康夫, 松浦正孝, 宮本太郎編 
    北海道大学出版会 2008年03月
  • 「共同体」
    辻康夫 
    福田有広・谷口将紀編『デモクラシーの政治学』(東京大学出版会) 2002年
  • マルチカルチュラリズム
    チャールズ・テイラー他, 著, 佐々木毅, 向山恭一, 康夫 
    岩波書店 1996年10月

講演・口頭発表等

  • Reconsidering the culturalist approach of multiculturalism: Focusing on the policy issue of language preservation  [通常講演]
    TSUJI, Yasuo
    International Political Science Association, The 26th World Congress of Political Science. 2021年07月 シンポジウム・ワークショップパネル(公募)
  • マイノリティ言語の地位をめぐる考察  [通常講演]
    辻康夫
    日本解放社会学会研究大会 2020年09月 口頭発表(一般)
  • 本質主義批判をふまえた多文化主義政策の可能性  [通常講演]
    辻康夫
    日本解放社会学会研究大会 2019年09月 口頭発表(一般)
  • アイヌ民族政策の歴史的展開  [招待講演]
    辻康夫
    中国人民大学外国語学院講演会「近代日本的歴史与思想」 2018年10月 口頭発表(招待・特別)
  • Multiculturalism and revitalization of diminished cultures  [通常講演]
    TSUJI Yasuo
    World Social Science Forum 2018 2018年09月 口頭発表(招待・特別) Fukuoka
  • 「『近代政治原理』と『神学的パラダイム』の間:加藤節『ジョン・ロック:神と人間との間』を読む」  [通常講演]
    辻 康夫
    成蹊大学・思想史研究会 2018年07月 口頭発表(一般)
  • Multiculturalism and the Policies of Community Rebuilding  [通常講演]
    TSUJI Yasuo
    International Political Science Association World Congress 2018年07月 口頭発表(一般) Brisbane International Political Science Association
  • Multiculturalism policies toward Indigenous people and immigrant groups in North America  [通常講演]
    TSUJI Yasuo
    SIMS International Conference 2017年12月 口頭発表(招待・特別) Sookmyung Women’s University (Seoul, Korea)
  • 多文化主義政策とコミュニティ・レジリエンス  [通常講演]
    辻 康夫
    解放社会学会研究大会 2017年09月 口頭発表(一般)
  • 文化主義における「歴史」の問題  [通常講演]
    辻 康夫
    国立民族学博物館・共同研究会「政治的分類―被支配者の視点からエスニシティと人種を再考する」 2017年01月 口頭発表(一般)
  • アイデンティティ主張の「ジレンマ」をめぐって  [通常講演]
    辻 康夫
    解放社会学会研究大会 2016年09月 口頭発表(一般)
  • On applicability of multiculturalism to the Japanese situation:with a focus on Ainu policy  [通常講演]
    TSUJI Yasuo
    Hokkaido University 2016 Summer Institute: The Round Table: The Cultural Politics of Globalization 2016年07月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 「多文化主義」をいかに理解すべきか  [通常講演]
    辻 康夫
    移民政策学会・冬季大会 2015年12月 口頭発表(一般)
  • Formulating a theory of multiculturalism in Japanese context  [招待講演]
    TSUJI Yasuo
    Korean Political Science Association, Annual Conference 2015年12月 口頭発表(一般)
  • デモクラシーは宗教とどうつきあうか  [通常講演]
    辻 康夫
    北海道大学・公共政策大学院シンポジウム「現代と宗教」 2015年08月 口頭発表(基調)
  • 多文化主義と不可視性の問題  [通常講演]
    辻 康夫
    国立民族学博物館・共同研究会「政治的分類―被支配者の視点からエスニシティと人種を再考する」、国立民族学博物館 2015年01月 口頭発表(一般)
  • 多文化主義の諸理論とマイノリティ政策  [通常講演]
    辻 康夫
    解放社会学会研究大会 2014年09月 口頭発表(一般)
  • 多文化主義理論の複合的アプローチにむけて  [通常講演]
    辻 康夫
    日本政治学会研究大会、分科会 2013年09月 シンポジウム・ワークショップパネル(公募)
  • Multiculturalism and Indigenous People in Japan  [通常講演]
    辻 康夫
    International workshop,"Multicultural Coexistence and East Asian Community”,Co-hosted by: East Asian Research Unit, Public Policy School at Hokkaido University and Peace and Democracy Institute at Korea University 2012年10月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • Deparochializing political theory in Japanese context: A note on James Tully's discussion  [通常講演]
    TSUJI Yasuo
    International workshop, 'Deparochializing Political Theory: East Asian Perspectives on Politics' , University of Victoria 2012年08月 口頭発表(招待・特別)
  • 先住民族の権利をめぐる政治理論的考察:日本の事例を中心に  [通常講演]
    辻康夫
    淡江大学アジア研究所「アジアの人権発展に関する国際シンポジウム」 2012年02月 口頭発表(招待・特別)
  • 多文化主義をめぐる論争と展望  [通常講演]
    辻康夫
    北海道大学・政治研究会 2011年12月
  • 市民社会における宗教の位置づけ  [通常講演]
    辻 康夫
    日本政治学会研究大会 2010年10月 口頭発表(一般)
  • Ainu and Ainu Studies in Japan  [通常講演]
    TSUJI Yasuo
    A Lecture at University of Saskatchewan, Department of Native Studies 2010年09月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • 宗教的なるものと公共性・公共圏――チャールズ・テイラーのキリスト教論を中心に」」(  [通常講演]
    辻 康夫
    韓日政治思想学会(ソウル:淑明女子大学校) 2010年07月 口頭発表(一般)
  • Charles Taylor, A Secular Age (Harvard University Press, 2007)をめぐって  [通常講演]
    辻康夫
    北海道大学・政治研究会 2008年12月
  • ソーシャル・キャピタル論とその周辺  [招待講演]
    辻 康夫
    関西大学経済・政治研究所、公開セミナー 2008年12月 口頭発表(招待・特別)
  • 寛容思想の歴史的前提  [通常講演]
    辻 康夫
    日本政治学会研究大会 2008年10月 口頭発表(一般)
  • ロックにおける寛容の政治  [通常講演]
    ジョン・ロック研究会 2008年07月 口頭発表(一般)
  • 中野剛充『テイラーのコミュニタリアニズム』(2007年、勁草書房)をめぐって  [招待講演]
    辻康夫
    千葉大学21世紀COEセミナー「コミュニタリアニズムの可能性」 2008年01月
  • 市民社会と『ソーシャル・キャピタル』:近年のアソシエーション論の意義と射程  [通常講演]
    辻 康夫
    日本政治学会研究大会 2004年10月 シンポジウム・ワークショップパネル(公募)
  • The"social capital" argument: its theoretical and historical contexts,  [招待講演]
    TSUJI Yasuo
    CSPT Toronto chapter, research meeting 2004年09月 口頭発表(一般)
  • 初期近代における寛容の問題:プーフェンドルフを中心に  [通常講演]
    辻康夫
    北海道大学法学会 2000年06月
  • 自然法論と寛容:プーフェンドルフを中心に  [通常講演]
    辻 康夫
    日本政治学会研究大会 1999年10月 口頭発表(一般)

所属学協会

  • 日本イギリス哲学会   移民政策学会   日本移民学会   政治思想学会   日本政治学会   

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 先住民・文化的多様性研究グローバルステーション (国際共同研究)
    北海道大学:グローバル・ステーション (国際共同研究)
    研究期間 : 2021年04月 -2026年03月 
    代表者 : 研究代表者・加藤博文。参加者:日本側研究者14名, 海外研究者15名
  • 先住民族研究形成に向けた人類学と批判的社会運動を連携する理論の構築
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2020年04月 -2025年03月 
    代表者 : 太田 好信, 瀬口 典子, 辻 康夫, 松島 泰勝, 池田 光穂, 冨山 一郎, 加藤 博文, 北原 次郎太
  • 多文化共生社会の流動化と新しい人権政策・社会政策・入国管理政策に関する国際比較
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 飯田 文雄, 辻 康夫, 米原 謙, 早川 誠, 津田 由美子, 西山 隆行, 浪岡 新太郎, 安井 宏樹, 塩川 伸明, 月村 太郎, 小川 有美, 渋谷 謙次郎
  • 先住民の視点からグローバル・スタディーズを再構築する領域横断研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2018年07月 -2021年03月 
    代表者 : 池田 光穂, 山崎 幸治, 瀬口 典子, 辻 康夫, 關 雄二, 太田 好信, 加藤 博文, 石垣 直, 細川 弘明, 丹菊 逸治
     
    本研究は、日本と海外を研究対象地域として、先住民が実践している(1)「遺骨や副葬品等の返還運動」、博物館における先住民による文化提示の際の公開禁止や返還要求といった(2)「文化復興運動」、および先住民アイデンティティの復興のシンボルとなった(3)「先住民言語教育運動」という、3つのテーマの現状を探る。この現象は、世界の均質化が引き起こすグローバル化現象とは異なり、グローバル化現象が先住民をして自らのアイデンティティを再定義し、国民国家が求める同化政策に抗して、言語的文化的独自性とその多様性を担保しつつ、国家との連携や和解を求める動きとして捉えられる。グローバル文脈のなかで多数派や抑圧者を指し示す「名指し」行為のエージェンシーとして先住民を捉えれば、国家領域のなかで自らの権利回復をめざす少数集団と[多数派]の新しい連携関係の形態も可能となる。そこでは実践者としての研究者が先住民との研究倫理的枠組みも当然変化するはずである。先住民による先住民ための学としての新しい「先住民学」の教育の場をデザインできるようなカリキュラム開発とそれを実装可能にするような大学院教育課程のモデルつくりも可能になるはずだ。グローバルな文脈の中で多数派を「名指す」という実践を把握するために文献的資料、各種メディアによる二次情報資料ならびにフィールドワーク調査に基づく一次資料の収集をおこなう。(1)「遺骨や副葬品等の返還運動」、(2)「文化復興運動」、(3)「先住民言語教育運動」に着目し、このような情報を収集する。最終的には、人類学を含めた人文社会科学の脱植民地化のためのプロジェクトとして本研究課題を位置づけ、個々の研究プロジェクトを総合する。
  • 多文化主義政策はいかにして受容されるか:政策決定過程に注目した理論的・国際的研究
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2017年 -2020年 
    代表者 : 辻 康夫
  • 「難民危機」の時代におけるレイシズムの変容とその克服策に関する国際比較研究
    日本学術振興会:課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業
    研究期間 : 2017年02月 -2019年09月 
    代表者 : 飯田文雄, 渋谷謙次郎, 津田由美子, 辻康夫, 早川誠, 網谷龍介, 月村太郎, 西山隆行, 浪岡新太郎, 塩川伸明
  • 過去の不正義・先住民族・戦争・移民の民事法理論--補償・市民(公民)権の意義
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2016年 -2019年 
    代表者 : 吉田 邦彦
  • 多文化共生社会の変容と新しい労働政策・宗教政策・司法政策に関する国際比較研究
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(A))
    研究期間 : 2014年 -2017年 
    代表者 : 飯田文雄
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2014年 -2016年 
    代表者 : 辻 康夫
  • 文部科学省:科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)
    研究期間 : 2013年 -2015年 
    代表者 : 吉田 邦彦, 辻 康夫, 井上 勝生
     
    本年度は、まずはアイヌ民族の現代的諸課題の研究を行い、とくに、北大のアイヌ人骨盗掘問題、白老の象徴空間や博物館問題、また関東アイヌの処遇などの喫緊の現代的課題に焦点を当てて、考察を深め、関東アイヌの人との交流会(2013年5月)及びあ関コタンでの講演や北海道アイヌ協会札幌支部のアイヌシンポの基調講演などを行った(同年10月、2014年1月)。その際の比較検討として、フロリダのセミノールインディアン(ミコスギ族)の現状の調査、また、アラスカやハワイを訪問し同地における先住民族の諸課題について、各先住民族の関係者と面会して、意見交換した(2013年5月、8月)。関連する法理研究としては、鋭意補償法学の検討に努め、さらに、この問題の原点的問題とも言える、カリブ海諸国における奴隷補償問題の研究に着手して、ジャマイカやハイチを訪問し(2013年7月、9月)、その成果も発表した。またその他の領域としては、芸術法という分野の研究を開始し、とくに先住民族の遺産返還、ナチスなどによる略奪芸術の返還のこの分野の補償の諸課題を検討している。なお分担者の井上は、明治初期のアイヌ民族の状況を検討し、辻は、従前どおり多文化主義の理論研究を行い、カナダ・ビクトリア大学のその分野の政治理論家のアイゼンバーグ教授を招聘し意見交換を行い、吉田も参加した(2013年12月)。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2012年 -2015年 
    代表者 : 飯田 文雄, 辻 康夫, 宇野 重規, 早川 誠, 鏑木 政彦, 苅田 真司, 渋谷 謙次郎
     
    本研究の目的は、都市のグローバル化の特異性に着目するグローバル・シティー論を手がかりとして、2000年代半ば以降の新しいグローバル化運動・思想の特質を、「新しい公共空間」の形成という観点から国際比較することにある。本年度は特に住区や職場などに代表される、グローバル・シティーの生活空間の変容に関連する以下の研究を行った。(1)まず本研究では、グローバル・スタディーズや都市・住宅・労働政策等の先行研究を分析し、都市の生活空間内におけるグローバル化の進展に関する理論的説明の現状を考察した。その結果、①従来のグローバル・シティーを巡る議論では、外国人が特定の職域や住区に集中する、いわば棲み分け型のグローバル化を中心に議論が進められていたが、近年グローバル化の多様化の中で、そうしたいわば棲み分け型の議論に対する反省が広がり始めている、②そうしたグローバル化の多様化・変容にともなって、従来政府や自治体といった公的セクター中心に進められてきたグローバル化の諸政策に加えて、住区や職域の対等で水平的な協力関係を推進する、NPO主導型のグローバル化に関する理論的関心が高まりつつある、等の重要な知見が判明した。(2)更に本研究では、2000年代半ば以降の北米・西欧・東欧諸都市における、グローバル化に向けた生活空間の具体的変容の実態とその歴史的・地理的諸要因等について考察した。その結果、①生活空間の一典型例としての外国人住区が形成される形でのグローバル化は、外国人人口が一定数以上存在する都市に多く見られ、この点ではグローバル化と都市の関連を主張するグローバル・シティー仮説の妥当性を示している、②他方地方においては近年、工場などの職場単位で外国人労働者が増加する形でのグローバル化が進行しており、この場合新しい外国人人口は棲み分けよりも現地人との共生を指向する場合が多い、等の重要な知見が判明した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2012年 -2015年 
    代表者 : 遠藤 乾, 柄谷 利恵子, 安里 和晃, 明石 純一, 辻 康夫, 眞壁 仁
     
    本研究の目的は、グローバル化時代における「民」のあり方を再検討することにある。具体的には、国民、市民、庶民、移民等のあり方をシティズンシップ概念と実践との関連で構成し直し、米欧東アジア諸国の国際的な動向に照らして、日本の土壌に再定位することを目指している。これは、代表者がこれまで取り組んできたグローバル・ガバナンスやEU の研究をさらに発展させ、チームの中で経験的知見と思想的考察をつなぎ合わせながら、日本における「民」のあり方の再考へ接続する(国際)政治学的な試みとなる。初年度のプロジェクトインフラ構築に引き続き、本年度は基本的問題枠組と発見的・探索的論点の共有を図りながら、論点の深堀りに努めた。とくに今年度に力を入れたのは、「市民」「市民権」「シティズンシップ」概念の再検討である。具体的にいえば、9月の日本政治学会(および慶応大学ヨーロッパ研究会)において、計画通り、クリスチャン・ヨプケ教授をベルン大学から招聘し、科研メンバーとともに、現代のシティズンシップについて、理念・実践両面にわたり討議した。さらにヨプケ教授の主著Citizenship and Immigrationの翻訳を完成し、岩波書店から『軽いシティズンシップ―市民、外国人、リベラリズムのゆくえ』(翻訳者:報告者本人、佐藤崇子、井口保宏、宮井健志)を公刊し、上記ワークショップ等で議論を深め、日本の読者に問題提起を試みた。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(A))
    研究期間 : 2011年 -2015年 
    代表者 : 常本 照樹, 佐々木 雅寿, 山下 竜一, 長谷川 晃, 辻 康夫, 北原 次郎太, 山崎 幸治, 加藤 博文
     
    平成25年度は、研究開始以来3年間の成果を中間的に取りまとめるとともに、その内容をアドバイザリ・ボード・メンバーらを中心とした共同研究者と検証するため、8月にリンゼイ・ロバートソン教授(オクラホマ大学ロースクール先住民法研究センター長)を本学に迎えて日米比較の視点を踏まえたワークショップを開催し、及び11月に林修澈教授(台湾国立政治大学原住民族研究センター長)、鍾興華氏(台湾行政院原住民族委員会副委員長)らの台湾側研究者と研究代表者・研究分担者及びアイヌ民族の協力者並びに内閣官房アイヌ総合政策室長、室員らが参加して、台湾・原住民族文化公園(屏東市)において日台双方の理論と実務の複合的視点に立ったシンポジウムを開催し、さらに3月にメロディ・マッケンジー教授(ハワイ大学ロースクール先住民法研究センター長)及びハワイ州政府・ハワイ先住民局(OHA)を訪問して理論と実務の双方について意見交換を行った。同月にはさらに、台湾国立政治大学社会科学院の政治学系、民族学系の研究者及びタイヤル族の原住民を本学に迎え、特定の先住民族コミュニティの発展に関する施策実施事例について討議した。資料等及び関係情報の収集については、定期的に内閣官房アイヌ総合政策室を訪問して我が国におけるアイヌ民族との共生社会の実現を目指した諸施策の企画・実施状況を調査したほか、10月に英仏を訪問し、パリのケ・ブランリ博物館、大英博物館、エジンバラ博物館におけるマイノリティ文化に関する情報発信・文化伝承支援活動等を調査したほか、特にエジンバラにおいて、いわゆるスコットランド独立運動のほか、ゲール文化の保存活動、初等中等教育におけるゲール語の扱い等について調査し、いわゆる先住民族概念によらない、ナショナル・マイノリティに対する文化復興、政治的・社会的地位向上のあり方の一端を探った。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 飯田 文雄, 辻 康夫, 渋谷 謙次郎, 月村 太郎, 網谷 龍介, 西山 隆行, 津田 由美子, 浪岡 新太郎, 早川 誠, 月村 太郎
     
    本研究は、世界各地で展開されつつある多文化共生社会形成のための政治過程において、2000年代半ば以降に生じた多様な変化について、言語権・社会権・参政権という3つの具体的な権利のあり方を手がかりとして、北米・西欧・東欧各国の諸事例に関する詳細な国際比較を行い、多文化共生社会の特質とその近年の変容に関する体系的・総合的な知見を獲得することを目指すものである。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 辻 康夫
     
    本研究は、多文化主義政策をめぐる錯綜した議論を整理し、多文化主義の正当性にかかわる最も重要な批判を集約するともに、これらに応答するために<多文化主義の再定義>を行い、これをふまえて、批判への応答の可能性を検討するものである。三年目にあたる平成25年度は、第一に、昨年度に引き続き、資料・文献収集の作業を継続し、また主要国の多文化主義をめぐる論争の最新の状況を、近年の諸研究を利用して概観した。これらの作業をふまえつつ、25年度は、公共空間の宗教表現のニーズやジェンダー差別をはらむマイノリティ文化の処遇などの問題を中心に、多文化主義政策と自由民主主義の原理との緊張関係をめぐる論争の検討を行った。またこれと並行して、多文化主義の理論の再構成の作業を継続した。これらの検討をとおして、多文化主義の擁護のためには、文化の内在的価値を前提としてその保全を中心とする立論には限界があり、これを他のアプローチによって補う必要があるとの知見を得た。本研究の全体の成果は以下の通りである。上述の課題に対して、研究開始時点においては、適切に再構成された多文化主義が一定程度の説得力をもって、重要な批判に応答できるという作業仮説を持っていたが、錯綜する多文化主義の論争状況を分析するなかで、多文化主義を擁護する多様な言説を、単一の原理に統合したりするのではなく、むしろ、それらがマイノリティの直面する問題状況の異なる側面を主題化するものであると理解し、多文化主義をめぐる複数のアプローチが相互補完的に存在すると理解すべきであるとの知見を得た。これにもとづいて、多文化主義の「複合的アプローチ」を構築するという着想を得てその骨格を理論化するとともに、批判への応答の可能性を分析した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 飯田 文雄, 宇野 重規, 辻 康夫, 早川 誠, 渋谷 謙次郎, 鏑木 政彦, 宇野 重規
     
    本研究は、グローバル化に有利な政治的空間としての都市の特異性に着目するグローバル・シティー論を手がかりとして、グローバル化の歴史と現状に関する国際比較を行うことを目標とする。そのため、北米・西欧・東欧各国における現地調査などを通じ、グローバル化と都市・地方に関する先行研究の批判的検討や、各国のグローバル化と都市・地方関係の現状や歴史的事例の比較考察を行う。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 辻 康夫
     
    多文化主義の政策は過去数十年に大きな展開をとげ、その政策領域・争点は多岐にわたるに至った。本研究はこれら多様な政策領域を検討し、それぞれの領域における多様な争点・イッシュー・ニーズを整理するとともにこれらの間の連関を分析した。またここ数十年の政策および議論の推移をあとづけ、今日の議論を歴史的経過のうちに位置づけその意義を分析した。さらにこれらをふまえ、多文化主義の政治理論の再構成のための方向性を提示した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 飯田 文雄, 月村 太郎, 辻 康夫, 網谷 龍介, 早川 誠, 渋谷 謙次郎, 津田 由美子, 淺野 博宣, 浪岡 新太郎
     
    本研究は、世界各地で展開されつつある多文化共生社会形成のための多様な政策を巡って、2000年代以降に生じた新たな議論の特質について、教育政策・福祉政策・人権政策という具体的な3つの政策類型に即して、北米・西欧・東欧各国の事例を手がかりに詳細な国際比較を行い、多文化共生社会の在り方に関する体系的・総合的な知見を獲得することを目指すものである。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(A))
    研究期間 : 2007年 -2010年 
    代表者 : 常本 照樹, 佐々木 雅寿, 桑山 敬己, 長谷 川晃, 辻 康夫, 山崎 幸治, 山下 龍一, 会澤 恒, 本多 俊和
     
    「先住民族の権利に関する国連宣言」は、世界の先住民族にとって共通に必要な権利を謳うとともに、個々の先住民族及び関係する国家の実情に応じた権利実現を認めている。2008年に国会及び政府はアイヌ民族を先住民族と認めたが、日本及びアイヌ民族の実情に応じた権利実現のあり方としては、憲法13条の「個人の尊重」を基本とし、個人としてのアイヌがアイヌとしてのアイデンティティの保持を積極的に選択できる社会の実現を目標とすべきである。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 辻 康夫
     
    本研究は、近年、社会科学一般および公共討論の場において注目を集めているソーシャル・キャピタル論を、政治思想史的なパースペクティブから分析し、その意義を解明する試みである。ソーシャル・キャピタルの活性化の可能性をめぐる主要な議論を検討した結果、それらの多くは、人間が社交に向かう傾向性を暗黙のうちに前提としており、従ってこれを促進する、ないしは妨げる社会経済的要因に関心を集中していることがわかった。他方、社交への嗜好や、選好される社交の形態が文化的な要因によって規定されるという認識が不十分であり、このため20世紀後半の文化変容のソーシャル・キャピタルに対する意味を十分に解明できていないという認識に至った。とくに、今日、ソーシャル・キャピタルのあり方にとって、重要性が高いと思われる文化的価値領域として、第一に、宗教ないしスピリチュアルなニーズをめぐる領域と、文化的アイデンティティの承認をめぐる多文化主義の問題群があり、それぞれを歴史的パースペクティブのもとにおいて検討する必要を認識した。これらの領域において1960年代以降に生じた変化は、しばしば否定的に論じられるが、近代史の長いタイムスパンで見た場合には、ロマン主義的潮流の定着の帰結と見なしうるものであり、社交性を規定する文化的条件と考えるべきである。ソーシャル・キャピタルの活性化の条件として、個人の自発性と、組織の安定性の折り合わせが重要であるが、以上ような検討をふまえれば、新しい社交の形態が、個人の多元的な人生の探求・アイデンティティを許容すべく包容的で、かつ対話的な契機を組み込む必要があるとの認識に至った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2003年 -2006年 
    代表者 : 飯田 文雄, 月村 太郎, 網谷 龍介, 渋谷 謙次郎, 辻 康夫, 津田 由美子, 早川 誠
     
    本研究は、世界の多様な少数派文化の権利擁護論に関し、政治哲学・政治史学の知見を統合しながら、総合的な比較研究を完成させることを目的とした。そのため具体的には、(1)第一に、従来政治哲学及び政治史学の双方において、内部で自己完結的に考察されてきた本問題に関し、両者が対等に議論することが可能な複眼的分析枠組みを構築することを目指した。この点に関して本研究では、多文化主義研究の基礎文献として知られるロールズ・ウォルツアー・キムリカ・パレークらの議論に関して、研究会等を通じて分析を行い、そこにおける議論の主たる関心が、これまでの抽象的なアイデンティティー論から、近年具体的政策論の次元に移りつっあること等の新しい知見を得た。(2)第二に、本研究では、北米・西欧・東欧を中心とする諸地域において包括的・網羅的な資料収集を行い、そこでの多様な少数派文化擁護論の実態を把握し、それを多角的に比較する研究を行った。その結果、本研究では、各地の多様な少数派文化擁護論は、少数派文化登場の初期段階におけるアイデンティティー確立のための運動論と、中期以降の文化的共生のための政策的議論とに類型化することにより、見通しよく整理できること等の新しい知見を得た。(3)第三に、本研究では、以上の諸外国の議論を日本の既存議論と比較することにより、現代日本社会におけるあるべき少数派文化擁護論の将来像に関して、一定の指針を得ることをも目標とした。その結果、本研究では、日本の文化的少数派が他国のそれと比して政治的・社会的に極めて脆弱であり、それ故に、日本の文化的少数派擁護運動や政策は、文化的少数派とそれ以外の政治的少数者集団一般との連携を促進する方向で構想される必要がある等の新しい知見を得た。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 辻 康夫
     
    本研究は、今日「共同体」の名の下に論じられる価値・ニーズを分類・整理し、自由民主主義との関係において、評価を加えるための枠組みの構築を目的とし、今日「共同体」をめぐっておこなわれる政治理論上の論争に関して、その内容を概観・整理するとともに、これらの主張と自由民主主義の理論との整合性について考察を加え、以下の知見を得た。第一に、今日の代表的な議論を、少数派社会への帰属の尊重をめぐる議論、自治・政治参加の活性化をめぐる議論、市場の論理の抑制の主張、国家・政治共同体への情緒的愛着をめぐる議論に分類して考察したが、その具体的ニーズに即して見た場合、相互に大きく異なるものである。第二に、これらの議論を評価するうえで、J.ロールズらに代表される自由主義理論の枠組の有効性は限定されたものである。ロールズの議論は伝統的価値観の強制の不当性など、一定のトピックに関しては明確な評価を行えるが、「共同体的価値」が、自由民主主義体制の機能の改善や、社会的基礎善の平等な配分の実現のために主張される場合には、共同体による追求が許容される場合がある。上述の主張の多くは、こうした論理で正当化される余地を残しており、ロールズの基準によっては明確な結論を出しにくい。第三に、その帰結として、これらの議論の評価のためには、議論の幅を広げ、自由民主主義体制の機能にはたす「共同体」的社会関係の役割をめぐる知見を取り入れなければならず、議論の深化のためには、とくに20世紀を通じて蓄積されてきた民主主義をめぐる比較政治学・政治史学・政治経済学の知見の利用が不可欠である。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 辻 康夫
     
    いわゆる「古典的自由主義」が民主政と福祉国家を擁護する「現代自由主義」に変容する過程において、自由主義思想の内部で生じた多様な議論を分析し、またこれらの議論を近年の自由主義をめぐる論争と比較することによって、現代自由主義思想の意義とその脆弱性を評価する枠組の構築の可能性について検討し以下の知見を得た。19世紀末から20世紀初頭の時期は、認識論、道徳的志向、政治・社会制度の諸次元において、人間存在の共同体的契機が問題化された時期であった。これらの議論の諸次元は一括されて全体化され、認識論から社会制度に至る包括的な道徳的・政治的ヴィジョンとして主張されることが多く、これが異なるヴィジョンの相互比較の可能性を見えにくくしている。しかし実際には、これらの主張の諸次元を相対的に切り離すことは可能であり、適切な仕方で再構成されれば当時の多様な主張の中には、独特な思惟要素(たとえば独特な観念論的主張)と独立に評価・比較の可能な要素が多いことがわかった。また生産的な比較のためには、当時の、「自由」、「平等」、「社会」の定義をめぐる論争やこれらを用いた抽象的レベルの議論から一歩距離をとり、これらの議論によって主張される具体的な価値やニーズの次元に焦点を当てることが有用であることがわかった。このような議論の諸次元の相対的独立性と、抽象的概念の背後で主張される具体的な価値・ニーズの特定とその個別的検討の重要性は、近年類似のトピックをめぐって展開された「リベラル・コミュニタリアン論争」の推移の検討からも得られる知見であり、両者を通じた「共同体的価値」をめぐる通史的検討に高い有用性が存在することが明らかになった。


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