研究者データベース

鈴木 純一(スズキ ジユンイチ)
メディア・コミュニケーション研究院 メディア・コミュニケーション部門 公共ジャーナリズム論分野
特任教授

基本情報

所属

  • メディア・コミュニケーション研究院 メディア・コミュニケーション部門 公共ジャーナリズム論分野

職名

  • 特任教授

学位

  • 文学修士(東京大学)

J-Global ID

プロフィール

  • 近年のテーマはドイツ社会思想研究とメタファー研究

研究キーワード

  • テクスト論   コミュニケーション   メタファー   メディア   システム論   ルーマン   公共性   ハーバマス   異文化コミュニケーション   社会システム理論   批評理論   トーマス・マン   近現代ドイツ文学   アレゴリー   市民社会   

研究分野

  • 情報通信 / 情報ネットワーク / メディア学
  • 人文・社会 / 思想史 / ドイツ社会思想史
  • 人文・社会 / 社会学 / 社会思想
  • 人文・社会 / ヨーロッパ文学
  • 人文・社会 / 文学一般
  • 人文・社会 / 中国文学

担当教育組織

職歴

  • 2010年04月 - 現在 北海道大学 大学院メディア・コミュニケーション研究院 教授
  • 1994年04月 - 2010年03月 北海道大学 言語文化部 助教授
  • 1989年04月 - 1994年03月 東京大学 文学部 助手

学歴

  •         - 1989年04月   東京大学   大学院人文科学研究科退学
  •         - 1985年03月   東京大学   文学部卒業

研究活動情報

論文

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2015年 -2018年 
    代表者 : 鈴木 純一
     
    本研究の成果は、「メタファー」という現象の特性規定に関し、意味論的な側面(「本義」と「転義」の差異)に基礎を置きつつも、機能論的な側面(「接続」と「切断」の相反する二重の役割)へと重心を移行させることでその展開可能性を広げたことにある。これによって、メタファーのメディア的なメカニズムを抽出すると同時に、社会学的「観察」概念(二次観察)との接続が可能となった。この理論的な成果と、具体的なテクストや作品等の分析結果とのフィードバックを繰り返した。このことにより、メタファーという意味の二重化がもたらす効果を、逆説や同語反復等をも取り込んでいくシステム理論と関連づけ、より明確な概念規定を可能にした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 長島 美織, 鈴木 純一, 金山 準, 山田 吉二郎
     
    本研究の主眼は、リスク社会論(特にベックのもの)の根底にある概念枠組みを抽出し、社会がリスク化するということは具体的にどのようなことを意味するのかについて考察を行うことであった。この課題に答えるため、大きくわけて、3つの領域を検討した。ひとつは、近代化論の再検討であり、リスク概念の考察とともに、これをマンハイムの時代分析やイデオロギーに関する論考をもとに、検討した。2番目の領域としては、サブ政治を軸とした現代社会におけるリスクとその政治性に関する研究である。3番目の領域は、環境問題、特に持続可能性との関連から、リスク化について検討した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2010年 -2013年 
    代表者 : 鈴木 純一, 佐藤 拓夫, 吉田 徹也, 高橋 吉文, 山田 貞三, 西村 龍一, 石川 克知, 堀田 真紀子
     
    最終年度に当たる本年度は、昨年度続けて、メタファーとメディアの相互依存性、あるいは両者による構成(接続)・解体(切断)・再構成(再接続)というメカニズムに基づいた事例分析が進められた。その結果、技術的メディアを触媒としながら相反する要素を『魔』という象徴的な変容の場の物語として統合するメタファー機能(『魔の山』)、物理的なメタファー表現の揺れの中に意識的な心理関係の変化を織り込むテクスト構成(ゲーテ)、あるいは思想の展開を可視化メディアとなる視覚的イメージのメタファー的な解釈(ベンヤミン)等の新たな知見が加えられ、さらにはニーチェにおける批評の自己言及がもたらす論理の反転(決定不可能性)や、音楽をメディアとして描写する際の構成方法(例えば『音楽史』という学問的な記述)などにも、呼応する現象を見ることができた。研究全体を通して理論的な知見として、揺れと変化を基本的な原理とする思想、作品、テクストを、それにもかかわらず一つのユニットとして保持することが可能なのは、メディアの内包するメタファー的な機能―構成(接続)・解体(切断)・再構成(再接続)の連続的な交替―であり、またこれは極めて創作における有効な方法論となりえ、その現象は近代ドイツ圏に顕著である、という仮説の有効性が確認された。また、この構成・解体・再構成の連続的な交替を極めて抽象的に表現しているのが、ルーマンの社会システム理論と考えられ、<差異化と同一化>の差異化、あるいはシステムにおける意味のオートポイエーシス(自己差出)等、表現は異なるが、メディアの基本的な機能である接続と切断を、<振動>という形で定式化したその理論構成は、前述したメタファーの機能の仮説と極めて親和性が高いといえる。個別的な分析のいくつかはすでに発表されているが、全般的な理論的な成果に関しては、今年度中に論文として発表される。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2008年 
    代表者 : 吉田 徹也, 高橋 吉文, 佐藤 拓夫, 石川 克知, 山田 貞三, 鈴木 純一, 西村 龍一, 堀田 真紀子, 安高 誠吾, 大木 文夫, 梅津 真
     
    本研究は、西欧思想の核心である「メタ思考」と、従来その表現技法として従属的に考えられてきた「メタファー」の関係を理論的に再検討し、後者の前者に対する意義を起源ないし根拠として捉え直すと同時に、その具体的な事例分析を近現代のドイツ語圏テクストを中心におこなった。その結果、「メタファー」は、その表現技法的な側面の背後に、「メタ思考」を誘発しい方向付ける機能をも有しい両者の関係は階層性によってではなくい相互性から捉える必要があるという知見を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2004年 
    代表者 : 筑和 正格, 古賀 弘人, 長井 裕子, 鈴木 純一, 西村 龍一, 清水 賢一郎, 野坂 政司, 西川 克之
     
    本研究は、近代社会における「都市」と「公共圏」の関係を理論的に考察するとともに、その歴史的および具体的な現れ方を、近現代のアジア、アメリカ、ヨーロッパの文学テクストを主たる素材に検証することを目的とした。4年間の研究によって得られた知見は多岐に渡るが、主たるものを幾つかのテーマに分けて挙げておく。(1)「都市」と「公共圏」の原理的な関係性について。「異質なもの」相互の意味変換装置としての「都市」と「公共圏」の機能的同質性という当初の仮説は、理論的にも具体的にも確認することができた。この視点は、「情報」と「メディア」の集中化と現代「都市」の成立、「文芸的公共圏」の変容と「エディターシップ」のクローズアップ等の現象を理論的に解釈する際にも説得力をもつ。(2)文学等の具体的なテクストにおける「都市と公共圏」の成立と歴史的な推移の跡づけ。ヨーロッパ、アメリカ、アジアいずれにおいても社会的なコミュニケーションによる意味転換装置としての「都市と公共圏」のトポスは、明確に認められた(ミェンヘン、サンフランシスコ、北京、等)。(3)現代のメディア・情報社会における「都市と公共圏」再活性化の試み。「異質なるもの」を抽象的な「情報」に転換し、グローバルな「メディア」によって流通させる現代の社会的コミュニケーションに対抗する形で、具体的な空間に支えられた「公共圏」の再評価とその意識的な創設の試みも確認された。情報メディア化一辺倒とは異なる今後の「都市」の方向性として注目される。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2004年 
    代表者 : 佐藤 拓夫, 高橋 吉文, 吉田 徹也, 鈴木 純一, 西村 龍一, 堀田 真紀子
     
    本研究は、「テクスト」における「メタファー」という現象を普遍的な意味転換装置と捉え、その機能を「コミュニケーション」という現象の理論的な解釈に接続させること、また、近現代ドイツ語圏の思想・文学テクストにおける「メタファー」の特徴的な現われを具体的に検討することで、先に挙げた理論的な研究の妥当性を確認することを目的にした。4年間の研究によって得られた知見は多岐に渡るが、主たるものを幾つかのテーマに分けて挙げておく。(1)「メタファー」の意味転換機能の理論的展開について。様々な学問領域において重要な理論的展開をおこなう際に、メタファー的な意味の二重化作用を援用していることが確認された(例えばレイコフの認知論、情報工学におけるテクスト処理等)。これは「テクスト」の成立そのものが「メタファー」の意味転換機能と不可分であることを示唆しており、ブルーメンベルク、キットラー等の現代ドイツ思想家の問題意識と重なっている。(2)「メタファー」の「コミュニケーション」理論への接続について。本人が積極的に主張しているわけではないが、理論的関連性が極めて明確に認められるのがルーマンの社会システム論である。コミュニケーションを「情報・伝達・理解」選択の連続過程とする考え方は、意味論から言えばメタファー的な転換を基礎においており、「メタファー・テクスト・コミュニケーション」統一理論として最も説得力をもつ。(3)具体的なテクストによる理論のフィードバック。(2)と(3)で挙げた理論的な成果を、19世紀以降のドイツ語圏テクストによって具体的に検証する作業がおこなわれ、ゲーテからPopliteraturに至るまで様々な素材が「メタファー・テクスト・コミュニケーション」の関連で再解釈された。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 1999年 -2001年 
    代表者 : 鈴木 純一
     
    本研究は,現代ドイツにおける社会学的コミュニケーション理論の基礎となっているコミュニケーション・モデルの抽出と分析をおこない、コミュニケーション分析における方法論的なパラダイムの転換が進んでいることをあとづける作業から研究を進めた。その結果、従来のドイツにおける社会学的コミュニケーション行為論は、理念的な目的意識に規定されているため、現代の多様なコミュニケーション現象を分析する概念装置としては、極めて限定された領域にしか有効性を持ちえないことが明かになった。それに対し、現代システム理論をもとに展開されているルーマンのコミュニケーション・システム論は、情報・伝達・理解という極めて原理的かつ中立的な選択過程から構成されているがゆえに、コミュニケーションの多様な現れ方を統一的な視点から分析し、記述可能であることが確認された。このことは、この新しいコミュニケーション・モデルおよび方法論によって現在ドイツで進められている現代社会のコミュニケーション現象分析あるいはテクスト分析に関する文献調査によっても裏付けることができ、例えば、異文化コミュニケーションにおけるダブル・コンティンジェンシーと社会システム創発の問題、現代テクスト分析における間主観性と意味転換というメタファーの問題、公共的コミュニケーションの場における合意形成と多文化主義ないし差異化の問題等の分析に、極めて有効なモデルとして機能することが検証された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1999年 
    代表者 : 高橋 吉文, 吉田 徹也, 石川 克知, 佐藤 拓夫, 吉田 徹也, 西村 龍一, 鈴木 純一, 高橋 吉文
     
    本研究の目的は、古典的修辞学の隠喩論の視点を再検討しつつ、メタファーという現象を現代の新しい理論から捉え直すことによって、その現代的な意味を考察すること、ならびに20世紀のドイツ文学を中心に具体的な事例研究をすることにあった。メタファーにおける意味の「ずれ」というものを基本的な観点としながら、アリストテレスからリクールに至る古典的理論および現代ドイツ文学・美学における隠喩現象の再整理を進める一方,これらが認知理論,コンピュータにおける情報処理技術,オートポイエーシス等のシステム論などの現代諸理論の文脈においていかなる意味と可能性を持つのかについての研究を進めた。その結果、各分担者の研究領域において様々な観点から多くの成果が得られるに至った。まず,古典的な隠喩論の文脈からいえば,中性から現代に至る新たな隠喩史としての光/自然のトポス論,リクールの隠喩論における意味の生成機能と字義という概念装置の有効性批判,ムジルやプルーストに見られる比喩表現の新たな境界設定の可能性,ベンヤミンのアレゴリー論のメタファー機能からの読み直し等、また20世紀美学の隠喩現象については,ダダイズムの隠喩的意味生成論、美術における隠喩,寓意,アレゴリーという技法の新たな関係性の解析等、最後に現代諸理論との直接的な関係性の研究成果として,ルーマンの社会システム論における意味概念とメタファー機能の同一性の分析,認知過程における隠喩的転義機能の重要性、コンピュータにおけるメタファー的記号処理過程の分析、デリダの新しい記号論における隠喩の両義佳の解読,ハーバマスのコミュニケーション理論における合意形成とメタファーの役割等を挙げることができる。なおこれらの研究は研究成果報告論集『メタファー-現代の諸理論からの考察』としてまとめられているので,詳細はそちらを参照されたい。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 鈴木 純一
     
    本研究によって得られた成果・知見ならびに今後の展望を理論的視点からまとめると以下の4点になる。1.文学テクストにおける「自己」概念は、19世紀後半から今世紀にかけて著しい変貌を見せている。すなわち、古典派からロマン派のテクストにおける「自己」は自ら積極的に意味規定をする概念であったのに対し、リアリズム以降20世紀にかけては、社会システム・ネットワーク等によって対他的に規定される機能的な概念へと変化し、「自己」が相対比される傾向にある。(具体的には『ヴェルテル』や『ハインリッヒ・フォン・オフタ-ディンゲン』とムジルやカフカ等の作品比較において明か)2.これと連動するように、20世紀における「自己」概念は非常に可変的なものになっている。古典派、ロマン派における「自己」概念獲得の試みが普遍的あるいは固定的なものを模索する(その試みがいわゆる「ビルドゥングス・ロマン」とも考えられる)のに対し、今世紀にはそのような「自己」の放棄あるいは不可能性が前提となり、社会、言語、法などの動的システムとの関連において生産される可変的な「自己」が主流となっている。またこのことはル-マン等の社会システム理論ならびにオートポイエシス理論との著しい接近を見せている。3.一方ではそのような「自己」概念に対する忌避から来る新たな自己言及の試みも今世紀の重要な文学的主題として(特に「語りの原理の特権化」という文脈で)機能するようになっている。しかし、語りの場の自己否定などの形で生じる自己言及パラドクス等の問題を抱えている。(トーマス・マンの後期の作品やポスト・モダンの思想家たちのテクスト論)4.今後の展望として、以上のような問題性は現代免疫学における「自己」規定の問題や複雑系科学におけるカオス論ならびに「自己組織化」の構造ときわめて密接な関連があり、文系理系を問わぬより広い視点からのアプローチが望まれる。

教育活動情報

主要な担当授業

  • 公共社会論演習
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 国際広報メディア・観光学院
    キーワード : 公共圏、疑似環境、コミュニケーション、社会システム、国民国家、メディア、コミュニティ
  • 公共性とコミュニケーション
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 国際広報メディア・観光学院
    キーワード : 公共性とコミュニケーション、民主主義、国家、社会理論、公共圏、熟議民主主義、メディア、選挙運動、ジャーナリズム、文化的多様性
  • ドイツ語Ⅰ
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 全学教育
    キーワード : ドイツ語、ドイツ社会・文化 
  • ドイツ語演習
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 全学教育
    キーワード : ドイツ語、ドイツ文化・社会
  • ドイツ語Ⅱ
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 全学教育
    キーワード : ドイツ語 ドイツ文化とドイツ社会

大学運営

学内役職歴

  • 2015年4月1日 - 2017年3月31日 大学院メディア・コミュニケーション研究院副研究院長
  • 2017年4月1日 - 2019年3月31日 大学院国際広報メディア・観光学院副学院長
  • 2019年4月1日 - 2021年3月31日 大学院国際広報メディア・観光学院副学院長
  • 2015年4月1日 - 2017年3月31日 外国語教育センター長
  • 2015年4月1日 - 2017年3月31日 教育研究評議会評議員


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