研究者データベース

研究者情報

マスター

アカウント(マスター)

  • 氏名

    山田 孝(ヤマダ タカシ), ヤマダ タカシ

所属(マスター)

  • 農学研究院 基盤研究部門 森林科学分野

所属(マスター)

  • 農学研究院 基盤研究部門 森林科学分野

独自項目

syllabus

  • 2021, 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, Inter-Graduate School Classes(General Subject):Natural and Applied Sciences, 修士課程, 大学院共通科目, 自然災害、防災・減災対策、危機管理、行政実務
  • 2021, 大学院共通授業科目(一般科目):複合領域, Inter-Graduate School Classes(General Subject):Inter-Disciplinary Sciences, 修士課程, 大学院共通科目, 風水害、雪害、土砂災害、火山災害、地震・津波災害、総合政策
  • 2021, 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, Inter-Graduate School Classes(General Subject):Natural and Applied Sciences, 修士課程, 大学院共通科目, 生態系管理、流域保全、森林修復、自然資源政策、専門家、緑地管理
  • 2021, 森林緑地管理学特論, Advanced Integrated Landscape Management, 修士課程, 農学院, 生態系管理、流域保全、森林修復、自然資源政策、専門家、緑地管理
  • 2021, 森林測量学, Forest Surveying, 学士課程, 農学部, 森林測量,距離測量,角測量,水準測量,トラバース測量,誤差論,最小二乗法,最新の測量技術,測量データの処理,測量データの応用,地形判読
  • 2021, 森林測量学実習, Training on Forest Surveying, 学士課程, 農学部, 森林測量,距離測量,角測量,水準測量,トラバース測量,誤差論,最小二乗法,最新の測量技術,測量データの処理,測量データの応用,地形判読
  • 2021, 卒業論文, Graduation Thesis, 学士課程, 農学部, 森林科学に関する研究、主体性、まとめる能力、伝える能力、質問への応答能力、
  • 2021, 森林科学演習Ⅰ, Seminar on Forest ScienceⅠ, 学士課程, 農学部, 森林科学、論理構築、発表技法、論文読解法、ゼミナール
  • 2021, 森林科学演習Ⅱ, Seminar on Forest ScienceⅡ, 学士課程, 農学部, 森林科学、論理構築、発表技法、論文読解法、ゼミナール
  • 2021, 森林保全実習, Practical Field Work on Silviculture and Forest Conservation, 学士課程, 農学部, 流域保全、資源利用、森林と地域社会、自然災害の軽減・修復
  • 2021, 砂防学, Erosion Control, 学士課程, 農学部, 流域土砂動態、土砂災害、砂防計画、ハード対策、ソフト対策、協働による土砂害減災手法
  • 2021, 地学概論, Introduction to Geology, 学士課程, 農学部, 地学、地球化学、気象、岩石、鉱物、土壌、水、災害、物質循環
  • 2021, 流域保全論, Watershed Conservation, 学士課程, 農学部, 流域の認識手法、「流域住民」としての意識形成手法、合意形成、流域環境・生態系保全、防災、地域振興、土地利用

PositionHistory

  • 広域複合災害研究センター長, 2019年4月1日, 2021年3月31日
  • 広域複合災害研究センター長, 2021年4月1日, 2023年3月31日
  • 広域複合災害研究センター長, 2023年4月1日, 2024年3月31日

researchmap

プロフィール情報

学位

  • 博士(農学)

プロフィール情報

  • 山田
  • ID各種

    201801019766021965

業績リスト

研究キーワード

  • 広域複合災害   減災手法   土砂災害   地表変動現象   

研究分野

  • ライフサイエンス / 森林科学 / 砂防学、砂防工学

経歴

  • - 現在 北海道大学 農学研究院 教授

論文

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2024年03月 
    代表者 : 小林 真, 内海 俊介, 山田 孝, 吉田 俊也
     
    豪雨などによる山腹崩壊後の森林の生態系機能を効率的に回復させる上では、森林植生を速やかに回復させる植林技術の開発が鍵になる。特に、広範囲で適応可能な山腹崩壊後の植生回復指針を確立するためには、多様な立地環境において発生した山腹崩壊地を対象に、 環境特性にあった植栽樹種を明らかにすることが有効である。山腹崩壊跡地では、しばしば窒素固定植物が植栽された際に高い生存率・成長率を示すことが知られているが、多様な窒素固定植物の中でも、どの樹種が、どのような立地で発生した山腹崩壊跡地への生存に適しているかは明らかにされていない。そこで本年は、前年に多様な立地環境に人工的に作成した15箇所の人工山腹崩壊試験地に植栽していた北海道に自生する2種の窒素固定植物(ヤマハギおよびケヤマハンノキ )について、その生存率と環境要因の関係を検証した。 環境条件を調査した結果、15箇所の山腹崩壊跡地では、斜面の斜度が急になるとともに、土壌含水率は低下し、表層土砂の流出量は増加した。一方、斜面の斜度が急になるとともに、エゾシカの発見頻度は低下した。植栽木については、同じ窒素固定植物であっても、ヤマハギとケヤマハンノキでは、ケヤマハンノキの方が山腹崩壊跡地の生存率は高いことがわかった。また、2種間で生存率へ影響する立地環境は異なり、ヤマハギへは土壌の母岩の違いが、ケヤマハンノキへは崩壊地の斜度、土壌の粒径、土壌含水率が影響を及ぼしていた。興味深かったのは、ケヤマハンノキの生存が、斜度が急な立地で生存率が高かったことである。急傾斜地へ植栽したケヤマハンノキが高い生存率を示したことについては、近年増加しているエゾシカによる食害が急傾斜地では起きにくいことが関係していることが考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 山田 孝, 桂 真也, 笠井 美青
     
    2018年の北海道胆振東部地震により厚真町で発生した斜面崩壊を対象として,地震前後のLPデータを用いて機械学習を実施した結果、事前に地上に亀裂が出現している斜面は脆弱であり、崩壊の発生の危険が高かったことが明らかになった。また,浸透流解析を実施し,地震発生時の斜面内部の水分状態を再現した結果,すべり面の保水性及びすべり面の下位に存在する層の透水性が崩壊危険斜面を抽出する際の着眼点となることが示唆された。さらに,剛体滑動モデルにより崩土の到達距離を計算し、横断方向は崩壊幅の平均値を与えることにより,滑動型表層崩壊の二次元の氾濫・堆積区域を設定する手法を作成した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 小山内 信智, 泉 典洋, 山田 孝, 谷岡 勇市郎, 桂 真也, 厚井 高志, 岡田 成幸, 村上 亮, 萩原 亨, 古市 剛久, 山下 俊彦, 笠井 美青, 稲津 將, 橋本 雄一, 小泉 章夫
     
    本研究では,気候変動により激甚化するであろう水災害を始め,大規模地震や津波,火山噴火等との相互作用の中で複合的に発生する災害現象を整理し,それらによる被害を軽減するために必要な調査手法,シミュレーション手法などを提示した。北海道は少子高齢化・過疎化が進んでいるとされ,人口急減社会における防災のあり方も,地域の活力維持とセットで考える必要があった。これからの日本は投資余力が潤沢ではなく,完全移転(移住)は移転先の各種災害への安全確保が簡単ではない。人口急減社会においてはパイの取り合いとなる可能性があるため,“2拠点生活(デュアルライフ)”が危機回避と地域の活力維持につながる手掛かりとなりえる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年10月 -2019年03月 
    代表者 : 高橋 浩晃, 勝俣 啓, 大園 真子, 橋本 武志, 青山 裕, 酒井 慎一, 松本 聡, 岡田 知己, 小菅 正裕, 寺川 寿子, 飯尾 能久, 中尾 茂, 上嶋 誠, 柴田 智郎, 大津 直, 高井 伸雄, 飯場 正紀, 渡部 要一, 菊地 優, 岡崎 太一郎, 白井 和貴, 西村 裕一, 石川 達也, 高瀬 裕也, 永井 宏, 宮森 保紀, 三宅 弘恵, 松島 信一, 浅野 公之, 重藤 迪子, 卜部 厚志, 前田 宜浩, 石澤 友浩, 廣瀬 亘, 小山内 信智, 山田 孝, 笠井 美青, 檜垣 大助, 風間 基樹, 千木良 雅弘, 渦岡 良介, 竹林 洋史, 木村 誇, 石丸 聡, 岡田 成幸, 内田 賢悦, 有村 幹治, 植松 武是, 多々納 裕一, 梶谷 義雄, 能島 暢呂, 田村 圭子, 中村 洋光, 戸松 誠
     
    平成30年北海道胆振東部地震とその災害に関する総合調査を実施した。大きな人的被害を出した厚真町の同時多発斜面崩壊では、周辺火山の噴火により厚く堆積した火砕降下物の底面に粘土化したすべり面が確認された。震源近くでは距離減衰式より大きな速度加速度が観測され、むかわ町の建物被害は地盤構造による地震動の増幅が影響しいる可能性が示された。札幌市内の住宅地で発生した液状化は、密度の小さな火山灰での谷埋め盛土と高い地下水位が関与している可能性が示された。道内全域停電が社会インフラや社会経済活動に与えた実態が明らかにされた。住民も対象とした成果報告会を開催し研究成果の社会還元を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年06月 -2016年03月 
    代表者 : 井口 正人, 神田 径, 森 俊哉, 下司 信夫, 田中 博, 関谷 直也, 久利 美和, 阪本 真由美, 橋本 学, 中尾 茂, 大湊 隆雄, 牧 紀男, 市古 太郎, 山田 孝, 地頭薗 隆, 棚田 俊収, 為栗 健, 中道 治久, 鈴木 雄治郎, 宝田 晋治, 味喜 大介, 中田 節也, 小林 哲夫, 山本 圭吾, 篠原 宏志, 野上 健治, 小澤 拓, 三輪 学央, 長井 雅史, 小山 崇夫, 大倉 敬宏
     
    2015年5月29日噴火に前駆して火山ガス放出量の増加,地盤膨張,地震活動と地熱活動の活発化が段階的に進行した.火口浅部におけるマクマの効率的な脱ガスと結晶化が進行したと解釈される.噴火に伴う地震は2014年噴火が大きいが,噴火の規模(火山灰放出量や空気振動振幅)は2015年噴火が大きい.島外への避難およびその前の計画立案,2014年噴火の経験が極めて重要な役割を果たした。国および自治体は必要な措置を講じたが,住民の避難状態についての意識との乖離が大きい.噴火後の火山活動にはさらに大規模な噴火に発展する兆候はない.本研究における観測結果が,警戒区域の縮小と帰島への判断に生かされた.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2016年03月 
    代表者 : 権田 豊, 堀田 紀文, 山田 孝, 沼本 晋也, 宮田 秀介, 宮本 邦明, 藤田 正治
     
    2010年の噴火後に土石流(ラハール)が頻発したインドネシア・メラピ火山において,現地調査を実施した.現地調査の結果と数値解析による予測結果を比較した結果,ラハールの氾濫箇所を予測するためには,精度の高い地形データの取得とラハールの流量の適切な予測が重要であることが分かった.噴火後は流域の地表の状態の変化にともなってラハールを発生させる降雨の条件や、発生するラハールの流量が経年的に変化する。ラハールの流量を適切に予測するためには、ラハールの流出率と流域の地表の状態の関係を定量的に評価することが必要である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 山田 孝, 沼本 晋也, 土屋 智, 権田 豊
     
    三重県いなべ市の藤原岳西之貝戸川等において,伏流水が噴出したパイプ孔の形成実態と豪雨時における伏流水の現地観測を実施した。パイプ孔の孔内の深さは,堆積地表面から1.0~1.5m程度まで確認でき、その出口ならびに内壁は10㎝~数10㎝程度の亜円形状の礫が相互にかんだ状態である。各パイプ孔の出口付近の内径や構造には大きな違いは認められないが,伏流水の噴出発生・終息時刻,継続時間,ピ-ク流量,総流量は異なっている。パイプ孔の閉塞現象によるその後の違う箇所からの伏流水の噴出が起こると渓床堆積物の不安定化し,移動が発生する(土石流発生)と考えられる。それらの発生領域は,RBFN手法を用いて区分できる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 林 拙郎, 山田 孝
     
    三重県宮川調査区域と福井県美山調査区域において森林の斜面崩壊抑制機能を明らかにするために, 樹林における崩壊土砂の堆積について調査研究を行った。主要な研究成果は次の2点である。(1)立木の平均胸高直径と崩壊深との関係図において堆積事例と非堆積事例は判別分析により区分される。この傾向は, 両調査区域にみられた傾向である。(2)立木に作用する受働土圧と堆積深との関係より, 堆積可能な胸高直径d_bは崩壊深Dの3/2乗に比例する関係が得られた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2008年 
    代表者 : 丸谷 知己, 菊池 俊一, 黒木 幹男, 柳井 清治, 山田 孝, 真野 明, 中島 勇喜, 真板 秀二, 木村 正信, 戎 信宏, 清水 収, 山田 孝, 真野 明, 木村 正信, 眞板 秀二
     
    台風により、倒木、崩壊・土石流などの一次被害から二次・三次被害への連鎖は10年以上から数十年にわたって発生し、一次被害と河床変動や流路変動、浮遊砂流出などの二次被害が、台風被害に起因した連鎖した現象であることがわかった。台風に伴う地表攪乱は、一次被害を森林のマネージメントで軽減することは不可能であるが、二次被害を軽減することはできる。そのために、植林などの生産源対策のみでは無く、流出対策に視点を変えるべきである。また、本来台風による地表攪乱は、土砂流出および浮遊砂流出として大規模な構造体で「溜める」「阻止する」発想から、小規模な構造体で「流す」「緩和する」発想への転換が求められる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 笹原 克夫, 田村 圭司, 山田 孝, 恩田 裕一, 執印 康裕, 土屋 智, 栗原 淳一
     
    インドネシア共和国南スラウエシ州のバワカレエン山のカルデラ内の山体崩壊堆積土砂を対象に、現地調査と衛星画像解析により以下の研究を行った。(1)山体崩壊により発生した堆積土砂の侵食状況の把握。現地での地形計測と、衛星画像解析による地形データ取得により堆積土砂のガリー形状の地形データを取得し、毎年のデータを比較することによって堆積土砂の侵食量の経年変化を把握した。その結果山体崩壊土砂の堆積直後の1年目が最も侵食土砂量が多く、2,3年目と経過するに連れ、急激に侵食土砂量は減少していった。これは多くの火山において、火砕流などの火山活動により大量の土砂が生産された後の侵食土砂量の経年変化と同様の傾向である。この堆積土砂の急激な侵食は未だ継続しており、侵食の停止する条件の解明が必要である。また1年目には堆積土砂の侵食に伴ってガリーの幅、深さ共に急激な発達を見せたが、その後深さ方向の侵食に比べて幅方向の侵食が大きくなっていった。これは初期にはガリーそのものの形成により顕著な侵食が発生するが、その後はガリーの側壁の渓岸侵食が卓越するようになっていることを示す。侵食停止条件の検討のためには、下流への土砂流出とガリーの発達の関係を検討する必要がある。(2)侵食されて下流に流下した土砂の流出範囲の検討。バワカレエン山カルデラから流下するジェネベラン川において、流下土砂をサンプリングし、それらに含まれる放射性同位体を解析することにより、山体崩壊堆積土砂がどれだけ下流へ流下したかを確認した。ただし流下土砂のサンプリングは2年目であること、そして現地協力者に委託して行ったが、なかなか良好にサンプリングが行えず、結果として採取できたサンプルとその時期が少なかったため、明確な結論は導けなかった。より多くのサンプリングを、より多くの箇所で行う必要がある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 丸谷 知己, 山田 孝, 菊池 俊一, 黒木 幹男, 木村 正信, 眞板 秀二, 柿澤 宏昭
     
    研究計画に予定したとおりに、2007年3月18日11時にニュージーランド北島に位置するルアペフ火山の火口湖が決壊し、130万トンの湖水が一気に火山泥流(ラハール:Lahar)となってタスマニア海まで流下した。本研究の開始当時からの約2年間に及ぶ観測体制の整備と観測機材の準備とにより、世界で初めてラハールの動態が完全に捉えられた。本研究では、ラハール自体の流下プロセスの撮影に成功しただけでなく、流速、流量、濃度、振動などを観測し、発生前後の地形変動を把握し、さらに発生直後の生態系破壊の実態を調査することができた。また、ラハールに対して、地域がいかに監視・防災体制を敷いたか、住民はどのように受け止めたかという社会的な側面でも多くの知見が得られた。特に、ラハールの被害予測手法の確立、自然環境資源の被害修復戦略の解明(社会基盤の復旧、生物資源の修復、観光資源の再利用、先住民族の災害対応)について観測データ・現地調査データを元に解明し、わが国での火山災害への提言を行った。地形および水文学、水理学、生態学、社会学の4つの研究グループを設けて検討し、それぞれの手法に基づいて研究を進めるとともに、お互いの成果を総合して、火山災害対策や環境資源の保全に向けて共同作業を行った。そのため、研究会議を2回(札幌と現地)と国際ワークショップを札幌で開催した。この研究成果により、世界有数の火山国である日本においても、世界遺産などを含む火山山麓の自然環境資源の保全と活用に大きな貢献がもたらされるであろう。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2006年 
    代表者 : 岡田 弘, 中川 光弘, 小山 眞人, 山村 悦夫, 山田 孝, 吉川 肇子, 森 済, 宇井 忠英
     
    マグマプロセス解析装置の本格稼動で微小精密解析が進み、噴火履歴を正確に復元し,マグマ供給系の構造と噴火プロセスの長期的時間変遷の解明が進んだ。 高爆発度の道南3火山、対極的な十勝岳三宅島などを対象とした。北海道駒ヶ岳は大噴火後に中小噴火が約五百年続く傾向があり、マグマ供給系の現状と総合すると、現在は活動末期の可能性がある。樽前山も同様であるが、有珠山の活動期は今後も続く可能性が高い。一方、過去約百年間の広域精密地殻変動データの吟味により、有珠山は静穏期に深部マグマの蓄積が、活動期には収縮が認められ、観測による中期予測に駒ヶ岳に続く成果が得られた。 伊豆大島噴火20周年で「火山危機管理専門家支援サーバ」の野外実働試験が実施された。「火山危機管理担当者訓練のためのシナリオシュミレーション」は、富士山や十勝岳噴火を題材に行政職員、マスメディア、火山専門家などを被験者として実施した.これらの実験により、不確定性の高い現象での科学的判断の多様性と、困難克服の見通しが得られた。 ハザードマップでは、住民や行政官の危険認識の実態調査を行い、統合型GIS利用の効果を確認した。火山防災の専門用語の問題点を評価し見直し提言を行った。また、火山爆発と関連した土砂災害や火山砂防の課題とその啓発活動のあり方を探った。 科学者による噴火予測(直前予測・推移予測および終息の判断)と、それぞれの段階における科学的減災助言の実態を解明し、将来の困難に備える指針と必要なツール開発が提言された。また、住民避難や登山規制の解除における科学者の役割が論じられた。 20世紀に6回発生した噴煙柱が成層圏に達する大規模爆発的噴火の比較研究から、準リアルタイムでどのような物理量が把握でき、減災支援で共有すべき情報はどのようなものかが議論され、過去6回の歴史的成果が次期の大爆発で試されるべきと提言がなされた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2005年 
    代表者 : 山田 孝, 井良沢 道也, 柳井 清治, 菊池 俊一, 秋山 一弥, 佐藤 弘和, 田中 秀基, 山越 隆雄
     
    流域改変による微細土流から陸域水辺バイオスフェアを保全再生するための技術原理を構築するために、各研究分担者それぞれのフィールドにおいて、個々の研究課題についての研究を実施した。山田は研究全体の総括と、微細土発生機構を物理的に解明するために、表層せん断試験、流路を用いた侵食試験を行い、粘性土壌表面の侵食速度式(実験式)を作成した。さらに、この実験式を用いて実際の土砂流出量を予測する手法を提案した。佐藤は、拓伐が行われた森林小流域において、渓流水中の微細土とその有機成分の濃度変化を測定し、拓伐前および無施業流域の濃度との比較を試みた。拓伐施業に伴う微細土流出のうち、特に無機成分の流出促進は主に渓流流路の近くの集材路敷設に伴う堆積土砂に起因することなどが明らかにされた。井良沢は、積雪亜高山帯を流域に含む河川の融雪出水による微細土流出実態を明らかにするために、岩手県八幡平赤川において河川水流出成分の変化に応じて電気伝導度、水温とpHの変化を解明した。柳井は、陸上からの細粒物質(土砂や有機物)の供給量とそれが河川生物に及ぼす影響について調査を行った.とくに山地の荒廃地や農地、林道から流出する浮遊土砂の濃度が湖畔域のしじみの生息分布に大きな影響を与えることを明らかにした。秋山は、微細土砂にバガス(サトウキビの絞りかす)等を混入し、微細土砂に菌類を繁茂させて土粒子同士の物理的緊縛による耐侵食効果について室内試験等行い、一定の耐侵食効果があることを明らかにした。そして、その手法を山地斜面に適用し、菌類の繁茂状況と侵食強度との関係を定量的に明らかにした。菊池は、水生植物相に影響を及ぼす微細土生産域となり得る斜面崩壊地と地すべり地の土砂生産実態について日高地方の沙流川流域において調査を実施し、中流域での河畔林地区への土砂堆積実態とその後の樹木更新に与える影響について検討した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2003年 
    代表者 : 新谷 融, 中島 勇喜, 黒木 幹男, 山田 孝, 丸谷 知己, 眞板 秀二, 真野 明, 清水 収
     
    陸域からの土砂流出を把握することは、食糧や環境資源の基盤管理のために緊急かつ重要な課題である。本研究では開発の進む環太平洋地域の河川流域を対象として、流域の規模や形状、気象・地質特性、災害環境と土地利用の変遷について比較調査し、土砂流出速度との関係を明らかにした。高標高地域から海岸汀線までの数km^2から数万km^2の流域面積を対象とし、土砂生産(Source)から滞留、洪水による再移動・氾濫を経由して海洋への流出・堆積(Sink)に至るまでの土砂動態を解明した。研究対象地として、北海道の石狩川から九州の一ツ瀬川に至るわが国の河川流域だけでなく、オーストラリア、ニュージーランドおよび中国の河川流域についても資料収集し解析した。その結果、流域面積と勾配と降雨量の3要素によって、土砂の滞留時間と滞留規模(または輸送速度)がオーダーで異なり、微細土砂およびその流出速度も変化することが明らかになった。また、土砂動態の開水路実験によって滞留流出のモデル化も行った。水・土砂の流出規模と頻度に基づいて水辺生態系への影響も定量化した。これらに基づき、水系規模での水・土砂流出予測モデルが構築された。研究成果を公表するため、札幌において国際ワークショップを開催し、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、中国、韓国、タイなどの東南アジア諸国での研究成果も合わせて公表し、将来の環太平洋地域での共同研究と災害防除の国際拠点構築に貢献した。また、中国においても、将来の共同研究構想を検討するためのワークショップを開催した。研究結果を普及するため単行本を企画し、本研究終了後に発刊する予定である。本研究では、変動する地球環境のもとでの自然災害の予知・予測、軽減・修復という立場から、流域という空間を単位として、その骨格にあたる水系構造の特徴から土砂生産-滞留-流送-沈殿という一連の土砂動態を明らかにした。


Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.