研究者データベース

研究者情報

マスター

アカウント(マスター)

  • 氏名

    丹菊 逸治(タンギク イツジ), タンギク イツジ

所属(マスター)

  • アイヌ・先住民研究センター

所属(マスター)

  • アイヌ・先住民研究センター

独自項目

syllabus

  • 2021, アイヌ・先住民学特別演習, Ainu and Indigenous Studies (Seminar), 修士課程, 文学院, アイヌ語 アイヌ口承文学 音声資料 先住民族 言語学
  • 2021, アイヌ・先住民学特殊講義, Ainu and Indigenous Studies (Lecture), 修士課程, 文学院, アイヌ語 アイヌ口承文学 アイヌ語基礎文法 音声資料
  • 2021, 歴史文化学特別演習, History and Anthropology (Seminar), 修士課程, 文学研究科, アイヌ語 アイヌ口承文学 音声資料 先住民族 言語学
  • 2021, 歴史文化学特殊講義, History and Anthropology (Lecture), 修士課程, 文学研究科, アイヌ語 アイヌ口承文学 アイヌ語基礎文法 音声資料
  • 2021, アイヌ・先住民学総合特殊講義, Introduction to Ainu and Indigenous Studies (Lecture), 修士課程, 文学院, アイヌ民族・先住民族・アイヌ研究・先住民研究・歴史学・考古学・言語学・法律学・文化遺産学・博物館学・文化人類学
  • 2021, 大学院共通授業科目(教育プログラム):博物館学, Inter-Graduate School Classes(Educational Program):Museology, 修士課程, 大学院共通科目, 学術標本・資料、博物館、学芸員、アドバンストコース
  • 2021, 人間と文化, People and Culture, 学士課程, 全学教育, アイヌ民族、先住民、文化、歴史、考古学、言語、法律、博物館、人類学

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プロフィール情報

学位

  • 博士(文学)(千葉大学)

プロフィール情報

  • プロフィール

    口承文芸論。アイヌ語アイヌ文学、ニヴフ語ニヴフ文学の研究をしています。ニヴフ語資料の整理・公開。最近はアイヌ文様やトンコリなどに関する研究もしています。

  • 丹菊, タンギク
  • 逸治, イツジ
  • ID各種

    201301022167155370

対象リソース

業績リスト

研究キーワード

  • ニヴフ   音声資料   ロシア連邦   先住民   文化人類学   サハリン   生活史   口承文学   民族学   ニヴフ(ギリヤーク)   生活史(ライフヒストリー)   ピウスツキ   ニヴフ(ニブフ、ニブヒ、ニヴヒ、ギリヤーク)   高橋盛孝   少数民族   消滅の危機に瀕した言語   言語学   北東ユーラシア   昔話   ミャオ   民具名称   言語接触   北方   ナーナイ   アイヌ   ユカギール   ポジェン   

研究分野

  • 人文・社会 / 文化人類学、民俗学
  • 人文・社会 / 言語学

経歴

  • 2004年06月 - 2007年06月 東京外国語大学 AA研 研究員

論文

  • Hidetoshi Shiraishi, Itsuji Tangiku
    Handbook of the Ainu Language 209 - 252 2022年10月10日
  • アイヌ語復興のこれまでとこれから
    丹菊逸治
    民族學界 45 5 - 48 國立政治大學民族學系《民族學界》編輯委員會 2020年04月 [査読有り][招待有り]
  • ニヴフ伝統音楽における追悼の音
    丹菊逸治, 篠原智花
    民族音楽楽器研究 6 291 - 300 2019年 [査読有り][通常論文]
  • 高橋盛孝採録ニヴフ伝統歌謡の詩連と押韻形式
    丹菊逸治
    千葉大学ユーラシア言語文化論集 20 113 - 125 2018年12月 [査読無し][通常論文]
  • トンコリとシチェプシン
    篠原智花, 丹菊逸治
    Studia instrumentorum musicae popularis V 405 - 416 2017年11月 [査読有り][通常論文]
  • 成長物語・恋愛物語としての『クトゥネシㇼカ』
    丹菊逸治
    ひろがる北方研究の地平線 中川裕先生還暦記念論文集 59 - 70 2017年06月 [査読無し][招待有り]
  • サハリンの植物相および植生から見たニヴフの植物資源利用
    水島未記, 白石英才, 丹菊逸治
    北海道博物館研究紀要 1 - 14 2017年 [査読無し][通常論文]
  • トンコリはどこからきたか
    篠原智花, 丹菊逸治
    飛ノ台史跡公園博物館紀要 10 1 - 8 2013年03月 [査読無し][招待有り]
  • 丹菊 逸治
    口承文藝研究 36 54 - 70 日本口承文藝學會 2013年 [査読無し][通常論文]
  • 丹菊 逸治
    北海道立北方民族博物館研究紀要 22 59 - 62 北海道立北方民族博物館 2013年 [査読無し][通常論文]
  • 丹菊 逸治
    千葉大学ユーラシア言語文化論集 0 14 33 - 41 千葉大学ユーラシア言語文化論講座 2012年09月 [査読無し][通常論文]
  • 丹菊 逸治
    北方人文研究 0 5 113 - 122 北海道大学大学院文学研究科北方研究教育センター = Center for Northern Humanities, Graduate School of Letters, Hokkaido University 2012年03月 [査読無し][通常論文]
     
    Nivkh language has suffix -gun which shows accordance between verb and subject. TAKAHASHI Moritaka pointed out some examples of accordance between verb and object in Poronaysk dialect of the Nivkh language in his work of 1932. This head-marking tendency may be an influence from Sakhalin dialect of the Ainu language.
  • 丹菊 逸治
    口承文藝研究 0 35 67 - 76 日本口承文藝學會 2012年 [査読無し][通常論文]
  • 丹菊 逸治
    和光大学現代人間学部紀要 0 4 129 - 143 和光大学現代人間学部 2011年03月 [査読無し][通常論文]
     
    サハリン島(樺太)北部の先住民ニヴフ民族は、第二次世界大戦終了まで一部が旧日本領南樺太の住民だった。彼らはウィルタ民族とともに、日本の行政当局が敷香(現ポロナイスク)に設置した集住地「オタスの杜」の主要な構成員となり、アイヌ民族とは異なった扱いを受けていた。比較的知られたニヴフ人奥田桃太郎とその息子奥田長次の足跡が表すように、日本に「引き揚げ」ずサハリン島にとどまった旧日本領南樺太のニヴフ民族は北部のニヴフ人社会に再統合された。
  • 丹菊 逸治
    表現学部紀要 11 122 - 130 和光大学表現学部 2010年 [査読無し][通常論文]
  • サハリンの口琴再考
    篠原智花, 丹菊逸治
    itahcara 6 2009年07月 [査読無し][通常論文]
  • 丹菊 逸治
    表現学部紀要 10 60 - 69 和光大学表現学部 2009年 [査読無し][通常論文]
  • 丹菊 逸治
    千葉大学社会文化科学研究 7 0 1 - 8 千葉大学 2003年02月01日 [査読無し][通常論文]
  • 丹菊 逸治
    千葉大学ユーラシア言語文化論集 1 0 222 - 234 千葉大学 1998年03月28日 [査読無し][通常論文]
  • ニヴフとアイヌの異類婚譚
    丹菊逸治
    千葉大学大学院 [査読有り][通常論文]

MISC

書籍等出版物

  • アイヌ韻文の朗唱法
    丹菊逸治 (担当:単著)
    北海道大学アイヌ・先住民研究センター 2022年03月
  • 18世紀アイヌ押韻文—ルウェサニウンクㇽ叙事詩その頭脚韻と不完全韻
    丹菊逸治 (担当:単著範囲:著者)
    北海道大学アイヌ・先住民研究センター 2021年03月 77
  • ニナ・ニトクク伝承集
    丹菊逸治 (担当:編者(編著者))
    北海道大学アイヌ・先住民研究センター 2021年03月 58
  • 早稲田文学2021年春号
    早稲田文学編集室 (担当:分担執筆範囲:アイヌ語のオノマトペ — 擬音語の仕組み)
    早稲田文学会 2021年03月 275 134-145
  • ナジェジダ・タンジナ伝承集(ロシア語版)
    丹菊逸治 (担当:編者(編著者)範囲:編集)
    北海道大学 2020年03月 64 
    ニヴフ語による伝承資料のニヴフ語原文およびロシア語訳(日本語からの重訳)。CD付。北海道大学アイヌ・先住民研究センターニヴフ言語文化資料集5号。
  • アイヌ韻文の行頭韻
    丹菊逸治 (担当:単著)
    北海道大学アイヌ・先住民研究センター 2020年03月 126 
    アイヌ・先住民研究センター「アイヌ・先住民族言語アーカイヴプロジェクト」報告書
  • 岡和田, 晃 (担当:分担執筆範囲:樺太アイヌ、ウイルタ、ニヴフ — 継承する「先住民族の空間」)
    藤田印刷エクセレントブックス 2019年12月 (ISBN: 9784865381054) 210p 140-143
  • アイヌ語復興の新しい流れ(『ことばと社会』20号)
    丹菊逸治 (担当:分担執筆範囲:連載報告多言語社会ニッポン:アイヌ語11)
    三元社 2019年01月 164-183 
    アイヌ語復興に関する一般論文。アイヌ語と日本語による二言語表記。
  • サハリン先住民族文化の復興 (『アジア遊学』227 特集「アジアとしてのシベリア 」)
    丹菊逸治 (担当:分担執筆範囲:シベリア先住民 : 多様な文化空間)
    勉誠出版 2018年12月
  • アイヌ叙景詩鑑賞~押韻法を中心に
    丹菊逸治 (担当:単著)
    北海道大学アイヌ・先住民研究センター 2018年08月 281 
    アイヌ詩の詩法、特に頭韻と脚韻について。知里幸恵・バチェラー八重子・伊賀ふでらの詩法についても解説。モンゴルからの影響の可能性について補論で論じている。非売品。
  • タチヤナ・ウリタ伝承集(ロシア語版)
    丹菊逸治, ガリーナ・パクリナ (担当:共編者(共編著者))
    2017年03月 68 
    ニヴフ語による伝承資料のニヴフ語原文および日本語訳。CD付。北海道大学アイヌ・先住民研究センターニヴフ言語文化資料集3号。
  • ナジェジダ・タンジナ伝承集
    丹菊逸治 
    北海道大学 2017年03月 59 
    ニヴフ語による伝承資料のニヴフ語原文および日本語訳。CD付。北海道大学アイヌ・先住民研究センターニヴフ言語文化資料集4号。
  • 火と縄文人
    丹菊逸治 (担当:分担執筆範囲:ニヴフ民族のくらしと火)
    同成社 2017年02月 61-82
  • アイヌ民族否定論に抗する
    岡和田晃, マーク・ウィンチェスター (担当:分担執筆範囲:アイヌと「民族」をめぐる誤解)
    河出書房新社 2015年01月
  • ニヴフ語サハリン方言語彙集
    丹菊逸治 
    Hokkaido Univ. Center for Ainu and Indigenous Studies 2014年03月 255 
    ニヴフ言語文化資料集第2号
  • タチヤナ・ウリタ伝承集
    丹菊逸治, ガリーナ・パクリナ (担当:共編者(共編著者))
    北海道大学アイヌ・先住民研究センター 2014年03月 73 
    ニヴフ語による伝承資料のニヴフ語原文および日本語訳。CD付。北海道大学アイヌ・先住民研究センターニヴフ言語文化資料集1号。
  • 水雪氷のフォークロア
    山田仁史, 永山ゆかり, 藤原潤子編 (担当:分担執筆範囲:ニヴフ)
    勉誠出版 2014年03月
  • 北の想像力
    岡和田晃 (担当:分担執筆範囲:SFあるいは幻視文学としてのアイヌ口承文学)
    寿郎社 2014年
  • 多言語社会日本その現状と課題
    多言語化現象研 (担当:分担執筆範囲:「アイヌ語」)
    三元社 2013年

講演・口頭発表等

  • ことばと文化にみるアイヌ民族の歴史  [招待講演]
    丹菊逸治
    第3回文化財講演会 2021年02月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • ニヴフ歌謡とアイヌ歌謡
    丹菊逸治
    パレオアジア諸民族のフォークロア 2019年09月 口頭発表(一般)
  • ニヴフ伝統音楽における「追悼」の音  [通常講演]
    篠原智花, 丹菊逸治
    国際伝統音楽協会楽器部会第22回大会 2019年04月 口頭発表(一般)
  • 「さあ、参加して学ぼう!」:山本多助はポロナイスクで何を見たか  [通常講演]
    丹菊逸治
    第二回ロシア連邦極東先住民族言語による国際シンポジウム 2019年02月 口頭発表(一般)
  • 個人の活動にもとづいたアイヌ語復興運動  [招待講演]
    丹菊逸治
    台湾・中央大学客家学院「客家語及びマイノリティ言語の復興」 2018年12月 口頭発表(一般)
  • アイヌ伝統文学とアイヌ現代文学  [招待講演]
    丹菊逸治
    台湾原住民族文学国際シンポジウム「和而不同」 2018年11月 口頭発表(一般)
  • ジャンガルとアイヌ叙事詩ユカラ  [通常講演]
    丹菊逸治
    国際シンポジウム「世界の叙事詩とジャンガル」 2018年09月 口頭発表(一般) ウランバートル、モンゴル NPOジャンガル
     
    アイヌの叙事詩は押韻などの詩形式からみて15世紀にモンゴルから影響を受けたものと考えられるが、内容的にもモンゴルの叙事詩との共通性がみられる。具体的には地形の俯瞰、敵との戦い、計略などの描写である。
  • アイヌ語と北方諸言語の言語接触  [通常講演]
    丹菊逸治
    日本と北東アジア地域の危機言語へのアプローチ:文法記述・記録・再活性化 2018年08月 口頭発表(一般) 東京 国立国語研究所
  • いつ間宮海峡を渡ったのか~アイヌ叙事詩ユカラとモンゴル叙事詩ジャンガル  [通常講演]
    丹菊逸治
    国際口承文芸学会国際研究大会2018 2018年06月 口頭発表(一般) ラグーザ、イタリア 国際口承文芸学会
     
    アイヌの韻文形式は頭韻・脚韻・リフレインの形式から見てモンゴルとトゥングースの2回の影響を受けている。具体的には、1308年にアイヌ・モンゴル戦争が終結した後のアムール地域において、モンゴル軍が撤退するまでの数十年間に直接モンゴル伝統文学から影響を受けたものと考えられる。
  • トンコリとシチェプシン~樺太アイヌの伝統楽器トンコリの起源仮説  [通常講演]
    篠原智花, 丹菊逸治
    21st Symposium of the ICTM Study Group on Musical Instruments 2017年04月 シンポジウム・ワークショップパネル(公募)
  • アイヌとニヴフの個人芸術から民族芸術への変容  [通常講演]
    丹菊逸治
    国際口承文芸学会研究大会 2013年06月 口頭発表(一般)
  • ニヴフ語諸方言出版における正書法の問題  [通常講演]
    丹菊逸治
    2nd International Conference on Language Documentation and Conservation (ICLDC) 2011年09月 口頭発表(一般)

所属学協会

  • 国際伝統音楽協会   日本口承文芸学会   

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 水島 未記, 丹菊 逸治
     
    当初の研究計画では各年度毎にサハリン北部またはアムール川河口域での現地調査を予定していたが、当年度も引き続き世界的な新型コロナウイルス感染症の流行が終息せず、現地調査を行うことはできなかった。このため当年度は前年度までと同じく、研究代表者はサハリンおよび隣接地域の自然環境および自然環境利用文化等に関連する情報、リモートセンシングおよびGISに関連する技術的な情報に関して収集を続け、適切な分析手法等に関して検討を実施した。研究分担者はニヴフおよび近隣の先住民の伝統文化に関する情報についてそれぞれ情報収集を行い、分析手法等についての情報収集、検討を行った。 自然環境に関しては、サハリンおよびアムール川河口域を含む東アジア地域に関して、植物相および植生のみでなく、これと密接に関わるさまざまな分類群の動物相およびその生態に関して情報を収集し、関連する知見を深めた。また、石狩平野を中心に、北海道内の湿原の植物相および生態系に関する現地調査を行った。文化に関しては当該地域の諸民族の動植物を含む自然環境利用文化、さらには言語や生活文化等、他の文化要素との関係等まで含めて広く情報を収集し、関連する知見を深めた。これらの目的のため、北海道を含む東アジア地域の動物相および生態系に関する図書など、関連する図書文献類を入手した。 研究代表者が所属する北海道博物館において北海道と近隣地域の湿原の自然史とその人との関わり等について紹介する特別展「あっちこっち湿地 ~自然と歴史をめぐる旅~」を開催し、ニヴフ(特にサハリン・ニヴフ)の植物採集の場として最も重要な湿原の植物に関して焦点を絞って紹介した。その図録では、「サハリン先住民の暮らしを支えた湿原」というタイトルで、過去の調査の成果を含めてニヴフと湿原植物との関わりについて紹介した。関連講座「サハリンの湿地・鳥・人」において、さらに詳細な紹介を実施した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年07月 -2022年03月 
    代表者 : 池田 光穂, 山崎 幸治, 瀬口 典子, 辻 康夫, 關 雄二, 太田 好信, 加藤 博文, 石垣 直, 細川 弘明, 丹菊 逸治
     
    世界の先住民が取り組んでいる、遺骨副葬品返還要求、博物館における文化提示への改善要求、言語と文化教育への要請という現象を調査研究した。その結果、世界の先住民運動は、ICTなどの共通のコミュニケーションツールを用いながらも、グローバル化は、決して世界の均質化を引き起さず、むしろ文化の多様性の尊重と独自性に関する歴史的反省を全世界に発信している実態が明らかになった。国民国家は領域内の先住民のグローバルなネットワーク化を支援し、かつ、先住民と国家との連携や和解にむけて動く責務があり、また公教育の中に先住民学を組み込んで、言語と文化の多様性を担保する必要性が明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 水島 未記, ローン タチヤナ, マチュシュコフ ゲンナジー, オシポヴァ マリーナ, テミナ マリーナ, 丹菊 逸治, 白石 英才
     
    サハリン北部およびハバロフスク地方で各2回の現地調査を行い、聞き取りおよび植物相・植生の把握を進めた。ベリー類の重要性など、サハリン・ニヴフの植物資源利用の特徴を整理した。 サハリン・ニヴフの居住域であるシュミット線北側の植物相・植生は同緯度の他地域と比較して特殊であることを見いだした。 それらを踏まえ、アムール川起源の砂が厚く堆積した層の存在が当該地域の貧弱な植物相・植生をもたらし、それがニヴフの植物資源利用文化の特徴に強い影響を及ぼしていることを示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 白石 英才, テミナ マリナ, ボツマ ベルツ, 水島 未記, 丹菊 逸治
     
    本プロジェクトの最大の目的であった、存命のニヴフ語話者に面会し音声データを直接得ることは概ね達成できた。この間、フィールドワークをロシア極東ハバロフスク管区およびサハリン州の複数地点で実施した(ハバロフスク、ニコラエフスク・ナ・アムーレ、アレーエフカ、チリャー、ネクラソフカ、オハ、ノグリキ)。調査した話者は20名近くにのぼった。収集したデータは多岐にわたるが、当初予定していた1) 基礎語彙、2) 2音節語のアクセント分布、3) 動植物語彙については各地で集中的に採録し、均質なデータが得られた。それに加え、いくつかの方言については発話資料を集中的に採録できた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 丹菊 逸治
     
    百年〜数十年前にかけてピウスツキ、高橋盛孝らによって採録されたニヴフ語口承文学筆録資料、近年の音声資料の解読・分析をニヴフ語話者の協力を得ておこなった。その結果、各伝承が個人の生活史と密接な関連を持つことが判明した。話者が属する血縁集団、個人的な事件、最近の伝承では近代化との関わりがジャンルに応じた形で反映されている。話者自身もそれを前提とし、自分にふさわしいと意識する内容を取捨選択して語っている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2006年 
    代表者 : 中川 裕, 佐々木 利和, 丹菊 逸治
     
    本研究は樺太アイヌを中心に、民具名称と民具それ自体の分布関係を見ることによって、日本北方諸民族の言語接触の状況とその歴史を探ろうとしたものである。本研究で重点をおいたのは、言語接触の問題をただ言語データのみから見るのではなく、物質文化から見た歴史的関係と連関させて論じるということであった。そのために、言語だけでなく、民具そのものの形状・用途・製法などについても同時に調査を行い、言語面と物質面の相互関連を考察した。 その成果として、まず基礎資料となる民具名称のデータベース作成を行った。比較の基点となるべき樺太アイヌ語についてはすでに現地調査が著しく困難な状況にあるので、田村・中川が文献に基づいてデータベース作成を行った(『成果報告書』2.1)。現地調査に基づくデータベースとしては、丹菊によるニヴフ語民具語彙(2.2)および長崎によるユカギール語民具語彙(2.3)を今回まとめることができた。それ以外の言語に関してはまだ収録語彙量が十分でなく、引き続き調査を行っていく予定であるが、なめし具や調理用具などのかぎられた分野についての物質面・文化面を含めた調査報告として、ホジェン語に関する李論文(3.3)、ミャオ語に関する田口論文(3.5)を掲げた。 言語接触に関する問題としては、中川が3.1において、アイヌ語のpasuyという語をめぐる日本語、アイヌ語の北海道・樺太・千島方言、ニヴフ語、トゥングース諸語の相互関係について論考を行った。また、上記李論文を受けて、なめし具に関する言語的・物質的影響がポジェンを中心とする黒竜江沿岸民族から樺太まで及びながら、樺太アイヌを含めアイヌ語にはほとんど影響を与えていない事実とその理由について3.4で論じた。丹菊論文(3.2)では、2.2のデータベースに基づいて、ニヴフ語の民具名称についての網羅的な検討を行い、周辺諸言語との関係について詳細に分析を行った。


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