Ichinohe, T, Tamura, T, Ueda, K, Okubo, M, Asahida, Y
Animal Science and Technology (Japan) 65 8 701 - 708 Japanese Society of Animal Science 1994年
[査読有り][通常論文] 刈取り期の異なるオ-チャードグラス1番刈り乾草3種類(H1,出穂前;H2,出穂:開花=1:1;H3,開花:結実=1:1)を,ルーメンカニューレ装着めん羊にそれぞれ1日1回給与し,反芻胃内容物の粒度分布の経時変化および嚥下食塊と糞の粒度分布を測定した.無細切乾草1300gを1日1回10:00から13:00の間に採食させ,飼料給与後3,7,11,15,19,24hに反芻胃内容物を全量取り出し,代表サンプルを採取した.粒度分布は,Large particles (LP,≧1180μm篩上残留分画),Small particles(SP, 47~600μm上残留分画)および可溶性分画(SOL,47μm篩通過分画)の割合で表した.嚥下食塊のLP割合は,各乾草とも60%以上であり,5600μ篩上残留分画割合はH1給与時がH2,H3給与時に比べて高かった.反芻胃内容物中のLP割合は,給与後3から24hにかけて,H1,H2,H3給与時でそれぞれ,46→13,39→14,34→8%へと減少し,各時間におけるLP割合は,H1給与時がH2,H3給与時に比べて高い傾向にあった.一方,SP割合は,H1,H2,H3給与時でそれぞれ,28→47,35→62,47→68%へと増加し,各時間におけるSP割合は,H1給与時に比べてH2,H3給与時で高かった(P<0.05).反芻胃内容物中のSOL割合は,H1で給与後3hの26%から給与後24hには41%へと増加したが,H2,H3では変動が少なく概ね25%で推移した.各乾草給与時において,反芻胃内通過が可能な飼料粒子は常に総反芻胃内容物の50%以上を占めていた.糞のLP割合は,H1,H2,H3給与時でそれぞれ,0.7,3.7,1.0%とわずかであった.SP割合はそれぞれ48.8,53.2,70.3%とH1,H2給与時に比べ,H3給与時で高かった.