Phosphatidylserine-dependent antiprothrombin antibodies (aPS/PT) are strongly correlated with lupus anticoagulant. We evaluated the value of IgG aPS/PT for diagnosing antiphospholipid syndrome (APS). Methods: We performed an initial cross-sectional multi-centre study involving 8 centres/7 countries. Clinical and laboratory data were retrospectively collected. Specimens were blinded,and IgG aPS/PT determinations performed at Inova Diagnostics (USA, Inova) using 2 ELISA kits: MBL (Japan) and Inova. A validation study was carried out (5 centres/5 countries). Results: In the initial study (n = 247), IgG aPS/PT titers were concordant between the two ELISA tests (r = 0.827, p < 0.001). In samples with concordant results (n = 204), IgG aPS/PT were more prevalent in APS patients (51%) than in patients without APS (9%) (OR: 10.8 [95%CI 4-29], p < 0.0001). In the validation study (n = 214), there was as well a good concordance between IgG aPS/PT titers obtained by both ELISAs (r = 0.803, p < 0.001) , and IgG aPS/PT were more frequently found in APS patients. Conclusions: Performance of IgG aPS/PT is reliable. IgG aPS/PT detection is an easily performed laboratory parameter that may help in APS diagnosis.
β2-glycoprotein I(β2GPI)は抗リン脂質抗体(aPL)の主要抗原であり,また,抗リン脂質抗体症候群(APS)の疾患感受性にHLA class II(HLA-II)遺伝子多型が関与する.しかし,HLA-II分子が疾患感受性を制御する機序については不明である.
最近,MHC-IIがペプチドへの分解を免れたmisfolded蛋白を提示し,B細胞を直接活性化する機構が報告された.今回,この新規抗原提示機構とAPSの病因・病態との関連を解析した.
初めに,β2GPIとHLA-IIを共発現させた293T細胞を用いた免疫沈降により,full-lengthのβ2GPIとHLA-IIが複合体を形成していることを確認した.さらに,ヒトaPLモノクローナル抗体とAPS患者血清中の自己抗体がβ2GPIとAPS疾患感受性アレルであるHLA-II(HLA-DR7, DR4)の複合体に対して高い結合親和性を有することが分かった.また,流産組織を用いた蛍光免疫染色により,APS患者の脱落膜血管内皮細胞にβ2GPIとHLA-DRが共発現していることを明らかにした.APS患者120名の血清中のβ2GPI/HLA-DR7複合体に対する自己抗体の抗体価をFlow cytometry法で測定したところ,APS患者の約80%で陽性で,さらに,抗カルジオリピン抗体や抗β2GPI抗体が陰性であるAPS患者の約半数で本自己抗体が陽性となった.また,ヒトaPLモノクローナル抗体はβ2GPI/HLA-DR7発現細胞に特異的に補体依存性細胞障害を誘導した.
APS患者血清中に,misfolded β2GPI/HLA-II複合体に対する自己抗体が存在することを初めて明らかにした.この自己抗体によって血管内皮細胞が障害され,血栓症や流産を惹起さるというAPSの新しい病態が示された.
【目的】骨塩量減少と動脈硬化との関連が指摘されている(Ye C et al. PLoS One 2016).全身性エリテマトーデス(SLE)における動脈硬化の進展因子を検討する.【方法】2012年1月から2016年4月に当科外来を受診した全SLE患者のうち,経時的に動脈硬化性病変を評価した連続84(女性74)例を対象とした.動脈硬化性病変は,頚部血管エコー検査により頚動脈プラーク,内膜中膜複合体厚(IMT)を評価し,骨塩定量は腰椎(L2-4)においてDual-Energy X-ray Absorptiometry法で測定した.動脈硬化進展を平均最大IMTの10%以上の増加かつプラークスコア(頚動脈プラーク径の総和)の増加と定義し,初回検査時の患者背景,臨床検査所見,骨塩量および治療薬との関連を後ろ向きに解析した.【結果】対象の年齢,罹病期間,SLEDAI-2Kの中央値[四分位範囲]は,43[36-54]歳,10[3-21]年,2[2-4]で,腰椎骨塩量(g/m2)は,0.98±0.15であった.頚部血管エコー検査は,26[23-29]ヶ月間隔で施行され,プラークスコアは,34例(41%)で増加し,平均最大IMTの変化率は6.5±18.3%であった.動脈硬化進展は12例(14%)に認められ,動脈硬化進展に関連する因子として,頚動脈プラークの存在(p = 0.001),リンパ球数(p = 0.01),骨塩減少(p = 0.01),抗リン脂質抗体陽性(p = 0.03)が抽出された.【結語】SLEにおける動脈硬化進展は,疾患特異的なリスク因子とともに骨塩量との関連が示唆された.
【目的】ループス腎炎(LN)に対する寛解導入期におけるミコフェノール酸モフェチル(MMF)の短期的治療効果を検討する.【方法】当院で寛解導入治療としてMMFを投与されたLN患者の治療成績について後向きに解析した.完全寛解(CR)を尿蛋白0.5g/gCre未満かつ正常GFRもしくは正常GFR下限から90%以内への改善,部分寛解(PR)を尿蛋白3.5g/gCre未満への半減,かつ正常GFRもしくは正常GFR下限から90%以内への改善と定義した.【結果】全24例(女性20例)のうち,13例が前治療不応例もしくは再燃例であり,11例は初回寛解導入例であった.全例の治療開始1,3,6ヶ月後のCR達成率は,それぞれ17%(4/24),33%(8/24),43%(10/23)であった.初回寛解導入例の1,3,6ヶ月後のCR達成率はそれぞれ27%(3/11),64%(7/11),80%(8/10)であり,PR達成率は1,3,6ヶ月で45%(5/11),91%(10/11),100%(9/9)であった.6ヶ月時点での治療抵抗性に関連する因子として尿蛋白 ≥ 3.5g/g・Cr(p = 0.019),CH50低値(p = 0.046),SLEDAI-2K高値(p = 0.023),V型を含む腎生検所見の既往(p = 0.040),前治療不応(p = 0.003)が挙げられた.【結語】LNの初回寛解導入治療としてMMFの治療成績は良好であり,再発・難治例に対してもMMFが有効である症例が存在する.また初回寛解導入例ではMMF治療開始後,比較的早期から効果発現が期待できる.