日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2005年 -2007年
代表者 : 永岡 慶三, 西堀 ゆり, 岡部 成玄, 山本 裕一, 赤倉 貴子, 植野 真臣, 田中 健二
研究代表者は本科研プロジエクト以前にも,文部科学省科学研究費補助金による同時双方向遠隔授業に関する研究を13年間に亘り行ってきた.
この間,情報通信技術ICTは大きく進歩した.しかし,教育に携わる人間は教員も,ネットワーク技術者も,受講者も観察者も,十分な経験とそれより抽出されたノウハウとを蓄積したとは言い難い.手段は得たが文化の形成には至ってないというのが,正直な感想である,ただ,4ヶ国・4大学による国際間同時双方向遠隔授業については,経費・人手の投入に対して得られる機能と扱いやすさなどから,【トリプルフォー方式】を標準とすべきという感を得ている.
すなわち,トリプルフォー方式とは,多数サイトがスクリーン上に同時参加するためには,長方形であるディスブレイ画面を4分割して,ぴったりおさまる4サイト(4ヶ国・4大学)が無駄の無い組合せである.これを4ヶ国・4大学・4分割画面の「トリプルフォー」方式と呼んでいる.無論,3サイト(3ヶ国・3大学)で4番目にBBS画面等にすることも考えられるが,通常の大学教員には運用上の負担となる場合があり,これまでの経験から平易なトリプルフォーの方式が安定感にまさる.
また,国際間同時双方向遠隔授業のためのコンテンツ内容に関しては,語学教育,異文化コミユニケーション教育がまずはもっとも適しており,本科研プロジエクトにおいても多くの実験がなされている.今後,多くの参加者を得て実績を蓄積し,単位互換可能な正規の授業の中で多くの授業コンテンツが実用化されていくことを祈念するものである.