研究者データベース

増田 侑亮(マスダ ユウスケ)
理学研究院 化学部門 有機・生命化学分野
助教

基本情報

所属

  • 理学研究院 化学部門 有機・生命化学分野

職名

  • 助教

学位

  • 博士(工学)(2017年03月 京都大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • 有機光化学   有機金属化学   有機合成化学   

研究分野

  • ナノテク・材料 / 有機合成化学

担当教育組織

職歴

  • 2021年02月 - 現在 北海道大学 大学院理学研究院 助教
  • 2018年03月 - 2021年01月 京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 特定助教
  • 2017年04月 - 2018年02月 東京大学 大学院薬学系研究科 博士研究員

学歴

  • 2012年04月 - 2017年03月   京都大学   大学院工学研究科   合成・生物化学専攻
  • 2008年04月 - 2012年03月   京都大学   工学部   工業化学科

所属学協会

  • 有機合成化学協会   日本化学会   

研究活動情報

論文

講演・口頭発表等

  • Photocatalytic transformation of organophosphorus compounds through distonic radical cation intermediates  [招待講演]
    Yusuke Masuda
    ICAT International Symposium on Catalysis 2023 2023年07月 口頭発表(招待・特別)
  • Photocatalytic Synthesis of Organophosphorus Compounds  [招待講演]
    Yusuke Masuda
    The 15th International Conference on Cutting-Edge Organic Chemistry in Asia (ICCEOCA-15) 2022年07月 口頭発表(招待・特別)
  • 水中光反応による糖およびホスフィンの革新的分子変換  [招待講演]
    増田侑亮
    理・工・生命環境学部講演会(関西学院大学) 2022年05月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • アリールホスフィンの劇的な⾻格変換を伴う光カップリング反応  [招待講演]
    増田侑亮
    若手研究者のための有機化学札幌セミナー 2021年11月 口頭発表(招待・特別)
  • Incorporation of Carbon Dioxide into Organic Molecules Utilizing Light as Energy Source  [招待講演]
    増田侑亮
    Reaxys Prize Club シンポジウムin Japan 2017 2017年03月 口頭発表(招待・特別)

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 増田 侑亮
  • 創薬を指向したホスホニウム化合物のクリック合成
    上原記念生命科学財団:研究奨励金
    研究期間 : 2024年01月 -2025年04月 
    代表者 : 増田侑亮
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    研究期間 : 2022年06月 -2025年03月 
    代表者 : 原渕 祐
  • 創薬を志向した薬剤分子の光ホスホニオ化反応の開発
    アステラス病態代謝研究会:研究助成金
    研究期間 : 2023年01月 -2024年12月
  • アルケニルホスホニウム塩を鍵中間体とする官能基化アルケンの統一的合成
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A) 公募研究
    研究期間 : 2022年06月 -2024年03月 
    代表者 : 増田 侑亮
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究
    研究期間 : 2021年04月 -2023年03月 
    代表者 : 増田 侑亮
     
    当初の研究計画に従い、水溶性光酸化還元触媒の開発と無保護糖の変換反応に取り組んだ。その結果、配位子にカルボキシ基を有するイリジウム光酸化還元触媒を用いた場合に、水中での無保護糖の光異性化反応が進行し、2―デオキシ糖が得られることを見出した。この反応は、従来のケトン光触媒と紫外光を用いた反応に比べて、可視光を用いる点・生成物が高収率で得られる点・糖酸化体が副生しない点などで優れている。また、水中での糖異性化反応は、既存の疎水性イリジウム光触媒では進行しないことを確かめており、本触媒系が水中光反応を達成する上で重要であることが示された。 水中光反応を検討する際に、アリールホスフィン、アルケン、二酸化炭素の極めて興味深い反応が進行することを見出した。すなわち、水とアセトニトリルの混合溶媒中、二酸化炭素雰囲気下でアリールホスフィンとアルケンの混合物に対してイリジウム光触媒を作用させたところ、シクロプロパン環を含む3環性ホスホニウム塩が得られた。この反応は、アリールホスフィンのベンゼン環のひとつが三員環と五員環が縮環した構造へと脱芳香族化するとともに、リン原子が転位するユニークな反応である。詳細な機構の解析を行ったところ、出発物質から生成物に至るまでに2回の光化学過程を経由していることがわかった。この知見をもとに、アリールホスフィンとアルキンの環化反応による環状ホスホニウム塩の合成およびアリールホスフィンとアルキンのカップリング反応によるアルケニルホスホニウム塩の合成手法を開発した。これらの化合物は続くホスホニウム塩の変換反応によって、多種多様な有機分子へと誘導することが可能であった。 その他、光とパラジウムや銅といった遷移金属触媒を組み合わせた反応の開発にも取り組んでおり、それぞれ新規炭素―リン結合および炭素―炭素結合形成反応として学術論文にまとめた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究
    研究期間 : 2019年04月 -2021年03月 
    代表者 : 増田 侑亮
     
    研究計画に従い、光を用いた糖の位置選択的脱酸素化および官能基化反応の開発に取り組んだ。検討を進めた結果、紫外光の照射下で適切な光触媒を用いることで、アルドースの2位選択的脱酸素化反応を見出した。この反応は水を溶媒とし無保護のアルドースを出発物質として用いることができる革新的な変換手法である。グルコースやマンノースなどの単糖に加え、マルトースやスクロースなどの二糖も反応に適用することができ、対応する2デオキシ糖を合成することができた。合成した2デオキシ糖を水素化ジイソブチルアルミニウムで還元することで、医薬分野において重要な2―デオキシアルドースへと変換することができた。以上の結果は、国際学術誌に投稿・掲載された。 さらに、光触媒としてイリジウム錯体およびアミンを適用することで、可視光を用いた温和な反応条件においても同様の脱酸素化反応が進行することがわかった。本手法により、収率の向上のみならず、基質適用範囲を2-ヒドロキシ環上ヘミアセタールや保護基を有する糖へと拡大することに成功した。 また、アルドン酸を出発物質とし1気圧の酸素雰囲気下アクリジニウム光触媒を作用させることで、脱炭酸と酸化反応が進行し、一炭素減炭したアルドースが得られることを見出した。従来の手法では、過酸化水素などの酸化剤を等量以上用いる点や有毒な金属触媒を用いる点が問題であったが、本手法は酸素を酸化剤とするクリーンな合成法と言える。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 増田 侑亮
     
    研究計画に従い、sp3炭素―水素結合のアリール化およびアルキル化反応に関して検討を行った。その結果、ニッケル触媒とヨウ化アルキルの存在下、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とし、グリニヤー反応剤を作用させるこで、THFの炭素―水素結合がアリール化された生成物を低収率で得た。収率向上を目指し、さまざま条件検討を行ったが、大きな改善は見られなかった。 次に、アルコールの炭素―酸素結合官能基化反応に取り組むこととした。検討の結果、プロパルギルアルコール誘導体に対して、ニッケル触媒の存在下グリニヤー反応剤を作用させることで、水酸基の脱離およびプロパルギル基の異性化を伴いながらカップリング反応が進行し、アレンが選択的に生成することを見出した。ニッケル触媒を用いてプロパルギルアルコールからアレンを与える反応としては、これが初めての例である。また、一般にプロパルギル位の置換反応では、アルキンとアレンの混合物を与えることが多い一方、本反応は選択的にアレンを与える点で興味深い。 1―フェニルエタノールに対してパラジウム触媒と銅触媒の存在下、ジボロンを作用させたところ、アルコールの水酸基がホウ素に置換した生成物を与えた。この反応は、2級のベンジルアルコールを直接ホウ素化する手法としては初めての例である。さらに、本反応の不斉反応化を目指して、不斉配位子の検討を行った結果、BINOLから誘導した単座の不斉ホスフィン配位子を用いたときに中程度の鏡像体過剰率で目的のホウ素化体を得ることができた。ラセミ体の官能基を置換することで光学活性な化合物を得る手法は、入手容易な原料から高価値な化合物を合成できる点で非常に優れている。本反応は現在のところ、ラセミ体のアルコールから光学活性な有機ホウ素化合物を一段階で得る唯一の手法であり、有用な反応であると言える。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(S)
    研究期間 : 2015年05月 -2020年03月 
    代表者 : 村上 正浩, 三浦 智也, 増田 侑亮, 石田 直樹, 矢田 陽
     
    入手容易な炭化水素などの化合物を、光と金属触媒の作用によって有用な化合物へと直截的に変換する合成手法を開発した。例えば、単純な構造の炭化水素の炭素-水素結合を切断して、そこに二酸化炭素を直截固定化するカルボン酸合成法を開発した。反応性に極めて乏しい飽和炭化水素も反応させることに成功した。また、末端アルキンから出発して、ホウ素導入、アルケンの移動、アルデヒドへの付加を経て、連続する不斉中心を有するホモアリルアルコールを立体選択的に合成する手法を開発した。様々なホウ素化反応剤や金属触媒を用いることによって、多様な誘導体の合成を可能にした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 増田 侑亮
     
    昨年度に引き続き、光と遷移金属触媒の協同作用による反応の開発を行った。その結果、ジアリールケトンが光酸化還元触媒として働き、ニッケル触媒による芳香族ハロゲン化物のホモカップリング反応が進行することを見出した。この反応は、これまで用いられてきた貴金属を中心とする光酸化還元触媒と同様の触媒作用を、安価で入手容易なケトンによっても得られることを示した点で意義深い。さらに、フローシステムを用いることで、大スケールの反応に応用することができた。 ニッケル触媒の還元に着目して研究を進めたところ、ピナコール誘導体が還元剤として利用できることを見出した。すなわち、ニッケル触媒による有機ハロゲン化物の還元的カップリング反応が、ピナコール誘導体の存在下進行することがわかった。これにより、これまで用いられてきた亜鉛やマンガンといった金属還元剤に代えて、ピナコール誘導体を利用できることが明らかになった。また、このピナコール誘導体は、ケトンのイソプロピルアルコール溶液に紫外光を照射することで容易に合成できる。 さらに、光照射下ニッケル触媒を用いることで、トルエン誘導体のベンジル位炭素―水素結合を芳香族臭化物によってアリール化できることを見出した。これは、これまで困難であった単純なトルエン誘導体のベンジル位炭素―水素直接アリール化反応であるとともに、触媒としてニッケル錯体のみを必要とするシンプルな反応例である。前述の反応と同様に、高価な光酸化還元触媒を必要としない点で優れている。

教育活動情報

主要な担当授業

  • 有機化学Ⅰ
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 理学部
    キーワード : 反応、合成、付加反応、置換反応、脱離反応、酸性度


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