研究者データベース

江澤 辰広(エザワ タツヒロ)
農学研究院 連携研究部門 連携推進分野
准教授

基本情報

所属

  • 農学研究院 連携研究部門 連携推進分野

職名

  • 准教授

学位

  • 博士(農学)(北海道大学)

ホームページURL

J-Global ID

研究キーワード

  • 植物栄養・土壌学   Plant physiology   Soil microbiology   

研究分野

  • ライフサイエンス / 植物栄養学、土壌学

職歴

  • 2004年 - 現在 北海道大学 大学院農学研究院 准教授
  • 2000年 - 2004年 名古屋大学 大学院生命農学研究科 助手
  • 1998年 - 2000年 豪州・アデレード大学 土壌科学部 研究員
  • 1994年 - 1998年 名古屋大学 農学部 助手
  • 1989年 - 1992年 協和発酵工業株式会社 筑波研究所 研究員

学歴

  • 1992年 - 1994年   千葉大学   大学院自然科学研究科
  •         - 1994年   千葉大学
  • 1987年 - 1989年   北海道大学   大学院農学研究科
  •         - 1989年   北海道大学

所属学協会

  • 植物微生物研究会   菌根研究会   日本土壌肥料学会   International Mycorrhiza Society   

研究活動情報

その他活動・業績

特許

  • 特願2020-194968:宿主植物と微生物との共生程度を推定する方法、および予測モデ ルを作成する方法  2020年11月25日
    吉村愛, 廣富大, 江澤辰広, 杉村悠作, 丸山隼人  住友化学株式会社, 国立大学法人北海道大学
  • 特願2019-080349:アーバスキュラー菌根菌の培養用培地及び培養方法  2019年04月19日
    川口 正代司, 田中 幸子, 矢野 幸司, 秋山 康紀, 齋藤 勝晴, 江澤 辰広
  • 特願2010-125861:法面緑化工法  
    江沢辰広, 大崎満, 宮川祥江, 田中淳, 堀江直樹, 伴資英  
    特開2011-250729

受賞

  • 2002年 日本土壌肥料学会 奨励賞
     パイオニア植物の侵入・定着における共生微生物の役割 
    受賞者: 江沢辰広
  • 2001年 東海学術奨励会 研究奨励賞
     強酸性土壌の植生回復技術に関する基礎的研究:パイオニア植物の侵入・定着における共生微生物の役割 
    受賞者: 江沢辰広

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 微生物共生制御のロバスト性と環境応答モデリング:野外トランスクリプトミクスの応用
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 江澤 辰広
  • セスバニア根粒菌の病原性と細胞内感染能:非マメ科植物への感染拡大に向けた基盤研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 青野 俊裕, 江澤 辰広, 小川 哲弘, 石綱 史子
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 江澤 辰広
  • 科学技術振興機構:ACCEL
    研究期間 : 2014年12月 -2019年11月 
    代表者 : 川口正代司
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2014年 -2016年 
    代表者 : 江澤 辰広
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 江澤 辰広, 青野 俊裕
     
    菌根菌が宿主の耐酸性獲得において果たす役割を明らかにするために、以下の実験を行った。1.耐酸性菌根菌が植物の耐酸性獲得において果たす役割先駆植物であるススキに酸性土壌および非酸性土壌から分離された菌根菌を接種し、強酸性(pH3.2)および弱酸性(pH5.4)の土壌において栽培したところ、pH5.2では菌根菌の接種の有無や菌根菌の種類に関わり無くススキは正常に生長したのに対し、pH3.2では酸性土壌由来の菌根菌を接種した場合のみ正常に生長した。このことは、菌根菌との共生により植物の耐酸性が向上すること、また、菌根菌の耐酸性が植物の耐酸性に重要な役割を果たすことを意味している。2.菌根菌の耐酸性に関与する遺伝子の探索菌糸において発現している遺伝子(mRNA)の網羅的解析(H21年度科研費により実施)により得られた情報の中から、菌根菌の耐酸性に関与すると推定される遺伝子の探索を行い、Mg輸送体などいくつかの候補を抽出した。今後は耐酸性の異なる菌株を様々な環境から分離し、これら遺伝子の発現最との関係を明らかにする予定である。3.菌根菌が保持するウィルスと耐酸性との関係本研究室で維持している4菌株において二重らせんRNA(dsRNA)ウィルスの探索を行ったところ、すべての株がdsRNAを保持していることがわかった。そのうち、特に存在量の多いdsRNAのゲノム構造を決定すると共に、このウィルスの脱落した(ウィルスフリー)株を取得し、その特性解析を行ったところ、ウィルスフリー株は保持株に比べて胞子形成能が2倍に増加することに加え、強酸性土壌におけるススキの生長をウィルス保持株に比べて有意に増進させることがわかった(論文投稿中)。今後はさらに他の菌株のウィルスについて、ゲノム構造およびウィルス感染による表現形質の変化を調査する予定である。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 江澤 辰広, 青野 俊裕, 久我 かり, 谷 千春, 土方 野分, 村瀬 正剛
     
    アーバスキュラー菌根菌における主要なリン酸輸送形態がポリリン酸であること、ポリリン酸の最大蓄積時には全リンの60-70%に達すること、このとき電荷バランスをとるために、同時にNa^+,K^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>などの陽イオンも取り込まれることを明らかにした。ポリリン酸蓄積時に関わる遺伝子群をクローニングするための前段階として、リン酸吸収時に菌糸で発現しているmRNA(cDNA)の効率的抽出法を確立した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(萌芽研究)
    研究期間 : 2005年 -2008年 
    代表者 : 江澤 辰広
     
    絶対寄生性の土壌病害菌であるアブラナ科根こぶ病菌のレース識別は、従来、検定植物への接種試験により行われていた。これを根こぶ病菌のレース識別を分子マーカーを用いて簡便に行う方法を確立するために、大、小サブユニットリボソームRNA遺伝子の塩基配列、IGS領域および本遺伝子中に発見されたイントロンの解析を行った。1.IGS領域の解析:名古屋大学より分離されたNGY03株のIGS領域には14bpのパリンドローム配列の中心に反復配列が挿入されたものが、987-1248nt領域に5反復存在した。これら反復配列は、本菌のグループ分けの指標となる可能性が示唆された。2.イントロンの解析:大、小サブユニットで発見された4つのイントロンの二次構造予測を行ったところ、Group-Iイントロンに特徴的であるstem-loop構造が見つかった。また、系統解析から、S516_NGYイントロンはGroup-Iイントロンのうちのsubgroup IEに、Pbr.S943_NGY、Pbr.S1506_NGYおよびPbr.1094_Hagiはsubgroup IC1に属することが示された。NGY03株を含む世界各地で分離された7種類の根こぶ病菌のPbr.S1506イントロンの塩基配列の比較により、米国産のArkansas(U19881)のものは、P5ドメインの配列の一部が欠損していることがわかった。さらに、NGY03とArkansas株のその領域の二次構造は異なっていることが推定された。萩市(Hagi)および広島市(Hiroshima)から分離された株で見つかったPbr.L1094イントロンは、HagiとHiroshima間でその長さおよび塩基配列が異なっていた。NGY03株のエクソンおよび各イントロンの塩基配列は、クローン間で相同性が高かったのに対し、HagiおよびHiroshima株で見つかったPbr.S1904イントロンではクローン間で相同性が低く、この領域は地理的隔離株の識別に利用できる可能性が示唆された。一方で、Group-Iイントロンに特徴的なモチーフ配列(P,Q,R,S)は、すべての分離株の間で保存性が高かった。
  • ストレス耐性に優れた植物-フランキア-菌根菌多重共生系の確立と荒廃地修復への応用
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2004年 -2007年 
    代表者 : 笹川 英夫, 神崎 浩, 山本 幹博, 嶋 一徹, 江澤 辰広
     
    本研究は,多様なストレス環境に適応できるアクチノリザル植物-フランキア共生系の構築,さらに菌根菌を組み込んだ多重共生系を確立して荒廃地の修復を効率的に行うシステムの構築を最終目的として行われた。得られた成果は以下のようである。 1.マルバグミ根粒から1菌株,ヤマモモ根粒から4菌株を分離し,形態的特徴,接種試験によりフランキアと同定した。2.酸性土壌に生育するヒメヤシャブシ根粒からApel株を分離し,生育pH範囲を詳細に調べたが,生育pH範囲は6.0〜8.0と狭く,中性土壌から分離した他の保存菌株と差異は見られなかった。3.各菌株の接種試験による宿主領域と16S rDNA配列に基づく系統解析との結果は良く一致した。4.nifD-K IGS領域の制限酵素断片長多型(RFLP)解析により,菌株の識別ができることがわかり,自然条件下で生育するアクチノリザル植物根粒内フランキアの識別へも応用可能であることを明らかにした。5.4種のアクチノリザル植物を用いて,フランキアと外生菌根菌であるP. tinctorius((Pt)コツブタケ)又はC. geophilum (Cg)との3者共生系を試みたが,いずれでも菌根の形成は認められなかった。5.オオバヤシャブシ菌根性キノコ,マツ菌根性キノコであるアミタケ,ショウロ,シモコシ,コツブタケからそれぞれ1菌株が分離され,それらのITS領域のPCR-RFLP解析より,両植物に感染する菌根菌である可能性の高いことが示唆された。 本研究では三者共生の確立までには至らなかったが,その可能性を持つ外生菌根菌が得られ,今後につながる貴重な成果が得られた。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 江澤 辰広, 久我 ゆかり
     
    アーバスキュラー菌根菌におけるリン酸輸送メカニズムを明らかにするために、リン酸輸送に関与するポリリン酸合成活性の酵素学的特性と菌根特異的なボスファターゼ遺伝子の発現解析を行った。1.ポリリン酸合成活性の特性解析外生菌糸からポリリン酸合成活性を有する画分を調製し、この活性の酵素学的特性を調べた。マリーゴールドを宿主として培養した菌根菌の外生菌糸1,000-1,500mgを収穫後、直ちに氷冷した乳鉢上で磨砕し、Percoll連続密度勾配遠心により分画した。比重1.06-1.09gmL^<-1>の画分には、最も高いポリリン酸合成活性が認められたが、液胞型および原形質膜型H^+-ATPaseの活性は検出されなかったことから、液胞や原形質膜にポリリン酸合成活性が存在する可能性は少ないと考えられた。また、ミトコンドリアの混入が予想された。電子顕微鏡観察もこれらのことを裏付けていた。液胞型および原形質膜型H^+-ATPaseの阻害剤、およびプロトノフォアは、ポリリン酸合成活性に影響を及ぼさなかったことから、プロトン勾配が本活性の駆動力とはなっおらず、ATPが直接の基質となりポリリン酸が合成されると結論された。2.共生特異的酸性ホスファターゼの全長cDNA塩基配列の決定および遺伝子発現解析共生特異的酸性ホスファターゼのN末端アミノ酸配列15残基を基にPCRプライマーを設計し、3′/5′RACE法によりcDNA(TPAP1)の全長塩基配列を決定した。TPAP1は,1,8kbpからなり,N末端部分に34残基のシグナルペプチドを含む466残基のアミノ酸をコードしていた。RT-PCRとそれに続くサザンハイブリダイゼーションにより、菌根形成によるTPAP1mRNA発現量の変化を調べた。TPAP1の発現量は菌根形成により3〜10倍に増加した。また、TPAP1のC末端に対する抗体を用いたWestern blottingにより、TPAP1の定量を行ったところ、酵素活性の上昇と共にタンパク量も増加していたことから、本酵素の活性は遺伝子発現のレベルで制御されていることが示唆された。
  • 低リン酸耐性植物の作出戦略-クエン酸放出能力の強化と根圏でのリン酸可溶化制御-
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2003年 -2006年 
    代表者 : 小山 博之, 江澤 辰広, 木村 和彦
     
    根から有機酸を放出する現象は、植物の不良環境抵抗性に深く関わる形質である。これは、有機酸が金属イオンと錯体を形成することに基づき、アルミニウムなどの障害金属の解毒とリンの可溶化するためである。しかし、この機構は炭素ロスなどの負の側面を持つことや、微生物と共存する土壌中での有効性及び土壌との化学反応性の点から、自然環境での有効性を検証する必要があった。その総合的な理解と、育種に対する戦略を立てるために、本研究を進めた。 岐阜大学小山は、植物生理学の立場から当初計画に従って、低リン酸耐性ニンジン培養細胞のクエン酸放出能力現象と、シロイヌナズナのリンゴ酸輸送をモデルとして有機酸放出機構を解析した。その中でニンジン低リン酸耐性細胞はクエン酸集積能力が高くさらにクエン酸放出に関する膜輸送機構が亢進している細胞であることが確認できた。その解析過程では、シロイヌナズナのリンゴ酸トランスポーターはリン酸化を介して誘導と活性化することがわかった。また、根の内部及び根端で発現することもわかり、炭素経済の点からの解明が進んだ。北海道大学江沢は、菌根形成が有機酸分泌によるリン酸可溶化・獲得機能に及ぼす影響について明らかにするために、Al応答性有機酸分泌系統および非応答性系統コムギを酸性土壌において栽培し、Al応答性リンゴ酸輸送体遺伝子の発現、有機酸分泌量および宿主リン酸吸収量に及ぼす菌根形成の影響の解析を完了して、菌根の着生は相加的に作用することを明らかにした。宮城大学木村は、土壌との関連に関して研究を進めた。特に注目されるのは、モデル植物シロイヌナズナの根端元素の微量分析に成功したことで、今後のゲノム科学研究にも大きく貢献する成果と判断できる。
  • ダイズの過剰菌根変異体を用いたアーバスキュラー菌根共生系の成立と元素供給能の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 坂本 一憲, 俵谷 圭太郎, 江澤 辰広, 礒井 俊行, 鈴木 弘行
     
    本プロジェクトにおいて得られたダイズのアーバスキュラー菌根共生系の成立と元素供給能に関する重要な知見をまとめると以下のようになる. 1.エンレイ(野生型)とEn6500(過剰菌根変異体)に共生する土着AM菌の菌根形成率とフロラを比較した。その結果En6500の樹枝状体形成率はエンレイに比べ,統計的に有意に増大していた(約1.6倍).またエンレイにはGigaspora属とGlomus属,En6500にはGigaspora属とAcaulospora属が高い割合で共生していることが明らかとなり,両ダイズのAM菌フロラは異なることが判明した.またEn6500の根部に野生型の茎葉部を接木すると,AM菌の樹枝状体形成が抑制されたことから,ダイズの菌根形成は茎葉部に由来するオートレギュレーション機構の制御を受けていることが初めて確認された. 2.水耕培養によりエンレイおよびその根粒形成変異体の根の浸出物を回収し,これがGigaspora margaritaの菌糸伸張に及ぼす影響を観察したところ,培養7日目の外生菌糸長はエンレイと変異体の根浸出物の間で差がないことが判明した. 3.エンレイおよび根粒超着生品種「作系4号」を圃場で栽培し,根粒形成および菌根形成を経時的に調査した.その結果,作系4号の菌根形成率はEn6500と同様,エンレイに比べて終始高く推移することを見出した.また両品種をポット試験に供した結果,温度条件および窒素条件を整えることにより作系4号の生育がエンレイに勝る可能性が示唆された. 4.AM菌の外生菌糸中にリン酸供給能に強く関係するとみられる,ポリリン酸蓄積オルガネラの存在が明らかにされた. 5.AM菌の樹枝状体形成と関係するいくつかの微量元素の存在が明らかにされた.
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 江澤 辰広
     
    耐酸性菌根菌のリン酸の供給能力を評価し、ストレス条件下で高いリン酸供給能力を発揮するメカニズムを明らかにすることを目的に以下の研究を行った。1.菌糸内リン酸輸送速度の解析平成15年度には、菌根システムにおけるリンの輸送形態であるポリリン酸の微量定量法を確立した。平成16年度はこの方法を用いて、愛知県の酸性硫酸塩土壌から分離した耐酸性菌Glomus sp.HR1、鹿児島県桜島由来の耐酸性菌、Archaeospora leptoticha OK-15および東京農工大学の付属農場(中性土壌)より分離されたG.etunicatumの3菌株を用い、pH4.3および7.0の土壌における菌糸内のポリリン酸輸送速度を比較した。低pH条件下では、G.etunicatumは植物に感染できなかったのに対し、耐酸性菌2株は宿主の生長を著しく促進し、土壌中の微量のリン酸を濃縮して植物に供給した。この時、ポリリン酸が菌糸内を移動する速度は、HR1株で1.11mm h^<-1>であったのに対し、OK-15株は0.48mm h^<-1>であり、輸送速度は菌株によって著しく異なっていることがわかった。2.酸性土壌に定着しているパイオニア植物根圏における共生微生物の生態愛知県幡豆町および北海道蘭越町の攪乱跡地に出現した酸性硫酸塩土壌のパイオニア植物に共生しているアーバスキュラー菌根菌の分離に成功した。リボソーム遺伝子の塩基配列を調べたところ、両地点から分離されたGlomus sp.HR1およびRF1株は極めて近縁であったことから、この種は酸性条件への適応力が高いことが示唆された。また、パイオニア植物の根から直接DNAを抽出し、分離によらずに根の中の菌根菌相を調べたところ、植物の生長の良好な地点では菌根菌の種多様性が高く、生育不良な地点では低いことがわかった。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A), 若手研究(B))
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 江澤 辰広
     
    アーバスキュラー菌根共生系におけるリン酸の獲得・濃縮・輸送のメカニズムを解明する目的で、共生特異的に宿主の根から分泌される酸性ホスファターゼの全長cDNAの塩基配列決定および遺伝子発現解析を行うと共に、菌根菌のプロトプラスト作製のための予備検討を行った。1.共生特異的酸性ホスファターゼの全長cDNA塩基配列の決定および遺伝子発現解析精製された共生特異的酸性ホスファターゼのN末端アミノ酸配列15残基を基にPCRプライマーを設計し、3'/5'RACE法によりcDNA(TPAP1)の全長塩基配列を決定した。TPAP1は,1,8kbpからなり,N末端部分に34残基のシグナルペプチドを含む466残基のアミノ酸をコードしていた.また,TPAP1の5'端非翻訳領域は,同遺伝子の3'端非翻訳領域と相補的な40塩基ほどの配列を有していた.RT-PCRとそれに続くサザンハイブリダイゼーションにより,菌根形成によるTPAP1mRNA発現量の変化を調べた.TPAP1の発現量は菌根形成により3〜10倍に増加した.また、TPAP1のC末端に対する抗体を用いたWestern blottingにより、TPAP1の定量を行ったところ、酵素活性の上昇と共にタンパク量も増加していたことから、本酵素の活性は遺伝子発現のレベルで制御されていることが示唆された。2.菌根菌プロトプラスト作製のための予備検討パッチクランプ法による菌根菌細胞膜上のリン酸輸送体の活性検出を目的として、アデレード大(オーストラリア)S. Tyerman教授のもとで菌根菌のプロトプラスト作製を試みた.高浸透液中で根細胞を酵素消化後、徐々に溶液の浸透圧を低下させると、菌糸の切断面からプロトプラストが突出してくる現象を認めた。今後はこの手法を用いて、Tyerman教授との共同研究でパッチクランプを行う予定である。
  • 有用土壌微生物の二重共生による根粒着生植物の生育増進とその機構解析に関する研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 1996年 -1998年 
    代表者 : 吉田 重方, 江沢 辰広, 田代 亨
     
    マメ科根粒菌とAM菌根菌の2重共生した植物の生育収量の増進に対する2重共生効果を解析し、その機能発現要因を明らかにした。 1. 無施肥条件下で栽培した根粒着生ダイズの生育収量は根粒非着生ダイズのものに比べて顕著に高く、根粒菌感染効果が菌根菌感染効果を凌驚していた。 2. 根域の拡大を制限した根粒着生ダイズの生育や窒素固定能は根域制限の強いものほど低下したが、単位根粒重当りの窒素固定活性は逆に高まった。 3. 土壌中の菌根菌フローラは作付植物の肥培管理によって変動し、畑地ではGlomus ambisporum、草地ではAcaulosporumが優占菌種となり、またスイートコーンを前作としたときに後作植物の菌根菌感染率が顕著に高まることを認めた。 4. 無機性の土壌物理性改良資材の施用は菌根菌感染率を高め、その中でもモミガラくん炭の施用効果は顕著であった。 5. モミガラくん炭の施用によりダイズの根粒着生や共生窒素固定能が高まり、その効果は施肥水準の低いものほど明確に発現した。 6. 以上の結果から、根粒菌と菌根菌は競合することなく、協調して作物の生育や収量増進に働いていることが明らかにできた。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 江澤 辰広
     
    Arbuscular菌根共生系における菌根菌から宿主植物へのリン酸移行のメカニズムを解明する目的で、共生特異的に発現する酸性およびアルカリ性ホスファターゼの性質について検討を行った。1.共生特異的酸性ホスファターゼ(infection-specific acid phosphatase ; ISPase)(1)N末端アミノ酸配列の決定:精製された酵素標品よりN末端アミノ酸配列15残基を決定した。さらに、この配列を基にタンパク質データベース上で相同なものを検討したところ、他の植物の酸性ホスファターゼのN末端配列と相同性が高かった。このことはISPaseが宿主植物由来であることを強く示唆していた。(2)活性発現部位の推定:菌根における酸性ホスファターゼ活性部位を組織化学的方法により調べたところ、主に菌根菌組織の周辺部や植物根の細胞壁部分で高い活性が認められたことから、ISPaseは分泌型の酵素であることが予想された。また、ISPaseが根の分泌液中から検出されたことも仮説を支持していた。2.アルカリ性ホスファターゼ(1)粗酵素液調製法:共生状態の菌根菌組織に特異的に発現するアルカリ性ホスファターゼの機能を推定するために、宿主根をセルラーゼなどで消化後、菌根菌組織を顕微鏡下で摘出し、そこから得られる可溶性および不溶性画分におけるホスファターゼ活性を測定する方法を確立した。(2)特異的阻害剤と基質特異性:本酵素の活性はベリリウムにより特異的に阻害された。また、このことを利用して基質特異性や動力学定数などを求めたところ、糖リン酸に対する基質特異性が高いことが明らかになった。

教育活動情報

主要な担当授業

  • 微生物生態学特論
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 修士課程
    開講学部 : 農学院
    キーワード : 微生物、共生、寄生、培養、難培養、植物、昆虫、エネルギー獲得、生物間相互作用、分子機構、進化、生態系
  • 化学概論
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 農学部
    キーワード : 教育職員免許法に関わる科目
  • 根圏制御学
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 農学部
    キーワード : 共生、微生物、植物、分子メカニズム、進化、生態系、持続的生物生産、環境修復
  • 環境と人間
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 全学教育
    キーワード : 共生、寄生、進化、生物生産、植物、哺乳動物、昆虫、微生物、ウィルス、分子生物学、生態学、環境保全
  • 土壌及び植物栄養学概論
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 農学部
    キーワード : 土壌、物質循環、植物生産、環境保全、施肥、栄養生理、栄養生態、不良土壌、根圏、植物-微生物共生
  • 生物機能化学実験Ⅱ
    開講年度 : 2021年
    課程区分 : 学士課程
    開講学部 : 農学部
    キーワード : 植物栄養、作物栽培、水耕栽培、無機分析、菌根菌、根の形態観察、窒素、糖、デンプン、鉄、リン、カリウム

大学運営

委員歴

  • 2011年 - 現在   Plant and Soil   Section Editor
  • 2015年 - 2020年   The ISME Journal   Editorial board member
  • 2009年 - 2012年   Soil Science and Plant Nutrition   Editor   日本土壌肥料学会


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