背景 : 在宅医療の高度化により, 気管内吸引等の高度ケアを担う人材の育成が喫緊の課題である.方法 : 気管内吸引を行う看護師と看護学生の眼球運動を測定し, 気管内吸引中の認知・判断面を含めた多重タスク構造を気管内吸引オントロジーとして可視化した.結果 : 構築された気管内吸引オントロジーの階層構造からは, 手順という手続き的知識のみならず, 医療機器に関する知識, 気管内吸引が無効であった際の選択肢に関する知識など, 多岐にわたった専門知識が要求される行為であることが示された.考察 : オントロジーは「できる」能力の範囲や評価すべき能力の定義を示す教育評価ツールとしても活用の可能性がある表現法と考えられた.
スキャン毎に姿勢が異なる物体の3Dスキャンでは,複数スキャンデータ統合時に非剛体マッチングを行いレジストレーションを実施する必要がある.本報では,既存手法であるメッシュのスペクトル分解とFunctional Mappingを用いた3次元形状間の非剛体マッチング手法により,スキャンシミュレーションで得られた部分データおよびそれとスケールが同じで欠損の無い完全なテンプレートモデル間の対応関係算出を行った例を報告する.
本研究では,鋳鍛造部品のCADモデル上から自由曲面を持つボスやリブなどの形状特徴を表面三角形メッシュ表現に変換して抽出し,抽出特徴部に適合するFEMメッシュ生成を自動化することを目的とする.本報では,入力となる抽出対象形状特徴のボス・リブをBag-of-featureとクラスタリングを用いて選定し,形状記述子の一致性を利用してスケールが異なる抽出対象形状特徴を全体形状モデル上から自動抽出する基本機能を実現した.
本研究は,対象形状のソリッドモデル上から,予め登録された基準特徴形状とサイズ等がパラメトリックな変形関係にある特徴形状部を自動抽出することを目的とし,メッシュ及び形状記述子を用いた基準特徴形状とのキーポイントマッチング,及び,RANSACを用いた射影変換関係形状ペアの探索を用いた類似特徴形状検索手法を提案する.
車道部と歩道部の境界線である車道境界線は,自動運転用地図や道路台帳などの高精度地図における基本構成要素である.既存のMMS取得点群を用いた車道境界線抽出手法は,段差の小さい歩道切り下げ部の抽出率が低くなる他,計測ノイズの影響を受けやすいという問題がある.本研究では,MMS取得点群のスキャンラインの平滑化と湾曲度の評価により,これらの問題を解決可能な車道境界線抽出手法を提案し,その性能評価を行う.
インフラ建造物の維持管理作業に,多数の重複した画像から3D as-isモデルを生成可能なStructure from MotionとMulti-View Stereo (SfM-MVS)技術の活用が広がっている.しかし,どの位置から何枚画像を撮影すれば高品質な3Dモデルが生成可能か事前の推定が困難なため,モデルの品質が低下する場合がある.本研究ではSfM-MVSによる効率的で高品質なas-isモデル生成のための最適撮影計画支援システムの開発を最終目的とし,本報ではSfMのみから生成したラフな近似物体表面モデルに対して,幾何学的特徴を活用したメッシュのフィルタリングを行い,近似物体表面モデルの形状精度を改良したので報告する.
多数画像から3次元モデルを再構成できるSfM-MVSが様々な分野で普及している.しかし,低テクスチャ表面では,対象の3次元再構成が良好に行えない問題が残されている.本研究では,MVSの深度マップ推定時に,画像のコントラスト強調と対象形状の仮定に基づき推定された深度の中から,輝度情報の適合性の高い深度を選択し,より高品質な深度マップを生成し,再構成モデルの品質を向上させる手法を開発した.
既存屋内空間の空調改修などのためにCFD(数値流体力学)シミュレーションが普及している.シミュレーションのためには通常,解析対象空間の3Ðモデルから生成した解析格子が必要である.この3Ðモデルは図面や計測をもとに現状,手動または半自動で生成する必要があるため時間やコストがかかる.そこで本研究では,解析対象空間を地上型レーザスキャナで計測した点群のみから3Dモデルを作ることなく,空間のボクセル分割や空間占有状態推定によりCFD解析用の不等間隔直交格子を自動で生成する手法を開発した.
本研究は,レーザ計測点群からの屋内環境自動3次元モデリング手法の開発を目的とし,これまでに,平行・直交・等間隔などの規則性を考慮した屋内環境(天井・壁面・床面)のモデリング手法,ならびに,窓などの壁面に付随する設備の抽出手法を提案してきた.本報では,天井面計測点の境界抽出に基づく,照明器具や火災報知器などの天井面付属設備の自動抽出手法を提案する.
Tube insertion through trachea is a procedure performed by nurses to suck the sputum out of the patient's trachea. If the procedure is not performed carefully, it causes inconvenience and damages patient's trachea. To train novice nurses to practice the procedure in a safer environment, we developed a projection mapping-based nurse training simulator, and its effectiveness was evaluated. From the evaluations, it was found that more facial expressions, including choking, coughing, and patient's relaxed states, still must be integrated into the patient model so the nurse could be more immersed into the simulator. To achieve that, a Facial Action Coding System (FACS)-based video analysis tool is first used to identify the activated facial action units (AU) in those states and they are applied to the synthetic deformations on a 3D face of the patient model. The degree of naturalness, reality and effectiveness are evaluated.
本研究では,膨大なデータ量による表示速度低下や点の隙間による表示品質低下といった点群の3次元表示における問題を解決可能な,複数TLS点群からの表示用テクスチャ付ポリゴン生成手法を提案する.本報では,点群中の領域形状を考慮した,表示用ポリゴン向けの点群分割手法および,透明部を持つテクスチャ画像をマップした矩形ポリゴンおよび三角形ストリップによる平面領域および掃引体の表現手法を提案する.
背景 : 在宅医療の高度化により, 気管内吸引等の高度ケアを担う人材の育成が喫緊の課題である.方法 : 気管内吸引を行う看護師と看護学生の眼球運動を測定し, 気管内吸引中の認知・判断面を含めた多重タスク構造を気管内吸引オントロジーとして可視化した.結果 : 構築された気管内吸引オントロジーの階層構造からは, 手順という手続き的知識のみならず, 医療機器に関する知識, 気管内吸引が無効であった際の選択肢に関する知識など, 多岐にわたった専門知識が要求される行為であることが示された.考察 : オントロジーは「できる」能力の範囲や評価すべき能力の定義を示す教育評価ツールとしても活用の可能性がある表現法と考えられた.
The purpose of this study is to improve an accuracy and efficiency of 6DOF motion estimation in 3D MCL for indoor localization. Firstly, a terrestrial laser scanner is used for creating a precise 3D mesh model as an environment map, and a professional-level depth camera is installed as an outer sensor. GPU scene simulation is also introduced to upgrade the speed of prediction phase in MCL. Moreover, for further improvement, GPGPU programming is implemented to realize further speed up of the likelihood estimation phase, and anisotropic particle propagation is introduced into MCL based on the observations from an inertia sensor. Improvements in the localization accuracy and efficiency are verified by the comparison with a previous MCL method. The results showed that our proposed 3D MCL method outperforms the previous one in accuracy and efficiency.