樋口 幹雄 (ヒグチ ミキオ)

工学研究院 応用量子科学部門 物質量子工学学術研究員
Last Updated :2026/01/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(工学), 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • シンチレータ
  • レーザー結晶
  • 無機材料化学
  • 結晶成長
  • 無機合成
  • Crystal growth
  • Inorganic synthesis

研究分野

  • ナノテク・材料, 無機物質、無機材料化学

■経歴

経歴

  • 2008年04月 - 現在
    北海道大学, 大学院工学研究科, 准教授
  • 1987年01月
    北海道大学助手 助手
  • 1987年
    - Research Associate
  • 1981年04月 - 1986年12月
    秩父セメント株式会社研究員

学歴

  • 1981年, 北海道大学, 工学部, 応用化学科, 日本国
  • 1981年, 北海道大学, Faculty of Engineering

委員歴

  • 2019年04月 - 現在
    日本結晶成長学会評議員
  • 2020年04月 - 2021年03月
    工学部教務委員会委員
  • 2018年04月 - 2020年03月
    総合化学院FD委員会委員

■研究活動情報

受賞

  • 2011年, The Best Poster Award at the International Conference on Materials for Advanced Technology               
  • 2001年08月, 日本結晶成長学会, 技術賞               
    樋口 幹雄

論文

その他活動・業績

担当経験のある科目_授業

  • 英語演習 中級:化学系に求められる英語力を身につける               
    2020年04月 - 現在
  • 無機材料化学特論               
    北海道大学
  • セラミック材料学               
    北海道大学
  • 物質変換工学               
    北海道大学
  • 応用化学学生実験Ⅱ               
    北海道大学
  • 無機化学               
    北海道大学
  • 化学Ⅰ               
    北海道大学
  • 化学結合論               
    北海道大学
  • 卒業論文               
  • 総合化学特別研究               
  • 総合化学実験研究法               
  • 総合化学実験指導法               

所属学協会

  • 日本結晶成長学会               
  • 応用物理学会               
  • 日本化学会               
  • 日本セラミックス協会               
  • 日本フラックス成長研究会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 浮遊帯溶融法による高品質Ybドープ酸化物単結晶の育成と超短パルスレーザーへの応用
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2017年04月 - 2020年03月
    樋口 幹雄
    超短パルスレーザーへの応用を目指して,Ybドープ酸化物単結晶を浮遊帯溶融法によって育成し,その光学特性を検討した.K2NiF4型結晶であるYb:CaYAlO4については化学量論組成とわずかに異なる一致溶融組成を見出し,その組成で育成することにより,巨視的欠陥のない良質な結晶を得ることに成功した.また,この結晶をつかって,連続波でのレーザー発振にも成功した.K2NiF4型よりも発光特性のよいメリライト型Yb:CaGdAl3O7については,分解溶融することが判明した.これを解決するために,ダブルパス溶媒移動浮遊帯溶融法を新たに開発し,初晶から目的組成の結晶を得ることに成功した.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 17K06010
  • 電子および光機能を有する水酸化物イオン伝導性層状複水酸化物の創製
    科学研究費助成事業
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    忠永 清治, 樋口 幹雄
    色素増感太陽電池用色素として知られているEosin-Yを層間に含むZn-Al系層状複水酸化物(LDH)の薄膜が、色素増感太陽電池の電極として動作することおよびこの粉末が可視光照射下で光触媒活性を示すことを見出した。
    層間に炭酸イオンを含む(Ni, Mn)-Al 系LDH および (Ni, Mn)-Fe 系LDHは、Mnを置換しない系よりも高いイオン伝導性を示すことがわかった。これらのLDHを触媒層に用いた空気極は、酸素還元反応において大きな還元電流を示した。Mg-Al系LDHを固体電解質として用いたアルカリ形水素-酸素燃料電池が動作することも確認した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 25289230
  • 超短パルスレーザーを指向したネオジム添加新規酸化物単結晶材料の開発
    科学研究費助成事業
    2009年 - 2011年
    樋口 幹雄, 和田 智之
    半導体レーザー(LD)励起可能な超短パルスレーザーシステムの構築を目指して,浮遊帯溶融法により新規バナデイトNd:LaVO4の単結晶育成をおこない,その分光学的性質を調査した.光学的弾性軸のひとつであるZ軸方向に育成し,巨視的欠陥のない光学的に高品質な結晶が得られた.吸収帯および発光帯ともにNdドープ結晶のそれとしては非常にブロードであり,各弾性軸に沿った異方性はあまり大きくないことがわかった.単一モードでのレーザー発振をおこなったところ,理論値に近い76%のスロープ効率が得られた.一方,マルチモードでのレーザー発振では14nmという広いスペクトル幅が得られ,この結果より300フェムト秒以下の超短パルスの発生が可能であることが明らかとなった.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21350111
  • 半導体レーザ励起超短パルスレーザを指向したネオジム添加新規バナデイト単結晶の開発
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2008年
    樋口 幹雄, 和田 智之, 和田 智之
    半導体レーザ(LD)励起可能な超短パルスレーザシステムの構築を目指して、新規バナデイトNd : Ca_9La(VO_4)_7およびNd : Ca_2La_<0.67>(VO_4)_2単結晶の育成をおこない、その分光学的性質を調査した。両者ともに大気雰囲気下での育成により、部分的にではあるが、比較的良質な結晶が得られた。これらの結晶は幅の広い吸収帯ならびに発光帯を有しており、LD励起フェムト秒レーザ材料として有望であることがわかった。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 19550188
  • 一方向凝固による希土類酸化物含有共晶体のパノスコピック形態制御とその光学特性
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2006年
    高橋 順一, 樋口 幹雄
    微細な口径を有するファイバーの光学結晶が互いに接触することなく平行にマトリックス中に埋め込まれた組織をもつ凝固体は、異方性発光や光の閉じ込め効果など、バルク結晶にはない新しい機能を付与した光学素子としての応用が期待される。本研究では、溶媒移動浮遊帯域溶融法により、希土類元素を含む種々の酸化物共晶系について、任意組成の一方向凝固体を作製してきた。今年度は、昨年度において良好な組織が得られたGdAlO_3-Al_2O_3系に加えて、REAlO_3-MgAl_2O_4系について、組成および成長条件と得られた組織との関係を検討した。
    GdAIO_3-A12O_3系においてGdAlO_3含有量が40mol%の場合、目的とする組織が横断面、縦断面いずれにも観察された。GdAlO_3を35mol%としても同様の組織が観察されたが、A12O_3相が独立して大きな組織を形成している部分も存在するようになった。フアイバー状GdAlO_3相の径は成長速度の低下に伴い増大し、50mm/hおよび20mm/hではそれぞれ約1μmおよび2μmとなった。現段階では試料全体を目的とする組織とするには至っていないが、成長初期にネッキングをおこなうとマトリックス相であるAl_2O_3粒子の数が淘汰され、目的とする組織の体積分率は60-70%に増大することが明らかとなった。
    REAlO_3-MgAl_2O_4系については、独立したREAIO_3相の形態がGdAlO_3-Al_2O_3系のものと異なり、ほぼ三角形の断面形状をもっているとともに、希土類元素のイオン半径が減少するにつれて角の丸い形からより明瞭な三角形へと変化した。縦断面の観察ではLaAlO_3-MgAl_2O4系の場合のみ、ファイバー状の組織が観察されたが、REがY、GdおよびLuの場合には、REAIO_3相は三角錐状になっていることが確認された。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 17042004
  • 浮遊帯溶融法による新規固体レーザ材料希土類添加バナジン酸ルテチウム単結晶の育成
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2004年
    樋口 幹雄, 和田 智之
    ネオジムをドープしたバナジン酸ルテチウム(Nd:LuVO_4)は、吸収および発光断面積がともに従来の希土類バナジン酸塩よりも大きく、新規な半導体レーザ励起固体レーザ材料しての応用が期待されている。また、Nd以外でも、TmやYbなどのための母結晶として、Lu^<3+>のイオン半径がこれらのイオンの半径に近いことからLuVO_4は結晶育成が容易になることが予想される。本研究では、各種希土類イオン(Nd、Tm、Yb)を添加したLuVO_4単結晶を浮遊帯溶融法により再現性よく育成する技術を確立し、それらのレーザ材料としての基本的な光学特性を明らかにすることを目的とした。
    各ドーパントの濃度をLuに対して0.5-5at%とし、20-40mm/hの溶融帯移動速度、30-40rpmの結晶回転数で[110]方位へ酸素気流中で育成をおこなった。ドーパント量にかかわらず、いずれの結晶も薄褐色の着色がみられた。育成速度を速くすることにより、着色量は軽減されたが、完全に排除することはできなかった。しかしながら、これらの結晶を1000℃で20時間、空気中で熱処理することによって、着色のない状態にすることができた。偏光顕微鏡観察の結果、抱有物や小傾角粒界などの巨視的欠陥はまったく検出されなかったが、Ndドープ結晶においてのみ成長縞が観察され、濃度の増大とともに顕著となった。EPMA測定の結果、Nd、Tm、Ybの偏析係数は、それぞれ、約0.5、1、1であった。これまでに、TmおよびYbドープ結晶では5at%まで、Ndドープ結晶については1at%までの濃度で、口径5mm、長さ50mmの良質な単結晶を再現性よく育成する技術は確立できた。
    Nd:LuVO_4の吸収係数は他の希土類バナジン酸塩を母結晶とした場合に比べて1.4倍ほど大きく、880nmのレーザ光で励起した場合、スロープ効率:73%、しきい値:7mWときわめて良好なレーザ発振特性を示した。一方、TmおよびYbドープ結晶のレーザ発振実験は現在進行中であるが、吸収および蛍光スペクトルは、これまでにレーザ発振の実績のある結晶と同等かそれ以上の特性を示していることから、これらについても良好なレーザ発振特性が期待される。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 15550169
  • 浮遊帯溶融法によるアイセーフレーザ用ツリウム添加バナジン酸希土類単結晶の育成
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2002年
    樋口 幹雄, 小平 紘平
    眼に安全な波長のアイセーフレーザは,ライダーセンシングや医療への応用が期待されている.ツリウム(Tm)を活性イオンとすると,励起源として半導体レーザ(LD)が使用でき,高効率レーザ発振が期待できる.Tmレーザの母結晶としては,吸収係数や熱伝導率を考慮すると希土類バナジン酸塩(とくにGdVO_4)が適している.本研究では,浮遊帯溶融法により良質なTm : GdVO_4単結晶を再現性よく育成する条件を確立し,その基本的な光学特性を明らかにすることを目的とした.
    雰囲気を酸素をすることにより,透明でクラックのないTm ; GdVO_4単結晶(Tm濃度:5-20%)を容易に育成することができた.[001]育成では,成長軸とのわずかな方位のズレにより結晶表面に巨大なステップが形成され,小傾角粒界が発生した.一方,[110]育成では,種付け直後にネッキングをおこなうことにより小傾角粒界のない結晶を容易に得ることができた.また,育成速度と結晶回転数の適切な組み合わせにより,気泡の取り込みを完全に抑制することができた.800nm帯の吸収係数はTm : YAGの数倍あり,Ndレーザの励起に用いる808nmLDの使用が可能である.近赤外頓域の発光スペクトルは幅広いものであり,自己吸収のない1950nm以上においても十分な強度を維持していた.蛍光寿命はTm濃度の増大に伴い2.1msから0.5msまで低下したが,レーザ発振をおこなうには十分な長さである.
    以上のように,光学的な均質性が非常に良いこと,ならびに分光学的特性においても優れた点が数多く有することなどから,浮遊帯溶融法によって育成されたTm : GdVO_4単結晶は2μm帯のアイセーフレーザ材料としてきわめて有望である.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 13650888
  • 浮遊帯溶融法によるアパタイト型希土類ケイ酸塩単結晶の育成とその酸素イオン伝導機構
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1999年
    小平 紘平, 中山 享, 樋口 幹雄
    アパタイト型構造を有する希土類ケイ酸塩(Ln_<9.33>(SiO_4)_6O_2)は新しいタイプの酸化物イオン伝導体であり、これまでに焼結体試料を用いて低温での導電率が安定化ジルコニアに優ることが明らかになっている。しかしながら、これまでにこの化合物の大型単結晶か育成されたという報告はなく、バルクとしての本質的な物性に関する詳細は検討されていない。そこで本研究では、集光式の浮遊帯溶融法によりアパタイト型希土類ケイ酸塩の単結晶を育成し、その酸素イオン伝導機構を明らかにすることを目的とした。
    この系の化合物の中でも比較的光の吸収のよいPr系、Nd係およびSm系について単結晶育成をおこなった。いずれの結晶も一致溶融し、融液から容易に単結晶を育成することができた。Nd系については気泡の取り込みが問題となったが、量論組成よりも若干Ndを少なくした原料を用いることによって気泡を全く含まない単結晶を得ることができた。Nd系の場合は化学量論組成と一致溶融系組成が異なり、後者は前者よりも若干Ndが少ない組成であることが予想された。また、Sm系の場合には、マイクロクラックが発生しやすいため、巨視的欠陥を完全に排除した単結晶を得るには至っていない。しかしながら、クラックはc面に平行に入るため、導電率の測定には大きな障害とはならない。これらの単結晶の導電率は、いずれもc軸に平行な成分が垂直な成分よりも一桁以上大きく、明確な異方性が示された。この結果、アパタイト構造中の2aサイトの酸化物イオンがc軸に沿ったチャンネル中を優先的に移動していることをが明らかとなった。また、焼結体で観察された希土類イオンの原子番号の増大に伴う導電率の著しい低下は単結晶ではみられなかった。これは伝導に関与する2aサイトの酸素イオンが6hサイトの希土類イオンに平面的に3配位されていることによるものと考えられる。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 10450327
  • 集光式浮遊帯溶融法による酸化物ファイバー単結晶の育成
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1998年
    樋口 幹雄, 小平 紘平
    種々の光学デバイスにおいて、結晶径を微細化することによって結晶内に光が閉じこめられ、高効率でのレーザー発振や波長変換などが実現できる。本研究では、これまでバルク結晶の作製法としてのみとらえられてきた集光式浮遊帯溶融法を酸化物ファイバー単結晶の育成に応用した。半導体レーザー励起固体レーザー結晶として注目されているNd:YVO_4をモデル材料に選び、より微細な口径をもつ結晶を得るための条件を確立するとともに口径と品質との関係について検討した。
    細口径化に伴って、溶融帯を安定に保つためには原料棒の口径もそれに応じて細くする必要があり原料棒径/結晶径≦3がおおよその限界であった。とくに、口径1mm以下の場合にはその比を2程度にする必要があった。これを実現するためには、いったん単結晶を高速で作製し、これを研削加工によって細くした均一な口径をもつ原料棒の使用が必要であった。現有の双楕円型赤外線集中加熱装置では0.8mmが得られている最小の口径であった。さらなる細口径化は現有装置よりもはるかに集光効率のよい四楕円型装置を使用することにより可能と考えられる。品質に関しては、口径3mmを境にして転位密度の急激な減少が認められた。口径3mmの結晶を詳細に検討したところ、育成の進行に伴い転位の自発的な減少が観察された。口径の減少に伴う熱応力の緩和が結晶の高品質化に大きく寄与しているものと考えられる。
    以上のように、本研究において、集光式浮遊帯溶融法による酸化物ファイバー単結晶育成のための基本技術が確立されるとともに、得られた結晶の品質は細口径化により、飛躍的に向上することが明らかとなった。また、この手法は従来のファイバー単結晶育成法では困難であった材料にも応用可能と考えられる。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 09650917
  • 高温用セラミックフィルター作製のための組成およびポア構造傾斜プロセス
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    小平 紘平, 樋口 幹雄, 高橋 順一
    コ-ジェライトは現存するセラミックスの中では最適な燃焼ガス用高温フィルター材料である。本研究では、さらなる材料強度の向上とより高温での使用を実現するために、コ-ジェライト(C)とムライト(M)との組成傾斜体の作製法の確立を目的とした。まず、コ-ジェライトおよびムライト組成の混合ゾルを仮焼し、その後のPSZボールによる微粉砕と蒸留水中への分散により噴霧に最適な懸濁液を調製した。両懸濁液を別々のノズルから高分子フォウム中へ噴霧堆積させることにより、特定の組成傾斜プロフィールをもつ2種類の組成傾斜粉体層を作製した。すなわち、試料の表側から裏側に向かって順にコ-ジェライトムライトコ-ジェライト(CMCと略記)とする試料と逆のMCM試料である。ただし、ムライトのみではコ-ジェライトが緻密になる焼成温度においては焼結しないため、ムライト側の組成は最大でM:C【approximately equal】0.7:0.3となるように調整した。1445°Cで焼成した場合、いずれの試料ともほぼ目的とする組成傾斜となっていたが、噴霧後半の部分の傾斜度において若干ズレが大きくなる傾向が現われた。これらの組成傾斜体のポア構造(気孔率および気孔径分布)はC/M比率に対応して変化し、コ-ジェライト比率の多い組成域では数ミクロンの気孔が分布しているのに対し、ムライト含有量の多い部位では多数の大きな気孔が存在した。また微細構造としては、棒状のムライト粒子群と通常の形状を有するコ-ジェライト粒子群からなり、それらの粒子群のサイズは噴霧液滴のそれと対応すると考えられた。さらにこれらの試料に対して、バーナー加熱(〜1000°C)および電気炉加熱(1200°C)後に水中急冷を行ったところ、いずれの場合も急冷後の割れは認められなく、また抗折強度の低下もなかった。したがって、本研究で作製したCMCおよびMCM試料とも優れた耐熱衝撃抵抗特性を持っていることが明ら
    日本学術振興会, 重点領域研究, 北海道大学, 09229201
  • ヒーター挿入型浮遊帯域溶融法による大口径ルチル結晶の育成
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1997年
    小平 紘平, 樋口 幹雄, 高橋 順一
    偏光子用材料として優れているルチル単結晶は集光式浮遊帯溶融法(FZ法)を採用することにより得られるが、大口径化を試みると重力が表面張力に打ち勝ち、溶融帯が垂れてしまうという欠点があり、育成できる結晶径は20mm程度が限界であった。
    本研究ではヒーター挿入型浮遊帯溶融法(ヒーター挿入型FZ法)を採用し、大口径ルチル単結晶の育成を試みた。るつぼ材料としてルチルの融点(約1850℃)で使用可能なイリジウムを用いた。るつぼ底の孔径は融液がるつぼ下方に連続的に流出させるための重要な因子であり、孔径を2.0mmとすることにより溶融帯を安定に保持でき、結晶育成を行うことができた。イリジウムるつぼの保温および温度勾配を緩くするためには、多孔質ジルコニア製の断熱材をるつぼ周囲に設置が非常に効果的であった。とくに、るつぼ下方の熱遮蔽板の設置は必須であった。溶融帯はるつぼ底面と育成結晶により保持されているので、粒状原料を用いることにより長時間の育成と原料供給量の厳密な制御が可能となった。
    本研究では、ヒーター挿入型浮遊帯溶融法により結晶径が約25mmのルチル単結晶の育成に成功した。本研究で用いたイリジウムるつぼは直径が30mmであったが、より大型のるつぼを使用することによりルチル単結晶のさらなる大口径化が期待できるものと思われる。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 08455401
  • 組成およびポア構造傾斜高温セラミックフィルターの作製
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    小平 紘平, 樋口 幹雄, 高橋 順一
    次世代の高効率複合発電のひとつとして、高温の燃焼ガスを用いて直接タービンを回すシステムが検討されている。このシステムにおいては、高温の燃焼ガス中の含まれている微粒子をきわめて高い効率で捕捉するためのフィルターが不可欠である。このフィルター材に対しては厳しい高温特性が要求され、現存する耐熱性材料の中ではコ-ジェライトセラミックスが最適と考えられている。しかしながら、耐久性に乏しく、まだ信頼性の高いフィルターは得られていない。本研究では、高強度化とより高温での使用が可能なフィルターとして、コ-ジェライトームライト傾斜機能材料の作製を目的とした。またこの場合、高温フィルターとして基本的に具備すべき優れた耐熱衝撃抵抗特性を低下させないように、ポア構造の傾斜化も必要である。これらの目的に対して、本研究では新たにスプレー法による作製を試みた。まず、採用したノズルのスプレーパターンを調べ、最適なスプレー距離、スプレー圧力等の条件を明確にした。スプレー用原料としては、シリカゾルとアルミナゾルをベースにして調製した混合ゾルと、それらのゾルを一度仮焼後粉砕・分散して調製した二種類の懸濁液を用いた。本年度はそれぞれコ-ジェライトとムライト組成を有する懸濁液を、別々のノズルからムライト基板上に噴霧する複スプレー法により傾斜層の形成を行った。まだスプレープロセスによる作製法を確立するまでには至っていないが、焼成体(1450°C12時間)のXRD分析の結果、混合ゾルを用いることにより、組成傾斜層が得られることが明らかになった。ただし、乾燥時の収縮・変形が大きな問題として残されており、今後さらにノズルの選択、最適な懸濁液の調製、またより実際的な材料を作製するためのフィルター全体の構造について検討を行う。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 北海道大学, 08243201
  • 高品質酸化物単結晶の育成とその評価に関する研究
    科学研究費助成事業
    1993年 - 1995年
    小平 紘平, 樋口 幹雄, 土田 猛, 高橋 順一, 古崎 毅
    本年度は、(1)FZ法による偏光子用材料のルチル単結晶の高品質化、(2)高い複屈折が期待される三重ルチル構造のMgTa_2O_6およびNiTa_2O_6単結晶の育成とその評価、(3)高品質水晶の水熱育成、(4)育成結晶の完全性を評価など、工業材料としてそれが応用可能な高品質酸化物単結晶の育成法の確立を目的として、以下のような成果が得られた。
    1)ルチル単結晶に関しては、小傾角粒界の制御に効果のあるAlと同様に不純物元素ZrとScを添加し、育成条件と小傾角粒界の生成状態との相関関係について明らかにした。とくに育成結晶の光学的な評価により欠陥発生機構を解明し、高品質化の単結晶を育成することができた。
    2)三重ルチル型酸化物結晶の育成では、MgTa_2O_6を[001]方向に育成できた。この単結晶は歪みのない複屈折率0.11、吸収端280nmを有しており、ルチルより広い光透過領域を持っていることが明らかになった。また、NiTa_2O_6の育成も行い、その復屈折率は0.15であり、光透過率測定では300-500、650-900および1100-1600nmに強い吸収が認められた。
    3)水晶はNH_4F水溶液やケイフッ化ナトリウム水溶液などを用いて水熱育成した。アルカリ溶液を用いた従来の育成(-400℃、-200MPa)よりも低温低圧(-300℃、-100MPa)下で水晶を育成でき、結晶のZ軸方向の成長がX軸方向に比べて非常に早いことが明らかとなった。しかし、その結晶はかなり欠陥の多く、デバイスとして実装するには程遠いものであった。このため、紫水晶を育成するために酸化鉄を添加して育成したのちガンマ線を照射した。この紫水晶の光吸収スペクトルは天然に産するものに遜色ないものであった。
    日本学術振興会, 一般研究(A), 北海道大学, 05403023
  • ゾル-ゲル法による透明導電性酸化物薄膜の作製に関する研究
    科学研究費助成事業
    1990年 - 1991年
    小平 紘平, 古崎 毅, 樋口 幹雄
    本研究では、ゾル-ゲル法によりIn_2O_3およびSnO_2薄膜を作製し、薄膜の生成過程を検討すると共に電気的・光学的性質を明らかにした。
    本研究で作製したIn_2O_3およびSnO_2薄膜の光透過率は、いずれも可視領域において90%であり、一回の塗布一焼成で得られる膜厚は、約140nmであった。また、550〜800℃30分間の焼成では、これらの薄膜と石英ガラス基板との相互作用は認められなかった。
    (1)In_2O_3薄膜:In_2O_3薄膜の比抵抗はSnの添加により急激に減少し、7.5mol%Snの添加量で最小となった。また、7.5mol%Sn添加したIn_2O_3薄膜の比抵抗は焼成温度の上昇にともなって減少し、850〜900℃で3×10^<-3>Ωcmと最小となった。さらに、真空中300℃で30分間熱処理することにより、比抵抗は7×10^<-4>Ωcmまで減少した。
    (2)SnO_2薄膜:ゲル膜を焼成することにより、まず200℃付近までに物理吸着水が脱水する。その後化学的に結合している水酸基が550℃付近までに除々に脱離しそれと共に結晶性が向上して基板に強固に付着したSnO_2薄膜が生成する。また、SnO_2薄膜の微細構造は、温度の上昇にともない一次粒子間での接合が拡大し粒成長する一方、気孔率は変化せず気孔径の増大が生ずるという過程を経て変化することが明かとなった。
    SnO_2薄膜の比抵抗はSbの添加により急激に減少し、7mol%Sbの添加量で最小となった。また、7mol%Sb添加したSnO_2薄膜の比低抗は焼成温の上昇にともなって減少し、800〜900℃で3×10^<-3>Ωcmと最小となった。
    日本学術振興会, 試験研究(B), 北海道大学, 02555158
  • 高純度金属窒化物の作製に関する研究
    科学研究費助成事業
    1989年 - 1990年
    小平 紘平, 古崎 毅, 樋口 幹雄, 町田 憲一
    AINはその高熱伝導性と高電気絶縁性から放射基板材料として注目されている。直接窒化法によるAINの合成は高純度化が容易である反面、窒化反応がAIの融点以上で起こるため、粒子同士が融着し、窒化の進行を防げるという欠点がある。本研究は、分散性の良いAIN微粒子を合成することを目的とした。
    アルミニウムの融点(660℃)以下の600℃前後では、アルミニウム粒子の表面が窒化される。いったん表面相にAIN窒化膜が形成されると、後の窒化反応は、この膜を通して窒素の拡散が律速となるため、重量増加は800℃付近までは、ほとんど認められない。800℃以上ではAIN窒化膜が破れ、粒子内部の溶融アルミニウムが外へ噴出することにより、窒化が再び進行する。窒化が進んだ場合は、試料が塊状になり、粉砕性は非常に悪かった。この粒子同士の融着を防ぐには、反応温度を低くすること、昇温速度を遅くすること、およびAINを添加することが効果的である。AINの添加は、粒子同士の融着を防ぐはたらきのほかに、アルミニウム子間に空隙を作るので、窒化反応により過発熱を抑制する効果もあると考えられる。
    850℃〜1200℃までの窒化でほぼAINの単一相が得られたが、まだ未反応アルミニウムが存在しており、窒化を完全に行うため、試料をメノウ乳鉢で軽く粉砕し、高周波誘導加熱炉中、1600℃で二段目の窒化を行ない、白色のAIN粉末を得た。
    以上二段階窒化法は、分散性の良いAIN粉末を合成するのに有効な方法であると考えられる。
    日本学術振興会, 一般研究(B), 北海道大学, 01470066
  • ベリル単結晶の高圧水熱育成
    科学研究費助成事業
    1986年 - 1987年
    小平 紘平, 樋口 幹雄, 島田 志郎
    本研究は地球化学的にも興味深い高圧力下でベリル単結晶の水熱育成を試み, 比重, 屈折率, 光学的特性などにおいて天然に産するものに近い結晶を得ることを目的とした. 高圧力下で水熱育成は従来のオートクレーブでは不可能であるので, ピストンシリンダー型高圧力発生装置による固体圧を利用した. また, この方法は大型の単結晶を得ることは困難であるので, 気体圧縮による内熱式高圧装置を試作して大型のベリル単結晶育成を試みた.
    天然のエメラルドはC軸方向に伸びたchnnelを持ち, この中に水, CO_2, アルカリイオンなどを取り込んでいる. とくに, アルカリイオンは従来の水熱法では認められないが, 本研究では赤外吸収スペクトルによってその存在が明瞭に確認できた. また, これらchannel中にふくまれるアルカリイオンの量を分析した. 0.1Nおよび0.3N NaOHから成長した結晶中にNa+イオンは0.1Nでは0.2wt%, 0.3Nでは0.7wt%含まれていた. この結果は赤外吸収スペクトルの結果と良く対応しており, 天然産のものに非常に近いものであることを示している. さらに, channel中のアルカリイオンの含有はこれらの屈折率にも微妙に反映するとされている. すなわち, アルカリイオンの含有によってフラックス法→水熱法→天然の準に屈折率の値は高くなっている. 本研究で得られたベリル単結晶の屈折率の値はω=1.5880, ε=1.5790となり, この値はフラックス法のものより大きいことはもちろんのこと従来の水熱法から得られたものよりさらに高く, 天然産のものの中でもかなり大きい順に属し, 合成ベリルとしては最高の値であった. これはchannel中にtypelおよびtypellの水と共にアルカリイオンを含むことによるものである. このように, 高圧水熱育成ベリルは, その格子定数, 赤外吸収スペクトル, および屈折率等を比較すると天然産のものと全く区別することがてきないものであることが明きらかとなった.
    日本学術振興会, 一般研究(B), 北海道大学, 61470066