芳村 毅 (ヨシムラ タケシ)

水産科学研究院 海洋生物資源科学部門 海洋環境科学分野准教授
Last Updated :2025/12/04

■研究者基本情報

学位

  • 博士(水産科学), 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究者番号

  • 20371536

Researcher ID

  • M-1778-2017

研究キーワード

  • 海洋酸性化
  • 生元素
  • 植物プランクトン
  • 栄養塩
  • リン
  • 海洋

研究分野

  • 環境・農学, 環境動態解析

担当教育組織

■研究活動情報

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

所属学協会

  • 2023年04月 - 現在
    日本水環境学会               
  • 日本海洋学会               
  • ASLO, Association for the Sciences of Limnology and Oceanography               
  • 日本地球惑星科学連合               
  • 日本海洋学会沿岸海洋研究会               

Works(作品等)

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • プランクトンサイズで分画した有機物粒子の生元素組成比の時空間変化の解明
    科学研究費助成事業
    2025年04月01日 - 2028年03月31日
    芳村 毅, 伊佐田 智規, 今井 圭理
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 25K15414
  • 海洋物質循環の基準値であるレッドフィールド比を再考する
    科学研究費助成事業
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    芳村 毅, 工藤 勲, 今井 圭理
    海洋によるCO2の吸収・固定量は植物プランクトンによる炭素と栄養素の利用比率によって変化します。その比率としてレッドフィールド比が良く知られており,気候変化を予測する生態系モデルにおいて固定値として使われていますが,実測データの蓄積は十分ではありません。また,プランクトン群集はサイズの異なる多くの種で形成されますが,それらをひとまとめにした比率しか議論されてきませんでした。海洋環境の変化によりプランクトン群集組成が変化すると予測されていますが,その変化が生態系に与える影響を評価できません。そこで,本研究は有機物粒子のサイズ分画手法を確立したうえで,各サイズ画分の主要4元素組成比(炭素:窒素:リン:ケイ素)に関するデータを取得します。
    研究一年目の2021年度は海水中の有機物粒子をサイズ毎に分画するための手法を検討しました。撹拌式セルを用いた限外ろ過システムを応用した「限外ろ過方式」と,孔径の異なるフィルターに連続的に通過させる「逐次ろ過方式」を並行して検討しました。その結果,限外ろ過方式はフィルター上に粒子が捕捉されてしまい,有機物粒子量を過小評価することがわかりました。有機物粒子のサイズ分画手法としては逐次ろ過方式が適していることがわかりました。逐次ろ過方式はリンおよびケイ素の分析試料を作成するのに適していますが,炭素および窒素を分析するためにはフィルター上に集めた有機物粒子を液体に懸濁させて回収する必要があります。フィルターに付着する有機物粒子を完全に回収する手法を検討した結果,超音波洗浄を利用することで達成できることがわかりました。これらの検討により,孔径の異なるメンブレンフィルターを用いた逐次ろ過方式によって有機物粒子を三つにサイズ分画し,超音波洗浄を活用して回収した有機物粒子の主要4元素を分析することで,各サイズ画分の元素組成比を分析するための道筋が完成しました。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 21K12219
  • ドローンと船舶の同時観測で明らかにする河川水が沿岸域で駆動する物質循環
    科学研究費助成事業
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    木田 新一郎, 田中 潔, 芳村 毅, 伊佐田 智規
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 九州大学, 21H03591
  • 陸奥湾における持続的な二枚貝養殖のための貧栄養化のメカニズム解明と対策提言
    科学研究費助成事業
    2018年04月01日 - 2021年03月31日
    工藤 勲, 芳村 毅
    ホタテガイ垂下養殖漁業が行われている青森県陸奥湾で、近年栄養塩濃度が減少する「貧栄養化」が起こっていることが明らかとなった。本研究は、持続的な生物生産活動の維持を脅かしかねない海域の「貧栄養化」のメカニズムを解明し、貧栄養化の効果的な方策を提言することを目的として行われた。夏季に栄養塩は枯渇状態にあり、この時期の基礎生産(ホタテガイの餌生産)は栄養塩が不足していた。 海底耕耘により海底に埋没した栄養塩の回帰効果があることが確認され、その量は海水中に存在する栄養塩の10-20%に相当すると見積もられた。このことから「貧栄養化」の対策として海底耕耘は有効な手段であることが明らかになった。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 18K05776
  • 海洋生態系における放射性物質の移行・濃縮状況の把握
    科学研究費助成事業
    2012年06月28日 - 2017年03月31日
    神田 穣太, 喜多村 稔, 西川 淳, 青野 辰雄, 山口 篤, 高木 省吾, 土屋 光太郎, 立田 穣, 林 敏史, 野田 明, 渡辺 豊, 茂木 正人, 田中 祐志, 守屋 繁春, 小林 卓也, 芳村 毅, 石丸 隆, 五十嵐 敏, 須賀 次郎, 山川 紘, 大津 秀暁, 伊藤 友加里, 高澤 伸江, 内山 香織, 久保 篤史, 今井 圭理
    海洋生態系における福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質について、以下の研究を行った。1)福島沿岸域において生物と環境の放射性セシウムについて、年に2回の船舶観測による経時的なデータセットを得た。また外洋域の動物プランクトンについても複数の海域で時系列データを得た。2)岩礁性の底生魚に重点を置いて、生態系への移行経路を検討した結果、懸濁・沈降粒子や堆積物の有機物画分等からの移行は小さいことを確認した。3)現場観測データを用い、生態系内の放射性セシウム推移をモデルにより再現し、海洋生物の放射能レベルの今後の推移について検討した。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 東京海洋大学, 24110005
  • 比較可能性がとれた海水中栄養塩濃度の全球分布及び総量に関する研究
    科学研究費助成事業
    2011年05月31日 - 2014年03月31日
    青山 道夫, 村田 昌彦, 芳村 毅, 日置 昭治, 内田 裕, ハイド デイビット, ディクソン アンドリュー, 小杉 如央
    海洋での栄養塩の正確な空間分布を明らかにするための基礎となるデータセット作成を行った。栄養塩標準を用い分析の不確かさが0.2%より良い測点間の比較可能性が確保されている航海を6航海行うとともに複数のデータセットから栄養塩データが存在している航海を抽出した。これらのデータから、栄養塩標準を使用し比較可能性が明示的に確保されている航海を基準として、全球243点で交点での解析をおこない栄養塩濃度を補正した後、さらに当初の予定にはなかった溶存酸素量のデータについても栄養塩データを同様な処理を行い、深度面で整合性のある0.5度メッシュ、平均50m厚み136層の格子点データセットを作成した。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 23221003
  • 北太平洋亜寒帯海域の表層酸性化が炭酸カルシウム殻のプランクトンにおよぼす影響予測
    科学研究費助成事業
    2011年 - 2013年
    服部 寛, 佐々木 洋, 芳村 毅, 小埜 恒夫
    地球温暖化が原因となる海洋酸性化が植物プランクトン、特に炭酸カルシウム殻をもつ円石藻類に対する影響を調べるための酸性化予測実験を行った。現場における分布密度の把握と酸性化予測実験の試料分析は全て終わっていないが、これまでの結果では現存量が多い円石藻類の種ほど酸性化の影響を受けると推定出来る結果を得ていて、現在この原因の理論的背景を構築している段階である。
    北太平洋と比較を目的に南極海で酸性化実験を実施しする機会に恵まれ、現在はその試料の解析も行なっている。南極海では植物プランクトン現存量で優先する珪藻類が多いことから、円石藻類の応答に加え、珪藻類にも着目して、試料の分析を勧めている。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 東海大学, 23510013
  • 海水中のCO2濃度の増加が植物プランクトンの増殖と有機物生産に与える影響の解明
    科学研究費助成事業
    2010年 - 2012年
    芳村 毅
    単離株を用いた室内培養実験と現場群集を用いた船上培養実験により,CO2分圧の上昇が植物プランクトンの比増殖速度と元素組成比や有機物生産に与える影響を調査した。CO2分圧の上昇に対する応答は種特異的であり,水温・光量の条件によっても変化することが明らかとなった。現場群集への影響は顕著ではないが,CO2増加に対する明確なトレンドを示すケースがあった。CO2分圧の上昇は実海域での植物プランクトンの動態を変化させる要因となり得ることがわかった。
    日本学術振興会, 若手研究(A), Central Research Institute of Electric Power Industry, 22681004
  • 北太平洋亜寒帯域の鉄濃度が生物生産と二酸化炭素収支に及ぼす影響に関する観測研究
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2006年
    小埜 恒夫, 葛西 広海, 西岡 純, 渡辺 豊, 芳村 毅
    通常のCTDを利用したクリーン採水技術を確立し、親潮域および混合域において年数回の鉄の反復断面観測を実施した。世界で初めて栄養塩と同一の時空間分解能で得られた、鉄濃度周年変動データの解析から、以下の事があきらかになった。
    1]親潮域表層における溶存鉄の各月の海域平均濃度は、主要栄養塩と定性的に同じ季節変動パターンを示すだけでなく、硝酸と定量的に一定比(ΔDFe/ΔN=27x10^<-6>[mol/mol])を保って増減している。表層鉄濃度のピークは冬期の最大混合深度期(1-3月)であり、黄砂飛来時期(4月)とは明瞭に異なる。
    2]親潮表層の冬期溶存鉄濃度はアラスカ湾より遙かに高いが、両者の亜表層域の鉄濃度も同様に異なる為に、両海域の冬期表層鉄濃度は、亜表層からのエントレインメントと鉛直渦拡散を仮定した同じモデルで再現可能である。親潮表層の溶存鉄:硝酸費も同様にアラスカ湾より高く、北太平洋中層水(NPIW)のそれと同一値をしめす。
    3]これらの事から、西部北太平洋表層に存在する鉄は数年-数十年程度の平均滞留時間を持っており、したがって周年-経年変動のスケールでは、鉄の動態は主要栄養塩と同様であることが推定される。つまり大気ダストからの鉄の供給は従来の定説に反してそれほど重要ではなく、生物による取り込みと中層での再分解、そして鉛直混合による表層への回帰という海洋内部での再循環だけで、ほぼ加不足なく溶存鉄の周年変動は説明出来る。
    4]春季ブルーム終了時の表層溶存鉄濃度がほぼ0.25nMで一定となる事から、ブルーム形成ケイ藻種の成育限界鉄濃度が0.25nM程度と高く、このためブルーム期には硝酸でなく鉄が主な制限栄養素になっている事が推定される。一方周年を通じた硝酸・溶存鉄プロットは鉄側に切片を持つ事から、鉄も硝酸も低濃度となる夏期には硝酸が親潮表層の制限栄養素となっている。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 独立行政法人水産総合研究センター, 16310019