山崎 幹根 (ヤマザキ ミキネ)
公共政策学連携研究部 公共政策学部門 公共政策学分野 | 教授 |
ダイバーシティ・インクルージョン推進本部 | 教授 |
Last Updated :2024/12/06
■研究者基本情報
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■研究活動情報
論文
- 公共政策の変容と政府間関係 : 受動喫煙防止政策を事例として (新川達郎教授退職記念号)
山崎 幹根, Mikine Yamazaki
同志社政策科学研究 = Doshisha policy and managemant review, 22, 2, 173, 184, 同志社大学政策学会, 2021年03月
日本語, 本稿は、公共政策の同化/分化が生じる要因を考察する中で、政府間関係がどのように作用しているのか否かを明らかにすることを目的としている。日英比較の観点から受動喫煙防止政策を対象とした研究から、政策課題設定に関して、サブ・ナショナルな政府という位置を活かし、政策課題を論じる場を移動させ、受動喫煙防止を公衆衛生として問題のフレーミングを見直し、政策転換を図った過程が共通して明らかにされた。一方、政策環境、政策の窓の観点から見れば、制度、ネットワーク形成、問題、政策、政治の3つの流れの有り様の違いが、異なる政策内容を導き出している。新川達郎教授退職記念号退職記念論文(Article in commemoration of the retirement of Professor Tatsuro Niikawa) - 自治体による受動喫煙防止政策の可能性と課題―北海道および先進自治体調査を通じて
山崎幹根, 辻道雅宜, 高野譲
北海道自治研究, 28, 36, 2018年12月
日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要) - A Comparison of Tobacco Policy in the UK and Japan: If the Scientific Evidence is Identical, Why is There a Major Difference in Policy?
Paul Cairney and Mikine Yamazaki
Journal of Comparative Policy Analysis: Research and Practice, 20, 3, 253, 268, 2018年09月, [査読有り]
英語, 研究論文(学術雑誌) - 連合王国の統治機構―特異な主権概念と不均一な権限移譲
山崎 幹根
立命館言語文化研究, 28, 4, 183, 192, 2017年03月, [査読有り], [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌) - 辺野古基地問題をめぐる中央地方関係 : その政治的対立と法的紛争
山崎 幹根
法律時報, 89, 6, 43, 50, 2017年
日本語 - 国・広域自治体・市町村間の補完・支援・連携 : 北海道の事例から
山崎 幹根
都市問題, 108, 8, 58, 65, 2017年
日本語 - 現代日本の中央地方関係の構造:領域政治の視点から
山崎幹根
Special Edition of Annals, 2015: Frontiers in Public Policy,, 2016年03月
英語, 研究論文(大学,研究機関等紀要) - 成長と連携を志向するイングランドの都市政策
山崎 幹根
都市問題, 107, 80, 87, 2016年01月
日本語, 研究論文(その他学術会議資料等) - 人口急減社会、国・地方はどのように対応するべきか—北海道から考える
山崎 幹根
nippon.com, 2014年12月
日本語, 研究論文(その他学術会議資料等) - スコットランド独立運動から考える自治のかたち 民主主義の刷新と国家統合
山崎 幹根
月刊自治研, 56, 662, 10, 14, 自治労サービス, 2014年11月
日本語, 研究論文(その他学術会議資料等) - イギリスとスコットランドはこれからどうなる?―「民主主義の刷新」、それでもくすぶる対立の火種
山崎 幹根
日経ビジネスオンライン, 2014年10月
日本語, 研究論文(その他学術会議資料等) - 『独立運動』の視点から考える地域民主主義の刷新―スコットランドからの示唆
山崎 幹根
生活経済政策, 215, 17, 21, 2014年
日本語, 研究論文(その他学術会議資料等) - 『二重行政』の解決は可能か―効率性と民主的統制の視点から
山崎 幹根
都市問題, 103, 4, 50, 58, 後藤・安田記念東京都市研究所, 2012年04月
日本語, 研究論文(その他学術会議資料等) - 『一国多制度』型の自治は可能か―「領域政治」をてがかりに
山崎 幹根
學士会会報, 897, 32, 36, 2012年 - Regionalism and governing style in the UK and Japan: a comparative view on devolution
Yamazaki Mikine
年報公共政策学, 4, 111, 124, 北海道大学公共政策大学院, 2010年
英語, Regionalism is leading the transformation of governing style in modern nation states. The causes of regionalism cannot be described just as the roots of the existence of original history nor identity derived from territory. Rather, the differences of both countries are explained from how the meaning of a region is revealed in the real political processes. In the UK, political factors are the most important elements which have promoted devolution besides the strength of regional identities. In addition, policy factors are also pointed out that most people expected devolution would improve the qualities of public policies. In Japan, policy factors which make it possible for localities to seek their own economic development policies are the biggest momentum for regionalism. In contrast, political factors, which could contribute to revitalise local democracy, are too weak to promote regionalism. Rather, many political actors are interested in devolution as a means of an administrative reform. Furthermore, the differences of regional governance in the two countries should be explained from the features of governing systems. The British governing system consists of territorial policy communities, which are formed in accordance with each region, and territorial ministries in addition to functional policy communities and functional ministries since pre-devolution. In Japan, there have been territorial policy communities and ministries in Hokkaido and Okinawa since the post-war era, but their main domains are limited to economic development policies. Rather, the Japanese governing system features an accumulation of functional policy communities, which deliver uniform public policies across the country, with functional ministries.
その他活動・業績
- The Transformation of Governing Style in Scotland--Between the Union and Local Government
山崎 幹根, 北大法学論集, 55, 4, 1820, 1785, 2004年
北海道大学大学院法学研究科, 英語 - 政策決定過程における制度運用と中央地方関係の変化(2)戦後北海道開発政策を事例として
山崎 幹根, 北大法学論集, 51, 1, 193, 258, 2000年06月
北海道大学大学院法学研究科, 日本語 - 政策決定過程における制度運用と中央地方関係の変化-戦後北海道開発政策を事例として-(2)
北大法学論集, 51, 1, 193, 258, 2000年 - 自治体における政策評価手法の開発と導入-北海道の政策アセスメントを中心に-
社会科学研究(釧路公立大学紀要), 12, 229, 2000年 - 政策決定過程における制度運用と中央地方関係の変化-戦後北海道開発政策を事例として-(1)
北大法学論集, 50, 5, 1115, 2000年 - 開発計画の意味転換と《道-開発庁》関係の変容
北大法学論集, 45, 3, 391, 1994年
書籍等出版物
- テキストブック 地方自治の論点
宇野二朗、長野基、山崎幹根, 第1,2,3,4、終章
ミネルヴァ書房, 2022年04月, 9784623091690, [分担執筆] - 地域から国民国家を問い直す : スコットランド、カタルーニャ、ウイグル、琉球・沖縄などを事例として
奥野, 良知, 第2章:スコットランドの独立運動とイギリス政治のゆくえ
明石書店, 2019年10月, 9784750349084, 278p, 日本語, [分担執筆] - 政治学入門
品田裕, 永井史男, 水島治郎編著, 市役所と地方議会に行ってみよう―地方自治の理念と現実
ミネルヴァ書房, 2019年03月, [分担執筆] - 地方創生を超えて これからの地域政策
小磯修二, 村上裕一, 山崎幹根編著, 第4章 自治政策・国土政策から見た国と地方 ―広域連携から考える
岩波書店, 2018年07月, [共編者(共編著者)] - リアル・デ モクラシー:ポスト「日本型利益政治」の構想
宮本太郎, 山口二郎編著, 第2章:政権交代による政策変動と政策コミュニティ
岩波書店, 2016年01月, [分担執筆] - 経済危機下の分権改革―「再国家化」と「脱国 家化」の間で
山田徹編著, 第7章:連合王国の権限移譲
公人社, 2015年, [分担執筆] - 「領域」をめぐる分権と統合 スコットランドから考える
山崎 幹根
岩波書店, 2011年03月, [単著] - スコットランドの挑戦と成果 地域を変えた市民と議会の10年
山崎 幹根
イマジン出版, 2010年, [共編者(共編著者)] - 戦後北海道開発の軌跡 対談と年表でふりかえる開発政策
山崎 幹根
財団法人 北海道開発協会, 2007年, [共編者(共編著者)] - 国土開発の時代 戦後北海道をめぐる自治と統治
山崎 幹根
東京大学出版会, 2006年12月, [単著]
講演・口頭発表等
- 地方自治の理念と現実―近年の動向を手がかりに
山崎幹根
愛知県地方分権セミナー, 2023年11月17日, シンポジウム・ワークショップパネル(公募)
[招待講演] - 北海道に見る小規模自治体の現状と課題
山崎 幹根
日本公共政策学会研究大会分科会, 2018年06月, 日本語, 口頭発表(一般)
[招待講演] - 北海道開発政策の教訓
山崎 幹根
Knowledge Co-Creation Program (Young Leaders) 2016, Comprehensive Regional Development Planning: A Course on Mindanao Regional Development, 2017年03月07日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
[招待講演], [国際会議] - 権限移譲と政策転換:日英のタバコ規制政策を事例として
山崎 幹根
The European Conference on Politics, Economics and Law 2016, 2016年07月08日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
[招待講演], [国際会議] - 北海道の発展可能性と課題
山崎 幹根
Japan Society of Scotland, 2016年05月02日, 英語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
[国際会議] - スコットランドと北海道 本物のウィスキーを求めて
山崎 幹根
“Japan and Scotland - The Whisky Bond, 2016年03月14日, 英語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
[国内会議] - 領域における独自性と自立の可能性と課題―沖縄と北海道との比較から
山崎 幹根
2015年度日本行政学会, 2015年05月09日, 日本語, 口頭発表(一般)
[国内会議] - スコットランド独立住民投票の意味
山崎 幹根
地域分権改革と独立運動の諸相, 2015年02月23日, 日本語, 口頭発表(一般)
[国内会議] - 連合王国の権限移譲―国際比較の観点から
山崎 幹根
シンポジウム「経済危機下に おける地域分権改革のゆくえ-「再国家化」と「脱国家化」の間で」, 2013年11月14日, 日本語, 口頭発表(一般)
[招待講演], [国際会議] - 英国の権限移譲―領域政治からのアプローチ
山崎 幹根
国立国会図書館調査及び 立法考査局研究会, 2013年05月12日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
[招待講演], [国内会議]
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 規制政策の実効性確保に関する比較研究―政策同化/分化の視点から
科学研究費助成事業
2022年04月01日 - 2026年03月31日
山崎 幹根
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 22K01298 - 人口減少時代の地域政策に関する調査研究
2022年11月 - 2025年03月
山崎幹根
財団法人北海道開発協会, 財団法人北海道開発協会 - 行政コスト分析および決算統計の適切な活用方法に関する研究
2023年06月 - 2024年05月
山崎幹根
一般社団法人地方公会計研究センター - 公共政策の刷新と政府間関係の比較研究―タバコ規制政策を事例として
科学研究費助成事業
2016年04月01日 - 2023年03月31日
山崎 幹根
イギリスのタバコ規制政策は達成すべき目標に対する広範な社会的コンセンサスが形成され安定化するとともに多様な施策が具体的に推進されている。喫煙率を限りなく低下させてタバコのない社会の実現に向けて全体としての喫煙率の低下が基本目標と位置付けられ、そのために、妊婦、若年層、労働者階層の喫煙率の減少、禁煙を支援するためのエビデンスに基づいた新たな手法の導入がすすめられている。また、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの各領域で規制政策が同化傾向を見せている。
こうした中、近年関心が高まっている電子タバコに関しては2016年にEU共通の規制政策を導入した。その後イギリスのEU離脱を受けて、The Tobacco Products and Nicotine Inhaling Products (Amendment etc.) (EU Exit) Regulations 2019 and 2020が制定された。一方、イギリスでは近年、電子タバコを紙タバコの禁煙を進めるための医療用品としても積極的に位置づけようとする意見があり、位置づけに対する評価が分かれており、今後注目すべき争点である。
また、現代日本の政府間関係について見れば、近年の新型コロナウイルス感染対策の中で注目されるとともに批判を集めた保健所の役割について、受動喫煙防止政策の執行との共通点を明らかにすることにより研究を発展させる可能性がある。特に、人員や予算など組織体制が十分に整備されない中で、資源制約状況の中に合って実効性を確保するための政策手段を公式的または非公式的なレベルでどのように確保しているのかを明らかにする必要がある。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 16K03457 - 人口問題に対して頑強で持続可能なローカル・ガバナンスに関する行財政論的研究
科学研究費助成事業
2016年04月01日 - 2019年03月31日
宮脇 淳, 山崎 幹根, 村上 裕一, 若生 幸也
本研究は、人口問題の先進地である北海道を主たるフィールドとして、それに対処するインフラ縮小等各種連携政策を研究の上、社会技術と科学技術や空間制御の視点からの地方行財政論の再検討と、問題に頑強で持続可能な地方行財政モデルの構築を目的とした。その結果、①関係者間の制度理解の齟齬を解消しつつ機能・責任・リスクを分担するガバナンスを展開すること、②中心市が自治体間広域連携の費用を上回る便益を創出する調整役を担うこと、③国が担う広域的マクロ政策と自治体が担う狭域的ミクロ政策とを的確に仕分けながら、ときに不利益分担を伴う地方行財政システムを整備していくことが、連携の持続可能性を高めることが明らかになった。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 16K03458 - 自由主義伝統のなかのイギリス政治と2000年代後半以降の変化に関する政治史的研究
科学研究費助成事業
2016年04月01日 - 2019年03月31日
若松 邦弘, 山崎 幹根, 高安 健将, 今井 貴子, 平石 耕, 木村 真
本研究は2000年代後半以降のイギリス政治の特徴を、その立憲規範との性格をもつ自由主義伝統との関係から検討するものである。イギリス政治史の局面は2000年代初め、市民性の尊重との点で党派を超えた歴史的な合意に至った。しかし金融危機を経てその後浮上した経済福祉への関心を巡って、再び対立の様相を帯びつつある。この「緊縮の政治」は「ウェストミンスターモデル」の重要な特徴である一次元の経済軸のなかでの政策距離の拡大であったものの、さらにその後には、非経済軸の新たな次元が生じ、利害の集約は別の観点からも困難になっている。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京外国語大学, 16H05696 - 沖縄振興一括交付金の導入と沖縄振興体制の変容
科学研究費助成事業
2014年04月01日 - 2017年03月31日
島袋 純, 江上 能義, 山崎 幹根
沖縄振興一括交付金が、沖縄の政治行政に何をもたらしたのか。この交付金による事業の申請は交付要綱を従う必要があり、それは活動指標のみならず成果指標を設定しなければならず、そして事業の途中及び終了後の具体的検証を求めていた。
聞き取り調査により、成果目標に基づく事業の検証は少ないことが分かった。自治体職員や議員が、目標管理型の自治体経営の能力を格段に向上させたとは言い難い。さらにこの交付金の大きな問題は、基地の補償として、基地を押し付け正当化する政治的機能を有している。政策形成や政策のマネジメントを高める機能はまったく十分ではなく、その成果も凌駕する圧倒的な政治的機能を有していることが判明した。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 琉球大学, 26380175 - 地方財政自主権の強化と国家統合の相克―イギリスの領域政治を中心に
科学研究費助成事業
2012年04月01日 - 2016年03月31日
山崎 幹根
本研究は、地方政府の財政自主権を強化する改革が国家統合との関係において、どのような意義と課題を生じさせるのかを明らかにすることを目的として、近年のイギリスの全国政府からスコットランド政府への税源移譲を検討した。そして、不均一性を拡大させる財政自主権の強化と全国レベルでの納税者間の公正原則を両立させることが困難な原理的な問題と、批判の多い現行の一括交付金制度の安定性とスコットランドにとっての一定の有意性を明らかにした。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 24530123 - グローバル化時代のシティズンシップ―日本における「民」の再定義に向けて―
科学研究費助成事業
2012年04月01日 - 2016年03月31日
遠藤 乾, 柄谷 利恵子, 安里 和晃, 明石 純一, 辻 康夫, 眞壁 仁, 山崎 幹根
本研究は、チームの中で現場検証、制度的検討、思想的考察をつなぎ合わせながら、グローバル化時代の「民」イメージを柔らかく再検討する試みであった。
業績は順調に出た。遠藤乾と柄谷利恵子による『グローバル・コモンズ』に加えて、明石純一『「グローバル人材」をめぐる政策と現実』など書籍も刊行され、英語による発表なども数多く、眞壁仁による論考「日本における「民」の政治思想史」をメンバー全体で共有できた。また、代表者自身が進めた共訳書『軽いシティズンシップ―市民、外国人、リベラリズムのゆくえ』(クリスチャン・ヨプケ著)とそれに伴う解説を通じて、学界に対しても一定の問題提起できた。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 24330050 - 自由主義伝統の新たな局面としての1990年代以降イギリス政治に関する政治史的研究
科学研究費助成事業
2012年04月01日 - 2015年03月31日
若松 邦弘, 山崎 幹根, 高安 健将, 今井 貴子, 平石 耕
1990年代以降のイギリス政治では、ネオリベラルとしての経済的自由とともに、市民的自由が強調される傾向が強まった。本課題は、1990年代半ばから2007年の経済危機直前の時期までのイギリス政治が、とりわけ市民的自由へのその強調において、同国政治史の固有性である「自由主義の伝統」のなかに独自の局面を構築したとの問題意識に立ち、その特徴を多角的な実証により確定するものである。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京外国語大学, 24402008 - 分権改革時代におけるヨーロッパ諸国の都市政策と政府間関係に関する比較研究
科学研究費助成事業
2011年04月01日 - 2014年03月31日
山田 徹, 田口 晃, 穴見 明, 若松 隆, 廣田 全男, 津田 由美子, 西村 茂, 高橋 利安, 山崎 幹根, 伊藤 徹哉, 山家 京子, 柴田 直子
海外調査を含めた研究の結果、以下の知見を得た。(1)欧州の諸都市は「持続可能な都市」を実現するために、従来の行政単位に把われない「都市圏」の創出を目指している。(2)そのアクターとして行政機関と企業、市民団体があるが、相互の結びつきは機能的で、対等の関係をもつことが志向されている。(3)都市圏の活動が成果を上げるためには、従来の諸制度や政党配置よりも、行政体や企業のアクターの革新的なリーダーシップが重要である。(4)州やリージョンなどの広域行政体の再編は、より小規模な自治体の個別政策分野での連携によって先取りされる場合が多い。(5)都市内分権は連邦国家よりもリージョン国家でより進む傾向がある。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 神奈川大学, 23402020 - 日本型福祉・雇用レジームの転換をめぐる集団政治分析
科学研究費助成事業
2010年04月01日 - 2014年03月31日
宮本 太郎, 坪郷 實, 山口 二郎, 篠田 徹, 山崎 幹根, 空井 護, 田村 哲樹, 田中 拓道, 井手 英策, 吉田 徹, 城下 賢一
本研究の主題は、福祉雇用レジームの変容が政治過程の転換をどう引き起こしたか、また政治過程の転換が、逆にいかに福祉雇用レジームの変容を促進したかを明らかにすることである。本研究は、国際比較の視点を交えた制度変容分析、世論調査、団体分析などをとおして、福祉雇用レジームの変容が建設業団体や労働組合の影響力の後退につながり、結果的にこうした団体の調整力に依拠してきた雇用レジームが不安定化していることを示した。同時にいくつかの地域では、NPOなどを交えた新たな集団政治が社会的包摂をすすめていく可能性を見出した。
日本学術振興会, 基盤研究(A), 22243011 - 「一国多制度」型政府間関係の意義と課題-イギリス・スコットランドを中心に
科学研究費助成事業
2009年 - 2011年
山崎 幹根
本研究では連合王国の領域政治を考察し、不均一な権限移譲の意義と課題を明らかにした。ウェスト・ロジアン問題が注目される背景には、「領域」間における市民一人あたりの政府支出額の差異、社会サービス水準の格差の顕在化がある。「一国多制度」型の権限移譲は、国家統合に難問を突き付け、福祉国家体制を支える社会的シティズンシップの概念の見直し、そしてユニオンという統治構造の再考に連動する構図が明らかになった。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 21530110 - 分権型行財政システムにおける財政調整の合意形成に関する調査研究
科学研究費助成事業
2009年 - 2011年
宮脇 淳, 石井 吉春, 遠藤 乾, 山崎 幹根, 林 成蔚, 木村 真, 若松 邦弘
台湾の直轄市制度の拡充に伴う政府間財政調整制度改革の政策議論、韓国の広域市制度の展開、欧州の財政危機問題に伴う財政と政治の理論的関係等について合意形成にまで掘り下げた比較研究を行い、その成果を日本の地方分権議論に反映させる調査研究を行った。とくに、台湾の直轄市制度に関する調査研究は、日本の大都市制度議論、財政調整制度のあり方、そして閣議意思決定との関係について新たな視野を形成した。
日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 21252005 - 法的政治的原理としての補完制原理に関する総合的研究
科学研究費助成事業
2006年 - 2007年
山田 徹, 後藤 仁, 若松 隆, 出口 裕明, 山崎 幹根, 高橋 利安, 西村 茂, 佐藤 孝治, 田口 晃, 山田 徹, 白藤 博行
本研究の対象である「補完性原理」は、研究の期間中も、EUのリスボン条約でローカルな基礎自治体レベルまでその適用を拡げることが謳われ、またわが国の道州制をめぐる議論でも頻繁に引用されるようになった(例:道州制ビジョン懇談会中間報告など)。そこで本研究では、この原理がさしあたりは定着したものとみなし、研究目的のうち、その重心をヨーロッパの各国における同原理の具体的な適用のあり方におくこことした。その成果として、ヨーロッパの八カ国(ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア、スイス、ベルギー、スウェーデン)を分析の対象とする、「ヨーロッパ分権改革-地域主義と補完性原理」という表題の著作を、本年7月に中央大学出版部から公刊する予定である。結論として、(1)補完性原理は現段階では、特に国と地域(国の下の最大の領域団体-連邦制国家での州やカントン、単一制国家でのリージョンやレーン)の関係において、後者の地位を拡大するための最も重要な概念となっており、地域主義興隆の支柱となっていること、(2)この原理はさらに基礎自治体の権限拡大のための教導概念とすることが求められているが、法的概念のあり方に多くの議論があり、この問題はなお模索の段階にあること、(3)翻って、わが国の道州制をめぐる議論では、その分権化目的を徹底するために、この原理についての一層の啓蒙活動が必要であること、を得た。補完性原理の問題については、原理の一層の彫琢、わが国を含めた原理適用のあり方の今後の展開に関し、研究を継続する予定である。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 神奈川大学, 18530103 - 分権改革以後のスコットランドにおける政府間関係-都市政策を事例として
科学研究費助成事業
2005年 - 2007年
山崎 幹根
本研究において事例研究としたスコットランド政府によって2003年より行われた都市再生プロジェクト(city growth fund)の成果は下記のようにまとめることができる。同プロジェクトは多大な影響を生じさせるまでには至っていないものの、個別の都市が進めている都市政策に付加を与え、都市が他の担い手とパートナーシップを形成して仕事を行うことに貢献した。同プロジェクトによって総額1.7億ポンド(約350億円)の資金が交付され、主として街路景観、民間交通インフラに利用されるとともに職業訓練やイベントの支援などソフト分野にも活用された。また、関連して策定された都市ビジョンが都市政策の戦略的で協働を促す役割を持ち始めている。同プロジェクトは地方政府にも評価されている一方、スコットランド政府による資金の交付額と交付方法について地方政府から問題が指摘されるとともに、プロジェクト交付金が地方政府に分散的に交付され重点性を欠く現状が明らかになり、地方政府が都市政策をすすめる手法を見直す余地が明らかになった。
また、2007年5月のスコットランド議会選挙および地方政府選挙の結果はスコットランド政治の構図に大きな変化を与えた。すなわち、スコットランド議会においては地域政党であるスコットランド国民党が少数与党として政権を獲得し、地方政府では比例代表制導入の影響によって労働党支配の地方政府が激減した。スコットランド国民党は地方税制改革、スコットランド開発公社の業務を地位方政府に移管させるなどの改革を進めている。今後、こうした政党政治の変動が、従来までの協調的な政府間関係を、そして、地方政治のガバナンスをどのように変容させるのか、いっそうの理論的、実証的な考察が必要となる。
日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 17730093 - 地方政治・行政から見た戦後国土政策
科学研究費助成事業
2000年 - 2001年
小磯 修二, 山崎 幹根
本研究は、戦後国土開発政策を地方政治・行政の視点から考察することを通じて、戦後国土開発政策を再検討し、国土政策の多義的性質や時代ごとの変化を解明することを目的と設定した。そして、第一に、国土政策を担当する行政組織の企画調整機能の変容、第二に、国土政策において国-都道府県-市町村という政府間関係がどのように規定され、変化してきたのかを明らかにすることを狙いとしている。
本研究は、戦後国土政策における政府間関係を歴史的に検証するという趣旨から、1次資料の収集と分析、および関係者へのヒヤリングという実証研究を中心とした手法によって作業を進めた。検討事例の対象として選定したのは、80年代以降における北海道開発政策・90年代以降の沖縄振興開発政策、戦後東北開発政策である。
本研究における成果は以下の3点にまとめることができる。第一に、国土開発概念の多義性を明らかにした。第二に、特定地域を対象とする企画調整官庁の役割とその限界を明らかにした。第三に、国土開発政策過程における政府間関係は、固定的、静態的なものではなく、社会経済的環境や中央地方の政治的環境の影響を受けて変化している。さらに、国土政策作成・実施過程において市町村が都道府県を迂回することによって中央政府のアクターと結合するなど、地方政治家、行政官による多様な活動形態を明らかにするとともに、垂直的政府間構造からはとらえられない政策ネットワーク形成が明らかになった。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 釧路公立大学, 12620087 - 政策過程における制度運用と中央地方関係-沖縄振興開発政策を中心に-
科学研究費助成事業
1998年 - 1999年
山崎 幹根
本年度は、沖縄振興開発計画に関する事例研究をまとめるとともに、文献や公開資料を通じて得られた知見を関係者へのインタビューによってこれを確証、補強する作業を行った。沖縄振興開発特別措置法に基づき92年に策定された第3次沖縄振興開発計画の作成過程を実証的に考察すると、沖縄県は一方において地域格差の是正を目指して現行開発体制に基づいた社会資本整備を進めるとともに、他方においては従来型の開発から脱却した独自の発展を目指している。こうした沖縄県における後者の動向は、96年に『国際都市形成構想』をまとめることによって体現されている。2ヵ年にわたる復帰後の沖縄振興開発政策の事例研究を、中央地方関係の観点からまとめると以下のように表現することができる。第一に、現行法制度の下、予算をはじめとする政策資源を獲得することは、沖縄の自立的発展の基礎条件を確立することになる一方で、対中央への依存を強化することにもなる。第二に、社会資本が整備されるにつれて、現行法制度の意義は次第に低下し、地方は多様な政策を展開するための新たな方向性を追求する。第三に、整備された社会資本を活用する形での地域経済の発展、産業振興が十分に行われず、計画目標が達成されていない。以上のような動向が併存する展開は、ほぼ北海道開発政策とも共通している。今後の研究課題として、こうした動向が諸外国を含めた他地域の開発法制・政策における中央地方関係とどこまで共通性を有するのかを検証する必要を指摘できる。
日本学術振興会, 奨励研究(A), 釧路公立大学, 10720047 - 現代国家における中央地方関係の研究
競争的資金 - Devolution in the UK
競争的資金 - Regional Economic Development Policy in Japan
競争的資金 - Japanese Local Politics
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