松永 悟明 (マツナガ ノリアキ)

理学研究院 物理学部門 量子物理学分野准教授
Last Updated :2026/01/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(理学), 東京大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • 強磁場中の電子物性

研究分野

  • 自然科学一般, 磁性、超伝導、強相関系

担当教育組織

■研究活動情報

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

所属学協会

  • 日本物理学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • スピン液体発現機構の解明とπ-d型擬二次元有機超伝導体の統一相図
    基盤研究(C)
    2019年04月 - 2022年03月
    松永 悟明
    研究代表者, 競争的資金
  • 低次元分子性導体のSTMによる研究
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2007年
    野村 一成, 市村 晃一, 松永 悟明
    ドナー分子の中心にTCF骨格を持たないβ-(BDA-TTP)_2SbF6_(T_c=7.5K)の超伝導相においてSTMを用いたトンネル分光測定を行った。この系は近隣め物質の振る舞いからκ-(BEDT-TTF)_2X系と同様に電子相関が強い2次元電子系と考えられるが、β-型の構造を持つためκ-(BEDT-TTF>_2Xのようなモット絶縁体に隣接した超伝導ではないと考えられ、そのルカニズムに興味が持たれる。
    伝導面でのトンネルスペクトルはT_cよりも十分低温では、ゼロバイアス付近のコンダクタンスがほとんどゼロにまで減少する明確な超伝導ギャップ構造を示す。その関数系はκ-(BEDT-TTF)_2X系と同様にV-型を示しており、ラインノードを持った異方的超伝導であることを示している。一方、側面でのトンネルスペクトルは、面の角度に応じて比較的大きなギャップを持ったU-型から小さなギャップのV-型に角度πの間に2回変化することが明らかになった。トンネル遷移確率の方向依存性を考慮し軸近辺でギャップ最大となり、軸近辺でギャップ最大となり、a^*+c^* a^*-c^*方向近辺でノードを持つことが強く示唆される。上述の結晶系のため、純粋なd(x^2-y^2)波対称性ではな いかもしれないがd(x^2-y^2)波的対称性が実現していると結論される。このノードの方向はフェルミ面の部分ネスティングによるスピン揺らぎから期待されるノード方向となっている。一方で、β-型における最近接分子間の超伝導電子対とはなっておらず、スピン揺らぎによる超伝導のメカニズムを支持しているように思われる。しかし、ノードを伴う異方的超伝導の証拠とされるZBCPは現在までに観測されておらず、今後の課題である。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 18028002
  • STM/STSによる層状ダイカルコゲナイドナノチューブの基底状態の研究
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2006年
    市村 晃一, 松永 悟明
    本研究では、層状化合物NbSe_2で構成されたナノチューブにおいてSTM/STSを行った。NbSe_2ナノチューブ試料は気相反応法により作成された。劈開したグラファイト(HOPG)上に、2-プロパノール溶媒中で超音波分散させたNbSe_2ナノチューブを滴下することによりSTM/STS測定用の試料を準備した。
    室温でのSTM像から、300-2000nm程度の長さのNbSe_2ナノチューブが観測された。そのほとんどは長さが600nm以上で直線状である。これらのナノチューブの径は2-50nmと見積もられた。このうち、径が10nm以下の細いものは単層NbSe2ナノチューブ、それ以上の太いナノチューブは多層であると考えられる。
    また、単層カーボンナノチューブではよく見られるバンドル構造がNbSe_2ナノチューブにおいても見出された。走査プロファイルからは、バンドルの径は50-100nm程度であり、径が約2nmの単層NbSe_2ナノチューブ数100本から構成されていることがわかった。さらに、1本の単層NbSe_2ナノチューブが2本に分岐した構造、いわゆるY-ジャンクションが見つかった。
    室温でのSTM測定ではNbSe_2ナノチューブの原子配列を確認するには至らなかったが、4.2K以下の低温において単層NbSe_2ナノチューブの鮮明なSTM像を得ることに成功した。この結果によりNbSe_2ナノチューブの原子配列が判別され、カイラル角が求められた。これと走査プロファイルから求めた直径からNbSe_2ナノチューブのカイラル指数(螺旋度)が初めて決定された。その結果、今回調べたNbSe_2ナノチューブについては、ナノチューブごとにカイラル角も含めた螺旋度が異なることがわかった。また、いずれもが螺旋度の対称性の低いカイラル型であることが明らかになった。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 17540308
  • 分子性導体における特異な低次元電子状態の研究
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2005年
    野村 一成, 市村 晃一, 松永 悟明
    圧力下で誘起される擬一次元有機導体(TMTTF)_2Brのスピン密度波(SDW)相において、圧力を詳細に変化させた非線形電気伝導の測定により、SDWのスライディングのダイナミクスを電子バンドの1次元性との関わりから調べた。
    いずれの圧力でもSDW転移温度T_以下の温度での電流電圧特性において、電場の増加とともにしきい電場E_Tを伴った鋭い伝導度の増大が観測され、ピン止めをはずしたSDWのスライディングが確認された。静止摩擦に相当するしきい電場E_Tの絶対値は低圧領域において、電子バンドの1次元性が小さい(TMTSF)_2PF_6に比べて相当大きいが、圧力を増加させると急速に減少した。E_Tの温度依存は試料によって多少異なるが、典型的な試料では0.3T_近傍の温度で鋭いピークを示し、低温では急激に減少した。これに対してスライディングの動摩擦によって与えられる余剰伝導度は、0.3T_で緩やかなディップを持ち低温で急激に増大した。一方別の試料では、しきい電場の温度変化に明確なピークは見られなかったが、0.3T_付近から急激に減少する振る舞いは共通に観測された。これに対して、余剰伝導度は試料によらずほぼ共通の振る舞いを示した。これらの結果より、SDWのスライディングに対して、静止摩擦と動摩擦は異なるメカニズムにより与えられていることが分かった。さらにこれらの温度依存の振る舞いから、NMR緩和率より示唆される0.3T_でのサブフェーズ移転に関連して、0.3T_以下の温度でSDWは並進運動をし易くなることが明らかになった。このことは(TMTTF)_2X塩のSDW相において示唆されている高温域での電荷密度波(CDW)の共存が、SDWのスライディングのダイナミクスに重要な役割を果たしている可能性が示すものであり、これが1次元性の強い効果であると理解された。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 16038203
  • カーボンナノチューブのSTM/STS
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2000年
    野村 一成, 松永 悟明, 市村 晃一
    カーボンナノチューブのカイラリティーと電子状態の対応を明らかにするため、低温トンネル顕微鏡装置を用いてSTM像観察およびSTS測定を行なった。
    前年に引き続き低温でのSTM装置の安定動作化を行い、装置の測定ノイズを低減した。また、新たに導入したガス循環精製装置付き真空グローブボックスを用い、酸素および水分のない雰囲気下でナノチューブ試料を扱うことにより、試料表面の清浄化を行なった。
    金属触媒を用いたアーク放電法により作成された単層カーボンナノチューブ試料のSTM像測定を室温で行い、そのバンドル構造を観測した。また、プロファイルからこれらがおよそ1nmの単層カーボンナノチューブからなることを確認した。
    STM測定においてバンドルが確認された場所で77KでSTS測定を行い、1.3meV〜1.8meVの有限で平坦な電子状態密度をはさんでVan Hove Singularityの発散的ピークを示す金属ナノチューブの振る舞いを観測した。また、別の場所では0.4meV〜0.6meV程度のギャップを持つ半導体ナノチューブの振る舞いも観測した。これらは、同一のバンドルに属する別のナノチューブで観測されることから、1つのバンドルの中には異なるカイラリティーを持つナノチューブが存在することが明らかになった。さらに、金属ナノチューブのVan Hove Singularityは複数のピークに分裂することも観測したが、これが電子バンドの異方性に起因するかどうかは今後の課題として残された。また、比較的まれにではあるが数10meVのエネルギーに構造を持つトンネルスペクトルを観測した。この原因としては、バンドル内で三角格子を組む金属カーボンナノチューブの電子構造が有力であるが、今後さらに詳細な測定により明らかにされることが期待される。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 北海道大学, 11165201
  • 高温超伝導体のSTM分光
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    市村 晃一, 松永 悟明, 野村 一成
    酸化物高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_8において、低温用走査型トンネル顕微鏡(STM)を用い4.2Kにおいてトンネル分光測定を行った。単結晶側面において測定を行い超伝導ギャップの面内異方性を直接的に調べ、ギャップの対称性を明らかにすることを目的とした。異なる2つの方向からトンネル探針をアプローチし、ノイズの少ないトンネル微分コンダクタンスが得られた。
    1.[110]方向(Cu-O-Cu結合方向から45°)でのトンネル
    ゼロバイアス付近のコンダクタンスは十分に減少し、明確な超伝導ギャップ構造が観測された。そのコンダクタンスカーブは50nm程度の範囲内では場所によらず同一である。コンダクタンスの関数形は以前の測定とほぼ一致する。ギャップの大きさはΔ_=21meVと求まり、以前の結果(Δ_=25meV)より若干小さいが、これは試料依存性と考えられる。
    2.[100]方向(Cu-O-Cu結合方向)でのトンネル
    [110方向でのトンネルとは対照的に、ゼロバイアス付近のコンダクタンスは十分に減少せず、明確なギャップ構造は観測されなかった。方向によりトンネルスペクトルが変化することは、STM測定においてトンネル遷移確率の波数依存性が強いことと、超伝導ギャップが異方的であることを意味する。また、ゼロバイアス付近でコンダクタンスが増加するスペクトルもしばしば観測された。これはいわゆるzero bias conductance peak (ZBCP)に対応するものと思われる。我々の結果ではZBCPは[100]方向でのみ観測されている。ZBCPの存在はギャップにノードがあることを強く示唆する。超伝導ギャップの対称性は、純粋なd-波、もしくはs-波とd-波の混合の対称性である。後者の場合d-波成分がかなり大きいことが結論される。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 北海道大学, 08227201
  • 低次元有機導体におけるアニオン秩序化効果と超伝導
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1995年
    松永 悟明
    (TMTSF)_2ClO_4はClO_4アニオンの秩序化が試料の冷却速度に依存し、急冷するとスピン密度波状態に転移するが、徐冷すると超伝導状態に転移する。このアニオンの秩序化を利用して冷却速度を変えることにより試料に乱れを導入することができる。本研究では、異方的導体における乱れの影響を明らかにするために、(TMTSF)_2ClO_4の金属及びSDW相において磁気抵抗、磁化率等を詳細に測定した。
    その結果、磁化率測定より求めた磁場侵入長の温度依存性より、(TMTSF)_2ClO_4の超伝導相は有限のギャップをもつ超伝導が実現されているとの結論を得た。又、様々な冷却速度における残留抵抗の測定結果より、冷却速度と非磁性不純物散乱の関係を定量的に明らかにした。さらに、金属及びSDW相における磁気抵抗の測定を行った。その結果、SDW相における磁気抵抗の異方性はSDWギャップに伴うホールと電子の有効質量の異方性として定量的に理解できることが分かった。金属相におても大きな磁気抵抗の異方性が観測されたが、その異方性はSDW相とは逆であり、又、その異方性は低温になるにしたがって著しく増大することを見いだした。現在の時点ではこの金属相の磁気抵抗の振舞いに関して適切な解釈をもっていないが、何らかの新しい散乱機構の存在を示唆するものであるのかもしれない。
    今後、様々な冷却速度における超伝導相において上部臨界磁場(H_)の測定を行い、ク-パ-対の波動関数の対称性と非磁性不純物の超伝導状態に果す役割をさらに調べるとともに、金属相の磁気抵抗の振舞いを詳細に調べ、低温で増大する磁気抵抗の異方性の起源を明らかにする。又、急冷した場合のスピン密度波相及び徐冷し強磁場を印加した場合の磁場誘起スピン密度波相におけるスピン密度波のダイナミクスを合わせて測定し低次元電子系に特徴的な超伝導相と磁気的相の関連を明らかにする。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 07740271
  • スピン密度波の電子状態
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1995年
    野村 一成, 松永 悟明
    (TMTSF)_2X塩のSDW相の電子状態を調べるために、主として非線形電気伝導度測定及びNMR測定を行った。
    非線形電気伝導度測定では、寒剤である液体ヘリウム4の排気系を整備し、測定温度域を拡張し1.15Kまでの低温での測定を可能にした。また、低温域におけるジュール加熱の効果を抑えるため、受信系の改良を行い10μsec以下のパルス電流による測定を可能にした。これにより、SDW相での非線形電気伝導度測定を行い、ほぼ全ての温度域において明確なしきい電場を観測した。この結果は、不純物にピン止めされていたSDWが、有限電場の下で古典的な機構によりピン止めをはずしスライディングを開始するモデルにより理解される。一方、低温域でのみ高電場において温度に依存しない大きな非線形電気伝導度が観測された。この新たな電気伝導の機構は量子効果を示唆するものであり、今後さらに詳しく調べる予定である。
    NMR測定では、装置の改良を行い測定周波数を50MHzまで広帯域化した。これにより、^1Hのスピン格子緩和率T_1^<-1>の温度変化を周波数を変えながら測定した。この結果、いずれの周波数においてもSDW転移温度より十分低い温度領域でT_1^<-1>の発散的増大を観測した。これによりSDWを二分する新たな転移が磁場によってほとんど変化しないことが明らかになった。また、この転移における局所磁場の揺らぎは、SDW転移におけるものとほぼ同じ周波数依存を持つことも分かった。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 北海道大学, 07232201
  • 低次元有機導体の電子物性               
    1991年
    競争的資金

主な担当授業

  • 電子物性物理学, 2024年, 修士課程, 理学院
  • 現代物理学入門, 2024年, 修士課程, 理学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 国際理学イニシアチブ特論, 2024年, 修士課程, 理学院
  • 電子物性物理学, 2024年, 修士課程, 理学院
  • 現代物理学特論, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 物理学実験Ⅰ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 物理学実験Ⅰ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 物理学実験Ⅱ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 物理学実験Ⅱ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 物理学実験Ⅲ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 物理学実験Ⅳ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 物理学実験Ⅳ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 力学Ⅱ, 2024年, 学士課程, 理学部