谷 博文 (タニ ヒロフミ)

工学研究院 応用化学部門 生物工学分野准教授
大学院教育推進機構准教授
高等教育推進機構准教授
Last Updated :2025/06/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(工学), 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • マイクロ分析システム
  • 生物発光・化学発光
  • 生物計測化学
  • Micro Total Analysis Systems
  • Bio-Chemiluminescence
  • Bioanalytical Chemistry

研究分野

  • ナノテク・材料, ナノマイクロシステム
  • ナノテク・材料, ナノ材料科学
  • ナノテク・材料, 分析化学

担当教育組織

■経歴

委員歴

  • 2006年 - 2007年
    日本分析化学会, 学会誌編集委員, 学協会
  • 1999年
    日本分析化学会, 北海道支部幹事, 学協会

■研究活動情報

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

  • バイオ医薬の開発技術とシーズ               
    シーエムシー出版, 2009年
  • Microchip-based Assay Systems, Methods and Applications               
    Humana Press, 2007年
  • 水の分析(第5版)               
    化学同人, 2005年
  • リポソーム応用の新展開~人工細胞の開発に向けて~               
    エヌ・ティー・エス, 2005年
  • 演習で学ぶ環境               
    三共出版, 2002年
  • 環境の化学分析               
    三共出版, 1998年

所属学協会

  • 生物発光化学発光研究会               
  • 日本工学教育協会               
  • アメリカ化学会               
  • 日本化学会               
  • 日本分析化学会               
  • American Chemical Society               
  • 日本創造学会               
  • 化学とマイクロ・ナノシステム学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 高性能紙デバイスの開発とその応用展開
    科学研究費助成事業
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    渡慶次 学, 谷 博文
    本研究では、①分析性能の高い紙デバイスの研究、②免疫分析デバイスの開発、③細胞アッセイ及び細胞分離デバイスの開発、④教育ツール用デバイスの開発に取り組む。本年度は、この中の①、②、④に取り組んだ。
    ①双極性障害の治療薬であるリチウム製剤の血中濃度測定をモデル系として、高性能紙デバイスシステムを構築した。血漿分離と血漿中のリチウムイオンの検出を性質の異なる紙を利用することで、わずか1滴(20マイクロリットル)の試料量で1分以内に測定することに成功した。検出性能は、遠心分離と吸光光度計による従来法と同等であった。
    ②競合免疫分析が可能な3次元紙デバイスを開発した。流路を3次元化することで流路長を短くすることが可能となり、アッセイ時間を短縮することができた。デバイスは3層構造になっており、反応領域と検出領域を別の層にすることで、分析性能を向上させることができた。さらに、非競合免疫分析の酵素免疫分析法(ELISA)の基礎検討も実施した。
    ③紙デバイスは、安価で簡便ということから、教育ツールとして適している。しかし、濃度定量するためには、マイクロピペットによる試料導入が必要である。そこでマイクロピペット等を用いずに、サンプルに浸漬するだけで、サンプル中の測定対象の濃度を定量できる紙デバイスを開発した。アスコルビン酸とpHの同時測定が可能なデバイスを開発し、測定結果の浸漬時間依存性を評価したところ、測定結果は浸漬時間(3秒から1分)に依存しないことも確認した。測定性能も従来法を同等であることを確認した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 20H02760
  • 次世代診断チップの開発とその臨床診断への応用
    科学研究費助成事業
    2012年05月31日 - 2015年03月31日
    渡慶次 学, 湯澤 由紀夫, 秋山 真一, 谷 博文, 石田 晃彦
    糖尿病性腎症診断のための、パネル化診断チップの開発を行った。糖尿病性腎症のバイオマーカーのパネルとして、MCP-1、L-FABP、Angiotensinogen、CTGFおよびCollagen IVを選定した。標準試料および患者検体を用いて、開発したパネル化診断チップの性能評価を行ったところ、わずか12分の測定時間で、試料・試薬量0.5 μLで、従来のELISA法と同様な結果を得ることに成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 24245013
  • リポソームを利用する高感度な化学発光分析用ナノリアクターの開発
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2007年
    上舘 民夫, 谷 博文, 石田 晃彦
    1.ペルオキシダーゼ内封リポソームの調製法の検討
    押出し法により、フォスファチジルコリン(PC)、フォスファチジルグリセロール(PG)及びコレステロール(Chol)からなるリポソームに西洋わさび由来のペルオキシダーゼ(HRP)を封入した。その結果、内封されたHRPの分子数は約1200であった。一方、リポソームに内封するHRPの分子数を増大するため、凍結融解法によるHRP内封リポソームの調製を試みた。その結果、約3600分子のHRPが内封でき、押出し法と比較して、内封するHRPの分子数を約3倍増大することに成功した。
    2.リポソーム中のHRPの高感度検出法の開発
    標準系およびリポソーム系について、最適濃度条件でHRPの定量下限を求めたところ、標準系では3.0x10^<-9>M、リポソーム系では1.0x10^<-9>Mとなり、リポソームの内水相をナノリアクターに用いると、より高感度にHRPの検出ができることが明らかになった。
    3.HRP内封リポソームの抗体への結合と発光強度の比較
    HRP内封リポソームを免疫測定法の標識体に応用するため、リポソームを抗体に結合することを試みた。その結果、HRP内封リポソーム標識化抗体当りの発光強度は、ビオチン-アビジン結合HRP標識体と比較して125倍増大することが明らかになった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 18350037
  • 3次元微小流体ネットワークを用いたバイオアッセイシステムの構築
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2006年
    谷 博文
    本年度は,変異原物質に応答してルシフェラーゼを発現する試験大腸菌株を用いて生物発光オンチップバイオアッセイを試みた。昨年度に確立した分析フォーマットによりマイトマイシンCなどの各種変異原物質に適用したところ,変異原の強さならびに濃度に応じた生物発光をチップ上から一斉に検出することが可能となった。また,大腸菌をチップに固定化した場合の保存安定性について,生物発光強度ならびに応答比の観点から検討を行った。固定化する菌体濃度およびアガロース濃度に関して最適化された条件下で検討した結果,本チップは4℃にて最大16日間保存可能であることが分かった。一方,培地成分をアガロースに添加した場合,試験菌を30日以上保存可能であることが分かった。しかし,本法で利用するホタル生物発光に対して培地成分による強い阻害効果が見られ,発光強度が大きく減少する結果となった。したがって,試験菌株のレポータータンパク質をホタルルシフェラーゼから培地成分による阻害を受けない発光触媒酵素に変換することでより長期問の保存が可能になるものと期待される。生体内での代謝により変異原性を発現する物質(前変異原物質)について本オンチップアッセイにより検出可能か検討した。前変異原物質にはTrp-P-2を用い,代謝活性化には齧歯類の代謝酵素を含むS9画分を使用した。Trp-P-2とS9を予め混合して代謝活性化を行い,試験菌を固定化したチップに導入した結果をFig.に示す。S9で処理したTrp-P-2を導入したチップからのみ発光が見られた。また,発光応答比は2を超え,Trp-P-2濃度に依存する結果が得られた。このことから,本アッセイを前変異原物質に対して適用可能であることが示された。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 17750063
  • 化学発光速度を指標とするリポソームの膜透過性の評価法の開発
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2006年
    上舘 民夫, 谷 博文, 石田 晃彦
    1.エオシンYを用いる膜透過性の評価
    リボソームの内水相にペルオキシダーゼ(POD)を封入し、その外水相にエオシンYと過酸化水素を添加すると、エオシンYと過酸化水素は迅速に膜を透過し、内水相においてPODを触媒とする化学発光反応が進行した。そこで、リン脂質であるフォスファチジルコリンに対して30〜45%のコレステロール含量を有するリボソームにPODを封入し、発光応答曲線を測定した。その結果、コレステロール含量が増大するほど発光初期速度は減少した。この結果から、エオシンYの発光初期速度が膜透過性を反映することがわかった。
    2.ピレン法による膜流動性の評価
    コレステロール含量が増大するほど発光初期速度は遅くなる原因として、コレステロール含量が増大するほどリボソームの膜流動性が減少することが考えられる。そこで、30〜45%のコレステロール含量を有するリボソームに蛍光プローブであるピレンを加え、膜流動性を評価した。その結果、コレステロール含量が増大するほど、膜流動性が減少した。したがって、エオシンYの発光初期速度を用いる方法が膜透過性の評価法として利用できることが明らかになった。
    3.膜透過性の速度論的解析
    リボソーム内へのエオシンYと過酸化水素の透過と化学発光反応を考慮して、発光初期速度を表す速度式を解析した。その結果、発光初期速度は膜透過速度定数、反応速度定数および基質初濃度で表された。また、反応速度定数および基質初濃度が一定のとき、発光初期速度は膜透過速度定数に比例することがわかった。エオシンYの膜透過速度定数を求めたところ、3.02x10^<-3> s^<-1>の値になった。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 17655028
  • 標識体をナノリアクターに利用する高感度な化学発光分析システムの構築
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2004年
    上舘 民夫, 谷 博文, 石田 晃彦
    リポソームの内水相をナノリアクターとして応用するため、西洋わさび由来のペルオキシターゼ(horseradish peroxidase:HRP)を内封したリポソームを調製した。リポソームはフォスファチジルコリン(PC)、フォスファチジルグリセロール(PG)およびコレステロール(Chol)の3成分からなり、押出し法により調製した。3成分の組成はPC:PG:Chol=8:1:1とした。また、HRP内封リポソームの平均粒子径は600nmとした。
    つぎに、リポソーム内水相においてHRPを触媒とする化学発光(CL)反応を行った。CL試薬にはフルオレセイン(FL)、ルミノールおよびホモゲンチジン酸γ-ラクトン(HAL)を用いた。実験はHRP内封リポソームの外水相にCL試薬と過酸化水素を加え、それらの物質がリポソーム膜を透過し、リポソーム内でHRPの触媒作用により放出される発光を観測した。FL、ルミノールおよびHALとも、リポソーム膜を迅速に透過し、添加後、直ちにCL反応が進行した。しかしながら、用いるHRP内封リポソーム量が少なくなると、触媒であるHRP量が減少するため、HALを除いて発光速度は著しく減少した。
    つぎに、HALを用いてHRP内封リポソームの使用量の影響をみた。発光量は使用量に依存し、調製したHRP内封リポソームを約8000倍希釈しても、HAL-CL反応はリポソーム内で迅速に進行した。HAL-CL反応系は従来使用されてきたルミノール系と比較して、測定時間および検量線の直線範囲において優れていた。
    最後に、HRP内封リポソームをイムノアッセイの標識体に応用するため、測定容器に対する非特異的吸着について検討した。その結果、HRP未封入リポソームがマスキング剤として有用であった。以上の結果から、HRP内封リポソームをイムノアッセイの標識体に応用できることが明らかになった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 15350038
  • 環境応答型分子集合体を導入した化学発光検出用マイクロDNA分析システムの開発
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2002年
    谷 博文
    本年度は,DNAのハイブリダイゼーションに及ぼす会合性高分子の影響について検討した.温度感応型会合性高分子の末端にチオール基を導入し,プローブDNAと同時にシリコン基板に蒸着した金表面上に固定化した.この会合性高分子は加温するとコンパクトに折り畳まれ,冷却すると再び伸長する.したがって,プローブDNAとのアニールに必要な温度に冷却したとき立体的々にハイブリダイゼーションを阻害することが期待される.そこで,これまで行ってきた化学発光法によりハイブリダイゼーション効率ならびに選択性について会合性高分子の影響を検討した.しかしながら,会合性高分子の共存によりDNAの固定化量が大きく低下し,完全に相補性のあるDNAとのハイブリダイゼーションを検出することができなかった.そこで,分子量のより小さい高分子を使用したところ,DNAの結合量が増加し,ハイブリダイゼーションの検出が可能となった.諸条件についてさらに検討し,会合性高分子の相転移温度前後でのハイブリダイゼーションの量を比較したが,顕著な違いは見られず,また相補性の違いを識別することはできなかった.これらの結果から,会合性高分子の同時固定化によるDNAのハイブリダイゼーションの制御が困難であることが明らかとなった.今回の場合,DNAと環境応答型の反応制御を別々に使用したが,例えば両者を結合させたプローブDNAを用いることによりハイブリダイゼーションの制御が可能になるものと考える.一方,会合性高分子共存下における化学発光については,フルオレセインやジブロモフルオレセインを発光基質に用いたところ,相転移温度前後での発光量の顕著な変化が見られた.これにより,会合性高分子を用いた化学発光反応の制御が可能であることが明らかとなった.
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 13750745
  • 微小空間における化学発光の研究とマイクロ分析システムの検出法への応用
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    上舘 民夫, 谷 博文
    ルシゲニン(Luc)と生理活性アミンであるエピネフィリン(EP)との化学発光(CL)反応を微小空間において研究した。リアクター(容量:7μL)は光リソグラフィー/化学エッチング法によりシリコンウエファ上に製作した。製作したリアクターは検出器の光電子増倍管の前面に取り付けた。
    最初に、EPを含むLuc溶液とNaOH溶液の2液を連続的にリアクターに送液し、CLをCCDカメラで観察した。その結果、流速が5μl/minの条件において、発光反応はEPを含むLuc溶液側で進行した。したがって、微小空間における反応物質の拡散速度の違いが発光量に大きな影響を与えることがわかった。なお、微小空間においても発光量はEP濃度に直線的に依存し、5.0x10^<-8>MのEPが検出できた。つぎに、FIA法をμ-TASに適用するためLuc溶液の流れにEPを5μl注入し、別のラインのNaOH溶液とともにリアクターに流入して発光量を測定した。FIAの場合においても、発光量はEP濃度に依存し、検出下限は5.0x10^<-5>Mであった。FIAの場合、試料量が少ないことによる感度の低下が顕著に発現した。そこで、発光収率の向上を図るため、リアクター内での反応物の混合拡散がより増大する構造のリアクターを設計・製作した。リアクターの容量は7μLと同じであるが幅を1mmにすることにより、2液の接触面積を2倍に増大した。その結果、発光反応が進行する領域が拡大し、EPの検出下限は5.0x10^<-6>Mとなり、検出感度を10倍向上することに成功した。
    また、マイクロ分析システムへの応用が考えられる生物・化学発光反応に関してバルク溶液における高感度化を研究し、ホタル生物発光においてより増感効果が大きいカチオン性リポソームを見出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 11450319
  • 生物・化学発光反応を用いた高性能分析法の開発とマイクロ分析システムへの応用               
    1999年
    競争的資金
  • Development of High-performance bioanalytical systems based on Bio- and Chemiluminescence and Their Application to uTAS               
    1999年
    競争的資金
  • ミセル水性二相分配法を用いたタンパク質の高性能分離法の開発
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1998年
    谷 博文
    1. エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)からなる両親媒性高分子(Pluronic)ミセル水溶液の二相分配系におけるタンパク質の抽出挙動を調べた.また,抽出に及ぼすイオン界面活性剤の添加の影響についても検討した。PluronicにはEOとPOの配列が異なるL61と25R2の二つのタイプを用いた。L61の系では,疎水性タンパク質が抽出された。この系にタンパク質と電荷が同符号のイオン界面活性剤を添加すると抽出は抑制され,逆に異符号のとき抽出は促進された.これは,界面活性剤相においてL61とイオン界面活性剤が荷電混合ミセルを形成し,タンパク質と静電的相互作用をしたためと考えられる。一方,25R2の系においては,サイズの大きな疎水性タンパク質は抽出されなかった。また,タンパク質と電荷が異符号のイオン界面活性剤を添加しても,抽出は促進されなかった。これは,25R2ミセルがネットワークを形成し,タンパク質に対して排除効果が働くためと考えられる.したがって,本二相分配系においては,タンパク質の電荷ならびにサイズが抽出を制御していることを明らかにした.
    2. 昨年度までにTritonX-114/硫酸デキストランミセル水性二相分配系が肝ミクロゾーム(Ms)中のチトクロムb_5(b_5)の選択的抽出に優れた系であることを明らかにした。本年度はこの二相分配系を用いてブタ肝Msからb_5の精製を行った。ボリマー濃度,pHならびにイオン強度などの抽出条件を検討した結果,わずか3回の繰り返し抽出を行うことで,SDS-電気泳動において単一のバンドになるまでb_5を精製することができた。従来法では,同程度の精製度を得るのに数日から数週間を要していたのに対して,本法はわずか数時間の作業で精製を行うことが可能であった。したがって,本二相分配法を用いたb_5の迅速な精製法を確立することができた。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 09750884

産業財産権

  • 細胞中ATPの定量法               
    特許権
    特開2005-245342
  • オンチップバイオアッセイ方法及びキット               
    特許権
    特開2005-46121