幅﨑 浩樹 (ハバザキ ヒロキ)

工学研究院 応用化学部門 機能材料化学分野教授
電子科学研究所 附属グリーンナノテクノロジー研究センター教授
電子科学研究所 附属社会創造数学研究センター教授
技術支援統括本部教授
Last Updated :2026/01/07

■研究者基本情報

学位

  • 理学博士, 東北大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • Corrosion and Passivity
  • 水電解
  • 撥液・滑液表面
  • 界面電気化学
  • アノード酸化
  • ナノポーラス材料

研究分野

  • ナノテク・材料, 薄膜、表面界面物性
  • ナノテク・材料, エネルギー化学
  • ナノテク・材料, 構造材料、機能材料
  • ナノテク・材料, ナノ材料科学

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2023年04月 - 現在
    北海道大学大学院工学研究院長・工学部長
  • 2010年04月 - 現在
    北海道大学大学院工学研究院, 教授
  • 2016年04月 - 2019年03月
    北海道大学大学院工学研究院附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター, Center for Advanced Research of Energy and Materials, Faculty of Engineering, センター長
  • 2006年04月 - 2010年03月
    北海道大学大学院工学研究科, 教授
  • 2000年04月 - 2006年03月
    北海道大学大学院工学研究科, 助教授
  • 2000年10月 - 2005年09月
    マンチェスター理工科大学腐食防食センター, 客員研究員
  • 1988年04月 - 2000年03月
    東北大学金属材料研究所, 助手
  • 1993年11月 - 1995年10月
    マンチェスター理工科大学腐食防食センター, 博士研究員

学歴

  • 1986年04月 - 1988年03月, 東北大学, 大学院理学研究科, 化学専攻博士前期課程
  • 1982年04月 - 1986年03月, 東北大学, 理学部, 化学科

委員歴

  • 2024年01月 - 現在
    電気化学会キャパシタ技術委員会, 事務局長
  • 2023年04月 - 現在
    北海道工学教育協会, 会長, 学協会
  • 2009年01月 - 現在
    電気化学会, キャパシタ技術委員会運営役員, 学協会
  • 1997年01月 - 現在
    表面技術協会,金属のアノード酸化皮膜の機能化部会, 幹事, 学協会
  • 2023年01月 - 2024年12月
    International Society of Electrochemistry, Division Chair, 学協会
  • 2022年03月 - 2024年02月
    (一社)表面技術協会, 副会長, 学協会
  • 2010年01月 - 2023年12月
    固体イオニクス学会, 役員, 学協会
  • 2019年03月 - 2021年03月
    電気化学会, 理事, 学協会
  • 2016年01月 - 2019年12月
    表面技術協会 アノード酸化皮膜の機能化部会, 代表幹事, 学協会
  • 2018年03月 - 2019年02月
    表面技術協会, 編集委員長, 学協会
  • 2017年01月 - 2018年12月
    電気化学会, 北海道支部長, 学協会
  • 2015年01月 - 2016年12月
    表面技術協会, 北海道支部長, 学協会
  • 2013年01月 - 2014年12月
    腐食防食学会, 北海道支部長, 学協会
  • 2010年01月 - 2012年12月
    腐食防食協会, 北海道支部副支部長, 学協会
  • 2010年 - 2011年
    Internationa Society of Electrochemistry, シンポジウムオーガナイザー, 学協会
  • 2009年 - 2011年
    電気化学会, 編集委員, 学協会
  • 2009年 - 2010年
    International Society of Electrochemistry, シンポジウムオーガナイザー, 学協会
  • 2005年04月 - 2009年03月
    表面技術協会, 「表面技術」編集委員, 学協会

学内役職歴

  • 教育研究評議会評議員, 2019年4月1日 - 2021年3月31日
  • 教育研究評議会評議員, 2021年4月1日 - 2023年3月31日
  • 工学部長, 2023年4月1日 - 2025年3月31日
  • 大学院工学研究院長, 2023年4月1日 - 2025年3月31日
  • 大学院工学研究院附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター長, 2016年4月1日 - 2017年3月31日
  • 大学院工学研究院附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター長, 2017年4月1日 - 2019年3月31日
  • 大学院工学研究院副研究院長, 2019年4月1日 - 2021年3月31日
  • 大学院工学研究院副研究院長, 2021年4月1日 - 2023年3月31日
  • 評価室室員, 2018年7月1日 - 2020年6月30日
  • 評価室室員, 2020年7月1日 - 2022年6月30日
  • 評価室室員, 2022年7月1日 - 2023年3月31日

■研究活動情報

受賞

  • 2020年03月, 電気化学会, フェロー               
  • 2020年02月, 北海道大学, 教育研究総長表彰               
  • 2019年03月, 電気化学会, 論文賞               
    辻 悦司;松浦 志紀;青木 芳尚;幅崎 浩樹
  • 2013年03月, 電気化学会学術賞               
    幅崎 浩樹
  • 2005年03月, 日本学術振興会, 第1回日本学術振興会賞               
    幅崎 浩樹
  • 1997年09月, Institute of Corrosion, T.P. Hoar Award               
    幅崎 浩樹

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

  • Shreir's Corrosion               
    Elsevier, 2009年

所属学協会

  • 固体イオニクス学会               
  • 表面技術協会               
  • 腐食防食学会               
  • 日本金属学会               
  • 日本化学会               
  • 電気化学会               
  • 炭素材料学会               
  • The Electrochemical Society               
  • Internationa Society of Electrochemistry               
  • 日本工学アカデミー               
  • 日本鉄鋼協会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • アノード酸化法を用いた高活性鉄系合金電極の新規創製と活性化機構
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2027年03月31日
    幅崎 浩樹, 北野 翔
    金属のアノード酸化法は、金属・合金上に多孔質酸化膜を簡便に形成できる優れた手法であり、アルミニウムなどでは工業的に広く使われている。研究代表者らは、このアノード酸化法をFeNi系合金に適応した場合、アルカリ水電解用酸素発生電極としての活性および耐久性が大幅に改善されることを見出している。本研究ではその活性化の機構の解明と高活性電極の設計指針の確立を目指すものである。
    本年度は実用FeNi合金であるFe-54 mass% Co-17 mass% Ni合金(Kovar合金)、Fe-45 mass%Ni合金(45 Permalloy合金)、Fe-42 mass% Ni(42Invar合金)、Fe-78 mass% Ni(78 Permalloy合金)を試料としてアノード酸化をフッ化物含有エチレングリコール溶液中において行い、そのアノード酸化膜の解析を進めるとともにOER特性を評価し、Kovar合金が最も優れた酸素発生反応(OER)活性を示すことを確認した。
    さらに、そのアノード酸化後のKOH水溶液中にお行ける酸化膜の構造変化をその場観察するために、in situ Raman測定法の確立を行った。その場観察用に自作の電気化学セルを開発し、in situ Raman測定が可能な環境を確立した。また、予備測定から、アノード酸化で生成したフッ化物相がKOH浸漬に伴い、オキシ水酸化物とスピネル酸化物の混合層へと変化し、このスピネス酸化物相は酸素発生する貴な電位域では消失することが明らかとなった。
    また、高活性相と推定されるオキシ水酸化物の結晶性がOERにどのように影響するかを明らかにするために、水熱処理による高結晶性相の形成の試みに着手した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 23H00224
  • 高性能・小次世代高電力密度パワエレ機器に向けた高性能コンデンサの研究開発               
    革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術研究開発事業
    2021年 - 2025年
    文部科学省, 北海道大学, 研究代表者
  • 汎用合金のアノード酸化による高活性・高耐久水電解電極の開発
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) トライアウト トライアウト
    2022年 - 2023年
    幅崎 浩樹
    本研究開発では高効率な水素製造を可能とするために、集電体ともなりうる各種FeNiおよびFeNiCo実用合金のアノード酸化によって、アルカリ水電解による酸素発生反応および水素発生反応を活性化し、0.6Acm-2の電流において0.35V以下の過電圧を1か月保持できるか検証し、ライフサイクルコストの低い実用的水素製造用電極の開発を目指す。
    科学技術振興機構, 北海道大学, 研究代表者
  • 5V超リチウムイオン電池でも全く腐食しないマグネシウム集電体の開発
    科学研究費助成事業
    2020年07月30日 - 2022年03月31日
    幅崎 浩樹
    本研究では,フッ化物イオンを含む環境において不働態化するマグネシウムのリチウムイオン電池の正極集電体としての可能性を明らかにするために,各種リチウムイオン電池系電解液中におけるマグネシウムの高電位における安定性について検討を行った。その結果,LiPF6系電解液においては,不働態化できるのは4 V vs Li+/Li程度までであり,それ以上の電位では脱不働態化する。この環境ではMgF2からなる安定な不働態皮膜が形成できないためであることが表面分析から推定された。一方,フッ化物シャトル電池用の電解液を用いて安定性を評価したところ,10 Vでも脱不働態化が起きないことがわかった。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 20K21230
  • 鉄系合金の陽極酸化を利用した水分解用高活性アモルファス酸化物酸素発生電極の創製
    科学研究費助成事業
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    幅崎 浩樹
    金属のアノード酸化は,簡便かつ大面積に自己規則化ナノ構造酸化物膜を形成できる他の手法ではほぼ得られない優れた電気化学プロセスである。本研究では,このアノード酸化プロセスを高表面積でアルカリ水電解による高活性な酸化物やオキシ水酸化物触媒を集電体ともなりうる金属・合金上に直接創製することを目的としている。申請者らは世界最高水準の活性を誇る鉄ドープコバルトオキシ水酸化物触媒をすでに得ているので,このような鉄ドープ酸化物をアノード酸化法で高表面積薄膜として得ることを試みた。
    本年度は,めっきしやすいNiをベースとした組成の異なるNi-Fe合金の電析を行い,これをさらにアノード酸化することで,多孔質アノード酸化皮膜を得た。合金はすべてfcc単相であり,電析浴中の鉄添加量に比例して合金中のFe含有量も雑談することが確認された。電解液にはフッ化物含有有機電解液を用いているため,得られる多孔質アノード酸化皮膜はフッ化物をかなり含んだオキシフッ化物であった。
    このアノード酸化試料をKOH水溶液中においてアノード分極することにより酸素発生活性を評価した。Niを含みいずれの組成のNi-Fe合金も初期の酸素発生アノード電流はかなり低いが,アノード分極サイクルを繰り返すごとにアノード電流は大きくなり,分極中に「その場」活性化が進行することが明らかとなった。特にNi-Fe合金ではNiよりもかなり高いアノード電流が流れ,高活性な酸素発生電極となることが明らかとなった。活性はアノード酸化を行っていないめっき膜と比べても遥かに高く,アノード酸化によって表面の多孔質化と活性種の生成が活性化の要因となっていることが示唆された。アルカリ電解液中において活性化後の表面を走査電子顕微鏡にて観察すると,ナノポーラス構造からナノシート状に変化が見られることから,アノード分極中に高活性種への変化が起こったと推察される。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 19H02469
  • 特異配向炭素ナノファイバーを担体とする高活性・高耐久性酸素電極の創製
    科学研究費助成事業
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    幅崎 浩樹, 青木 芳尚, 朱 春宇, 山田 直史, 坂下 良介, 佐藤 優樹
    本研究は,細孔径の揃ったシリンダー状細孔を有する多孔質アノード酸化アルミナを鋳型として,液相鋳型法でプレートレット構造炭素ナノファイバー(pCNF)を合成し,これをナノ粒子の均一担持担体として利用し,次世代燃料電池や空気電池に必要な高活性な酸素電極の創製を目指すものである。炭素のエッジ面が露出したpCNFはCo3O4ナノ粒子の均一担持に適していることが側面が炭素の基底面で構成される多層カーボンナノチューブ(CNT)との比較から明らかになり,さらに酸素還元反応活性が大きく向上することから,酸化物ナノ粒子の担持に,炭素表面の構造制御が重要であることということを明らかにした。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 16H04530
  • 超撥油性ステンレス鋼表面の創製
    科学研究費助成事業
    2015年04月01日 - 2017年03月31日
    幅崎 浩樹, 辻 悦司
    防汚性,着氷防止性などの機能を付与できる超撥水性や超撥油性表面を実用金属材料であるステンレス鋼に構築できれば,安全安心で快適な日常生活のみならず,化学プロントや食品プラントにおける操業効率の向上にもつながる。本研究では,ステンレス鋼の化学・電解エッチングと新規なアノード酸化プロセスを組み合わせることにより,表面に階層構造を構築し,水や菜種油を始めとする低表面張力液体を弾く超撥水・超撥油表面を得ることに成功した。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 15K14171
  • 幾何学的ヘテロ/電気化学的ホモ組織制御による高強度高耐食マグネシウム合金設計
    科学研究費助成事業
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    山崎 倫昭, 幅崎 浩樹, 眞山 剛
    Mg合金組織の幾何学的不均質性が電気化学的均質性に与える影響の調査を行い,以下の結果を得た.(1) Mg-Zn-Y系およびMg-Zn-Gd系合金の表面電位分布を走査ケルビンプローブフォース顕微鏡法により調査し,構成相間の電位差と腐食挙動および電気化学的挙動の関係を明らかにした.(2) 長周期積層構造(LPSO)相を強化相として有するMg合金展伸材の異方性が腐食挙動に及ぼす影響を調査し,押出方向垂直面が押出方向平行面よりも耐食性が優れていることを明らかにするとともに,Alを添加することでこれらの異方性の影響が小さくなることを見出した.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 熊本大学, 25289251
  • レーザーアシスト陽極酸化による軽金属表面への耐食被膜成膜技術の開発
    科学研究費助成事業
    2013年04月01日 - 2015年03月31日
    山崎 倫昭, 大津 雅亮, 幅崎 浩樹
    本研究計画では、(1) Na2XO3アルカリ溶液陽極酸化技術開発と、(2) レーザー照射プロセス開発、(3) Mg-Zn-希土類元素系Mg/LPSO二相合金の腐食特性評価を実施して主に以下の結果を得た。(1) Na2XO3アルカリ溶液陽極酸化技術開発では、3M KOH+1M Na2SiO3溶液を用いて陽極酸化することで、Mg/LPSO二相合金表面にSiを内包する陽極酸化皮膜を成膜させることが可能であることを明らかにした。(2)レーザー照射プロセス開発では、Mg/LPSO二相合金表面へのレーザー照射による水酸化皮膜の酸化物皮膜への改質が耐食性向上に有効であることを明らかにした。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 熊本大学, 25630295
  • プロトン伝導性アノード酸化膜を新規電解質とする中温燃料電池の創製
    科学研究費助成事業
    2012年04月01日 - 2015年03月31日
    幅崎 浩樹, 青木 芳尚, 辻 悦司
    研究代表者が見出した200℃程度で実用的な固体電解質となりうるプロトン伝導性アノード酸化ZrO2-WO3およびZrO2-WO3-SiO2ナノ薄膜を用いた膜・電極接合体(MEA)の研究開発を行うとともに,プロトン伝導膜の伝導率を更に向上させるアノード酸化条件について検討を行った。ナノ薄膜を支持するアノードとして水素透過膜アノードを提案し,これを用いたMEAの作成プロセスを数種類検討した結果,発電に成功した。また,アノード酸化過程で脱水反応を抑制することで,プロトン伝導率を一桁近く向上させることにも成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 24360298
  • 実用金属表面の超撥水・超撥油化
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ
    2013年 - 2013年
    幅崎 浩樹
    アルミニウムの1化学エッチングによるマイクロピット表面の形成,2そのアノード酸化によるナノポーラス酸化膜の形成とポアワイドニングによるポア径・多孔度の調整,3表面のフルオロアルキルコーティングによる表面自由エネルギーの低減の組み合わせにより,表面張力22 mN m-1のオクタンをも弾く超撥油表面を達成した。さらにアルミニウム板の代わりにアルミニウムメッシュを用いることによりヘキサン(表面張力18 mN m-1)にも全く濡れない表面となり,ほぼあらゆる液体に汚れないアルミニウム表面を実現できた。ステンレス鋼についても電解エッチングとアノード酸化の組み合わせにより菜種油を弾く超撥油表面を得ることができた。
    北海道大学
  • アノード酸化による色素増感太陽電池用メソポーラスチタニア膜の合成
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ
    2011年 - 2012年
    幅崎 浩樹
    本研究ではスパッタとアノード酸化を組合わすことにより、熱処理なしで高結晶性メソポーラスTiO2膜を合成し、色素増感太陽電池の高性能化を図ることを目標とする。ITO透明導電性ガラス上にスパッタ成膜したTi薄膜を160°Cのリン酸含有グリセリン溶液中でアノード酸化することで、熱処理なしにアナターゼ型TiO2薄膜の作製に成功した。また、液性の異なるリン酸含有グリセリン溶液中でアノード酸化することにより、酸性度がその結晶性に大きく影響することを見出した。このTiO2膜を用いた色素増感太陽電池を実際に組むことで、これまで報告されている熱処理後のTiO2ナノチューブ薄膜を用いたものよりも優れた特性を示すことを明らかにした。今後は、これらの知見をもとにより熱処理なしでより高結晶性のTiO2薄膜を作製し、応用展開する予定である。
    北海道大学
  • 中温域新規プロトン伝導性酸化物ナノ薄膜の電気化学合成
    科学研究費助成事業
    2011年 - 2012年
    幅崎 浩樹, 青木 芳尚, 辻 悦司
    本研究では,次世代型の高効率中温燃料電池の開発を目的として,それに必要となる新規のプロトン伝導性酸化膜を簡便なアノード酸化という電気化学プロセスにより合成した。合成したZrO2-WO3-SiO2アモルファス酸化膜は,200℃程度で実用レベルのプロトン伝導性を示すことを明らかにし,さらにこの薄膜電解質はプロトン伝導率が膜厚を300nm以下にすると,伝導率が一桁以上上昇するという興味ある現象を示した。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 23656441
  • 中温域燃料電池用プロトン伝導性電解質ナノ膜の技術開発
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ
    2010年 - 2010年
    幅崎 浩樹
    次世代中温域燃料電池用電解質として期待される、プロトン伝導性ZrO2-WO3ナノ薄膜の技術開発を行った。種々の組成のZr-W合金上にアノード酸化ZrO2-WO3皮膜を形成したところ、タングステン添加量を増大させるとプロトン伝導性が一層向上することが明らかとなった。また、このアノード酸化皮膜はプロトン伝導率の膜厚依存性を示し、伝導率が増大する遷移膜厚がタングステン添加量の増大によって厚膜側へとシフトすることを明らかとした。このZrO2-WO3ナノ膜をITO基板上に形成するとさらに一桁以上伝導率の向上し、電解質膜として有望であることが確認された。しかしながら、MEAとした場合、新たに界面抵抗を低減する必要性が明らかとなった。
    北海道大学
  • 軽金属上への超撥水・超撥油性表面の創製
    科学研究費助成事業
    2009年 - 2010年
    幅崎 浩樹
    本研究では,アルミニウムやチタンなどの軽金属表面にアノード酸化をいう簡便な手法により,表面形態を制御した多孔質酸化皮膜を形成し,超撥水・超撥油性表面を創製することを目的とした。超撥水および超撥油表面を創製するには,表面エネルギーが小さくなるように表面組成を制御するとともに,表面粗さを導入する必要がある。特に階層構造をもった多孔質表面が表面を超撥水化するのに必要となる。
    階層構造表面を形成するために,まず,斜入射マグネトロンスパッタ法(OAD)とアノード酸化法を組み合わせた。アルミニウム上にOADによりサブミクロンサイズのAl-Nb合金カラム構造を得,さらにアノード酸化によりナノボアを導入した。酸化物表面は親水性であるので,現在知られている物質で最も表面エネルギーを小さくできるCF_3基を末端に持つフルオロアルキルリン酸単分子層で表面をコーティングした。その結果,超撥水のみならず,超撥油性までも発現することができた。この研究を通して,超撥油性を達成するには,階層構造を精密に制御する必要があることがわかり,特にサブミクロンカラム間のギャップサイズの制御が重要であることを明らかにした。
    一方,アノード酸化のみにより,階層構造を形成する手法の開拓として,ニオブのアノード酸化を行った。高温のリン酸塩含有グリセリン溶液中におけるアノード酸化により,マイクロコーン上の表面形態をしたナノポーラス皮膜が得られる。このコーンサイズやナノ構造をアノード酸化電圧や電解液中の水分量で制御でき,サイズが大きく,コーンの先端角が小さいほど,水の接触角が大きくなることがわかった。その結果,175°という極めて大きな接触角を持つ超撥水表面を得ることができた。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 21656180
  • 軽金属表面のプラズマ電気化学コーティングによる機能化とそのプロセスの解明
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2010年
    幅崎 浩樹, 伏見 公志, 青木 芳尚
    プラズマ電気化学プロセスは,高温プロセスが使えないアルミニウム,マグネシウムやチタンなどの軽金属の表面に,常温の水溶液中において10~100μm厚さのセラミックスコーティングを形成することが可能なプロセスである。本研究では,酸化膜にできた放電ポアの修復にケイ酸塩水溶液が優れていることを微小電気化学手法を用いて初めて明らかにした。また,高強度で冷間加工性に優れたチタン合金への耐摩耗性・高密着性セラミックスコーティングの形成法を確立した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 19206077
  • グロー放電発光分光法による耐食表面の高分解能解析法の確立
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2008年
    幅崎 浩樹, 伏見 公志
    グロー放電発光分光法(GDOES)がナノ薄膜の迅速分析法として有効であることを示し, 高分解能デプスプロファイルを得るための手法を確立する研究を推進した。まず, 耐海水ステンレス鋼であるSUS312L鋼を用いて, 異なる粒径のアルミナ研磨液を用いて試料を鏡面研磨した。その表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて計測し, GDOES分析における深さ分解能との相関関係を調べた。研磨条件によりステンレス鋼上に生成する大気酸化皮膜の厚さや組成が変化する可能性があるので, 深さ分解能の評価としてその皮膜直下に存在する銅濃縮層を指標として用いた。GDOESプロファイル上の界面濃縮層の銅のピークの半値幅は表面粗さの対数に対して直線的に変化し, 表面粗さの分解能の影響がきわめて大きいことを明らかにした。同じ鏡面研磨でも表面粗さをできるだけ低減することがナノ薄膜の分析において, 高い深さ分解能を得る上で重要であることを示した。
    また, 従来のX線光電子分光法やオージェ電子分光法などの表面分析法では, 感度が低く, 塩化物イオン含有水溶液中で生成した不動態皮膜中の塩化物イオンをGDOESを用いることで検出できた。塩化物イオンは不動態皮膜中の鉄リッチな皮膜外層にのみ存在しており, クロムリッチな皮膜内層には達していないことを示すことができた。
    以上のように, ステンレス鋼の不動態皮膜や大気酸化皮膜のような厚さ2-3nm程度の表面酸化皮膜でも, 十分に表面を平滑にした試料を用いることで, 高分解能, 高感度で分析できる手法を確立できた。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 19656184
  • プラズマ陽極酸化による軽量・高強度チタン合金への耐魔耗性コーティング
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験
    2007年 - 2007年
    幅崎 浩樹
    火花放電(プラズマ)を伴う陽極酸化プロセスにより,通常高温でなければ生成しない硬質なセラミックス酸化物を常温の水溶液中においてチタン合金上に密着性良く生成する。本技術によりチタン合金の耐摩耗性の大幅な改善を目指す。
    北海道大学, 研究代表者
  • チタン機能性表面酸化膜の構造制御と自己規則化
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2006年
    幅崎 浩樹, 伏見 公志, 金野 英隆
    1.自己規則化多孔質アノード酸化皮膜の形成
    多孔質アノード酸化皮膜を形成するための新規電解液としてリン酸塩を含む高温グリセリン溶液を用い,研究を展開した。チタンでは,アノード酸化時の皮膜結晶化に起因するガス発生と皮膜溶解のため,多孔質皮膜は得られなかったが,合金化し,アノード酸化皮膜の結晶化を抑制することで自己規則化多孔質皮膜の形成に成功した。この皮膜はフッ化物水溶液中で得られるナノチューブ状膜ではなく,一般的なアノード酸化多孔質アルミナに近い形態となっていた。この新規電解液と水溶液電解液との違いを明らかにするために,アルミニウムを高温グリセリン溶液中でアノード酸化し,水溶液中と同じように生成電圧によってセルサイズが変化することを明らかとした。
    2.バリア型アノード酸化皮膜の構造制御
    アノード酸化チタニアの結晶化を抑制するために,合金化を行い,結晶化の機構とその抑制法の確立を行った。チタンの場合,結晶化は酸化物が皮膜/素地界面で生成する際に生じるが,合金化すると,この界面での結晶化は抑制されるが,アノード酸化前に存在する大気酸化皮膜を基点として結晶化が進行する。しかし,合金化によって大気酸化皮膜中にも合金元素イオンが存在する場合,酸化皮膜の改質により,結晶化は効果的に抑制できる。
    3.火花放電アノード酸化による硬質膜の形成
    アノード酸化皮膜の絶縁破壊に伴って発生する火花放電を利用して,高結晶性で硬質なアノード酸化皮膜を各種実用チタン材料上に形成した。電解液としてアルミン酸塩を含むアルカリ溶液を用い,チタン酸アルミニウムを主体として硬度が6GPa程度の酸化膜を各種チタン材料に形成できることを示した。生成挙動はチタン材料に依存したが,高電圧までアノード酸化することで,いずれの酸化膜にも同等の酸化膜が生成した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 16360353
  • 配向制御ナノ・マイクロカーボンの液相テンプレート合成
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2005年
    幅崎 浩樹, 金野 英隆
    ポリ塩化ビニル(PVC)と多孔質アノード酸化アルミナテンプレートから液相鋳型炭素化で得られるカーボンナノファイバーの構造について,詳細な検討を行った。まず,600℃の低温熱処理の段階でファイバー軸方向への炭素の層の積層が確認され,PVCがピッチ状になった段階で生成している多環芳香族化合物がface-onの配向を持ってアルミナと相互作用することがこのような配向の生成原因であることが示唆された。
    また,2800℃〜3000℃の熱処理によりカーボンナノファイバーの側面に炭素の層5層程度からなるループの形成が確認され,TEMによる試料の傾斜観察からファイバーの螺旋構造の可能性もあることが示された。
    このような熱処理による構造の変化およびファイバー径のリチウムイオン二次電池の負極特性との関連を検討した。1000℃熱処理した試料の可逆容量が大きく,1500および2800℃熱処理した試料の可逆容量は200mAhg^<-1>程度しかなかった。黒鉛化している2800℃熱処理試料の容量が通常の黒鉛材料(理論容量372mAhg^<-1>)よりもかなり小さいのは,ループの生成が関係している可能性が大である。1000℃熱処理試料では,充放電電流密度を増大させても容量の低下は小さく,特にファイバー径が小さいときに容量の低下が小さくなる傾向が見られた。これは,径を小さくすることでインターカレーションしたリチウムイオンの炭素内での拡散距離が短くなることと対応しているものと考えられる。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 16651053
  • 膨張化グラファイトを基材とするナノ積層構造グラファイト複合材料の合成
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2003年
    金野 英隆, 幅崎 浩樹
    本研究は,油成分に対して非常に大きな収着能を持つ膨張化グラファイトに着目して,これに有機溶媒に溶解した金属錯体,液状有機珪素化合物,金属アルコキシド溶液などを収着したものを大気中低温で熱処理して前駆体とし,それらを不活性雰囲気中で熱処理することによりグラファイト複合材料およびナノサイズの金属炭化物微粒子を合成することを目的とした.
    (1)磁性材料,電磁波の吸収体,触媒などを目的とした複合材料の作製:Ni,Fe,Fe_3O_4などの微粒子を含む材料を合成することができた.特に鉄/グラファイト複合材料では,100nm以下の微粒子状に良く分散した鉄を30%以上含み,強磁性材料として興味ある物性ものが得られた.
    (2)耐高温酸化性炭素材料,高温導電材料,エネルギー蓄積材料などを目的とした,複合材料の作製:非常に薄いSi-C-O系皮膜で被覆されたナノ積層構造グラファイトを作製する方法を確立した.この材料は電気伝導性を持ち,大気中1000℃で20時間以上加熱しても酸化による減量は1%程度である.また,Mn_2O_3,MnO_2などの微粒子を含む複合材料を合成することができ,スーパーキャパシターへ応用できる可能性がある.
    (3)膨張化グラファイトのミクロ空隙を利用した,単一系および多成分系金属炭化物微粒子の合成:低分子量液状有機珪素化合物,金属アルコキシドなどを用い,数100nm以下の微粒子状β-SiC,ZrC,TiC, (Ti,Zr)Cなどを合成できるプロセスを開発した.このプロセスは他の金属種にも拡張することができ,安価な原料を用い,熱処理も簡単で,一工程で微粒子を製造できるという利点があり,工業的に実施できる可能性がある.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 13450279
  • 超高温環境下における耐酸化性ニオブ基合金の創製と耐食機構の解明
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2002年
    幅崎 浩樹
    ニオブ等の耐火金属の合金や複合材料は高温強度に優れることから,次世代の高温材料として期待されているが,高温での耐酸化性に劣ることが問題となっている.ニオブにアルミニウムやクロムを添加すると,耐酸化性は改善するが充分とはいえない。本研究では,ニオブにアルミニウムやクロムなどの耐酸化性の改善に有効と思われる元素を複合添加し,耐酸化性に優れたニオブ基合金を開発することを目的として研究を行った.
    スパッタ法で作製したNb-Al-Cr合金に関する2年間の研究の結果,ニオブを40 at%程度含み,アルミニウムとクロムを同時添加することで耐酸化性が大幅に改善し,1273K以下で酸化は放物線則にほぼ従うようになった。その速度定数は一般的なクロミアを形成する耐熱合金よりも小さな値となった。しかしながら,生成スケールは外層にクロミア,内層にニオブ,クロム,アルミニウムを含む酸化物の混合物であり,最も望ましいα-アルミナスケールは形成しなかった。硫化環境ではNb-Al合金は初期にアルミニウムの優先的な硫化が生じるので,アルミニウムの優先酸化を期待してSO2を含む酸化環境で反応を行った。その結果,40 at%程度のニオブを含む合金では,アルミニウムの優先酸化が起こるようにはなったものの,アルミナは外層スケールを形成することなく,内部酸化層を形成することがわかった。そこで,ニオブをさらにアルミニウムで置換することで,アルミニウムの活量を増大させると,α-アルミナスケールが1073K以上で生成し,耐酸化性は著しく向上した。このようにアルミニウム含有量が多い合金を機械的特性に優れたニオブ基合金へコーティングした場合,相互拡散によるアルミニウムの減少のために,耐酸化性が低下する危倶があるが,本研究では,アノード酸化アルミナを換算障壁層として導入することにより,相互拡散を効果的に抑制できる可能性も明らかとした。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 13650770
  • 二酸化炭素リサイクルによる環境保全およびエネルギー供給のための新機能材料の開発
    科学研究費助成事業
    1998年 - 2001年
    浅見 勝彦, 橋本 功二, 嶋村 和郎, 菊池 迪夫, 川嶋 朝日, 熊谷 直和, 幅崎 浩樹, 浅見 勝彦
    本研究は本研究代表者らが提案している砂漠での太陽エネルギー発電、砂漠最寄りの海岸での海水電解による水素生成、水素と二酸化炭素の反応によるメタン生成、メタン輸送・使用・二酸化炭素回収からなるグローバルCO_2リサイクルのプロジェクトを実現する上で必要な材料を創製することを目的に研究を行ってきた。
    海水電解による水素発生反応用触媒として、ニッケル基板上に作製したNi-MoおよびNi-Mo-O電極を比較し、少量の酸素を含むNi-Mo合金電極は高い活性と耐久性をもつことが判明した。また、Ni-Fe-C電極を種々の条件下で作製し、特性と組成、構造、作製条件などの関係を詳細に調べた結果、50,000A/m^2の高電流密度で加速電解試験を行っても、2年以上水素過電圧はほとんど変わらないこと、高温濃厚NaOH溶液中で電解を停止して数日間の自然浸漬を繰り返しても水素発生過電圧は変化せず、鉄の溶解も見られないことが判明した。
    海水電解による酸素発生反応用触媒として、IrO_2を被覆したTi上にアノード電着によりMoを含むMnO_2型酸化物を被覆し、100%の酸素発生効率を示すアノードの創製に初めて成功した。さらにMoの他にWを複合添加することで特性が著しく向上することを見いだした。また、二酸化炭素のメタン化反応用触媒として、アモルファスNi-Zr合金リボンを酸化還元処理して得られるジルコニア担持ニッケル触媒が二酸化炭素のメタン化反応に対して高い活性を示し、この際に活性が高くなるのは正方晶ジルコニアの生成によることを明かにした。また、この正方晶ジルコニアを安定化させる効果をもつ希土類元素のサマリウム(Sm)を添加した触媒の特性を評価した結果、大きな活性向上が見られた。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東北大学, 10355027
  • 耐食バルクアモルファス合金の創製
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    幅崎 浩樹
    Ni-16at%P-4at%B合金へクロムとニオブ,モリブデンまたはタンタルを添加することにより,銅金型を用いた鋳造により1-2mmの棒状バルクアモルファス合金を得ることができた.アモルファス形成能が大きく,バルクアモルファス合金が得られた組成は,ニオブとタンタルを添加した場合には幅広い過冷却液体温度域を持つ組成とほぼ一致し,過冷却液体状態の安定性とアモルファス形成能の相関に関する従来の報告と対応したが,モリブデンを添加した場合にはその傾向は見られなかった.作製したバルク状アモルファス合金は6Mおよび12M HCl中において自己不働態化し,過酷な腐食環境においても優れた耐食性を備えていることが明らかとなり,その耐食性はアモルファス単相合金が得られる限り,急冷リボン状合金と変わらないことが明らかとなった.しかし,合金組成,試料サイズによってはアモルファス相中にfcc Niが析出し,それは耐食性を低下させた.ただし,そのサイズが2-3nmまで低下すると,その影響はかなり小さくなり,析出する結晶サイズにより耐食性が大きく変化することが判明した.作製したバルク合金のうち,Ni-10Cr-5Nb-16P-4B合金が最も幅広い過冷却液体状態の温度範囲を示したので,このアモルファス合金粉末をガスアトマイズ法により作製し,これをさらに過冷却液体域の708Kにおいてシース圧延することにより厚さ2mmの板材も作製した.このアモルファス構造はX線回折および高分解能透過電子顕微鏡観察により確認された.しかし,濃厚塩酸中における耐食性は鋳造アモルファス合金よりも劣る.1週間濃厚塩酸中に浸漬した試料の表面を観察した結果,圧延材にはもとのアトマイズ粉末の粒子の境界に相当すると考えられる部分が選択的に腐食されていることがわかった.おそらく,圧延のために昇温した際,粒子表面にある厚さの酸化物膜が形成し,その酸化膜あるいはその酸化膜の形成による酸化膜直下の合金組成が変化した領域が優先的に腐食することにより,圧延で得られたアモルファス合金は急冷または鋳造アモルファス合金よりも耐食性が劣るものと考えられる.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 11650731
  • グローバルCO_2リサイクルのための新触媒および新電極の創製
    科学研究費助成事業
    1998年 - 2000年
    浅見 勝彦, 橋本 功二, 菊地 迪夫, 川嶋 朝日, 幅崎 浩樹, GOUDA Venice, SAYED Mousta, 浅見 勝彦
    本研究は砂漠での太陽エネルギー発電、砂漠最寄りの海岸での海水電解による水素生成、水素とCO_2の反応によるメタン生成、メタン輸送・使用・CO_2回収からなるグローバルCO_2リサイクル・プロジェクト実現のための鍵となる材料である触媒および電極をアモルファス合金を前駆体とする触媒ならびにアモルファス合金および酸化物電極として創製し、その性能と耐久性向上を目指したものである。
    アモルファスNi-Zr合金リボンを前駆体とした触媒はCO_2のメタン化反応に対して高い活性を示す。これにSmを添加した合金からの触媒は、正方晶ジルコニアが安定化し、表面金属Niの分散度が高くなり、さらに活性の向上が見られた。ガスアトマイズ法により作製したNi-Zr合金急冷凝固粉末から作製した触媒は従来の含浸法触媒よりも高活性を示すが、アモルファスリボン触媒より低活性であった。Smを5at%添加することにより高活性を実現できた。
    スパッター法で作製したNi-MoおよびCo-Al-Mo合金電極は水素発生反応に対して高い活性を示した。また、下地と堆積膜の密着性が良好なアークイオンプレーティング法により作製したNi-(10〜20)at%Mo-(5〜10)at%O合金電極は電流密度4×10^3A/m^2での水素過電圧が100mVより低く、耐久性も高かった。アノード電着によりMoを含むMnO_2型酸化物をTiに被覆した電極は100%の酸素発生効率を示すアノード電極の創製に初めて成功した。この電極は6価のモリブデンを固溶したγ-MnO_2構造をとり、化学的に均一なナノ結晶を形成することにより高選択性を示す。また、Moの添加はMnO_2の塩素発生に対する活性を著しく低下させ、さらにMoとWを複合添加することで電極電位の減少と耐久性向上を実現した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東北大学, 10044118
  • 非平衡合金を前駆体とする表面制御機能材料の創製と評価
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1999年
    浅見 勝彦, 幅崎 浩樹, 菊地 迪夫, 秋山 英二
    1.非晶質Ni-Zr基二元合金を前駆体として、二酸化炭素と水素を反応させてメタンを生成するためのNi担持ジルコニア触媒を作製し、メタン化触媒としての活性の程度と合金組成、反応温度などとの関係を調べ、Zrを40-50原子%含む場合にメタン化速度が最大であることを確認した。この結果はNi 原子の表面分散度、反応のターンオーバー数および正方晶ジルコニア含有量の合金組成依存性により説明できた。これらの結果をもとに、Sm添加により正方晶ジルコニアの安定化とNi原子の表面分散度を高めることにより触媒活性を高めることに成功した。
    2.スパッタ法で作製したNb-WおよびNb-Mn系二元合金は、それぞれ20〜50原子%Wおよび26〜75原子%Mnの範囲で非晶質合金が得られた。Nb-Mn合金は0.1モルの中性食塩水中ではMn含有量が60原子%以下であれば純Nb程度の高耐食性を示し、Nb-W合金ではWを多量に含む合金は12モルの塩酸中より6モルの塩酸中で腐食がより早く進行した。
    3.スパッター法で作製したCo-20原子%Al合金薄膜は非平衡状態のCsCl型CoAl金属間化合物となるが、窒素中および酸素中での反応性スパッター法で作製すると、それぞれ高周波特性に優れたCo-Al-NおよびCo-Al-O薄膜が生じ、前者はnmサイズのNを固溶したCoの微粒子を絶縁性のAlN化合物が取り囲む構造、後者はnmサイズのCo微粒子を絶縁性Al_2O_3化合物が取り囲む構造となることを明らかにした。
    4.ゾルゲル法で作製したSr-Bi-Ta酸化物は低温で作製した場合は強誘電体特性を示さないが、ある程度の高温での熱処理により強誘電体特性を示すようになるが、その特性は熱処理の雰囲気および温度に大きく依存し、強誘電体特性劣化は表面における化学量論組成からのずれおよび金属状Biの偏析により支配されることを明らかにした。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 東北大学, 09650776
  • 二酸化炭素のメタン化用ガス拡散電極触媒の探索および活性発現機構の研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    1997年 - 1998年
    川嶋 朝日, 幅崎 浩樹
    まず、二酸化炭素の電気化学的還元方法の比較を行った。銅電極を用い、二酸化炭素のパルス電解還元について検討した結果、従来の直流電解還元よりメタンおよびエチレンの生成効率が高く、しかも長時間電解で、より安定であることが判明した。次に、種々の銅合金電極を作製し、二酸化炭素を飽和した0.1モル炭酸水素カリウム溶液中における二酸化炭素のパルス電解還元によるメタンおよびエチレンの生成効率を検討した。そのため、アモルファスCu-Zr,Cu-Ti合金を単ロール法により、また結晶質Cu-Ag合金をスパッター法により作製し、電極とした。液体急冷アモルファスCu-(30,40,60)Zr,Cu-30Ti合金(いずれも原子%)のメタンおよびエチレンの生成効率はいずれも3%以下の低い生成効率を示した。しかし結晶質Cu-Ag合金電極は少量のAgを添加した場合(5-7at%)、純銅電極よりもメタンの生成効率は上昇した。ただし、多量のAg添加はメタンの生成に有害である。一方。エチレンの生成効率はAgを添加しても向上しなかった。また、純Agではメタンおよびエチレンの生成をほとんど示さないが、少量のCuを添加した合金電極では生成効率が上昇した。しかし純銅のそれを上まわらなかった。そこで、二酸化炭素の還元カソードにガス拡散電極を適用した。スパッター蒸着したCu-Ag合金の粉末、カーボンブラック粉末およびテフロン懸濁液を混ぜ、ガス拡散電極を調製した。その結果、カーボンブラックのみから成るガス拡散電極では水素だけ生成するが、Cu-Ag合金触媒を坦持した電極ではメタンおよびエチレンが生成した。電解電流密度はきわめて大きくなるが、メタンおよびエチレンの生成効率は板状Cu-Ag合金電極の場合より低下した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 東北大学, 09650778
  • 耐高温腐食性非平衡合金の創製と耐食機構の解明
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1998年
    幅崎 浩樹
    スパッタ法を用いてアモルファスAl-Nb-Mo三元合金を石英基板上に作製し,その高温硫化および酸化環境における耐食性を評価するとともに,その耐食機構について検討した.まず,Al-Nb-Mo合金の高温硫化は二段階の放物線則に従う硫化挙動を示し,保護性の硫化物スケールが生成し,その中の拡散が律速となることがわかった.定常状態における硫化速度は初期よりも小さく,より保護性の高いスケールが定常状態では生成している.その定常状態の硫化速度はニオブやモリブデン単体よりも小さく,さらにAl-MoやAl-Nb二元合金よりも小さいことが明らかとなった.また,その硫化速度はアルミニウム量がほぼ同じ場合,モリブデンよりもニオブの割合が多いほうが小さくなることも判明した.生成した硫化物スケールの解析を行ったところ,3層からなるスケールが生成していることがわかった.最外層にはAl_2S_3があり,その下に少量のアルミニウムを含むNbS_2,そして最内層は少量のアルミニウムを含んだMoS_2とNb_3S_4からなる.初期の比較的速い硫化はアルミニウムが優先的に硫化し,より保護性の高い高融点金属の硫化物が生成する前にAl_2S_3スケールが生成し,この中の拡散が反応を律速するためである.Nb-Mo二元合金を硫化した場合もNbS_2MoS_2-Nb_3S_4の2層スケールが形成したが,この合金よりもAl-Nb-Mo三元合金の方が高い耐高温硫化性を示したことから,Al^<3+>イオンがドープされたNbS_2/MoS_2-Nb_3S_4スケールはAl^<3+>イオンを含まない同じスケールよりも保護性が高いことが明らかとなった.Al-Nb-Mo三元合金の耐高温酸化性は合金中のアルミニウム量が多くなるほど向上し,直線則から放物線則に従う酸化挙動に変化した.放物線則を示した合金ではスケール表面に保護性の高いAl_2O_3層が生成することで耐酸化性が向上し,Al-21Nb-14Mo合金ではクロミアスケールを生成する耐熱合金に匹敵する耐高温酸化性を示すした.
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東北大学, 09750769
  • 環境浄化用新アモルファス合金触媒の創製と活性発現機構の解明
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1998年
    橋本 功二, 秋山 英二, 幅崎 浩樹, 川嶋 朝日, 浅見 勝彦
    非平衡合金が多種多量の元素を含んでも過飽和固溶体単相となるため、活性と反応選択性を備えるのに必要な種々の元素を組み合わせられることに着目し、環境浄化のための優れた触媒を創製し実用化を図ることを目的として研究した。
    1. 窒素酸化物分解用触媒:窒素酸化物の窒素と酸素への直接分解に対し、アモルファスNi-Ta-Pd合金から生じるPd/NiTaO_6触媒が、900℃までの広い温度範囲にわたり、最も安定に高活性を示すことを見いだした。これを、酸素の存在下でプロパンによる窒素酸化物の還元用触媒として用いたところ、300℃という低い温度でも高い変換率を示した。
    2. フロン分解用触媒:加水分解によってCFC-12をCO_2、HClおよびHFに変換する触媒前駆体として、アモルファスNi-Zr系合金が高活性と耐久性を備えており、リンの添加によって耐久性が著しく増大すること、活性種は分解反応の過程で合金から生じるZrF_2、Zr(F,O)_<2706>,Zr(F,O)_<3.80>などであり、高選択率でCO_2にまで分解できることが判明した。
    3. 二酸化炭素のメタン化触媒:アモルファスNi-Zr合金は、各種貴金属触媒はもとよりニッケル担持触媒や結晶質Ni-Zr合金触媒に比べ、CO_2とH_2の反応において、最も活性が高くほぼ100%メタンを生じる。反応中にアモルファス合金から生じ本来準安定相である正方晶ZrO_2に担持されたニッケルがきわめて高い活性を備えていたため、正方晶ZrO_2を安定化させる希土類金属を含むアモルファスNi-Zr-希土類金属合金が最も活性に富むことが判明した。
    4. 海水電解用水素発生極:二酸化炭素のメタン化に必要な水素を海水電解によって生じる高活性電極を、アモルファス合金を用いて探索し、ニッケルにモリブデンを添加してニッケルの電子状態を修正することによって、白金に匹敵する活性を備えた電極が得られた。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東北大学, 07405032
  • 耐高温腐食アモルファス表面合金の作製
    科学研究費助成事業
    1993年 - 1995年
    橋本 功二, 熊谷 直和, 吉岡 英明, 幅崎 浩樹, 川嶋 朝日, 浅見 勝彦, 秋山 英二
    本研究は、高温の酸化および硫化がおこる環境において、金属材料を保護する表面被覆超耐食アモルファス合金をスパッター法を用いて作製すると共に、あわせてフロンの水蒸気による分解に高活性な触媒となる合金を設計することを目的とした。高温における硫化および酸化に共に耐えるアモルファスAl-Mo、 Al-NbおよびAl-Ta合金、さらにこれらの耐酸化性を改善するためケイ素を添加した合金をスパッター法で作製することができた。特に、アルミナスケールを形成する実用耐酸化合金の酸化速度に匹敵する低い硫化速度の合金が得られたことは、腐食科学史上始めてのことであり特筆に値する。これらの合金に生じる硫化物スケールは、外層が硫化アルミニウム、内層が高融点金属硫化物からなり、内層スケールが硫化に対して優れた保護能力を持つことが判明した。硫化および酸化が起こる高温において、アモルファス合金はアモルファス構造から金属間化合物に変わるが、これが微細であるため、下地からの剥離が起こらず、またケイ素を添加した合金では高融点金属とのケイ化物が生じ、このケイ化物が、対酸化性に優れているため、酸化環境における高融点金属の酸化を抑制する作用があることが明らかになった。これらの合金をオーステナイトステンレス鋼に被覆することによって、高温の硫化にも酸化にも耐える耐高温腐食アモルファス表面被覆合金に関して見通しが得られた。さらに新しいアルミニウム-高融点合金系に広げて研究を継続する。一方、フロンを加水分解して、CO_2、HC1およびHFという安全な無機物質まで分解することは、最も望ましいことであり、この分解生成物の激しい腐食性に耐えて、フロンを分解し続ける触媒を、少量のクロム、モリブデン、タングステンを含むアモルファスNi-Zr合金を前駆体として作製することにも見通しが得られたが、更に寿命の延伸を目標に研究を続ける必要がある。
    日本学術振興会, 試験研究(B), 東北大学, 05555187
  • 耐高温硫化および酸化性新合金の創製
    科学研究費助成事業
    1993年 - 1994年
    橋本 効二, CZACHOR M.J., MROWEC S., 秋山 英二, 川嶋 朝日, 浅見 勝彦, WROWEC S., 幅崎 浩樹
    本研究では金属の耐高温酸化性の改善に最も効果的な添加元素であるAlと耐高温硫化性に優れた高融点金属をスパッター法を用いて合金化し、これらの高温硫化挙動および高温酸化挙動を調べてきた。その結果、これまでにAl-Mo合金およびAl-Nb合金が金属としては極めて優れた耐高温硫化性を示し、耐高温酸化性に関しても著しく改善されたことを報告してきた。しかし、これらの合金の高温硫化における挙動はまだ十分解明されているとは言えず、また、高温酸化に関しても、実用材料として用いるためにはより一層の改善が望まれた。そこで、高温硫化挙動に関してはAlの添加の効果についての解析を、また、耐高温酸化性の改善に関しては第三元素としてSiの添加の効果について検討した。
    Al-Mo合金やAl-Nb合金はMoやNbの硫化物スケールが形成することで優れた耐高温硫化性を示し、その硫化速度は純粋なMoやNbの値をも下回るものだった。その改善の機構については、MoやNbの硫化物にAlが添加されることでこれらの硫化物中の欠陥密度が現象して、合金全体の硫化の進行を抑制されるものと推定された。この場合、Alの添加は微量でも合金の硫化速度に大きく影響することが予想される。そこで、この推測の確認を目的として微量のAlの添加の効果について解析を行った。ここではMoやNbに16at.%以下のAlを添加した合金を作製し、その高温硫化挙動を調べた。その結果、Mo合金では僅かなAlの添加でも硫化速度が急速に減少するのが観察されたのに対し、Nb合金ではAlの添加量に従って硫化速度が緩やかに減少するのが観察された。
    このほか、RBSを用いた硫化後の試料の分析より、Al-Mo合金の高温硫化は純粋なMoの高温硫化と同様に硫黄の内方拡散によって進行することが明らかにされた。また、Al-Nb合金では、Nbに僅かなAlを添加すると表面にできる針状結晶の形態が急激に変化する様子が観察され、その結晶中、さらには表面にできるNb硫化物のスケール中の物質移動にAlが大きく影響していることが推測された。
    以上の高温硫化試験の結果を総合すると、Al-Mo合金の高温硫化挙動に関してはこれまでの推測を概ね裏付ける結果が得られたが、Al-Nb合金に関してはこれまでの推測では説明が不十分であり、今後さらに硫化機構の検討が必要であるものと考えられた。
    高温酸化に関してはAlの添加によって酸化速度が著しく減少した。しかし、その値は一般に用いられているアルミナフォーマ-の合金を上回り、さらに、Al-Mo合金では揮発性のMo酸化物の生成、Al-Nb合金では複酸化物の生成やペスト現象(高温酸化における試料の脆化・崩壊現象)が観察され、より一層の改善が望まれた。そこで、本研究では第三元素に着目し、ここではAlと同様に耐高温酸化性の改善に効果のあるSiを添加することでこれらの合金の耐高温酸化性の改善を試みた。まず最初にAl-Mo合金にSiを添加した合金を作製し、その高温酸化挙動を測定した結果、Siを添加しなし合金では900℃において揮発性のMo酸化物の生成による重量現象を伴った高温酸化が進行してしまうのに対して、6at.%程度のSiの添加で重量減少が抑制され、耐高温酸化性が向上するのが観察された。これは高温酸化が容易に進行してしまうMoを多く含んだAlとMoの金族間化合物の生成が、Siの添加によって抑制されるためと推測された。しかし、Mo濃度の高い合金ではSiの添加の効果も十分に現れなかった。
    高温硫化におけるAl-Mo合金に対するSiの添加の影響についても調べた結果、6at.%Si程度の添加であれば合金の耐高温硫化性は保たれたが、過剰にSiを添加した場合は初期には緩やかであった硫化が途中で急速に進行してしまう現象が観察された。このため、高温硫化においてはAl-Mo合金に対する過剰なSiの添加は有害であった。
    日本学術振興会, 国際学術研究, 東北大学, 05044075
  • 燃料電池および電解用新電極材料表面のin situキャラクタリゼーション
    科学研究費助成事業
    1991年 - 1994年
    橋本 功二, 秋山 英二, 幅崎 浩樹, 川嶋 朝日, 浅見 勝彦
    表面に存在する物質の結合状態と組成を試料を破壊せずに決定できる表面キャラクタリゼーション法として、X線光電子分光法は有効な方法である。この場合、電極材料のように、比較的低い酸化力の環境にさらされている材料表面で、どのような化学種が電極反応に寄与しているかを明らかにするには、反応中の表面を凍結して解析するin situキャラクタリゼーションが必要である。X線光電子分光法におけるin situキャラクタリゼーションは、X線光電子分光装置の超高真空に試料がさらされる前に、試料が大気等によって酸化されることを避けて解析することを意味する。
    本研究はこれを実現するために、電解槽中の電極を大気にさらさずにグローブボックス内に移し、不活性雰囲気中で試料をX線光電子分光装置用トランスファーベッセルに取付る方式を採用した。この結果、当初目的とした通り、大気酸化の影響を受けない電極表面に関する多くの有効な知見を得ることが出来た。
    これには、水素、メタン、エタン、プロパンを燃料とする燃料電池用燃料極、海水電解用水素極および塩素ならびに酸素極、亜硫酸酸化用陽極などの研究が含まれる。アモルファス合金を電極とする燃料電池用燃料極の研究によれば、白金族元素と共にスズの添加が有効であるが、スズを含む場合Sn^<2+>/Sn^<4+>のRedox系が燃料の酸化を加速することを支持するSn^<2+>/Sn^<4+>系の存在が直接確認されたこと、白金族元素と言えども電解後大気にさらすと低次の酸化物で覆われ、電極反応に関与している化学種が特定しにくいが、実際には燃料電池の燃料極および亜硫酸の酸化程度の酸化力のアノード上では、金属状態の白金族元素が直接アノード反応に寄与していることなどを始め、通常行われるex situ キャラクタリゼーションでは観察できない種々の新しい知見が得られた。
    日本学術振興会, 一般研究(A), 東北大学, 03403012
  • 耐高温酸化性と耐高温硫化性を兼ね備えたアモルファスアルミニウム合金の耐食機構
    科学研究費助成事業
    1993年 - 1993年
    幅崎 浩樹, 秋山 英二
    耐高温硫化性と耐高温酸化性を兼ね備えた材料を見出すことを目的として,スパッター法によりアモルファスアルミニウム-高融点合金を作製し,その耐高温硫化性を10^3Paの硫黄蒸気中,耐高温酸化性を空気中で調べた。アモルファスAl-Mo合金の硫化は,放物線則に従い,その耐高温硫化性は金属モリブデンよりも高く,これまで知られている金属材料の中でも最も高いことがわかった。生成したスケールは二層からなり,外層はAl_2S_3,内層はMoS_2が主体であった。また,スケールは硫黄の内方拡散により成長することがマーカー試験により明らかになった。このアモルファスAl-Mo合金が高い耐高温硫化性を示す理由は,内層の主体であるMoS_2へのアルミニウムのドーピング効果によると考えられる。実際,モリブデンへ少量のアルミニウムを添加した場合,その添加量に応じて硫化速度が低下することからも,このことは支持された。
    Al-Mo合金の高温酸化速度は,1123Kまでは,クロミアスケールを形成する合金に匹敵するが,それ以上の温度では,酸化モリブデンの蒸発のため,重量減少が起こり,耐酸化性は充分ではない。このAl-Mo合金にケイ素を添加すると,耐酸化性は1223Kまで典型的なアルミナスケールを形成する合金に匹敵するほどまで向上した。ただし,過剰のケイ素の添加は耐高温硫化性を低下させた。ケイ素の添加のより耐酸化性が向上するのは,Al-Mo二元合金の場合には,高温でAl_8Mo_3とAlMo_3が生成するのに対し,ケイ素を添加した合金ではモリブデンリッチの金属間化合物に代わって,シリコンリッチで,耐酸化性に優れたMo_5Si_3が生成することが最も大きな要因であり,これによりモリブデンの酸化が抑制されたと考えられる。Al-Nb合金は耐酸化性は低いものの,耐高温硫化性はニオブを上回ることがわかった。
    日本学術振興会, 一般研究(C), 東北大学, 05650698
  • 機能性材料表面の創製               
    競争的資金
  • Tailoring of novel materials with surface functions               
    競争的資金

産業財産権

主な担当授業

  • エネルギー材料特論, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 物理化学Ⅰ, 2024年, 学士課程, 工学部
  • 電気化学, 2024年, 学士課程, 工学部