沼田 泰英 (ヌマタ ヤスヒデ)

理学研究院 数学部門 数学分野教授
Last Updated :2025/06/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(理学), 北海道大学, 2007年03月

Researchmap個人ページ

研究者番号

  • 00455685

研究分野

  • 自然科学一般, 代数学

担当教育組織

■研究活動情報

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 超平面配置に関連する離散構造の拡張、深化とその応用
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2028年03月31日
    吉永 正彦, 阿部 拓郎, 石川 昌治, 島田 伊知朗, 辻栄 周平, 徳永 浩雄, 沼田 泰英, 東谷 章弘
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 大阪大学, 23H00081
  • 超平面配置のポアンカレ多項式の根が拓く代数・幾何・組み合わせ論の融合
    科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    2020年07月30日 - 2023年03月31日
    阿部 拓郎, 沼田 泰英, 鍛冶 静雄
    研究計画二年目となる2021年度もコロナ禍の真っただ中であり、限定的な対面打ち合わせしかできない中、オンラインツールなどを積極的に用いて研究計画を推進した。その結果得られた、辻栄周平氏とTan Nhat Tran氏との国際共同研究について説明する。
    グラフとは点と辺からなるシンプルな研究対象であるが、これと対応するグラフ配置の研究は、超平面配置の研究開始以来深く調べられていた。特にStanleyによる、コーダルグラフであることとグラフ配置の自由性の同値性は極めて重要な結果であり、この場合根はグラフに完全除去順序を入れた場合のある種の辺の本数として理解することができる。他方この一般化として、辺に向きを付け頂点に重さを付けた、有向グラフから定まるグラフ配置の研究が近年注目を集めている。その中でも重要な配置として、Shi配置とIsh配置と呼ばれる配置がある。これらの間をつなぐ超平面配置レベルでの自然な変形が存在しており、これらの特性多項式がShi配置Ish配置と同じであることが知られていた。Shi配置、Ish配置どちらも自由であるため、これらの変形も自由であるかどうかが問題となっていた。まずこれらの自由性を示し、更にそれらがグラフの全く新しい変形理論から自然に理解可能であることが分かった。これは頂点に乗った重さとある頂点に入る辺とを交換する操作で、この操作で「特性多項式が保たれること」がわかり、かつある仮定の下で「自由配置に対応するグラフにこの変形を施したものも自由である」ことがわかった。これは根のグラフ理論的理解に対するブレイクスルーであり、この範疇に含まれる配置をさらに研究することで、整数根への理解がさらに進むと期待される。本結果はプレプリントとして公開済みである。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 九州大学, 20K20880
  • パスの数え上げを軸とした表現論的組合せ論の研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2018年04月01日 - 2023年03月31日
    沼田 泰英
    本研究では, ヤング図形やその一般化といった表現論に関連する組合せ論的対象について, 数え上げ組合せ論的見地からの研究を行います. 特に, 既知の数え上げ公式などについて, 広い意味でのLattice path methodによる解釈を与え, 公理化をすることにより, 統一的な証明やより広い対象への一般化を目標としています.
    当該年度においては, Hook Length formulaとよばれる数え上げ公式について着目し, 特に, その公式の全単射による証明を与えるにあたって鍵となる Hillman-Grassl アルゴリズムと呼ばれるアルゴリズムについての研究を進めました. 特に, ヤング図形やその類似物であるd-complete poset と呼ばれる対象の一部にケースバイケースの方法で与えられている一連のアルゴリズムに関して統一的な記述を与えることを目標に研究を進めました.
    対象となっているアルゴリズムを走らせるために十分な条件を公理として課した半順序集合においては, 広い意味でのLattice path methodを用いることで, Hillman-Grassl アルゴリズムの類似のアルゴリズムを構成することが出来ました. また, Swivel と呼ばれるクラスのd-complete posetを含まないようなd-complete posetのうち既約なものについては, 与えた公理を満たすような実現があることを, 具体的に実現を構成することで示すことが出来ました. Swivelを含まないd-complete posetで既約ではないものについては, これらを組み合わせることで実現を与えることが出来ます.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 信州大学, 18K03206
  • 超平面配置の余不変式環論の創成とその表現論・幾何学の新展開
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2016年04月01日 - 2021年03月31日
    阿部 拓郎, 沼田 泰英, 榎本 直也, 吉永 正彦, 村井 聡
    本年度はSolomon-寺尾代数理論を発展させるための結果をいくつか残すことができた。その中でも特に重要な結果は、複素鏡映群に対応する複素鏡映配置の多重配置の代数構造の解明である。実鏡映配置、特にワイル配置の場合は斎藤恭司氏や寺尾宏明氏らにより深く研究がなされていたが、複素鏡映配置については統一的な研究はなされていなかった。その大きな理由は、実の場合に極めて強力な解析ツールであった斎藤の原始微分が、複素鏡映の場合にきちんと定式化されていない点にあった。近年この点が、Gerhard Roehrle氏らの研究により大きく発展したことを受け、吉永正彦氏、Roehrle氏及びChristian Stump氏らと、well-generatedな複素鏡映配置に良い重複度を載せた場合の自由性について研究を行った。これは二つのパートからなる。まず第一に、各超平面にその複素鏡映の位数だけ重複度を載せたものの周辺にある多重複素鏡映配置の自由性を特徴づけることに成功した。第二に、well-generatedな場合の複素鏡映配置に対する、斎藤のHodge分解の構成に成功した。これらの結果から、実の場合の結果で齋藤のHodge分解などにおいて、本質的になにが重要であるかが明確になった。
    更にこの結果から、実鏡映配置を基礎として、イデアル配置のSolomon-寺尾代数と正則冪零ヘッセンベルグ多様体との間にコホモロジーのレベルで関係がついたことを踏まえれば、この複素鏡映配置に関する結果を用いることで、同様の関係が存在するクラスが複素レベルで発見されることが期待される。また、ワイル配置に対するSolomon-寺尾図式の幾何学的表現論的理解を、複素鏡映配置のレベルまであげるための基礎的な情報としても、本結果は重要な意味を持つ。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 九州大学, 16H03924
  • 代数トポロジー的データ解析の地理学への応用に関する研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2016年07月19日 - 2019年03月31日
    沼田 泰英, 武者 忠彦, 田中 康平
    本研究では, 代数的トポロジー的な解析手法を用いて地理データ (GISデータ) を解析することを主たる目的としている. その解析に必要となる代数的トポロジーの理論および技術や, 地理学の視点からの問題抽出などについて, 周辺分野の研究者も巻き込み議論を行うと共に, 実際に地理データに関し計算代数トポロジー的な解析手法を適用することが目標であった.
    当該年度においては, 数理経済談話会というセミナーを6回行い, 関連するもしくはこれから関連する周辺分野の研究者を招聘し概説及び研究動向について講演してもらい, 関連する話題について議論を行った. 扱ったテーマは, 応用を視野に入れた統計分野の話題から純粋数学の組合せ論の話題まで幅広く, 様々な視点から活発な議論を行うことができた.
    これらの議論で得た知見を参考に, 国土交通省がインターネット上で公開している地理データ (GISデータ) について, 計算機による代数的トポロジー的解析を試みた. 特に, パーシステントホモロジーを用いた解析を試みた. 特に, 対象とする地理的範囲を動的に変更するなどの手法を試行錯誤した. ここで行った解析結果, つまり, 得られたパーシステント図に関する情報, および, それらをもとにメタデータを分類した結果については, 今後公開予定である.
    また, 田中は, 単体複体の一般化として有限でサイクルのない小圏とΔ復体についての理論研究を進めた. 特に, ホモトピー論について考察し, strongly collapsiblity の特徴付けを与えた. この研究成果については論文として発表済みである.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 信州大学, 16KT0131
  • マッチングの組合せ論とその応用
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2013年04月01日 - 2017年03月31日
    沼田 泰英
    本研究では, グラフのマッチングと呼ばれる組合せ論的対象を中心に, 数え上げ組合せ論の手法を用いて研究を進め, 組合せ論に関連するいくつか研究成果を得ました.
    直接マッチングに関連する研究成果としては, 既約ピタゴラス数をマッチング数と呼ばれる不変量で実現するようなグラフの三つ組の構成について, ある条件の下ではただ一組しかないことを示しました. また, 直接マッチングには関連しない周辺分野においては, ヤング図形の組合せ論的性質に関していくつかの研究成果を得ました.
    日本学術振興会, 若手研究(B), 信州大学, 25800009
  • 小圏のコホモロジー論によるアソシエーションスキーモイドの研究
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    栗林 勝彦, 松尾 健太郎, 百瀬 康弘, 花木 章秀, 沼田 泰英
    代数的組合せ論の研究対象であるアソシエーションスキームは、圏論的観点から一般化され(擬)スキーモイドが導入された。亜群の圏と細スキーモイドの圏との同値が示された後、擬スキーモイドの圏にホモトピー関係が導入され、さらに小圏の作る2-圏が擬スキーモイドの2-圏に埋め込まれることが示された。圏論的表現論に関しては, Mitchellの埋め込み定理が従順スキーモイドに対して証明され、この結果を用いて、スキーモイドに付随するある関手圏上の鎖複体がつくるアーベル圏にモデル圏構造が入ることを示した。また、二進コードのHammingスキームは位数2の巡回群とスキーモイドの圏で森田同値になるという結果を得た。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 信州大学, 25610002
  • 教具の作成を通した数学教育の試み               
    理科/環境教育助成
    2008年11月 - 2009年11月
    日産科学振興財団, 稚内北星学園大学, 研究代表者
  • アフィントーリック多様体上の微分作用素環とその応用
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2006年 - 2008年
    齋藤 睦, 山下 博, 柳川 浩二, 島田 伊知朗, 沼田 泰英, 柳川 浩二, 島田 伊知朗, 沼田 泰英
    アフィントーリック多様体上の(アフィン半群環の)微分作用素環D の構造及びその(微分作用素の)階数による次数環 Gr(D) の構造の研究に関しての構造の研究に関して大きな進展があった。まず, いつもDは右ネターであることを示した。次に左ネター性についてであるが, 左ネターであるための或る十分条件、或る必要条件を与え, さらに、必要十分条件を予想した。また、クリティカル D-加群の特徴付けを行い, 単項生成の場合の分類を行った。さらに、Gr(D) がネター環のとき、 Gr(D) の素イデアルを記述した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 18540002