白水 浩信 (シロウズ ヒロノブ)
教育学研究院 教育学部門 教育学部門教育基礎論分野 | 教授 |
Last Updated :2024/12/10
■研究者基本情報
Researchmap個人ページ
研究者番号
- 90322198
J-Global ID
■経歴
経歴
学歴
委員歴
- 2022年10月 - 現在
教育史学会, 教育史学会70周年記念誌編集委員会 - 2022年09月 - 現在
教育史学会, 理事, 学協会 - 2019年09月 - 現在
教育史学会, 国際交流委員, 学協会 - 2020年09月 - 2022年09月
教育史学会, 機関誌編集委員, 学協会 - 2019年09月 - 2022年09月
教育史学会, 理事, 学協会 - 2020年03月 - 2021年09月
教育史学会, 機関誌書評委員, 学協会 - 2016年10月 - 2018年09月
教育史学会, 機関誌編集委員, 学協会 - 2016年03月 - 2017年10月
教育史学会, 機関誌書評委員, 学協会 - 2016年03月 - 2016年09月
日本教育学会, 第75回大会実行委員, 学協会 - 2012年03月 - 2013年09月
教育史学会, 機関誌書評委員, 学協会 - 2005年10月 - 2006年10月
教育史学会, 会員調査ワーキンググループ, 学協会
■研究活動情報
論文
- Disciplinaの系譜学―サン・ヴィクトルのフーゴー『修錬者の教導』を読む
白水 浩信
北海道大学大学院教育学研究院紀要, 139, 1, 68, 2021年12月24日, [筆頭著者], [国内誌]
日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 『ディダスカリコン』で知られるサン・ヴィクトルのフーゴーは、修道士志願者向けの生活指南書、『修錬者の教導(De institutione nouitiorum)』をも著している。本史料は修錬者の態度、話し方や立ち居振舞い、衣食といった日常生活の隅々にわたって、いかに振舞うべきかについて詳細に扱ったものである。中世を代表する教導の書と評される本書は、「中世文明が教育という観念をもたないでいた」というアリエス・テーゼに一石を投じうる史料と見做される一方、本書を貫いているのはeducatioではなくdisciplinaであることも看過できない。本稿は本史料の礎石に据えられたdisciplinaという語に着目し、その用法・関連語彙を古代ローマ喜劇からキケロ、セネカを経て、初期キリスト教における聖書翻訳、教父神学を踏まえながら、中世盛期のdisciplinaに領導された教育論の世界がいかなる視座のもとに展開され、どのような教育史的意義を有するものかについて検討するものである。近代以降、このdisciplinaによって領導された《教導的なるもの》の思惟と実践は修道院から家族や学校へと舞台を移し、educationを僭称するに至ることについても議論を展開した。, 30162516 - Mens sana in corpore sano ―教育とスポーツの関係史再考―
白水浩信
日本の教育史学, 63, 129, 131, 2020年10月01日, [招待有り], [筆頭著者]
日本語, 研究論文(研究会,シンポジウム資料等) - educationの初出 ――ヴァンサン・ド・ボーヴェ『貴族の子らの教養』フランス語訳
白水浩信, 寺崎弘昭
北海道大学大学院教育学研究院紀要, 136, 93, 118, 2020年06月, [筆頭著者]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 30162516 - 教育言説揺籃期のéducationなき教育論―ジャック・アミヨとプルタルコス『子どもの教育について』
白水 浩信
『思想』(岩波書店), 1126, 31, 43, 2018年02月, [招待有り], [筆頭著者]
日本語, 研究論文(学術雑誌), educationの原義は引き出すことであるというが、それはラテン語educereを原義と見做す基本的誤解に基づく。なぜこうした錯誤が生じたのかについて検討すべく、擬プルタルコス『子どもの教育について』をフランス語訳した、16世紀のジャック・アミヨの訳業を精査した。古典ギリシア語で「養うこと」を意味したトロフェーと「導くこと」を意味した「アゴーゲー」が同じフランス語nourriture(養育)によって訳出されているケースがあることが判明し、本来、トロフェー(養い)の一般的訳語であったeducatioとnourritureが、次第にアゴーゲー(導き)の語義でも用いられていく用法の拡大の端緒を指摘するに至った。16世紀の古典の受容・翻訳において、éducation言説の変質・旋回が生じており、それ以前のヴァナキュラーな語彙と一線を画していることが解明された。 - ラテン語文法書におけるeducareの語釈と用例―ノニウス・マルケッルス『学説集』とエウテュケス『動詞論』を中心に
白水 浩信
北海道大学大学院教育学研究院紀要, 126, 126, 139, 154, 北海道大学大学院教育学研究院, 2016年06月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 近年の研究の進展により,‘education’を「引き出すこと」とする教育学神話から離れて,語の本来の歴史が解明されつつある。‘education’とはラテン語educere(引き出す)ではなく,人間,動物,植物にまで用いられたeducare(養い育てる)に由来する。本研究はeducareの用例を古典ラテン語文献に求め,用いられた文脈,語義を明らかにすることを目ざすものである。
本稿では,ラテン語文法書におけるeducareの語釈に焦点を絞って検討する。ノニウス・マルケッルス『学説集』とエウテュケスの『動詞論』を取りあげる。これらは中世においてラテン語文法の教科書として利用され,重要な史料である。両者ともに,educareをnutrire(栄養を与える)として理解している点は特筆すべきである。また,古代末の文法学者がeducareをeducereと区別していた点は強調されてよい。 - 知育と徳育の断絶をこえて
白水 浩信
北海道大学教職課程年報, 5, 37, 56, 2015年03月
日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 西洋思想の伝統においては、「道徳(moral)」観念は習慣(habit)あるいは慣習(custom)と不可分のものである。本稿では習慣形成としての道徳教育という立場を批判し、いかにして克服することができるかについて論じた。その際、知育と分断されてきた徳育の教育思想史的意義について解説し、既存の道徳的諸価値を強制するのではない、知的反省(reflection)に導く道徳教育、「考える道徳教育」について提唱した。 - Welfare Complex, Sosu Asahi-no-oka: Facility of people “snuggling up" to each other
白水 浩信
Senri Ethnological Studies, National Museum of Ethnology, 80, 33, 52, National Museum of Ethnology, 2013年, [査読有り]
英語, 研究論文(学術雑誌), 沖縄県にある、高齢者福祉と保育所が融合した複合福祉施設を現地調査し、その報告を英訳し、投稿後、採択されたものである。(著書1)の通り、少子高齢化に伴い、過疎に悩む地域の今後の福祉のあり方を考える上で、高齢者と乳幼児が寄り添う、福祉と教育が協生する形で運営されている本施設の意義を英語で解説し、海外に発信した。また、本施設が廃校利用の試みである点も特筆した。こうした沖縄でのユニークなウェルビーイングのあり方を海外に発信する意義ある論文と評価され掲載された。 - アメリカにおける精神衛生運動と教育―アドルフ・マイヤーの精神衛生論を手がかりに
楊 鋥, 白水 浩信
神戸大学大学院人間発達環境学研究科『研究紀要』, 5, 2, 47, 54, 神戸大学大学院人間発達環境学研究科, 2012年03月, [査読有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 本稿では、20世紀初頭に生じた精神衛生運動の基本的性格を明らかにし、その歴史的意義を規定しようとした。先行研究も指摘しているように、精神衛生運動は進歩主義教育運動とも深く関わっており、教育言説を「人格発達」を軸とした言説へと転換させた契機であり、教育の医療化の展開を理解するための重要な手がかりになる。その端緒として、本稿では、精神衛生運動の指導者であり、アメリカの精神医学に新たな指針を与え、現代まで影響を及ぼしているアドルフ・マイヤー(Adolf Meyer)を取り上げた。マイヤーが「精神衛生」の理念を提唱することによって「精神衛生運動」を推進し、その一方、学校教育についても大いに発言しながら、精神医学と教育との連携を図ることによって精神衛生という見地に立った人間形成を正面から論じていることが明らかとなった。 - 教育・福祉・統治性―能力言説から養生へ
白水 浩信
日本教育学会『教育学研究』, 78, 2, 50, 60, 2011年06月, [査読有り], [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 本稿は、教育(education)の原義を能力を引き出すこととする語源解釈から福祉との連携を図る言説を批判的に検証するものである。人間をその能力において把捉し、国力の増大、社会的福祉の増進を目指そうとする統治言説の系譜は、西洋では近代ポリス論にまで遡りうる。教育と福祉を接合するこの基本的視座を克服すべく、教育の語源を歴史的に再検討し、それが食に支えられた養生の営みであったことを明らかにする。 - 教育・福祉・統治性 : 能力言説から養生へ(<特集>教育・福祉・労働-ボーダーレス化の中での教育学の役割)
白水 浩信
教育学研究, 78, 2, 162, 173, 一般社団法人 日本教育学会, 2011年
日本語, 本稿は、教育(education)の原義を能力を引き出すこととする語源解釈から福祉との連携を図る言説を批判的に検証するものである。人間をその能力において把捉し、国力の増大、社会的福祉の増進を目指そうとする統治言説の系譜は、西洋では近代ポリス論にまで遡りうる。教育と福祉を接合するこの基本的視座を克服すべく、教育の語源を歴史的に再検討し、それが食に支えられた養生の営みであったことを明らかにする。 - Well-being beyond Police Technology: A Brief History of the Governing Mentality
白水 浩信
MINPAKU: Anthropology Newsletter, 29, 5, 6, 2009年12月, [招待有り]
英語, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 国立民族学博物館の英文広報誌、MINPAKUに応募者の研究を紹介する記事を執筆した。今日、ますます幅を効かせるようになっている近代的統治の出現にあたっては、18世紀前後に遡る近代ポリス論という確固とした行政実務論の展開が存在したことをトピックとして解説した。 - 高齢者の自立と交通
白水 浩信
国立民族学博物館機関研究 プロジェクト「ライフデザインと福祉(Well-being)の人類学―多機能空間の創出と持続的活用の研究」, 67, 68, 2009年03月
日本語, 研究論文(研究会,シンポジウム資料等) - 「かにばば」と胎毒 : 近世産育書における「胎毒」観の変遷に関する一考察
島野 裕子, 白水 浩信
神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要, 1, 1, 91, 1000, 2007年11月, [査読有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 本稿では、近世産育書における「胎毒」観に関する研究として、「胎毒」と「かにばば(ここ)」に焦点をあてた。「胎毒」とは、子どもの病の原因となる重要な概念であり、出生直後の子どもに対する世話が依って立つ基本的視座になっていた。産育書の中において人びとは、子どもがこの「胎毒」が原因となって「病」になることを恐れ、産まれた直後から非常な注意を傾けていたのである。本稿では、千村拙庵『小児養生録』(1688)、苗村常伯『女重宝記』(1692)、香月牛山『小児必用記』(1715)、岡了允『小兒戒草』(1820)、平野元良『病家須知』(1867)、石田鼎貫『小児養育金礎』(1813)を主な史料としてとりあげ、著者たちが「かにばば(ここ)」と「胎毒」をどのように関連づけ、子どもを「胎毒」から守ろうとその啓蒙に努めたのかを分析した。 - 教育史学会会員調査
増井三夫, 松岡律, 柏木敦, 白水浩信, 新保敦子, 橋本伸也, 羽田貴史
教育史学会『日本の教育史学』, 48, 158, 172, 2005年09月
日本語, 研究論文(学術雑誌) - 近代統治論とその人間形成観 - 教育・人間・ポリス
白水 浩信
神戸大学発達科学部『研究紀要』, 11, 1, 11, 28, 神戸大学発達科学部, 2003年09月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 近代行政実務論の嚆矢とされる近代ポリス論における教育観、人間観を明らかにした。ポリス論はとりわけ人間の精神(道徳・習俗)の状態、身体(医療・衛生)の状態を国家統治という観点から重視し、顕著な人的資源論として展開した。宗教、習俗、衛生、治安と併置される形で教育がポリス領域として位置づけられていたのはそのためであり、しかもポリス論それ自体が家族=国家論に立脚するパターナリスティックな国民教化論であったことが明らかにされた。 - 近代ポリス論における教育理念形成に関する歴史研究
白水 浩信
科学研究費補助金研究成果報告書, 全180頁, 2002年03月
日本語, 研究論文(その他学術会議資料等), 18世紀フランスを中心に、教育と社会統治との関係を具体的に示す史料を網羅的に収集し、その精緻な読解を通じて「ポリス」という固有の理念、実践がいかなるものであったかについて明らかにした。近代教育の成立という出来事(event)は、救貧、衛生、治安といったポリス的諸配慮間の類縁性、連携によって惹起され、近代教育はポリス的性格を刻印された特異な性格を帯びたものとして出立する。ポリスという新たな行政実務領域のなかで、教育的配慮がいかに再編され、救貧、衛生、治安といった隣接諸領域にとっていかなる作用を与えていったのかについて、歴史的に考察した。 - ヘーゲル『法哲学綱要』における教育-「市民社会の息子」とポリツァイ
白水 浩信
神戸大学発達科学部教育科学論講座『教育科学論集』, 6, 6, 45, 53, 神戸大学, 2002年03月
日本語, 研究論文(学術雑誌), ヘーゲル『法哲学綱要』、「市民社会」の部分で展開されている「ポリツァイ」に関する節を分析し、そこで「教育」が語られていることの歴史的意義について検討した。福祉行政と訳出されてきた経緯のある「ポリツァイ」とは、まずは市民社会の秩序を下支えする行政実務論の母胎と見なすことができ、「事前の配慮」の総体であると語られている。そこでは、社会と市民の関係が親子関係になぞらえられ、「市民社会の息子」という表現に端的に示されるように、「ポリツァイ」によって市民は扶養・教育され、教育国家論の性格が顕著に認められる。 - 西欧ポリス論における近代教育の生成-ポリス・衛生・教育
白水 浩信
博士論文, 全174頁, 2001年11月, [査読有り]
日本語, 学位論文(博士), 本研究は、17・18世紀ヨーロッパにおいて発生し展開した〈ポリス(police)〉から近代教育が生成してきた事実を重視して、〈ポリス〉のなかで教育がいかなるものとしてあったかを明らかにしようとしたものである。近代教育の生成をその生成の場たる〈ポリス〉という全体図柄の中に戻して再考しようとした最初の本格的研究であり、とりわけ浩瀚なドラマール『ポリス論』を初めて正面から分析し、近代教育の原像が福祉・衛生・治安などと緊密に結びついていたことを鮮明にすると同時に〈ポリス〉の教育国家論的性格を抽出した、貴重な成果である。 - ポリス論の受容と教育的統治の生成-後藤新平『國家衛生原理』を中心に
白水 浩信
神戸大学発達科学部『研究紀要』, 8, 1, 49, 67, 神戸大学発達科学部, 2000年09月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 明治期、日本におけるポリス論の受容に関して後藤新平『國家衛生原理』を主史料に据えて分析した。後藤新平は黎明期の日本の公衆衛生行政にあって、その上司、長与専斎とともに注目される人物であり、若き日の後藤が明確に「警察(ポリツァイ)」という理念でもって、公衆衛生事業を捉えていた点は特筆に値する。進化論の影響が認められる後藤の議論からは、狭義の医療・衛生制度の整備のみならず、広く社会・法・教育にいたるまで「衛生」ととらえて配慮する傾向が顕著である。 - 統治技術から人類学へ(コメント)
白水 浩信
日本民族学会『民族学研究』, 64, 4, 521, 523, 日本文化人類学会, 2000年03月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 日本民族学会(現文化人類学会)の研究発表「統治技術から人類学へ」を承けて、その成果を学会誌に掲載した。文化人類学が犯罪者や植民地における先住民等を特定する顔面角測定等の自然人類学に起源を持つ統治技術であることを明らかにし、学の生成のもう一つの歴史に注目した。 - 18世紀における子どもの性と教育的配慮-英・仏のマスターベーションについての教導書を中心に
白水 浩信
教育史学会『日本の教育史学』, 41, 213, 231, 教育史学会, 1998年10月, [査読有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 教育における性の問題に歴史研究としてアプローチすべく、イギリスの匿名著者による『オナニア』(1710)とティソーの『オナニスム』(1760)を分析した。これらは19世紀に繰り広げられる様々な反マスターベーション戦略の起点に位置する文献である。子ども・青年の性に対する教育的配慮の形成において、「教育学そのものの医療化」、「自尊心の称揚とその過剰への懸念」、「子どもの性という発明」といった三つの契機が関与していることを指摘し、これらは相互に連携し、〈予防〉という配慮において子ども・青年の性の主題を教育的配慮の一つとして編成していった点を明らかにした。 - 書評 鈴木七美著『出産の歴史人類学』
白水 浩信
大人と子供の関係史研究会論集, 3, 109, 111, 1998年09月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 鈴木七美『出産の歴史人類学』に関する教育史研究という立場からの書評である。教育史は学校制度史という既存の枠組みを越えて、産育史にまで視野を広げることの画期的意義、文化人類学研究との連携の可能性について論評した。 - 翻訳 ブシェ・ダルジ「ポリス」-『百科全書』より
白水 浩信
東京大学大学院教育学研究科教育学研究室・研究室紀要, 24, 75, 84, 1998年06月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 18世紀フランス啓蒙思想の集大成、『百科全書(Encyclopédie)』(1751-1780)における項目「ポリス」を訳出したものである。法学関連の項目記事を多く執筆したことで知られるブシェ・ダルジ(Boucher d'Argis)によるこの項目は、二部構成になっており、第一部が古代から紐解かれるポリス史であり、第二部が18世紀フランスのポリス実務概略となっている。特に第二部には、習俗・衛生・治安・救貧といった多岐にわたるポリス業務の一つとして、明確に教育もまたその射程にあるものとして数え上げられている。ポリスと教育の関係を考察する上で興味深い歴史的証言だと言えよう。 - 18世紀フランスにおけるポリスと教育-N・ドラマールとその周辺
白水 浩信
日本教育学会『教育学研究』, 65, 2, 11, 20, 1998年06月, [査読有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), フーコーが重視するポリスの理念と実践について、彼自身が用いた史料、N・ドラマール『ポリス概論』を実際に手に取りその再検証を行った。その際、ポリスと教育の思想史的連動を理解する上でJ・J・ルソー、モンテスキューらの見解をも参照し、ポリスは18世紀政治・教育思想史上特筆すべき理念であることを指摘した。さらにまたポリスと教育との関係は現実の行政実務においても看過できないものであり、学校運営・青少年犯罪・乳幼児保護をめぐって、明確に教育をも射程においたポリス実務が展開していた点をも実証した。 - Police and Education in the 18th Century France : N.Delamare and his Successors
白水 浩信
教育学研究, 65, 2, 131, 140, Japanese Educational Research Association, 1998年
英語, 本稿は18世紀フランスにおけるポリスと教育に関する歴史研究である。アンシャン・レジーム期のポリスは、今日とは異なり、周縁的問題-不道徳、不衛生、貧困等-のすべてを扱っていた。M.フーコーはしばしばその重要性を強調していたが、教育史研究においてポリスはまったく無視されてきた。たとえ教育をポリスとして扱ったとしても、往々にしてそれは、充分な史料もないままに規律と誤解されてきたのである。本稿は、J.-J.ルソー、モンテスキュー、N.ドラマールらのポリスについての著名なテクストを検討することで、ポリスを具体的に明らかにしていくものである。 まずポリスの概念を、18世紀フランスのルソーや、モンテスキューの政治論に求めていくことにする。ルソーがポリスという語をしばしば用いたことや、モンテスキューが『法の精神』の一章をポリスに充てていたことは、面白いことに、伝統的歴史家にもフーコーにも知られていない。例えばルソーは、ポリスが子供の教育のようなものだと言っており、あるいはモンテスキューによれば、ポリスに関する事柄は取るに足らないことすべてとされ、しかもそれらは法ではなく規制によって迅速に処理されねばならないものとされていた。これらはポリスに関する重要な証言である。 加えて、ドラマールの著作を用いながら、ポリス行政の実態を検討することにする。ニコラ・ドラマール(1639-1725)はポリスに携わる専門的役人であった。その『ポリス概論』(1705-1719)はポリスの実像を知る上で最も興味深い史料である。ドラマールは、ポリスが人々をその人生において最も幸福にするすべての些事を目標とするものだと主張する。そしてそのために多くの事柄をポリスの対象として定めていった-宗教、習俗、健康、食糧、治安、道路、学問、商業、工場、家政そして貧民。ポリスのこうしたカテゴリーには教育もまた含まれた。コレージュ、慈善学校、乳幼児管理、封印令状。これらすべてはポリスの対象であったのである。 コレージュはあまりに危険な状態にあったので、ポリスは騒動防止のためにコレージュを監視した。慈善学校もまた、生徒たちばかりでなくその親たちによって多くの障害が生じていた。教師たちは、しばしば授業中に、親たちに侮辱され、脅迫され、襲撃されたわけであり、ポリス令は彼らに重い罰金を科していった。そして乳幼児の管理はポリスにとって最も重要な問題であった。パリでは孤児と乳母不足が社会問題となっており、ポリス総代官は、1769年、乳母のための公的機関を設立した。さらに封印令状を処理することもまたポリス総代官職の任務であった。多くの家族がこの令状によって自らを厄介者から保護してもらえるよう、ポリスに嘆願していたのである。 教育がポリスの対象であったことは強調されなければならない。ポリスの下におかれた教育行政は、救貧や公衆衛生、犯罪予防といったさまざまな局面から配慮されていたのである。ポリスは教育を、社会福祉を増進するトータルな統治の一部として考えていたわけである。その上、この歴史のなかで、家族は教育による社会防衛の主要な活動の舞台となっていった。いかに些細な混乱といえども家族から除去されねばならない。なぜなら社会的混乱は家族からはじまるのだから。家族の至福こそ、個人生活のみならず社会生活にとって本質的なものである。ポリスとしての教育は、社会的周縁性に対抗すべく家族に戦略を集中した。つまり家族は、ポリスにとよって、道徳や健康、富で満たされなければならなかったのである。 - 人口・衛生・教育-J・P・フランクを中心に
白水 浩信
東京大学大学院教育学研究科教育学研究室『研究室紀要』, 23, 23, 33, 1997年06月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 従来、言及されるのみで史料に即した本格的研究を欠いてきた、ヨハン・ペーター・フランク『医療ポリツァイ』(1779-1827)を、その章構成一覧などを提示しながら丹念に紹介し、フランクの公教育論についてもふれ、公教育における子どもの欲求の活用を通して学校の医療化が進行した点を詳述した。その際、フーコー〈生-権力論〉を援用しつつ、近代ポリス論における統治の合理性の特徴を抽出した。すなわち、教育や健康に対する欲求や快楽をもとに諸個人のアイデンティティを形成する過程と、これを社会的に保障しながら政治的全体性へと統合する過程の相互干渉こそ、ポリス論の核心に位置づく合理化の源泉なのである。 - J・P・フランク『医療ポリツァイ』と家族の実践-官房学における人口と産育
白水 浩信
科学研究費補助金研究成果報告書(研究代表者:寺崎弘昭), 35, 51, 1997年03月
日本語, 研究論文(その他学術会議資料等), 従来、言及されるのみで史料に即した本格的研究を欠いてきた、J・P・フランク『医療ポリツァイ』(1779-1827)を、その章構成一覧などを提示しながら丹念に紹介し、近代医療制度構想にとって人口論と産育論がどのように結合していたかを考察した。そこでは人口産出の場としての家族生活が詳論され、特に出産・養育・公教育における医学の責務がひときわ力説されていた。この人口論と産育論との交点たる医療ポリス論にこそ、近代教育思想の医学化の契機を求める必要がある点を強調した。 - 近代ポリス論における教育・序説-社会という幻想・個人という妄想
白水 浩信
東京大学大学院教育学研究科教育学研究室『研究室紀要』, 22, 57, 65, 1996年06月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 18世紀西欧に成立した統治論の一形態、ポリス論を分析する基本的視座を提示した論稿である。ポリスの重要性はヘーゲル『法哲学綱要』のなかでも述べられており、教育はその一環とさえ言われている。このポリスの基本的性格とは、(1)個と共同性の相補的関係を重視すること、(2)医療や教育を通して、人的資源すなわち生そのものを統治しようとしたこと、(3)諸個人の欲求を社会的なものとして再編・活用する<欲求の政治学>として現出する点に求められる。近代教育とはこうした生(bios)を醸し出すポリス的権力装置の一つとして捉えられるのである。 - N・ドラマール『ポリス概論』と「教育」-18世紀フランスにおける統治理論と家族
白水 浩信
東京大学大学院教育学研究科『紀要』, 36, 81, 90, 1996年06月
日本語, 研究論文(学術雑誌), 近代行政学の祖型とも言える、フランス・ポリス学の集大成、N・ドラマール『ポリス概論』(1705-1738)を分析した。総頁数二千頁を越えるこの浩瀚な書物は、古代から18世紀にいたる広大なポリス領域-宗教、習俗、健康、食糧、治安、学芸、商工業、使用人、道路、貧民-を網羅する興味深い史料である。本稿では、その総論部分における教育観、家族観、子ども観を中心に分析を加えた。「家族は国家の苗床である」という記述からも分かるように、近代ポリス論とは家族=小国家という思想に貫かれた教育国家論そのものであり、「不寝番」に示される細心の注意と懲治をその広範な領域すべてに行き渡らせようとした教育的機能を行政の柱に据えた議論なのである。 - 独身者のユートピアと近代家族
小松 佳代子, 白水 浩信
大人と子供の関係史研究会論集, 1, 166, 167, 1994年07月
日本語, 研究論文(学術雑誌), J・ベンサムの描いた自立した個人からなる市民社会とは、究極的には独身者からなるユートピア社会の構想であり、家族を基礎単位とする市民社会像をも解体するのではないかとの問題提起をおこなった。 - 近代ポリス論における教育の位相-E.Chadwickを手がかりに
白水 浩信
東京大学, 全120頁, 1994年03月
日本語, 学位論文(修士), 15世紀頃から18世紀にかけて用いられた西欧諸語におけるポリス(police, Polizei)とは、今日の「警察」という概念からは想像することもできない広範な領域に関わるものであった。まずはドイツ官房学を中心に、その理念史的展開を検討し、ドイツ・ポリツァイ学が、福祉の増進と危険の予防という二つの配慮のうちに〈教育〉をも包含するものであった点を突きとめた。このような議論はドイツにのみ見受けられるものではなく、自由主義的伝統から福祉国家的ポリツァイに批判的だったイギリスにおいてさえ確認しうるものである。そこで救貧法改革、公衆衛生立法に深く関わった行政官E・チャドウィックの議論を近代ポリス論と教育との関係という見地から分析した。
その他活動・業績
- 小山静子・小玉亮子編著、比較家族史学会監修『家族研究の最前線③子どもと教育―近代家族というアリーナ』
白水浩信, 比較家族史研究, 34, 116, 119, 2020年03月, [招待有り], [筆頭著者, 最終著者, 責任著者]
書評論文,書評,文献紹介等 - からだとこころを捉える―サマーセミナー雑感
白水 浩信, 日本教育史往来, 230, 9, 10, 2017年10月
日本語, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) - 会員調査にみる教育史学と学会に対する意識構造
増井 三夫, 松岡 律, 柏木 敦, 白水 浩信, 新保 敦子, 橋本 伸也, 羽田 貴史, 日本の教育史学, 48, 0, 158, 172, 2005年, [査読有り]
教育史学会, 日本語, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
書籍等出版物
- 戦後教育学の再検討・上―歴史・発達・人権
田中孝彦, 田中昌弥, 杉浦正幸, 堀尾輝久, 寺崎弘昭, 白水浩信, 横畑知己, 小林大祐, 乾彰夫, 亀谷和史, 中嶋みさき, 西平直, 横湯園子, 佐貫浩, 世取山洋介, 葛西耕介, 佐藤一子, 第1章 西欧近代と日本の教育―岩波講座『現代教育学』第四巻を中心に
東京大学出版会, 2022年04月, 9784130513517, 352, 13-32, 日本語, 学術書, [共著] - ともに生きるための教育学へのレッスン40―明日を切り拓く教養
宮﨑隆志, 松本伊智朗, 白水浩信, 「Ⅱ 学びと教育」(扉); 「educationは能力を引き出すことか」
明石書店, 2019年08月, 9784750348827, 193, 70-75, 日本語, 教科書・概説・概論, [共編者(共編著者)] - 폴리스로서의 교육 : 교육적 통치의 아르케올로지
白水 浩信
학이시습, 2017年12月, [単著] - 現代家族ペディア
白水 浩信, 「出産と育児」,「家族と啓蒙」,「性教育」,「治安と家族」
弘文堂, 2015年11月, 360, 124-126, 145-147, 143, 150-151, (担当:第6章「教育と家族」のうち中項目「出産と育児」及び「家族と啓蒙」の総論、小項目「性教育」及び「治安と家族」を執筆)
比較家族史学会の企画として、既刊『事典家族』の内容を改訂し、現時点での家族史研究の成果を教育史という観点から「出産と育児」「家族と啓蒙」という中項目の執筆・編集を担当した。, [共著] - 高齢者のウェルビーイングとライフデザインの協働
白水 浩信, 第3章 寄り添う―福祉・教育の総合施設「楚洲あさひの丘」
御茶の水書房, 2010年10月, 37-52, 「第3章 寄り添う―福祉・教育の総合施設「楚洲あさひの丘」」(37-52頁)を執筆。
沖縄県国頭村にある、高齢者福祉と保育所が融合した複合福祉施設を現地調査し、その分析報告をおこなった。少子高齢化に伴い、過疎に悩む地域の今後の福祉のあり方を考える上で、高齢者と乳幼児が寄り添う形で運営されている本施設の意義を論じた。また、本施設が廃校利用の試みである点も特筆した。, [共著] - 文化人類学事典
白水 浩信, 福祉と生権力
丸善, 2009年01月, 文化人類学会編の学術キーワード事典のうち、「福祉と生権力」(「第10章 癒す」)を執筆した。西洋及び日本における「福祉」の概念の歴史的検討をふまえ、現代の福祉国家統治へといたる歴史的過程について解説した。今日、福祉は教育をも含む形で、生権力の具体的行使の場を構成しているという認識を示した上で、その超克の必要性を論じた。, [分担執筆] - 教育史研究の最前線
白水 浩信, 第9章 身体と教育―第5節 西洋における身体と教育の歴史
日本図書センター, 2007年03月, 「第9章 身体と教育―第5節 西洋における身体と教育の歴史」(196-202頁)を執筆。
西洋教育史研究における身体の歴史について、体育・スポーツ、衛生、習俗といった観点から、最新の動向を紹介し、研究の課題と展望をおこなった。その際、①身体に関する教育の歴史と問題設定するもの、②教育という営みの身体性の歴史と問題設定される場合に分け、①では狭義の体育史、学校衛生史等について解説し、②では教育を支える身体コミュニケーション、世代間で継承される様々な慣習行動とその伝達の様式、その背景にある身体観について論じた。, [共著] - 人間像の発明
白水 浩信, 第2章 健康な人間―衛生的配慮と予防のユートピア
ドメス出版, 2006年10月, 53-85, 「第2章 健康な人間-衛生的配慮と予防のユートピア」(53-85頁)を執筆。
近代における衛生的配慮の成立過程に焦点をあて、近代人=健康な人間像という観点から考察した。まずは「衛生」の語源分析と学校教育(修身・道徳)による普及、さらに衛生的配慮による習俗の変容、予防実践による衛生的範疇の拡大プロセスについて分析した。, [共著] - キーワード 人間と発達
白水 浩信, 人間は「発達」をどのようにとらえてきたか?―「発達」の発見と変遷/統治としての教育
大学教育出版, 2005年04月, 13-16, 78-79, 「人間は「発達」をどのようにとらえてきたか?―「発達」の発見と変遷」(13-16頁)及び「統治としての教育」(78-79頁)を執筆。
「人間は「発達」をどのようにとらえてきたか?―「発達」の発見と変遷」では、「発達(development)」の概念を語源にまで遡り、その歴史的意義を概観した。
「統治としての教育」(78-79頁)では、教育が福祉とともに、国家統治の一環として想念されるにいたった歴史的経緯について、西洋教育史研究の最新の知見をまじえて論じた。, [共著] - ポリスとしての教育―教育的統治のアルケオロジー
白水 浩信
東京大学出版会, 2004年02月, 18世紀フランスを中心に、教育と社会統治との関係を具体的史料に即して詳細に分析し、そこに「ポリス」という固有の理念、実践が存在したことを明らかにした。さらに近代教育の成立にあたって、救貧、衛生、治安といったポリス的配慮とのあいだに顕著な類似性、連携が認められ、個人と社会の関係はこれらポリスが包含した新たな行政実務領域のなかで、教育的配慮を軸に再編されていく過程を歴史的に考察した。, [単著]
講演・口頭発表等
- スポーツと人間形成―教育とスポーツの関係史を問い直す
白水 浩信
教育史学会第63回大会シンポジウム, 2019年09月29日, 教育史学会, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
静岡大学, 〔報告者〕佐々木浩雄・中澤篤史・來田享子
〔指定討論者〕鈴木明哲・白水浩信
〔司会〕藤井基貴・吉川卓治, [招待講演], [国内会議] - からだを捉える(コメント)
白水 浩信
第36回日本教育史研究会サマーセミナー, 2017年09月03日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
[国内会議] - 高等教育をめぐる改革の現状と行方(コメント)
白水 浩信
現代東アジアにみる教育課題 ― 現状と変革の試み, 2013年11月29日, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
[国際会議] - 日本の教育学研究の素描とゆくえ
白水 浩信
グローバリゼーション下における教育学・教育科学の挑戦-日本とフランス, 2013年03月22日, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
[国際会議] - Healing Alternatives: Care and Education as a Cultural Life-style
白水 浩信
The Anthropology of Care and Education for Life, 2012年11月, 英語, 口頭発表(基調)
[国内会議] - 教育・福祉・統治性―能力言説を越えて
白水 浩信
国立民族学博物館機関研究プロジェクト「ケアと育みの人類学の射程」, 2012年01月, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
[招待講演], [国際会議] - 教育(education)の語源―養生の場としての学校
白水 浩信
近畿地区国立大学附属学校副校園長夏期研修会, 2010年08月, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
[招待講演], [国内会議] - 教育学研究における若手研究者育成
江原由美子, 佐藤学, 今田絵里香, 金子元久, 小玉亮子, 白水浩信
日本教育学会第68回大会, 2009年08月, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
[招待講演], [国内会議] - 高齢者のウェルビーイングから地域コミュニティのデザインへ(コメント)
横石知二, Fumiko Ikawa-Smith, 遠藤英樹, 白水浩信
国立民族学博物館国際研究フォーラム 「ライフデザインと福祉の人類学」, 2009年03月, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
[招待講演], [国際会議] - 西洋教育史研究の現場を訪ねる-白水浩信氏と橋本伸也氏の近著を読む(コロキウム)
増井三夫, 所伸一, 越水雄二, 小松佳代子, 塚本智宏, 白水浩信
教育史学会第49回大会, 2005年10月, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
[招待講演], [国内会議] - 教育史学会会員調査(コロキウム)
増井三夫, 松岡律, 柏木敦, 白水浩信, 新保敦子, 羽田貴史
教育史学会第48回大会, 2004年10月, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
[招待講演], [国内会議] - 白水浩信『ポリスとしての教育』合評会
塩崎恵美子, 入谷亜希子, 白水浩信
東京大学大学院教育学研究科・総合演習, 2004年07月, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
[招待講演], [国内会議] - 近代ポリスと教育―E. Chadwickを中心に
白水 浩信
大人と子供の関係史研究会, 1995年05月, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
[招待講演], [国内会議]
担当経験のある科目_授業
- 教育学
北海道大学・全学教職科目 - 教育思想史
北海道大学・教育学部 - 教育学概説(教育の思想)
北海道大学・教育学部 - 教育学研究総合講義
北海道大学・大学院教育学院 - 学校教育調査実験Ⅰ
北海道大学・大学院教育学院 - 教育学研究共通講義Ⅱ
北海道大学・大学院教育学院 - 比較教育史B
北海道大学・大学院教育学院 - 比較教育史A
北海道大学・大学院教育学院 - 専門演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
北海道大学・教育学部 - フランス語演習
北海道大学・全学共通授業科目 - 比較教育学
北海道大学・教育学部 - 教育学概説Ⅱ
北海道大学・教育学部 - 教育原理
北海道看護教員養成講習 - 教育学b
兵庫県立大学・非常勤講師 - 教育と規律の歴史人類学
東京大学・非常勤講師 - 特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
神戸大学・大学院人間発達環境学研究科 - 教育人間学特論Ⅱ
神戸大学・大学院人間発達環境学研究科 - 教育人間学特論演習
神戸大学・大学院人間発達環境学研究科 - 教育人間学特論Ⅰ
神戸大学・大学院人間発達環境学研究科 - 特別研究
神戸大学・大学院総合人間科学研究科 - 人間形成論
神戸大学・大学院総合人間科学研究科 - 比較教育特論演習
神戸大学・大学院総合人間科学研究科 - 比較教育特論
神戸大学・大学院総合人間科学研究科 - 教育科学研究1・2
神戸大学・発達科学部 - 教育科学論演習1・2
神戸大学・発達科学部 - 教育学
神戸大学・発達科学部 - 学校教育と社会
神戸大学・発達科学部 - 発達科学演習
神戸大学・発達科学部 - 教育の歴史人類学
神戸大学・発達科学部 - 教育思想史
神戸大学・発達科学部 - 比較教育学演習
神戸大学・発達科学部 - 発達と教育
神戸大学・発達科学部 - 外書講読
神戸大学・発達科学部 - 道徳教育論
神戸大学・発達科学部 - 教育学概論
神戸大学・発達科学部 - 教育学研究法(比較教育学)
神戸大学・発達科学部 - 比較教育学Ⅱ
神戸大学・発達科学部 - 比較教育学Ⅰ
神戸大学・発達科学部 - 外国教育史
神戸大学・発達科学部 - 子供文化論
駿河台大学・非常勤講師 - 教育史
立正大学・非常勤講師
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 西欧近代教育思想におけるdisciplineの系譜学
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
2023年04月01日 - 2027年03月31日
白水 浩信
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 23K02153 - 近代揺籃期における教育関連語彙の翻訳と受容に関する歴史研究
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
2019年04月 - 2023年03月
白水 浩信
前年度までのeducatioに関する研究展開を踏まえ、2021年度は、教育言説を領導してきたもう一つの語彙、disciplinaの用例に焦点を当て、中世以来、この語がどのような語義と用法を担ってきたのかを解明することに従事した。
『ディダスカリコン』で知られるサン・ヴィクトルのフーゴーは、修道士見習い向けの振る舞い指南書、『修錬者の教導』を著している。本史料は修錬者の態度、話し方や立ち居振舞い、衣食といった日常生活の隅々にわたって、いかに振舞うべきかについて詳細に扱った文献である。中世盛期を代表するdisciplinaの書と評される本史料は、「中世文明がeducationという観念をもたないでいた」というアリエス・テーゼに一石を投じる一方、本書を領導していた言葉はeducatioではなく、disciplinaであった点は注目に値する。2021年度は、本書の要石に据えられたdisciplinaに着目し、その語義・用法を古代ローマ喜劇からキケロ、セネカを経て、初期キリスト教における聖書翻訳、教父神学にまで遡り検証することにした。その上で、キリスト教的disciplinaを継承・発展させたフーゴーにおいて、disciplinaによって編成・継承された〈教導的なるもの(le pedagogique)〉がどのような視座の下にいかなる歴史的性格を有するのかについて検討した。
中世修道院において伝承されたdisciplinaの思想は、近代揺籃期の翻訳文化を経ることで、ギリシア語agogeの訳語を契機としてeducatioを〈榮養〉から〈教導〉へと転回させ、その語義を摺り換えるにいたる。そして修道院から学校へと教導の舞台を移しながら、近代教育学(pedagogy)を規定していく語彙基板を創出する。こうした〈教導的なるもの〉をめぐる語彙について基本的知見を新たに得ることができた。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 19K02494 - 転換期における民衆的教育思想の生成に関する実証的研究
科学研究費補助金 基板研究(B)
2017年04月 - 2021年03月
宮崎 隆志
日本学術振興会, 競争的資金 - 近代における教育統治論と能力言説の生成に関する歴史研究
科学研究費補助金 基板研究(C)
2016年04月 - 2019年03月
白水 浩信
日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金 - 異年齢期カップリングの発達学:子どもの生きづらさを超えるための学際的協働
科学研究費補助金 基板研究(B)
2015年04月 - 2019年03月
川田 学
日本学術振興会, 競争的資金 - 多世代共生「エイジ・フレンドリー・コミュニティ」構想と実践の国際共同研究
科学研究費補助金 基板研究(B)
2014年04月 - 2017年03月
鈴木 七美
日本学術振興会, 競争的資金 - ラテン語educareとeducereに関する教育概念史研究
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2012年04月 - 2016年03月
白水 浩信
日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金 - ケアと育みの人類学
機関研究プロジェクト
2011年04月 - 2015年03月
鈴木 七美
国立民族学博物館, 競争的資金 - ヨーロッパ学校衛生論史研究
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2011年04月 - 2015年03月
寺崎 弘昭
日本学術振興会, 競争的資金 - 少子高齢・多文化社会における福祉・教育空間の多機能化に関する歴史人類学的研究
科学研究費補助金 基盤研究(B)
2009年04月 - 2012年03月
鈴木 七美
日本学術振興会, 競争的資金 - ウェルビーイング(福祉)の思想とライフデザイン
共同研究
2008年04月 - 2012年03月
鈴木 七美
国立民族学博物館, 競争的資金 - 西洋養生思想における「身体」と「心」の教育概念史
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2008年04月 - 2012年03月
白水 浩信
日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金 - ライフデザインと福祉(Well-being)の人類-多機能空間の創出と持続的活用の研究
機関研究プロジェクト
2008年04月 - 2010年03月
鈴木 七美
国立民族学博物館, 競争的資金 - 西欧養生論史に関する基礎的研究
科学研究費補助金 若手研究(B)
2005年04月 - 2008年03月
白水 浩信
日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金 - 『ポリスとしての教育―教育的統治のアルケオロジー』(東京大学出版会)
科学研究費補助金 研究成果公開促進費
2003年04月 - 2004年03月
白水 浩信
日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金 - 近代ポリス論における教育理念形成に関する歴史研究
科学研究費補助金 奨励研究(A)
2000年04月 - 2002年03月
白水 浩信
日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金 - 18世紀フランス・ポリス学における教育理念形成に関する思想史研究
特別研究員奨励費
1999年04月 - 1999年09月
白水 浩信
日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金