岡田 美弥子 (オカダ ミヤコ)

経済学研究院 現代経済経営部門 経営分析分野教授
高等教育推進機構教授
Last Updated :2025/11/11

■研究者基本情報

学位

  • 博士(経営学), 神戸大学

研究キーワード

  • ビジネスシステム
  • 海外進出
  • エンターテイメント・ソフト
  • 事業間関係
  • エンターテイメント
  • 事業システム
  • 国際比較
  • マンガビジネス
  • コンテンツ
  • 価値創造

研究分野

  • 人文・社会, 経営学

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2018年10月 - 現在
    北海道大学, 大学院経済学研究院, 教授
  • 2007年04月 - 2018年09月
    北海道大学 経済学研究科(研究院), 准教授

学歴

  • 1997年04月 - 2000年09月, 神戸大学, 大学院経営学研究科博士後期課程
  • 1995年04月 - 1997年03月, 神戸大学, 大学院経営学研究科博士前期課程

学内役職歴

  • 経営企画本部全体会議委員, 2024年10月1日 - 2025年3月31日
  • 経営戦略室室員, 2020年10月12日 - 2022年3月31日
  • 経営戦略室室員, 2022年4月1日 - 2024年3月31日
  • 経営戦略室室員, 2024年4月1日 - 2024年9月30日
  • 総長補佐, 2020年10月12日 - 2022年3月31日
  • 総長補佐, 2022年4月1日 - 2024年3月31日
  • 総長補佐, 2024年4月1日 - 2026年3月31日

■研究活動情報

論文

  • Development of Japanese Manga Business               
    岡田美弥子
    The Ninth Joint Seminar of Yeungnam University and Hokkaido University, 2017年09月
    英語, 研究論文(国際会議プロシーディングス)
  • マンガビジネスの生成と発展:コミック・アニメ・キャラクター商品のビジネスシステムの解明               
    岡田美弥子
    經濟學研究, 63, 2, 229, 258, 2014年01月
    日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • マンガビジネスの生成と発展:コミックのビジネスシステムの解明
    岡田美弥子
    經濟學研究, 63, 1, 45, 64, 北海道大学大学院経済学研究科, 2013年06月
    日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 本稿の目的は,日本のマンガビジネスを牽引し,アニメやキャラクター商品,およびマンガ以外のエンターテイメントに素材を提供してきたコミック事業に焦点を当て,コミックのビジネスシステムがどのように誕生し,どのような機能を有するのかを解明することである。日本におけるコミック事業の歴史および代表的な少年コミック雑誌編集部の事例から明らかになったのは,日本のコミック事業におけるビジネスシステムが2つの仕組みから成り立っていることである。1つめの「マンガ家の発掘・育成の仕組み」は,誌上で実施される作品公募や編集部への作品の持ち込みによって,誰にでもマンガ家になれる機会を与えて潜在的マンガ家の裾野を広げるという機能をもっていた。2つめの「競争による選別・淘汰の仕組み」は,コミック誌上で行われる人気投票すなわち読者の評価にもとづいて,マンガ家を競争させ,質の高い作品を生み出していた。また,これらの仕組みには,コミック雑誌と読者の双方向関係における,読者の評価や読者から生まれるマンガ家志望者の存在が欠かせないことも解明された。
  • ビジネスシステム研究の意義と課題
    岡田美弥子
    日本情報経営学会誌, 33, 2, 47, 58, 日本情報経営学会, 2012年11月, [招待有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌), The purpose of this paper is to discuss and make clear the significance and issues in the study of business system. This paper, first, extracts key concepts on the study of business system by classifying accumulated studies from the axes of 'analytical unit'. Then, this paper discusses the features on the perspective of business system by comparing with the related perspectives. The significance in the study of business system shown in this paper is following. First, it makes clear the long-term advantage and the uniqueness of companies and industries. Second, it explains the dynamics of interdependent relationship between companies with value-creations. Third, it can analyze diversified phenomena such as not only competition between companies and industries but also their establishment and continuation. On the other hand, one of the issues shown in this paper is the difficulty in generalizing the results obtained from case-study of business system and in showing the pragmatical implication from accumulated studies on business system.
  • マンガビジネスにおける分析視角の検討               
    岡田美弥子
    經濟學研究, 59, 3, 169, 178, 2009年12月
    日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • マンガビジネスの成長               
    岡田美弥子
    神戸大学大学院経営学研究科博士論文, 2000年06月, [査読有り]
    日本語, 学位論文(博士)

書籍等出版物

  • マンガビジネスの生成と発展               
    岡田美弥子
    中央経済社, 2017年05月, [単著]

講演・口頭発表等

  • Development of Japanese Manga Business               
    Miyako Okada
    The Ninth Joint Seminar of Yeungnam University and Hokkaido University, 2017年09月08日, 英語, 口頭発表(一般)
    [国際会議]
  • マンガビジネスの国際市場における課題               
    岡田美弥子
    The World Business Ethics Forum, 2014年12月10日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演], [国際会議]
  • マンガビジネスの成長要因の解明               
    岡田美弥子
    日本生産管理学会, 2011年07月30日, 日本語, 口頭発表(一般)
    [国内会議]
  • エンターテイメント・ソフト産業のビジネスシステムの研究視角               
    岡田美弥子
    日本情報経営学会, 2011年07月03日, 日本語, 口頭発表(一般)
    [国内会議]
  • マンガビジネスの分析視角               
    岡田美弥子
    日本生産管理学会, 2010年03月14日, 日本語, 口頭発表(一般)
    [国内会議]

担当経験のある科目_授業

  • 経営学C               
    2022年10月 - 2023年01月
  • 現代企業論Ⅰ               
    北海道大学
    2022年04月 - 2022年08月
  • 演習               
    北海道大学経済学研究科
  • 演習               
    北海道大学経済学部
  • 外国所購読               
    北海道大学経済学部
  • 経済・経営書購読               
    北海道大学経済学部
  • 身の回りの経営学               
    北海道大学
  • 経営学入門               
    北海道大学
  • 国際経営論特論               
    北海道大学大学院経済学研究院
  • 国際比較経営論特論               
    北海道大学大学院経済学研究科
  • 企業論Ⅱ               
    北海道大学経済学部
  • 企業論Ⅰ               
    北海道大学経済学部

所属学協会

  • 国際ビジネス研究学会               
  • 日本経営学会               
  • 組織学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本のコンテンツビジネスにおけるIP(知的財産)戦略               
    科学研究費補助金等
    2025年04月 - 2030年03月
    岡田 美弥子
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 25K0525505
  • コンテンツ産業におけるビジネスシステムの国際展開
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2020年04月 - 2024年03月
    岡田 美弥子
    本研究の目的は,コンテンツ産業の国際展開における成功要因をビジネスシステムの観点から明らかにすることである.
    研究代表者はこれまでに,事業領域が広範囲におよぶマンガビジネス(作品を軸に連動するコミックとアニメ,キャラクター商品などの事業)の事業間関係の研究に取り組み,国内事業におけるビジネスシステムの有効性を解明してきた.しかし,国内で機能しているビジネスシステムが,一部の成功例を除けば,海外では必ずしも機能していないという現状が見受けられる.そこで,これまでの研究を発展させ,(1)マンガビジネスを中心としたコンテンツ産業の国際展開のパターンを類型化し,(2)その国際展開の類型に影響を与える要因を検討した上で,(3)国内外を包括するビジネスシステムの観点から,コンテンツ産業における国際展開の成功要因の解明を試みる.
    当初の計画では,2020年度には,コンテンツ産業に関する文献および資料を入手・渉猟した上で,国際展開の成功事例に関連する企業の日本本社および米国での聴き取り調査を行う予定であった.しかしながら,新型コロナウイルスの影響で,日本国内および米国での聴き取り調査が実施できなかったため,コンテンツ産業に関する文献および資料にもとづき研究を進めてきた.
    2020年度に進まなかった研究の遅れを取り戻すために,2021年度は,Zoom等を活用した聴き取り調査の実施を試みたが,分析に必要なデータの収集が十分ではないため,引き続き,聴き取り調査を行う予定である.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 20K01904
  • コンテンツビジネスのグローバル・シナジーに関する実証研究               
    科学研究費補助金
    2016年04月 - 2020年03月
    岡田美弥子
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • グローバル・イノベーション活動のダイナミズム-新たな価値創造のための戦略と組織-
    科学研究費助成事業
    2011年04月01日 - 2016年03月31日
    岩田 智, 平本 健太, 平野 実, 阿部 智和, 岡田 美弥子, 坂川 裕司, 相原 基大, 多田 和美, 谷口 勇仁, 小島 廣光, 宇田 忠司
    第1に、先行研究を渉猟することによって、グローバル・イノベーション活動を定義し、仮説を導出した。第2に、グローバル・イノベーション活動に関する研究方法を明らかにし、研究枠組を構築した。第3に、研究枠組に基づいて、グローバル・イノベーション活動に関する実証研究(定量的研究および定性的研究)を実施した。第4に、実証結果から得られた発見事実を整理し、理論的貢献、実践的含意、および今後の研究を含めた研究結果を導出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23330118
  • マンガビジネスのグローバル戦略               
    科学研究費補助金
    2012年04月 - 2015年03月
    岡田美弥子
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • マンガビジネスの進化に関する実証研究―国際比較を通じた創造的事業システムの解明―               
    科学研究費補助金
    2009年04月 - 2012年03月
    岡田美弥子
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • 戦略的協働の実現と波及のダイナミズム-知識ネットワーキング・パースペクティブ
    科学研究費助成事業
    2008年 - 2011年
    小島 廣光, 平本 健太, 岩田 智, 谷口 勇仁, 岡田 美弥子, 坂川 裕司, 相原 基大, 宇田 忠司, 横山 恵子, 菅原 浩信, 谷口 勇仁
    本研究は, NPO,政府,企業という異なるセクターに属する3つの主体の協働によって,新しい多元的な社会的価値の創出に成功している7つの先駆的事例を詳細に分析することによって,戦略的協働が形成・実現・展開されるプロセスの解明を試みたものである。
    最初に,先行諸研究に批判的検討を加え,独自の理論的枠組である「協働の窓モデル」を開発した。このモデルは,協働が形成・実現・展開されていくプロセスを経時的・動態的に記述・分析することが可能なフレームワークである。7つの事例の分析は,この「協働の窓モデル」にもとづいて行われた。分析の結果は,戦略的協働の本質をあらわす18の命題として提示された。
    本研究の意義は,次の3つである。第1に,協働の窓モデルを開発し,その有効性を確認した。第2に,戦略的協働が「なぜ」そして「どのように」形成・実現・展開されるのかを正確に記述・分析し,戦略的協働の全体像を解明した。第3に,戦略的協働の実践家である協働アクティビストの行動指針を提示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 20330076
  • 戦略的協働を通じた価値創造モデルのダイナミズム
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2009年
    平本 健太, 小島 廣光, 岩田 智, 谷口 勇仁, 岡田 美弥子, 坂川 裕司, 相原 基大, 宇田 忠司, 横山 恵子
    本研究によって解明された戦略的協働を通じた価値創造は,21世紀の社会の課題に挑むための方法の1つである.この戦略的協働は,今日,世界中で急速に増加しつつあり,多元的な社会的価値の創造に対して大きな潜在力を秘めている.3年間の研究プロジェクトの結果,戦略的協働を通じた価値創造に関する7つの協働プロジェクトの詳細な事例研究を通じて,戦略的協働の本質が明らかにされた.われわれの研究成果は,18の命題として提示されている.これら18命題は,(1)参加者の特定化と協働の設定に関する命題,(2)アジェンダの設定を解決策の特定化に関する命題,(3)組織のやる気と活動に関する命題,(4)協働の決定・正当化と協働の展開に関する命題の4つに区分されて整理された.
    本研究の意義は,大きく次の3点である.第1に,戦略的協働を通じた価値創造を分析するための理論的枠組である協働の窓モデルが導出された.第2に,戦略的協働を通じた価値創造の実態が正確に解明された.第3に,戦略的協働を通じた価値創造に関する実践的指針が提示された.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 19330080
  • エンターテイメント・ソフト産業の事業間関係               
    科学研究費補助金
    2005年04月 - 2008年03月
    岡田美弥子
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • NPO,政府,企業間の戦略的協働に関する国際比較
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2008年
    岩田 智, 小島 廣光, 平本 健太, 岡田 美弥子, 谷口 勇仁, 坂川 裕司, 相原 基大, 宇田 忠司, 寺本 義也, 横山 恵子, 福島 英史
    第1に, 戦略的協働とは何かを明らかにした. 第2に, 各セクター間における戦略的協働をパターン化した. 第3に, 協働パターンの構成概念を明確化し, 概念間の相互関係を記述し説明するための概念的枠組を構築し, その上で概念の操作化を試みた. 第4に, 構築された概念的枠組に基づき, NPO, 企業, 政府間の戦略的協働の実態を測定, 記述, 比較した. 第5に, 比較事例研究から得られた分析結果より, 戦略的協働に関する統合的な理論モデルを構築した.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 18330076
  • NPO,政府,企業間の戦略的パートナーシップ
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2007年
    小島 廣光, 平本 健太, 寺本 義也, 横山 恵子, 相原 基大, 菅原 浩信, 岩田 智, 岡田 美弥子, 谷口 勇仁, 坂川 裕司, 福島 英史
    本研究は,過去15年間に世界各国で急速に展開し始めたNPO,政府,企業間の戦略的意図に基づくパートナーシップ(以下「戦略的パートナーシップ」,「戦略的協働」もしくは「協働」と略記)の解明を目的としている。この21世紀の社会にとって極めて重要な「戦略的パートナーシップ」を,マネジメント研究を軸とした視点から理論的・実証的に解明した。
    具体的には,第1論文で,戦略的パートナーシップを分析するための理論的枠組である「協働の窓モデル」を提示した。この協働の窓モデルに則して,第2論文でPMF,第3論文で霧多布湿原トラストと北海道グリンファンド,第4論文でJHADSとジャパン・プラットフォームの事例研究を試みた。
    事例研究の結果,次の8つの命題を含む全部で20の命題が析出された。命題(1)協働には,セクターを異にする複数の中核的参加者が継続的に参加している。命題(2)やる気が最も高い中核的参加者は,時間の経過とともに交替する。命題(3)協働が実現されるのに必要な時間は,中核的参加者によって当初に利用可能な資金の量に規定される。命題(4)協働アクティビストが,複数の重層的に連結された場を設定し活用する場合,協働が促進される。命題(5)(1)技術的実行可能性が高く,(2)コストが許容範囲内に収まり,(3)一般市民の黙認が得られる解決策が生成・特定化される場合,協働が促進される。命題(6)アジェンダの進化によって,協働が促進される。命題(7)参加者によって能動的に開かれる 「組織のやる気の窓」と「解決策の窓」が,偶然によって開かれる「問題の窓」と同期化される場合,協働が促進される。命題(8)協働アクティビストが,(1)協働を意図した活動だけでなく,(2)協働を必ずしも意図しない,偶然生じたこれまでの活動をうまく活用する場合,塀働が促進される。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 17330081
  • エンターテイメント・ソフト産業のビジネスシステムおよびその国際比較               
    学研究費補助金
    2002年04月 - 2005年03月
    岡田美弥子
    文部省科, 研究代表者, 競争的資金
  • 企業とNPOの戦略的パートナーシップに関する日米比較
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2005年
    岩田 智, 小島 廣光, 寺本 義也, 平本 健太, 福島 英史, 横山 恵子, 金井 一頼, 岡田 美弥子
    本年度は最終年度に当たり,研究成果のまとめを行った。研究成果報告書の概要は以下の通りである。
    第1論文と第2論文では,企業とNPOのパートナーシップを7つの類型に区分し,各類型の課題と可能性を分析し,効果的なパートナーシップの在り方を解明した。
    第3論文と第4論文では,さらに「浜松外国人無料健診会事業」と「緊急人道支援用シェルターの開発事業」の2つの事例研究を試みた。
    第5論文と第6論文では,日本においてNPO(市民団体),企業,政府間のパートナーシップによって成立したNPO法の立法過程を解明するとともに,このNPO法によって法人格を取得するNPO法人のガバナンスを解明した。
    第7論文では,企業が社会的責任を実行する際の「企業の論理」と「社会の論理」を析出し,企業とNPOの有効なパートナーシップに関して多くの示唆を提供した。
    第8論文では,企業とNPOの戦略的パートナーシップに関する日米比較を行うための協働の窓モデルを考察した。
    第9論文では,科学技術をめぐる専門家と市民のパートナーシップを解明した。
    第10論文では,企業とNPOの戦略的パートナーシップに関する日米比較を行うための組織ネットワークの構築と進化について考察した。
    第11論文では,アメリカにおける日本の多国籍企業のグローバルな研究開発活動を実証的に分析した。第12論文では,企業が情報システムを活用して競争優位を実現するプロセスを実証的に解明した。第13論文では,情報システムの規定因を解明した。第14論文では,日本のマンガビジネスの成功要因を析出した。第15論文では,経営戦略と組織の相互作用を解明した。これら第11〜15論文の5つの研究は,第7論文の研究と同様に,いずれも企業とNPOの有効なパートナーシップの展開に関して,多くの示唆を提供した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 15330072
  • NPOと企業の戦略的協働-知識ネットワーキング・パースペクティブに基づく実証研究-
    科学研究費助成事業
    2002年 - 2004年
    小島 廣光, 岩田 智, 平本 健太, 谷口 勇仁, 寺本 義也, 横山 恵子, 福島 英史, 岡田 美弥子, 金井 一頼
    本年度は最終年度に当たり,もっぱら『研究成果報告書』の作成に専念した。研究成果報告書の概要は以下の通りである。
    第1論文と第2論文では,企業とNPOのパートナーシップを7つの類型に区分し,各類型の課題と可能性を分析し,効果的なパートナーシップの在り方を解明した。
    第3論文と第4論文では,さらに「浜松外国人無料健診会事業」と「緊急人道支援用シェルターの開発事業」の2つの事例研究を試みた。
    第5論文と第6論文では,日本においてNPO(市民団体),企業,政府間のパートナーシップによって成立したNPO法の立法過程を解明するとともに,このNPO法によって法人格を取得するNPO法人のガバナンスを解明した。
    第7論文では,企業が社会的責任を実行する際の「企業の論理」と「社会の論理」を析出し,企業とNPOの有効なパートナーシップに関して多くの示唆を提供した。
    第8論文では,日本におけるNPOと企業のパートナーシップを歴史的に考察した。
    第9論文では,科学技術をめぐる専門家と市民のパートナーシップを解明した。
    第10論文では,地域活性化の重要な方法の1つである産学官(企業,大学,政府)において,産学官の3者のダイナミックな相互作用を生み出すために,多様な「場」がいかに有効であるかを解明した。
    第11論文では,アメリカにおける日本企業の研究開発の国際化の概要と研究開発成果を実証的に分析した。第12論文では,企業が情報システムを活用して競争優位を実現するプロセスを実証的に解明した。第13論文では,日本のマンガビジネスの成功要因を析出した。第14論文では,デジタルカメラ産業を事例に,産業の勃興過程において技術開発活動がどのように継続され,方向付けられるのかを解明した。これら第11〜14論文の4つの研究は,第7論文の研究と同様に,いずれも企業とNPOの有効なパートナーシップの展開に関して,多くの示唆を提供した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 14597001