柴山 環樹 (シバヤマ タマキ)

工学研究院 附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター 量子エネルギー変換材料分野教授
Last Updated :2025/11/06

■研究者基本情報

学位

  • 博士(工学), 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究者番号

  • 10241564

研究キーワード

  • 半導体ナノ粒子
  • イオン照射効果
  • ナノ粒子
  • オペランド観察
  • 量子ビーム分析
  • 液体電子顕微鏡法
  • イオン液体
  • カソードルミネッセンス
  • ラマン分光
  • 表面プラズモン
  • ナノ構造材料
  • 微細構造解析
  • 先進電子顕微鏡法
  • 低放射化原子力材料
  • 微細構造と機械特性相関
  • SiC/SiC複合材料

研究分野

  • ナノテク・材料, 構造材料、機能材料
  • ナノテク・材料, 無機材料、物性
  • ものづくり技術(機械・電気電子・化学工学), 計測工学
  • エネルギー, 原子力工学
  • ナノテク・材料, 金属材料物性
  • エネルギー, 核融合学
  • ナノテク・材料, 複合材料、界面

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2015年04月 - 現在
    北海道大学, 大学院工学研究院, 教授
  • 2007年04月 - 2015年03月
    北海道大学, 大学院工学研究院附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター, 准教授
  • 2004年04月 - 2007年03月
    北海道大学, エネルギー変換マテリアル工学研究センター, 准教授
  • 2002年10月 - 2004年03月
    北海道大学, 大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻瞬間強力パルス状放射線発生装置研究室, 助教授
  • 2002年 - 2004年
    Associate Professor
  • 1998年01月 - 2002年09月
    北海道大学, エネルギー先端工学研究センター極限材料工学部門, 助手
  • 1998年 - 2002年
    Research Associate
  • 1992年04月 - 1997年12月
    東北大学, 金属材料研究所材料照射工学研究部門, 助手
  • 1992年 - 1997年
    Research Associate

委員歴

  • 2019年06月 - 2021年05月
    日本顕微鏡学会, 北海道支部長, 学協会
  • 2020年04月 - 2021年03月
    日本原子力学会, 材料部会長, 学協会
  • 2018年06月 - 2019年05月
    日本原子力学会, 北海道支部長, 学協会
  • 2006年 - 2009年
    日本電子顕微鏡学会, 北海道支部役員, 学協会
  • 2006年 - 2008年
    日本金属学会, 分科会委員, 学協会

■研究活動情報

論文

その他活動・業績

所属学協会

  • プラズマ・核融合学会               
  • 日本原子力学会「照射損傷評価」研究専門委員会               
  • 日本原子力学会材料部会               
  • 日本顕微鏡学会               
  • 日本金属学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • マルチ元素ドープによる光学的臨界相出現の学理解明と全太陽光利用GX展開
    科学研究費助成事業
    2025年04月01日 - 2029年03月31日
    渡辺 精一, 中川 祐貴, JEEM MELBERT, 柴山 環樹, 岡本 一将, 張 麗華
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 25H00787
  • 放射線場でのマルチ型同時計測法の開発とイノベ―ション物質の創製に向けて
    科学研究費助成事業
    2021年04月05日 - 2025年03月31日
    若井 栄一, 柴山 環樹, 岩元 洋介, 牧村 俊助, 佐藤 紘一, 豊田 晃大, 涌井 隆, 石田 卓, 鬼澤 高志
    本研究では、放射線下で生じる様々な物質での照射欠陥の基礎理論の構築のため、放射線場でも物質内部の欠陥状態を電気抵抗(ER)測定、陽電子寿命(PAL)測定、及び応力負荷・計測によって同時計測できるシステム構築を目指している。ER測定系では、電流源及び電圧源の購入、ER測定システムの構築、信号線の試料への接続手法の確立、極低温におけるER測定用冷凍機の購入とシステムの評価を実施した。また、応力を負荷できるパルスレーザーを試料に照射し、金属では欠陥に伴うERが増加し、半導体では電子移動度の上昇に伴うERが低下した。PAL測定系では、陽電子線源と試料が接触しない状態で測定を行えるシステムを構築するために必要なアバランシェフォトダイオード(APD)やデジタルオシロスコープ等を購入し、APDを透過する陽電子の信号を得るための作業を進め、まだシステムの構築段階にあるが、線源と試料が接触した状態では、レーザー照射下で材料に応力負荷の環境下で同時計測を実施できた。
    Fe系とW系のハイエントロピー(Fe-HEA、W-HEA)等の作製を試み、Fe-HEAは、磁性を持ち、純Wを超える硬さを持ち、その縦弾性率が鉄系材料と異なり、チタン系材料とほほ同じ値を持つことが分かった。W-HEAは、溶解法により、ほぼ均質な結晶化した合金を作製した。また、HEAをナノ粒子あるいは薄膜化し、触媒やフィルター等の新奇な機能材料として、Arガスのグロー放電による貴金属ターゲットのスパッタリングによってSi基板上のHEA薄膜作製とイオン液体を利用したHEAのナノ粒子作製法を試みた。
    メカニカルアロイング(MA)法で作製したW系材料の耐照射性評価やW中に混入するガス分子の機械特性に与える影響の調査を進めた。また、高速炉構造材料の評価では、超高圧電子顕微鏡の電子線照射法により、原子空孔の移動度と粒界析出物の安定性を評価した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 21H04668
  • ガルバニック水中結晶光合成の学理構築に基づく機能性3次元ヘテロナノ構造体創製
    科学研究費助成事業
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    渡辺 精一, JEEM MELBERT, 柴山 環樹, 岡本 一将, 張 麗華
    本研究は、水と光(可視光から紫外光)のみを用いる水中結晶光合成により、常温、大気圧、不純物無、さらに中性の水環境条件においても、金属原料からの酸化物ナノ構造体を一括作製可能にする手法の確立を目指し、将来の太陽光利用によるグリーンサステイナブルな材料生産を最終目的としている。原理的には水のみを用いるため、酸化物と水素しか生成しない、究極的、独創的な新グリーン材料創製手法である水中結晶光合成をさらに発展させ、ガルバニック効果を付与した水中結晶光合成(Galvanic-SPSC)の学理構築をまずは行う。さらに、それに基づく半導体ヘテロ接合機能の特徴を生かした多機能で高効率な光・電子変換機能性を有する3次元ヘテロナノ構造体創製を目指す。
    これまで、マスクパターンやメッシュ等を用い所定の箇所に各種金属酸化物のナノ構造を積み上げ、光・電子デバイスや光機能デバイス作製応用を行った。異種金属を使い、光ガルバニック効果(ガルバニック効果と光照射効果)により、各種金属のSPSC最適組み合わせを調査し、疑似太陽光照射を用いながら量子効率評価を行い、光・電子デバイス創製を行なった。
    具体的には、光電気化学測定を行い光照射効果による物性変化評価を行い光の波長、照射強度依存性を詳細に定量測定した。また、XPS,XRD,SEM,STEMによる材料組織解析ならびにPL,CLによる発光特性の光物性調査を行った。ヘテロナノ接合界面での特異な格子欠陥を同定するために、PLやCL測定に加えSTEM-EELS、吸光度測定、密度汎関数法に基づく第一原理計算から電子状態密度と誘電率評価を行い、光物性の発現機構を総合的に調査した。
    以上の結果を都合8編の論文成果物として公開することができた。今年度は5編、うち2022年一月にプレス発表一件を行うことができた。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 20H00295
  • SiCセラミックスラスタに高い靱性を付与するハイパー・コンパージド技術
    科学研究費助成事業
    2019年04月01日 - 2023年03月31日
    岸本 弘立, 柴山 環樹, 芹澤 久, 中里 直史, 中田 大将
    本研究におけるスラスター製作において複数のSiC/SiCセグメントの統合を必要とする。本年度の実績の大きな項目は以下の3点である。1)形状付与したセグメントの一体化成型は無加圧で実施する必要があり、PIP法で製作した縦方向+強化セグメントをNITE法で製作した内部セグメントに付与し、2)それらを一体化をRS法で実施する。3)熱伝導度と重量の観点から外部構造のためのC/SiCをNITE法で製作するための検討を行う。1)については2つのNITE SiC/SiC複合材料円管を使用してセグメントの一体化を模擬した技術検討を行った。円管を2つに分割し、2つをあわせた上で縦方向、および円周方向のSiC繊維を追加し、乾燥後に不融化処理を200℃,1h、焼成処理をAr雰囲気中で1200℃、1h実施することで強化セグメントを付与可能であることを示した。2)については1)の強化セグメントをるつぼ内に設置し、Siを1450℃で含侵させることで可能であった。3)はピッチ系およびPAN系の種々の炭素繊維のNITE法プロセス環境での安定性を評価したもので、NITEプロセス中にいずれの繊維も反応を生じ、断面積を減じる。一方で結晶構造により反応する厚さは異なり、全面非晶質の炭素繊維は中央部まで結晶相が成長して容易に破断しやすくなり、強化繊維としての機能を果たさなくなるのに対して、結晶性グラファイトの繊維は繊維表面近傍の結晶成長のみであり、曲げ試験および破面観察の結果からも繊維の強度特性の劣化は少ないものと推定される。一方で多くのマトリックスクラックが導入されるために、成型プロセス条件の最適化が必要であることも示されている。その他、SiC/SiCスラスターの燃焼試験装置は実験施設に設置し、冷却系の整備と水冷条件の調整を実施中である。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 室蘭工業大学, 19H00799
  • 量子生命科学的アプローチによる金ナノ粒子の放射線増感効果の解明と最適化への挑戦
    科学研究費助成事業
    2018年04月01日 - 2022年03月31日
    橋本 孝之, 米澤 徹, 柴山 環樹
    難治性がんの放射線治療成績向上を目的に金粒子等の体内の金属に対する放射線の影響に関する研究を行った。細胞微細構造内の金粒子を電子顕微鏡で観察する研究は胆振東部地震により超高圧電子顕微鏡が損傷し遅れが生じ、また体内投与可能な金ナノ粒子を用いた陽子線照射実験は、新型コロナウイルス感染の拡大で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出された影響で期間内に実施できなかった。体内金属と放射線との相互作用に関連して、金粒子の放射線増感効果の臨床応用の期待が大きい小児がんの陽子線治療と、ペースメーカー等の植込み型医療機器に対する陽子線と炭素線の影響を比較検討した内容についてそれぞれ論文化した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 18K07660
  • 格子欠陥レベルで拡散経路を壅蔽する新奇酸化抑制機構の解明               
    挑戦的研究(萌芽)
    2019年07月 - 2022年03月
    柴山 環樹
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • TEM-STMその場計測による抵抗変化メモリの動作機構解明
    科学研究費助成事業
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    有田 正志, 高橋 庸夫, 末岡 和久, 柴山 環樹, 工藤 昌輝, 大野 裕輝, 高橋 謙仁, 平田 周一郎, 村上 暢介, 越智 隼人, 米坂 瞭太, 武藤 恵, 中根 明俊, 廣井 孝弘, 勝村 玲音, 森 雄司
    抵抗変化メモリ(ReRAM)がbeyond CMOSを目指して研究・開発されている.その動作原理の解明は最重要課題であり,電気化学に基づくモデルの提唱はあるが,不明な点が多い.本研究では,その場透過電子顕微鏡法により金属フィラメント型ReRAM内の微細構造を実時間観察した.その結果,高抵抗⇔低抵抗(Set,Reset)の動作時には大きな変化はなく,追加の通電により大きな構造変化の生じる事が分かった.ナノ領域での変化が抵抗スイッチに寄与している.大きな構造変化はスイッチ箇所の不安定化,金属イオンの固溶を促進し,劣化を生じた.Set,Reset時の投入電力バランスが安定動作に重要であると言える.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 25420279
  • 粒界工学による超環境耐久性フェライト系耐熱鋼の開発-粒界工学の新たな挑戦
    科学研究費助成事業
    2012年04月01日 - 2016年03月31日
    連川 貞弘, 渡辺 精一, 柴山 環樹, 森園 靖浩, 山室 賢輝
    本研究課題では,優れた環境耐久性を有するフェライト系耐熱鋼の開発を行うことを目的として,ラスマルテンサイト組織を有する9-12Cr系耐熱鋼の粒界制御を試みた。ラスマルテンサイト鋼における特性劣化の優先的なサイトとなる旧オーステナイト粒界の対応粒界頻度を飛躍的に高めることができた。また,粒界制御熱処理によりサブブロック組織が微細化し,その後の焼戻し処理により,M23C6炭化物が微細に分散することを見出した。このような粒界制御材料に対して,高温クリープ試験,高温水蒸気酸化試験,液体金属腐食試験を行ったところ,いずれの特性も粒界制御により著しく向上することが明らかとなった。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 熊本大学, 24246125
  • マルチ量子ビーム照射によるディウェッティング現象その場観察とその機構解明
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2014年 - 2016年
    柴山 環樹
    本研究では、北海道大学の複合量子ビーム超高圧電子顕微鏡を利用し量子ビーム照射誘起Dewetting 現象についてその場観察し画像解析からその機構を解明することを目的とし、100keVのArイオンと波長532nm の短パルスレーザーの複合照射下及びそれぞれ単独での照射下におけるDewetting 現象のその場観察を行った。
    その結果、貴金属が矩形から球形へ変化するレイリー不安定時の挙動を直接観察することに成功すると共に、貴金属薄膜厚が薄いほどDewetting後のナノ粒子の平均粒径は小さくなり、可視光の吸収波長も短波長側へブルーシフトする量子効果が発現することを確認した。
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 26420661
  • 高強度チタン合金における内部起点型微小き裂の可視化と超高サイクル疲労機構の解明
    科学研究費助成事業
    2012年04月01日 - 2015年03月31日
    中村 孝, 柴山 環樹, 塩澤 大輝, 中井 善一, 上杉 健太朗, 小熊 博幸, 渡辺 精一
    超高サイクル域における軸荷重疲労試験が行われ,放射光μCTイメージングにより材料内部に発生する微小き裂が観察された.内部き裂周囲の環境がき裂進展に及ぼす影響を明らかにするため,da/dNと応力拡大係数範囲の関係が測定され,真空中表面き裂のそれと比較された.その結果,内部き裂は1.0E-10m/cycleの極めて低速で進展するのに対し,表面に到達した後のき裂は1.0E-7m/cycle 程度の高速で進展することがわかった.内部き裂の進展速度は真空中表面き裂の進展速度に一致し,内部き裂周囲の真空に類似した環境が超高サイクル疲労における内部き裂進展過程に大きな影響を与えることが明らかとなった.
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 24246024
  • 透過電子顕微鏡その場計測システムの開発とナノエレクトロニクスへの応用
    科学研究費助成事業
    2009年 - 2011年
    有田 正志, 高橋 庸夫, 末岡 和久, 柴山 環樹
    近年,マイクロ・ナノ領域での幾何学的構造変化現象,磁気的微細構造変化現象を用いたデバイス開発が行われている.本研究では,透過電子顕微鏡(TEM)その場計測手法をこれらの研究に役立てるために,ピエゾ駆動TEMホルダー(TEM-STMホルダー),磁場印加用コイル搭載TEMホルダー(TEM-MFホルダー)およびそのシステムを開発した.これらを抵抗変化メモリー(ReRAM)および磁区パターンに応用し,その有用性を確認した.ReRAM材料においては抵抗スイッチ時の導電性フィラメントの形成・消失を,また磁性パターン膜においては磁場印加による磁壁移動を実時間計測により確認できた.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 21560681
  • ナノ時空間ダイナミクスのその場観察法による物質変換過程の解明
    科学研究費補助金(基盤研究(A))
    2009年 - 2011年
    柴山 環樹, 渡辺 精一, 谷津 茂男, 伊藤 芳浩, 富岡 智, 西山 修輔, 坂口 紀史
    本研究は、これまで透過電子顕微鏡で唯一の課題となっていた画像記録の高速化と長時間化についてピコ秒の現象であるレーザー核融合のターゲット計測に実績がある各種高速カメラを組み合わせたナノ時空間ダイナミクスその場観察システムの技術開発を行うことを目的として平成21年度から平成23年度まで3年計画で実施した。この新しく開発した装置を現有の透過電子顕微鏡に取り付けて、電子線やイオン照射下での接合界面における破壊の起点やマルチクラックの進展経路をこれまでは困難だったナノ時空間で記録しその場観察すると共に高速で発生し進展するマルチクラックとナノサイズ欠陥との相互作用を明らかにした。
    文部科学省, 基盤研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21241025
  • 材料損傷機構の実験および理論による包括的研究と高エネルギー量子ビーム場用材料開発
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2010年
    川合 將義, 渡辺 精一, 粉川 博之, 川崎 亮, 長谷川 晃, 栗下 裕明, 菊地 賢司, 義家 敏正, 神山 崇, 原 信義, 山村 力, 二川 正敏, 深堀 智生, 斎藤 滋, 前川 克廣, 伊藤 高啓, 後藤 琢也, 佐藤 紘一, 橋本 敏, 寺澤 倫孝, 渡辺 幸信, 徐 超男, 石野 栞, 柴山 環樹, 坂口 紀史, 島川 聡司, 直江 崇, 岩瀬 宏, 兼子 佳久, 岸田 逸平, 竹中 信幸, 仲井 清眞
    高エネルギー高強度陽子ビーム場の材料は、強烈な熱衝撃や放射線によって損傷を受ける。衝撃損傷過程と影響を実験的に調べ、その緩和法を導いた。また放射線損傷を理論的に評価するコードを開発した。さらに、損傷に強い材料として従来の材料に比べて強度の4倍高く室温で延性を持つタングステン材と耐食性が4倍高いステンレス鋼を開発した。衝撃実験における応力発光材を用いた定量的な方法を考案し、実用化の目処を得た。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 19106017
  • 室温動作の単電子デバイス開発を指向したTEM/STMによる単電子トンネル現象研究
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2008年
    有田 正志, 高橋 庸夫, 末岡 和久, 柴山 環樹
    省エネデバイスとして注目されている単電子デバイスの室温動作確認を念頭に,ピエゾ素子搭載型透過電子顕微鏡ホルダー(TEM/STMホルダー)およびその制御システムを開発した.先端10nm程度の先鋭電極間に数個のナノ粒子を挟み,その電気伝導特性を評価したところ低バイアス領域においてほとんど電流が流れないクーロンプロッケイド(CB(を観測できた。これは単電子トンネル現象(SET(に特徴的な現象である.数nmのナノ粒子を用いて室温動作SETデバイスの得られることを実験的に示すことができたといえる.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 18560640
  • 超高速CCDカメラによる結晶中の格子欠陥のナノダイナミクスTEM内その場観察
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2004年 - 2006年
    柴山 環樹, 木下 博嗣, 坂口 紀史, 江藤 剛治
    平成16年度から平成18年度の3ヵ年にわたって共同研究者が開発した超高速カメラを現有の超高圧電子顕微鏡及び電界放射型分析透過電子顕微鏡に接続するための光学系及び実験手法などを開発し材料科学における高速現象を明らかにするために主たる研究を行った。平成18年度は、SiC/SiC複合材料の照射欠陥やクラック進展に関して高速観察を行った。更に3ヵ年計画の最終年度としてこれまでの成果を基に総まとめを行った。総合的に評価すると当初の目標に対して実験の進捗が計画通り進まなかったこともあり達成度は70%程度と推測されるが本研究の目的は十分明らかにしたと考えられる。また、ドイツにおいてレーザーを金属固体に照射し高強度な庵子を発生させる新しい概念に基づくパルス電子光源の開発がなされた。この電子源を改良し通常の電子顕微鏡の電子銃と交換した新しい電子顕微鏡が米国にて開発され、平成18年9月に札幌にて開催された国際顕微鏡学会にて報告された。既に材料科学のいくつかのトピックスに関して研究がなされており口頭やポスターでの発表があった。本研究は、一般的な連続して電子を発生する熱電子源及び電界放出電子源を使用しており、画像情報記録媒体側を高速記録型のCCDにすることで超高速化を狙っているのに対し米国の装置は、電子源をパルス化して記録側は通常の記録装置である。つまり、ストロボ的に高速現象をコマ取りして一連の高速現象を理解するという考え方である。しかしながら、ある現象の起点を知るためにはわれわれの方式の方に利点があり今後の展開が期待される。以上、国際的に見ても本研究はこの分野において先端領域に位置づけられ今後継続してプロジェクト研究を進めるべきである。また、3ヵ年に渡る本研究を通じて新たな課題が見つかったことから次のプロジェクトに向けて準備が整ったといえる。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 16360310
  • 生体硬組織結晶の発現機構と成長に関する三次元的超微構造の解明
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2006年
    脇田 稔, 山本 恒之, 土門 卓文, 高橋 茂, 柴山 環樹, 高橋 平七郎
    当初目的とした凍結超ミクロトーム法は、研究最終年度に至るまで、本研究の目的に合致する機器を使用することができなかったので、メタアクリル樹脂包埋法によって観察試料の作成をおこなった。
    前年までの概要報告にあるとおり、本研究では、揮発性の高い樹脂モノマーを重合するために、多くの工夫を発見した。一つは、試料ビンを密封重合容器として利用する方法である。これにより、重合前ならびに重合期間中のモノマーの揮発を最小限に押さえることができた。この時、試料が最終的に重合した樹脂ブロックの中央に来るよう、予め容器の中で最終量の半量の樹脂を重合させておき、その上に資料を載せ、残りの半量を重合させるという2段階の重合操作を行うことを工夫した。ただし、この方法によるとその後の試料作成操作において、試料が比較的大きな樹脂ブロックの中にあるので、切り出しまで時間がかかり、またアクリルブロックはノコギリ等で切り出すことは簡単であるが、切り出し作業の途中で試料の方向性を失わないよう恒に確認しつつ作業することが必要であることがわかった。この確認作業は昨年度まではブロックの方向を示す特定の形態を与え、その形を保存しながら整形咲いていたが、今年度は、この方法に整形途中でブロック側面を研磨して透明とし、何度も内部の試料の方向を確認しつつ背軽作業を行った。この方法は従来よりも煩雑で時間がかかるが、精密な試料の方向性を維持する方法としては優れていると考えた。さらに準超薄切片作成時に行う試料の方向の最終確認が短時間で済み、結果として超薄切までの時間は、一個の試料だけを考えればほぼ同じであった。
    アクリル樹脂超薄切片を、脱包埋するために超薄切片をスライドグラス上に貼りつけるための適当な方法は最後まで解決できなかった。当初エポキシ樹脂を薄く塗り、その上に超薄切片を載せ、エポキシ樹脂重合完了後モノマーで超薄切片の脱包埋を行うことを試みたが、エポキシ樹脂の膨化を止める方法が見つからなかった。
    全体として、当初の研究遂行に当たり、上記のような想定外の問題克服に時間がかかり過ぎ、本実験まで到達できなかった。しかしながら、今回の4年間にわたる研究の結果、上記のように本来の目的を達成することは種々の理由によりできなかったが、分担研究者は本研究を分担するとともに分担者個々の本来の研究を実施した結果、別に提出する「平成15年度科学研究補助金(基盤研究(B))研究成果報告書」に示すように多くの優れた研究成果を挙げることができた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 15390548
  • 超高圧電子顕微鏡を用いた生体膜の三次元超微構造に関する研究
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2005年
    脇田 稔, 山本 恒之, 土門 卓文, 高橋 茂, 柴山 環樹, 高橋 平七郎
    本年度は、昨年に続いて、クライオミクロトームの利用がほとんど不可能なことが明らかになったので、代替手段として、化学的固定による方法を資料作成のために応用することを引き続き試みた。標本を脱樹脂により観察するという本研究の特徴を実現するために、試料は全て、メタアクリレート樹脂あるいはブチルーメチルメタアクリレート樹脂に包埋した。アクリル樹脂モノマーは揮発性が高く、通常の方法では、重合作業中に蒸発するという致命的な欠陥があるので、今回は、半重合樹脂にモノマーの浸透が終了した試料を報マイすることをこころみた。試料は従来の透過電顕用試料より大きく、特に走査電顕用試料はかなり大きいので、通常の揮発性樹脂の包埋に使われる蓋付きポリエチレンカプセルでは不便なので、脱水や樹脂浸透に用いるガラス製試料ビンに包埋する方法によって包埋した。この方法は便か一度しか使えないと言う欠点があるが、アクリレート樹脂のような揮発性の強い包埋材の場合祐子菜穂右方と考えられる。ただし、この場合、試料は重合前のモノマーの中で沈むので、前年度と同様、重合樹脂ブロックの中程に試料が来るようにするために、試料ビンに1cmほどのモノマーを入れて重合した後、樹脂浸透の終了した試料を置き、静かに触媒入りモノマーを1cm〜1.5cmそそぎ入れ、蓋をして重合した。重合完了後、ガラスビンを割って重合試料ブロックを取り出す。ただし、半重合樹脂では、空気の混入が生じることが多く、重合中に樹脂そのものが発泡するという重大な欠点があり、あらかじめ、十分に脱気する必要があることがわかった。
    このブロックから試料を任意の方向から切り出すことが可能であるが、大きな切片の切り出しは極めて困難で、期間中に十分な成果を挙げることができなかった。
    共同研究者の教室では、超高圧電子顕微鏡による表面触媒の解析に関する業績が得られた。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 15659432
  • 量子剥離超薄片化装置の開発
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2003年
    市野瀬 英喜, 柴山 環樹, 幾原 雄一, 須賀 唯知, 高橋 平七郎, 岩本 知広
    ナノテクノロジーに不可欠な電子顕微鏡情報の、原子構造情報の質と信頼度を格段に向上させることにより、電子デバイスの開発、設計、製造の各過程などをめくら撃ち手探り状態から解放し、他方では、現在米国に独占されている、電子顕微鏡観察用薄片化技術市場を奪還することを狙う。高速イオンではなく波長分散の小さい、短波長の電磁波を用い、物質の結合エネルギーに同調照射させることによって、物質に損傷を与えることなく原子間結合を切断し、表面近傍の原子を順次剥離することをめざす。すでに、レーザーパワーの超精密制御系と微小領域への精密照射光学系の開発、適用物質範囲の拡大は、相当の進展を見た(レーザースキャン技術)。即ち、(1)イオンガンとレーザーガン両備量子効果原子剥離反応薄片化研究機システムを構築した。これを用いて、下の実験を通してエネルギー密度や光学パラメータのを最適化のデータを収集した。(2)λ=19ナノメートルにレーザー波長を固定して、シリコンカーバイド(2原子共有結合物質)、ダイヤモンド(単原子共有結合物質)、について薄片加速度を検証し既知のシリコンと比較検討し、最適な条件を、パルス幅、エネルギー密度、照射回数、について絞り込むことが出来た。また(3)表面から飛散する原子が一つずつ飛び出しているのか、集団で飛び出しているのか、そうだとすれば原子集団の規模はどの程度かという、表面性状に直接関わる詳細な情報の収集を始め、ある程度の指針を得た。(4)これと並行して、製品につながるプロトタイプの設計が終了した。今後は、JSTのプロジェクトに引き継ぎ具体的に商品化を図る予定である。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 12355024
  • 核融合炉プラズマ対向機器用タングステン合金の開発
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1999年
    栗下 裕明, 瀧田 朋広, 湯蓋 邦夫, 平岡 裕, 柴山 環樹
    核融合炉用高熱流束機器として必要な特性を最も多く備えているWの課題は,脆さ(低温脆化,再結晶脆化,照射脆化)の改善である。これらの3つの脆さを同時に大幅に改善するには,遷移金属炭化物粒子の粒界分散および結晶粒の微細化が最も有効であると考えられる。そこで,そのような組織を得るために,遊星型ボールミルを用いたメカニカルアロイング(MA)法と熱間等方加圧(HIP)法によりW合金の試作を行った。添加した遷移金属炭化物は周期律表IVa族のTiCとHfC,およびVa族のTaCとNbCである。試作したW合金について衝撃3点曲げ試験による低温靭性の評価,真空加熱における再結晶温度の評価,照射脆化を評価するための高速中性子照射実験と照射後試験,および照射前後と真空加熱前後における微細組織の観察を行った。その結果,TiCを添加した試作合金で最も特性が改善された。例えば,0.2%TiC添加材は市販の純WやW合金に比べて,延性脆性遷移温度が著しく低く(l00℃以上),再結晶温度が600℃も上昇した。0.5%TiC添加材では再結晶温度はさらに上昇した。また,Wの脆さの中で最大の課題である照射脆化の改善については,照射硬化の抑制だけでは改善は困難であること,照射中に起こる組織変化(照射誘起析出,照射促進析出)を活用して組織の中で最も弱い個所(weakest points : 粒界等)を強化する必要があること,ただしそれ自体が脆く破壊の起点として作用するW_2Cが照射中に析出しないような合金組成を選択することが必要であることが明らかになった。以上の結果は,本研究で用いた合金設計と組織制御の方法がWの3つの脆さを同時に大幅に改善するために極めて有効であることを示している。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東北大学, 09558061
  • 高エネルギー粒子線照射環境に適応した機能性鉄鋼材料開発研究
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1998年
    高橋 平七郎, 万 発栄, 胡 本芙, 木下 博嗣, 柴山 環樹, 渡辺 精一
    1. 電子線照射によりステンレス鋼中には積層欠陥型転位ループが形成され、照射を継続すると積層欠陥転位ループ内に原子空孔型の積層欠陥四面体が形成された。電子線/Heイオン同時照射では、最初に積層欠陥四面体が形成され、その後この積層欠陥四面体はボイドの核となり、Heがボイド核を安定化されることが判明した。
    2. Fe-(15-16)%Cr-16%Mn-0.2%C-0.2%N鋼の室温の降伏強度は400MPaで、伸びは60%以上の優れた機械的性質を示した。この鋼を473-673K、3dpaまで電子線照射すると、最初に転位ループが形成され、その後、473-573Kではボイドは形成されなかったが、673Kではボイドが核形成した。Mn濃度、24.5%のMn鋼を照射すると、473K-673Kの全ての照射温度範囲で高密度でボイドが核生成した。573Kではマトリックス、結晶粒界とも照射下で相が安定であった。照射温度573K以上では素地のオーステナイト相は変化しなかったが、素地中に微細な炭化物の析出が認められ,高温度では照射により析出物が促進されることが明らかになった。
    3. W,Vを添加した低放射化Fe-Cr-Mn(W,V)合金を電子線/ヘリウムで二重照射した結果、転位ループやボイド等の2次欠陥が形成され、次第にその密度が増大した。特に、高温照射の場合に、ボイドは転位線上に優先的に形成された。また、この鋼ではCr、Mnの粒界シンクにおける偏析は検出されず,照射誘起偏析が抑制されることが明らかになり、W、V添加効果が偏析抑制に有効であることが示唆された。
    4. Fe-Cr-Mn(W,V)合金を527-723Kで10dpaまで電子線照射した結果,(a)ボイドスエリング挙動は溶接熱影響部での耐照射特性は625K照射では優れた特性を示した。さらに高温度で照射すると微細なボイドが核形成し,ボイド抑制効果が顕著でなかった。
    5. 同合金をlOdpaまで照射した後の結晶粒界におけるCr、Niの偏析はW,Vの添加しないFe-Cr-Mn合金と比較し、その偏析量は少ないがNiの濃化とCrの枯渇が認められた。
    6. Fe-(13-16)Cr-(6.5-24.5)Mn-(0.02-0.2)C-0.2N-(0.3-0.5)Si合金について、熱処理及び電子線照射した結果、次のことが明らかになった。
    (a) 低Mn含有のマンガン合金鋼の単一γ相はCr、C、N濃度を制御することによって得られることが明らかにされた。
    (b) 本研究で開発された、15-16wt%Cr-15.5wt%Mn-(0.02-0.2)wt%C-0.2wt%N合金は、高強度で高い伸びを示す良好な機械的性質を有することが確認された。
    (c) ボイド核形成はCrとCの濃度が増大すると抑制され、Fe-16wtCr-15.5wt%Mn-0.2wt%C-0,2wt%N合金鋼では照射温度473-673Kで完全にボイド核形成が抑制された。
    日本学術振興会, 国際学術研究, 北海道大学, 09045042
  • レーザー照射による酸化物分散強化傾斜機能材料開発に関する研究
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1994年 - 1994年
    柴山 環樹
    レーザー照射は、局所的に融点直下まで瞬時に加熱出来、照射を中止することにより急速冷却が可能である。その、特徴を用いて従来にない機能を発現する材料の開発が試みられている。一方、酸化物分散強化鋼は高温強化だけでなく耐照射特性に優れていることが明らかになってきた。しかしながら、強加工に起因する強度の異方性が構造材料に適用する場合、問題となっている。そこで、本研究ではレーザー照射を酸化物分散強化鋼にの表面改質に適用し強度の異方性を改善すること及び高温材料として期待されているTiALと接合し耐照射性及び高温強度にも優れた傾斜機能材料の開発に関する基礎的知見を得る事を目的とした。TiAlとの接合には、昨年度実施した奨励研究(A)において試みたTi、Al多層膜にレーザー照射を行うことによって合金化する事を適用し接合界面における組成の傾斜化を検討した。供試材として市販のMA957酸化物分散強化鋼を用いた。試料の形状は、棒鋼で30Ф×100である。レーザー照射には、3kW炭酸ガスレーザー加工機を本研究費で購入したコンピューターで制御し用いた。押し出し方向に対して平行と垂直に棒鋼をレーザー照射した。いずれの表面も、加工ガスがレーザー照射方向に吹き付けられるため急速溶解凝固した液的状の組織を呈していた。レーザ照射による熱影響を知らべるためそれぞれの切断方向に対し垂直に切断し金相観察を行った。表面から数μmの領域には、微細な空孔が観察出来た。しかし、それ以降の領域には観察出来ずほぼレーザー照射前と同様の組織を呈していた。そこで、400kV高分解能分析電子顕微鏡を用いて微細組織の同定を行ったところ、表面部分の組織は加工組織が消滅しほぼラス状のベイナイトを形成しており組織からは表面部分の組織の異方性は改質されたと考えられる。また、所々非晶質が観察されレーザー照射による非平衡相形成が認められた。
    文部科学省, 奨励研究(A), 東北大学, 研究代表者, 競争的資金, 06750702
  • レーザー照射による金属間化合物の機械的特性向上に関する研究
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1993年 - 1993年
    柴山 環樹
    レーザー照射は、従来の加熱装置に比べ急速加熱し急速冷却出来ることから従来にない機能を発現する新材料の開発手段として有効である。そこで、本研究は高温強度に優れ重量比強度が高い金属化合物の合金粉末作製にレーザー照射を適用すること、及び多層膜にレーザー照射を行い金属間化合物を作製することによって機械的特性を向上させ原子力材料としての適合性を明らかにすることを目的とした。科学研究費補助金で購入した市販のチタン板とアルミ板を積層させロータリーポンプで排気したチャンバー内に固定し、3KWの炭酸ガスレーザーを試料表面が焦点面になるようにして照射した。加工ガスには、窒素ガスを用いた。レーザー直下に設置した金型に吹き付けることによって得られた合金粉末の形状を調べるために走査電子顕微鏡で観察した結果、ほぼ球形で数mumの大きさであることがわかった。合金粉末の組成を調べるためにX線回折を行った結果、Ti_3Al及びTiAl,Al_3Tiが形成していることが判明した。その合金粉末を一軸冷間プレスを行って成形し、科学研究費補助金で購入した精密低速切断装置を用いて薄片化し電解研磨の後高分解能電子顕微鏡で微細組織観察を行った。制限視野電子回折像は、デバイシェーラー環と複数の斑点を示し組織が非常に微細で複数の相が混在していることを示唆された。タンデム型加速器を用いて3MeVのAu^<2+>イオンを540℃で約250dpaまで照射した結果、更に結晶粒は微細化しボイドは観察されなかった。今後、更に高温で照射実験を行い現在中性子照射中の試料と共に組織変化と機械的特性の変化について研究する計画である。以上、本研究においてチタンとアルミを積層させた多層膜にレーザーを照射することによってTi_3Al及びTiAl,Al_3Ti層を含む微細結晶粒の金属間化合物粉末を作製できることが明らかとなった。
    文部科学省, 奨励研究(A), 東北大学, 研究代表者, 競争的資金, 05750590
  • ナノ構造材料の組織制御と革新的機能発現,超高速物質移動現象の可視化               
    競争的資金
  • utilization of innovative properties by control of nano structure in materials, visualization of ultra high speed phenomena in solid state               
    競争的資金

産業財産権

  • 導体微粒子を製造する方法
    特許権, 渡辺 精一, 鳥谷部 祐, 谷津 茂男, 柴山 環樹, 水野 忠彦, 環境エンジニアリング株式会社
    特願2008-558014, 2008年02月15日
    特許第5254811号
    2013年04月26日
    201303009226200636
  • 半導体ナノ粒子及びその製造方法
    特許権, 鳥本 司, 桑畑 進, 大谷 文章, 柴山 環樹, 工藤 昭彦, 櫻岡 美和, 足立 知弘, 国立大学法人名古屋大学
    特願2007-533281, 2006年08月30日
    特許第5162742号
    2012年12月28日
    201303013896086025
  • ナノ粒子の製造方法及びナノ粒子分散液
    特許権, 鳥本 司, 岡崎 健一, 太田 康弘, 桑畑 進, 柴山 環樹, 国立大学法人名古屋大学, 国立大学法人大阪大学
    特願2010-266456, 2010年11月30日
    特開2012-117097, 2012年06月21日
    201203090473195020
  • 導体微粒子を製造する方法
    特許権, 渡辺 精一, 鳥谷部 祐, 谷津 茂男, 柴山 環樹, 水野 忠彦, 国立大学法人北海道大学
    JP2008000240, 2008年02月15日
    WO2008-099618, 2008年08月21日
    201003045978817629
  • 半導体ナノ粒子及びその製造方法
    特許権, 鳥本 司, 桑畑 進, 大谷 文章, 柴山 環樹, 工藤 昭彦, 櫻岡 美和, 足立 知弘, 国立大学法人名古屋大学, 国立大学法人大阪大学, 国立大学法人 北海道大学, 学校法人東京理科大学
    JP2006317072, 2006年08月30日
    WO2007-026746, 2007年03月08日
    200903056285605718