細川 雅史 (ホソカワ マサシ)

水産科学研究院 海洋応用生命科学部門 生物資源化学分野教授
Last Updated :2025/12/04

■研究者基本情報

学位

  • 博士(水産学), 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • n-3系高度不飽和脂肪酸
  • 炎症予防物質
  • アスタキサンチン
  • フコキサンチン
  • EPA
  • DHA
  • カロテノイド
  • リン脂質
  • 生活習慣病予防
  • Lipid Biochemistry
  • Food Chemistry
  • Molecular Nutrition
  • Fisheries Sciences

研究分野

  • ライフサイエンス, 水圏生産科学
  • ライフサイエンス, 分子生物学
  • ライフサイエンス, 食品科学
  • ライフサイエンス, 水圏生命科学

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2017年04月 - 現在
    北海道大学, 大学院水産科学研究院 生物資源化学講座, 教授
  • 2009年 - 2017年03月
    北海道大学 水産科学研究科(研究院), 准教授

委員歴

  • 2018年 - 現在
    日本農芸化学会, 代議員, 学協会
  • 2017年11月 - 現在
    日本栄養食糧学会, 代議員, 学協会
  • 2015年 - 現在
    日本肥満学会, 評議員, 学協会
  • 2013年 - 現在
    日本油化学会, 学術専門委員, 学協会
  • 2012年 - 現在
    日本食品科学工学会, 英文誌編集委員, 学協会
  • 2004年 - 現在
    日本油化学会, 国際交流委員, 学協会
  • 2016年 - 2022年
    日本水産学会, 出版委員会委員(2018-2019副委員長, 2020-委員長), 学協会
  • 2004年 - 2020年
    日本油化学会, 関東支部 企画委員, 学協会
  • 2015年03月 - 2018年
    日本農芸化学会学術活動強化委員, 学協会
  • 2012年 - 2015年03月
    日本農芸学会, 北海道支部幹事, 学協会
  • 2012年
    日本栄養食糧学会, 支部参与, 学協会
  • 2012年
    日本油化学会, 関東支部評議員, 学協会
  • 2008年
    脂質栄養学会, 評議員, 学協会
  • 2002年 - 2006年
    日本油化学会, 若手の会 幹事, 学協会
  • 2003年 - 2005年
    日本水産学会, 若手の会 幹事, 学協会
  • 2002年 - 2004年
    日本水産学会, 支部庶務幹事, 学協会

学内役職歴

  • 大学院水産科学研究院副研究院長, 2022年4月1日 - 2024年3月31日
  • 大学院水産科学研究院副研究院長, 2024年4月1日 - 2026年3月31日

■研究活動情報

受賞

  • 2024年04月, 日本油化学会, 令和5年度日本油化学会賞               
    水産脂溶性成分の有効利用を目指した分子栄養学的研究
    細川雅史
  • 2014年, アスタキサンチン研究会, 第9回 Astaxanthin Award               
    細川 雅史
  • 2012年, 日本油化学会, WCOS2012 Outstanding Poster Presentation Award               
    細川 雅史
  • 2007年, 平成18年度日本油化学会進歩賞               
    日本国
  • 2003年, The American Oil Chemists' Society, Biotechnology Division, Outstanding Paper Presentation.               
  • 2003年, The American Oil Chemists' Society, Health & Nutrition Devision, Best Overall Poster Award.               
  • 2002年, 平成14年度 日本油化学会オレオサイエンス賞               
    日本国
  • 2001年, 平成13年度 日本水産学会奨励賞               
    日本国

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

  • 生体におけるリン脂質の性状と機能性
    細川, 雅史, 菅原, 達也, 機能油脂懇話会
    建帛社, 2020年10月, 9784767962153, vi, 141p, 日本語
  • 水産生物機能性成分の研究論文概要集 : 水産生物機能性成分と研究動向
    細川, 雅史
    日本水産油脂協会, 2016年07月, vi, 50p, 日本語
  • 「第7章2 カロテノイドの吸収と代謝」、宮澤陽夫編、「食品機能性成分の吸収・代謝機構」               
    細川雅史
    シーエムシー出版、東京, 2013年, p215-223
  • Chapter 15 Chemopreventive effects of astaxanthin on inflammatory bowel disease and inflammation-related colon carcinogenesis. Editor, O Sommerburg, W Siems, K Kraemer . “Carotenoids and vitamin A in translational medicine”.               
    M. Hosokawa, Y. Yasui
    Boca Raton, USA.., 2013年, p293-308.
  • 第6章1-7 脂溶性色素、日本油化学会編、「油脂・脂質・界面活性剤データブック「I編 油脂・脂質」               
    細川雅史
    丸善、東京, 2012年, p228-234
  • Omega-3 oils : applications in functional foods               
    Hernandez Ernesto M, 細川 雅史
    AOCS Press, 2011年, 英語
  • Omega-3 oils : applications in functional foods
    Hernandez, Ernesto M., 細川, 雅史
    AOCS Press, 2011年, 9781893997820, v, 305 p., 英語
  • 褐藻脂質中に含まれるフコキサンチンの抗肥満および抗糖尿病作用
    細川, 雅史
    日本水産油脂協会, 2010年, 21p, 日本語
  • The Encyclopedia of Industrial Biotechnology               
    John Wiley & Sons, Inc., 2010年
  • Biocatalysis and Biomolecular Engineering               
    John Wiley & Sons, Inc., 2010年
  • Handobook of seafood quality, safety and health application.               
    Wiley-Blackwell, 2010年
  • 油脂・脂質の基礎と応用−栄養・健康から工業まで−(改定第2版)               
    日本油化学会, 2009年
  • Nutrigenomics and proteomics in health and disease               
    Wiley-Blackwell, 2009年
  • 油脂・脂質の基礎と応用-栄養・健康から工業まで-(改定第2版)               
    日本油化学会, 2009年
  • カロテノイドの科学と最新応用技術               
    シーエムシー出版, 2009年
  • Biocatalysis and Agricultural Biotechnology               
    CRC Press Taylor & Francis, 2009年
  • Composition, functionality and potential applications of seaweed lipids.               
    John Wiley & Sons, Inc, 2008年
  • Enzymatic production of marine-derived protein hydrolysates and their bioactive peptides for use in foods and nutraceuticals.               
    John Wiley & Sons, Inc, 2008年
  • Antiobesity effect of fucoxanthin from edible seaweeds and its multibiological functions.               
    ACS, 2008年
  • Cancer: Disease Progression and Chemoprevention               
    Research Signpost, 2007年
  • Biocatalysis and biotechnology for functional foods and industrial products               
    CRC Press Taylor & Francis, 2007年
  • Marine Nutraceuticals and Functional Foods               
    CRC Press Taylor & Francis, 2007年
  • Cancer: Disease Progression and Chemoprevention               
    Research Signpost, 2007年
  • Biocatalysis and biotechnology for functional foods and industrial products               
    CRC Press Taylor & Francis, 2007年
  • Nutraceutical and Specialty Lipids and their Co-Products               
    CRC Press Taylor & Francis, 2006年
  • Nutraceutical and Specialty Lipids and their Co-Products               
    CRC Press Taylor & Francis, 2006年

担当経験のある科目_授業

  • 分子栄養学               
    北海道大学
    2020年11月 - 現在
  • 栄養化学(2019年-)               
    北海道大学
    2019年04月 - 現在
  • 生化学1               
    北海道大学
    2018年08月
  • 生化学2(2018年)               
    北海道大学
  • 食品化学実験               
    北海道大学
  • 食品栄養学実験               
    北海道大学

所属学協会

  • マリンバイオテクノロジー学会               
  • 日本食品科学工学会               
  • 日本肥満学会               
  • 日本栄養食糧学会               
  • 脂質生化学研究会               
  • 脂質栄養学会               
  • 日本油化学会               
  • 日本農芸化学会               
  • アメリカ油化学会               
  • 日本水産学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 植物/海藻ベースn-3脂肪酸からEPA/DHAの細胞内自己強化を促進する食品成分の探索戦略
    科学研究費助成事業
    2023年06月30日 - 2026年03月31日
    細川 雅史
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 23K18042
  • 褐藻由来フコキサンチンの代謝疾患予防機構における免疫細胞の機能制御の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    細川 雅史
    2021年度の研究において、以下の研究成果を得た。
    (1)フコキサンチンを投与した肥満マウスの脂肪組織では、これまで報告しているように活性化マクロファージマーカーのF4/80およびM1マクロファージマーカーのCD11cのmRNA発現量の低下が確認された。さらに、M1マーカー(CD11c)/M2マーカー(Arg1)比も低下したことから、フコキサンチンがマクロファージの脂肪組織への浸潤を抑制するとともに、極性変化にも関わることが推察された。一方、T細胞マーカーを解析した結果、CD8に加えCD25およびCD4のmRNA発現量が低下し、T細胞サブセットへの影響が示唆された。(2)非アルコール性脂肪肝炎を誘導したマウスの肝臓では、フコキサンチンの投与によりCD8およびCD25のmRNA発現量が低下傾向を示した。(3)肝細胞およびマクロファージ株をフコキサンチン代謝物のフコキサンチノールで処理し、各オルガネラにおける蓄積をHPLCにて定量した。細胞膜、ミトコンドリア、ミクロソーム画分でフコキサンチノールが検出されたことから、細胞膜を通過しオルガネラへの移行することが推察された。特に、ミトコンドリア画分での蓄積が多いことが示唆された。(4)フコキサンチノールがミトコンドリア画分に蓄積していた点に着目し、ミトコンドリア機能に関わるミトコンドリアDNA量の測定を行った。NASHモデルマウスの肝臓からDNAを抽出し測定を行った結果、普通食群と比較してNASH誘導色群でみられたミトコンドリアDNA量の低下が、フコキサンチンにより抑制された。(5)エネルギー代謝に関わる白色脂肪組織から褐色脂肪組織への転換メカニズムとして分泌因子を介した細胞間コミュニケーションについて調べた。その結果、BMPを介した組織転換制御の可能性が認められた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21H02276
  • Enzymatic conversion of kelp biomass for biofuels and health beneficial products.
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2020年04月01日 - 2024年03月31日
    FOX BRIAN, 高須賀 太一, 細川 雅史, 栗原 秀幸
    Our aim of the current project is to develop an efficient method to depolymerize natural kelps available in the Hokkaido ocean by a combination of several enzyme functions, including laminarin-degrading enzymes and alginate-degrading enzymes. A set of kelp spp. were obtained and ready to analytically evaluate their chemical compositions for the next fiscal year. Regarding a laminarin-degrading enzyme, we had picked up a glycoside hydrolase 55 enzyme (GH55) from a highly cellulolytic insect symbiont bacterium (Bianchetti and Takasuka et al., 2015, Journal of Biological Chemistry). 7 polysaccharide lyases 18 enzymes (PL18s), which function in alginate degradation, were selected from 7 different bacterial species, and four PL18s had been recombinantly expressed and subjected to the initial enzyme screening by using pure alginic acid substrate. Moreover, two polysaccharide lyase 17 enzymes (PL17s), were gene synthesized and cloned into the bacterial expression vector. From the previous studies, PL18 is shown to be the endo-type polysaccharide lyase, which produces oligoalginic acids (>3 degrees of polymerization (DP)), while PL17 should catalyze an exo-type reaction. In the FY2021, collected kelps will be tested to be hydrolyzed by at least three different enzymes, GH55, PL17, and PL18, and end products will be analyzed.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 20H02776
  • 海洋性カロテノイドの代謝物解析と臓器・細胞連関制御を介した生活習慣病予防の新展開
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2018年04月01日 - 2021年03月31日
    細川 雅史, 岡松 優子
    (1)海洋性カロテノイドのフコキサンチンを経口投与した非アルコール性脂肪肝炎(NASH)誘導マウスでは、肝臓の脂肪蓄積に加え炎症性因子のmRNA発現の抑制が見られた。さらに、線維化進行に関わる因子の発現抑制も観察された。これらの成果は、フコキサンチンの新たな健康機能としてNASH予防効果を示唆するものである。また、NASH誘導マウスの肝臓においても、フコキサンチン開裂物のパラセントロンが検出された。
    (2)パラセントロンに加え、フコキサンチンの部分構造をもつ開裂物のapo-10’-fucoxanthinalやC28-allenic ketoneがマクロファージ様RAW264.7細胞に対して炎症性サイトカインの産生を顕著に抑制し、作用機構としてMAPキナーゼカスケードおよびIkBのリン酸化抑制が推察された。
    (3)パラセントロンまたはapo-10’-fucoxanthinalで前処理した3T3-L1脂肪細胞では、RAW264.7細胞との共培養による炎症性サイトカインやケモカインのmRNA発現が有意に抑制され、フコキサンチン開裂物の脂肪細胞とマクロファージ間の相互作用による炎症や遊走抑制作用が推察された。
    (4)アスタキサンチン開裂物のapo8’-astaxanthinalは、アスタキサンチンと比較してRAW264.7細胞に対するiNOSのmRNA発現を強く抑制し、アポアスタキサンチンの優れた抗炎症作用が示唆された。
    (5)褐色脂肪組織の活性化を介した抗肥満作用を明らかにするバイオマーカーとして、血中エクソソームに含まれるマイクロRNA(miRNA)に着目し網羅的解析を行なった。PET-CTによる褐色脂肪機能の測定により被験者を褐色脂肪活性が高い群と低い群に分け、血中のエクソソームmiRNA量を解析したところ、miR-122が褐色脂肪活性と逆相関を示すことを見出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 18H02274
  • 東北地方のノリ養殖に特化したスサビノリ低温耐性株の開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2015年04月01日 - 2018年03月31日
    三上 浩司, 細川 雅史, 横山 雄彦, 柿沼 誠, 加藤 敦之
    東北地方は、大規模なノリ養殖の北限であり、ノリ収穫期の春先に海水温が5℃以下に低下することでスサビノリの生長が抑制されるため、十分な収穫量が得られない問題を抱えている。そのため、寒冷地でのノリ生産量向上を可能にするスサビノリ新品種の作出を試みた。
    まず低温耐性株「豊浜赤スサビノリ」を選抜し、これが低温を含めた広い温度範囲で高成長を示す優良品種であることを明らかとした。そのため、宮城県漁業組合が養殖に用いている気仙沼スサビノリとの交雑を行った。その結果、両親株とは異なる形質を持つ株を複数得ることができた。今後はこれらの生理学的特性を解析し、東北地方のノリ養殖に適したスサビノリ品種を開発したい。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 15H04539
  • 海洋性カロテノイドによる脂肪細胞の褐色化を介したメタボリック症候群予防機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2015年04月01日 - 2018年03月31日
    細川 雅史, 岡松 優子, 勝木 曉美, 大内 裕佳, 田谷 大輔, 立山 莉帆, 秋田 知輝
    褐藻中に特徴的に含まれるフコキサンチンは、食餌性肥満誘導マウスの褐色脂肪組織に加え、白色脂肪組織(WAT)においてUCP1(脱共役タンパク質1)を含むミトコンドリア因子の発現増加による褐色化を誘導し、脂質代謝の活性化を伴ってWAT重量の増加を抑制した。フコキサンチン代謝物によるミトコンドリア因子の発現増加は脂肪細胞においても観察され、その調節因子としてPGC-1αの重要性が推察された。一方、褐色化に関わるベージュ脂肪細胞の数が、脂肪組織中のプロジェニター細胞により規定される可能性が高く、その数が加齢に伴い減少することを基礎知見として見出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 15H04545
  • バイオ燃料生産性を飛躍させる光エネルギー駆動型マリンビブリオファクトリーの創成
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2014年04月01日 - 2016年03月31日
    澤辺 智雄, 細川 雅史
    より効率的に海藻原料をバイオ燃料へと生物変換するために,「光エネルギー」を効果的に利用する生物触媒の開発を目的として,①Nonlabens sediminisが有するプロテオロドプシン遺伝子の発現、②新規カロテノイド生合成遺伝子群の収集とクローニングを行った。また,マリンビブリオで適応可能な効率な遺伝子改変システムの開発に向け,マリンビブリオにおけるCRISPR/Casシステムの特徴を調べた。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 26660168
  • マリンビブリオを核とした海洋バイオ水素生産技術のビッグバン
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    澤辺 智雄, 細川 雅史, 中川 聡
    高い水素生成能を有するマリンビブリオを生物触媒として,①連続的かつ安定的なバイオ水素生産を達成するための連続培養系の構築,および②発酵残滓の高付加価値化を検討し,①マンニトールを基質として70日間にわたり連続的に水素の生成が可能な培養系の構築,②2種類のマリンビブリオ生物触媒を利用した,アルギン酸‐水素生成システムの構築,および③種々の新規・希少カロテノイド生合成遺伝子資源の獲得に成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 25292122
  • 海産軟体動物および藻類に含まれる脂溶性成分の抽出と特性分析および生活習慣病予防機能の評価
    国際的な科学技術共同研究などの推進 国際科学技術共同研究推進事業 SICORP ニュージーランド
    2015年 - 2016年
    細川 雅史
    (1) 本研究は、ニュージーランド産の軟体動物や海藻などの水産物、並びに藻類に含まれる脂溶性成分の特性を明らかにするとともに、抗肥満、抗糖尿病、炎症性腸疾患予防効果を見出すことを目的とする。更に、機能脂質成分の効率的な抽出法や強化養殖法について検討する。(2) 具体的には、ニュージーランド側が藻類や軟体動物から抽出物を得て、一部を日本側へ送付する。独自に確立した分析法により、日本側ではフラン酸や複合脂質、カロテノイド組成の分析と構造解析を行い、ニュージーランド側はオメガ-3脂肪酸やリゾルビン誘導体の分析を行う。日本側では、抽出物および分離した機能性脂質を用いて、細胞および動物実験によりそれらの抗肥満や抗糖尿病、炎症性腸疾患予防効果を評価する。一方、ニュージーランド側は機能性物質の効率的な抽出法や生産量の増加を目指して、水産軟体動物への飼料の開発やフォトバイオリアクターを用いた藻類養殖法の開発をはかる。(3) 本研究で日本とニュージーランドが交流を通じて、水産物中に含まれる脂質成分の新たな健康機能性の解明と産業利用にむけた生産法の開発に取り組む。これによって、両国を含め世界的に問題となっている生活習慣病予防へニュージーランド産水産物の利用が期待できるとともに、水産業の活性化につながる。更に、本プロジェクトでは日本側の若手研究者を含めた研究交流活動、ならびに両国のプロジェクト研究者に加え、関連する国内外の研究者を含めた研究セミナーを開催することで機能性食品と水産業の発展に向けた情報交換を積極的に進める。これによって、日本とニュージーランドの継続的な研究交流と共同研究体制を構築が期待される。
    北海道大学, 研究代表者
  • アレンカロテノイドの生体内局在と機能解析
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2011年04月01日 - 2014年03月31日
    宮下 和夫, 細川 雅史
    内臓WATでのUCP1の発現に基づくフコキサンチンの抗肥満作用の分子機構を解明した。フコキサンチンによるUCP1の発現誘導は、フコキサンチンの特異な構造、すなわち、アレン結合と、カロテノイド鎖の両側に結合した官能基を多数有する2個の6員環の存在に起因していることも明らかにした。したがって、その他のアレンカロテノイドやフコキサンチンの分解産物ではこうした作用は見られなかった。フコキサンチンはインスリン抵抗性を改善し、抗糖尿病作用も示した。また、筋肉でのGLUT4の発現増大とその細胞膜の促進がフコキサンチンの抗糖尿病作用の重要な分子機構であることを見出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23380068
  • 海洋性カロテノイドの慢性炎症疾患予防作用の基盤となる組織・細胞間調節機能の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2011年04月01日 - 2014年03月31日
    細川 雅史, 安井 由美子
    フコキサンチンは、ケモカインによる脂肪細胞と免疫細胞の相互作用を制御し、肥満脂肪組織での慢性炎症を抑制した。更に、脂肪組織由来の炎症性因子の産生抑制とともに、骨格筋組織における糖代謝を改善した。一方、ヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチンが、潰瘍性大腸炎や大腸発癌のモデル系において予防効果を発揮した。その予防機構として、組織細胞に対する直接的な抗炎症作用に加え、マクロファージによる大腸細胞の炎症誘導に対する抑制効果を見出した。以上のように、海洋性カロテノイドは細胞・組織への直接的な作用に加え、それらの相互作用を制御し、効果的に慢性炎症や炎症性疾患の予防に貢献するものと推察する。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 23380120
  • バイオマス燃料生産に適する最少遺伝子セットを持つマリンビブリオセルの創成
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2011年 - 2013年
    澤辺 智雄, 細川 雅史, 中川 聡
    再生可能な新エネルギーの開発に向けて、海洋バイオマス由来のバイオ燃料の開発は技術基盤の成熟が待たれている。本研究では、海藻糖質を基質にバイオエタノール生産能を示すマリンビブリオに着目し、トランスクリプトーム、代謝産物解析、および合成生物学的代謝改変技術を導入し、バイオマス燃料生産に適する最少の遺伝子セットを持つビブリオセルの創成を行った。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 23658172
  • 新規な生体親和性化粧品素材ホスファチジル-パンテノールの機能開発
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ
    2011年 - 2012年
    細川 雅史
    本事業では、酵素的合成法にて高収率での調製が可能になったホスファチジル-パンテノールの優れた抗炎症作用を評価することを目標とした。ホスファチジル-パンテノールは、活性化したマクロファージに対して炎症性サイトカインであるIL-6やIL-1β、TNFα、炎症性酵素であるCOX-2やiNOSのmRNA発現やタンパク質産生を抑制した。その効果は従来のパンテノールと比較して4-10倍以上高い活性であり、少量で抗炎症作用を発揮する優位性をもった新規物質であることが明らかとなった。特に、ホスファチジルパンテノールの優れた抗炎症作用に関わる分子機構として、NF-κBやAP-1など複数の炎症誘導因子に対して制御機能を示すことを見出し、新規化粧品素材としての有効性を実証した。
    北海道大学
  • 化学合成細菌の光刺激によるカロテノイド生合成系の活性化と制御
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2011年 - 2012年
    細川 雅史
    本研究では、海藻から分離した11ShimoA1(A1)株が新規カロテノイドである2'-isopentenylsaporxanthinを合成し、その生合成系が青色光(470nm)の刺激によって活性化することを見出した。A1株は、カロテノイド合成に関わるcrtB、crtI、crtY、crtZ遺伝子を有し、それらがクラスターを形成していることを明らかにした。更に、A1株に特徴的なprenyltransferaseおよびphytoenedesaturaseの存在を見出すとともに、これらの遺伝子が青色光刺激によって発現増加することを明らかにした。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 23658155
  • 海洋性カロテノイドの抗炎症作用をターゲットとした生活習慣病予防機能の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2008年 - 2010年
    細川 雅史, 安井 由美子
    アスタキサンチンが、潰瘍性大腸炎や大腸発癌に対して予防効果を示すことを見出した。その作用機構として、アスタキサンチンが大腸組織においてNF-κBの活性化抑制を介して炎症性サイトカインの遺伝子発現を制御することが推察された。一方、褐藻に含まれるフコキサンチンは、内臓脂肪の増加抑制と血糖値改善効果を示す。フコキサンチンは脂肪組織における炎症性アディポサイトカインの遺伝子発現を抑制するとともに、炎症に関わるマクロファージの浸潤を抑制し脂肪細胞とマクロファージの相互作用を調節することを見出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 20380117
  • 抗糖尿病作用を示すキサントフィルの簡易濃縮法の開発
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験
    2009年 - 2009年
    細川 雅史
    ワカメなどに含まれるキサントフィルは、血糖値改善効果を有し、抗糖尿病効果が期待される。本研究では、キサントフィルとその他の成分の溶媒への溶解性の差を利用した簡便な濃縮法を開発する。具体的には、水産物から抽出した脂溶性成分を、溶媒混合物に溶解して二層分離した後、一方からキサントフィル濃縮物を回収するという極めて簡便な方法である。これにより、10-30%以上まで濃縮したキサントフィル素材の調製法を開発する。
    北海道大学, 研究代表者
  • 水産物由来の脂溶性成分による脂肪細胞のライフサイクル制御機能の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2005年 - 2007年
    細川 雅史
    本研究では、水産物に特徴的なカロテノイドや高度不飽和脂肪酸に着目し、肥満形成と密接な関わりを持つ脂肪細胞のライフサイクル制御機能に焦点を絞り検討した。マウス由来の前駆脂肪細胞3T3-L1を用いて、脂肪細胞への分化を抑制する物質の探索を行った結果、食用海藻であるワカメやコンブなどに含まれるフコキサンチンが、分化過程で誘導されるグリセロール-3-リン酸脱水素酵素(GPDH)活性や細胞内の脂肪蓄積を顕著に抑制することを見出した。更に、フコキサンチンを経口投与したマウスの白色脂肪組織で検出されたフコキサンチノールにおいても、同様の分化抑制能を示すことを明らかにした。その際、フコキサンチン及びフコキサンチノールは、脂肪細胞への分化の過程でマスターレギュレーターとして働くPPARγの発現を抑制することを見出した。また、フコキサンチンは、肥大化した脂肪細胞で過剰に発現しインスリン抵抗性を引き起こすTNFαの遺伝子発現を顕著に抑制するとともに、糖尿病肥満マウスの血糖値の改善効果を示した。これらの結果は、フコキサンチンが脂肪細胞のライフサイクルを制御することによって、白色脂肪組織の機能を改善することを示唆するものである。
    一方、水産脂質に特徴的なドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)も、3T3-L1細胞やラットより分離した初代脂肪細胞の分化をPPARγやC/EBPαの発現抑制を介して抑制することを見出した。また、有効性を明らかにしたDHAやEPAを含有する魚油とフコキサンチンを併用することで、糖尿病肥満マウスの内臓脂肪の増大をより効果的に抑制できることを見出した。
    以上の結果は、フコキサンチンやDHA、EPAが脂肪細胞のライフサイクル制御能を有し、肥満予防への利用が期待できる新たな水産成分であることを示唆するものである。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 17580178
  • 高い生体適合性と機能性をもつ新規共役脂肪酸リン脂質の合成法の開発と実用化研究
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験
    2006年 - 2006年
    細川 雅史
    本研究では、優れた生活習慣病予防機能を有し且つ幅広い用途での利用が期待できる共役型脂肪酸含有リン脂質の酵素的新規合成法の開発を試みる。特に、ホスホリパーゼ、リパーゼを利用した機能性リン脂質の合成反応に関して、?リン脂質の所望の位置への共役型脂肪酸の精密合成反応、?リン脂質の塩基構造をセリンやグリセロールに変換するリン酸基転移反応法について検討することで、本研究の実用化への見通しを得る。
    北海道大学, 研究代表者
  • 脂溶性機能成分の単分散マイクロ/ナノスフィア化による安定性及び吸収性の向上
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2004年 - 2006年
    宮下 和夫, 細川 雅史
    1.エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などの高度不飽和脂肪酸及びこれらを含む油脂の酸化は、エマルションを形成する脂質分散粒子の粒子径と界面の性質に大きく依存することを明らかにした。一般に、DHAやEPAを多く含む魚油は、リノール酸を主体とする植物油に比べてバルク系(油脂そのものを放置した系)では非常に酸化されやすいが、エマルション系では、特にその粒子径が小さい場合、場合によっては魚油の方が植物油よりも安定となることを示し、その理由を明らかにした。
    2.エマルション中での酸化安定性は乳化剤の影響を強く受けることを明らかにした。食品に一般的に用いられるショ糖エステルとポリグリセリンエステルの影響について検討したところ、HLBが高くなるほど、また、構成脂肪酸の鎖長が長い程高度不飽和油脂の酸化安定性が高くなることを明らかにした。
    3.高度不飽和脂肪酸の酸化抑制に多用される抗酸化剤の効果について、その界面での存在状態に着目した検討を行ったところ、抗酸化剤が界面付近あるいは油層により多く存在するほど(水相中での存在量が少ないほど)、抗酸化剤の効果がより強く発揮されることが明らかになった。
    4.高度不飽和脂質をはじめとする機能性脂質を含むマイクロ/ナノスフィアは、界面の化学的特性を制御することにより酸化安定性を向上できるだけでなく、生体にとって吸収されやすい形態であることが明らかになった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 16380082
  • 核内転写因子の発現を制御する高度不飽和リン脂質に関する研究
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2002年 - 2003年
    細川 雅史
    昨年度の研究において、DHA含有ホスファチジルエタノールアミン(DHA-PE)がdibutyrylcAMP(dbcAMP)によるヒト白血病HL-60細胞の分化誘導を顕著に亢進することを明らかにした。更にその過程で核内転写因子のAP-1を構成するc-Junタンパク質の発現増加を確認した。AP-1は、c-Jun/c-Junのホモダーマーまたはc-Jun/c-Fos、c-Jun/ATF-2のヘテロダイマーによって構成され、MAPキナーゼにより活性化されることで分化に関連する遺伝子を発現する。これらの結果を踏まえ、本年度は以下の点を明らかにした。
    1.DHA-PEとdbcAMPを併用した場合c-Fosタンパク質並びにそのmRNAの強い発現がみられたが、dbcAMPの単独処理におけるc-Fos発現量との間に大きな差が見られなかった。よって、dbcAMPによる分化の誘導にはc-Fosおよびc-Junの双方が重要な役割を果しているが、DHA-PEとの併用効果に発現にはc-Junタンパクがキーレギュレーターとなっていることが示唆された。
    2.DHA-PEとdbcAMPにより併用処理したHL-60細胞では、MAPキナーゼの一つであるJNKが培養初期において一過的に活性化された。これによってAP-1の転写活性も高められ、分化に関連する遺伝子の発現が亢進されることが示唆された。
    3.DHAをリガンドとすることが知られている核内受容体のペルオキシソーム増殖薬応答性受容体(PPAR)γの発現への影響を調べたが、その発現への影響は認められなかった。
    以上の結果から、DHA-PEは分化誘導物質であるdbcAMPと併用することにより、c-Junの発現亢進とJNKの活性化により核内転写因子AP-1の転写活性を高め、ヒト白血病HL-60細胞への分化誘導効果を亢進することが示唆された。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 14760131
  • DHA結合型リン脂質の構造と白血病細胞の分化誘導機構に関する研究
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1997年 - 1998年
    細川 雅史
    1. DHA結合型リン脂質の分化誘導促進効果:(1)シロサケ筋肉,精巣及びマイカ肝膵臓から抽出した水産リン脂質が,ヒト白血病(HL-60)細胞に対するレチノイン酸やジブチリルcAMPなどの分化誘導剤の作用を増強する効果,すなわち分化誘導促進能を有することが明らかとなった。(2)マウス白血病(M1)細胞に対しては,DHA結合型リン脂質単独においても分化誘導能が認められた。(3)分化誘導促進効果は,DHAの遊離脂肪酸形態に比べリン脂質形態,特にPE形態において顕著なものであったことから,機能発現にはリン脂質形態が重要であると推察された。
    2. 細胞膜への影響:TNBSクエンチング法並びに脂肪酸組成分析におけるDHA含有率の上昇から,DHA結合型リン脂質がHL-60細胞内に取り込まれていることを確認した。
    3. 機能遺伝子発現への影響:DHA結合型PEは,レチノイン酸の分化誘導過程において重要な役割を果たすレチノイドXレセプタ-α(RXRα)のmRNA量を増加させることが示唆された。
    4. 細胞内情報伝達酵素への影響:DHA結合型リン脂質の分化誘導促進作用がプロテインキナーゼ阻害剤により抑制されたことから,分化誘導促進能はプロテインキナーゼを介した作用であることが示唆された。
    以上の結果から,水産リン脂質を含めたDHA結合型リン脂質が白血病細胞に対して分化誘導能及び分化誘導促進能を有することが明らかとなった。機能発現にはリン脂質の構造が重要であり,細胞に取り込まれた後,細胞内情報伝達酵素や核レセプターの発現を介して分化誘導剤の作用を促進することが推察された。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 09760187
  • ガン細胞の増殖、分化に及ぼすDNA含有リン脂質の影響に関する研究
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1995年 - 1995年
    細川 雅史
    酸素反応により種々のドコサヘキサエン酸(DHA)含有リン脂質を調製し、ヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60細胞)の増殖、分化に及ぼす影響について検討した。
    1.種々のDHA含有ホスファチジルコリン(PC)分子種をHL-60細胞培養液に添加して、あらかじめ24時間培養することにより、レチノイン酸(RA)の細胞分化誘導能が増強された(細胞分化誘導促進効果)。その効果はDNA含有PC分子種により異なり、1-Pal,2-DHA-PC及び1-Ole,2-DHA-PCにおいて顕著であった。
    2.DHA含有PCの細胞分化誘導促進効果は濃度依存的に上昇し、それに伴い細胞内のDHA含量の増加が見られた。DHAの結合していないdi-Pal-PC、di-Ole-PC及び大豆PCには促進効果が見られなかった。
    3.DHA含有リン脂質の化学形態の影響について検討したところ、同一分子種ではPCに比べ、ポスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)の形態において細胞分化誘導能の増強作用が大きく、特に1-Pal,2-DHA-PE及び1-Ole,2-DHA-PEにおいて細胞分化誘導促進効果が顕著であった。更に、DHA含有PE自体にも分化誘導作用が見られた。
    4.HL-60細胞の増殖に及ぼすDHA含有リン脂質分子種の影響についても検討を行ったところ、DHA含有PEの形態において増殖抑制効果が大きかった。
    以上の結果より、DHA含有リン脂質がガン細胞の分化誘導促進能や増殖抑制能を有し、その効果がリン脂質の分子種や化学形態によって異なることが明らかとなった。特に、1-Pal,2-DHA-PE及び1-Ole,2-DHA-PEの効果が顕著であったことから、制ガン剤の減量とともに副作用の軽減への利用が期待される。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 07760196
  • 赤血球の変形能に及ぼす高度不飽和脂肪酸含有リン脂質の影響に関する研究
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1994年 - 1994年
    細川 雅史
    1.赤血球の変形能をシリコン単結晶基板マイクロチャンネルを用いて測定することにより、再現性の高い測定結果が得られた。
    2.リパーゼやホスホリパーゼを用いて合成したEPA,DHA含有ホスファチジルコリン(PC)は、赤血球にとり込まれることによりその変形能を向上させることを証明した。
    3.エタノールアミン結合リン脂質ではsn-2位にDHAを含むものが、セリン結合リン脂質ではsn-1位にEPAを含むものが赤血球の変態能を大きく向上させることも証明できた。
    4.リン脂質クラス間を比較すると、エタノールアミン結合リン脂質はコリン結合リン脂質およびセリン結合リン脂質よりも、赤血球変形能を向上させる作用が強いことを認めた。特に、sn-2位にDHAを含むエタノールアミン結合リン脂質が赤血球の変形能を最も向上できることが示唆された。
    5.蛍光偏光解消法により赤血球膜の流動性を測定したところ、膜の流動性向上は赤血球の変形能の向上とよく対応していた。
    6.鮭卵より調製したEPA,DHA含有リン脂質においても赤血球変形能の向上作用がみられた。
    7.リノール酸を主な脂肪酸とする大豆リン脂質は赤血球の変形能を改善しなかった。また、水素添加したリン脂質は赤血球の変形能を明かに低下させた。
    以上の結果により、EPA,DHA含有リン脂質が赤血球の変形能を向上させ、その作用の強弱が分子種や脂質形態によって異なることが明かとなった。血栓症などの成人病予防が大きな課題となっている今日、EPA,DHA含有リン脂質を合成し、機能の一部を分子種レベルで明かにできたことは意義のあることと考える。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 06760183
  • 赤血球膜流動性におよぼす高度不飽和脂肪酸含有複合脂質の影響に関する研究
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1993年 - 1993年
    細川 雅史
    1.ブタ膵臓ホスホリパーゼA_2によるsn-2位にEPA,DHAを含むホスファチジルコリンの合成、LipozymeIM60によるsn-1位にEPAを含むホスファチジルコリンの合成、Streptomyces sp.由来のホスホリパーゼDによるこれらのホスファチジルコリンのホスファチジル基転移を行うことができきた。これによりホスファチジルコリンと同一の脂肪酸残基をもつ高度不飽和脂肪酸含有ホスファチジルエタノールアミンとホスファチジルセリンの合成物を得ることができた。
    2.コリン結合リン脂質に比べアミノ基結合リン脂質のほうが赤血球により導入されやすいことを明らかにできた。
    3.TNBSクエンチング法により、赤血球にとり込まれたリン脂質の40〜50%は膜タンパク質近傍に存在することを示すことができた。
    4.高度不飽和脂肪酸含有ホスファチジルエタノールアミンはほとんど溶血性を示さないことがわかった。
    5.水素添加したリン脂質は赤血球膜の流動性を明らかに低下させることを確認できた。
    6.大豆リン脂質は赤血球膜の流動性を改善できないことがわかった。
    7.合成したEPA,DHA含有リン脂質はいずれも赤血球膜流動性を改善する作用のあることが確認された。
    8.コリン結合リン脂質、アミノ基結合リン脂質はいずれもEPA,DHAをsn-2位に含む混合形態の場合に最も高い赤血球膜流動性改善効果を示すことがわかった。
    9.同一の脂肪酸残基の場合、コリン結合リン脂質はアミノ基結合リン脂質よりも赤血球膜の流動性改善効果が低いことをみとめた。
    以上の結果より判断し、高度不飽和脂肪酸含有リン脂質は赤血球膜の流動性を高めて赤血球の変形能を向上させ、ひいては高血圧症や血栓症の予防や治療に役立つことも期待できることが明かとなった。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 05760159
  • 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質の酵素的合成とその生理作用に関する研究
    科学研究費助成事業 一般研究(C)
    1992年 - 1993年
    高橋 是太郎, 細川 雅史, 羽田野 六男
    sn-1位に高度不飽和脂肪酸を結合するリン脂質の合成を試み,次の知見を得た.
    1.中間水分活性域以上の反応系中の水分はリン脂質への高度不飽和脂肪酸導入の初速度を速めるが,加水分解を同時に促進し,収率の低下をまねくこと.
    2.低水分活性域ではリン脂質への高度不飽和脂肪酸導入速度は非常に遅いが,比較的高収率が得られること.
    3.反応系中の水分の高精度制御とポリアルコーの併用によって,理論上の上限までリン脂質のsn-1位に高度不飽和脂肪酸を導入でき,且つ最大80%の回収率を得られること.
    ついでsn-1位に高度不飽和脂肪酸を結合するリン脂質の生理活性について検討し,血清存在下でsn-1位にEPAを結合するPCはその濃度が10μg/ml培地のとき,レチノイン酸単独の場合のヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60細胞)分化誘導作用に比べ,レチノイン酸量約10倍に相当する細胞分化誘導効果を有することが認められた.これはsn-2位に高度不飽和脂肪酸を結合するリン脂質のヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60細胞)分化誘導促進作用とほぼ同一レベルであった.
    今後は個々の脂質クラス,分子種について高度不飽和脂肪酸を組かえて生理活性の評価を行う予定である.分子種と生理作用との間の構造機能相関を見いだすことを最終目標に考えている.
    日本学術振興会, 一般研究(C), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 04660218
  • Highly utilization of marine biofunctional materials               
    競争的資金

産業財産権

  • 血糖値上昇抑制剤               
    特許権
    特開2007-297370
  • フコキサンチノールの製造方法               
    特許権
    特願2005-340997
  • 生体内DHA合成促進剤               
    特許権
    特開2007-77067
  • 抗腫瘍剤               
    特許権
    特願2004-060821.