柿沢 佳秀 (カキザワ ヨシヒデ)

経済学研究院 会計情報部門 会計情報分野教授
Last Updated :2026/03/03

■研究者基本情報

学位

  • 博士(理学), 大阪大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • 多変量解析
  • 数理統計学
  • 時系列解析
  • multivariate analysis
  • mathematical statistics
  • time series analysis

研究分野

  • 自然科学一般, 応用数学、統計数学
  • 自然科学一般, 数学基礎
  • 情報通信, 統計科学

担当教育組織

■研究活動情報

受賞

  • 2023年09月, 日本統計学会, 日本統計学会賞               
  • 2008年09月, 日本統計学会, 日本統計学会研究業績賞               
    日本国
  • 2003年09月, 日本統計学会, 第17回 日本統計学会小川研究奨励賞               
    日本国
  • 2001年, 日本数学会, 2001年度日本数学会賞建部賢弘賞特別賞               
    日本国

論文

書籍等出版物

  • Research Papers in Statistical Inference for Time Series and Related Models: Essays in Honor of Masanobu Taniguchi               
    LIU Yan, HIRUKAWA Junichi, KAKIZAWA Yoshihide
    2023年, 9789819908028, [共著]
  • Asymptotic Theory of Statistical Inference for Time Series               
    TANIGUCHI Masanobu, KAKIZAWA Yoshihide
    Springer, 2000年, 0387950397

所属学協会

  • Institute of Mathematical Statistics               
  • 日本統計学会               
  • 日本数学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 高次元統計解析に有効な関数推定法の深化・展開研究
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2027年03月31日
    内藤 貫太, 寒河江 雅彦, 前園 宜彦, 柿沢 佳秀, 西田 喜平次, 小森 理, 吉田 拓真, 野津 昭文
    高次元多変量統計解析において有効に機能する「関数推定」の研究に3つのサブテーマを設けて取り組む。「3つのサブテーマ」の研究が糾う中で、関数推定の研究を更に太く発展させる。
    ◆サブテーマ「理論的拡張と深化」では、学術的「問い」として、ノンパラメトリック・セミパラメトリック重回帰分析における正則化および局所化の方法の理論的精度評価からどのような最適性が導けるか?を設定し、ノンパラトリック関数推定に研究業績がある前園宜彦(中央大)、柿沢佳秀(北海道大)と共同・分担してこの「問い」に取り組んだ。分布関数・密度関数のノンパラメトリック推定での発展的結果と、ノンパラメトリック回帰手法を応用した多変量解析の課題において成果を得た。
    ▲サブテーマ「方法の構築」では、学術的「問い」として、経験リスク最小化アルゴリズムと局所適合を適切にブレンドした新たな関数推定手法は構築できるか?を設定し、関数推定と機械学習に研究業績のある吉田拓真(鹿児島大)、西田喜平次(京都産業大)と共同・分担してこの「問い」に取り組んだ。極値分布の推定のための方法構築や、遺伝的アルゴリズムに基づく関数推定について成果を得た。
    ●サブテーマ「多様な応用展開」では、学術的「問い」として、ノンパラメトリック歪曲度解析はどのような多変量データに有用か、そしてどのような実際的問題点があり、どのような改良ができるか?を設定し、関数推定と応用統計に研究業績のある寒河江雅彦(金沢大)、小森理(成蹊大)、野津昭文(静岡がんセンター)が研究分担者として参画し、この「問い」に分担・協力して取り組んだ。テンソル積型のノンパラメトリック密度推定量や、頻度ポリゴンに関して新たな考察を与えると共に、ノンパラメトリック推定量に現れるビン幅の選択に関して精緻な議論を与え成果を得た。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 23K28043
  • 非対称カーネルによるノンパラメトリック推測理論の新展開
    科学研究費助成事業
    2023年04月 - 2027年03月
    柿沢 佳秀
    本研究は「ノンパラメトリック関数推定」に焦点を置き,推定位置に応じた可変的な平滑化ができ,かつ,境界バイアスの欠点がないような「非対称カーネルを用いた推定量」を種々に提案して,それらの統計的漸近理論を構築することを目的にする。具体的には,密度推定から密度高階微分推定・分布推定へ転換させ,境界バイアスのないノンパラメトリック推定量を開発する。さらに,サンプリングの問題 (非負データが``直接に''採れるか,もしくは,バイアスのあるデータのみ利用出来るような,サンプリング状況に応じた適切な統計的推測)も考慮し,様々な状況から検討していく.R5年度においては以下のような成果を得た。
    (1)直接サンプリングではなく,いわゆる『レングス・バイアスド・サンプリング』の下での境界バイアス問題が回避された密度推定量の研究に従事した。
    (2)下記の(3)に関連して,方向統計学における分布論,及び,ノンパラメトリック推定法の先行研究を深く文献調査した。
    (3)非負変量Yと角度変量Θからなるmixedデータに対してノンパラメトリックな密度推定量・高階密度微分推定量を提案した。Θに関しては周期性から境界バイアスが起きないが,Yに関しては位置・尺度型カーネルを用いた従来の推定量ではO(1)の境界バイアスが生じることを示し,このような境界バイアスを回避できるような,新しい積型カーネル推定量を考察した(成果の一部は,学会・研究集会で報告)。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 23K11002
  • 非対称カーネルを用いたノンパラメトリック推測とその応用に関する研究
    科学研究費助成事業
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    柿沢 佳秀
    『ノンパラメトリックな関数推定』に対して『境界バイアス問題のない非対称カーネル法』を開発し、その体系を整備することに焦点をおき、R3年度においては以下のような成果を得た。
    (1)報告者の2020論文で「多変量非心Birnbaum・Saunders分布論」を非積型の非対称カーネルの構築のために使用していたが、これは多変量正規分布ベースであったから、さらに『楕円分布ベースの非心Birnbaum・Saunders』へと進化させ、これから新たな多変量密度推定量族を提示して、漸近的な諸結果を導いた。また、その検証として数値実験を実施した(国際的な専門雑誌Journal of Multivariate Analysisに掲載済である)。
    (2)報告者は近年『非対称カーネルに基づくノンパラメトリックな関数推定』の中でも、特に、密度推定の文脈において、独立同一標本を仮定していたが、通常のRosenblatt・Parzen法と同様に、[a] 定常時系列の定常密度推定へも拡張可能である(技術的に漸近分散は勿論、相関構造に依存するが、短期記憶過程の場合には主要項に寄与しない)。他方で、[b] 独立同一分布の設定において、直接サンプリングではなく、いわゆる『レングス・バイアスド・サンプリング』の下での境界バイアス問題の回避された密度推定の漸近論に着手した。従来のRosenblatt・Parzen法で境界バイアス問題があることを指摘し、それを回避するための1つの策として、非対称カーネル法による新たな密度推定量を再考察した。漸近的な諸結果を導き、その検証としての数値実験も実施した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 20K11700
  • 非対称カーネル法及びベルンシュタイン型近似に基づく非負データの推測理論の新展開
    科学研究費助成事業
    2017年04月01日 - 2020年03月31日
    柿沢 佳秀
    非負データの確率密度をノンパラメトリック推定するための非対称カーネル法を整備した。特に、(i) Amorosoカーネル族、(ii) 対称分布ベースのq-MIGカーネル族、または、歪分布ベースの非心q-BSカーネル族による密度推定量を構築し、(iii)(高次の)バイアス修正された非対称カーネル密度推定量、(iv) 多変量非心BSカーネル密度推定量も考察した。
    それら新しい推定量についてバイアス・分散、平均(積分)2乗誤差の漸近公式を導出し、強一致性や漸近正規性を証明した。さらに、数値実験から漸近性能を確認した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 17K00041
  • ベルンシュタイン多項式と非対称カーネルに基づく統計推測理論とその応用に関する研究
    科学研究費助成事業
    2014年04月01日 - 2017年03月31日
    柿沢 佳秀
    本研究では非負データの確率密度関数をノンパラメトリックに推定するため、非対称カーネル法に焦点をおいた。先行研究のMIGカーネルを様々に拡張し、その結果、密度生成機と呼ばれる無限次元の関数で規定される「G-MIGカーネル密度推定量」の新しい族を提案した。それらの推定量に対し漸近バイアス・分散・平均積分2乗誤差などの公式を導出して、強一致性及び漸近正規性も証明した。一方、ガンマカーネル推定量、逆ガンマカーネル推定量を含む「Amorosoカーネル密度推定量の族」を提案し、その漸近性能を議論した。さらに、バイアス修正された密度推定量も考察した。漸近理論を確認するシミュレーション実験を実施した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 26330030
  • 大規模で非定常な時系列・時空間データのモデル化とその推定・検定・予測法の研究
    科学研究費助成事業
    2013年04月01日 - 2017年03月31日
    松田 安昌, 陳 春航, 栗原 考次, 柿沢 佳秀, 西山 慶彦, 丸山 祐造, 生川 雅紀, 西井 龍映, 高橋 邦彦, 矢島 美寛
    非定常な構造をもつ大規模な時空間系列を研究対象として、そのモデル化とその推定・検定・予測法を提案し、実データを使って実証研究を行った。本研究では時空間相関を時間相関と空間相関の積で与えられるセパラブルモデルを用い、空間相関にはContinuous Autoregressive Moving Average (CARMA) モデルを、時間相関にはARMAモデルをあてはめる時空間モデルを開発した。そしてアメリカ大陸6000地点で月次で観測される降雨量のデータに応用し、大規模データに対応する高速なパラメータ推定法、時空間相関のセパラビリティの検定、大規模データに対応する高速な予測法を提案した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東北大学, 25280005
  • ベルンシュタイン多項式による密度推定法の統計理論とその応用に関する研究
    科学研究費助成事業
    2011年 - 2013年
    柿沢 佳秀
    本研究では、独立同一分布設定における確率密度や定常時系列過程におけるスペクトル密度(行列)のような密度関数をノンパラメトリックに推定するため、ベルンシュタイン多項式近似に焦点をおいた。まずベルンシュタイン推定量の加法型・積型(従って、非負型)バイアス修正を提案した。次に、非対称カーネル推定法の開発をめざし変形ベッセルカーネル推定量の新しい族を構成した。それら漸近バイアス・分散・平均積分2乗誤差などの公式を厳密に求め、漸近正規性も証明した。さらに、ガンマカーネル推定量において平均積分2乗誤差を小さくするような変形版の推定量を提示した。漸近理論を確認する数値実験と実データ解析も実施した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 23500339
  • スペクトル密度推定の平滑化パラメータ選択の統計理論とその応用に関する研究
    科学研究費助成事業
    2008年 - 2010年
    柿沢 佳秀
    ノンパラメトリック関数推定法における「平滑化パラメータ」とは、関数近似誤差(統計学の用語では推定量の偏りに相当する)と推定量の分散とのトレードオフを制御する役割をもつ。本研究では一般化ベルンシュタイン多項式近似に基づいたスペクトル密度推定量及び確率密度推定量を提案した。特に、平滑化パラメータに相当する多項式次数だけでなく、古典的なベルンシュタイン推定量を繋ぐ役割をする第2パラメータの選択にも注目し、漸近バイアス・分散・平均2乗誤差などの公式を導出し、漸近正規性も証明した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 20500248
  • 統計科学における数理的手法の理論と応用
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2010年
    谷口 正信, 吉田 朋広, 越智 義道, 姚 峰, 若木 宏文, 柿沢 佳秀, 神保 雅一, 前園 宣彦, 狩野 裕, 蛭川 潤一, 清水 邦夫, 近藤 正男, 宇野 力, 宮田 庸一, 高田 佳和, 野間口 謙太郎, 栗木 進二, 加藤 剛, 赤平 昌文, 竹村 彰通, 小西 貞則, 高橋 大輔, 前川 功一, 鈴木 武, 西井 龍映, 笹渕 祥一, 安芸 重雄, 栗木 哲, 青島 誠, 玉置 健一郎, 白 石博, 白旗 慎吾, 塩浜 孝之, 赤平 昌文, 竹村 彰通, 小西 貞則
    過去、現在、未来が影響しあうと想定される現象を記述する数学的モデル(確率過程)の観測系列からの統計的推測に於いて、極めて一般的な設定で、最適な推測論を数学的に構築し、理論成果を金融、経済、生体・医学、工学、環境等に応用し、理論と応用両面で多大な進展を得た。4年間、国内はもとより、国外の研究者も加えた形で研究遂行をして、その中で、若手研究者、院生の育成も行った。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 早稲田大学, 19204009
  • ベルンシュタイン多項式に基づく統計的推測理論とその時系列への応用
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2005年
    柿沢 佳秀
    本研究での主たる対象は時系列解析だが、ベルンシュタイン多項式に基づく関数推定問題は独立同一分布を想定した母集団分布(密度)関数や回帰モデルにおける回帰関数など、いわゆる「関数のノンパラメトリックな統計的推測」の中に位置づけられる。独立同一分布の密度関数推定(レフリー付きジャーナルJNSに掲載)との類似点に着目し時系列解析の典型例である定常過程のスペクトル密度推定問題への接近法としてベルンシュタイン多項式近似理論を応用(レフリー付きジャーナルJTSAに掲載)した。連続関数なスペクトル密度は周期関数で原点対称性をもつから、[0,π]上のベルンシュタイン近似が採用され、ベルンシュタイン多項式を重みとする推定量の属(古典的に議論されてきたダニエルによるスペクトル推定量の線形結合)を考察し、さらに、ダニエルウィンドウ関数を一般的なウィンドウ関数に替えることで、ダニエルウィンドウ関数の最適性がベルンシュタイン法の意味で示された。平滑化パラメータの選択に対するアイディアは「関数のノンパラメトリックな統計的推測」の枠の中で先行研究が多数存在しておりベルンシュタイン推定法を念頭に関連する文献研究をした。一方では、漸近的な分散の振る舞いは原点近傍と内点ではオーダーが違っており、特に、標本サイズに依存かつ原点に収束するような位置におけるベルンシュタイン関数推定漸近理論には注意を払う必要も示した。このことは、ベルンシュタインスペクトル推定量は原点付近にピークが現れる傾向(これはベルンシュタイン法に対して実施された大規模な数値実験からも確認されており、1つの欠点と判断される)をもつことに対応しており、局所的なベルンシュタイン多項式次数の選択法開発の必要性を認識した。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 15700228
  • 量子推測理論の数理統計学的基礎とその応用
    科学研究費助成事業
    2002年 - 2005年
    赤平 昌文, 青嶋 誠, 林 正人, 大和 元, 景山 三平, 前園 宣彦, 高木 祥司, 白倉 暉弘, 今井 浩, 吉田 朋広, 近藤 正男, 松本 啓史, 宇野 力, 狩野 裕, 白石 高章, 櫻井 明夫, 高田 佳和, 栗木 哲, 柿沢 佳秀, 磯貝 英一
    次のような多岐のテーマについて研究を行った。(1)統計的モデルと統計量の関連を含めて。、モデルの性質を調べた上で、種々の統計量の挙動について興味ある成果を得た。(2)ファイナンスへの統計理論、時系列解析及びそれらの応用において、統計的方式が漸近的に有用であることが示された。(3)実験計画とその周辺分野において。組合わせ論的手技によって数理構造が解明されるとともに、実際問題への適用可能性を目指した研究成果も得た。(4)統計的逐次推測理論において。いくつかの逐次推定方式が提案され、その性質が詳しく調べられ、その漸近的有効性が示された。(5)バイオスタティスティクスの数理的基礎理論の構築が試みられ。統計的推測方式が一定の役割を果たすことが示された。特に、生物検定法。スコア検定等が有用であることが示された。(6)量子力学の非局在性と統計的推測の関連性が解明され、推測法が量子推定。量子検定においても有効であることが示された。特に具体的な物理現象の理論的基礎として重要な役割を果たすことも認識された。(7)統計的推測において。一致推定量の裾確率の下界について、従来のBahadur効率とは異なる観点から、1次、2次漸近効率が研究され、ノンパラメトリックまたはセミパラメトリックな検定を統一的に扱う数学的定式化がなされ、スペクトル密度行列の推定量に基づく新たな検定統計量が提案され、その漸近特性が導かれた(8)ノンパラメトリックな量子状態族の下での状態推定、量子状態の卒測、量子情報幾何、量子状態の識別問題において新しい興味ある研究成果が得られた。上記に関しては多くの研究集会を開催し、活発な討論、情報交換を行った。それらの成果については報告書を冊子体としてまとめた。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 筑波大学, 14204006
  • 空間時系列のスペクトル構造の統計的推測に関する研究
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2002年
    柿沢 佳秀
    スペクトル密度に関する検定問題の典型は1.(正規)定常過程のスペクトルが与えられたスペクトルに等しいか?、すなわちH1:f:f0
    2.2つ以上の互いに独立な(正規)定常過程のスペクトルがすべて与えられたスペクトルに等しいか?、すなわちHa:f1=...=fa=f0
    3.2つ以上の互いに独立な(正規)定常過程のスペクトルがすべて等しいか?、すなわちHa':f1=...=faの3つである。昨年度は検定1と検定2におけるBahadur漸近有効性を念頭に、カーネルスペクトル推定量に対してsup-norm型統計量の大偏差確率評価を与えた。しかしカーネル推定の宿命としてカーネル推定量を規定するバンド幅を標本数に依存させて決めねばならないから、結果として標本サイズより緩いオーダーでの収束になっていたのである。本年度はそれを回避することをまず試み、そして検定3のいわゆる同等性検定も追加した。そのため統計量はピリオドグラムを積分した経験スペクトルから構成することにした。a標本問題は1標本問題の拡張として議論できる場合が多かった。特にsup-norm型統計量の大偏差確率を扱う際、昨年度カーネル法で議論したアプローチを改良して、任意の半区間[x,∞[,あるいは]x,∞[で大偏差確率の上限評価を行った。また検定3では共通のスペクトルが未知であるため検定問題は複合帰無仮説であって、ある種のコンパクト性を仮定した下で関数空間上のsupとして大偏差確率のrateを計算する問題へ帰着され、それらをテクニカルレポートとしてまとめた。Kuiper型統計量がKS型統計量よりもBahadur漸近効率の意味で劣ることはないという結果はiidでの古典的な先行研究から予想される。しかし本研究のスペクトル検定において統計量の分布が帰無仮説のスペクトルに依存する点は特徴的である。このような事実はiidの多くの先行研究には見られず、したがって今回追加した検定3への取り組みはさらに改良する余地があろう。また今年度の研究から、昨年度の成果であるカーネルスペクトル推定量の大偏差確率評価も制限された半区間だけでなく任意の半区間へも拡張される見込みがあることから再検討をはじめた。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 13780170
  • 多変量時系列の成分間の独立性検定に関する研究
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    柿沢 佳秀
    時系列の独立性検定には種々の考え方があるが、特に
    (1)多変量自己回帰モデルモデルの当てはめ
    (2)スペクトル行列をノンパラメトリックな平滑化法を用いて推定する
    に関係する研究を行った。
    (1)に関しては、前年度数値プログラムを開発し、ある2次元の時系列データの数系列について試したのであるが、この場合の独立性検定の問題はパラメトリックモデルの仮説検定の問題の具体例であり、多変量時系列の因果分析との類似もあることから、今年度は因果分析についての文献調査・研究を行った。独立性検定とは直接関係ないのであるが、多変量自己回帰モデルを想定する場合、因果分析と並んで共和分分析も重要な話題の1つであり、その数学基礎を学んだ。またパラメトリックモデルを想定する場合、残差分析はモデル検証の1つのアプローチであり、いわゆる(多変量の)風呂敷型検定に関する文献調査も行った。
    (2)に関しては、「時系列でのスペクトル推定」が「独立同一分布での確率密度関数推定」に相当することから、ピリオドグラムの平滑化(スペクトル)推定量の漸近理論とカーネル型(密度関数)推定量の漸近理論との類似があり、後者の文献調査・研究を行った。平滑化パラメータの選択に関する文献調査も行い、その数値プログラムを作り、時系列データに試した。ピリオドグラムの平滑化(スペクトル)推定量の2乗の積分の漸近的性質を明らかにできれば(2)のアプローチは独立性検定だけではなく、スペクトルの同等性検定など多くのスペクトル構造を探る問題設定へ適用されうる。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 11780164
  • 複雑非線形現象の統計理論の開発と応用
    科学研究費助成事業
    1997年 - 2000年
    柳川 尭, 大瀧 慈, 田栗 正章, 小西 貞則, 笛田 薫, 柿沢 佳秀, 越智 義道
    ・観測カオス時系列データから埋め込み次元と遅れ時間を推定する理論および方法を開発した。また、脈波データおよび脳波データに適用し、開発した方法の有効性を実証した.
    ・ダイナミックノイズをもつ非線形自己回帰モデルから観測されるデータに基づいてスケルトンのリアプノフ指数を推定する方法を開発し、推定量の一致性を証明した.
    ・正則化法によって推定されたロジスティックモデルを評価するための規準を導出し,その有効性を実データやシミュレーションによって実証した.また、ベイズ型予測分布モデルの評価規準を求め,モデル評価の観点からハイパーパラメータを推定する理論および方法を開発し、その有効性を実証した.
    ・ブートストラップ法を用いるノンパラメトリックな方法について、幾つかの検定方法を開発した.また、複雑な標本抽出方式における非線形の推定値の標本誤差の推定には、ブートストラップ法が極めて有効であることを実証した.
    ・多次元非線形データ解析を目的とする交交替条件付き期待値アルゴリズムを開発し、ソフトウエアを開発した.また、sliced回帰の理論を解明し、実用化のためのさまざまな技法を開発した。
    ・定常時系列の枠組みで、バハドールスロープを始めとするいくつかの統計量の有効性を証明した.
    ・時系列データのサブサンプリング法理論を開発した。また、予測の平均2乗誤差のクロス・バリデーション推定量の漸近正規性を示した.
    ・超過ポアソン変動および超過二項変動をもつ母集団に対する非線形傾向性検定を開発し、超過変動をもつ複雑な非線形反応を高い検出力で検出することを検証した.
    ・counter-matchingサンプリングの場合のMantel-Haenszel推定量を開発した.また、ペアワイズ条件付き推定関数を用いたMantel-Haenszel推定量の拡張を行った.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 九州大学, 09440083
  • スペクトル行列の固有値に基づく擬似距離とその検定問題への応用
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1998年
    柿沢 佳秀
    前年度の研究にて本研究者が以前に考察した3つの特殊なスペクトル間の距離を固有値問題として捉えることにより擬似距離の固有値に基づくクラスに至った。固有値を変換する関数の微係数に対する条件を課せば擬似尤度に基づく推測と漸近的に同等なものが構成できることがより明らかになった。一方では擬似尤度は本質的には尤度原理に対応するが、IID設定の統計的推測問題で知られているように、時系列でもある種のロバストネスが欠如していることに気づく。また、前年度提案したクラスではいわゆるカーネルスペクトル推定量を使用しなければ上記の結果は成立しない。したがって、漸近論ではバンド幅に対するオーダー条件を課すことにより理論構築に成功したのであるが、現実にはカーネルのバンド幅選択の問題が生じる。これら2点を念頭におき今年度後半からは、カーネル法を必要としない、かつ、ある種ロパストネスをもつ手法の検討に着手し始めた。まず、擬似尤度法と、時系列のスペクトルバージョンのL^2適合を滑らかに1パラメータによりつなぐ距離のクラスを見つけることができたが、これは今後の研究の基礎をなすと予想される。なぜなら、この導入された距離はカーネル法を必要としない、すなわち、ピリオドグラムを使用すればよいので、この場合は高次の漸近理論が可能になるからである。過去の高次の理論は正規定常過程の枠組みではモデルが正しいという設定に集中していたので、第1段階としてモデル誤りの状況下におけるピリオドグラム型統計量の漸近展開を導出した。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 09780211
  • 多変量統計推測における漸近展開公式の使用手引
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1998年
    岩下 登志也, 塩谷 実, 柿沢 佳秀, 岩下 登志也
    本研究は,平成6〜7年度文部省科学研究費補助金による研究の第2段階として統計的判別分析における2群判別の誤判別確率に対する漸近展開公式に対するパラメーターの有効範囲を求める研究を行った.2群の正規母集団の下で,2群に対する誤判別確率(PMD)は,Wald-Andersonの判別統計量に基づき計算されるが,正確なPMDは求められず,Okamoto(1963,1968),Siotani and Wang(1975,1977)による漸近展開公式より,近似的なPMDを求めている.この公式は,次元p,サンプルサイズn,Mahalanobisの汎距離△の関数となっているため,応用上,パラメーターの組(点)(p,n,△)の範囲を予め設定しておく必要がある.その設定を行うため,漸近展開公式によるPMD値のグラフを種々の点(p,n,Δ)に対して描き,漸近展開公式が有効と思われる(p,n,Δ)の範囲Dを求めておく.次に,D内のいくつかの点(p,n,Δ)に対し,漸近展開公式とMonte Carlo数値実験双方によりPMDを求め,その絶対誤差により,誤差上限に関する実験式U_T≡U_T(p,n,Δ)=Kp^ρn^λexp{α(Δ-0.6)}(1+ε),(p,n,Δ)∈Dの定数K,α,ρ,λ,εを推定した.そして,この実験式の有効性を吟味するため,定数K,α,ρ,λ,εの推定に利用しなかったD内の点に対して,絶対誤差により評価した結果,あまり実用的でない状況を除き,実験式が有用であることが確認でき,漸近展開公式を利用するユーザーに対して,有効な指針を与えることが出来た.さらに,現在,WilksのΛ統計量に対しても同様な実験式を考案中であり,これについては,機会があれば報告する予定である.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 明星大学, 08680334
  • スペクトル密度の推定               
    その他の研究制度
    競争的資金
  • Estimation of spectral density               
    The Other Research Programs
    競争的資金

主な担当授業

  • 卒業論文, 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 時系列分析特論A, 2024年, 修士課程, 経済学院
  • 論文, 2024年, 修士課程, 経済学院
  • 時系列分析特論B, 2024年, 修士課程, 経済学院
  • 現代経済経営演習, 2024年, 博士後期課程, 経済学院
  • 現代経済経営演習Ⅰ, 2024年, 修士課程, 経済学院
  • 現代経済経営演習Ⅱ, 2024年, 修士課程, 経済学院
  • 経済時系列分析特論A, 2024年, 修士課程, 経済学院
  • 経済時系列分析特論B, 2024年, 修士課程, 経済学院
  • 現代経済経営特別研究Ⅰ, 2024年, 博士後期課程, 経済学院
  • 現代経済経営特別研究Ⅱ, 2024年, 博士後期課程, 経済学院
  • 現代経済経営特別研究Ⅲ, 2024年, 博士後期課程, 経済学院
  • 演習Ⅰ(2単位), 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 演習Ⅱ(2単位), 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 演習Ⅲ(2単位), 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 演習Ⅳ(2単位), 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 演習Ⅴ(2単位), 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 演習Ⅵ(2単位), 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 演習Ⅶ(2単位), 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 演習Ⅷ(2単位), 2024年, 学士課程, 経済学部
  • 統計学, 2024年, 学士課程, 全学教育
  • 会計専門職特殊講義A, 2024年, 専門職大学院, 経済学院
  • 会計専門職特殊講義B, 2024年, 専門職大学院, 経済学院
  • 会計専門職特殊講義B, 2024年, 専門職大学院, 経済学院
  • 統計学実習, 2024年, 専門職大学院, 経済学院