片山 司 (カタヤマ ツカサ)

電子科学研究所 附属グリーンナノテクノロジー研究センター准教授
Last Updated :2025/06/18

■研究者基本情報

学位

  • 博士(理学), 東京大学, 2016年03月

Researchmap個人ページ

研究者番号

  • 50784617

研究キーワード

  • 酸化物薄膜

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2021年04月 - 現在
    北海道大学, 電子科学研究所, 准教授, 日本国
  • 2021年10月 - 2024年03月
    JST さきがけ (兼任)
  • 2019年01月 - 2021年03月
    東京大学, 大学院理学系研究科, 助教, 日本国
  • 2018年01月 - 2018年12月
    東京大学, 大学院理学系研究科, 特任助教, 日本国
  • 2016年04月 - 2017年12月
    東京工業大学, フロンティア材料研究所, 博士研究員, 日本国
  • 2014年04月 - 2016年03月
    独立行政法人日本学術振興会, 特別研究員, 日本国

学歴

  • 2013年04月 - 2016年03月, 東京大学, 大学院理学系研究科, 化学専攻, 博士課程, 日本国
  • 2011年04月 - 2013年03月, 東京大学, 大学院理学系研究科, 化学専攻, 修士課程, 日本国
  • 2007年04月 - 2011年03月, 東京大学, 理学部, 化学科, 日本国

■研究活動情報

論文

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 高密度ナノドメインが拓く電荷・スピン機能開発
    科学研究費助成事業
    2020年04月01日 - 2024年03月31日
    片山 司
    遷移金属酸化物は遷移金属元素の種類と結晶構造の組み合わせにより、光触媒・高温超伝導・巨大磁気抵抗・強誘電などの多種多様な物性を示すため、基礎研究から応用開発まで精力的な新奇物性探索が展開されている。中でも最近注目され始めたのが、ナノドメイン構造制御による機能拡張である。例えば、ドメイン境界を活用することでバンドギャップ以上のエネルギーの光起電力を得ることや、磁気スピン秩序を反強磁性から強磁性に変調すること、さらに二次元超伝導の発現など様々な新奇物性が報告されている。この様なドメイン由来の新奇物性を広く活用する上で、高密度ドメインを酸化物中に形成することが重要となる。しかしながら、これまで酸化物薄膜でのドメイン密度(単位面積当たりのドメイン数)は小さく、マクロ物性への影響は限られていた。2021年度、申請者はマルチフェロイック材料の六方晶希土類酸化物(h-RFeO3)系材料に注目し、研究を進めた。申請者は希土類イオンの大きさを制御することで、h-RFeO3薄膜内にP63cm構造とP-3C構造から成る高密度ドメインを膜内に形成し、この系で初めての室温反強誘電特性の発見に成功した。さらに、膜厚を系統的に変化させることで強誘電―反強誘電相転移を温度変化により引き起こすことに成功した[B. Chen, T. Katayama* et al., J. Mater. Chem. C 10, 5621 (2022).]。またこの反強誘電-強誘電転移温度はc/a値の制御により変化させることができた。さらに申請者はダブルペロブスカイトRBaCo2O5.5を対象に研究を進め、結晶ドメインを導入することで磁化の変調を可能にした[T. Katayama* et al., Chem. Mater. 33, 5675 (2021).]。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 20H02614
  • 単結晶酸化物シート材料の探索
    科学研究費助成事業
    2018年04月01日 - 2020年03月31日
    片山 司
    フレキシブルシートはこれまで多くが有機物やアモルファス酸化物などで作製されていた。近年、単結晶酸化物を単結晶基板上に作製し、それを剥がすことで単結晶酸化物フレキシブルシートを作製する技術が注目を集めている。本研究では様々な単結晶フレキシブルシート作製に取り組んだ。その結果、高い伝導性を示すSrRuO3や強誘電BaTiO3の単結晶フレキシブルシート作製に成功した。
    日本学術振興会, 若手研究, 東京大学, 18K14122
  • GaFeO3型酸化物薄膜を基にした室温マルチフェロイック材料の探索
    科学研究費助成事業
    2016年08月26日 - 2018年03月31日
    片山 司
    大きな電気磁気効果を示すマルチフェロイック材料は基礎研究のみならず、省電力デバイスなどの応用の観点からも重要である。しかし現在、室温動作可能なマルチフェロイック材料は非常に限られており、新たな材料開発が求められてた。本研究では室温で強誘電性とフェリ磁性を示すGaFeO3型酸化物薄膜に注目し、室温での大きな電気磁気効果発現と室温マルチフェロイック材料創出を目指した。GaFeO3型薄膜はリーク電流が大きいという課題があったが、申請者はSc置換によりリーク電流の大幅に減少することを見出し、良質な強誘電ヒステリシスを得ることに成功した。また元素置換による室温での幅広い磁気特性制御にも成功した。
    日本学術振興会, 研究活動スタート支援, 16H06794
  • 垂直磁化マルチフェロイック構造の設計と電圧磁化制御
    科学研究費助成事業
    2015年04月01日 - 2018年03月31日
    伊藤 満, 安井 伸太郎, 谷山 智康, 濱嵜 容丞, 森分 博紀, 片山 司
    本研究では、垂直磁化した磁性体あるいはマルチフェロイック薄膜に電場を印加して、磁化反転を行うための、材料とデバイス構造を最適化するための基礎的知見を得ることを目的として、一連の実験を行った。κアルミナ型、YMnO3型マルチフェロイック材料に関してはドメイン構造、磁化特性、および室温での強誘電性に着目して材料探索を目的として薄膜合成をおこない、マルチフェロイック特性を調べた。強磁性体金属ー強誘電体ヘテロ構造も作製して電場による磁化制御を行った。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京工業大学, 15H02292