脊戸 和寿 (セト カズヒサ)

情報科学研究院 情報理工学部門 知識ソフトウェア科学分野准教授
Last Updated :2025/06/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(情報学), 京都大学, 2010年03月

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • アルゴリズム設計論
  • 計算量理論

研究分野

  • 情報通信, 情報学基礎論

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2020年11月 - 現在
    北海道大学, 大学院情報科学研究院, 准教授, 日本国
  • 2017年04月 - 2020年10月
    成蹊大学, 理工学部, 准教授
  • 2015年04月 - 2017年03月
    成蹊大学, 理工学部, 専任講師
  • 2013年09月 - 2015年03月
    成蹊大学, 理工学部, 助教
  • 2012年10月 - 2013年09月
    電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 非常勤研究員
  • 2010年04月 - 2012年09月
    京都大学, 大学院情報学研究科, 特定研究員

■研究活動情報

論文

その他活動・業績

  • Optimal LZ-End Parsing is Hard.
    Hideo Bannai, Mitsuru Funakoshi, Kazuhiro Kurita, Yuto Nakashima, Kazuhisa Seto, Takeaki Uno, CoRR, abs/2302.02586, 2023年
  • Internal Longest Palindrome Queries in Optimal Time.
    Kazuki Mitani, Takuya Mieno, Kazuhisa Seto, Takashi Horiyama, CoRR, abs/2210.02000, 127, 138, 2022年
    Springer
  • 理工学部初年次学生に対するオンデマンド型online講義による情報関連講義の教育効果—Effectiveness of an On-demand Online Course in Information Science for First-year Science and Engineering Students
    井内 勝哉, 西尾 悠, 脊戸 和寿, 小川 隆申, リメディアル教育研究 / リメディアル教育研究編集委員会, 16, 25, 161, 167, 2022年
    本稿では,理工学部初年次生に対する情報教育において,オンデマンド型online講義をデザインした。講義毎の課題および講義期間終了後の授業アンケートを解析した結果,オンデマンド型online講義では課題達成能力,理解度,満足度の点で対面講義より評価が高かった。オンデマンド型online講義の特徴である反復学習により,理解度の向上が予想された。初年次生の知識の習得幅が大きい情報教育では,オンデマンド型online講義で知識を習得し,その後,対面講義や実習などによる知識の定着が効果的と想定された。, 日本リメディアル教育学会, 日本語
  • コンピュテーション研究会 近況報告
    脊戸 和寿, 情報・システムソサイエティ誌, 23, 3, 8, 9, 2018年11月01日
    一般社団法人電子情報通信学会, 日本語
  • Sorting k-Sets in Bins問題に対する貪欲アルゴリズムの上界の改良 (コンピュテーション)
    清水 堅斗, 三觜 辰也, 脊戸 和寿, 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報, 116, 503, 29, 32, 2017年03月07日
    電子情報通信学会, 日本語
  • SYM-AND2段回路の充足可能性問題に対する厳密アルゴリズム
    脊戸 和寿, 玉置 卓, 照山 順一, 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報, 116, 262, 29, 34, 2016年10月21日
    電子情報通信学会, 英語
  • 線形サイズk‐IBDD充足可能性問題に対する厳密アルゴリズム
    脊戸和寿, 照山順一, 照山順一, 長尾篤樹, 長尾篤樹, 情報処理学会研究報告(Web), 2015, AL-152, VOL.2015-AL-152,NO.1 (WEB ONLY), 2015年02月24日
    日本語
  • 線形サイズk-IBDD充足可能性問題に対する厳密アルゴリズム
    脊戸 和寿, 照山 順一, 長尾 篤樹, 研究報告アルゴリズム(AL), 2015, 1, 1, 7, 2015年02月24日
    k-IBDD は,k 段のレイヤーを持つ分岐プログラムであり,各レイヤーが OBDD (順序付き二分決定図) となっている.本稿では,k-IBDD 充足可能性問題 (以下,k-IBDD SAT) を考える.k-IBDD SAT とは,与えられた k-IBDD が 1 を出力するような変数割当が存在するかどうかを判定する問題である.本問題に対して,n 変数,poly(n) ノードの k-IBDD SAT を高々 poly(n)・2n-n1/2k-1 時間で解く多項式領域アルゴリズムが知られている.ここで,poly(n) は n の多項式を表す.本稿では,n 変数,cn ノードの k-IBDD SAT を高々 poly(n)・2(1-μ(c))n 時間で解く指数領域アルゴリズムを与える.ここで,μ(c)=Ω(1/(log c)2k-1-1) である.我々のアルゴリズムは既存のアルゴリズムを拡張することで線形サイズの k-IBDD に対して 2n 時間より指数的な高速化を達成している., 一般社団法人情報処理学会, 日本語
  • 最大充足可能性問題の疎な例題に対する厳密アルゴリズム
    脊戸和寿, 成けい大学理工学研究報告, 51, 2, 19, 21, 2014年12月01日
    type:Article
    We present a moderately exponential time polynomial space algorithm for sparse instances of Max SAT. For instances with n variables and cn clauses, our algorithm runs in time O(2^<(1-μ(c))n)>, where μ(c) = O(1/c^2log^2 c). Previously, an exponential space algorithm with μ(c) = O(1/clog c) was shown by Dantsin and Wolpert [SAT 2006] and a polynomial space algorithm with μ(c) = O(1/2^) was shown by Kulikov and Kutzkov [CSR 2007]. Our algorithm is based on the combination of two techniques, width reduction of Schuler and greedy restriction of Santhanam.
    identifier:http://repository.seikei.ac.jp/dspace/handle/10928/606, 成蹊大学理工学部, 日本語
  • k‐IBDD充足可能性問題に対する厳密アルゴリズム
    脊戸和寿, 照山順一, 長尾篤樹, 情報処理学会研究報告(Web), 2014, AL-149, VOL.2014-AL-149,NO.9 (WEB ONLY), 6, 2014年09月05日
    k-IBDD は,k 段のレイヤーを持つ分岐プログラムであり,各レイヤーが OBDD (順序付き二分決定図) となっている.本稿では,k-IBDD 充足可能性問題 (以下,k-IBDD SAT) を考える.k-IBDD SAT とは,入力として k-IBDD が与えられ,シンク 1 に到達する変数への割当が存在するかどうかを判定する問題である.本稿では,n 変数,poly(n) ノードの 2-IBDD SAT を高々 poly(n)・2n-√n 時間で解く多項式領域アルゴリズムを与える.poly(n) は n の多項式を表す.さらに,このアルゴリズムを拡張することにより,n 変数,poly(n) ノードの k-IBDD SAT を高々,poly(n)・2n-n1/2k-1 時間で解く多項式領域アルゴリズムを与える., 一般社団法人情報処理学会, 日本語
  • k-IBDD充足可能性問題に対する厳密アルゴリズム
    脊戸和寿, 照山順一, 長尾篤樹, 情報処理学会研究報告. AL, アルゴリズム研究会報告, 2014, 9, 1, 6, 2014年09月05日
    k-IBDD は,k 段のレイヤーを持つ分岐プログラムであり,各レイヤーが OBDD (順序付き二分決定図) となっている.本稿では,k-IBDD 充足可能性問題 (以下,k-IBDD SAT) を考える.k-IBDD SAT とは,入力として k-IBDD が与えられ,シンク 1 に到達する変数への割当が存在するかどうかを判定する問題である.本稿では,n 変数,poly(n) ノードの 2-IBDD SAT を高々 poly(n)・2n-√n 時間で解く多項式領域アルゴリズムを与える.poly(n) は n の多項式を表す.さらに,このアルゴリズムを拡張することにより,n 変数,poly(n) ノードの k-IBDD SAT を高々,poly(n)・2n-n1/2k-1 時間で解く多項式領域アルゴリズムを与える., 一般社団法人情報処理学会, 日本語
  • 最大充足可能性問題の疎な例題に対する厳密アルゴリズム
    酒井隆行, 脊戸和寿, 玉置卓, 電子情報通信学会大会講演論文集(CD-ROM), 2014, 1, ROMBUNNO.DS-1-5, 9"-"S-10", 2014年03月04日
    一般社団法人電子情報通信学会, 日本語
  • DS-1-5 最大充足可能性問題の疎な例題に対する厳密アルゴリズム(DS-1.COMP-ELC学生シンポジウム,シンポジウムセッション)
    酒井 隆行, 脊戸 和寿, 玉置 卓, 電子情報通信学会総合大会講演論文集, 2014, 1, "S, 9"-"S-10", 2014年03月04日
    一般社団法人電子情報通信学会, 日本語
  • 計算複雑さへの招待(5) : 回路から迫るP vs. NP
    脊戸 和寿, 電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション, 113, 371, 57, 57, 2013年12月13日
    一般社団法人電子情報通信学会, 日本語
  • k集合整列問題に対する効率のよいアルゴリズム
    脊戸 和寿, 照山 順一, 長尾 篤樹, 電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション, 113, 371, 81, 85, 2013年12月13日
    本稿ではk集合整列問題に対して効率のよいアルゴリズムを与える.k集合整列問題とは以下のような問題である:n個のビンにk個のボールが入っており,i番目のビンにあるボールすべてに番号n-i+1がついている.隣り合うビンに存在する任意の2つのボールの交換のみを許した時,すべてのボールとビンの番号を一致させるためには何回の交換が必要だろうか.我々はこの問題に対して,高々(k+1)/4n^2+O(n)回の交換で本問題を解く貪欲アルゴリズムを与える.この値はn,kが大きくなるにつれて下界値と近くなる.また,k=3の場合に対してさらに効率のよいアルゴリズムを与える.このアルゴリズムは再帰的アルゴリズムであり,高々(15)/(16)n^2+O(n)回の交換で本問題を解くことができる., 一般社団法人電子情報通信学会, 英語
  • DS-1-4 Enumerating Non-3-colorable Planar Graphs by the Hajos Calculus
    Iwama Kazuo, Seto Kazuhisa, Tamaki Suguru, 電子情報通信学会総合大会講演論文集, 2010, 1, "S, 7"-"S-8", 2010年03月02日
    一般社団法人電子情報通信学会, 英語

講演・口頭発表等

  • 多数決関数の計算複雑さと未解決問題について
    脊戸 和寿
    電子情報通信学会コンピュテーション研究会, 2022年12月06日, 日本語, 口頭発表(一般)
    2022年12月06日 - 2022年12月06日, 40244715
  • A Moderately Exponential Time Satisfiability Algorithm for Linear-Sized Deterministic Width-2 Branching Programs               
    Tomu Makita, Atsuki Nagao, Tatsuki Okada, Kazuhisa Seto, Junichi Teruyama
    電子情報通信学会コンピュテーション研究会, 2022年10月26日, 日本語, 口頭発表(一般)
    2022年10月26日 - 2022年10月26日

所属学協会

  • 電子情報通信学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 組合せ最適化問題に対する解の唯一化における計算複雑さの研究
    科学研究費助成事業
    2024年04月01日 - 2028年03月31日
    脊戸 和寿, 小野 廣隆, 長尾 篤樹
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 24K02898
  • 超スマート社会時代のアルゴリズム工学 - パラメータ化近似均衡計算
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2022年04月01日 - 2027年03月31日
    小野 廣隆, 柳浦 睦憲, 大舘 陽太, 脊戸 和寿, 土中 哲秀
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 名古屋大学, 22H00513
  • 列挙や数え上げなどを統一的に扱うための基盤技術
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2026年03月31日
    堀山 貴史, 伝住 周平, 和佐 州洋, 栗田 和宏, 脊戸 和寿, 中畑 裕
    列挙、数え上げ、サンプリングなどのアルゴリズムは、互いに深く関連しつつも、それぞれ独自の技法が必要とされることが多い。ここで、同じ制約条件のもとで、つまり同じ解空間において、解の列挙、数え上げなどタイプの異なるアルゴリズムそれぞれを個別に設計する状況を見つめ直し、アルゴリズム設計者が頭の中に持つ解空間に関する理解をもとにアルゴリズムを導出する過程を明らかにすることで、列挙、数え上げ、サンプリングなどのアルゴリズム設計を統一的に扱うための指針を与えることを本研究課題の目的としている。
    本研究課題の研究者のみならず、課題外の連携研究者との議論も通して、列挙や数え上げなどのアルゴリズム設計の過程の再検討を行った。具体的には、たとえば、グラフの同型性の観点から代表元のみを列挙する同型性の除去について、ZDD (Zero-Suppressed Binary Decision Disgrams; 零抑制型二分決定グラフ) を用いるアプローチの検討を行った。制約条件を満たす解集合をうまく区分し、それらの区分された解集合相互の関係を表す方法を検討する際に、非同型なものを漏れなく重複なく求められる保証を与える必要があり、具体的なアルゴリズム設計を通して、アルゴリズム設計とアイデア記述に関する知見を得た。また、列挙と深い関連を持つ組合せ遷移問題も含めて、関連分野への応用に関する検討を行った。具体的には、たとえば、45度系格子パターン上での折り紙の展開図の列挙と数え上げの技法についてである。この問題では、縦横および斜め45度方向の格子上のみに折り線の位置を限定し、各頂点で平坦に折ることのできる局所平坦性を制約として、展開図の列挙または数え上げを行っている。また、格子の規則性から、回転および鏡映反転による同型性を考慮する必要があり、応用上の要請だけでなく、本研究課題の方向性にも沿った研究成果である。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23K24806
  • 列挙や数え上げなどを統一的に扱うための基盤技術
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2022年04月01日 - 2026年03月31日
    堀山 貴史, 伝住 周平, 和佐 州洋, 栗田 和宏, 脊戸 和寿, 中畑 裕
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 22H03549
  • 定数段数回路における計算限界導出技法の研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    脊戸 和寿
    本研究の目標は、MOD6素子(素子に入力される1の数が6の倍数のときに0を出力する素子)とAND素子、OR素子、NOT素子を用いた定数段数回路において多数決関数の非自明な下界を得ることである。
    そのため、まず、AND素子、OR素子、NOT素子のみを使用した段数が定数の論理回路における多数決関数の素子数の下界、および分岐プログラムにおける多数決関数のサイズの下界の既存研究と証明技法の調査と整理を行った。その結果、2000年前後と状況はあまり変わっておらず、未だに上界に一致する下界が得られていないことを確認し、現在の知見と技法だけでは証明が難しい点を理解することができた。そのため、3段回路および幅2分岐プログラムに限定し、上界と一致する下界証明とそれを達成する手法の構築を試みたが、達成することはできなかった。
    次に、MOD2素子(素子に入力される1の数が奇数のときに1を出力する素子)とAND素子、OR素子、NOT素子を用いた定数段数回路において近年証明された多数決関数の下界と上界の証明技法の理解と探究を行った。MOD2素子が多数決関数を計算するために利用できることは理解したが、現状の技法だけでは上界をさらに下げることは困難であることを理解した。この技法の拡張や多数決関数とパリティ関数(MOD2関数)との関係性のさらなる探求が今後の課題であると考えられる。
    これらの研究の過程で、線形サイズの幅2分岐プログラムの充足可能性問題に対して、全探索アルゴリズムよりも指数的に高速なアルゴリズムを設計することができた。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 21K11743
  • 強指数時間仮説に基づく計算限界の理解と探究
    科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
    2021年09月10日 - 2023年03月31日
    脊戸 和寿
    本研究の目標は強指数時間仮説の知見を深め、将来的に仮説の否定につなげるための研究を遂行することである。そのため、2021年度は既存研究の調査を行い、強指数時間仮説下における計算限界の結果をまとめることを目標とした。既存研究の調査は概ね終了したが、全体を手軽に参照できる形でまとめることはできていない。調査の過程で、強指数時間仮説よりも強い仮説(Super Strong Exponential Time Hypothesis:SSETH)について調査を進めることがあり、この仮説を否定することが直近の目標になることを確認した。
    SSETH とは節内の変数の数が高々、k 個に制限された和積標準形論理式の充足可能性問題において、既存の最速アルゴリズムの計算時間より真に高速なアルゴリズムは存在しないという仮説である。これは強指数時間仮説よりもかなり強い仮説であり、これをまず否定するために新たなアルゴリズム設計を行うことが重要であると考え、SSETH に関する研究を実施したが、既存アルゴリズムの計算時間の改良には至らなかった。しかし、既存の最速アルゴリズムが苦手なインスタンス集合に対しては、別のアプローチで高速に解けることがわかった。
    また、充足可能性判定アルゴリズムの設計技法の理解のために、幅2分岐プログラムの充足可能性判定アルゴリズムの設計を試みた。その結果、幅2分岐プログラムのノード数が入力変数の個数の線形個であれば、全探索よりも指数的に高速なアルゴリズムを設計することができた。さらなる高速化の手法への検討も既に行なっており、別の充足可能性判定問題を解く必要があることを確認している。
    日本学術振興会, 学術変革領域研究(A), 北海道大学, 21H05839
  • 強指数時間仮説の反証にむけた研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2018年04月01日 - 2021年03月31日
    脊戸 和寿, 長尾 篤樹
    本研究では強指数時間仮説の反証に向けた基礎研究を行うことを目的としている.
    節の長さが無制限である和積標準形の充足可能性問題には,全探索より指数的に高速なアルゴリズムが存在しないという仮説である強指数時間仮説が知られている.この仮説下では,一部の多項式時間アルゴリズムや指数時間がアルゴリズムが,現在知られている計算時間から改良が不可能であることが示されている.
    本研究では,論理関数がどのような構造を持てば全探索よりも指数的に高速なアルゴリズムを構築できるかを明らかにし,仮説の反証の障壁を見出すことを目標としている.特に既存研究で行われてきた論理回路の充足可能性問題ではなく,分岐プログラムの充足可能性問題を中心に研究を行っている.
    節の長さが無制限である和積標準形は幅2分岐プログラムで表現することが可能であり,分岐プログラムはグラフの形式で表現できるため,何らかの構造を見出すことが可能ではないかと考えている.
    本年度は,既存のk回読み分岐プログラムの充足可能性判定アルゴリズムについて,k=3の場合にはさらに高速なアルゴリズムが存在することを示し,国際論文誌に投稿した.また,前年度に構築した線形サイズの幅2分岐プログラムの充足可能性判定アルゴリズムを改良し,同じ計算時間で充足解の個数を計算可能なアルゴリズムを構築した.これらのアルゴリズムは全探索よりも指数的に高速なアルゴリズムである.また,幅3分岐プログラムの特殊ケースである幅3置換分岐プログラムにおける充足可能性問題のアルゴリズム構築に取り組み始めた.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 成蹊大学, 18K11170
  • 回路計算量の下界証明におけるアルゴリズム的手法の研究
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2014年04月01日 - 2017年03月31日
    脊戸 和寿
    理論計算機科学分野における最大の未解決問題であるP vs. NP問題の解決に向け,充足可能性問題のアルゴリズム設計による回路計算量の下界証明の研究を行った.本研究では閾値素子を一定数含む定数段数論理回路の充足可能性問題に対して,全探索よりも真に高速なアルゴリズムを設計することに成功した.また付随する結果として,最大充足可能性問題の新たなアルゴリズムが得られた.
    日本学術振興会, 若手研究(B), 成蹊大学, 研究代表者, 競争的資金, 26730007
  • 情報理論・符号理論からの計算限界研究
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2012年06月28日 - 2017年03月31日
    河原林 健一, 脊戸 和寿, 玉置 卓, 伊藤 大雄, 吉田 悠一
    情報理論・符号理論など離散数学における最先端の解析手法を使いこなし発展させることで, 計算限界解明の研究を進展させた. 具体的には(1) 劣線形時間計算における定数時間検査可能性の特徴付けや論理回路クラスの分離等, 種々のP対NP問題の類似の解決,(2) 3彩色問題に対する多項式時間近似アルゴリズムの世界記録更新等, グラフや制約充足問題に関する基本的な計算問題の計算複雑性の精微な解析,(3) (1)(2) の成果に基づいた, 劣線形時間計算やグラフアルゴリズムの機械学習や大規模データ処理等の分野への応用, が挙げられる.
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 国立情報学研究所, 24106003
  • データの巨大化から生じる不完全情報への対処に主眼をおいた近似計算
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    岩間 一雄, エイビス デイビッド, 宮崎 修一, 玉置 卓, 伊藤 大雄, 堀山 貴史, 吉田 悠一, 岡本 和也, 脊戸 和寿, 川原 純, 上野 賢哉
    不完全情報をいかに扱うかが現代アルゴリズムの大きな課題になっている.
    本研究では「データの巨大化から生じる不完全情報に対処するための近似計算における,できるだけ一般性の高いアルゴリズム設計理論の体系化」を目的として研究を行った.
    結果として,グラフ問題,アルゴリズム的ゲーム理論,乱化に関する基礎理論の様々な問題において,情報の不完全性を克服できるアルゴリズムの設計と解析に成功した.
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 京都大学, 25240002
  • 証明の複雑さにおけるグラフ理論的手法の構築
    科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
    2010年 - 2011年
    脊戸 和寿
    理論計算機科学分野における大きな未解決問題の1つに, NP対coNP問題があげられる.この問題に対する重要なアプローチ法に証明の複雑さの研究がある.本研究では,既存の論理式に対する証明系に焦点をあてた研究ではなく,グラフに対するグラフ計算論法を用いた研究を行い,証明系とグラフ計算論法の計算能力における関係を得ることに成功した.また,対象としたグラフ計算論法をシミュレートする列挙アルゴリズムを実装し実際に実験を行った.
    日本学術振興会, 研究活動スタート支援, 京都大学, 研究代表者, 競争的資金, 22800033