牧 佐智代 (マキ サチヨ)

法学研究科 法学政治学専攻 現代法講座教授
Last Updated :2025/07/05

■研究者基本情報

学位

  • 修士(法学), 九州大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • 契約法
  • 投資取引
  • 金融法
  • 消費者法
  • 民法

研究分野

  • 人文・社会, 民事法学

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2023年10月 - 現在
    北海道大学, 大学院法学研究科, 教授
  • 2021年04月 - 2023年09月
    新潟大学 人文社会科学系(法学部), 准教授
  • 2010年10月 - 2021年03月
    新潟大学 人文社会・教育科学系(法学部), 講師
  • 2009年04月 - 2010年09月
    北海道大学大学院法学研究科, Graduate School of Law, グローバルCOE研究員
  • 2006年04月 - 2008年03月
    日本学術振興会, 特別研究員 DC2

学歴

  • 神戸大学大学院 法学研究科 博士後期課程 理論法学専攻 研究者コース, Graduate School of Law
  • 九州大学大学院 法学府 修士課程 民刑事法学専攻 研究者コース, Graduate School of Law
  • 九州大学法学部, School of Law

委員歴

  • 2013年09月 - 2021年03月
    新潟市, 男女共同参画苦情処理委員, 自治体
  • 2013年01月 - 2013年12月
    金融庁金融研究センター 特別研究員, 学協会

■研究活動情報

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

講演・口頭発表等

  • 市場秩序と消費者保護――断定的判断の提供法理をめぐる思想のねじれ               
    牧 佐智代
    日本私法学会第75回大会, 2011年10月09日

所属学協会

  • 日米法学会               
  • 日本私法学会               
  • 法と経済学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 消費者の認知バイアスを利用した勧誘手法・契約構造に対する法的規制の検討
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2021年04月 - 2025年03月
    牧 佐智代
    本研究は、市場構造の中で消費者を把握するという視点の導入により、(1)市場において匿名性をもったまま割合的に存在する認知バイアスを有した消費者を捕捉し、(2)こうした一部の消費者にのみ有効に働きかけをなすよう設計・構築された業者の勧誘・商品・契約の構造を明らかにし、(3)当該勧誘手法・契約から損失を被る認知バイアスを有した消費者と認知バイアスを持たず当該契約からむしろ便益を被る消費者という二つのグループに及ぼす規制の影響を特定し、損失を被る消費者を保護しつつ、社会的厚生を改善する適正レベルでの法的規制を設計することを目的としているところ、2021年度は、販売信用市場を対象として主に(2)および(3)の論点を検討した。
    その過程で、英国の消費者信用市場における、「Rent to own(RTO)」に対する法改正・法設計の議論状況を参照した。その結果、RTOは購入選択権付きレンタルであるところ、英国では、商品を現金一括購入するだけの資金を持たず、かつ、割賦販売等の販売信用(購入代金の分割払い・立替払い)や消費者金融(購入代金分を借金する)による信用供与を得られない低所得者層にとって、これら信用供与に代替する手段として用いられていることが分かった。その上で、英国での問題は、RTOによる消費者の支払い総額が、当該物の一般小売価格の数倍に上るため、あまりに高い信用コストを徴収されているという点にあり、それを改善するために、英国FCAは、消費者が支払う総費用額が、現金一括払いの場合の購入代金の2倍を上回ってはならないという上限規制を設けたことを明らかにした。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 新潟大学, 研究代表者, 21K01217
  • 消費者信用法制の新段階の検証―法規制の態様・存在形式・内容の総合的検討の試み―
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2018年04月 - 2022年03月
    丸山 絵美子, 大屋 雄裕, 横溝 大, 松田 貴文, 得津 晶, 西内 康人, 牧 佐智代, 高橋 祐介, 吉政 知広
    消費者契約法制、消費者信用法制を題材に、①消費者法は何を目指す法制なのか、②法規範の存在形式の意義、③隣接諸科学(経済学、行動経済学等)と法学の協働の在り方、④目的達成に必要な規範形成、諸手段の選択、⑤立法の事前・事後評価という課題に取り組んだ。
    研究成果として、効率性概念の意義の明確化を図り、経済学や行動経済学を用いて消費者契約法制および消費者信用法制について問題の特定と解決策の提言を行い、ルールvs.スタンダード論などを踏まえた立法の形式に関する考え方の明確化し、法の実現主体の選択・協働のあり方について、整理・提言を試みた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 慶應義塾大学, 研究分担者, 18H00808
  • 2017年度学術研究助成
    2017年04月 - 2019年03月
    牧 佐智代
    公益財団法人 全国銀行学術研究振興財団, 研究代表者, 競争的資金
  • 2012年英国金融市場法改革にみる市場志向型消費者保護法の検討
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2014年04月 - 2017年03月
    牧 佐智代
    英国と米国の金融改革において、それぞれ消費者保護のための新たな監督機関が設立された。これらの改革動向を調査研究することにより、消費者保護を市場メカニズムを用いて実現するという思考方法が中核的な視点となっていることを明らかにした。また、かかる視点獲得の必要性を例証するものとして、消費者信用市場においては、製品リスクに関する情報の非対称性と消費者の限定合理性とを是正する3つの力が信用商品の特徴に起因して阻害されること、さらに、一定数の消費者が有する認知バイアスにつけこむ巧妙な商品設計が業者によりなされていること、を明らかにした。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 新潟大学, 研究代表者, 26780055
  • 市場志向型投資家保護法の構築
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2011年04月 - 2014年03月
    牧 佐智代
    個人投資家の増大を促す国家政策が続々と実施される現代において、投資取引をめぐるトラブルもそれに比例して増大している。本研究は、民事救済法理としての投資家保護法制の構築を目的とし、判例法理として生成されてきた「断定的判断の提供」法理の解釈基準を明らかにした。また、「市場志向型投資家保護法」という総合的な民事規律について考察を進めるべく、隣接する諸法理である「不利益事実不告知」(消費者契約法4条2項)との関係・棲み分けを検討した。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 新潟大学, 研究代表者, 23730085
  • 財政・金融・金融法制研究基金(研究助成金(イ))
    2010年06月 - 2011年03月
    牧 佐智代
    財団法人日本法制学会, 研究代表者, 競争的資金
  • 財政・金融・金融法制研究基金(研究助成金(ロ)
    2008年06月 - 2009年03月
    牧 佐智代
    財団法人日本法制学会, 研究代表者, 競争的資金
  • 科学研究費補助金(特別研究員奨励費)
    2006年04月 - 2008年03月
    牧 佐智代
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • 契約法における「公正」の原理-米国非良心性法理を手がかりに
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2007年
    牧 佐智代
    1.本研究は、第一に、米国の非良心性法理の有している解釈論的多様性と原理論的側面との二つを考察することにより、我が国の現代契約法論における議論とのパラレルな考察を行い、かかる原理的考察を基礎とした解釈論を展開すること、第二に、それらを我が国における消費者契約法の解釈への示唆として応用を試みることを目的としているが、今年度は、主に第二の点、すなわち、昨年度の外国法研究を踏まえ我が国の解釈論への応用を試みた。具体的には、我が国の消費者契約法は、四条において事業者の勧誘行為の態様を問題として取消の効果を認め、八条以下において消費者の利益を一方的に害する条項の無効を定めているが、これは、契約締結過程の規制と契約内容の規制とが両輪を為して初めて「契約の公正さ」が担保されるという考えに基づくものであり、かかる原理的基盤と具体的ルール構築の仕方において、米国非良心性法理における「契約環境の公正さ」と「契約内容の公正さ」の議論との共通点を有していることをまず明らかにした。さらに、消費者契約法における、契約締結過程と契約内容の両側面の規律という方途は、契約の「公正さ」とは何かという問題認識を有した現代の民法学における思想的基礎の変容が同法に集約されているからに他ならないことを明らかにし、同法の規定の解釈にとって、かような原理的基盤から立ち上げることの重要性を明らかにした。
    2.以上のような消費者契約法という立法の検討を進めるのと同時並行で、判例法から契約締結過程の規律と契約内容の規律についてアプローチすることも併せて行い、その内、契約締結過程の規律法理として現在我が国において最も議論が活発であり、判決の集積も広く見ている「説明義務」についての最高裁判例研究については、判例評釈としてその成果を公表した。
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 神戸大学, 06J00758