妹尾 拓 (セノオ タク)

情報科学研究院 システム情報科学部門 システム融合学分野准教授
Last Updated :2025/06/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(情報理工学), 東京大学

Researchmap個人ページ

研究者番号

  • 10512113

研究キーワード

  • 知能ロボティクス
  • 感覚行動システム
  • 高速マニピュレーション
  • ロボットハンド
  • 二足ロボット
  • 高速ビジョン
  • ビジュアルフィードバック
  • アクティブセンシング
  • 力制御
  • 車載画像処理

研究分野

  • 情報通信, ロボティクス、知能機械システム
  • 情報通信, 機械力学、メカトロニクス
  • 情報通信, 知覚情報処理

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2022年04月 - 現在
    北海道大学, 大学院情報科学研究院, 准教授
  • 2020年04月 - 2022年03月
    広島大学, 大学院先進理工系科学研究科, 准教授
  • 2018年04月 - 2020年03月
    東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師
  • 2015年04月 - 2018年03月
    東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教
  • 2011年04月 - 2015年03月
    東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助教
  • 2008年04月 - 2011年03月
    東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任研究員
  • 2005年04月 - 2008年03月
    日本学術振興会 特別研究員(DC1)

学歴

  • 2005年04月 - 2008年03月, 東京大学, 大学院情報理工学系研究科 博士課程
  • 2003年04月 - 2005年03月, 東京大学, 大学院情報理工学系研究科 修士課程
  • 1999年04月 - 2003年03月, 早稲田大学, 理工学部

■研究活動情報

受賞

  • 2023年11月, 北海道大学 大学院情報科学研究院, 若手産学共同研究促進事業 研究院長賞               
    妹尾拓
  • 2023年03月, IEEE International Conference On Mechatronics, Best Paper Candidates               
    Hiromichi Kawahara, Taku Senoo, and Idaku Ishii
  • 2022年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2022 優秀講演賞               
    妹尾拓;川原大宙;石井抱;籔内健人;平野正浩;岸則政;石川正俊
  • 2021年03月, 日本鉄鋼協会 計測・制御・システム工学部会, 計測・制御・システム技術賞               
    島﨑航平;Zulhaj Aliansyah;妹尾拓;石井抱
  • 2020年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2020 優秀講演賞               
    川原大宙;妹尾拓;石井抱;平野正浩;岸則政;石川正俊
  • 2020年10月, 日本ロボット学会, 優秀研究・技術賞               
    小山佳祐;下条誠;妹尾拓;石川正俊
  • 2020年05月, 日本機会学会ロボティクスメカトロニクス部門, ROBOMECH表彰(学術研究分野)               
    小山佳祐;下条誠;妹尾拓;石川正俊
  • 2019年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2019 優秀講演賞               
    田中敬;小山佳祐;妹尾拓;石川正俊
  • 2019年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2019 優秀講演賞               
    妹尾拓;王允卓;平野正浩;岸則政;石川正俊
  • 2019年06月, 日本機会学会ロボティクスメカトロニクス部門, ROBOMECH表彰(学術研究分野)               
    小山佳祐;下条誠;妹尾拓;石川正俊
  • 2018年06月, 日本機会学会ロボティクスメカトロニクス部門, ROBOMECH表彰               
    妹尾拓;村上健一;石川正俊
  • 2017年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2017 優秀講演賞               
    佐藤宏;山川雄司;妹尾拓;石川正俊
  • 2017年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2017 優秀講演賞               
    平野正浩;妹尾拓;岸則政;石川正俊
  • 2017年04月, Mechatronics, Elsevier, Outstanding Reviewer               
    Taku Senoo
  • 2016年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, 研究奨励賞               
    妹尾拓;小池正憲;村上健一;石川正俊
  • 2016年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, 若手奨励賞               
    妹尾拓
  • 2016年12月, IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics, T. J. Tarn Best Paper in Robotics Award               
    Taku Senoo;Yuuki Horiuchi;Yoshinobu Nakanishi;Kenichi Murakami;Masatoshi Ishikawa
  • 2016年03月, 第21回ロボティクスシンポジア, 優秀論文賞               
    妹尾拓;小池正憲;村上健一;石川正俊
  • 2015年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2015 優秀講演賞               
    黄守仁;Bergstrom Niklas;山川雄司;妹尾拓;石川正俊
  • 2015年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2015 優秀講演賞               
    妹尾拓;小池正憲;村上健一;石川正俊
  • 2015年12月, IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics, Finalist of Best Student Paper Award               
    Kenichi Murakami;Yuji Yamakawa;Taku Senoo;Masatoshi Ishikawa
  • 2012年10月, IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems, Best Jubilee Video Award               
    Masatoshi Ishikawa;Akio Namiki;Taku Senoo;Yuji Yamakawa
  • 2007年05月, 日本機会学会ロボティクスメカトロニクス部門, ROBOMEC表彰               
    古川徳厚;妹尾拓;並木明夫;石川正俊
  • 2006年12月, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門, SI2006 優秀講演賞               
    古川徳厚;妹尾拓;並木明夫;石川正俊
  • 2006年05月, IEEE International Conference on Robotics and Automation, Best Manipulation Paper Award               
    Noriatsu Furukawa;Akio Namiki;Taku Senoo;Masatoshi Ishikawa
  • 2006年02月, 計測自動制御学会, 学術奨励賞・研究奨励賞               
    妹尾拓

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

  • スポーツロボティクス入門 : シミュレーション・解析と競技への介入(日本ロボット学会監修)
    妹尾拓, 高速センサフィードバックによる動的変化への対応, pp. 163-183
    オーム社, 2024年10月, 9784274232534, vi, 287p, 日本語, [分担執筆]
  • ロボット制御学ハンドブック
    妹尾拓, 石川正俊, 野球ロボットとジャグリングロボット, pp. 664-667
    近代科学社, 2017年12月, 9784764904736, xx, 999p, 日本語, [分担執筆]
  • ロボットテクノロジー(日本ロボット学会編)               
    妹尾拓, 渡辺義浩, 石川正俊, 高速ビジョン, pp. 202-205
    オーム社, 2011年08月, 9784274210723, [分担執筆]
  • Cutting Edge Robotics 2010               
    Satoru Mizusawa, Akio Namiki, Taku Senoo, Masatoshi Ishikawa, Tweezers Type Manipulation by a Multifingered Hand Using a High-speed Visual Servoing, pp. 395-410
    INTECH, 2010年10月, 9789533070629, [分担執筆]
  • Visual Servoing via Advanced Numerical Methods               
    Akio Namiki, Taku Senoo, Satoru Mizusawa, Masatoshi Ishikawa, High-speed Visual Feedback Control for Grasping and Manipulation, pp. 39-53
    Springer, 2010年03月, 9781849960892, [分担執筆]
  • Robotics 2010 Current and Future Challenges               
    Taku Senoo, Akio Namiki, Masatoshi Ishikawa, Ball Control in High-speed Throwing Motion Based on Kinetic Chain Approach, pp. 109-122
    INTECH, 2010年02月, 9789537619787, [分担執筆]

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 高周波ロボットハンドによる触振動検査
    科学研究費助成事業
    2024年04月01日 - 2027年03月31日
    妹尾 拓, 近野 敦
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 24K00840
  • 患者のデジタルツインを用いた手術計画自動生成
    科学研究費助成事業
    2023年06月30日 - 2026年03月31日
    近野 敦, 妹尾 拓, 小水内 俊介
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 23K18486
  • 臓器変形最尤推定による動的腹腔鏡手術ナビゲーション
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    近野 敦, 安部 崇重, 妹尾 拓, 小水内 俊介, 安孫子 聡子, 辻田 哲平, 陳 暁帥, 佐瀬 一弥
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 23H00480
  • 多眼高速ビジョンロボットにおける感覚運動統合理論の研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    並木 明夫, 妹尾 拓, 山川 雄司
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 千葉大学, 22H01439
  • 超高速ビジョン・トラッキング技術を用いた次世代情報環境システムの創生
    科学研究費助成事業 基盤研究(S)
    2020年08月31日 - 2025年03月31日
    石川 正俊, 妹尾 拓, 早川 智彦, 黄 守仁, 宮下 令央, 末石 智大
    本年度の研究成果をサブテーマごとに以下に示す.
    (A)人間の視覚を超えた高速知覚情報処理技術の確立 A-1) 逐次的な相対運動推定結果から各時刻の位置姿勢を推定するため,高速性を失わずにドリフトを補正する機構を構築し,安定したトラッキングを行った.また,レーザードップラーセンサー及び光学システムを用いる複数物体の運動計測と三次元トラッキングシステムを構築し,同システムの計測データを解析するアルゴリズムの設計と評価を行った.A-2) 本年度の目標としていたマーカレスの高速トラッキングアルゴリズム群を開発し,本年度以降の高速トラッキング技術および高速運動計測技術開発の基盤を構築した.
    (B)人間の動作をシームレスにサポートする高速情報・力覚呈示技術の確立 B-1) ユーザーのダイナミクスである視線を高速に計測するシステムと,事前にマーカーを付与しない高速自己位置推定手法の第1次試作を構築した.B-2) 塑性変形を基軸とした力制御則を提案し,ヒトとロボットハンドの滑らかなインタラクションを実現した.
    (C)高速知覚情報処理の基盤強靭化技術の確立 C-1) 映像遅延だけではなく,フレームレートも制御できるシステムを構築し,錯視現象に対するフレームレートの影響を観測する被験者実験を実施した.C-2) 高速ビジョンモジュールを用いた1,000fpsの高速カメラネットワークを構築し,トラッキング精度に影響する同時撮像におけるフレーム同期を数十マイクロ秒の精度で実現した.
    (D)次世代情報環境システムによる時空間インタラクションにおける違和感の打破 D-1) 高速トラッキングに利用しやすい事前情報の利用を想定し,高速なスポーツ動作に対する予測情報即時呈示の基礎検討を行った.D-2)複合センシングシステムを構築し,ユーザーの意図と環境中のアフォーダンスをミリ秒オーダで読み取る手法を検討した.
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 東京大学, 20H05704
  • 高バックドライバビリティを備えた変形制御に基づくレオロジーロボティクス
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    妹尾 拓
    本年度の研究成果をサブテーマごとに以下に示す.
    (A) 変形モデルに基づく力制御手法の確立:ロボットハンドのように慣性が小さく関節摩擦が相対的に大きい機構に対してモデルベースの力制御手法を適用すると,パラメータ誤差の影響により挙動が不安定になる.この問題を解消するため,変形モデルから導出される目標位置を陽に計算し,力フィードバック制御系の内部に位置制御系を組み込んだ二重構造制御系を提案した.これにより,塑性変形に基づく受動的な緩衝軌道を生成すると同時に,パラメータ誤差に起因する振動の抑制が可能となった.
    (B) 低摩擦特性を有する高バックドライブロボットの開発:磁石歯車を利用したグリッパを開発した.磁石による非接触のトルク伝達により物理的摩擦を無くすことで,出力軸側に負荷が加わった際にわずかなトルクで逆回転し,従来のロボットに比べてバックドライバビリティの高い柔軟な動作が可能である.機構全体を剛体で構成しているため制御が容易で高精度な位置決めも実行しやすい.指先側面あるいは掌に対して負荷が生じたときに受動的に両指が内側へスライドする機構を設計し,衝撃から把持動作への移行を効率的に実行できる構造となっている.
    (C) 低衝撃高速マニピュレーションの実現:ロボットハンドの指モジュールに対して二重構造制御系を実装することで,ヒトがロボットを押したときに滑らかに動作するインタラクションタスクを実現した.提案した制御系に関する比較実験をおこない,安定した外力緩衝が可能であることを実証した.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 広島大学, 20H02110
  • 高速視覚を用いたハイパー振動スペクトルカメラの研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    石井 抱, 松田 浩, 妹尾 拓, 姜 明俊, 高木 健
    (A)周波数領域部分空間での画素レベル振動スペクトル認識法:1)高速ビデオ動画に対する振動スペクトル画像に対し、認識対象毎に異なる振動特性を教師データとして学習した。2)画素レベル振動スペクトルパタン認識による振動源検出法を提案した。3) 高速ビデオ撮影した振動対象に対し、異なる周波数特性を持つ部位が画素レベルで特定できることを確認した。
    (B)振動位相スペクトル解析に基づく画素レベル異常振動検出法:1)強制振動させた構造物モデルの振動スペクトル画像で、位相差が不良部位を除く多くの画素で0, 180度に集中することを確認した。2)全画素で位相スペクトルを計算し、通常部位と強度不足な不良部位の位相スペクトル差を計算した。3)加振下の構造物モデルを撮影した高速ビデオ動画に対し、不良部位を異常振動として画素レベル検出できることを確認した。
    (C)高速ターゲットトラッキングを用いた時系列振動スペクトラム計測法:1)移動する振動対象を撮影した高速ビデオ動画に対し振動スペクトル画像を計算し、速度増大に伴う振幅スペクトルのピーク強度低下を解析した。2)移動対象振動部位に対するROI追跡により、振動スペクトル画像が、振幅スペクトルのピーク強度低下を抑えた計算を可能とした。3)移動対象の複数振動部位での振動状態を長時間モニタリングし、突発的異常振動が検出可能となることを確認した。
    (D)画素レベル振動スペクトルパタン認識機能の実時間実装:1)高速カメラヘッドと連動した並列GPUコンピュータに振動スペクトル内積計算を並列実装し、振動パタン認識を高速化し、認識結果を実時間出力可能とした。2)高速トラッキングと追跡ROIでの振動スペクトル計算を同時実時間実現し、移動対象における時系列振動スペクトラムを可視化し、音声情報と同レベルの振動信号が実時間イメージングできることを確認した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 広島大学, 19H00769
  • ロボット体表面に配置された多眼高速視覚ネットワークによる視覚サーボ制御
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    並木 明夫, 妹尾 拓, 山川 雄司
    従来の知能ロボットでは,使用するカメラ台数は少数に抑えられ,設置場所も人間のように頭部に装着するか,ハンドアイとして手先に装着するかのどちらかであり,視界は狭く,オクルージョンによる死角が頻繁に生じるという問題があった。そのため,複雑なタスクでは成功率が上がらず,作業速度も人間以上に遅くなっていた。本課題ではこの問題を解決するために,小型高速カメラをロボットの体表に高密度で配置することで,「無死角性」と「高速性」を実現する多眼高速ビジョンネットワークシステムを実現する.今年度は下記の研究を行った.
    [多眼高速ビジョンハンドの開発]前年度に開発したシステムを改良する。これは超小型カメラ8台をロボットハンドの指表皮に埋め込んだものである.USBから画像を取得するためのソフトウェアを改良することで,120Hz以上の画像を安定して取得するとともに,ホワイトバランス等のカメラ制御パラメータをリアルタイムで変更できるようにした.
    [多眼視覚サーボ制御] 前年度に開発した多眼システムのために,ロボット表皮上に配置された複数のカメラを効果的にキャリブレーションするための手法を考案した.関節角の誤差についても同時にキャリブレーションすることで,カメラパラメータを高精度に推定することを可能とした.
    [カメラネットワークの動的最適経路制御] 前年度に引き続き,対象検出・衝突検出の緊急度・優先度に応じて個々のカメラからの情報を動的に変えるシステムの開発について検討した.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 千葉大学, 19H02102
  • 高応答特性を有する二足走行システムの開発
    科学研究費助成事業 若手研究(A)
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    妹尾 拓
    高速ビジョンと高速アクチュエータを統合することで,瞬間的な反応特性を有する二足走行システムを実現した.システム開発として,二足移動に適したトルク重量比の高いアクチュエータを開発し,頭部へ1000fpsの小型軽量ビジョンを搭載した高速走行機構を設計した.姿勢安定化に関して,従来のフィードフォワードベースによる事前の転倒回避とは異なり,転倒し始めを瞬時に検知して姿勢の回復動作を高速に繰り返すフィードバック主体の制御方法を確立した.これにより,予測不能な外力や凹凸路面に対するロバストな走破,加速しながら前方へ跳躍して1回転する空中転回,走行中に急接近してくる障害物を回避する緊急停止動作を実現した.
    日本学術振興会, 若手研究(A), 東京大学, 16H06073
  • 高速ビジョンと多指ハンド操りを利用した全情報把握
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2013年04月01日 - 2015年03月31日
    妹尾 拓
    物体に関する幾何情報(3次元形状)と力学情報(重心・慣性モーメント・質量分布)を同時に計測するために,高速ビジョンを用いて「運動物体の多視点時系列画像データ」を利用する情報把握手法を提案した.単一ビジョンで多視点の画像を取得するために,多指ハンドで対象を能動的に操ることで,対象のシルエットを利用した視体積交差法によってボクセル空間での3次元形状復元をおこない,角運動量保存則や運動エネルギー保存則に関する力学的拘束に対象の運動をフィッティングして力学情報の同定をおこなった.
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 東京大学, 25540113
  • 超高速ロボットシステムによるダイナミックマニピュレーションの研究
    科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    2005年 - 2007年
    妹尾 拓
    本研究では「高速性」に焦点を当てて,マニピュレーションアルゴリズムの開発および機械システムの限界に挑む超高速ロボットシステムの実現を目指している.本年度は、アームの高速スウィングアルゴリズムおよび多指ハンドによるリリース制御戦略を提案し,スローイング動作の実験をおこなった.
    はじめに手先速度の高速化を目指して,スウィング動作に着目した.人間の運動を参考にして,キネティックチェーンという平面的な運動連鎖と3次元的な多軸回転運動の慣性力伝播という2つの運動を直交に組み合わせたスウィングモデルを提案した.体幹から手先へ向けてエネルギーの伝播に大きく影響する要素を基底関数として抽出し,それをタイミングよく重ね合わせることで手先速度の高速化を可能にしている.シミュレーションにより,体幹で発生したトルクが手先へ伝播していく効率的な高速スウィング動作を実現できることを示した.また実機とスウィングモデルの関節構造が異なっていても,提案したスウィング動作はダイナミクスの変換をおこなうことで適応可能となっている.
    また高速動作を利用した器用なマニピュレーションを目指して,多指ハンドによるリリース制御について研究した.ハンドとボールのあいだに働く接触力の時間応答および指上でのボールの転がり距離を解析し,その結果を利用することでリリースのタイミング誤差に対してロバストにリリース方向を制御する投球アルゴリズムを提案した.この戦略はアームの高速スウィング動作によって出現する慣性力を利用することで,把持状態からリリース状態へ効果的に遷移するリリース制御となっている.
    上記の高速スウィング動作とリリース制御をハンドアームシステムへ実装し,目標地点へ向けてボールを投げる実験をおこなった.そして2m離れた半径10cmのネットへ向かって半径5cmのボールをコントロールする高速スローイング動作を実現した.
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 東京大学, 05J11883