野口 聡 (ノグチ ソウ)

情報科学研究院 システム情報科学部門 システム融合学分野教授
Last Updated :2025/06/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(工学), 早稲田大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • 超電導応用
  • 電力システム
  • 電磁エネルギーシステム
  • 科学的可視化技術
  • 逆問題・最適化設計・経済性最適化
  • 電磁界数値解析
  • Scientific Visualization
  • Optimization and Inverse Probrems
  • Numerical Analysis for Electromagnetics

研究分野

  • ライフサイエンス, 医用システム
  • 情報通信, 感性情報学
  • 情報通信, ソフトコンピューティング
  • ものづくり技術(機械・電気電子・化学工学), 電力工学

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2023年09月 - 現在
    北海道大学, 大学院情報科学研究院, 教授
  • 2004年04月 - 2023年08月
    北海道大学, 准教授
  • 2017年10月 - 2022年09月
    マサチューセッツ工科大学, Research Affiliate
  • 2017年08月 - 2017年09月
    マサチューセッツ工科大学, 客員研究員
  • 2016年12月 - 2017年07月
    米国国立高磁場研究所, 客員研究員
  • 2016年06月 - 2016年11月
    マサチューセッツ工科大学, 客員研究員
  • 2012年02月 - 2012年12月
    マサチューセッツ工科大学, 客員研究員
  • 1999年04月 - 2004年03月
    広島大学, 助手
  • 1998年05月 - 1999年03月
    マサチューセッツ工科大学, 客員研究員

学歴

  • 1996年04月 - 1999年03月, 早稲田大学, 大学院理工学研究科, 電気工学専攻

委員歴

  • 2007年 - 現在
    低温工学・超電導学会, 東北・北海道支部 幹事会委員, 学協会
  • 2011年
    電気学会, 北海道支部 総務企画幹事, 学協会
  • 2010年
    電気学会, 北海道支部 代議員, 学協会
  • 2009年
    電気学会, 調査専門委員会委員, 学協会
  • 2007年 - 2008年
    電気学会, 北海道支部 会計幹事, 学協会
  • 2007年 - 2008年
    電気学会, 調査専門委員会委員, 学協会
  • 2005年 - 2006年
    電気学会, 調査専門委員会 幹事, 学協会

■研究活動情報

受賞

  • 2005年, 優秀論文発表賞               
    日本国

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

  • シミュレーション辞典               
    野口 聡
    2012年, [分担執筆]

講演・口頭発表等

所属学協会

  • 日本シミュレーション学会               
  • International Compumag Society               
  • IEEE               
  • 日本AEM学会               
  • 低温工学・超電導学会               
  • 電気学会               
  • Cryogenics and Superconductivity Society of Japan               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 保護の不要な高ロバスト・高性能・低コスト高温超伝導コイルシステムの実現
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    石山 敦士, 植田 浩史, 野口 聡, 福井 聡
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 早稲田大学, 22H01478
  • 超高磁場発生のための高耐久高安定マグネットの開発技術および経済性運転技術の確立
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2020年04月01日 - 2024年03月31日
    野口 聡, 金 錫範
    本年度の研究実績概要は以下の通りである。
    1)REBCO超伝導コイルのための熱、応力、電磁界連成シミュレーション手法を開発した。遮蔽電流により、フープ応力が予想より大きく1GPaを超えることがあることが報告されている。それを確認するために、遮蔽電流・応力計算が盛んに行われている。本研究では、コイル変形よる遮蔽電流の低減を明らかにした。しかしそれでも、REBCOテープ線の応力は、塑性領域まで高まることが示され、弾性領域での計算では不十分であることを示した。そこで、新たに粒子法による塑性領域でも解析可能なシミュレーション手法を開発し、簡単なREBCOテープの応力解析を実施した。さらに、REBCOテープ線を複数枚バンドルすることで、安定性が向上し、かつ無絶縁巻線技術の弱点である励磁遅れも改善できることを示した。
    2)誘導電流低減の電磁機構“Magnetic Dam”を提案してきた。超伝導コイルの内側と外側に、メインコイルから絶縁された無絶縁巻線超伝導巻線を数ターン配置することで、大幅に誘導電流を低減できることを明らかにしてきたが、応力などによる超伝導特性の低下が起きないかなどの諸問題をシミュレーションにより検討した。
    3)無絶縁巻線技術を施したREBCOコイルの安定性は、ターン間の接触抵抗の大きさに依存している。しかし、ターン間接触抵抗の効果的な測定方法がなかったので、低周波交流電流を用いる新しい方法を提案してきた。該当年度は、異なる周波数の交流電流特性を広く測定し、電流の流れ方をピックアップコイルで計測し、提案手法の妥当性などを検証してきた。併せて、シミュレーションを実施することで実験結果の検証に取り組んできた。
    4)無絶縁REBCOマグネット用の新しいフラックス・ポンプの開発として、プロトタイプコイルの設計を実施してきた。そして、テスト用のREBCOダブルパンケーキを実際に製作した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 20H02125
  • 磁気アルキメデス法による海中マイクロプラスチック回収装置の概念設計
    科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    2020年07月30日 - 2023年03月31日
    野口 聡
    超高磁場を利用した海水からのマイクロプラスチック回収装置の提案および実現検証研究を行なっている。マイクロプラスチックは、負の磁化率を有することから、高磁場勾配を持つ、超高磁場中では海水とことなる挙動をすることを初年度の研究成果から明らかにしてきた。具体的には、30テスラ程度の超高磁場と、6.66テスラ/メートルの高磁場勾配が必要であり、長さも1.5メートルを要することが明らかになった。しかし、実際にはそのような長さを有する上記の空間を作り出すことは難しく、研究2年目は、第2世代高温超伝導マグネットの簡易設計を行ない、以下の問題に取り組んだ:(1)第2世代高温超伝導マグネットの安定性および保護方法(2)第2世代高温超伝導マグネットに働く応力による超伝導特性の低下。
    (1)第2世代高温超伝導マグネットの安定性向上および保護技術法として、無絶縁(NI)巻線技術があるが、近年、その派生技術がいくつか提案されている。本マイクロプラスチック回収装置に有効なNI派生技術を検討するにあたり、NI派生技術(NI技術、メタル絶縁巻線技術、導電性エポキシ含浸技術など)の体系的にまとめた。その結果、無絶縁巻線技術が小型マグネットには有効であるが、本マイクロプラスチック回収装置のような大型マグネットには、メタル絶縁巻線技術の方が強度的にも優位であることが明らかになった。
    (2)第2世代高温超伝導線材は、その製造上、幅広で薄いテープ形状をしている。そのため、遮蔽電流が大きく誘導され、かつ大きな応力差が生じる。そして、テープが捩れるような現象が起きることが指摘され始めている。最近、その応力シミュレーションが行われ始めているが、まだ電磁現象との完全な連成および塑性領域までの考慮が行われていない。そこで、逸早く粒子法による塑性領域までを考慮した電磁現象との連成手法を開発した。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 20K20989
  • 次世代医療用高温超伝導スケルトン・サイクロトロンの設計原理・開発基盤の確立
    科学研究費助成事業 基盤研究(S)
    2018年06月11日 - 2023年03月31日
    石山 敦士, 植田 浩史, 野口 聡, 東 達也, 福田 光宏, 鷲尾 方一
    本研究の目標は、進行がんへの効果が期待される核医学治療用α線放出RI(211At)の多量・安定・分散生産のための加速器「高温超伝導スケルトン・サイクロトロン(HTS-SC)」を開発することである。そして本研究課題では、ビーム加速に必要な磁場を高精度に形成するための高温超伝導マルチコイルシステムを実現する5-High技術(高機械強度・高電流密度・高熱的安定・高磁場・高精度磁場)を統合した革新的コイル化技術の確立を目指す。2018年度(初年度)の主な成果としては、まず2021年・22年度に試作・実験を予定している「小型モデル(Baby-HTS-SC)」用と、実規模HTS-SC用のマルチコイルシステムの試設計(制約条件付き非線形最適化)を行った。また5-High統合コイル化技術について、1)高機械強度化技術:提案した「Super-ROROIコイル構造」の有効性を検証するため、Baby-HTS-SC用マルチコイルシステムを対象として、三次元電磁場・構造連成解析を実施し、コイル変形や発生磁場精度への影響等を明らかにした。2)高電流密度化と高熱的安定化を両立する技術(無絶縁コイル技術):実応用を想定して、複数の無絶縁REBCOコイルを積層したコイルシステムの局所的常伝導転移時の熱的・電磁的振舞いを、数値解析と小型モデルコイルシステムの試作・実験により評価した。解析は実験をよく再現でき、無絶縁コイルシステム特有の過渡特性を明らかにできた。3)高精度の磁場を発生する技術(遮蔽電流磁場の低減):実証実験用Baby-HTS-SC用マルチコイルシステムについて、自作の三次元非線形過渡電磁場解析プログラムを用いて、遮蔽磁場の影響を明らかにした。また、遮蔽電流磁場の空間分布と時間安定度への影響を低減する方法として、線材細線化法と電流波形制御法について、数値解析により低減効果を評価し良好な結果を得た。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 早稲田大学, 18H05244
  • 次世代医療用高温超伝導スケルトン・サイクロトロンの設計原理・開発基盤の確立
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2018年04月01日 - 2022年03月31日
    石山 敦士, 植田 浩史, 野口 聡, 福田 光宏, 鷲尾 方一
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 早稲田大学, 18H03785
  • 次世代MRI/NMRのための磁性流体によるシミングの基礎検討
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    野口 聡, 宮尾 亮介
    次世代MRI/NMRの磁場補正技術の基礎検討を実施した。現在、世界的に第二世代超伝導体を使用した高磁場マグネットが開発されており、20テスラ以上の高磁場発生に成功している。そして、MITでは30.5テスラのNMR用マグネットが、日本でも9.4テスラのMRI用マグネットの開発が進められている。それらの次世代MRI/NMRマグネットで問題となっている、遮蔽電流による不正磁場の低減を検討してきた。また、遮蔽電流磁場を低減する手法を検討する前に、高精度かつ高速に磁場均一度を計算する手法および遮蔽電流を計算する手法も開発した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 16K01403
  • 次世代医療用サイクロトロン開発のための5H超伝導コイルシステムの基盤技術の確立
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2014年06月27日 - 2018年03月31日
    石山 敦士, 金 錫範, 植田 浩史, 山川 宏, 野口 聡
    重粒子線がん治療用超伝導加速器「先進ハイブリッド・サイクロトロン(AHC)」の開発を目標に、その実現の鍵となる5H(High):高機械強度・高電流密度・高安定・高磁場・高精度磁場を可能とするREBCO高温超伝導コイル開発のための基盤技術の確立を目指してきた。そして、高強度化・高磁場化のための「Super-YOROIコイル構造」、高電流密度化と高熱的安定化の両立のための「無絶縁コイル巻線方式」、そして高精度磁場化のための「遮蔽電流磁場の低減法」について有効性を数値解析と実験により検証した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 早稲田大学, 26249036
  • ナノ医用診断のためのSQUID磁気センサの高性能化設計用シミュレーションの開発(国際共同研究強化)
    科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
    2016年 - 2018年
    野口 聡, 岩佐 幸和, Hahn Seungyong, Larbalestier David, 宮尾 亮介
    高温超伝導体で超高磁場を発生し、MRIやNMRなどに応用できれば、医療や製薬分野での大きな進展が期待できる。そこで、これまでに超伝導磁気センサ(SQUID)を高性能化するために開発してきた電磁界シミュレーション・ツールを、高磁場発生用マグネットの解析に応用した。超高磁場発生用高温超伝導マグネットでは、近年提案された無絶縁巻線技術が非常に効果的である一方、非常に複雑な現象を引き起こし、解析で挙動を明らかにすることが求められてきた。そこで、電磁気、熱、応力の連成シミュレーション・ツールを新たに開発した。世界最高DC磁場(45.5テスラ)の発生に成功する共に、解析によりその電磁的挙動を明らかにした。
    日本学術振興会, 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化), 北海道大学, 15KK0192
  • 核廃棄物処理のための大出力サイクロトロン用超伝導コイルシステムの設計研究
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2014年04月01日 - 2016年03月31日
    石山 敦士, 野口 聡, 植田 浩史, 山川 宏
    本研究の最終目標は、高レベル放射性廃棄物の処理を可能とする「30MW級超伝導陽子加速器の開発」である。本提案課題では、REBCO高温超伝導線材と、筆者らが多くの実績を積み重ねてきた超伝導コイル化技術を活用することを前提に、筆者らが先行研究で提案した新しいサイクロトロン方式を採用した30MW級超伝導陽子加速器の主要素である超伝導コイルシステムの実規模設計を試みた。そしてその結果に基づき、現状技術の到達点評価を行うとともに、さらなる開発の必要性の高い高機械強度化に焦点を絞り、数値構造解析に基づき、2GPa以上の励磁時のフープ応力に耐え得る構造について検討を行った。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 早稲田大学, 26630116
  • ナノ医用診断のためのSQUID磁気センサの高性能化設計用シミュレーションの開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    野口 聡
    磁気センサである超電導磁束干渉素子(SQUID)の高性能化のために、新しい電磁場解析手法を開発した。開発した電磁場解析では、磁束量子化という特殊な現象が表現できるようになった。さらに、最適化設計手法として、より堅固な手法を提案し、SQUIDの薄膜磁気シールドの最適化設計を可能にした。そして、今後のノイズ低減化を目的として、ミクロスケールの磁束挙動シミュレーション手法も開発した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 25350558
  • 蛋白質分離のための磁気クロマトグラフィ用磁場・流体連成シミュレーションの開発
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2011年 - 2012年
    野ロ 聡
    磁気クロマトグラフィによる蛋白質分離のための磁気カラムを開発するために、高精度な磁場・流体連成シミュレーション・ツールを開発した。磁場と流体を同時に扱うマルチ・フィジックス・シミュレーション・ツールを開発する上で、蛋白質と磁気カラム、そしてマグネットのスケールの差が著しく異なるマルチ・スケールを考慮して、開発を行った。本研究では、蛋白質分離を考慮するために、従来はできなかった異種の蛋白質を同時にシミュレーション上で考慮することを可能にし、蛋白質分離の様子をシミュレーションできるようにした。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 23700570
  • ナノ磁性微粒子を用いた医用診断のための高精度磁場・磁性流体シミュレーションの開発
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2008年 - 2010年
    野口 聡
    高精度な磁場・磁性流体シミュレーション・ツールの開発を行なった.具体的なツール開発としては,磁場と磁性流体のマルチフィジックス・シミュレーション・ツールの開発を行ない,ナノスケール磁性微粒子と外部コイルの高精度マルチスケール・シミュレーション・ツールの開発を行なった.開発したシミュレーション・ツールの精度を実験と比較することで検証を行なった.さらに,シミュレーションの高速化を目指し,並列化計算への対応を図った.これにより,高速に高精度な磁場・磁性流体シミュレーションが行えるようになった.
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 20700403
  • 磁性流体のシミュレーション               
    2008年
    競争的資金
  • 系統安定化用SMESやMRI用超伝導マグネットの実用的最適化設計手法に関する研究
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2006年 - 2007年
    野口 聡
    超伝導マグネットの実用的な設計を磁場解析・熱解析・最適化手法の連成により行えるようにするために,「堅固な設計」と「多目的設計に対する最適設計」についての検討を行った.「堅固な設計」については,Immune Algorithmを堅固な設計用に修正し,その修正法を用いることで,大幅な計算時間の短縮化も達成できた.また,「多目的設計に対する最適設計」ついては,ゲーム理論の適用により,トレードオフの関係にある多数の目的を考慮することが可能となった.さらに,協力ゲームや非協力ゲームなどの種々のゲーム理論を比較し,最適化設計に適したゲーム理論の調査を行った.
    実験結果から冷凍機伝導冷却を使用した場合の,超伝導コイル内部で温度差を考慮に入れた設計手法についての検討も行った.超伝導マグネットを設計する上で,超伝導導体の特性を高精度にモデル化し,シミュレーションに組み込むことは必要不可欠である.そこで,高精度モデル化に必要な特性を,特に熱特性を対象とし実験計測を行った.この結果を磁場解析と熱解析の連成シミュレーションのためのプログラム・コードに組み込み,冷凍機伝導冷却特性を考慮したプログラム・コードへと発展させた.そして,そのプログラム・コードに最適化設計アルゴリズムを組み合わせることで,熱特性までも考慮に入れた超伝導マグネットの最適化設計を可能にした.
    超伝導マグネットの最適化設計の結果,従来の熱特性を考慮していなかった設計結果よりも巻線体積をおよそ15%減らす設計に成功した.
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 18760209
  • 電磁場教育向け視覚情報・触覚情報併用3次元対話型バーチャル実験システムの開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2005年 - 2006年
    山下 英生, 野口 聡, 三好 孝治
    物理現象のシミュレーション結果や本来不可視な現象を可視化するための種々の可視化手法の開発がさかんに進められている。しかし、現状の可視化システムは視覚情報のみを駆使するものであった。一般に電磁現象は、その空間の中に鉄心などを挿入すると電磁力が働く。観察者がこの電磁力を触覚により認識できるようであれば、視覚情報、触覚情報の両面から電磁現象を体感できることになり、研究者への感性の刺激は向上する。本研究では、観察者の感性を視覚、触覚の両面から刺激するインターラクションシステムをバーチャルリアリティ空間に実現するために、今年度、下記の研究開発を行った。
    (1)触覚機能を活用した3次元分布情報(磁束線)とのインターラクションシステムの開発:
    3次元磁場を可視化するための重要な情報に磁束線がある。この磁束線を3次元空間に、磁束密度が観察者に認識できるように適切に配置することが重要である。このようなアルゴリズムは存在しておらず、新しい方法の開発が必要である。本年度この手法の開発に取り組んだ。その成果を、電気学会誌に投稿中である。さらにこの磁束線を触覚センサーでタッチすることにより、バーチャル電磁空間内における電磁力を観察者に感知させる手法の開発が必要である。
    (2)より精度の高い3次元磁場解析を実行するための六面体要素生成アルゴリズムの開発:
    バーチャル磁場空間の正確な情報を計算するためには、3次元磁場解析の精度の向上が必要である。そのためには、有限要素解析における適切な大きさの要素を適切な位置に配置する六面体要素自動生成技術が必須であり、その開発を行い、IEEE Transaction on Magneticsに発表した。
    (3)指定した精度での磁場解析を行うアダプティプ有限要素法の開発:
    3次元有限要素解析の解析結果の精度を補償するためのアダプティブ有限要素解析手法の開発を行った。磁界の回転をベースとして誤差を推定する方法である。その成果を、IEEE Transaction on Magneticsに発表した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 広島工業大学, 連携研究者, 競争的資金, 17560271
  • An Optimal Design Method for Superconducting Magnets               
    Grant-in-Aid for Scientific Research
    2006年
    競争的資金
  • 系統安定化用超伝導エネルギー貯蔵装置の大規模解析手法と最適化設計に関する研究
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2004年 - 2005年
    野口 聡
    系統安定化用超伝導エネルギー貯蔵装置(SMES)のためのコイルの形状最適化についての検討を行った。超伝導コイルを安定に運転させるためには、磁界-電流密度特性(B-J特性)などの超伝導特有の性質を考慮し、設計を行わなければならない。その際に、トロイダルコイル等は形状が複雑なことから、数値解析による評価が必要となる。さらに、高価な超伝導導体の使用量を削減するために、最適化アルゴリズムを導入することで、形状最適化設計を行い、その手法を確立した。
    また、大型コイルになると、コイル内で温度差が生じることもあることから、それらを考慮し、温度異存する磁界-電流密度特性(B-J特性)を考慮することで、実用的な設計手法へと発展させた。さらに、磁場解析に時間を要することから、PCクラスタを使用することで、時間の短縮を試みた。
    実例として、72MJ蓄積できるトロイダルコイルの最適化設計を行った。そして、構成されるコイルが8個から24個までを最適化設計し、その高温超伝導導体使用量と漏れ磁界などを比較した。その結果、8〜10個では導体使用量も多く、漏れ磁界も大きいが、12個以上では違いがほぼ無く、導体使用量は少なく、漏れ磁界も小さかった。また、同蓄積容量のマルチポールコイルと比較したときに、トロイダルコイルは導体使用量で85%に、漏れ磁界でも大きく低減できており、トロイダルコイルの性能の良さが示せた。
    このように、磁場解析と最適化アルゴリズムを併用することで、超伝導固有の特性を考慮した上で、超伝導エネルギー貯蔵装置の形状最適化設計を可能にした。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 16760228
  • 電気機器解析のための有限要素モデルを自動生成する学習機械の開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2003年 - 2005年
    五十嵐 一, 野口 聡, 渡辺 浩太
    本研究では,電気機器解析のための有限要素モデルを自動生成する学習機械を開発した.まず粗い初期メッシュをつくり,それを細分化することで目的の有限要素メッシュを生成する方法(以下,シンプル法と呼ぶ)を検討した.メッシュ生成過程では,磁束密度の大きさや角点からの距離などの特徴量の重み付き線形結合であるpを用い,pの大きな要素は誤差が大きいと推定して,その要素を分割する.そして最も誤差の少ない有限要素メッシュが得られる線形結合の重みを遺伝的アルゴリズムにより決定する.さらにこの係数を他の類似なモデルの有限要素メッシュ生成に用いる.このシンプル法により実際に有限要素メッシュを生成した結果,得られる有限要素メッシュの質が保障されず,扁平な要素が含まれてしまうことが判明した.
    上の問題点を解消するために,要素の最長辺の長さからその適切な分割数を計算する「メッシュ制御法」を開発した.また要素の分割を行うか行わないかの判断を合理的に行うための指標を導入した.この方法を2次元の磁気ヘッドモデルに適用して有限要素メッシュを生成したところ,角度比によるメッシュ特性評価においては,評価関数の平均がシンプル法は0.251であったのに対して,メッシュ制御法では0.466となり,メッシュ特性の向上が確認できた.また,半径比によるメッシュ特性評価においても,評価関数の平均が,これまでシンプル法は0.455であったのに対して,メッシュ制御法では0.787となり,メッシュ特性の向上が確認できた.しかしこの方法によっても,初期の粗いメッシュの影響をうけるため,初期メッシュの形状が扁平な場合には,よい結果を得ることができなかった.
    そこで初期メッシュを用いるのではなく,節点濃度をバブル法により制御する「バブル法」を開発した.
    本法を用いることにより精度をメッシュ制御法よりも向上させることができ,また初期メッシュによらない安定した質のよい有限要素メッシュを得ることができた.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 15560233
  • 電磁場教育・機器設計に有用な視覚触覚情報併用3次元対話型バーチャルシステムの開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2003年 - 2004年
    山下 英生, 野口 聡, 金田 和文
    現状の可視化システムは視覚情報のみを駆使するものであった。一般に電磁現象は、その空間の中に鉄心などを挿入すると電磁力が働く。また、3次元空間中に表示した磁束線に沿っても力が働いており、これらを観察者が触覚により認識できれば、視覚情報、触覚情報の両面から電磁現象を体感できることになり、研究者、学生への感性の刺激はさらに向上する。本研究代表者は、以前から触覚情報を併用する2次元システムの開発を行い、視覚と触覚情報の併用が有効なことを確認した。本研究では、観察者の感性を視覚、触覚の両面から刺激するインターラクションシステムを3次元VR空間に実現するために下記の研究開発を行った。
    (1)3次元触覚機能を活用した3次元空間分布情報とのインターラクションシステムの開発:
    バーチャル電磁空間内における電磁力を観察者に感知させる一方法として、空間中の鉄心をPhantom触覚センサーにより操作することにより、鉄心が受ける電磁力を直接観察者の手に感ずるシステムの開発を行った。さらに、観察者が鉄心を操作することにより、空間の物理量分布(磁束密度分布・磁束線)が変化する状況をステレオで実感できるインターラクティブシステムの開発を行った。
    (2)電磁力計算アルゴリズムの開発:
    3次元空間に分布する電磁場内に挿入された鉄心や電流には電磁力が働く。この電磁力計算とそのベクトルにより触覚センサーを動作させるアルゴリズムを開発した。
    (3)インターラクションシステムのGUIの開発:
    3次元空間に分布する物理量の観察において、視覚による情報のみでなく、触覚による情報を加味したインターラクションシステムを開発するには、観察者に親切なユーザーインターフェースが完備されることが必要であり、その開発を行った。
    (4)リアルタイム応答を実現するためのアルゴリズムおよびデータ構造の開発:
    (2)の電磁力を観察者が触覚により認知するためには、バーチャル3次元空間内で観察者のアクションに応答して、リアルタイムに反応しなければならない。すなわち、インタラクティブに電磁空間にアクセスしながら、思考の中断が起きないように高速度でかつ正確に応答する必要があり、そのためのアルゴリズムとデータ構造の開発を行った。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 広島大学->広島工業大学, 連携研究者, 競争的資金, 15560243
  • 高温酸化物超伝導体の応用機器のための解析手法と最適化設計に関する研究
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2002年 - 2003年
    野口 聡
    本研究は,温酸化物超伝導体の電磁界および熱解析の連成問題の高精度化と最適化設計手法を用いた超伝導応用機器の特性改善のための検討が目的となっている.
    高温酸化物超伝導体の電磁界解析手法として,主にE-J特性を考慮した非線形有限要素法が使用されているが,解の収束性に問題がある.そこで,昨年度(H14年度)は,エレメント・フリー・ガラーキン法を導入し,解の収束性の改善を図った.その結果,ある程度の改善はみられたが,問題解決には至らなかった.そこで,該当年度(H15年度)は,有限要素法に対して,隣接要素の影響を考慮する改善手法を提案し,解の収束性の問題を解決し,提案手法の妥当性を検証した.
    さらに,高温酸化物超伝導体を使用した超電導エネルギー貯蔵装置(SMES)の最適化設計を試みた.まず,独自に開発してきた非線形最適化手法を用いた超伝導マグネットの手法に,高温酸化物超伝導テープ線材の持つ異方性を考慮することができるようにした.昨年度までは,Y系超伝導線材の異方性を考慮した新しい手法の提案を行った.該当年度は,この手法を基に,ソレノイドコイル,マルチポールコイル,トロイダルコイルなどのコイル形状に対して最適化設計を適用し,少ない体積で同量のエネルギーを蓄積できるマグネット形状を確認し,提案手法の有用性が確認できた。
    これらの成果は,6th European Conference on Applied Superconductivityをはじめとする国内外の学会にて発表を行った.
    日本学術振興会, 若手研究(B), 広島大学, 研究代表者, 競争的資金, 14750211
  • 3次元触覚情報を活用する電磁場バーチャル空間のインターラクションシステムの開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2001年 - 2002年
    山下 英生, 野口 聡, 金田 和文
    物理現象のシミュレーション結果や本来不可視な現象を可視化するための種々の可視化手法の開発がさかんに進められている。しかし、現状の可視化システムは視覚情報のみを駆使するものであった。一般に電磁現象は、その空間の中に鉄心などを挿入すると電磁力が働く。観察者がこの電磁力を触覚により認識できるようであれば、視覚情報、触覚情報の両面から電磁現象を体感できることになり、研究者への感性の刺激は向上する。本研究では、観察者の感性を視覚、触覚の両面から刺激するインターラクションシステムをバーチャルリアリティ空間に実現するために、下記の研究開発を行った。
    1)3次元触覚機能を活用した3次元分布情報とのインターラクションシステムの開発:
    第一スッテップとして、バーチャル電磁空間内における電磁力を観察者に感知させる一方法として、2次元空間中の鉄心を3次元触覚フィードバックデバイスにより操作することにより、鉄心に受ける電磁力をそのデバイスで受信するシステムの開発を行った。第二ステップとして、3次元空間中の鉄心を取り扱うようにシステム全体を完全3次元版に拡張した。すなわち、立体視アルゴリズムの開発を行い、さらにシステム全体の構築を行った。
    2)電磁力計算アルゴリズムの開発:
    3次元空間に分布する電磁場内に挿入された鉄心や電流には電磁力が働く。この電磁力計算とそのベクトルにより触覚センサーを動作させるアルゴリズムを開発した。
    3)リアルタイム応答を実現するためのアルゴリズムおよびデータ構造の開発:
    2)の電磁力を観察者が触覚により認知するためには、バーチャル3次元空間内で観察者のアクションに応答して、リアルタイムに反応しなければならない。すなわち、インタラクティブに電磁空間にアクセスしながら、思考の中断が起きないように高速度でかつ正確に応答する必要があり、そのためのアルゴリズムとデータ構造の開発を行った。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 広島大学, 連携研究者, 競争的資金, 13650308
  • 高温酸化物超電導体の応用と最適化に関する研究
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    2000年 - 2001年
    野口 聡
    本研究は、高温酸化物超伝導体の電磁界および熱解析の連成問題と最適化アルゴリズムを用いた超伝導機器の特性改善が目的となっている。
    高温酸化物超伝導体の電磁界解析手法として、種々の手法が提案されているが、E-J特性を考慮した場合に、解の収束性が悪くなるという特徴を有している。そこで、解析手法の改善を行った。その結果、従来方では解が収束しないような問題に対しても、提案手法は安定して解を求めており、かなりの改善が見られるようになった。また、酸化物バルク超伝導体表面上の磁束密度を計測する実験により、改善手法の妥当性を確認した。
    さらに、高温酸化物超伝導体を使用した高均一磁場発生用、電力貯蔵用の超伝導マグネットの最適化設計を試みた。まず、独自に開発してきた非線形最適化手法を用いた超伝導マグネットの手法に、高温酸化物超伝導テープ線材の持つ異方性を考慮することができるようにした。従来の金属系超伝導体の場合は、コイル自体を半径方向に分割し(グレーディング)、外側のコイルほど大きいという設計が有効的であることが周知されていた。しかし、最適化アルゴリズムを導入し、高温酸化物超伝導体を使用した超伝導マグネットの最適化設計を行ったところ、内側のコイルほど長くした方が良いという、金属系とは反対の結果を得るにいたった。その結果、高温酸化物超伝導テープ線材の持つ異方性により、従来は巻線体積が増加せざるをえなかった形状に対して、巻線体積をおよそ75%に削減できることを示した。
    これらの成果は、Applied Superconductivity Conferenceをはじめとする国内外の学会にて発表を行った。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 広島大学, 研究代表者, 競争的資金, 12750242
  • 水滴の流れのCGアニメーション手法の開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    1999年 - 2000年
    金田 和文, 野口 聡, 山下 英生
    本研究では、ドライブシミュレータやエンターテインメント映像等への応用に向けた水滴の流れのアニメーション手法を開発した。すなわち、水滴に働く遠心力や風力を考慮して水滴の流れのシミュレーションを行い、実写画像と合成することによりリアリスティックな表示を行うことのできる手法を開発した。これにより、人間が見て自然と感じる水滴の流れを表現することが可能となった。具体的には次の2点に関する手法の開発を行い、その有用性を検証するために水滴の流れのアニメーションを作成した。
    1.物体表面からの落下を考慮した水滴の流れのシミュレーション法の開発:
    自然な水滴の流れを実現するために、水滴の流れの物理現象を支配する主要な要素に着目し、離散化された物体表面上で重力、遠心力、風力等を考慮した流れのシミュレーション法を開発した。さらに、このシミュレーション法を3次元空間に拡張し、水滴に働く重力と界面張力を考慮することにより、表面からの落下を考慮した水滴の流れのシミュレーション手法を開発した。
    2.実写画像と水滴との合成表示手法の開発:
    ビデオカメラから取り込まれた晴天時の実写画像を雨天時の画像に変換するため、実写画像を空領域、路面領域、そしてそれ以外の領域に分割し、それぞれの領域に応じた変換手法を用いて、雨天時の画像へ変換する手法を開発した。そして、これを背景画像として用いることにより、流れのシミュレーションによって発生させた水滴と合成表示する手法を開発した。この手法により、雨天時の水滴の流れのアニメーションを作成することが可能となった。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 広島大学, 連携研究者, 競争的資金, 11680362
  • 電磁場解析結果の可視化               
    2000年
    競争的資金
  • 電磁場解析手法に関する技術開発               
    2000年
    競争的資金
  • メッシュ生成技術               
    受託研究
    2000年
    競争的資金
  • 超電導バルク体の解析手法の開発               
    2000年
    競争的資金
  • Sientific Visualization for Results of Numerical Computation               
    2000年
    競争的資金
  • Development of Technique for Numerical Computation in Electromagnetics               
    2000年
    競争的資金
  • Mesh Generation               
    Funded Research
    2000年
    競争的資金
  • Development of Numerical Computation for Superconducting Bulk               
    2000年
    競争的資金
  • 超伝導機器の最適化設計に関する研究
    科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    1998年 - 1998年
    野口 聡
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 早稲田大学, 97J05766
  • 電磁機器の最適化設計               
    1994年
    競争的資金
  • An Optimal Design Method for Electromagnetic Apparatuses               
    1994年
    競争的資金

産業財産権

  • 電磁誘導加熱コイル、電磁誘導加熱装置及び金属体の加熱方法
    特許権, 澤 尚志, 野口 聡, 高田 篤, 積水化学工業株式会社, 国立大学法人北海道大学
    特願2010-259374, 2010年11月19日
    特開2012-113838, 2012年06月14日
    201203058342721914
  • 磁場形成装置及びこれを用いた粒子加速器
    特許権, 石山 敦士, 植田 浩史, 野口 聡, 宮原 信幸, 鹿島 直二, 長屋 重夫, 学校法人早稲田大学, 独立行政法人放射線医学総合研究所, 中部電力株式会社
    特願2009-055556, 2009年03月09日
    特開2010-212031, 2010年09月24日
    201003027509242668
  • コイルシステム及びこれを用いた粒子加速器
    特許権, 石山 敦士, 植田 浩史, 野口 聡, 宮原 信幸, 鹿島 直二, 長屋 重夫, 学校法人早稲田大学, 独立行政法人放射線医学総合研究所, 中部電力株式会社
    特願2009-055551, 2009年03月09日
    特開2010-212029, 2010年09月24日
    201003036703748253
  • コイルシステム及びこれを用いた粒子加速器
    特許権, 石山 敦士, 植田 浩史, 野口 聡, 宮原 信幸, 鹿島 直二, 長屋 重夫, 学校法人早稲田大学, 独立行政法人放射線医学総合研究所, 中部電力株式会社
    特願2009-055555, 2009年03月09日
    特開2010-212030, 2010年09月24日
    201003037138408989