実山 豊 (ジツヤマ ユタカ)

農学研究院 基盤研究部門 生物資源科学分野講師
Last Updated :2025/11/11

■研究者基本情報

学位

  • 博士(農学), 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • 水耕栽培
  • 自然栽培
  • 根系
  • 細胞微細構造
  • 園芸作物
  • 凍結耐性
  • 冠水耐性
  • 種子発芽
  • 環境ストレス
  • 食用作物

研究分野

  • 環境・農学, 園芸科学, 園芸学
  • 環境・農学, 作物生産科学, 作物学

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2011年09月 - 現在
    北海道大学, 大学院農学研究院, 講師
  • 2000年02月 - 2011年08月
    北海道大学, 大学院農学研究院, 助教

学歴

  • 1996年04月 - 1999年09月, 北海道大学, 農学部, 農学科 博士課程

委員歴

  • 2009年04月 - 2011年03月
    日本作物学会, Plant Production Science 編集幹事, 学協会
  • 2010年04月 - 2010年10月
    日本作物学会, 第230回講演会運営委員, 学協会
  • 2007年04月 - 2009年03月
    日本作物学会, Plant Production Science 編集委員, 学協会
  • 2002年04月 - 2004年03月
    日本作物学会, 日本作物学会紀事 編集幹事, 学協会
  • 2000年02月 - 2002年01月
    日本育種学会 日本作物学会 北海道談話会, 庶務幹事, 学協会

■研究活動情報

受賞

  • 1999年, Student Poster Second Prize in The 36th Annual Meeting of the Society for Cryobiology (Marseille-France)               

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

  • 作物学               
    実山 豊, ライムギ・エンバク
    文永堂出版, 2013年11月, [分担執筆]
  • 園芸学の基礎               
    実山 豊, 植物の成長と水の役割
    農山漁村文化協会, 2012年09月, [分担執筆]
  • 熱帯植物遺伝資源の凍結保存 最新の研究とその応用               
    Fujikawa, S, Y. Jitsuyama, Ultrastructural aspects of freezing adaptation of cells by vitrification
    IPGRI, 1998年, [分担執筆]

講演・口頭発表等

  • 数種野菜における慣行栽培と自然栽培の収穫物特性比較 -2017年 単年度試験結果-               
    実山 豊, 塩越美咲, 市木彩音, 星原悠希, 志村華子, 鈴木 卓
    園芸学会, 2018年09月22日, 日本語, ポスター発表
    [国内会議]
  • 生育時期別に負荷した水ストレス (過湿と乾燥)が 加工用トマトの収量形質・品質に 及ぼす影響               
    実山 豊
    NPO法人グリーンテクノバンク 北方系機能性植物研究会, 2018年07月19日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
    [招待講演], [国内会議]
  • 醸造用ブドウの耐凍性について               
    実山 豊
    北海道ワインアカデミー, 2018年01月19日, 日本語, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
    [国内会議]
  • 生育時期別に負荷した水ストレスが加工用トマトの収量および成長パラメータに及ぼす影響 —過湿処理が収量を減少させた要因についての考察—               
    実山 豊, 市木彩音, 志村華子, 鈴木 卓
    園芸学会, 2017年03月19日, 日本語, ポスター発表
    [国内会議]
  • Fresh-cut 2015に参加して 〜北米で視たカット野菜産業の現状〜               
    実山 豊
    グリーンテクノバンク・北方系機能性植物研究会, 2015年10月30日, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
    [招待講演], [国内会議]
  • いくつかのダイズ品種・系統は根域低酸素下でもバイオマスを増加させる               
    実山 豊, 阿部 純, 大内優一郎, 吉清 翼, 許 東河
    園芸学会, 2015年09月27日, 日本語, ポスター発表
    [国内会議]
  • 北海道育成ダイズ2品種の種子冠水害発生機序における品種間差異―種子吸水動向に影響を与えうる種皮形態因子―
    実山豊, 紺野裕太郎, 萩原雄真
    日本作物学会講演会要旨・資料集, 2012年09月09日, 日本語
  • 北海道産ダイズ2品種の種子冠水害発生機序における品種間差異―種子の調湿処理と吸水動向に着目して―
    実山豊, 紺野裕太郎
    日本作物学会講演会要旨・資料集, 2012年03月29日, 日本語
  • 北海道産ダイズ2品種の種子冠水害発生機序における品種間差異 -種子吸水動向に影響を与えうる種皮形態因子 -               
    実山 豊, 紺野裕太郎, 萩原雄真
    日本作物学会, 2012年
  • 北海道産ダイズ2品種の種子冠水害発生機序における品種間差異 -種子の調湿処理と吸水動向に着目して -               
    実山 豊, 紺野裕太郎
    日本作物学会, 2012年
  • 低酸素水耕栽培におけるダイズ生育の品種間差異―環境変動下での形態反応変化について―
    実山豊
    日本作物学会講演会要旨・資料集, 2011年03月30日, 日本語
  • 低酸素水耕栽培におけるダイズ生育の品種間差異 -環境変動下での形態反応変化について-               
    実山 豊
    日本作物学会, 2011年
  • 低酸素水耕栽培におけるダイズ生育の品種間差異 -栄養成長初期における地上部及び根部反応性-               
    実山 豊
    日本作物学会, 2010年
  • 冬期積雪地帯における圃場への寒剤施用の雑草防除効果
    実山豊
    日本作物学会講演会要旨・資料集, 2009年09月29日, 日本語
  • 北海道におけるダイズ・サツマイモ混植の試行               
    実山 豊, 市川伸次
    日本作物学会・日本育種学会 北海道談話会, 2009年
  • 冬期積雪地帯における圃場への寒剤施用の雑草防除効果               
    実山 豊
    日本作物学会, 2009年
  • 低酸素水耕栽培におけるダイズ生育の品種間差異 -栄養成長期後期から生殖成長期初期にかけて-               
    実山 豊
    日本作物学会, 2008年
  • Effect of Temperature, Soil Compaction and Soil Sterilization on Root Development of Wheat and Canola Seedlings
    JITSUYAMA Yutaka, ANGUS John F
    日本作物学会講演会要旨・資料集, 2006年03月30日, 英語
  • 作物栽植下におけるD2Oを用いた水分モニタリングに関する基礎調査 (1) -水分局在の日変動について-               
    実山豊
    日本作物学会, 2006年, ポスター発表
  • コムギ及びナタネ実生の根形成に及ぼす生育温度,土壌硬度及び土壌殺菌処理の影響               
    実山豊, Angus J.F
    日本作物学会, 2006年, ポスター発表
  • アスパラガス茎頂の凍結生存性に及ぼす前処理の影響並びに凍結に伴う形態的変化
    実山豊, 鈴木卓, 原田隆, 藤川清三
    園芸学会雑誌 別冊, 1995年08月, 日本語
  • アスパラガス野外茎頂の凍結保存における前処理の影響
    実山豊, 鈴木卓, 原田隆, 藤川清三
    低温生物工学会セミナー及び年会講演要旨集, 1995年, 日本語

担当経験のある科目_授業

  • 園芸科学               
    北海道大学
  • 蔬菜園芸学               
    北海道大学
  • 生物学Ⅱ               
    北海道大学
  • 作物生産生物学特論               
    北海道大学
  • 生物資源科学実験               
    北海道大学
  • 生物資源科学特別実験               
    北海道大学

所属学協会

  • 2025年08月 - 現在
    日本食品科学工学会               
  • 北海道園芸研究談話会               
  • 園芸学会               
  • 低温生物工学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 植物細胞のガラス転移による乾燥適応条件の探索と新しい遺伝資源保存技術の開発
    科学研究費助成事業
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    実山 豊
    既存の凍結保存例や乾燥細菌の既報を参考とし、スクロース及びグリセロール溶液を用いた乾燥前処理をアスパラガスのEmbryogenicカルスに施したところ、乾燥(1日)後に保存すると、保存3日以内に茶色に変色し、生存したものを見出すことができず、DT50(Dry Treatment for 50% of survival:供試したカルスの50%が生き残る保存日数)の延長が、前培養および乾燥処理で誘導されることを見出せなかった。
    今後は、本年度に供試できていない物質へも使用範囲を広げ、また、乾燥保存する温度も冷温域に幅を広げ、保存日数が延長できる乾燥前処理の模索を続ける。
    乾燥前処理の至適条件を評価するために、乾燥カルスをTRA(Thermal Rheological Analysis)及びDSC(Differential Scanning Calorimetry)に用いたところ、乾燥前処理せずに10日間乾燥させたカルスのガラス化転移温度(Tg)が40-45℃付近と定量できたものの、他の条件で処理したカルスのTgは、カルスの物性上の問題で正常に定量し得なかった。つまり、カルスのTRAまたはDSC定量条件は、前処理に影響を受けることが判明したため、更に精査する必要があると推察された。
    今後の実験の進め方については、以下のように変更する。まずDT50を少しでも延長すべく前処理の探索を行った後に、至適乾燥前処理後サンプルのTRAまたはDSCへの定量条件を精査してからTg推定を行い、これにより乾燥保存の成立メカニズムについて考察する。また供試材料には、既報にて乾燥保存後の再生率が高いことが判明しているカンキツ珠心胚(Sugawara et al., 2013, Cryobiology, 67: 436)の使用についても模索する。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 23K05219
  • 水分動態およびソルビトール代謝機能に着目したリンゴみつ症果発生要因の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    鈴木 卓, 春日 純, 実山 豊, 上野 敬司
    1)圃場試験:みつ症果を発生する‘こうとく’および‘Red Gold(RG)’の成木(北大余市果樹園栽植)で、全面マルチおよび主枝に施した針金リング処理がみつ症果発生に及ぼす影響を調べた。みつ症の発生程度は、経時的に採取した果実(5果)の縦および横断面をwin-RHIZOで画像解析する方法により評価した。みつ症程度は両品種とも収穫直前の果実で顕著で、‘RG’の針金リング区は、対照区に比べて有意にみつ組織の面積が拡大した。
    2)維管束組織の微細構造:みつ症果の発生に顕著な品種間差が認められており、果梗部から果実に至る維管束組織の構造的差異が、篩部液の果実内流入を制限している可能性があるため、果梗部を化学固定後パラフィン包埋し、横断切片を顕微鏡観察した。その結果、果梗部は、枝と同様にその中心を木部が大きく占め、篩部組織はその周辺を覆うように発達している様子が確認できた。
    3)MALDI-TOF MS imaging:7月下旬に採取した‘こうとく’の未成熟果を表面殺菌後、無菌条件下で縦および横に切断し、その切断面を0.5Mの[1-13C]sorbitolを添加したMS培地で72時間培養し、MALDI-TOF MS imagingによる観察を行った。リンゴ果肉組織内で外与の[1-13C]sorbitolを基質として合成されたsucrose(通常のsucroseよりもm/zが1または2大きい分子)の果実内分布を観察したところ、[1-13C]を内包するsucrose濃度は果実中心部で低く、果肉の果皮側で高いことがわかった。
    4)Sorbitolおよびsucrose代謝関連酵素遺伝子の解析:果肉組織から採取されたRNAの量および純度が低く、解析が容易ではないことがわかった。果肉細胞は大きく、核酸抽出には不向きな材料であるため、酵素活性に着目して研究を進める方が得策であると判断した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21H02180
  • ウリ科の異属間単為結実に関わる分子メカニズムの解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    志村 華子, 鈴木 卓, 実山 豊, 杉山 慶太
    スイカの雌花にユウガオの花粉を受粉すると約50%の確率で単為結実が生じる。ユウガオの花粉はスイカの子房内で単為結実を引き起こす特異的な反応を誘導すると考え、今年度も受粉処理から経時的にスイカ子房を採取し、RNA-seqを用いたトランスクリプトーム解析によって単為結実に関わる遺伝子の探索を行った。ユウガオ花粉を受粉した際に、肥大または非肥大の違いが視覚的に判別可能になるのは受粉96時間以降だが、受粉72時間後のユウガオ受粉区(9個体)の遺伝子発現パターンをみると、4株はスイカ受粉区と同様のパターン、5株は単為結実を誘導しないニガウリ受粉区と同様のパターンを示したことから、前者は肥大し、後者は肥大しないと予想された。肥大すると思われるユウガオ花粉受粉72時間区でのみ発現量が高い遺伝子には、細胞壁修飾酵素を制御するタンパク質をコードする遺伝子DUF642やABAおよびストレス誘導遺伝子HVA22などがみられた。肥大すると予想されるユウガオ花粉受粉72時間区とスイカ受粉区で共通して発現上昇しているものにはGA合成遺伝子が検出された。一方、肥大しないと思われるユウガオ花粉受粉72時間区で発現量が高い遺伝子の多くはニガウリ受粉区でも発現量が高く、ジャスモン酸応答、ブラシノステロイド応答に関わる遺伝子が多く検出された。また、さらに早い時間(受粉後36時間、48時間)では、受粉区による遺伝子発現パターンの中に結実の有無と関連がありそうな傾向は明確には見出されなかった。実際にはまだ肥大は起こっていないが、単為結実となるかどうかを決定する遺伝子発現の違いは受粉72時間後ではもう起こっていると考えられた。受粉後36から48時間はまだ肥大方向へ進むかどうか過渡期の状態ではないかと思われ、72時間までの経時的変化をさらに詳細に調べる必要があると考えられた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 20H02974
  • ユウガオ花粉の受粉によるスイカ単為結実誘導機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2017年04月01日 - 2020年03月31日
    杉山 慶太, 志村 華子, 鈴木 卓, 実山 豊
    ユウガオ花粉の受粉によってスイカが単為結実する現象の解明を行った。ユウガオの花粉はIAA、イソペンテニルアデニン含量が多かった。ユウガオ受粉後のスイカ子房内のABAの変動はスイカ受粉処理と類似していた。また、プロテオーム解析からオーキシン応答に関わる転写抑制因子、転写因子が検出され、単為結実との関連が考えられた。RNAseqでは、受粉により誘導される遺伝子発現パターンはスイカとユウガオで類似しており、受粉48時間以降に単為結実に関わる遺伝子発現変動があることが示唆された。ウリ科植物において、異属の受粉で単為結実を誘導する様々な組合せが認められた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 17H03768
  • 水分動態を基軸としたリンゴみつ症果発生機構の解明
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2016年04月01日 - 2018年03月31日
    鈴木 卓, 実山 豊, 志村 華子
    著者らは、リンゴ果実のみつ組織は、収穫直前に果梗部から過多に流入した樹液が果肉細胞間隙にオーバーフローしてできるとの仮説を立てた。プレッシャーチャンバーで赤色染色液を果梗部から果実内に浸透させ、人為的みつ症果発生を試みた結果、果芯部、維管束および果皮内側が赤く染色した。一方、みつ組織は染色されなかったので、みつ組織形成と樹液のオーバーフローは関係がないという結論に至った。果肉組織中のソルビトールおよびショ糖の濃度分布をMALDI-TOF imaging MSで可視化した。ソルビトールは果芯部の周辺、ショ糖は果托の皮層部側ほど濃度が高かった。みつ組織とソルビトール分布は、必ずしも一致しなかった。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 16K14845
  • 植物の凍霜害防止のための新戦略
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2015年04月01日 - 2017年03月31日
    福士 幸治, 荒川 圭太, 実山 豊
    65種類の植物葉の粗抽出を従来のドロップレット凍結法で試験した結果、植物葉抽出物に氷核形成阻害物質(過冷却促進活性)が広く認められ、特に、アカエゾマツ、レッドマスタード、クマイザサ、バッコヤナギ、ゲッケイジュ、スダチ、アカジソ、チャノキ、セイヨウタンポポ葉の活性が強かった。特に活性が強かった植物葉粗抽出物を、新たに開発したリーフディスク凍結試験法に供試した結果、植物葉上でも凍結を押さえる作用が認められた。従って、本法を用いて未利用の植物葉から新規な過冷却促進物質が期待される。現在、植物葉抽出物を用いた茶園の防霜に関する共同研究について協議中である。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 15K14667
  • ダイズの総合的耐湿性と組織細胞水透過性との関係性に関する研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2014年04月01日 - 2017年03月31日
    実山 豊
    本研究では、ダイズが被る2種類の湿害、植物体根域冠水害と種子冠水害の発生機序に関する基礎的知見を得るため、根や種皮の透水性に着目し、耐湿性との関連性について調査した。根域低酸素負荷水耕装置による簡易サーベイを行なった結果、耐性品種では根域が低酸素環境になると根量が増え、更に特定のアクアポリンが増えることで、根の透水性を保てることがわかった。また、種子冠水耐性に優れる品種に由来する遺伝子座には、耐性を高めるQTLが複数存在し、そのうちの1つは硬実性と共通のQTLであった。このように、異なる2つのダイズ耐湿性には、器官の透水性が密接に関与している可能性が示唆された。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 26450015
  • ダイズの総合的耐湿性と組織細胞水透過性との関連性に関する研究               
    科学研究費補助金 基盤C
    2014年04月 - 2017年03月
    実山 豊
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • 湿害によるダイズの吸水機能低下とアクアポリンの関係解明に向けた基礎的研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    石川 淳子, 村井 麻理, 松尾 直樹, 実山 豊
    本研究では湿害によるダイズの吸水阻害機構に関わる基礎的知見を得るため、吸水に関わる膜タンパク質アクアポリンに着目し、アクアポリンと吸水阻害の関係について検討を行った。ダイズの根では19のアクアポリン遺伝子が発現し、その中でも最も発現量の多い9つの主要アクアポリン遺伝子は湛水処理により半分程度まで発現量が低下したことから、アクアポリン発現量の低下が湛水処理による根の吸水阻害の要因の1つとなっている可能性が示唆された。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 25450031
  • ダイズ種子吸水過程における水浸透ダイナミクスを探る
    科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
    2012年04月 - 2014年03月
    実山 豊
    ダイズの乾燥種子は、播種直後に過湿環境に晒されると湿害を被る。種子への3時間以上の冠水処理は、生存率の有意な品種間差を誘引した。吸水速度は、種子浸漬時には処理10-30分の時間帯に、種子底面給水時には処理開始直後に有意な品種間差が認められた。これらの吸水速度の比は生存率と有意に関係していた。更に種皮透水性と種子浸透濃度を調べたところ、それぞれ、前者と後者の吸水速度に有意に関係していた。このように、ダイズ種子の冠水耐性は、種子の浸透濃度や種皮の透水性が複合的に吸水速度を律することで決定されている可能性が示唆された。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 24658013
  • 低酸素環境下における作物挙動と適応反応性に関する基礎的研究               
    科学研究費補助金 若手研究(A)
    2010年04月 - 2013年03月
    実山 豊
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • 低酸素環境下における作物挙動と適応反応性に関する基礎的研究
    科学研究費助成事業 若手研究(A)
    2010年 - 2012年
    実山 豊
    ダイズの湿害は農業上重要な障害だが、その発生メカニズムには不明な点が多い。本研究では、水耕栽培法により過湿土壌の一様態「低酸素」を人工的に再現し、経験的に圃場耐湿性が既知な多種ダイズ品種を1ヶ月間栽培、その反応性を詳細に調査した。その結果、低酸素反応性と圃場耐湿性とに密接な関係性を検出し、湿害発生の主な理由の1つが低酸素であることを確認した。更に圃場耐湿性が弱い品種の中には、低酸素環境によって葉面積や細根の減少、根における吸水能力の減衰などの特徴的な反応を見出した。
    日本学術振興会, 若手研究(A), 北海道大学, 22688002
  • 寒冷地適応型雑草防除法に関する模索               
    科学研究費補助金 萌芽研究
    2007年04月 - 2009年03月
    実山 豊
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • 寒冷地適応型雑草防除法に関する模索
    科学研究費助成事業 萌芽研究
    2007年 - 2008年
    実山 豊
    雑草防除を容易に省力化できれば, 更なる作業体系の拡充等が可能であろう. 適応範囲として北海道のような寒冷地域の積雪下に限定されるが, 寒剤の凝固点降下現象の雑草発芽抑制への利用の可能性について, 2年間のポット・圃場試験を行った.
    試験1年目に寒剤の圃場散布を模した調査を行った. 雑草埋土種子の出芽を有意に減少させるに十分な温度低下は高濃度の寒剤(30%w/w)で確認されたが, これは塩傷害をも誘引し, 凝固点降下効果が薄い0.4%w/wの寒剤混和でも塩害様相を呈した. 一方で, 雑草埋土種子の出芽は, 寒剤を混和せずに-20℃以低にまで低下させれば減少し, また, 十分量の雪と寒剤が混和されれば,-20℃近辺まで低温化する凝固点降下も確認された. これらのことから, 寒剤を圃場に直接混和することなく凝固点降下の効果のみを抽出, 土中に伝達させれば, 翌春の雑草数が減少する可能性が考えられた.
    試験2年目には, 高濃度寒剤を包含したシートの圃場被覆を模した調査を行った. この手法による雑草埋土種子出芽抑制効果は, 十分量のNaCl, CaCl_2, MgCl_2を用いた際,-20℃〜-80℃程度の低温条件と同等と示された. 次に融雪剤として市販されているMgCl_2を用いて, 圃場(エンバク緑肥圃場として用いられる圃場で, 除草剤処理は一切行っていない)での小規模実験を行った. 寒剤シートで処理すると, 対照区に較べ総雑草数は5%水準で有意に減少し, 雑草種に依っては(エノキグサ)1%水準で寒剤の効果が認められた. ただし, 本圃場の優占種だったシロザ等については効果が薄かった. シート被覆後に播種されたエンバクについても処理の効果は示されなかった.
    以上のことから, 降雪前の圃場に寒剤を含む資材(繰り返し使用可能)を土壌被覆することにより, 春〜夏期の出芽雑草数を抑制できる可能性が示唆された. しかしながら資材の選定や抑制効果の安定性・強度に課題は残され,更なる検証が必要であると結論した.
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 19658005
  • 複合型土壌ストレス環境下での作物根挙動調査における新展開               
    科学研究費補助金 若手研究(A)
    2004年04月 - 2007年03月
    実山 豊
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • 複合型土壌ストレス環境下での作物根挙動調査における新展開
    科学研究費助成事業 若手研究(A)
    2004年 - 2006年
    実山 豊
    作物根に対する複合型土壌環境ストレス(乾燥ストレス,塩ストレス,緊密土壌ストレス)には多くの場合,土壌中の水動態が密接に関連している.本研究は,最終的に作物育成環境での水動態モニターを目指しており,作物根への土壌ストレスの調査基盤として,密閉簡易型の作物育成ポットによる水のトレーサー試験の手技を確立した.以下研究概要を示す.
    ・D2Oによる水動態のトレースが可能な透明アクリル樹脂製小型ポットを製作し,土壌水分センサーにより土壌体積含水率の土壌水の拡散状況に関する基礎データを得た.これらデータおよび作物根系の深度を勘案し,本試験用機8機(幅:40cm,奥行き10cm,深さ120cm)を製作した.
    ・実際にD2Oを負荷しトレース実験を開始した.平成16年度申請備品のFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)により,0.05〜10atom%までの濃度においてD2O定量をルーチン化し,土壌から蒸散する水蒸気に含まれるD2Oも,コールドトラップを用いる事で定量化とした.また,土壌中から抽出した溶液中の元素定量に関しても,平成16年度申請備品のXRF(エレメントアナライザ)による定量法を確立した.
    ・複合土壌ストレスのひとつとして乾燥ストレスを作物に負荷しD2Oトレース試験を行い,「土壌からの根水吸収→植物体を通導→大気への蒸散」という,一連の水分動向における日変動への土壌ストレスの影響を明らかにした.
    これまで確立した新しい方法論に従い基礎的知見を蓄積し,緊密土壌・塩等の土壌ストレスを複合的に発生させた条件を作物に負荷した上で,引き続き根挙動への影響を精査する.
    日本学術振興会, 若手研究(A), 北海道大学, 16688002
  • 土壌硬盤層に対するコムギの根貫入力に関する遺伝的変異の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2003年 - 2006年
    岩間 和人, 実山 豊, 渡部 信義
    土壌からの水分吸収の良否は世界の多くの地域で作物の生産性を規制している主要因であるが、今後の地球温暖化のもとでは、現在以上に水分不足が深刻になるものと懸念されている。世界の人口増加に対応した食糧生産を維持するためには、作物の品種改良によって深根性の品種を育成し、土壌深くに存在する未利用の土壌水分を利用できるようにすることが考えられる。そこで本研究では、コムギの深根性に関する遺伝資源の変異や遺伝様式について検討し、下記の成果を得た。
    1.コムギ根の貫入力測定に適した堅さのロウとワセリン混合層を封入したポット(PVポット)開発し、PVポットでの根貫入力の品種間差異が圃場での深根性の差異と関係することを検証した。
    2.ICARDAやCIMMYTで育成されたマカロニコムギの近代多収品種はエチオピアなどの在来品種に比べて根貫入力が劣っていた。また、北海道で育成された品種やその交配親など43品種・系統、および道外地域の主要栽培38品種など国内のパンコムギ品種の根貫入力には大きな変異が存在し、根貫入力を改良する遺伝資源として利用できることを明らかにした。
    3.草丈や収穫指数を制御するわい性に関する同質遺伝子系統群の根貫入力を比較し、わい性と根貫入力との関係は認められず、両形質は遺伝的に独立した形質であることを明らかにした。さらに、マカロニコムギのマップ集団において、根貫入力に関与するQTLが6A染色体の長腕最下部に位置することを明らかにした。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 15380010
  • 根系育種推進のための国際共同研究スキームの作成
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2005年 - 2005年
    寺内 方克, 岩間 和人, 実山 豊
    先導的な研究の紹介を通じて研究の現状と今後の課題を明らかにするとともに、研究交流を通じた今後の国際共同研究の立ち上げを目指して「乾燥地における作物根系改良の現状と課題」と題するセミナーを企画した。海外の研究機関から3名の招聘研究者を迎え、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)の協力のもと、2005年12月14日にJIRCAS国際会議室でセミナーを開催した。招聘者と講演内容は次のとおり。(1)Dr.Jill Cairns(国際稲研究所(IRRI)、フィリピン)「陸稲における根系改良の取り組みの現状と課題」、(2)Dr.Pooran M.Gaur(国際半乾燥地熱帯作物研究所(ICRISAT)、インド)「ヒヨコマメにおける根系改良の取り組みへの挑戦と現状」、(3)Dr.Richrd Richards(植物工学研究所、オーストラリア)「コムギにおける根系改良の取り組みの現状と課題」。セミナーには国内外から、約50名の参加があり、講演者の他、海外からはアフガニスタン研究局や国際乾燥地農業研究センター(ICARDA)およびICRISATの研究者が参加した。総合討論の時間には今後の根系育種推進案を説明し、これに対する質疑を通じて研究の方向と課題について整理した。そして、根の調査に関わる様々な困難な問題を再確認し、根系を改良するには単純な遺伝様式の形質が適当であること、環境によって求められる根の特性が異なること等を認めつつ、環境分野、生理分野、育種分野等の研究者が連携することが重要であることを確認した。本セミナーの内容については、その内容をPlant Production Science誌に掲載するための準備を進めている。
    この他、根の研究に関する先導的な研究を実施しているワーヘニンゲン大学との研究打ち合わせを行い、共同研究に向けた研究材料の交換等の手続きを開始した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 17638001
  • 大気CO_2増加に対する水稲の器官形成応答機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2002年 - 2004年
    長谷川 利拡, 酒井 英光, 岡田 益己, 実山 豊, 小林 和彦
    本研究は、高濃度CO_2が水稲の発育、器官数、器官サイズに及ぼす影響を解明するとともに、高CO_2応答にいかなる遺伝子変異が認められるかを明らかにしようとする。そのために、発育、形態特性が異なる品種を、2種類のチャンバー(温度勾配型、屋外半閉鎖型)と開放系大気CO_2増加(FACE)実験水田で、2水準のCO_2濃度(外気および外気+200μmol/mol)で栽培した。初年および2年目には、坊主5号、きらら397(以上、北海道品種)、あきたこまち、ササニシキ(以上、東北品種)の4品種を供試した。いずれの年次も東北2品種の出穂期は高CO_2濃度によって早まったのに対し、北海道2品種では変化しないか遅くなる傾向が認められた。また、最終葉数および葉身長は東北品種では高CO_2濃度によって減少したのに対し、北海道品種では増加したか変化しなかった。すなわち、発育の遅速に関するCO_2と遺伝子型の相互作用は、出穂期のみならず、生産性に直結する葉数や葉身長のCO_2応答にも影響する可能性がある。3年目には、一穂穎花数に着目し、シンクサイズの遺伝的変異が生育の高CO_2応答に及ぼす影響を調査した。供試品種は農林8号とその着粒突然変異系統のRM645である。RM645は、二次枝梗が極めて少なく、一穂穎花数が農林8号の50〜60%であったが、高CO_2による地上部乾物重の増加割合は、6〜13%の狭い範囲にあり、有意な品種と処理の相互作用は認められなかった。いずれの実験においても、光合成の高CO_2応答の品種間差異は、主として葉色や葉身窒素の変異が関与し、草型やシンクサイズが光合成のアクリメーションに及ぼす影響は明らかではなかった。すなわち、高CO_2に対する精製反応の品種間差異は、主として発育、形態、窒素栄養に依存するものと推察された。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 14360008
  • 緊密土壌ストレス条件下におけるコムギ類根の特性に関する基礎的研究               
    科学研究費補助金 奨励研究(A)
    2001年04月 - 2003年03月
    実山 豊
    日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金
  • 緊密土壌ストレス条件下におけるムギ類根の特性に関する基礎的研究
    科学研究費助成事業 若手研究(B)
    2001年 - 2002年
    実山 豊
    緊密土壌ストレス下におけるコムギ根系の発展能力について,(1)緊密土壌ストレス耐性の簡易評価法の確立,(2)緊密土壌ストレス耐性と植物形態との関連性に関する調査,(3)圃場における緊密土壌ストレス耐性の検証,の3項目の検討を行なった.以下にこれらの概要を示す.
    (1)ワックスディスクを組み入れた特殊ポットにてコムギを栽培することで,緊密土壌ストレス耐性選抜に適した簡易評価を可能とした.国内外の研究機関から収集したコムギ系統計60品種を予備実験に用い,広範な根貫入力変異を示すエチオピア在来種7品種,北米育成多収性品種17品種そして北海道内主要品種10品種を見い出した.最終的には,極めて特徴的な根貫入力を示す6品種を選抜できた.
    (2)緊密土壌ストレス耐性と正相関する植物形態として,根量(種子根・冠根・側根)・草丈・分げつ数が認められた.これらは,土壌深部への根系形成に密接に関連する量的形質と考えられる.また部の根貫入力品種には,個根の貫入能力が高いことで根全体の貫入能力を高めている品種とみられるものもあり,今後は,個根の微細形態についての検討も必要と考える.
    (3)圃場内にベントナイトを基本とした緊密土壌層を設けた上でコムギを栽培し,塹壕法により根発展程度を経時的に調査したところ,上記ポット試験で認められた現象は圃場においても確認され,これらのストレス耐性が環境に対し安定した遺伝形質であることを明らかにした.
    以上の知見は,コムギ根の貫入力特性における遺伝的変異および発現機構を解明する端緒となり,緊密土壌耐性に優れたコムギを作出する上で重要と考える.
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 13760010
  • 園芸作物組織細胞における凍結傷害回避機構に関する基礎的研究
    科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    1999年 - 1999年
    実山 豊
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 北海道大学, 99J05340