早川 仁 (ハヤカワ ヒトシ)
| 経済学研究院 現代経済経営部門 経済政策分野 | 准教授 |
Last Updated :2025/11/06
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論文
- How a liquidity saving mechanism affects bank behavior in interconnected payment networks
Hitoshi Hayakawa
Journal of Economic Interaction and Coordination, 20, 1, 41, 71, Springer Science and Business Media LLC, 2024年04月03日, ［査読有り］
英語, 研究論文（学術雑誌）, Abstract
A surge in banks’ liquidity needs increases settlement costs that could burden the functioning of the real economy through its impact on banks’ lending behavior. A liquidity saving mechanism (LSM) can help reduce banks’ liquidity needs, but it could also affect banks’ strategic behavior. To understand how an LSM affects banks’ behavior in a real-time gross settlement system, this study models settlements in a day as a timing game in which banks decide when to make payments, thereby trading off the cost of delaying payments against the cost of borrowing liquidity. An LSM provides a partial offsetting service, whose direct effect is to decrease the cost of liquidity associated with payments that are offset. The study’s stylized analyses reveal that an LSM indirectly affects banks’ strategic behavior in a network context. Without an LSM, a positive strategic spillover effect can arise through the network of payments, which an LSM can dismiss by cutting off the underlying payment network. To demonstrate its welfare impact along with the network structures, this study theoretically analyzes a class of core-periphery networks. The density of the network is shown to have implications on the welfare consequence of adding an LSM. From a policy perspective, the implications on a policy mix between an LSM and the fee setting for intraday lending are discussed., 34063782 - Electronic word-of-mouth: a survey from an economics perspective
Naoshi Doi, Hitoshi Hayakawa
INTERNATIONAL JOURNAL OF THE ECONOMICS OF BUSINESS, 27, 2, 303, 320, 2020年05月, ［査読有り］
英語, 研究論文（学術雑誌） - Liquidity in Financial Networks
Hitoshi Hayakawa
COMPUTATIONAL ECONOMICS, 55, 1, 253, 301, 2020年01月, ［査読有り］
英語, 研究論文（学術雑誌） - Settlement fund circulation problem
Hitoshi Hayakawa, Toshimasa Ishii, Hirotaka Ono, Yushi Uno
DISCRETE APPLIED MATHEMATICS, 265, 86, 103, 2019年07月, ［査読有り］
英語, 研究論文（学術雑誌） - Empirical Analysis of Brands: A Survey
Hitoshi Hayakawa, Susumu Imai, Kazuko Nakata
JAPANESE ECONOMIC REVIEW, 69, 3, 324, 339, 2018年09月, ［査読有り］
英語, 研究論文（学術雑誌） - Does a central clearing counterparty reduce liquidity needs?
Hitoshi Hayakawa
JOURNAL OF ECONOMIC INTERACTION AND COORDINATION, 13, 1, 9, 50, 2018年04月, ［査読有り］
英語, 研究論文（学術雑誌） - Settlement fund circulation problem
Hitoshi Hayakawa, Toshimasa Ishii, Hirotaka Ono, Yushi Uno
Leibniz International Proceedings in Informatics, LIPIcs, 92, Schloss Dagstuhl- Leibniz-Zentrum fur Informatik GmbH, Dagstuhl Publishing, 2017年12月01日, ［査読有り］
英語, 研究論文（国際会議プロシーディングス）
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 銀行部門の決済機能・信用創造機能を中核に据えた貨幣的一般均衡モデルの構築と分析
科学研究費助成事業
2024年04月01日 - 2029年03月31日
早川 仁
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 24K04827 - 社会的共通資本のための制度設計
科学研究費助成事業
2024年04月01日 - 2028年03月31日
松島 斉, 釜賀 浩平, 矢ヶ崎 将之, 日引 聡, 佐野 隆司, 星 岳雄, 早川 仁, 野田 俊也, 岡崎 哲二
日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 24H00143 - 近未来デジタル経済のための制度設計：理論、実証、実践
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
2020年04月01日 - 2024年03月31日
松島 斉, 尾山 大輔, 萱場 豊, 山本 裕一, 佐野 隆司, 中島 大輔, 安田 洋祐, 早川 仁, 岡崎 哲二
成果は１０テーマについてであり、学術貢献とメディア情報発信をおこなった。１．ブロックチェーンとガバナンス：松島と野田は、ブロックチェーンの普及が実体経済にどのような影響を与えるかを明らかにする論文を完成させ、東大広報などを通じて海外に向けてプレスリリースし、大きな反響を得た。２．ブロックチェーンと情報デザイン：山本は、不確実性下において不適切に特定化されたモデルにもとづいた意思決定がもたらす経済学的帰結についての論文を専門誌に掲載させた。３．繰り返しゲームと信用：松島と萱場は、繰り返しゲームの理論研究を完成させ、専門誌に掲載させた。４．プライバシーと制度設計：松島は、不確実性下において、適切な資源配分が可能になるインセンティブメカニズムを、向社会的動機を利用することを前提として設計できることを示す論文を完成させた。５．限定合理性とインセンティブ：中島は、限定合理的な意思決定者による意思決定バイアスについての理論的基礎をつくる論文を専門誌に掲載させた。松島は、前川と矢ヶ崎との共同で、取引市場におけるフレーミングの重要性についての実験と理論の研究を進展させた。６．動学的オークションと５G：佐野は、動学的オークションのおける割引率の異質性についての理論的基礎を構築し、専門誌に掲載させた。７．自動化と日本経済史：岡崎は、明治以降の日本の産業化における技術革新と製品多角化、企業成長についての歴史的考察をまとめ、専門誌に掲載させた。尾山は、人口移動の動学的モデルをインセンティブの視点から分析し、地域間の人口分布格差を説明する論文を専門誌に掲載させた。８．倫理的社会選択：松島は、社会選択を、個人の選好の集計ではなく、異なる倫理的基準の妥協案として、公理論的に解明する論文を完成させた。１０．グローバルコモンズ：松島は、温暖化交渉の制度設計を考えるための基礎理論をスタートさせた。
日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 20H00070 - 貨幣的一般均衡モデルにおける資産バブルを中心とした分析
科学研究費助成事業 若手研究
2020年04月01日 - 2024年03月31日
早川 仁
本研究の中心的課題である、貨幣的一般均衡モデルの構築ならびにそこでの資産バブルの分析に関して、ワーキングペーパーにまとめた。論文においては、貨幣供給量の拡大の経済成長における意義を示すとともに、過剰な貨幣供給のもとで資産バブルがもたらされうることを示すことに成功した。従来の研究において、非貨幣的一般均衡モデルにおける資産バブルの発生・厚生への影響については種々の知見が得られているが、当論文で示した資産バブルはそれらとは本質的に異なる種類の資産バブルと位置づけられる。非貨幣的一般均衡モデルにおいて資産バブルの発生の根拠は経済活動の制約や摩擦であり、その発生の厚生上の一義的効果は制約や摩擦を緩和することを通じた正の効果として把握される一方、当論文においては資産バブルの発生の根拠は貨幣の偏在として観察される所得・資産の不平等に求められ、かつ、資産バブルの発生はその不平等を拡大する傾向にあることが示される。当論文は、非貨幣的モデルにおける資産バブルの分析に関して、現実の資産バブルを適切に理解できていない可能性を示唆する。
当論文はまた、資産バブルの代替的動学として、所得・消費の格差の拡大を必然的にともなう生産セクター間の生産要素のシフトを示す。すなわち、貨幣の過剰が生じている際、もし新たな生産セクターがすぐには稼働できない場合、過剰な貨幣が資産市場に流入することによって資産バブルが発生しうる。一方、新たな生産セクターへの貨幣の流入は生産要素のシフトを生じ、その時点での富裕層を利する一方、他の家計の損失を必然的にともなうことが示される。いずれの動学においても貨幣の偏在がさらなる格差の拡大をもたらすことが示される。
日本学術振興会, 若手研究, 北海道大学, 20K13471
