内田 義崇 (ウチダ ヨシタカ)

農学研究院 連携研究部門 連携推進分野准教授
産学・地域協働推進機構准教授
Last Updated :2025/12/04

■研究者基本情報

プロフィール情報

  • 農学博士。専門は土壌物質循環学。土壌からの亜酸化窒素、二酸化炭素(土壌呼吸)排出などを研究している。炭素、窒素の安定同位体(13C、15N)を用いた研究も多く行っている。学位はニュージーランド・リンカーン大学で所得。Bachelor of Agricultural Science(農業科学)をオナーズ(ファーストクラス)付きで卒業している。オナーズ研究テーマは、牧草地からの亜酸化窒素排出と土壌締固めに関するものである。博士課程は同大のClough教授、Kelliher教授、Sherlock准教授らを指導教官とし、牧草地の土壌呼吸や亜酸化窒素排出を研究した。農業環境技術研究所物質循環研究領域でポスドクとして研究した後、北海道大学大学院農学研究院テニュアトラック助教~准教授となる。

    北海道大学では、ザンビアの鉛汚染に関するプロジェクトや、北海道における酪農地域の栄養収支バランスや物質循環に関するプロジェクトを立ち上げている。

Researchmap個人ページ

研究者番号

  • 70705251

研究キーワード

  • 牧草
  • 安定同位体
  • 温度依存性
  • 亜酸化窒素
  • 土壌呼吸

研究分野

  • ライフサイエンス, 植物栄養学、土壌学

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2017年04月 - 現在
    北海道大学, 農学研究院 連携研究部門, 准教授
  • 2013年01月 - 2017年03月
    北海道大学, 農学研究院 融合研究部門, 助教
  • 2010年01月 - 2012年12月
    農業環境技術研究所, ポスドク

学歴

  • 2007年 - 2010年, ニュージーランド・リンカーン大学, 土壌物理科学部, PhD (環境生命地球科学)
  • 2002年07月 - 2006年06月, ニュージーランド・リンカーン大学, 農業科学科(ファーストクラスオナーズ)

■研究活動情報

受賞

  • 2022年09月, 2022年度(第21回)日本農学進歩賞               
    農耕地からのN₂O発生削減技術の開発に向けた多面的アプローチ
  • 2022年09月, 第40回(2022年度)日本土壌肥料学会奨励賞               
    農耕地土壌における窒素動態の解析とN2O発生削減技術の開発に向けた分野融合的研究
  • 2017年04月, 2016年度笹川科学研究奨励賞               
    北海道の異なる酪農経営法と栄養収支バランスの関連性調査―北海道スタイルの低環境負荷型酪農法の確立に向けて―
  • 2012年12月, 農業環境技術研究所, 平成24年度(第5回) 農環研若手研究者奨励賞               
    畑地から発生する亜酸化窒素の削減技術および発生メカニズムに関する研究
    内田義崇

論文

その他活動・業績

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 農耕地の一酸化二窒素ガス排出の削減に至る有機物資材の理化学性と微生物代謝の解明
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    山本 昭範, 常田 岳志, 内田 義崇
    本年度は、化学性の要因としてpHと堆肥種類、物理性の要因として成型方法に着目して、異なる性質を同時調整した堆肥混合肥料を作成し、有機物資材の性質調整の組み合わせが一酸化二窒素(N2O)発生に与える影響を検証した。その結果、施用後のN2O発生量は組み合わせる性質で異なり、酸性と中性の条件では成型方法による影響が見られたが、アルカリ性条件では成型方法の影響は見られなかった。また、堆肥種類と成型方法を同時調整した場合、堆肥の種類間で成型方法によるN2O発生の変化傾向に差は見られなかったが、N2O発生の変化の程度は堆肥の種類間で異なった。このことから、N2O発生に与える影響は成型方法による物理性の調整よりも堆肥種類による化学性の調整の方が大きいことが示唆された。次に、有機物資材のサイズの影響を明らかにするため、有機物資材の粒度を変えた堆肥混合肥料を異なるpH条件で作成して実験に供した。施用後のN2O発生量は粒度の低下によって減少する傾向を示した。粒度調整によるN2O発生の減少傾向はpH条件によっても異なり、酸性と中性条件に比べてアルカリ性条件で減少の程度が大きかった。つまり、組み合わせる性質の内容によっては、性質間の関係性によりN2O発生削減作用が変化する可能性がある。さらに、微生物の多様性を数段階に調整した土壌を用いて、堆肥混合肥料施用時の土壌微生物の状態と堆肥混合肥料pHの関係を検証した。その結果、土壌微生物量は、堆肥混合肥料施用後のN2O発生量と堆肥混合肥料pHの関係を変化させることが分かった。また、pH条件によってN2O発生に差が生じた期間では、nosZ存在量も堆肥混合肥料pHで異なった。このことから、堆肥混合肥料pHによるN2O発生の変化はN2O還元の差が要因の一つであると考えられた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京学芸大学, 23K23740
  • 農耕地の一酸化二窒素ガス排出の削減に至る有機物資材の理化学性と微生物代謝の解明
    科学研究費助成事業
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    山本 昭範, 常田 岳志, 内田 義崇
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京学芸大学, 22H02475
  • 有機態炭素欠乏土壌における硝化菌による無機態炭素固定能~その制御要因の解明
    科学研究費助成事業
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    内田 義崇, 龍見 史恵
    本研究は、農地土壌の生産性や肥沃度は有機態炭素量に依存するが、過剰な施肥や耕起によって有機態炭素が欠乏した土壌「有機態炭素欠乏土壌」が生成されることが世界的な問題となっていることを背景としている。劣化した土壌を省力的に回復させる技術が緊急に必要とされている中で、無機態炭素(二酸化炭素(CO2))を有機態炭素として固定する独立栄養微生物である硝化細菌・古細菌(硝化菌)に着目した研究を行った。本年度は、有機態炭素欠乏土壌で微生物量は減少するが硝化菌が逆に増加・多様化している現象を踏まえ、その傾向から予測メタゲノム法を用いて無機態炭素固定遺伝子の量的変化を調べる試験を行った。硝化菌が持つ無機態炭素固定遺伝子はccbLとして知られており、その相対的な量をバクテリアの種から推定することができた。さらに、硝化菌の活性と多様性、アンモニア施肥回数の関連性を調べる試験も行い、アンモニア繰り返し施肥によって起きる硝化菌活性の程度が土壌微生物多様性と正の相関がある可能性を示唆するデータを得た。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21H02324
  • Consequences of intensive maize cultivation on soil microbiome and efficient nitrogen cycling in sub-Saharan Africa
    科学研究費助成事業
    2018年10月09日 - 2023年03月31日
    内田 義崇, 多胡 香奈子, 山本 昭範
    申請者らは、サブサハラアフリカにおける農地開発が土壌微生物コミュニティーの構造および機能にどのように影響を与えるかを調べてきた。これまでの研究では、硝化ポテンシャルはサイトの影響を大きく受けるが、同一サイト内では農地開発によって高くなる傾向が明らかになってきており、鍵となる硝化菌の種に着目して今年度は硝化機能遺伝子amoAの種レベルでのコミュニティー解析を進めた。その結果、硝化ポテンシャルが低いサイトでは、農地開発によってNitrosospira multiformisの相対存在量が増加しNitrosospira sp. Wyke8の相対的存在量が減少した。現在、これらの変動が土壌の硝化ポテンシャルとどのように関連しているのかについて解析を行っている。さらに、複数のザンビア産土壌を用いて、炭素投入(堆肥等)が土壌炭素動態や微生物多様性の変化にどのような影響を与えるかについても精緻に調査した。その結果、炭素投入の微生物多様性変化への影響は土壌によって大きく異なることがわかった。具体的には、炭素量が1%を上回り、水分保持力の大きい土壌においては、炭素投入の微生物への影響が小さくなり、炭素投入よりも水分量によって微生物多様性が変動することが定量された。また、炭素量が1%を下回るような極めて貧栄養な土壌においては、炭素投入による微生物量の増加、およびそれに伴う有機物分解速度の増加がより顕著であることも評価できた。
    日本学術振興会, 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)), 北海道大学, 18KK0183
  • 土壌の表面特性と微生物を活用した土壌・水・大気保全技術の確立
    科学研究費助成事業
    2018年04月01日 - 2023年03月31日
    石黒 宗秀, 波多野 隆介, 柏木 淳一, 内田 義崇, 荒木 肇
    本研究の目的は,肥料成分や放射性物質・界面活性剤・温室効果ガスなどの汚染物質の土壌中における動態を,土壌の表面特性と微生物活動に着目して明らかにし,その知見を用いて,土壌・水・大気保全技術を確立することである.本年度は,昨年度に引き続き次の研究を行った.
    無肥料無農薬水田における窒素の動態に及ぼす中耕除草の影響を明らかにするために,無肥料無農薬水田において,中耕除草0回区,2回区,5回区を設定すると共に,化学肥料と農薬を使用する慣行区を設定し,比較検討した.3年目の本年度は,中耕除草回数が増加するに従い,稲の生育と収量が増加した.昨年までは相違が無かったため,土壌環境が徐々に良くなってきたものと思われる.しかし,窒素量に関しては,明瞭な相違は認められなかった.土壌が更に良好な状態になるにはあと数年必要と考えられた.
    界面活性剤の吸着実験を行う際,土壌中の腐植物質が土壌水中に溶解し,それが吸光度測定による界面活性剤濃度の結果に影響する.その影響を取り除くために,可視光領域400nm波長の吸光度を利用することで,正確な測定が可能なことを明らかにした.
    水田から排出されるCH4の温室効果ガス発生量を調べたところ,無肥料無農薬中耕除草区は,慣行区と比較して発生量が少なくなり,温室効果ガス削減に寄与する傾向を示した.中耕除草回数が最も多い5回区で,CH4の放出が多く,有機物分解が進むことが示唆された.
    窒素固定能を持つ二つの微生物科が自然農法水田で相対的存在比が高いことを実証した.これらは,RhizobialesとRhodospirillalesである.
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 18H03963
  • 多重同位体標識窒素化合物(MILNC)による超高精度窒素循環解析
    科学研究費助成事業
    2018年04月01日 - 2022年03月31日
    木庭 啓介, 黒岩 恵, 勝山 千恵, 寺田 昭彦, 渡邉 哲弘, 仁科 一哉, 内田 義崇
    大変複雑な一酸化二窒素の生成消費プロセスを解明するためには、15Nだけでなく18O、そして17Oによる多重同位体標識窒素化合物(MILNC)による超高精度窒素循環解析法が必要である。本研究では、これら3種の安定同位体でラベルしたN2Oを生成し、それらの濃度をGC/MSにて測定、さらにこのN2Oを使って微生物がN2Oをどれだけ生成し同時にどれだけ消費するかを明らかにすることができる仕組み作りを実現した。さらにN2Oの挙動を詳細に解析するための窒素循環プロセスモデルを開発し、これを用いることで特に複雑なN2O生成プロセスが定量的に議論できるようになると期待される。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 京都大学, 18H04138
  • 緑肥導入体系における土壌微生物および小動物の動態と作物生産性
    科学研究費助成事業
    2018年04月01日 - 2021年03月31日
    荒木 肇, 小松崎 将一, 伊藤 崇浩, 西澤 智康, 内田 義崇
    持続的農業生産の生物学的ツールである緑肥機能を、土壌の生物性から調査した。緑肥は、土壌すき込み後に窒素を放出して後作作物生育に寄与する。土壌線虫の種類と個体数の調査から、緑肥すき込みで細菌が優占する環境が形成され、土壌肥沃度の向上が明らかになった。窒素無機化では、根域土壌ではβグリコシダーゼ活性や土壌微生物バイオマスが増加させ、微生物作用の指標になった。緑肥-不耕起でも微生物変動を誘起し、団粒サイズが微生物種と有機物分解に影響した。長期緑肥栽培では、ライムギ-不耕起体系で、温暖化係数が低減し、土壌炭素量増加により土壌特性と生産性の改善が認められた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 18H02310
  • 荒廃地土壌の微生物窒素固定と固定された窒素の安定性
    科学研究費助成事業
    2018年04月01日 - 2019年03月31日
    内田 義崇
    荒廃地土壌の生産性を回復させるためには、窒素が効率よく微生物により土壌へ固定されることが重要である。この研究では、サブサヘルアフリカで採取した荒廃地土壌において、先駆植物の根圏で窒素固定を行うコミュニティを明らかにする。本年度は、①ザンビアの荒廃地でAfrican fountain grass (Pennisetum setaceum)の根圏から採取した土壌や、②日本の荒廃地(都市部の建築現場跡地)における先駆作物の根圏土壌を用いた実験を行った。①に関しては、異なるDNA抽出法を試し、抽出法によって定量PCRや次世代シーケンサによる微生物群衆構造解析にバイアスが出ることが無いかを調査した。結果として、高額であり現地で手に入りにくい土壌DNA抽出キットを用いればより多くのDNAを抽出できるものの、群衆構造解析へのバイアスは少ないことがわかった。しかし、このことは定量PCRの結果が抽出法に強く影響を受けることを示唆しており、今後さらにサブサヘルアフリカで精緻な土壌微生物DNA研究を行っていく上で障壁となる。②に関しては、窒素固定微生物のDNA量を、定量PCRを用いて検証するための条件検討を行った。プライマはPo1FとPo1Rを用い、DNAの精製や希釈の条件などを検討した。結果として、AMPureを用いた精製を行うこと、プライマ濃度を高めることなどで、定量PCRによる土壌中窒素固定遺伝子の定量が成功することを明らかにした。また、ポプラ(Populus)、スギナ(Equisetum arvense)、白クローバー(Trifolium repens)などの先駆植物の根圏土壌において、窒素固定遺伝子量に差が見られる可能性があることが示唆された。
    日本学術振興会, 若手研究, 北海道大学, 18K14557
  • 窒素の有機化・無機化をコントロールする微生物学的要因の解明
    科学研究費助成事業
    2016年04月01日 - 2018年03月31日
    内田 義崇
    本研究は地力を評価するために、土壌中の微生物が有機物をすきこんだ際にどう変化するのかを調査した。まず、有機栽培土壌と慣行栽培土壌を比較した。この実験では、稲わらをすきこんですぐに増減する微生物門を遺伝子レベルで明らかにした。さらに、次の実験では一つの土壌を用いたが、異なる有機物をすきこんだ際の微生物の増減について明らかにした。ここでは、同じ有機物でも、すきこむタイミングや量によって増減する微生物が異なることを明らかにした。このことが窒素循環に与える影響についても評価したが、硝酸やアンモニア態窒素といった無機態栄養素の増減に変化がある場合とない場合が観察された。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 16K18663
  • 脱窒土壌細菌でのN2O生成鍵遺伝子水平伝播の検証と化学物質によるN2O発生制御
    科学研究費助成事業
    2014年04月01日 - 2018年03月31日
    橋床 泰之, 内田 義崇, 村井 勇太, 内田 義崇
    N2O放出能の高い熱帯泥炭開墾土壌,北海道黒ボク畑地土壌,ならびに亜北極湿地ミズゴケから亜酸化窒素(N2O)生成細菌を探索・分離し,それらのN2O生成機構の共通性と違いを比較した。熱帯泥炭地のN2O放出細菌Burkholderia属はnosZを欠く一方,黒ボク土壌のPseudomonas属細菌では機能低下nosZ保有株が見出された。亜北極のパルサ泥炭崩壊地では, Rhizobium属細菌とSerratia属細菌の混合体にKNO2から効率的にN2Oを発生する能力があった。
    パラコートやアリルイソチオシアネートに強いN2O放出抑制活性を見出し,新たな活性物質候補として細菌分化誘導因子を見出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 26252058
  • 作物残さ中窒素成分の土壌表面における分解と環境負荷-物理的、生物的、化学的要因
    科学研究費助成事業
    2014年07月18日 - 2017年03月31日
    内田 義崇, 森泉 美穂子, 石井 聡
    窒素成分が多いヘアリーベッチを残さとして用いた実験を行った。土壌は日本を代表する黒ぼく土と灰色低地土を用いた。また、土壌改良剤であるもみがらくん炭の効果も調べた。灰色低地土で黒ぼく土よりも高い窒素由来温室効果ガス「N2O」の排出が見られた。また、もみがらくん炭にヘアリーベッチ由来窒素が吸着されており、ガスになりにくい可能性も示唆された。水域の汚染につながる硝酸量は黒ぼく土で灰色低地土よりも高い蓄積が見られた。灰色低地土ではより高い脱窒反応が起きていた可能性がある。有機態窒素の分子量変化を調べた結果、ヘアリーベッチの分解過程で分子量にばらつきがあることがわかった。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 26520301