齊藤 正彰 (サイトウ マサアキ)
法学研究科 法律実務専攻 公法講座 | 教授 |
Last Updated :2024/12/04
■研究者基本情報
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研究者番号
- 60301868
J-Global ID
■経歴
経歴
学歴
委員歴
- 2020年10月 - 現在
日本学術会議, 連携会員 - 2015年11月 - 現在
国際人権法学会, 理事, 学協会 - 2024年11月 - 2027年10月
国際人権法学会, 学会誌「国際人権」編集主任, 学協会 - 2023年12月 - 2025年12月
北海道本人確認情報保護審議会委員, 自治体 - 2023年04月 - 2025年03月
北広島市情報公開・個人情報保護審査会委員, 自治体 - 2020年10月 - 2024年12月
司法試験予備試験考査委員 - 2019年03月 - 2024年08月
外務省, 専門職員採用試験委員, 政府 - 2018年11月 - 2021年10月
国際人権法学会, 学会誌「国際人権」編集主任, 学協会
■研究活動情報
論文
- 多層的立憲主義と平和主義
齊藤正彰
憲法問題, 35, 34, 45, 2024年05月03日, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌) - 平和主義
齊藤正彰
法学教室, 512, 30, 34, 2023年04月28日, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌) - 国際人権条約の私人間効力
齊藤正彰
法律時報, 94, 4, 28, 33, 2022年04月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌) - 新たな人権救済制度がもたらす人権規範の共通化 -個人通報制度と国内人権機関
齊藤正彰
法律時報, 84, 5, 25-30, 日本評論社, 2012年04月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 国内・国際共通の人権規範の確立に向けて、各種の人権問題に対して国際人権法の適用の可否を、憲法・刑事法などの国内法学者の立場から検討する、特集「憲法と国際人権法 ─共通の人権規範の確立に向けて」の中の1本として、編集委員から依頼されて寄稿したもの。 - 国法体系における国際人権条約の実施 -国際人権法と憲法学のスタンス-
齊藤正彰
国際人権, 22, 16, 21, 信山社, 2011年10月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 学会誌編集委員会からの依頼により執筆したもの。国際人権条約の国内的実施に関する近年の憲法学の議論について、国際法学からの批判を再検討し、議論の展開可能性を探ったもの。 - 国際人権法と最高裁のスタンス
齊藤正彰
法学セミナー, 674, 5-7, 2011年01月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 近時、憲法訴訟(論)を取り巻く環境の変化が著しいことが指摘されるが、その実態はどうかという観点から、憲法訴訟の潮流を探り、憲法訴訟の可能性を示すという特集企画において、国際人権法に対する日本の最高裁判所の向き合い方を、とくに国籍法判決と東京都管理職試験判決を素材にして考察した。 - 国民国家を超える「憲法」は可能か −1990年代以降のヨーロッパ統合の問いかけ− ドイツ連邦共和国
齊藤正彰
比較法研究, 71, 52, 67, 2010年09月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 現在のEUは、国の枠を超えて市民に経済的自由を保障するだけでなく、国の枠を超えて市民の古典的な基本的自由を直接に制約する権力体としても立ち現れる段階に至っており、この権力体の法的規律は、もはや各国憲法と国際法の論理だけでは実効的に行えないことが指摘される。EU法と構成国法が次第に融合して全体として1つの憲法秩序を形成する方向と、あくまでもそれに抵抗しようとする国内法(とりわけ憲法)の動きを追うという、比較法学会の学術総会において、ドイツ連邦共和国について報告した内容をまとめたもの。 - 危険の国際化と政府の取り組み
齊藤正彰
公法研究, 69, 92, 102, 有斐閣, 2007年10月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 「国際的な危険」の中でも、国家を跨いで危険が発生・存在する状況であって、そのため各国が国内で属地的に法を適用するのでは十分に対応できないことから、国際的な取り組みが要請される、「国際化した危険」への国際社会の取り組みに注目する。「国際化した危険」に対する国際的規律である「国際法による刑事統制」においては、多数国間条約の国内的実施が主要な方途となることから、このような多数国間条約体制については、可能なかぎり多数の国家が参加し、国内法の平準化ないし斉一化を図ることが重要とされる。そのような国際的規律への参加に際しての政府の対応には憲法上いかなる問題がありうるのか検討した。
(掲載部分)p92-p102 - 国際刑事裁判所と日本国憲法
齊藤正彰
ジュリスト, 1343, 73, 79, 有斐閣, 2007年10月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 国際刑事裁判所(ICC)は、「国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪」を犯した「個人」を直接的に裁くしくみであり、日本国の領域内で行われた犯罪についても、理論上はICCが終審となる可能性がある。(1)そのことが、憲法との衝突をもたらすか。(2) ICCは、「超国家性」をもって主権の移譲を求めるものか。(3) ICCが管轄権を有する国際犯罪(対象犯罪)には、日本の刑法においては犯罪として規定されていないものも含まれているが、このようなICCの管轄権を認めることは、日本国憲法との関係でどのように位置づけることができるか、等について考察した。
(掲載部分)p73-p79 - 国内裁判所による国際人権法の実現とその限界-憲法学の視点から-
齊藤正彰
国際人権, 13, 14, 19, 2002年10月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 本稿は、前年の学会報告の要旨を学会誌に寄稿したものである。日本の国内裁判所における国際人権条約の実施に係る諸問題について憲法学の観点から考察し、従来の通説的見解が「法律に対する条約の優位」を説得的に論証してこなかったことに注意を喚起するとともに、日本国憲法が定める違憲審査制において「条約の誠実な遵守」を実現する方法を検討し、通説である憲法優位説の内容を充填するという意味での再検討の方向性を示した。 - 国法体系における憲法と条約 -EC法とドイツ基本法の関係を手がかりとして (5・完)
齊藤正彰
北大法学論集, 51, 5, 179, 212, 北海道大学大学院法学研究科, 2001年01月17日
日本語 - 国法体系における憲法と条約 -EC法とドイツ基本法の関係を手がかりとして (4)
齊藤正彰
北大法学論集, 51, 4, 123, 173, 2000年11月10日
日本語 - 国法体系における憲法と条約 -EC法とドイツ基本法の関係を手がかりとして (3)
齊藤正彰
北大法学論集, 51, 3, 109, 157, 2000年09月28日
日本語 - 国際人権訴訟における国内裁判所の役割-憲法学の観点から-
齊藤正彰
国際人権, 11, 34, 37, 2000年07月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌), 本稿は、前年の学会報告の要旨を学会誌に寄稿したものである。国際人権規約(B規約)によって設置された規約人権委員会の意見・見解の国内裁判所における法的意義について検討し、人権保護の普遍的な基準の具体的内容を解明する役割を担うものとして条約機関が設置されている場合には、条約機関の示す解釈が第一次的に「誠実に遵守することを必要とする」(憲法98条)ところの条約の内容と考えられることを示した。
その他活動・業績
- 憲法(はじめに)
齊藤正彰, 判例回顧と展望2023(法律時報臨時増刊), 96, 7, 3, 4, 2024年06月06日, [招待有り]
日本語 - 【書評】山元一『国境を越える憲法理論―〈法のグローバル化〉と立憲主義の変容』(日本評論社,2023年)
齊藤正彰, 憲法研究, 13, 169, 180, 2023年12月27日, [招待有り]
日本語 - 憲法(はじめに)
齊藤正彰, 判例回顧と展望2022(法律時報臨時増刊), 95, 7, 3, 4, 2023年05月, [招待有り]
日本語 - 憲法(はじめに)
齊藤正彰, 判例回顧と展望2021(法律時報臨時増刊), 94, 7, 3, 4, 2022年05月, [招待有り]
日本語 - インタビュー 人権論の体系と課題 : フランス社会権から先住民族の権利まで
中村睦男, 齊藤正彰, 憲法研究, 6, 11, 37, 2020年05月30日, [招待有り]
日本語 - 常本照樹教授の経歴と業績
齊藤正彰, 北大法学論集, 70, 6, 267, 292, 2020年03月31日
日本語, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要) - 【書評】山田哲史『グローバル化と憲法 -超国家的法秩序との緊張と調整』(弘文堂、2017年)
齊藤正彰, 国際人権, 29, 112, 113, 2018年11月10日, [招待有り]
日本語, 書評論文,書評,文献紹介等 - 【判例評釈】111 海外渡航の自由と旅券発給の拒否 -帆足計事件
齊藤正彰, 別冊ジュリスト(憲法判例百選I〔第6版〕), 217, 234, 235, 2013年11月, [招待有り]
日本語 - 【書評】近畿弁護士会連合会人権擁護委員会国際人権部会=大阪弁護士会選択議定書批准推進協議会編『国際人権条約と個人通報制度』(日本評論社、2012年)
齊藤正彰, 国際人権, 24, 147, 148, 2013年10月30日, [招待有り]
日本語, 書評論文,書評,文献紹介等 - 法情報検索の実践的学修
齊藤正彰, ロースクール研究, 8, 104, 112, 2007年12月10日, [招待有り]
日本語, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) - 【判例評釈】亡命者・政治難民の保護 -尹秀吉事件
齊藤 正彰, 別冊ジュリスト(憲法判例百選I〔第5版〕), 186, 22, 23, 2007年02月, [招待有り]
日本語 - 【判例評釈】戦争犠牲・戦争損害と日本国憲法 -アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件
齊藤 正彰, 法学教室(別冊付録・判例セレクト2005), 306, 7, 2006年02月20日, [招待有り]
日本語 - 【判例評釈】ポツダム宣言受諾と国内法の効力 -横浜事件第3次再審請求事件
齊藤 正彰, ジュリスト(平成15年度重要判例解説), 1269, 6, 7, 2004年06月, [招待有り]
日本語 - 【書評】江島晶子『人権保障の新局面──ヨーロッパ人権条約とイギリス憲法の共生』(日本評論社、二〇〇二年)
齊藤 正彰, 憲法理論研究会編『憲法と自治〈憲法理論叢書 11〉』敬文堂, 253, 256, 2003年10月, [招待有り]
日本語, 書評論文,書評,文献紹介等 - 法律情報検索における検索スキル
齊藤 正彰, 法律時報, 75, 3, 25, 29, 2003年03月, [招待有り]
日本語, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) - 法情報の存在形態とその利用 -実践法情報学の戦略と戦術
齊藤 正彰, 北大法学論集, 51, 6, 350, 320, 2001年03月30日
北海道大学大学院法学研究科, 日本語, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要) - コンピュータ法学最前線(7) コンピュータは参考文献を教えてくれるか?
齊藤 正彰, 法学教室, 241, 183, 182, 2000年10月, [招待有り]
有斐閣, 日本語, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) - 国際人権訴訟と違憲審査
齊藤 正彰, 北大法学論集, 47, 5, 293, 322, 1997年02月10日
日本語, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) - 【翻訳】ドミニク・ブレイヤ「欧州連合とフランス憲法」
齊藤 正彰, 北大法学論集, 46, 5, 275, 305, 1996年01月31日
日本語 - 国法体系における条約の適用 -ヨーロッパ人権条約の国内適用を素材として (2・完)
齊藤 正彰, 北大法学論集, 46, 4, 245, 295, 1995年11月29日
北海道大学法学部, 日本語, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要) - 国法体系における条約の適用 -ヨーロッパ人権条約の国内適用を素材として (1)
齊藤 正彰, 北大法学論集, 46, 3, 201, 251, 1995年09月29日
日本語, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
書籍等出版物
- 力点憲法
齊藤正彰
信山社, 2024年03月30日, 9784797223736, [単著] - 教材憲法判例(第5版追補版)
中村 睦男, 常本 照樹, 岩本 一郎, 齊藤 正彰
北海道大学出版会, 2024年03月18日, 9784832929111, [共編者(共編著者)] - 国際人権法の理論 (国際人権法学会創立30周年記念・新国際人権法講座第2巻)
小畑郁, 山元一, 齊藤正彰「日本の憲法秩序と国際人権条約」(207-227頁)
信山社, 2023年12月28日, 9784797228625 - 統治機構と対抗権力 : 代表・統制と憲法秩序をめぐる比較憲法的考察
只野 雅人, 佐々木 雅寿, 木下 和朗, 齊藤正彰「条約過程の憲法問題 -条約締結をめぐる対抗あるいは協働」(69-89頁)
日本評論社, 2023年03月07日, 9784535526174, x, 386p, 日本語 - Law Practice 憲法(第3版)
笹田 栄司, 常本 照樹, 赤坂 正浩, 鈴木 秀美, 大石 和彦, 齊藤 正彰, 山崎 友也
商事法務, 2022年10月15日, 9784785729905 - 多層的立憲主義と日本国憲法
齊藤 正彰
信山社, 2022年03月23日, 9784797230406, [単著] - はじめての憲法学(第4版)
中村 睦男, 佐々木 雅寿, 寺島 壽一, 岩本 一郎, 大島 佳代子, 木下 和朗, 齊藤 正彰
三省堂, 2021年10月, 9784385321936, xx, 294p, 日本語 - 世界の人権保障
中村 睦男, 佐々木 雅寿, 寺島 壽一, 岩本 一郎, 木下 和朗, 大島 佳代子, 鈴木 賢, 李 仁淼, 岡 克彦, 齊藤 正彰
三省堂, 2017年08月23日, 4385321493, 260, 日本語 - 憲法の基底と憲法論 : 思想・制度・運用 : 高見勝利先生古稀記念
岡田 信弘, 笹田 栄司, 長谷部 恭男, 齊藤正彰「出入国管理と最高裁のスタンス -マクリーン判決への再見当」(839-859頁)
信山社, 2015年05月11日, 9784797255782, xxix, 1176p, 日本語 - はじめての憲法学(第3版)
中村 睦男, 岩本 一郎, 大島 佳代子, 木下 和朗, 齊藤 正彰, 佐々木 雅寿, 寺島 壽一
三省堂, 2015年03月20日, 438532185X, 274, 日本語 - ヨーロッパ「憲法」の形成と各国憲法の変化
小畑 郁, 菅原 真, 江原 勝行, 齊藤 正彰, 小森田 秋夫, 林 知更, 中村 民雄, 山元 一
信山社, 2012年04月30日, 4797255897, 251, 日本語 - はじめての憲法学(第2版)
中村 睦男, 岩本 一郎, 大島 佳代子, 木下 和朗, 齊藤 正彰, 佐々木 雅寿, 寺島 壽一
三省堂, 2010年09月14日, 4385321876, 272, 日本語 - 法情報サービスと図書館の役割
指宿 信, 第7章 リサーチ・ツール:法情報データベースの現状と課題(151-167頁)
勉誠出版, 2009年03月, 9784585052081, vi, 223p, 日本語, [分担執筆] - 教材憲法判例(第4版増補版)
中村 睦男, 千葉 卓, 秋山 義昭, 常本 照樹, 齊藤 正彰
北海道大学出版会, 2008年04月, 9784832925168, 日本語, 学術書, 判決文を可能なかぎり原文のまま収録し、学生自身が判例の展開する法理論や解釈を学ぶことができるように企画した「教材判例シリーズ」の憲法篇であり、第4版刊行後の重要判例を増補した。増補部分の追加判例についての解説も担当した。〔492p〕
(担当部分)共同研究につき本人担当部分抽出不可能
(編著者) 中村睦男、秋山義昭、千葉卓、常本照樹、齊藤正彰, [共著] - 岩波講座憲法5 グローバル化と憲法
田中 孝彦, 石田 淳, 清水 奈名子, 篠田 英朗, 中村 民雄, 木下 智史, 齊藤 正彰, 江島 晶子, 山元 一, 阪口 正二郎
岩波書店, 2007年09月27日, 4000107399, 246, 日本語 - 国際人権法と憲法(講座国際人権法1)
芹田 健太郎, 棟居 快行, 薬師寺 公夫, 坂元 茂樹, 編集代表, 著作者, 芹田 健太郎, 棟居 快行, 薬師寺 公夫, 坂元 茂樹, 齊藤 正彰, 他多数のため列記省略
信山社, 2007年07月01日, 4797216816, 436, 日本語 - インターネット法情報ガイド
指宿 信, 米丸 恒治, 第2部 インターネット上の法情報源/1節 日本
日本評論社, 2004年10月, 4535514003, vii, 342p, 日本語, [分担執筆] - 欧州統合とフランス憲法の変容
中村 睦男, 辻村 みよ子, 高橋 和之, 只野 雅人, 今関 源成, 大津 浩, 矢口 俊昭, 齊藤 正彰, 大藤 紀子, 糠塚 康江, 岡田 信弘, 山元 一, 光信 一宏, 植野 妙実子, 清田 雄治, 藤野 美都子
有斐閣, 2003年03月, 4641129207, 370, 日本語 - 教材憲法判例(第4版)
中村 睦男, 千葉 卓, 秋山 義昭, 常本 照樹, 齊藤 正彰
2000年04月, 4832925156, 492, 判決文を可能なかぎり原文のまま収録し、学生自身が判例の展開する法理論や解釈を学ぶことができるように企画した「教材判例シリーズ」の憲法篇であり、第3版刊行後の重要判例を追加した。, [共編者(共編著者)] - Q&Aインターネットの法務と税務
夏井高人ほか, インターネットによる法令情報の入手方法は(日本の場合)、インターネットによる条約の情報の入手方法は(日本の場合)、インターネットによる判決情報・司法情報の入手方法は(日本の場合)
新日本法規, 加除式, 101-104ノ3頁、104ノ4-107頁、110ノ2-110ノ7頁, 日本語, 追録5号(2004.2)、7号(2005.1)、11=12号(2006.10)、16=17号(2008.3)、21=22号(2009.3)、23=24号(2009.9)、34=35号(2012.9)、38=39号(2013.9)、42=43号(2014.10)、48=49号(2016.4)、58号(2018.10), [分担執筆]
講演・口頭発表等
- 【学会発表】空間軸から見た「国民」および「住民」
齊藤正彰
日本公法学会・第88回総会, 2024年10月12日, 日本語, 口頭発表(基調)
[招待講演] - 【学会発表】多層的立憲主義と平和主義
齊藤正彰
全国憲法研究会・2023 年度春季研究集会, 2023年05月13日, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
[招待講演] - 【書評会】「山元一『国境を超える憲法理論』(日本評論社、2023年2月)」を読む
書評者:齊藤正彰・山崎友也、応答者:山元一
2022 年度第6回北陸公法判例研究会, 2023年03月29日, 日本語, 口頭発表(招待・特別)
[招待講演] - 【シンポジウム】『リーガル・リサーチ』刊行15周年記念シンポジウム・第2部:トークの部「著者3人『リーガル・リサーチ』を語る」
いしかわまりこ, 藤井康子, 村井のり子, 指宿信, 齊藤正彰
2018年12月17日, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
成城大学, [国内会議] - 【研究報告】国際化の中の立憲主義と憲法学のスタンス
齊藤正彰
憲法理論研究会12 月月例研究会, 2016年12月17日, 日本語, 口頭発表(一般)
立正大学品川キャンパス, [招待講演], [国内会議] - 【シンポジウム】グローバル化の中でマクリーン判決を問い直す〜憲法、行政法、国際法の交錯点から〜
齊藤正彰, 深澤龍一郎, 小畑郁
外国人ローヤリングネットワーク・5周年記念シンポジウム, 2014年05月16日, 日本語
[招待講演] - 【シンポジウム】ライブラリアン、発信!
齊藤正彰, いしかわまりこ, 堀江雅子, 中村有利子, 福井千衣
情報ネットワーク法学会第10回研究大会, 2010年12月11日, 日本語, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
[国内会議] - 【学会発表】国民国家を超える『憲法』は可能か -1990年代以降のヨーロッパ統合の問いかけ:ドイツ
齊藤正彰
比較法学会第72回総会・全体シンポジウム, 2009年06月07日, 日本語
神奈川大学, [招待講演], [国内会議] - 【学会発表】危険の国際化と政府の取り組み
齊藤正彰
日本公法学会第71回総会・第1部会, 2006年10月09日, 日本語, 口頭発表(一般)
明治大学, 本報告は、共通テーマ「現代における安全と自由」の下で、国家を跨いで危険が発生・存在する状況であって、そのため各国が国内で属地的に法を適用するのでは十分に対応できないことから、国際的な取り組みが要請される、「国際化した危険」への国際社会の取り組みに注目し、国際的規律への参加に際しての政府の対応には憲法上いかなる問題がありうるのか、憲法学の従来の議論との関係についても検討した。, [招待講演], [国内会議] - 【パネルセッション】法情報検索教育の現状と課題
指宿信, 藤勝周次, 藤井康子, 齊藤正彰
情報ネットワーク法学会第4回研究大会, 2004年11月06日, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
慶應義塾大学, [国内会議] - 【学会発表】法情報検索教育の現状と課題
齊藤正彰
情報ネットワーク法学会第4回研究大会, 2004年11月06日, 口頭発表(一般)
情報ネットワーク法学会第4回研究大会(2004年11月6日/於:慶應義塾大学)でのパネルディスカッション「法情報検索教育の現状と課題」(共同司会:指宿信(立命館大学)、藤勝周次(中央大学)、パネル:藤井康子(ロー・ライブラリアン、大宮法科大学院)、齊藤)において、パネリストとして、①我が国における法情報検索(リーガル・リサーチ)教育のこれまで、②現状での課題 教育者の見地から、③改善のための基盤や動機づけ、について報告し、質疑に応じた。, [招待講演], [国内会議] - 【意見陳述】憲法と国際法(特に、人権の国際的保障)
齊藤正彰
衆議院憲法調査会・第4回最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会・参考人, 2004年04月22日, 日本語
衆議院, [招待講演], [国内会議] - 【学会発表】国内裁判所による国際人権法の実現とその限界
齊藤正彰
国際人権法学会第13回大会, 2001年11月17日, 口頭発表(一般)
上智大学, 本報告は、日本の国内裁判所による国際人権条約の実施の問題について、憲法学の観点から考察するものである。従来の通説的見解が「法律に対する条約の優位」を説得的に論証してこなかったことに注意を喚起するとともに、日本国憲法が定める違憲審査制のシステムの中で「条約の誠実な遵守」を実現する方法の意義を提示することによって、通説たる憲法優位説の内容を充填するという意味での再検討の方向性を示した。, [招待講演], [国内会議] - 【学会発表】国際人権訴訟における国内裁判所の役割
齊藤正彰
国際人権法学会第11回大会, 1999年11月27日, 口頭発表(一般)
青山学院大学, 本報告は、共通テーマ「国際人権条約の解釈 - 条約機関の意見・見解の法的意義」の下で、国際人権規約(B規約)によって設置された規約人権委員会の意見・見解の国内裁判所における法的意義について検討したものである。人権保護の普遍的な基準の具体的内容を解明する役割を担うものとして条約機関が設置されている場合には、条約機関の示す解釈が第一次的に日本国憲法98条が遵守を求められる条約の内容と考えられることを示した。, [招待講演], [国内会議]
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 越境的・公共的な私的主体・国際機関の活動に関わる政府活動の統制と多層的立憲主義
科学研究費助成事業
2023年04月 - 2026年03月
齊藤 正彰
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 23K01091 - 多様な国際規律の私人への直接適用に対応する国内適用論の憲法的把握
科学研究費助成事業
2020年04月 - 2023年03月
齊藤 正彰
本研究は、国際協力のために深化した国際規律について、日本の国法体系が有する固有の受け入れ構造を検討し、現実の国際社会の法秩序の多元化・断片化に対応しうるような、個別事例の解決のための具体的構成を把握する包括的な憲法理論の形成を行うものである。
今年度は、多様な国際規律について、それが国法体系において国内の私人に適用される形態を整理した。条約の規律対象は拡大しているが、とりわけ国際人権条約については、憲法の規定を補完するものとして公権力の行使を制限または促進する規定のほかにも、法律の規定と同様に私人相互間に直接適用することが予定されているもの、国内立法を促すもの(それ自体としては直接適用が想定されていないもの)など、種々の規定があることを明らかにし、その中でも、法律に匹敵する内容・性質を有する国際規律の私人間における国内的実施について、欧州人権条約の積極的義務論も参看しながら、日本国憲法の具体的解釈との接続可能性を解明した。この内容については、論文にまとめて所属機関の紀要に公表し、さらにその後の議論を取り込みつつ、研究書として公刊した。
さらに、国際協力のための国際規律を考える際には、対照的に、憲法が国際規律や国際協力における立憲主義の不足に対する補償回路となる場面も考えられることから、国家の対外活動の統制について検討し、とりわけ、武力行使に関する国際規律と戦争放棄・戦力不保持を謳う憲法規定とが結び合って規律が多層化する可能性について考察した論文を、同じく紀要に公表した。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 20K01287 - 憲法多元主義・国際立憲主義と接続した多層的立憲主義に基づく憲法的統制の展開
科学研究費助成事業
2017年04月 - 2020年03月
齊藤 正彰
憲法多元主義・国際立憲主義・多層的立憲主義の枠組みにおける考察によって、多層的構成が国法体系における憲法的統制の不足を補完する、ということが示された。国内立法者は国際協力における人権保障に適合するように国内法を整備することを求められている。他方で、国内裁判所は、国際規律を顧慮しながら国法体系について検討しなければならない。そして、このような多層的立憲主義は、政府の対外活動に対する憲法的統制の可能性にもまた、影響を及ぼすと考えられる。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 17K03340 - 「憲法の国際化」と「国際法の憲法化」の交錯下での新たな人権保障システム理論の構築
科学研究費助成事業
2015年04月 - 2018年03月
江島 晶子, 戸波 江二, 建石 真公子, 北村 泰三, 小畑 郁, 本 秀紀, 薬師寺 公夫, 阿部 浩己, 村上 正直, 齊藤 正彰, 鈴木 秀美, 大藤 紀子, 戸田 五郎, 門田 孝, 申 惠ボン, 山元 一, 中井 伊都子, 馬場 里美, 西方 聡哉, 須網 隆夫, 愛敬 浩二, 徳川 信治, 前田 直子, 河合 正雄, 菅原 真, 辻村 みよ子, 根岸 陽太, 村上 玲
本研究は、グローバル化する世界における法のありようとして、「憲法の国際化」と「国際法の憲法化」という現象における両者の接合面に注目し、人権実施における問題点を明らかにしながら、より実効的な人権保障システムに関する理論構築を目指した。その結果、「憲法の国際化」と「国際法の憲法化」の接合面において比較憲法と国際人権法の積極的接合関係を観察することができ、人権保障の実効性を高める新たな人権保障システムを構築することは可能であり、そこでのキー概念は多元性、循環性、非階層性であることが析出できた。
日本学術振興会, 基盤研究(A), 明治大学, 15H01916 - 多層的立憲主義と国際規律─階層性と対話性の整合
科学研究費助成事業
2014年04月 - 2018年03月
齊藤 正彰
多層的立憲主義の枠組みにおける考察によって、国際規律や国際機構が国法体系における憲法的保障の不足を補完しつつ、他方では、国内憲法が国際規律や国際協力における人権保障の不足について補完する、ということが示された。このような国際社会における多元的法構造は、単一の階層的構造における国際法秩序と国法秩序の伝統的関係とは異なり、国際規律と国法体系の対話を伴う「交叉ないし連結」という形態において進展していると解される。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 26380044 - 人権条約実施状況の分析を通じた欧州地域秩序の「憲法化」構造の把握
科学研究費助成事業
2012年10月 - 2015年03月
小畑 郁, 戸波 江二, 本 秀紀, 建石 真公子, 北村 泰三, 江島 晶子, 薬師寺 公夫, 阿部 浩己, 村上 正直, 齋藤 正彰, 鈴木 秀美, 大藤 紀子, 戸田 五郎, 門田 孝, 申 惠ボン, 山元 一, 中井 伊都子, 馬場 里美, 西片 聡哉, 須網 隆夫, 愛敬 浩二, 徳川 信治, 前田 直子, 河合 正雄, 菅原 真
欧州では、人権条約制度、EUおよび各国は、価値の共有意識を基盤として、制度的にも緊密な関係を保ち、一種の「憲法秩序」としてのまとまりをもっている。しかし、この憲法秩序においては、人権条約制度ないしEU制度が階層的秩序の頂点に立つというような、近代国内憲法(学)が想定するようなヒエラルキー構造は存在しない。
内部的な各国との緊張関係のゆえに、人権裁判所も介入を可能な限り価値中立的に行おうとする。比例原則の一般化はそれを示す代表例である。しかし他方、外部との関係では、人権の原則的な保障を確保しようというモーメントが強く働く。ノン・ルフールマン原則の解釈適用でもその傾向が現れている。
日本学術振興会, 基盤研究(A), 名古屋大学, 24243007 - 二院制の比較立法過程論的研究
科学研究費助成事業
2009年04月 - 2014年03月
岡田 信弘, 高見 勝利, 浅野 善治, 只野 雅人, 笹田 栄司, 常本 照樹, 佐々木 雅寿, 加藤 一彦, 稲 正樹, 木下 和朗, 新井 誠, 齊藤 正彰
衆議院と参議院の多数派が異なる、いわゆる「ねじれ国会」が出現した結果、日本の国会における立法活動は混迷状態に陥った。本共同研究は、この混迷状態の制度的・政治的要因を探りつつ、そうした状態を解消・克服するための方策を従来の二院制に関する憲法学的研究とは異なった視角からの分析を通して明らかにすることを試みた。具体的には、従来の類型論的・解釈論的研究に加えて、統治構造論を視野に入れた実証的な比較立法過程論的研究を実施した。
日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 21243003 - 国際規律の形成・受容・確保に関わる統治構造理解の前提の変容と憲法的統制の再構築
科学研究費助成事業
2011年 - 2013年
齊藤 正彰
本研究の枠組みにおける分析によって、国際協力の領域における国際規律の発展は、動態的な視点からみると、多層的立憲主義という形で解されることが明らかになった。多層的構成は、国際規律と国法体系の伝統的関係とは異なり、国際規律の形成・受容・確保の各段階で、国法秩序の調和化のための柔軟な解決を提供すると解される。そして、多層的立憲主義は、政府の外交活動に対する憲法的統制の理論にも一定の影響を与えるであろう。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北星学園大学, 23530034 - 国際規律と憲法-人権・環境・安全をめぐる国際協力と憲法的対応の総合的研究-
科学研究費助成事業
2008年 - 2010年
齊藤 正彰
人権・環境・安全をめぐる国際協力の領域における国際規律は、国法体系と共存しており、国内機関が国際規律を適用・執行する。他方で、国際規律は、国法秩序の調和化を求める。今日、国法体系と国際規律の「交叉ないし連結」が生じている。国際規律と国法体系の関係は、多層的立憲主義の進展を求めているようにみえる。国法秩序と国際規律の関わり合いが深まる中で、両法秩序の衝突に関する個別の論点については、国内裁判所の判例は、概ね国際規律に親和的である。
日本学術振興会, 若手研究(B), 北星学園大学, 20730025 - ヨーロッパ地域における人権(基本権)規範のハーモナイゼーションとその限界
科学研究費助成事業
2008年 - 2010年
小畑 郁, 戸波 江二, 北村 泰三, 建石 真公子, 江島 晶子, 本 秀紀, 薬師寺 公夫, 阿部 浩己, 村上 正直, 齊藤 正彰, 鈴木 秀美, 大藤 紀子, 戸田 五郎, 門田 孝, 申 恵〓, 山元 一, 小泉 洋一, 中井 伊都子, 馬場 里美, 西片 聡哉, 須網 隆夫, 徳川 信治, 前田 直子, 今井 直, 井上 知子
ヨーロッパにおける人権規範のハーモナイゼーションは、ヨーロッパ・レヴェルおよび各国レヴェルの関係規範・判断審級の重層的構造を保持しながら進展している。一方で、前者が各国の単純な上級審となって一元化することもなく、他方で、各「層」が完全に自律的に活動するのでもない構造が維持されている。このような重層的構造は、グローバル化とそれにともなう多文化社会化に柔軟に対処できるという機能を有しており、それを維持するために、EUの人権条約加入や人権裁判所の判決実施をめぐってさまざまな具体的試みが展開している。
日本学術振興会, 基盤研究(A), 名古屋大学, 20243005 - ユビキタス環境におけるシステムの信頼とプライバシー保護-法学・工学的アプローチ
科学研究費助成事業
2006年 - 2009年
林田 清明, 太田 勝造, 松村 良之, 赤間 清, 新田 克己, 長谷川 晃, 齋藤 正彰
ユビキタス・システム環境自体は見えないように設計されているため、ユーザーは、自分の情報がどのように収集されているか知りにくく、結果としてシステムに対する不信感を招来する。個人情報の収集とその利用について、ユーザーの同意と許可を得ることが情報技術的また法的に必要である。これによりシステムに対する信頼が生まれると期待できる。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 18330019 - 変革期における新たな立法動向と多元的立法過程に関する比較的・総合的研究
科学研究費助成事業
2005年 - 2008年
岡田 信弘, 常本 照樹, 笹田 栄司, 佐々木 雅寿, 宮脇 淳, 棟居 快行, 浅野 善治, 武蔵 勝宏, 小野 善康, 稲 正樹, 木下 和朗, 齊藤 正彰, 新井 誠, 高見 勝利, 深瀬 忠一
近時、わが国の法体系や立法過程の在り方に「地殻変動」が起きているとの指摘があるが、こうした現象は日本に特有のものとは考えられない。グローバル化の圧力の下で、多くの国が政治・経済・社会のあらゆる分野での改革を余儀なくされているからである。本共同研究は、このような状況認識の下に、変革期における立法動向と立法過程を国際的な視角から実証的かつ総合的に分析することを通して、日本の新世紀における立法や立法過程のあるべき方向性を追究したものである。
日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 17203004 - 国内裁判所における国際人権条約の実施と憲法解釈の関係の総合的研究
科学研究費助成事業
2006年 - 2007年
齊藤 正彰
本研究は、国際人権条約の国内的実施の具体的な状況を逐条的かつ総合的に明らかにするものである。とりわけ、関連する日本国憲法の規定の解釈との関係で、国内裁判所がどのような条約解釈を展開しているかについて、検討することを目的とする。
本年度は、中心的な対象として欧州人権条約に関して検討するという当初の研究計画に基づき研究を進め、憲法・国際人権法一般についてのほか、欧州人権条約についての資料・文献文献を収集・検討した。あわせて、国際人権法の国内的実施が要請される重要な領域である在留外国人の人権に関して、その基礎に関する検討を行った(阪口正二郎編『岩波講座憲法5グローバル化と憲法』177-198頁に収録の齊藤正彰「グローバル化と憲法における国籍の意味」)。
さらに、国際法による国際規律の増大する中で、それらの要請の国内的実施と国法体系における対応について、欧州における対応も参照しつつ、論点と見解を整理した。すなわち、国内裁判所による国内的実施の前提として、条約が国法体系内部に入る段階における憲法的統制の可能性(齊藤正彰「危険の国際化と政府の取り組み」)と、国法体系を外部に開く可能性(同「国際刑事裁判所と日本国憲法」)について基礎的研究を行った。
なお、他の用務または研究経費での出張の機会を活用して文献の収集を行ったため、本研究費からの旅費の支出を抑え、その分を図書等の購入に充てることで研究経費の有効活用ができた。
日本学術振興会, 若手研究(B), 北星学園大学, 18730023 - 国際協調主義と罪刑法定主義-条約に対する憲法の優位の実際-
科学研究費助成事業
2004年 - 2005年
齊藤 正彰
本研究は、国際協調主義が罪刑法定主義の要請を緩和するかという問題を扱うものである。国際関係の緊密化に伴い、国際法が規律する事項が著しく増加している。しかし、国内法制の統一ないし調和化を目指して起草される多国間条約等においては、規定の態様や精密さにおいて、国内法との懸隔が指摘されることが少なくない。
本年度は、中心的な対象としてサイバー犯罪条約を検討するという当初の研究計画に基づき、関連する文献を収集し、検討を進めた。サイバー犯罪条約は、その作成過程に着目すると、政府が国際的なスタンダード作成のための恒常的な活動に関与していることが分かる。そうした政府の活動に対する憲法的統制のあり方が重要である。また、サイバー犯罪条約のほか、国際組織犯罪条約や化学兵器禁止条約などにおいても、憲法が要請する罪刑法定主義や令状主義との関係で問題をはらむ規定が存在する。しかし、近時、とりわけ刑事法分野において、国際的な規律の統一的実施が求められる傾向にあり、憲法の国際協調主義の要請との関係でも、条約の履行に疑義が生じるような国内的実施には問題がある。そこで、衝突するように見える憲法の要請の射程を考察し、調整を図ることが求められるであろう。
本研究で検討した内容の主要な部分は、2006年10月の日本公法学会において研究報告として発表する予定である。
なお、調査・検討の進行状況に鑑み、国外での調査を昨年度に実施したこともあり、今年度は外国旅費を支出しなかった。
日本学術振興会, 若手研究(B), 北星学園大学, 16730018 - 変革期の立法過程における立法補佐体制の実証的・総合的研究
科学研究費助成事業
2003年 - 2004年
岡田 信弘, 常本 照樹, 笹田 栄司, 宮脇 淳, 棟居 快行, 小早川 光郎, 林 知更
本共同研究では、複雑高度化した社会における立法過程像を展望しながら、あるべき立法補佐体制のありようを探求することを課題として掲げ、個別の実証研究を踏まえつつ、多様に存在する立法補佐組織相互の関わりを総合的に分析することを試みた。具体的な活動内容と成果は以下の通りである。
1 平成15年度
8月に、ゲスト・スピーカーとして招いた政治学者、実務家及び実務経験者の報告を受けるとともに、研究分担者からのそれらに関連する報告や質疑を行った。前田英昭氏(前駒澤大学教授)、山口二郎氏(北海道大学教授)、浅野善治氏(衆議院調査局、当時)、堀本武功氏(尚美学園大学教授)、宮脇淳氏(北海道大学教授)の報告がそれである(次頁掲載「研究発表」参照)。同じ趣旨のもとに、12月には、春山明哲氏(国会図書館・国会分館長、当時。次頁参照)と矢野督氏(山本一太参議院議員政策秘書「立法(政策決定)過程における政策秘書の役割」)を、翌平成16年3月には、岩島久夫氏(聖学院大学客員教授「有事法制の立法過程をめぐって」)の報告に基づいて議論を行った。
2 平成16年度
前年度と同じように、8月に、ゲスト・スピーカーを招いて研究集会を開催した。谷勝宏氏(同志社大学教授「立法と政党」)、清土恒雄氏(衆議院予算委員会調査室「最近の立法過程と国会の役割」)、岩崎隆二氏(参議院法制局「『立法』の現場から法律学に期待すること」)の報告に基づいて意見交換を行うと同時に、研究分担者から各自が担当している課題に関する中間報告をしてもらった。
3 まとめ
2年間の共同研究を通じて、政治改革・行政改革後の立法過程に関して、変わったことと変わっていないこととが明らかになるとともに、個別の立法補佐組織の内部だけでなく、立法補佐組織相互の関わりにおける不十分さが明確になったように思われる。人材養成と情報の共有における不十分さである。したがって、多様に存在する立法補佐組織相互の有機的な連関をどのようにして構築するかが今後の検討課題となろう。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 15330005 - 国内裁判所による国際約束の統制と実施に関する問題の研究
科学研究費助成事業
2002年 - 2003年
齊藤 正彰
本研究は、我が国における条約と法律の関係を再考し、従来の学説が十分に検討してこなかった「法律に対する条約の優位」の論拠を明らかにすることを中心的目的とするものである。
具体的には、昨年度に引き続き、欧州統合(国内法律に対するEC法の優位)についての構成国による国内憲法的・議会的統制や、国内裁判所による国際人権条約の実施(国内法律に対する条約適合性審査)の問題について、資料・文献の調査・分析に基づく実証的研究を行った。さらに、研究過程において、国法体系における国内法と国際法の関係と療法制定権力論の関わりについて問題の所在に気付き、この点について療法および国際法の研究者と意見交換を行った。
このような調査・考察に基づいて、研究計画第2年度目である本年度は、国内裁判所による法律の条約適合性審査について、比較的早い時期から事例があり、それについての理論的検討がなされているドイツ連邦共和国について検討した。この問題は、本研究が行う検討の後半部分に当たるものである。今年度末の時点では、本研究の成果を総合的に発表した公刊論文等はないが、本研究の成果の一部は、現在執筆中の国際人権法学会記念論文集への掲載論文において公表する予定である。
以上のように、資料・文献の渉猟・整理・分析をいっそう進め、成果の公表として学会の公刊物に成果を公表する準備に努めた。
日本学術振興会, 若手研究(B), 北星学園大学, 14720015 - 統治機構の改革に係る諸法律の立法過程・執行状況と「立法事実」の検証
科学研究費助成事業
2001年 - 2002年
岡田 信弘, 高見 勝利, 小早川 光郎, 林 知更, 常本 照樹, 佐々木 雅寿, 前田 英昭, 岡田 信弘
1 夏季研究集会における諸報告とその成果の公表
(1)2002年8月19日(月)〜21日(水)の日程で、研究分担者と本共同研究への協力を依頼した部外の実務家が北海道大学に参集し、研究会が開催された。部外の実務家からの報告として、橘幸信氏(衆議院憲法調査会事務局)「『実践的立法学』の構築に向けて-法律(案)のつくり方・つくられ方-」と山岡規雄氏(国立国会図書館憲法室)「憲法調査会の活動」とがあった。なお、山岡氏の報告を補完するものとして、橘氏による追加報告(「衆議院憲法調査会の活動」)がなされた。これらの報告をめぐる活発な討論を通して、一方で、「立法過程」の現場体験に基づいた「立法事実」に関する新たな知見が得られるとともに、他方で、現在進行中の「憲法改正」に関わる議会内部の動きを正確に理解することができた。
(2)研究分担者からは、岡田信弘「改正内閣法に対する評価」、常本照樹「アイヌ新法の実施状況」、佐々木雅寿「司法制度改革の推進体制」、小野善康「国旗・国歌法制定後の学牧の状況」、高見勝利「政治腐敗と政治倫理-英米独仏等の国会議員の政治倫理に関する制度」の各報告があり、分担者間で意見交換がなされた。
(3)以上に概観した夏季研究集会の成果の一部は既に公表もしくは近々公表予定であるが、それらを含む研究分担者の研究成果を、本共同研究グループが従来行ってきたように、1冊の著書にまとめるべく作業を進めている。
2 その他の研究会活動
2002年10月29日(火)にジャック・ロベール氏(元フランス憲法院裁判官)、12月20日(金)に孝忠延夫氏(関西大学教授)を招いて、ヨーロッパとアジアにおける最近の立法動向についての報告を受けた。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 13420005 - 国際機関の判断ないし見解の国内裁判所における効力の究明
科学研究費助成事業
2000年 - 2001年
齊藤 正彰
本研究は、欧州司法裁判所(いわゆるEC裁判所)および欧州人権裁判所の判決の国内的効力ないし先例としての影響力に関する分析を手がかりとして、日本国憲法における国際関係の司法化への対応のあり方を明らかすることを試みるものである。
したがって、資料・文献の調査・分析に基づく実証的研究が中心となる。所属機関に所蔵されていない資料・文献も多いので、新規に購入するほか、国立国会図書館・東京大学・北海道大学等に赴いて調査・収集を行った。さらに、国際人権法学会第13回大会において「国内裁判所による国際人権法の実現とその限界」と題して報告を行い、学会員と意見交換を行った(外国旅費については、所属機関の異動による事情の変更により、計画通りには執行できなかった)。
そうした調査等に基づいて、本年度は、昨年に引き続き、条約機関の意見ないし見解が我が国の国法体系において有する意昧について考察を深めた。とりわけ、我が国が国際人権規約第1選択議定書を批准した場合の規約人権委員会の判断が有する先例としての意味をも視野に入れつつ、類似の問題状況についてのドイツ連邦共和国の学説・判例の分析を進めた。その成果の一部は、今年度中に公刊予定の著書(研究代表者の単著)に書き下ろしとして収録した。人権保護の普遍的な基準の具体的内容を解明する役割を担うものとして条約機関が設置されている場合には、条約機関の示す解釈が遵守すべき条約の内容と考えられることとなる。したがって、「日本国が締結した条約……は、これを誠実に遵守することを必要とする」という日本国憲法第98条第2項の憲法的決定の要請によって、規約人権委員会の意見・見解は、国内裁判所においても可能な限り顧慮されなければならないのである。
日本学術振興会, 奨励研究(A), 12720008 - 欧州統合の下でのフランス憲法構造の変容の研究
科学研究費助成事業
1999年 - 2000年
中村 睦男, 大石 眞, 辻村 みよ子, 高橋 和之, 山元 一, 岡田 信弘
本共同研究は、欧州統合の下におかれたフランス現代憲法の総合的研究を、日本や他のヨーロッパ諸国との比較憲法的視野で行うものである。
各参加者は、人・モノ・資本・情報のボーダーレス化の進展によって、従来の国民国家の枠組み、そして、人権保障と民主的な統治機構を目指して構築されてきた近現代の憲法学にもたらされた変容を考察した。具体的には、(1)フェデラシオンと主権という枠組みにおけるEUの内部構造、(2)欧州統合と憲法改正、(3)欧州統合下の意思形成と「国民主権」、(4)憲法54条手続きによる事例を中心としての、EC諸条約と憲法院、(5)EC法の優位と憲法の対応についてのフランス型とドイツ型の比較、(6)フランスの安全保障とEU、(7)フランス自治体憲法学における国際的影響、(8)D.Schnapperの所説におけるNationとCitoyennete、(9)「公的自由」から「基本権」へという、フランス憲法学における人権論の変容、(10)ジョスパン政権下の外国人法制、(11)フランスにおける男女平等、とりわけパリテを正当化する理論、(12)欧州統合の下でのフランスの言語政策、とりわけ『地域・少数言語に関するヨーロッパ憲章』批准問題、(13)多元的ライシテとヨーロッパ人権法の関係、(14)フランスにおけるコミュニケーションの自由の憲法上の位置、(15)フランス憲法における社会権の保障、(16)EUとフランスの社会保障、(17)EUによる規制(公衆衛生政策・営利広告規制)と人権、について考察し、グローバリゼーションの下でのあるべき憲法ないし立憲主義の構造について一定の見通しを得た。
本研究成果報告書に掲載している研究報告の多くは、まだ中間報告の段階にある。研究論文としては、研究会での討論の結果を踏まえ、平成13年9月に完成する。その後、平成14年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)を申請し、1冊の著書として出版する(出版社の内諾を得ている)。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 11420004 - 国法体系における憲法と国際法 ーEUにおける実践を手がかりとしてー
特別研究員奨励費
1995年04月 - 1998年03月
齊藤 正彰
日本学術振興会, 研究代表者, 競争的資金