髙野 伸栄 (タカノ シンエイ)

工学研究院 土木工学部門 先端社会システム教授
産学・地域協働推進機構教授
Last Updated :2025/02/13

■研究者基本情報

学位

  • 博士(工), 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • 地域交通
  • 都市計画
  • 立地適正化計画
  • 冬期路面転倒
  • PPP
  • PFI
  • アセットマネジメント
  • MM
  • 公共調達
  • AHP
  • 効率性
  • 災害
  • プロジェクト評価
  • バス
  • 交通まちづくり
  • リスク管理

研究分野

  • 社会基盤(土木・建築・防災), 土木計画学、交通工学, 都市地域交通計画・建設マネジメント

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2021年04月 - 現在
    北海道大学, 工学研究院土木工学部門, 教授
  • 2019年04月 - 2021年03月
    北海道大学, 公共政策大学院, 教授
  • 2017年04月 - 2019年03月
    北海道大学, 公共政策大学院, 院長
  • 2015年07月 - 2017年03月
    北海道大学, 公共政策大学院, 教授
  • 2011年04月 - 2015年06月
    北海道大学, 公共政策大学院, 准教授
  • 1999年10月 - 2011年03月
    北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授
  • 2003年05月 - 2003年10月
    フィリピン大学, 交通研究センター, 客員教授, フィリピン共和国
  • 1989年10月 - 1999年09月
    北海道大学工学部, 助手
  • 1983年04月 - 1989年10月
    建設省

学内役職歴

  • 教育研究評議会評議員, 2017年4月1日 - 2019年3月31日
  • 大学院公共政策学教育部長, 2017年4月1日 - 2019年3月31日
  • 大学院公共政策学連携研究部長, 2017年4月1日 - 2019年3月31日

■研究活動情報

受賞

  • 2014年08月, 土木学会建設マネジメント委員会, 論文賞               
    除雪単価逓減則の市町村道への適用可能性と豪雪時の財源確保に関する研究
    中前 茂之;高野 伸栄
  • 2010年08月, 土木学会建設マネジメント委員会, グッドプラクティス賞               
    建設産業の市民化プロジェクト
    北海道土木技術会建設マネジメント研究委員会
  • 2010年08月, 土木学会建設マネジメント委員会, 論文賞               
    公共工事入札における住民参加の可能性に関する研究
    倉内公嘉;鵜束俊哉;高野伸栄;北村明政

論文

  • 学習指導要領改訂を踏まえた MM 教育の実践 -札幌市の取組事例より-
    大井 元揮, 原 文宏, 新保 元康, 佐伯 裕徳, 高野 伸栄
    土木学会論文集D3(土木計画学), 78, 6, II_130, II_141, 公益社団法人 土木学会, 2022年
    日本語, モビリティ・マネジメント教育として,身近な「交通」を教材とすることは,学校教育の目標である国家・社会の形成者,すなわち市民・国民として行動する上で必要とされる資質(公民的資質)を養うのに有用な対象であると考えられている.しかしながら,単純に「交通」を教材とすることで,学校教育現場で,自然と広がっていくものではなく,適切にMM教育を普及・拡大するためには,戦略が必要であり,その戦略の第1歩が文部科学省が定める学習指導要領に沿った学習内容とすることにあると考えられる.本研究では,平成23年より10年間に渡り継続的に実施,さらに,平成29年3月に改訂された学習指導要領にも対応したMM教育を実践し,高評価を得ている札幌市のプロジェクトを考察することでMM教育の普及・拡大に係る戦略を明らかにした.
  • 湾口部が狭隘な湾における津波来襲時の漁船避難に関する考察
    阿部 幸樹, 高野 伸栄, 加藤 広之, 岩瀬 浩之, 宍戸 雄太, 髙師 拓也, 山田 彬央
    土木学会論文集B3(海洋開発), 76, 2, I_1097, I_1102, 公益社団法人 土木学会, 2020年
    日本語, 湾口部が狭隘な岩手県の山田湾を事例として東日本大震災の際に漁船を海上に避難させた漁業者への調査等によって漁船避難の実態を解明するとともに,東日本大震災時の津波シミュレーション等により湾内外の津波流速分布を算定し,東日本大震災時に海上避難した漁船等の最大速度を比較して漂流・転覆等の可能性を検証した.その結果,湾口部において漁船最大速度と同等又はそれを上回る津波流速が発生することが明らかとなったことから湾口部が狭隘な湾においては,一律に水深の深い湾外へ漁船を避難させず,津波シミュレーションにより湾口部付近の最大津波流速と漁船航行速度を確認したうえで湾口部が安全に漁船航行可能か否かを検証すること,湾内の海上で逃げ遅れた漁船等に対し湾内の比較的安全な海域を漁業者へ周知することの必要性等が解明された.
  • 平成28年8月北海道豪雨災害時に地元建設産業が果たした役割と今後の課題
    島多 昭典, 矢部 育夫, 倉内 公嘉, 高野 伸栄
    土木学会論文集F4(建設マネジメント), 76, 2, I_122, I_131, 公益社団法人 土木学会, 2020年
    日本語, 平成28年8月北海道豪雨災害においては,地域に精通した地元の建設会社や建設コンサルタント等の技術者,作業員が非常時の特別な体制で被災状況の把握や応急復旧を進めた.さらに翌年度にかけて日勝峠などの復旧に向けた対応を厳しい条件下で継続した.この間,長時間勤務の継続に加え,災害対応の経験不足や情報共有不足に苦労した関係者も少なくない.

    本稿は,地域の建設会社に対する応急復旧についての実態調査を行うとともに,産学官から構成されるワーキンググループにおいて実体験等を踏まえた課題の整理と対策の検討を行い,今後の大規模な災害に備え,地元の建設産業が,災害対応時に果たすべき役割やその際の課題を明らかにしたものである.
  • 津波来襲時の漁船の避難海域設定に関する研究
    阿部 幸樹, 高野 伸栄, 加藤 広之, 佐藤 勝弘, 遠藤 次郎, 髙師 拓也, 西岡 真治
    土木学会論文集B3(海洋開発), 75, 2, I_779, I_784, 公益社団法人 土木学会, 2019年
    日本語, 東北地方太平洋沖地震時に岩手県の田老町漁業協同組合と吉浜漁業協同組合において,漁船を沖出しし転覆等の被害が無かった漁業者を対象としたヒアリング調査を実施して実避難海域を明らかにした上で,東北地方太平洋沖地震を対象とした津波シミュレーションを行い,実海域における津波流速分布等と漁船速度の関係を分析した.

    その結果,最大津波流速が船速の1/2.5程度以下となるエリアを避難海域として設定できることが示唆された.また,漁船によって形状や大きさが異なること,津波によって周期・波高等が異なること,対象漁船数が少ないことなどから更に調査対象を広げ,かつ詳細な検討を行っていく必要があるが,最大津波流速が概ね2.0~3.0m/sのエリアを漁船の避難海域として設定することも推察された.
  • スマートフォンを用いた冬期転倒危険度の定量評価手法に関する研究
    齊田 光, 徳永 ロベルト, 高橋 尚人, 渡部 武朗, 高野 伸栄
    土木学会論文集D3(土木計画学), 75, 5, I_999, I_1008, 公益社団法人 土木学会, 2019年
    日本語, 近年の冬期歩行者転倒事故の増加により,冬期歩行空間の転倒危険度を把握することの重要性は増しつつある.一方で,冬期歩行空間の転倒危険度を定量的,リアルタイムかつ広域にわたり簡便に評価する手法は確立されていない.本研究では上記課題を解決するために,スマートフォン搭載加速度センサにより歩行挙動を計測し転倒の危険性を定量的に示す指標(歩行安定度)を求める手法を開発した.また,様々な路面状態下で被験者実験を行い,歩行安定度と路面状態およびスリップ発生状況の関係について検証した.
    検証の結果,歩行安定度は路面状態の悪化およびスリップ発生回数の増加に伴い低下し,この傾向は被験者の年齢や性別などの属性によらず現れたことから本手法による冬期歩行空間の転倒危険度を定量的に評価できる可能性があることが示された.
  • 大船渡地域における東日本大震災津波からの水産物の生産・流通復旧過程の分析
    阿部 幸樹, 高野 伸栄, 後藤 卓治, 髙師 拓也, 西岡 真治
    土木学会論文集B3(海洋開発), 75, 2, I_965, I_970, 公益社団法人 土木学会, 2019年
    日本語, 東日本大震災により東北地方の水産業が壊滅的な被害を受け,国内有数の水産物供給基地である三陸地域の生産・流通が一定期間滞った.水産業は関係する業務分野が多く調査対象範囲が広いことから,復旧過程やその分析,早期復旧にむけた課題などの知見の蓄積が進んでいない.このため, 東日本大震災時の岩手県の大船渡地域において,魚市場を中心とした水産物の生産・流通の復旧過程を調査・分析した結果,水産業の早期再開に有効な対策として「①魚市場,水産加工場等へ流入した土砂や損傷した機器類の撤去作業に必要なフォークリフトなど機械類の事前配備又は被災後の入手経路の検討,②腐敗した水産物の迅速な処理体制の構築,③パソコン等に保存している債権債務等のデータのクラウド化などバックアップ体制の構築」などが示唆された.
  • モビリティ・マネジメント教育の"継続・拡大"に関する研究 : 札幌市の取組事例より—To continue and expand the mobility management education for elementary students : A case study in Sapporo
    大井 元揮, 原 文宏, 新保 元康, 高野 伸栄
    実践政策学 = Policy and practice studies, 4, 1, 101, 110, 実践政策学エディトリアルボード, 2018年06月
    日本語
  • 津波来襲時に操業中の漁船避難に関する実証的研究
    阿部 幸樹, 高野 伸栄, 加藤 広之, 佐藤 勝弘, 小口 哲史, 川崎 浩明
    土木学会論文集B3(海洋開発), 74, 2, I_767, I_772, 公益社団法人 土木学会, 2018年
    日本語, 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の際に,岩手県内では約400隻の漁船が沖出しし,このうち幾人かが津波の犠牲となり亡くなっている.津波常襲地域であり,全国と比較し相当数の小型船外機船で養殖漁業等を営む岩手県の田老町漁業協同組合をケーススタデイとして,水産庁の「災害に強い漁業地域づくりガイドライン」に沿って設定した避難海域と東日本大震災津波時の漁船避難実態分析などを行った.その結果,ガイドラインに記載されている「津波流速が平均船速の1/5以下の海域」でなくとも避難海域として設定しうる可能性が高いこと,小型船外機船への津波に関する情報伝達を迅速かつ正確に行うために沿岸海域の養殖漁場などで,夜間でも視認・聞き取りできる回転灯や防災無線スピーカーを岬の先端などに配置することが有効な手段であることが判明した.
  • 岩手県浪板海岸における砂浜の再生可能性に関する研究
    阿部 幸樹, 加藤 広之, 高野 伸栄, 佐藤 勝弘, 小口 哲史, 阿部 利昭
    土木学会論文集B2(海岸工学), 74, 2, I_865, I_870, 公益社団法人 土木学会, 2018年
    日本語, 東北地方太平洋沖地震と津波により砂浜が消失した岩手県大槌町の浪板海岸において,夏期・秋期・冬期の現地観測(波浪・流況観測,底質・砂面変動など)を実施し,その結果を踏まえた海浜変形シミュレーションにより,砂浜再生の可能性を検討した.その結果,浪板海岸は,(1)夏期は堆積性で秋期は高波浪時に侵食されるがその後回復しており侵食性の海岸ではないこと,(2)現況地形の海浜変形シミュレーションの結果,砂は汀線から水深15m付近の間で移動を繰り返していること,(3)震災前の砂浜と同程度の形状まで養浜した場合の海浜変形シミュレーションを行った結果,沖側への砂の流出は少なく,汀線付近は堆積傾向にあることなどから,養浜により同海岸の砂浜再生の可能性は高いものと推察された.
  • 東北地方太平洋沖地震時における岩手県内の漁船避難の実態と課題
    阿部 幸樹, 高野 伸栄, 加藤 広之
    日本水産工学会誌, 55, 2, 95, 103, 日本水産工学会, 2018年
    日本語, Marine product industries in the Tohoku area ware heavily damaged by Tohoku Pacific Ocean off
    Earthquake. More than 90% of fishing boats (13,271) were washed away or broken in the Iwate
    Prefecture.
    And many fisheries facilities such as aquaculture facilities and fish markets, etc. were destroyed in
    the Iwate prefecture.
    After the earthquake occurred or the tsunami warning were announced, some fishermen evacuated
    to offshore and some of them died. In case of Tsunami attack in the future, fishermen may surely
    evacuate to offshore with their fishing boats at the risk of their lives.
    Authors performed questionnaire survey targeting the fishermen, who evacuated to offshore with
    their fishing boats in 2011, among 24 fisheries co-operatives. According to the result of the survey, 22
    fisheries co-operatives acknowledged the need of rules for evacuation to offshore. Authors analyzed the
    results of the questionnaire and tried to clarify problems for establishing the evacuation rule. Authors
    performed more detailed questionnaire and interviews with fishermen of the Taro-chou fisheries cooperative.
    The results were as follows.
    Many fishermen have will of evacuating to offshore, but they don't have enough knowledge such as
    the tsunami arrival time, the safe depth and area against tsunami current. There is an urgent need to
    establish a fishing boat refuge rule suited to the characteristic of fishery and fishing boats in Iwate
    prefecture. Also, it is a serious problem to provide tsunami emergency information promptly to fishing
    boats in operation.
  • 東日本大震災の漁港災害復旧工事受発注における対応と課題
    阿部 幸樹, 高野 伸栄, 田原 正之, 長野 章
    土木学会論文集B3(海洋開発), 72, 2, I_515, I_520, 公益社団法人 土木学会, 2016年
    日本語, 東日本大震災においては,全国において漁港及び漁村に319港 815,059百万円の大被害をもたらした.特に岩手県,宮城県及び福島県においてはそれぞれ,108港 278,488百万円,142港 423,780百万円,10港 61,953百万円の壊滅的な被害となった.この甚大な漁港災害復旧工事を実施していくためには,技術者,資材及び作業船などの機材の不足をどのように克服するかが大きな課題であった.本研究は,復旧工事の経過を整理し,全国に渡る大規模災害が生起した場合,被災直後からの工事,受発注体制の整備及び資材,機材,技術者の確保について検討したものである.そして,今後発生が予想される全国規模の災害発生時における漁港災害復旧工事に対応すべきことを整理した.
  • 建設事業の事業地域における経済波及効果推計プロセス構築に関する研究
    伊藤 徳彦, 高野 伸栄
    土木学会論文集F4特集号, Vol.70, 4, 127, 138, Japan Society of Civil Engineers, 2014年12月, [査読有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌), 本研究では,建設事業の事業地域における経済波及効果を詳細に推計するプロセスを構築し,過疎化の進む,地方部の高規格幹線道路整備事業でケーススタディを行った.構築したプロセスは,対象の建設事業について,入札情報提供サイトのインターネット調査から各工事費を把握し,工種・工期を踏まえ,初期需要額を整理し,事業地域内産業連関表と建設部門分析用産業連関表を用い,産業連関分析により,産業部門別・工事部門別・暦年別に,事業地域の経済波及効果を推計するものである.ケーススタディから,工事の発注は全体工期10年間のうち,3年度目にピークを迎え,多くの発注時期が10~11月であったことから,実際の工事はその翌年から本格化し,発注工事に,金額の大きい,工期の長いトンネル工事が含まれていたことから,本格化以降は,毎年安定的に自治体予算と同額の域内需要が創出されていること等を論理的に示し,推計プロセスの有効性を明らかにすることができた.
  • 除雪単価逓減則の市町村道への適用可能性と豪雪時の財源確保に関する研究
    中前 茂之, 高野 伸栄, 大川戸 貴浩
    土木学会論文集F4特集号, Vol.70, 4, 139, 152, Japan Society of Civil Engineers, 2014年12月, [査読有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌), 平成に入ってから長く続いた少雪傾向が一変し,近年は豪雪が頻出する傾向がみられ,財政の厳しい市町村にとっては豪雪への対応は財政上軽い負担ではない.除雪事業の特徴として,あらかじめ降雪の量を決定して予算を立てることが不可能である上,一旦豪雪が発生した場合は市町村は除雪費を否応なく確保しなければならず,限られた市町村財政では賄いきれない恐れがある.しかしながら,国によるいくつかの支援措置はあるものの,国と地方の負担・分担のルールも明確に定まっていない.そこで,本稿では,これまでは直轄国道や道府県管理道路について除雪費推計手法として提案してきた除雪単価逓減則を市町村道にも適用することを検討するとともに,市町村の豪雪時における財源確保の状況や想定する負担限度を明らかにし,その際の課題を整理検討する.
  • 中小地方都市の公共交通計画のための簡易交通実態調査手法に関する研究
    片上 諒, 平岡 秀和, 早崎 藍, 鈴木 春菜, 高野 伸栄, 榊原 弘之
    社会技術研究論文集, 11, 0, 22, 32, Sociotechnology Research Network (Shakai Gijutsu Kenkyuukai), 2014年04月01日, [査読有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌), 本論文では,中小地方都市における公共交通計画の立案に必要な情報を獲得するための簡易な交通実態調査手法について議論する.対象とする都市は,人口規模30万人以下で大都市圏以外の地方都市である.まず,山口県内都市の公共交通政策担当者に対して実施したヒアリングの結果を示す.次に,ヒアリング結果に基づいて,実際に,簡易交通実態調査の手法を提案する.さらに,提案した簡易調査手法における交通手段分担率推定の誤差に関する分析結果を示す.最後に本論文で得られた知見をまとめ結びとする.
  • 除雪単価逓減則に基づく除雪費変動リスクに関する研究
    中前 茂之, 高野 伸栄
    土木学会論文集F4特集号, Voi.69, 4, 243, 251, 土木学会, 2013年12月, [査読有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌)
  • 道路整備事業工事関係者の域内日常生活支出と経済波及効果の推計
    伊藤 徳彦, 高野 伸栄
    社会技術研究論文集, 10, 75, 85, Sociotechnology Research Network, 2013年
    日本語, 本研究では,道路整備事業の建設工事に伴う経済効果のうち,工事関係者の事業地域での日常生活支出に着眼し,高規格幹線道路事業トンネル工事をケーススタディに経済波及効果を推計し,推計プロセスの開発を行った.その結果,工事関係者88名の域内日常生活支出は年額1,756万円,一人あたり20万円であり,ガソリン・一般食料品・生鮮食料品の購入と自動車整備が支出全体の約70%を占める傾向とわかった.経済波及効果は2,933万円で,同年度我が国の名目経済成長率が1.1%のなか,過疎化高齢化とマイナス経済成長の懸念の地域で,域内生産額16,846百万円の0.17%増分に相当するものと推計した.産業別では,製造業・農業・商業運輸・自動車整備業等に効果が及ぶとわかり,結果,推計プロセスを開発できた.
  • 住民参加入札における手法の改善と工事実施上の効果に関する研究
    倉内公嘉, 島影和也, 高野 伸栄
    土木学会論文集F4特集号, Vol.68, 4, 159, 168, 公益社団法人 土木学会, 2012年12月, [査読有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌), 本研究はこれまで筆者らが実施してきた住民参加型入札の実験を踏まえて,参加業者の負担軽減を図るための実施方法や評価法の変更などを行い, 新たな工事の入札での実験結果を分析したものである.実験に当たっては, 住民が当事者意識を持ち, 内容を理解しやすい身近な公共工事として, 市街地の国道の線形改良工事を選定し, 住民参加型入札により落札者を決定した. これまで行ってこなかった工事施工中及び施工後の参加住民へのアンケートを行った結果, 回答者の多くが住民参加型入札が工事施工に際して良い効果を与えたと答え,工事に対する意識に係わる住民参加型入札の効果を明らかにすることができた.
  • 施設の利用差違を考慮した道路維持管理に関する住民意識構造分析
    高野伸栄, 藤井直
    土木学会論文集F4特集号, Vol.67, 4, 21, 31, 土木学会, 2011年12月, [査読有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌)
  • 高速道路無料化を考慮したトラック事業者の経路選択意識構造に関する研究
    高野伸栄, 竹内弓弦
    日本物流学会誌, 第19号, 19, 41, 48, 日本物流学会, 2011年05月, [査読有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌)
  • 公共事業における住民参加型入札制度の導入とその可能性
    高野伸栄, 倉内公嘉, 荒木正芳
    土木学会論文集F, Vol.65, 3, 284, 298, 2009年07月, [査読有り], [招待有り]
    日本語, 研究論文(学術雑誌)
  • 多機関連携による冬季積雪路面での転倒防止に向けた取り組み—転倒予防医学研究会 第3回研究集会 Highlight
    鈴木 英樹, 高野 伸栄, 永田 志津子
    オステオポローシスジャパン = Osteoporosis Japan : 日本骨粗鬆症学会雑誌, 15, 2, 326, 328, ライフサイエンス出版, 2007年
    日本語
  • ストキャスティック・フロンティア・モデル (SFM) を用いたアジスアベバのバスルート効率性評価
    ミンテスノット ゲベィエフ, 高野 伸栄
    土木計画学研究・論文集, 24, 447, 457, Japan Society of Civil Engineers, 2007年
    各々のバスルートの効率性はバス事業社ことって極めて重要な指標である. バス事業者から見たとき, バスルートがバス事業者が所有する資源をより有効に活用し, 設定されていることが必要不可欠である. 本研究まバスルートに係わる諸要因がバスルートの効率性こどのような影響を及ぼしているかをSFM (ストキャスティック・フロンティア・モデル) を用いて, 分析を行うものである. 分析結果により, 本手法がバスルートの効率に影響を与える種々の状況に係わる分析を行う上で有効なものであることが明らかとなった.
  • Application of Logical Planning Model for Public Transport Improvement Programs in the City of Addis Ababa
    Gebeyehu Mintesnot, Takano Shin-ei
    地域学研究, 36, 3, 663, 682, JAPAN SECTION OF THE REGIONAL SCIENCE ASSOCIATION INTERNATIONAL, 2006年
    英語, In countries where the development and improvement of public transport (PT) have many constraints, a Logical Planning Model that deals with a logical representation of a multi-dimensional process is essential. Addis Ababa, the capital of Ethiopia, is an area of low level of transit availability. The major modes of public transport in the city are buses and taxis and there is no rail transit within the city. Due to many factors, the existing bus service is of a low quality. Limited number of buses, the poor management and financial insecurity of the solitary government owned bus company and an inadequate cost recovery system are some of these factors. Taxis have many constraints in their operation including bad drivers' behaviour, excessive fare and high accident rate. Limited accessibility, lack of information systems, low frequency, the wider gap between demand and supply and inadequate infrastructure are identified as key problems of the overall public transport service. Therefore, this study has the objective of analyzing the existing situation and prospects of the public transport service and drawing strategic scenarios for future development and improvement. The Logical Planning Model is proposed to plan and evaluate improvement programs for public transportation in the city. Survey analysis, calculation of bus availability indices in each Traffic Analysis Zones (TAZ) and urban transport project documents are implemented for situational assessment and problem identification in order to use the Logical Planning Model.

    JEL classification: R41, R52
  • 空中浮遊粉塵中のアスファルト粒子の存在可能性に関する研究
    高野 伸栄
    環境共生 = Journal of human and environmental symbiosis / 日本環境共生学会学術・編集委員会 編, 8, 87, 92, 日本環境共生学会本部事務局, 2003年07月
    日本語
  • Psychological and behavioral effects of travel feedback program for travel behavior modification
    Ayako Taniguchi, Fumihiro Hara, Shin'ei Takano, Sei'ichi Kagaya, Satoshi Fujii
    Transportation Research Record, 1839, 182, 190, National Research Council, 2003年, [査読有り]
    英語, 研究論文(学術雑誌), The effects of the Travel Feedback Program (TFP) on travel behaviors and psychological factors that may influence automobile use were investigated. TFP was proposed as a method of modifying travel behavior with automobile use into travel behavior without automobile use. In TFP, participants were asked to report their travel activity behavior, after which they received feedback on that behavior, including information about the amount of carbon dioxide emission resulting from the behavior, and comments or suggestions from the program coordinators on how to reduce automobile use. The behavioral and psychological effects produced by TFP were theoretically investigated on the basis of norm activation theory, which describes the psychological process of altruistic behavior proposed in social psychology. From the theory that automobile-use reduction or pro-environmental behavior is influenced by behavioral intention to reduce automobile use, it was hypothesized that behavioral intention is in turn influenced by moral obligation, and moral obligation is in turn influenced by awareness of the negative environmental consequences of automobile use. The psychological and behavioral data confirmed the set of hypotheses of causal relations, and the data indicated that TFP has a significant positive effect on pro-environmental behavior even 1 year after participation in TFP.
  • 建設業におけるISO9000シリーズ運用上の効果と課題に関する研究
    西堀 元朗, 原田 博志, 高野 伸栄
    建設マネジメント研究論文集, 10, 83, 92, Japan Society of Civil Engineers, 2003年
    建設業において、近年急速にISO9000sを認証取得する企業が増加している。特に北海道においては、全国的に見ても際立ってISO9000s認証取得件数が多くなっている。その背景には、ISO9000sを認証取得することにより公共工事の受注が有利になるから、という企業側の判断がある。しかし、導入はしたものの、その後に各種の問題が発生し、その対応に苦慮している企業も多いと言われている。このような状況をめぐり、各種の調査が行われているが、問題の実態が必ずしも十分に解明されているとは言えない。ISO9000sにおいては、方針を立てる経営層、方針に基づき管理運営する管理層、品質を作り出す作業をする現場層など、各立場の「責任と権限」が明確に区分されている。本研究はこのことに着目し、建設業内の各層が同じ問題に対しどう意識し、どのような対応の違いがあるかを明らかにしようとした。そのため、同一企業内の「経営」「管理」「現場」の3層に個別にアンケート調査を行った。その結果、「経営層と管理層」は比較的似ているが、「現場層」はこれとは異なる傾向を示している部分が多く、特に運用上の問題の所在や導入したシステムのメリヅトに対する評価は大きく異なる部分があることがわかった。
  • 集団意思決定
    木下 栄蔵, 高野 伸栄
    土木学会論文集, 2002, 709, 1, 2, 公益社団法人 土木学会, 2002年
  • 地方都市における循環バスの利用特性と運賃評価に関する研究
    岸 邦宏, 高野 伸栄, 佐藤 馨一
    都市計画論文集, 35, 529, 534, 公益社団法人 日本都市計画学会, 2000年
    日本語, In local cities, bus use is decreasing and bus company business is hit hard. However, deregulation of bus service was introduced in 2001 fiscal year, freeing bus service planning. In this study, the characteristics and needs of bus users are analyzed in order to secure the optimal service in different cities. Through investigation was carried out, we evaluated the introduction of the bus on a circular route. Kishi's Logit PSM is applied to evaluation of the bus fare.
  • 除排雪事業における住民満足度と行政情報提供の効果に関する研究
    高野 伸栄, 辻 明希, 森吉 昭博
    建設マネジメント研究論文集, 8, 45, 52, Japan Society of Civil Engineers, 2000年
    積雪地においては、雪によって及ぼされる諸障害が市民生活にとって大きな問題である。生活水準の向上と生活様式が変容する中で、冬季でも、さらなる快適性や利便性が求められるようになり、近年においても、除排雪事業に関して寄せられる市民要望は依然として、極めて多い。一方、都市の拡大とともに、除排雪に係わる費用は年々増加しており、高齢化の急速な進行や財政面の逼迫などの状況下、雪対策にかけられる費用が限界に近づいている。このような状況下、行政側も除排雪事業の政策目標を定めるため、各種の調査・検討を行っているものの、未だ方向性を見いだせない。本研究は、この問題を市民の合意形成、パブリックインバルブメントという観点に加え、行政情報の提供の意味とその効果という観点から分析を行うものである。そのため、札幌市民を対象にCS調査 (顧客満足度調査) を実施し、除排雪に関する事業について、問題意識と改善度の関係を含めた詳細な分析を行った。その結果、除排雪事業に関する満足度の状況とともに、情報提供が満足度等に与える影響を明らかにすることができた。
  • 地方都市におけるCVMを用いた路線バスの評価に関する研究
    大井 孝通, 高野 伸栄, 加賀屋 誠一
    土木計画学研究・論文集, 17, 751, 756, Japan Society of Civil Engineers, 2000年
    地方都市において路線バスは唯一の公共交通であるが、その運行状況は極めて厳しく、さらに平成13年度からの需給調整規制の廃止により、赤字路線の廃止、事業者の撤退が予想される。この際、現在のような乗車密度等の直接的利用価値だけでなく、その存在価値も考慮した路線バスの評価が行われるべきと考える。
    そこで、本研究ではCVM (Contingent Valuation Method: 仮想的市場評価法) を用いることにより、路線バスのオプション価値、非利用価値の計測を試みた。さらに、地方都市における路線バスの評価へのCVMの活用についての考察を行った。
  • 公共投資縮減による建設産業への影響評価とその対応策—北海道を事例として
    加賀屋 誠一, 藤田 智輝, 高野 伸栄, 伊藤 昌勝
    建設マネジメント研究論文集, 6, 155, 162, 公益社団法人 土木学会, 1998年
    本研究は、近年議論されている公共投資縮減が行われた場合、社会経済的な影響を評価するための、方法を検討するものである。特に、地域経済の迅速的対応が困難な地方においては、建設産業が、その対応策を自ら考え、実行することが必要である。ここでは、まず第1に、公共投資が縮減された場合の影響規模について北海道を対象として産業連関分析によって計測した。そして、その縮減の影響を地域経済によって、埋め合わせを行う可能性についてシミュレーションを行った。さらに、建設産業のとりうる戦略をより詳細に検討し、その効果についても検討した。その結果、(1) 公共投資の縮減の北海道経済に与える影響が大きいこと、(2) 縮減の影響を緩和するために、とりうる対策については、北海道経済の体質からその効果を期待することが難しいこと、(3) したがって、建設産業のとりうる戦略について検討する必要があることがわかった。その戦略については、(1) 自らの生産における付加価値率の向上、すなわち、より効率的なシステムの導入、(2) 民間からの固定資本に対する需要の開拓、すなわち、民間活力による建設システムの検討、(3) 建設産業の扱う業務の範囲拡大が考えられ、それらの導入は、当面の縮減の緩和に効果があることがわかった。
  • 規制緩和を前提とした地方都市におけるバス交通計画情報の作成に関する研究
    高野 伸栄, 足達 健夫, 加賀屋 誠一
    都市計画論文集, 33, 217, 222, 公益社団法人 日本都市計画学会, 1998年
    日本語, In recent years, bus users are decreasing and the company's management situation is severe. On the other hand, the deregulation will be advanced and the freedom of the joining and leaving of the bus traffic be secured by 2001. It is necessary to review the role as a only public transportation in local city. In this research, the concerning bus traffic of the municipality in the current state is analyzed. Next, calculated by the data analysis and the model construction for the case study city. As a result, the utility of the process where the municipality becomes a subject is shown.
  • CVMを用いた環境意識構造のモデル化
    足達 健夫, 横内 稔充, 高野 伸栄, 加賀屋 誠一
    環境システム研究, 26, 211, 218, Japan Society of Civil Engineers, 1998年
    The aim of this study is to examine the environmental consciousness ofthe inhabitants towards an environmental improvement project and evaluate the value of environmental quality which issurrogated into the contingent value. Using Contingent Valuation N. Iethod (CVM), it is possible to assess such a value. Inview of public involvement, we suppose two different groups that are a leader group and a follower group. The formeris a group whichpromotes the environmental improvement project progressively and the latter is a group which follows it critically orcooperatively. We built a structural Model using CVNI and simulated some cases in terms of the project of the Tokachi Ecological Parkconcretely.
  • 直交多属性効用関数による軌道系交通計画案の評価に関する研究
    藤田 正人, 高橋 正則, 高野 伸栄, 佐藤 馨一
    土木計画学研究・論文集, 15, 697, 704, Japan Society of Civil Engineers, 1998年
    人口増加が著しい札幌圏北部地域は、公共交通を路線バスのみに依存する状況にあり、特に冬期間の運行遅延が大きな問題となっている。このため、これまで新たな軌道系交通機関の導入に関して各種計画案が提示されているものの、いずれも供給側の評価から事業化は至っていない。そこで、本研究では当該地域の交通現況をモード単位で分析・把握するとともに、利用者の選好意識を基に「直交多属性効用関数」を構築し、効用値を評価基準とする利用者側の視点に立った計画案の評価を試みた。その結果、新たな軌道系交通機関の導入に際しては、端末モードとしてのアクセスバスの設置が有効かつ不可欠であることを提示した。
  • ISO9001の地方公共事業インハウスエンジニア組織への適用に関する基礎的研究
    伊藤 昌勝, 高野 伸栄, 加賀屋 誠一, 佐藤 馨一
    建設マネジメント研究論文集, 5, 153, 162, 公益社団法人 土木学会, 1997年
    日本語, 公共工事の入札・契約制度の改革や建設コスト縮減の動きにともなって、公共事業の広い意味での品質確保が大きな課題になってきている。公共事業の品質特性は多面的であり国民の要求や期待を正しく把握し実現することが重要である。
    国際標準化された品質システムであるISO9000シリーズ (以降ISO 9000s) は、国民が要求し期待する公共財 (以降公共サービス) の品質に関しても、有力な手段である。本研究は、法令規定を一つの品質システムとして分析するとともに、アンケート調査をもとにISO 9000sの公共事業へ適用について考察している。
  • 拠点的医療施設へのアクセスを2系統で保証する道路ネットワーク構造
    南 正昭, 高野 伸栄, 加賀屋 誠一, 佐藤 馨一
    土木計画学研究・論文集, 14, 679, 686, Japan Society of Civil Engineers, 1997年
    本研究は、地域で中心的な役割を果たす拠点的な医療施設あるいは広域防災拠点への到達を2系統で保証する道路網のネットワーク構造について、一つの分析手法を提示し、実際の道路網への適用を試みたものである。目的地の変更を考慮し、道路途絶の発生時においても当該施設への到達を可能とする道路網整備計画案の策定支援を目標としている。まず、道路途絶の発生時に、平常時に比してどの程度の所要時間の増大をもたらすかを表現する指標を、目的地の変更を考慮して作成した。次にその指標を用いて、施設ノードへのアクセスを2系統で保証し、総整備費用を最小とする整備計画路線の選定を行う計算手順を提示した。以上の分析手法をもとに、山口県南西部の道路網を対象とした適用事例を示した。
  • 地方中枢業務機能の福岡空港利用実態調査
    石井 伸一, 高野 伸栄, 佐藤 馨一
    都市計画論文集, 31, 373, 378, 公益社団法人 日本都市計画学会, 1996年10月25日
    日本語, THIS PAPER AIMS TO MAKE CLEAR THE ROLE OF FUKUOKA AIRPORT CONCERNING BUSINESS ACTIVITY OF FUKUOKA BRANCH OFFICE AND LOCAL HEAD OFFICE. THE ACTUAL CONDITION ON AIR-TRANSPORT DEM AND IN THE LOCAL AREA HAVE BEEN PRESENTED BASED UPON TWO AIR TRAFFIC SURVEY. FUKUOKA-CITY ,WHICH IS ONE OF BIGEST CITY IN JAPAN , CLOSEST TO ASIAN COUNTRIES, WE ALSO RESEARCH THE FUNCTION AND ACTIVITY OF FUKUOKA BRANCH OFFICE AND LOCAL HEAD OFFICE.
  • パブリックインハウスエンジニアリングの抱える幾つかの課題とそのシステム論的分析
    伊藤 昌勝, 高野 伸栄, 佐藤 馨一
    建設マネジメント研究論文集, 4, 1, 10, Japan Society of Civil Engineers, 1996年
    本研究は公共事業である土木事業のインハウスエンジニアリング (PIEG) を、専門情報の統括による創造行為と解釈し、システム論的な分析をしている。その結果、システム全体は、「技術評価」「予算化」「外部発注」「合意形成」などの業務を実施するツールに、「技術基準」「積算資料」などの専門情報を取り込むことで、個別の業務が達成される構成になっていることが分かった。
    公共事業に携わるインハウスエンジニアの役割は、公益に立って専門技術を統括することにあり、効率的で客観性の高いPIEGシステム運用のためには、建設に関するCALSの構築などシステムの標準化、情報の共有化への積極的な取組が必要である。
  • リダンダントな道路網の構成方法に関する基礎的研
    南 正昭, 高野 伸栄, 佐藤 馨一
    土木計画学研究・論文集, 13, 733, 742, Japan Society of Civil Engineers, 1996年
    本研究は、途絶の発生を考慮したリダンダントな道路網を構成するための整備路線の選定方法を考案したものである。災害等による道路途絶に対応するには、途絶時においても代替ルートを確保できるように道路の新規整備や拡幅等を適切に実施し、あらかじめ道路網を多重化・ネットワーク化することが有効である。本研究ではこの問題を、道路網が都市間に有するリダンダンシーをあらかじめ設計条件として与え、その制約を満たし、かつ必要な総道路整備費用を最小化するネットワーク構成問題として取り扱った。この問題の実用的な解法として、遺伝的アルゴリズムを応用した計算手法を開発し、実際の道路網への適用事例を提示した。
  • 地方中枢都市における地下鉄需要マーケティングに関する研究
    高野 伸栄, 高橋 清, 佐藤 馨一
    土木計画学研究・論文集, 13, 811, 820, Japan Society of Civil Engineers, 1996年
    札幌市は地方中枢都市でありながら、その地下鉄の経営は非常に苦しい状況となっている。しかし、地下鉄は札幌市にとって、必要不可欠な交通システムであり、この維持方策は地方中枢都市にとって重要な共通課題である。本研究はマーケティング分析に基づき、アンケート調査データをもとに、利用者特性の分析を行い、需要増を目的としたマーケティング対象の絞り込み、需要喚起策の効果の検証等を行い、今後の社会基盤施設整備・運用を行う上でのマーケティングプロセスの提案を行うものである。
  • 豪雪災害時における交通情報の機能とその整備課題に関する研究
    高野 伸栄, 加賀屋 誠一, 佐藤 馨一
    土木情報利用技術論文集, 5, 163, 170, Japan Society of Civil Engineers, 1996年
    本研究は、平成8年1月9日に起こった札幌都市圏の豪雪災害をケーススタディとして、災害時の交通情報の問題点を実証的に明らかにし、災害交通情報システムのあり方の分析を行ったものである。この結果、情報の内容については、コンサマトリー情報ではなく、交通行動の判断となるツール情報を如何に提供するか、情報の把握・伝達にあたってはオープンゲイトなシステムの中で、如何にゲイトキーピングを行っていくかの2点が災害交通情報システムを考える上での重要な要素であることを明らかにした。
  • 地方公共団体インハウスエンジニアの役割と課題
    伊藤 昌勝, 高野 伸栄, 佐藤 馨一
    建設マネジメント研究論文集, 3, 13, 22, 公益社団法人 土木学会, 1995年
    WTO政府調達協定の発効を目前に控えた建設産業は、公共事業の入札に関する政府の行動計画などを踏まえて、二十一世紀にふさわしい産業作りに向かって新たな努力を開始している。平成六年には建設業法が改正され、七年には建設産業政策大綱も建議されその環境も整えられつつある。
    社会資本を管理整備する公共事業は発注者、受注者が適切な役割分担をしながら、エンドユーザーである国民の利益が最大限に図られる仕組みが必要である。しかし、特に地方公共団体の技術職員 (インハウスエンジニア) 不足は深刻で、行政の複雑化とともに発注者、受注者の間に、思惑の乖離も見られる。本稿は、インハウスエンジニアの役割とその実態、現状における課題を整理・考察し、今後の施策に役立てようとするものである。
  • コミューター航空需要推計モデルに関する研究
    鈴木 克典, 高野 伸栄, 佐藤 馨一
    土木計画学研究・論文集, 12, 583, 594, Japan Society of Civil Engineers, 1995年
    近年、高速交通機関の1つとして、コミューター航空サービスが注目を浴びている。地方における高速交通ネットワークの補完として、多くの地域において導入の議論が活発になされ、また実際に導入もなされてきている。その際、最も重要なことは需要量推計である。しかし、コミューター航空は新しい交通サービスであるため、需要量推計が非常に困難で、有効なモデルは存在しない。本研究においては、交通流動量と非常に高い相関を持つ情報流動量に着目し、モデルの構築を試みた。情報として、電話の通話回数のデータを使用することにより、精度の良いコミューター航空需要推計モデルを得ることができた。
  • AHP評価点を用いたTSL (テクノスーパーライナー) 分担量の推計に関する研究
    高野 伸栄, 高橋 清, 佐藤 馨一
    日本物流学会誌ジャーナル, 1994, 3, 21, 39, 日本物流学会, 1994年
    TSL (テクノスーパーライナー) は、モーダルシフトが進められる中、その主要な担い手として、期待されている次世代の高速貨物船である。現在、技術開発面では、実験船も完成されつつあり、各地で誘致に向け、フィージビリティスタディがなされている。フィージビリティスタディにおいては、TSL需要量を的確に予測することが極めて重要になる。しかしながら、これまで、貨物の分担については、マクロ的なモデルは構築され、実用に供されているものの、本研究で対象とするTSLという新しい交通機関に対し、その特徴を明示的に扱ったモデル構築はなされていない。そこで、本研究は、従来、意思決定の分野に用いられている階層分析法 (AHP) を用いてモデル化を行い、TSLの分担量を求めることを目的とするものである。
    本研究においては、TSLの交通機関としての特徴を他の交通機関と比較して分析を行ったのち、従来の貨物輸送分担モデルのレビューを行った。これを踏まえ、本研究におけるモデル構築のプロセスを定め、まず、モデル構築の対象とするTSL適合品目の抽出を行った。これには、貨物輸送に係わる各交通機関と各品目の物流特性の把握を行い、結果として、8品目をTSL適合貨物として抽出した。次に、モデル構築に必要な各種データを得るため、荷主、物流事業者に対して、ヒアリング調査を行った。これをもとにAHPの階層図を作成したが、階層図における評価基準としては、「輸送コスト」、「高速性」、「輸送ロットの融通性」、「運行ダイヤの利便性」、「一貫輸送」の5項目を取り込んだ。この階層図に従い、各評価基準の相対的ウエイトを求め、各輸送機関の評価点を算出し、現況の分担率との問でロジスティック回帰を行うことにより、貨物輸送分担モデルの構築を行い、これを用いて、TSL分担率及び分担量の推定を行った。この結果、本手法が、貨物輸送分担モデルの構築に極めて有用であり、また、実用にも用いうるものであることを示した。
  • 土木用語データベースの構築と運用
    今 尚之, 高野 伸栄, 佐藤 馨一
    土木情報利用技術論文集, 3, 63, 70, Japan Society of Civil Engineers, 1994年
    多岐にわたる専門分野を内包し, 専門分化が著しい土木工学分野における専門用語を選定することは, 非常に困難な作業となる. このため, データベースシステムを導入し, 作業の合理化, 効率化を図ることが必要である. 本研究は, 「質の確保」「網羅性」「大量性」「即時性」「協同性」 が要求される土木用語データベースの構築にあたって, 組織, 運用されたシステムについて述べるものである. 組織されたシステムの支援によって, データの質と網羅性を確保し, 大量なデータを処理することが可能なデータベースを, 短期間に作成することができ, 専門用語の精度良い採語を行うことができた.
  • 階層分析法による地区計画代替案の評価法に関する研究
    高野 伸栄, 五十嵐 日出夫
    土木計画学研究・論文集, 9, 245, 252, Japan Society of Civil Engineers, 1991年
    This paper aims at the evaluation method for the alternative of District Planning by AHP (Analytic Hierarchy Process). In AHP, the evaluation structure is very clear and it's suitable for the District Planning. However, the evaluation criteria must be independent each other. And the weight of the alternative which is final output by AHP is the average evaluation. So the evaluation is apt to be one side.
    In this paper, the new evaluation index (U, N, L index) which is based on fuzzy measure theory is adopted. And we examine its validity for the independent constraint and the versatile evaluation.

その他活動・業績

書籍等出版物

所属学協会

  • 交通工学会               
  • 観光情報学会               
  • 日本地域学会               
  • 日本OR学会               
  • 雪氷学会               
  • 都市計画学会               
  • 土木学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 交通まちづくりの計画手法に関する研究
    科学研究費助成事業
    2011年11月18日 - 2014年03月31日
    原田 昇, 髙山 純一, 谷口 守, 中村 文彦, 羽藤 英二, 藤原 章正, 溝上 章志, 森本 章倫, 佐々木 邦明, 佐々木 葉, 須永 大介, 高野 伸栄, 高橋 勝美, 髙見 淳史, 出口 敦, 土井 勉, 牧村 和彦, 松中 亮治, 橋本 成仁, 山中 英生
    本研究では、価値創造型のまちづくりに貢献する交通計画=交通まちづくりの普及展開を目指し、ビジョン構築、調査体系、制度設計の3つの面から新たな計画手法を検討・開発した。ビジョン構築については、金沢、札幌、宇都宮などを対象にビジョン策定・合意形成・施策実施の流れを整理し、プロセスを阻害しあるいは推進に寄与した要因を明らかにした。調査体系については、高齢者の生活行動や都心回遊行動といったニーズの高い適用場面の調査分析技術を体系化した。制度設計については、計画立案・合意の仕組み、施策実施の仕組み、人材育成の仕組みの3側面について検討を行い、望ましい制度を構想し展望した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 23246091
  • スマートモビリティネットワークの地域展開に関する研究
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2008年
    原田 昇, 森川 高行, 谷口 守, 高野 伸栄, 牧村 和彦, 張 峻屹, 羽藤 英二, 山本 俊行, 大森 宣暁, 谷口 綾子, 〓見 淳史, 森川 高行, 張 峻屹, 羽藤 英二, 大森 宣暁, 高見 淳史
    本研究課題は,新たなモビリティサービス「スマートモビリティネットワーク」を地域に展開するために必要な技術と手法を見定め,開発することを目的としている.特にIT を活用した自転車共同利用に着目し,千葉県柏キャンパス地区を舞台に実装・実験運用したシステムの運用と利用実態を把握するとともに,利用行動モデルを構築してポート配置変更に関するシナリオ分析を実施した.また,転居を契機に新たに地域に加わった人の生活活動・交通行動の変容過程をパネル調査から明らかにした.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 19360228
  • 乗合バス事業における規制緩和の分析と生活交通確保の方法論に関する研究
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2007年
    喜多 秀行, 谷本 圭志, 高野 伸栄, 徳永 幸之, 中村 文彦, 藤井 聡, 竹内 伝史, 高山 純一
    規制緩和の影響については,国,地方自治体,路線バス事業者の三者について分析を行った.国については,規制緩和前後の法制度の制定や通達等の経時分析から,本規制緩和の本質が,路線バスサービスの位置づけが交通産業から社会資本へと変化した点にあるとの知見を得た.地方自治体については,わが国の全自治体に対するアンケート調査を実施し,自治体により認識や対応に大きなばらつきがあること,新たに発生した行政課題に対する大きな戸惑いが生じていたこと等を明らかにした.事業者については,規制緩和が路線再編や事業規模等に及ぼした影響を費用関数の2時点比較やDEA分析により明らかにした.
    生活交通確保の方法論については,「活動機会の保障水準」と「負担」の「組合せ」を住民が選択する,という新たな地域公共交通計画の策定方法論を構築した.併せて,サービス水準マトリクスの算定法や生活交通に係わる便益帰着構成表など一連の要素技術を開発し,フィールドワークを通じて,その適用可能性と有効性を明らかにした.これにより,"財政逼迫下でどこにどれだけのサービスを確保すべきか"という多くの自治体に共通する悩みに解を与えることが可能となった.
    以上の成果を基に,20年6月に第38回土木計画学研究発表会でスペシャルセッションを開催するとともに,土木学会論文集の特集号「地域公共交通の新たな潮流」(印刷中)としてとりまとめを行った.
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 17360248
  • バスサービスの規制緩和に関する国際共同研究の企画調査
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2003年
    喜多 秀行, 中川 大, 小池 淳司, 谷本 圭志, 高野 伸栄, 小林 潔司
    わが国の公共交通の歴史に残る"壮大な社会実験"とも言える乗合バス事業の規制緩和(平成14年2月施行)に対して関心を寄せている諸外国の研究者と共同研究を実施するための研究企画を行った.具体的には,共同研究を効率的に進めるための基盤形成を目的とし,以下の3つの点について検討を加えた.
    第一は,"規制緩和に伴うバスサービスの変容に関わる情報のとりまとめ方についての概念整理"である.バスサービスの提供実態や影響の発現状況は地域特性や社会的環境と密接な関連を有しているため,費用関数の推定や生産性分析を予備的に行い,押さえておくべきデータ項目を抽出した.
    第二は,共通の分析フレームの構築である.路線バス市場における供給側と需要側の行動は相互に影響を及ぼし合っており,規制や補助制度等が両者の行動を部分的に規定しているのだが,前述の地域特性や社会的環境とも密接な関連を有しているため,複雑な様相を見せている.そこで,関連諸要素を「利用者の活動水準曲線」「バス利用に関わる一般化費用曲線」「事業者の運賃設定曲線」等に整理するとともに,これらを相互に関連づけた分析フレームを構築し,個々の変化に対する分析の位置づけが容易に理解できるようにした.
    第三は,国際共同研究を行うための研究体制の整備である.共同研究のメンバーとして予定している内外の研究者の関心は,"路線バスの規制緩和がもたらす影響の分析"という点では一致しているが,そのアプローチや着目点は必ずしも同一でない.研究組織を構成する研究者の研究アプローチと対象領域を整理し,作業の協力・分担関係を明らかにすることにより研究の推進体制を構築した.
    以上により,政策が依拠する理論的基盤が教えるとおりの変容が生じたのか,それにより期待どおりの政策効果が得られたのか,を検証するための研究基盤を概ね構築しえたものと考えている.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 鳥取大学, 15636010
  • 大規模社会基盤施設の計画プロセスに関する研究
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2001年
    佐藤 馨一, 為国 孝敏, 清水 浩志郎, 高野 伸栄, 竹内 伝史, 古屋 秀樹
    本研究はわが国が世界に誇る戦後の土木事業、大規模社会基盤施設を将来にわたって正当に評価し、その役割を伝えることを目標としたものである。これまで土木遺産の評価が行われてきたが、これらの施設は昭和20年以前のものに限定されていた。本研究は昭和20年以後の大規模社会基盤施設を取り上げ、計画のプロセスを解明する資料を収集し、保存し、さらに現存する関係者からのヒアリングを行ったものである。対象とした施設は、青函トンネル、小樽築港、八郎潟干拓、只見川電源開発、首都高速道路、名神高速道路、東京湾横断道路、成田空港、東海道新幹線、本四架橋、関門架橋・トンネルであり、全国各地の分担者が資料収集や調査を行ってきた。
    本研究においては、大規模社会基盤施設の計画プロセスを工事誌や各種の報告書、新聞記事等で調べ、さらに生存する関係者へオーラル・ヒストリー調査を行って確認を行った。さらに完成後の活用実績を調査し、計画目標の達成度について考察を行った。本研究によって主要な成果は以下の通りである。
    1)大規模社会基盤施設の計画時とその後の社会環境変化を取りまとめた。
    大規模社会基盤施設は自然、社会環境への影響が大きいため、国民の関心は高く、その評価には厳しいものがある。これに応えるためには事業者の説明責任が極めて重要なことを明らかにした。
    2)大規模社会基盤施設の評価には経済的指標のみならず、土木志的評価が重要なことを示した。
    大規模社会基盤施設が計画され、完成して共用されるまでには極めて長い時間を必要とする。この期間の予測は数理計画法的な手段ではなし得なく、「土木技術の発展史に見られる秩序や法則性を実証的、かつ批判的に展開する土木史学」の意義を明確にした。
    3)大規模社会基盤施設の計画と実現のためには、しっかりした合意形成プロセスが必要なことを示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 12450203
  • 交通システムにおけるリスクマネジメントシステムの構築と評価
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1999年
    加賀屋 誠一, 西 淳二, 高野 伸栄, 佐藤 馨一, 南 正昭, 中岡 良司
    交通は地域の諸活動によって発生し、またその地域の諸活動は交通によって影響を受ける。この相互連関的現象は、近年、その活動の多様性、それを取り巻く環境と共に大きな変動をもつようになり、一般的に考えられる定常状態での交通システム把握が難しくなっている。ここでは、非定常状態での現象とそれに対応する計画システムをリスクマネジメントとして捉え、新しい計画システムの方法を考えた。その結果次のような成果が得られた。
    .社会的リスの定義を行い、リスクマネジメントの新しい考え方を示した。
    .冬期通勤交通アンケートから得られた自由回答形式の意見を集約し、キーワード分析により、冬期交通に必要な情報システムを構造的に明らかにした。
    .札幌都市圏豪雪災害の実態調査から災害時の交通情報の問題点と災害交通情報システムのあり方について分析を行った。
    .海岸部集落住民の道路システムの役割を明らかにし、崩落等の災害へのリスクマネジメント方法の構築を行った。
    .観光地での崩落危険度と観光産業の推進とのトレードオフ問題について、ANPモデルによる代替案評価を行い、意思決定システムへの有用性を明らかにした。
    .医療における災害時交通の重要性とそのリダンダンシーについて評価できる方法を構築し、施設配置計画も含めて、総合的システムの必要性を明らかにした。.地下街空間のリスク管理対策を、地下街単独単体として、また都市システム全体の中での地下街として検討し、その必要性を明らかにした。
    .冬期道路交通の円滑化のためのロードヒーティングシステムの導入可能性を検討し、各主体の協調によりそのリスク負担が軽減され、また経費も削減できることを明らかにした。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 09555160
  • GISを活用した都市交通のインターモーダルプランニング
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1997年
    佐藤 馨一, 高野 伸栄, 加賀屋 誠一
    Geographic Information System(GIS)は、わが国では「地理情報システム」と呼ばれるデジタルマッピングシステムであり、コンピュータ上で地図情報を取り扱うためのツールである。本研究はこのGISを都市交通計画に活用するシステムを開発し、現実に検討されている交通計画の総合評価を行ったものである。
    [平成8年度]
    1)GISの機能について研究を行い、テクニカル・スキルを高めた。GISの機能を大きく分類すると、データベース機能と解析・処理機能に分けられる。
    2)GISソフトのARC/INFOを用いてGISデータを作成した。このデータは市町村カバレッジ、道路カバレッジ、鉄道カバレッジのレイヤー構造となっている。研究の対象地域を札幌圏北部地域とし、人口、面積、道路等のデータ入力を行った。
    [平成9年度]
    1)ボロノイ図理論を用いて交通システムの利用圏を求め、GISのデータベースとした。このボロノイ図とは、「施設の利用者は居場所から一番近い距離の施設を選択し、施設までの距離は直線距離で判断する」という仮定のもとで描かれた幾何図形をいう。
    2)新交通システムの路線計画図から駅を定め、人口密度カバレッジとボロノイ図から得られた利用人口、歩行距離から平均所要時間を算定した。
    3)新交通システムの路線案を札幌北部圏に居住する人々の平均所要時間から評価した結果、いずれも既存のバスシステムより長くなるという結果が得られた。これは対象地域が平坦で広いため、軌道系システムが全域をサービスしきれないことを示している。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 08455233
  • 地方都市における災害復興都市計画のアブダクティブアプローチの適用に関する研究
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1996年
    高野 伸栄
    本研究においては、まず各災害事例における災害状況、復興計画及びその立案プロセスの文献及びヒヤリング調査を行った。さらに北海道南西沖地震の被害にあった住民の復興計画に対する意識調査を行い、それらの要因の抽出、モデル化、仮説設定からなるアブダクティブアプローチにより、一般化を行い、今後の地方都市における災害復興都市計画への提言を行った。
    1.既存文献の収集
    地方都市を中心に自然災害に関する文献、災害復興事業に関する報告書、研究論文等の既存文献の収集を幅広く行った。
    2.現地調査の実施
    近年、自然災害が生じ、復興がなされようとしている雲仙普賢岳周辺、淡路島、北海道南西地区の都市について、(1)被害状況の詳細、(2)復興事業計画の種類及び内容、(3)事業の進捗状況、(4)都市の自然環境、歴史、風土、文化的特色等についての現地調査を行った。
    3.住民意識調査の実施
    復興計画に対する住民の意識を明らかにするため、奥尻町の住民に対し、(1)個人属性、(2)被験者の被害の程度、(3)災害復興計画に対する意識等についての住民意識調査を行った。
    4.アブダクティブアプローチによる一般化
    アブダクティブアプローチにより、上記で得られた当該都市に関わる要因、事実関係と都市の固有性から要因の抽出を行い、包括性、即時性、権限の一括、財源確保というキーワードからなる一般化を行った。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 08750640
  • DEA(包絡分析法)による土木施設の効率性評価に関する研究
    科学研究費助成事業
    1994年 - 1994年
    高野 伸栄
    1.文献収集・既存研究レビュー
    DEAに関する文献を収集し、経営工学等の分野で行われている既存研究の整理を行い、DEAに関する既存研究のレビューを行った。
    2.データ収集
    土木プロジェクトの効率性評価のケースタディを行うため、北海道新幹線計画に関して、データ収集を行った。データ収集にあたっては、まず、既存新幹線事業に関する建設費、運営費についてのデータを整理した。つぎに、北海道新幹線計画に対する各ケースの短縮時分の算出、乗車人数の予測を行い、北海道新幹線計画に関するデータの準備を行った。
    3.分析プログラムの作成
    既存のプログラム言語を用いてDEAの分析プログラムを作成した。
    4.データ分析の実施
    2.で収集したデータに対してDEAの分析を行った。この結果、DEAを用いたプロジェクト評価が、有用なものであることを示すとともに、これに係わる固有の問題点を明らかにすることができた。
    5.研究のまとめ
    本研究により明らかにできたことは次の二点にまとめられる。
    (1)DEAを用いたプロジェクト評価はこれまで貨幣換算が困難なため、取り入れられなかった要素をも取り込むことが可能となる。
    (2)分析目的に応じた入出力項目、DMU、領域限定による制約の与え方が重要である。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 06750555
  • 酸略的アプローチによるロジスティックス解析モデルの構築に関する研究
    科学研究費助成事業
    1993年 - 1993年
    高野 伸栄
    1.戦略的アプローチのフレームワークに基づき、構造化を行い、グループ意思決定としての物流量モデル作成を行うべく、対話型変数選択システムの構築を行った。
    2.上記システムで実証分析を行うべくデータベースの構築を行うため、現状の物流に関する既存データから分析目的に従い、解析に耐え得るデータを得るため、異常データの削除、データの統合を行い、北海道地域を対象としたロジスティックスデータベースを作成した。
    3.上記データベースに基づき、データ解析、流通の専門家等の複数の主体が対話的に適用できるよう携帯パソコン上で、グラフィック表示等を用いながら分析を進めるプログラムの開発を行った。
    4.2.3.で作成したシステムにより将来の北海道における物流量の予測を行い、上記システムの有効性の検証行った。
    5.物流量の機関分担モデルの構築を行うべく、北海道内の物流関係者に対し、物流、流通に関わる現状の方法、問題点、将来へ向けての課題についてのヒヤリング調査を行った。
    戦略的機関分担モデルの構築を行うため、特にテクノスーパーライナーを中心としたシステムの開発を行い、AHP(Analytic Hierarchy Process)を枠組みとしたモデルの開発を行った。
    7.上記モデルを用い、北海道内におけるテクノスーパーライナー、フェリー、鉄道、航空の貨物分担率の予測を行い、本システムの有効性の検証を行った。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 05855073