1998, 日本マンション学会, 研究奨励賞（文系）　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎

宗教の根源性と法の必要性 — 櫻井論文を承けて—　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法律時報, 96, 2, 79, 84, Feb. 2024

政教分離の語り方（下） —法と宗教のミスコミュニケーション—　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法律時報, 95, 2, 70, 75, Jan. 2023

政教分離の語り方（上） —法と宗教のミスコミュニケーション—　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法律時報, 95, 1, 91, 96, Dec. 2022

法をめぐるミスコミュニケーション 企画趣旨　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法律時報, 95, 1, 90, 90, Dec. 2022

放置不動産と人格的価値　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
秋山靖浩編著『新しい土地法：人口減少・高齢化社会の土地法を描く』（日本評論社）, 89, 115, Apr. 2022

法の前の神々、神々の前の法　　　　　　　　　　　　　　　
尾﨑一郎
論究ジュリスト, 38, 204, 212, Apr. 2022

相互監視と分散的制裁　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
立教法学, 105, 46, 67, Mar. 2022

ソーシャルメディア・法・速度 —藤代・成原・松尾報告に対する指定討論—　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法社会学, 88, 116, 123, Mar. 2022

グローバリゼーション　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
佐藤岩夫＝阿部昌樹編『スタンダード法社会学』, 281, 289, Mar. 2022

基調報告（「日本国憲法のアイデンティティ」へのコメント）　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
論究ジュリスト, 37, Nov. 2021
Japanese, Scientific journal

法の外来性と受容についての覚え書き　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
琉球法学, 104, 91, 99, Sep. 2021

法のクレオール論再考—2つの「外」について—　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
菅原寧格・郭舜編『公正な法をめぐる問い』（信山社）, 63, 77, Mar. 2021
Japanese, In book

科学という見果てぬ夢　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法学セミナー, 66, 1, Dec. 2020

区分所有法：法社会学的考察　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
新注釈民法 物権2, Dec. 2020

放置不動産と人格的価値（下）　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法律時報, 92, 12, 107, 113, Oct. 2020

放置不動産と人格的価値（上）　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法律時報, 92, 11, 118, 123, Sep. 2020

特集 外国法の参照 企画趣旨　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
法律時報, 92, 4, 4, 5, Mar. 2020

虚構を暴き、虚構に生きる　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
小坂井敏晶『増補 責任という虚構』ちくま学芸文庫, 489, 504, Jan. 2020

紛争行動／法使用行動と法文化について　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
法文化学会叢書第17巻, Aug. 2019

所有権概念の社会的機能　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
法律時報, 91, 2, 83, 87, Jan. 2019

現代法における「人間」の相対化：企画趣旨　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
法律時報, 90, 12, 4, 5, Oct. 2018

ヘイト・スピーチの規制と無効化—言語行為論からの示唆—　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
ダニエル・フット他編『法の経験的社会科学の確立に向けて—村山眞維先生古稀祝賀—』, 2018

複合的分断と法－企画の趣旨－　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
法律時報, 2017年, 8月号, 7, 12, Jul. 2017
Japanese, Scientific journal

「ネットワーク社会」における「都市コモンズ」について　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
吉田克己＝角松生史編『都市空間のガバナンスと法』（信山社）, 267, 286, Oct. 2016
Japanese

ビッキーと孤独な隣人たち－近隣トラブル－　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
阿部昌樹他編『新入生のためのリーガル・トピック50』（法律文化社）, 82, 83, Mar. 2016
Japanese

自然法則与法的正義‐論法学的生物科学化‐（自然の摂理と法的正義：法学の生物科学化をめぐって）　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
浙大法律評論, 3, 315, 329, Mar. 2016
Chinese

司法への市民参加と文化ギャップーベルギーと台湾の調査からの問い－　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
広渡清吾先生古稀記念論文集『民主主義法学と研究者の使命』（日本評論社）, 519, 536, Dec. 2015
Japanese

シンポジウム「新しい『所有権法の理論』」企画趣旨　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
法社会学, 80, 1, 9, Mar. 2014
Japanese, Scientific journal

Law, Culture and Society in modernizing Japan　　　　　　　　　　　　　　　
OZAKI Ichiro
Dimitri Vanoverbeke, Jeroen Maesschalck, David Nelken & Stephan Parmentier (eds.), The Changing Role of Law in Japan: Empirical Studies in Culture, Society, and Policy Making, Edward Elgar, 519, 536, 2014, [Peer-reviewed]
English

法と正義：その親和性と懸隔　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
法社会学, 78, 62, 73, Mar. 2013
Japanese, Scientific journal

トイブナーの社会理論と法律学　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
瀬川信久編『システム複合時代の法』（信山社）, 129, 153, Nov. 2012
Japanese

日本における法文化の変容と法のクレオール　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
長谷川晃編『法のクレオール序説ー異法融合の秩序学ー』（北海道大学出版会）, 33, 50, Jun. 2012
Japanese

法を選ぶ／法に関わる　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎 一郎
法律時報, 2011年, 4月号, 100, 105, Mar. 2011
Japanese, Scientific journal

Comment
尾崎 一郎
Hokkaido journal of new global law and policy, 10, 10, 205, 209, 北海道大学グローバルCOEプログラム「多元分散型統御を目指す新世代法政策学」事務局, 2011
Japanese

「本質的社会性」から「法」へと至る条件　　　　　　　　　　　　　　　
尾崎一郎
新世代法政策学研究, 10, 145, 150, 2011
Japanese, Scientific journal

問題経験者の不作為について　　　　　　　　　　　　　　　
現代日本の紛争処理と民事司法1：法意識と紛争行動, 141, 2010

マンションにおける秩序と時間　　　　　　　　　　　　　　　
ジュリスト, 1402, 51, 2010

Toward a theory of multi-agential governance: Law (jurisprudence) as tautology?: law's integrity and multi-agential governance
尾崎 一郎
Hokkaido journal of new global law and policy, 3, 191, 220, 北海道大学グローバルCOEプログラム「多元分散型統御を目指す新世代法政策学」事務局, 2009
Japanese

紛争行動と法の主題化　　　　　　　　　　　　　　　
村山眞維他編『法社会学の新世代』, 45, 2009

法のクレオールを阻むもの　　　　　　　　　　　　　　　
北大法学論集, 58, 3, 363, 2007

Civil Litigation in Postwar Japan　　　　　　　　　　　　　　　
Judicial System Transformation in Globalizing World, 105, 136, 2007

Judicial System Reform and Legalization: A Rapid Lapse from Idealsim to Instrumentalism　　　　　　　　　　　　　　　
Emerging Concepts of Rights in Japanese Law, 211, 230, 2007

都市から郊外に移る生活空間　　　　　　　　　　　　　　　
史料で読むアメリカ文化史５, 184, 195, 2006

現代的法機能と秩序　　　　　　　　　　　　　　　
『NJ叢書 法社会学』, 17, 34, 2006

都市の公共性と法主体　　　　　　　　　　　　　　　
北大法学論集, 56, 5, 380, 416, 2006

マンション建築紛争と行政型ADR　　　　　　　　　　　　　　　
自治体学研究, 91, 44, 47, 2005

マルチチュードの（不）可能性　　　　　　　　　　　　　　　
『非対称化する世界』（以文社）所収, 171, 198, 2005

Abe, Masaki, The Local Conception of Legal Order
Ozaki Ichiro
THE SOCIOLOGY OF LAW, 2003, 58, 257, 263, The Japanese Association of Sociology of Law, 2003

「マンション建築紛争と「コミュニティ」」
尾崎 一郎
『地方自治職員研修』, 第36巻, 11号, 29, 31, 公職研, 2003
Japanese

トラブル処理のしくみ　　　　　　　　　　　　　　　
交渉と紛争処理, 43, 59, 2002

「現代の社会変動とコミュニティ論」　　　　　　　　　　　　　　　
『都市問題研究』, 2002年7月号, 74, 88, 2002

『交渉と紛争処理』<和田仁孝＝太田勝造＝阿部昌樹編所収>　　　　　　　　　　　　　　　
日本評論社, 2002

マンション居住者間紛争処理過程
尾崎 一郎
都市問題, 92, 2, 45, 56, 東京市政調査会, 2001
Japanese

生き甲斐としてのコミュニティ　　　　　　　　　　　　　　　
法社会学, 55, 56, 70, 2001

「都市的社会関係と調停」　　　　　　　　　　　　　　　
『法社会学』, 第52号, 103, 109, 2000

Y. Kitamura, Regulatory Enforcement and Local Governments
Ozaki Ichiro
THE SOCIOLOGY OF LAW, 1999, 51, 254, 258, The Japanese Association of Sociology of Law, 1999

都市における公共性の再生と法の役割　　　　　　　　　　　　　　　
北海道大学法学部ライブラリー４ 市民的秩序のゆくえ, 113, 141, 1999

『北海道大学法学部ライブラリー４ 市民的秩序のゆくえ』所収　　　　　　　　　　　　　　　
1999

「都市的紛争と法」　　　　　　　　　　　　　　　
『岩波講座現代の法９都市と法』, 1997

『岩波講座現代の法９ 都市と法』所収　　　　　　　　　　　　　　　
1997

「都市の公共性と法 (三)－マンションにおける生活と管理－」　　　　　　　　　　　　　　　
『法学協会雑誌』, 113, 11, 1, 58, 1996

「公共性と専門職」
尾崎 一郎
『創文』, 377, 377, 6, 9, 創文社, 1996
Japanese

「都市の公共性と法 (四)－マンションにおける生活と管理－」　　　　　　　　　　　　　　　
『法学協会雑誌』, 113, 12, 35, 72, 1996

「都市の公共性と法 (二)－マンションにおける生活と管理－」　　　　　　　　　　　　　　　
『法学協会雑誌』, 113, 10, 73, 126, 1996

「都市の公共性と法 (一)－マンションにおける生活と管理－」　　　　　　　　　　　　　　　
『法学協会雑誌』, 113, 9, 60, 120, 1996

Community Dispute Resolution in Japan's Dense Urban Society　　　　　　　　　　　　　　　
The Proceedings of 1995 Annual Meeting of Research Committee on Sociology of Law, 2, 0, 1995

東京大学都市行政研究会研究叢書６　　　　　　　　　　　　　　　
1992

「近隣騒音紛争の処理過程 ―法の拡大と限界をめぐって―」
尾崎 一郎
『国家学会雑誌』, 第104巻, 9・10号, p725, 769, 國家學會事務所, 1991
Japanese

都市の公共性と法主体
尾崎 一郎, 北大法学論集, 56, 5, 2432, 2396, 2006
北海道大学大学院法学研究科, Japanese

都市の公共性と法主体 (シンポジウム・法主体のゆくえ) -- (第3分科会 制度と法主体)
尾崎 一郎, 法社会学, 64, 162, 176, 2006
有斐閣, Japanese

最新判例批評(35)複合型マンションにおける店舗部分の営業時間の制限は、集会の決議によって定めることができるとされた事例(東京高判平成15.12.4) (判例評論(555))
尾崎 一郎, 判例時報, 1885, 185, 190, 01 May 2005
判例時報社, Japanese

法のエスノグラフィーの基本視角 Laura Nader, The Life of the Law: Anthropological Projects
尾崎 一郎, アメリカ法, 2004, 1, 106, 110, Jul. 2004
日米法学会, Japanese

生き甲斐としてのコミュニティ (特集 90年代日本社会の変動と諸改革) -- (1 日本社会の変動)
尾崎 一郎, 法社会学, 55, 56, 70, 2001
有斐閣, Japanese

Management Process of Disputes among Residents in a Condominium
OZAKI Ichiro, The toshi mondai (the municipal problems) : the journal of the Tokyo Institute for Municipal Research, 92, 2, 31, 43, 2001
学術雑誌目次速報データベース由来, Japanese

The Jurisprudence of Communitarian Liberalism
セルズニック フィリップ, 尾崎 一郎, The Hokkaido law review, 48, 5, 1095, 1116, Jan. 1998
北海道大学法学部, Japanese

Public Relationships among Residents in Urban District (1)--Life and Self Government in Condominium House
OZAKI Ichiro, Journal of the Jurisprudence Association, 113, 9, 1324, 1384, 1996
学術雑誌目次速報データベース由来, English

Public Relationships among Residents in Urban District (3)--Life and Self Government in Condominium House
OZAKI Ichiro, Journal of the Jurisprudence Association, 113, 11, 1533, 1590, 1996
学術雑誌目次速報データベース由来, English

Public Relationships among Residents in Urban District (2)--Life and Self Government in Condominium House
OZAKI Ichiro, Journal of the Jurisprudence Association, 113, 10, 1465, 1518, 1996
学術雑誌目次速報データベース由来, English

Public Relationships among Residents in Urban District (4)--Life and Self Government in Condominium House
OZAKI Ichiro, Journal of the Jurisprudence Association, 113, 12, 1685, 1723, 1996
学術雑誌目次速報データベース由来, English

Condominium Living and Law
OZAKI Ichiro, Sociology of law, 47, 163, 167,246, 1995
学術雑誌目次速報データベース由来, English

個人化する社会と閉塞する法
尾崎 一郎
日本評論社, 27 Sep. 2023, 4535527199, 416, Japanese

相互監視と分散的制裁―情報ネットワーク社会の法意識の解明による国家法の再定位―
科学研究費助成事業
01 Apr. 2019 - 31 Mar. 2023
尾崎 一郎, 堀田 秀吾, 徐 行, 郭 薇, 山本 龍彦, 町村 泰貴, 池田 公博, 米田 雅宏
2019年6月16日に石川幹人明治大学教授をお招きしての研究会（「心の科学の学際的展開の現状と展望」）を明治大学で開催したのを皮切りに、オンライン会議室(Chatwork)を交えての意見・情報交換を継続的に行ってきた。2019年度末に新型コロナウイルスの感染拡大が始まり対面での交流がほぼ不可能になったことから、オンライン会議室でのコミュニケーション中心に移行した。2020年3月に予定していた対面での研究会合は延期し、オンライン会議室での議論を継続した上で、2020年12月20日にZOOMによる会議を行った。
これらのやり取りを通じて、ネット空間を舞台とする私人間の相互監視と分散的制裁という現代的現象について、代表的事例の質的考察と法的論点の整理を行った。理論的考察の総括として尾崎が「相互監視と分散的制裁」と題する論文を執筆したほか、デジタル社会における人権の問題（山本）や警察権（米田）に関する論考などを公刊することができた。
2019年に現地ヒアリングを行うべく中国社会科学院と連絡をとっていたところ、同時期に発生した複数の研究者の拘束事案を踏まえて、中国側の研究協力者と協議の上で訪問調査を中止し、別の調査国を選定することにした。オーストラリアと台湾を候補に挙げ、それぞれ予備的な訪問調査を2019年度末に行うべく準備していたところ、新型コロナウイルスの急速な感染拡大の深刻化と、世界的な移動の自粛および渡航制限レベルの引き上げを受けて、オーストラリアの予備調査については関係者の協力の下、オンラインでの会議とチャット・システムに切り替えて実施し所期の目的を達成することが出来た。2020年度も同様に新型コロナウイルス感染症拡大の影響による延期（2021年度への事故繰越）をせざるを得なかったため、関連文献の収集により、理論的分析と調査準備を行った。
日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 19H01403

Cultural Confrontations in Courtrooms: Linguistic Analysis
Grants-in-Aid for Scientific Research
01 Apr. 2014 - 31 Mar. 2019
OZAKI Ichiro
We carried out empirical researches on cultural confrontations in courtrooms in Japan, Taiwan, and Belgium. With the world being globalized rapidly, foreign travelers and immigrants have come to appear more frequently in a courtroom as defendants, accused or witnesses. We analyzed what cultural differences among the actors (especially legal professions and accused foreigners) impinge on the legitimacy of the judiciary and legal system as a whole.
What we found is (1) most legal professions are unconscious and insensitive about the cultural confrontations in a courtroom because they only look to legal frameworks that absorb and reduce complex matters stemming from cultural differences into the legalistic formulae, and (2) the cultural confrontations are, therefore, repressed and made invisible which contribute cyclically to the unconsciousness and insensitivity of the judiciary.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), Hokkaido University, 26285001

Conflicting Views of America in East Asia--Synthetic Study of the Cases in Japan, China, and Korea through Comparison
Grants-in-Aid for Scientific Research
01 Apr. 2014 - 31 Mar. 2018
Furuya Jun
This research project investigated the question of how differences in the understanding of America by Japan, China, and Korea have affected international relations in East Asia.
In order to promote their own national interests in every phase of their mutual conflict and cooperation East Asian countries have had to enlist or dismiss US influence. This research project revealed that the understanding of the history, society, politics, economy, and diplomacy of the United States is an essential factor in policy decisions conducted by each Asian country. The turmoil of East Asian politics since the advent of the Trump presidency is just another example of the close relation of American internal politics to East Asian international politics.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (A), Hokkai School of Commerce, 26243004

Toward a comprehensive and strategic legal framework on unoccupied houses : a comparative survey
Grants-in-Aid for Scientific Research
01 Apr. 2014 - 31 Mar. 2017
KADOMATSU Narufumi, UCHINO Miho
The unoccupied house problem is an urgent policy issue in Japan. While municipal ordinances and the Unoccupied House Law mainly aim at eliminating negative externalities to the neighborhood, a policy-oriented and strategic perspective is indispensable in order to cope with this issue.
This research project organized a group consisting of researchers of public law, private law and sociology of law. It conducted a literature survey and field survey on Germany, France and the United States on the issue and held an international symposium to make the results public.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), Kobe University, 26301008

An Interdisciplinary Study of the Origins and Development of American Conservative Regime in the Context of Globalization
Grants-in-Aid for Scientific Research
01 Apr. 2011 - 31 Mar. 2014
FURUYA Jun, KUBO Fumiaki, OTSURU KITAGAWA Chieko, NISHIZAKI Fumiko, KOHIYAMA Rui, SAKAI Keiko, MIYATA Tomoyuki, OZAKI Ichiro, ENDO Yasuo, KOHAMA Shoko
This study has aimed to analyze how the conservative political regime of modern USA has evolved in the age of globalization after the 1980s. One of its major findings is the circulation system of neoliberal generic ideas through American domestic as well as international political economy. This circulation mechanism is maintained and promoted by the so-called Washington consensus composed by federal bureaucracy, conservative congressmen, financial and business community, and some public think tanks. The Washington consensus has been the heart of the present conservative regime and has been little affected by the changes of the governing parties and presidents. This study has found that modern political conservatives no longer adhere to the traditional or particularistic values but that they rather embrace universalistic neoliberalism.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), Hokkai School of Commerce, 23310175

How Do the Lay Judges in Europe Evaluate their Jury Systems? : on Legitimacy of Citizen Participation in Judicial Procedure
Grants-in-Aid for Scientific Research
01 Apr. 2010 - 31 Mar. 2014
OZAKI Ichiro, TAKAHASHI Hiroshi, IKEDA Kimihiro, HAMANO Ryo, VANOVERBEKE Dimitri
In Western Europe, especially Belgium, we find strong abolitionist attitudes and opinions toward jury system among professional judges, attorneys, and journalists. Lay judges, on the other hand, come to hold through their experiences in court positive views on citizen participation in judicial procedure.
The ostensible conflict is consistently comprehensible with a theoretical framework that consists of distinction about legitimacy of institution between (a) primordial legitimacy conferred unconsciously by society and (b) functional legitimacy which is to be often reflected and reviewed by some professions and specialists.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), Hokkaido University, 22402010

Construction of New Paradigm of Laws and Regulations for Urban Governance in Networked Society
Grants-in-Aid for Scientific Research
01 Apr. 2009 - 31 Mar. 2014
YOSHIDA KATSUMI, WATARI Tadasu, KADOMATSU Narufumi, NODA Takashi, OKITSU Yukio, AKIYAMA Yasuhiro, NEMOTO Hisanori, OZAKI Ichiro, SAITO Tetsushi
Horizontal coordination among pluralistic actors is essential for policymaking and legislation in contemporary networked society. Urban governance therefore demands effective corporations between public and private sectors both with diverse activities. Our research sets up a new paradigm of laws and regulations based on the perspective.
The paradigm also finds Japanese society in transition from economic growth and rapid increase in urban population to economic stagnation and population decline. Theoretical and practical problems of urban law arising from the transition are explored and articulated.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (A), 21243007

Comparative Socio-Legal Study on Judicial System Reform : From the Perspective of New Institutionalism
Grants-in-Aid for Scientific Research
2007 - 2009
OZAKI Ichiro, TAKAHASHI Hiroshi, HAMANO Ryo
Contemporary Judicial System Reform in Japan may be taken as a 'punctuated equilibrium' of the System from the perspective of New Institutionalism. The perspective enables us to see other aspect of the Reform than functional activation of judiciary in the globalizing world. The historical development and punctuation of the Judiciary Institutions is also defined by the legal culture of Japan.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), Hokkaido University, 19330001

A Study on the Creole and the Agency Formation of Law
Grants-in-Aid for Scientific Research
2005 - 2009
HASEGAWA Ko, MATSUMURA Yoshiyuki, IMAI Hiromichi, SUZUKI Ken, TAGUCHI Masaki, MIZUNO Koji, SAITO Tetsushi, NAKAMURA Tamio, OZAKI Ichiro, AIZAWA Hisashi, HAYASHIDA Seimei, KUWAHARA Asako
The research objective of this project was, while grasping a chained formation of legal order in the encounter/permeation/transformation of different legal systems as which is itself subjective and incessant creation of law, to construct an integrated model of which can articulate the multi-dimensional interaction of the four dimensions in value, action, institution, and integration for the cooperative dynamics of legal problem-solution, with thereby carrying out active theoretical and experiential analyses of the various historical-institutional cases in East Asia, Western Europe, North America, and Japan which hold certain homology in terms of legal formation. After intensive research for five years, a general model of was shown as the dynamic framework of legal formation which includes on one hand the three creole processes such as legal subjectivization, legal transformation, and legal amalgamation and on the other hand the development of the human drive of interpretive agency ; based on which the change of the mode of legal creole is theoretically and experientially demonstrated as depending the variations of legal problem-contexts such as the oppression from the ruling to the ruled, the pressure from the invading to the invaded, and the flow from the influential to the influenced.
This result attains a novel dynamic viewpoint for researching the universal interactive process of different legal systems which has been neglected by existing legal scholarship ; which is to be shortly published in the book entitled as "The Interaction of Different Laws and Its Aspects". Also in the process of this research, the network of relevant scholars in Japan and other parts of the world has been created and the archive of relevant books and articles been constructed for the new world-wide research forum on the creole of law.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (S), Hokkaido University, 17103001

A General View of Contemporary Japanese Attitudes Toward the Law and the Legal System
Grants-in-Aid for Scientific Research
2003 - 2008
MATSUMURA Yoshiyuki, YOSHIDA Katsumi
本科研は、A01班の他の計画班研究者およびA02班とともに、全国規模のランダムサンプル(サンプル数12,408)の法意識調査(A02班は、紛争経験調査)を行った。この調査の結果から、法意識と紛争経験、法の主題化の関係(法利用の経験が前2者に大きく影響すること)および法意識の全体像(データとしては従前論じられてきた日本人の法意識論に近いが、その意味づけと解釈は大きく異なること)を示すことができた。
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas, 15084201

地域社会の法的秩序形成における住民団体活動の機能に関する法社会学的研究
科学研究費助成事業
2003 - 2004
尾崎 一郎
今年度は、まず司法制度改革による日本社会の法化の動向を見定めるべく、司法制度改革推進本部の行政訴訟検討会の部員に対するヒアリングによる調査検討を行った。その結果、日本社会の実質的な法化ではなく、法の道具化による表面的な法使用行動が蔓延しつつあるとの知見を得た。
この知見については、2月にカリフォルニア大学バークレー校で開催されたショウ・サトウ・シンポジウムで報告した。
さらに、このような知見を、これまで観察してきた地域社会における住民(団体)による法使用(ないし不使用)行動において改めて実証するべく、民事紛争行動調査の設計と実施(予備調査および本調査)を行い、またマンション内紛争に関するある判決について詳細な検討を行った。
紛争行動調査については、予備調査をまず行ったが、その結果、地域コミュニティ内紛争のような場合、地域の住民間ネットワーク以上に個人レベルのコスト計算や価値判断が大きく行動を左右していることがほぼ明らかになった。本調査では、さらに詳細に行動の規定要因をさぐるべく、現在調査を継続している。
マンション内紛争については2003年末に出た東京高裁判決を素材に、私権に対する団体的制約をめぐる管理組合と区分所有者の対立において、法律と規約・細則の文言が、牽強付会といえるほど強引に援用され、その結果当事者だけでなく、裁判所も、法規の内実についての実質的で微細な検討をしないまま、合目的的で大ざっぱな推論に終始していることが明らかになった。
日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 15730001

Housing Disputes and the Role of Communities : Reconsidering in terms of Property
Grants-in-Aid for Scientific Research
2002 - 2004
YOSHIDA Kunihiko, HAYAKAWA Kazuo, OZAKI Ichiro, SHIINA Ko
This research project has critically dealt with the lack of public support of housing welfare because of the alleged private character of housing property.
The examined concrete problems include : 1)the necessity of reparation after earthquakes, 2)the dramatic increase of homeless people, 3)the housing discrimination of ethnic minority groups, esp. resident-Korean, 4)normalization of people with disabilities, and 5)the survival of regional community in the era of annexation.
Through this reexamination, the important role of communities, esp. CDC (Community Development Corporation) and local governments, has been taken close-up, which will be the next topic of our research project.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), Hokkaido University, 14320014

The Creole of Culture and the Structuration of Law---the Exploration and Furtherance of "Comparative Legal Formation"---
Grants-in-Aid for Scientific Research
2002 - 2004
AIZAWA Hisashi, HASEGAWA Ko, OZAKI Ichiro, SUZUKI Ken, TAGUCHI Masaki, KUWAHARA Asako
In this research project, we tried at the first stage to search various significant materials in order to make relevant focuses on the research points for each member ; then at the second stage we tried to analyze the multi-level workings of the process of the creole of cultures and the structuration of law (We distinguished the dimensions of value, society, and institutional histories, and further did for the last dimension the Asian context, the European context, the American context, and the Japanese context.) ; and at the final stage we tried to integrate those various explorations by each member in a comprehensive scheme.
As to the dimension of value, we explicated the role of connected critic in society and its role for the process of the permeation of values, concerning the transference of values and the change of the constitutional structure of society. As to the dimension of society, we explicated the factors for the disturbing gap between legal ideas in the state and social culture, with focusing on the paradoxical process of self-absorption in the popular protest against the dominance of the "empire". As to the dimension of institutional histories, we firstly explicated for Asia the possibility of the connection between two types of legal cultures, one the culture of gradation and the other culture of discontinuity, especially through the Chinese experience ; secondly explicated for Europe the vital interests of the noble class in the process of the establishment of the Carolina Criminal Code in the 15th century Germany ; thirdly explicated for the US the significance of the consensus on the rule of law and liberty rights in the multi-religious conflict situation today ; and finally explicated for Japan the process of the interpretive adaptation of the Chinese legal system by the noble poet-lawyers in the 6th century Heian period.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), Hokkaido University, 14320001

地域社会における非定住型外国人受容をめぐる諸問題の法社会学的研究
科学研究費助成事業
2001 - 2002
尾崎 一郎
本年度は、昨年度の作業の継続として、現代日本の都市社会における地域コミュニティ秩序の変容における「差異」の位置づけの分析と、「マイノリティ」問題に象徴される現代日本社会の多様化を1つの重要な契機かつ背景画とする司法制度改革についての調査研究を行った。
前者については、本質主義と構築主義の相克、確信犯的な「本質」主義といった前年の知見について、さらに理解を深めるべく、理論的分析を中心に行った。依然結論を得るには遠い状態であるが、我々の「身体」(として認識しているもの)に係留された解釈行為としての相互認識(区別・差別)の存立こそが、差異問題の核心にあることは理解できつつある。となると、やはり問題は「身体」とはなにか、「自己」とはなにか、という哲学的問題に帰着してしまうが、そのような問題自体を正面から扱うことはせず、間接的アプローチとして、生活紛争のメカニズムの再整理および現代の社会変動におけるコミュニティ(論)の位相についての分析を行い論攷として発表した。
後者については、司法制度改革審議会の最終意見を承けて裁判所組織内で自主的に行われた裁判所の人事の在り方についての研究会のメンバーだった法学者へのヒアリングを軸に、公表資料などの幅広い検討を行った。日本社会の均質性の象徴的存在である官僚的司法組織の自己改革の動向の把握を狙ったものである。当該研究会の出した結論もさることながら、当該研究会の審議のありかた自体に「社会」を見出そうとしたが、成果の公表にはもうしばらく時間が必要である。
日本学術振興会, 若手研究(B), 北海道大学, 13720001

Ethnicity and Low System in the City : Toward a Resolution of Conflicts
Grants-in-Aid for Scientific Research
1999 - 2001
ITO Naoya, YAGUCHI Yujin, ENDO Ken, OZAKI Ichiro
Ethnicity and Minority issues have become a source of major concern in Europe and in many other regions of the rest of the world. In response to this concern, normative and legal instruments have been adopted both at the domestic and international levels to promote and protect minority rights and to resolve conflicts. Touching upon a variety of issues raised by minority and ethnicity claims, conflicts, and viewed from the perspective of the international, comparative, social law, this study addresses the general considerations while also examining concrete situations in selected area, i.e. EU, France, Belgium, Canada and the U.S.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), HOKKAIDO UNIVERSITY, 11410040

都市のエスニック・マイノリティによる法使用と法批判の研究
科学研究費助成事業
1999 - 2000
尾崎 一郎
本年度も、昨年度に引き続き、実態調査の準備のための文献資料の収集と理論的検討に専念せざるを得なかった。
昨年度すでに、都市のエスニック・マイノリティをめぐる諸問題(外国人労働者差別問題、不法滞在者の子供の教育、住居問題、ヘイトクライムなど)に関する記述的な2次文献の収集・分析を超えて、法という道具が有するアンビヴァレンス、即ち、権力を制約すると同時に再生産するという性格についての根源的な理解のための、視野を拡張した分析に重点を移していたが、今年度も法と権力の関係に広く関わる研究文献の収集、分析を重点的に行った。フェミニズムやカルチュラル・スタディーズといった関連問題領域についても依然として継続して目配りをしており、なるべくエスニック・マイノリティ問題を超えた普遍性において法の持つ権力性および権力制約性を理解することに努めている。
昨年度得た「私人間関係と法との関わり」、「言語的コミュニケーションとしての法」という視点に関して今年度特に新しく得た知見としては、私人間の法的コミュニケーションにおいて用いられる様々な正当化のリーズニングが、両当事者同士の相互表象のカテゴリーに強く束縛されていること、また、それは、双方の発話のそれぞれの自閉化、自己強化の悪循環という帰結をもたらしていることが挙げられる。
以上をふまえ、そもそも「マイノリティ」という表象自体が法にとって、また私人間関係にとって持つ意味、機能を省察する必要性に思い至ったが、その理論化の具体的成果のアウトプットについては、今しばらく時間を必要とする。
日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 11720001

CULTURAL AND EMPIRICAL STUDY IN THE USE OF LITIGATION
Grants-in-Aid for Scientific Research
1995 - 1996
ROKUMOTO Kahei, OZAKI Ichiro, OTA Shozo, KASHIWAGI Noboru
In this study, we planned a field research based on the question if the recent extraordinary increase in civil litigation rate signifies a qualitative change in the Japanese legal culture. We took the Tokyo District Court and two Summary Courts within its jurisdiction, took samples of ordinary civil litigation cases filed with those courts in the years 1990 and 1993, and examined the court records of those cases to see the nature of the disputes and the ways in which they are handled in court.
From the analysis of the very informative data thus obtained we have come to the following tentative observations.
(1)The recent radical increase in the number of Summary Court cases are accounted for mainly by debt collection cases arising out of consumer credit contracts. (2)within those cases there is an increasing shift from locally based, personal credit relations to more widely operating impersonal credit relations. (3)In Summary Court cases, not Practicing Attorneys, but specialized staff members of plaintiff credit companies dominate the proceedings. (4)Corresponding to the increase in the case loads, the increase in the weight of conciliation and withdrawal (informal settlement) is observed in Summary Courts, whereas in District Court the rate of decision for the plaintiff increases, thus suggesting a Summary Court like function of DC.(5)Finally, from the above, we can observe that the recent tendencies of litigation rate does not stem from changes in the legal culture within the everyday social relations among the citizens, and therefore, does not necessarily reflect the qualitative change of their nature or the spread of lawyers' service into this area.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for Scientific Research (B), THE UNIVERSITY OF TOKYO, 07452001

地域コミュニティにおける弁護士の役割に関する研究
科学研究費助成事業
1995 - 1995
尾崎 一郎
本研究では、地域コミュニティにおける社会秩序維持の過程において法律家たる弁護士が現に果たしている、または果たすべき役割を、まちづくりを素材にして理論化し、従来の弁護士研究に新しい資格を付け加えることを目的としている。交付申請書の「研究目的、研究方法」においては、まず、(1)内外の関連文献の収集、整理し、ついで(2)札幌市近郊及び東京都郊外の新興住宅におけるまちづくりの参与観察を行い、最後に(3)(1)(2)の結果とかねてより個人的に蓄積してきたケーススタディの知見とを総合してデータベース化、理論化を施す、と記載したが、今年度は1995年8月に東京大学で開催された国際法社会学会年次大会の準備など様々な用件のために上京を繰り返したので、その機会を活用すべく、東京近郊を対象にした(2)に特にエネルギーを注いだ。まちづくりの現場に直接赴くことこそ時間的制約からさほど出来なかったものの、現場に深く関与しているまちづくりコンサルタントへのインタビューやコンサルタントを囲んでの研究会開催などを行うことが出来、弁護士以上にまちづくりコンサルタントが地域コミュニティにおける私的・公的諸問題の解決に深くコミットしていること、弁護士はコンサルタント等中心メンバーのアレンジの下、専門的知識の提供者として補完的に機能しているにとどまること、知識提供者を超えた地域における弁護士の新しい役割が模索されるべきであること、等の知見を改めて得ることが出来たと考えている。また、(3)については本予算により購入したパソコンセットにより適宜作業を継続しており、その作業の途上において、作業結果を活用しつつ、裏面に記載した英語報告を上記国際学会において行うことが出来た。(1)については、今年度は力が及ばなかったが、次年度以降の課題としたいと考えている。
日本学術振興会, 奨励研究(A), 北海道大学, 07720001

A Basic Survey of Literature for Comparative Sociology of Law between Asian Countries and Japan.
Grants-in-Aid for Scientific Research
1993 - 1994
ROKUMOTO Kahei, OZAKI Ichiro, MATSUMURA Yoshiyuki, YAMAMOTO Ryuji, OMURA Atsushi
The purpose of this project is to make a systematic survey of literature concerning the empirical analysis of the interaction between law and society and make available a classified list of materials, in order to facilitate further research in the field of comparative sociology of law. The financial limitations imposed meant that we had to limit the scope of our survey to law and society of Japan's neibhouring Asian countries. We searched and identified the literature items, in Japanese and Western languages, relevant to the above topic using various bibliographical sources and recorded them in computor using the software called "The Card 3+ ver.5." We then developed a scheme of classification for these items and put classificatory number on each item. In this way we constructed a convenient data-base. The attached booklet shows the classified list of literature identified.
Japan Society for the Promotion of Science, Grant-in-Aid for General Scientific Research (B), The University of Tokyo, 05451094

司法関連統計のデータ・ベース構築とその国内的・国際比較的分析に関する研究
科学研究費助成事業
1991 - 1992
六本 佳平, 尾崎 一郎, 浅香 吉幹, 村山 眞維, 太田 勝造, 北村 一郎
昨年度に引続き司法統計年報のデータ入力を行った。しかし、データの量が膨大なためもあって、入力結果を利用しての分析中に種々のミスが発見され、全面的な入力再点検作業を余儀なくされたため、相当余分の時間と費用がかかってしまった。しかし、結果として、1952年から1990年にわたる民事通常、手形・小切手、行政、民事調停、督促家事調停・審判の各新受・既済事件の諸種の2次元の統計表合計4,286表(64MB)の入力およびデータ・クリーニングを完了し(刑事については、なお継続作業中)、それに、県別に人口、弁護士数、民力の経年データを加えて「司法統計データベース」とし、その詳細な「目録」を作成し、CubicCalcにより随時誰もが分析のため利用可能とすることができた。
内容面では、例えば、民事訴訟事件の終局区分における「和解」の比率が簡裁では80年初頭まで低下しその後上昇しているのに対し、地裁では70年代初頭まで急上昇し、その後も緩やかに上昇していることなど、新たな興味深い知見が数多く得られたが、その原因等の詳細な分析については、「民事訴訟・調停事件の地域特性」および「行政事件の特徴」などのモノグラフを作成中であり、本報告執筆時点では未完結である・また、司法統計年報のデータとしての性質や制約、入力・利用のノウハウについても有益な知見が得られたので、今後もこの研究をなんらかの形で継続し、当初の目的を追求したい。
結局、予算の制約およびデータ入力をめぐる(初の試みであることからくる)諸問題の発生のため、外国データ入力や統計的指標の作成など、当初の目標には及ばなかったが、上記のデータベース完成だけでも、本研究計画の大きな収穫と言えると思われる。
日本学術振興会, 一般研究(A), 東京大学, 03401011