鈴木 孝紀 (スズキ タカノリ)

理学研究院 化学部門 有機・生命化学分野教授
工学研究院教授
Last Updated :2025/11/06

■研究者基本情報

Researchmap個人ページ

研究者番号

  • 70202132

研究キーワード

  • 超分子
  • 応答性分子
  • 酸化還元系
  • エレクトロクロミズム
  • 分子素子
  • 酸化還元
  • 安定ラジカル
  • 色素
  • 有機電導体
  • 水素結合
  • 分子不斉
  • 両性多段階酸化還元
  • 光誘起電子移動
  • 動的酸化還元
  • 単一成分有機電導体
  • レドックス系
  • 開殻型分子
  • 円二色性
  • C-H--O水素結合
  • 渡環相互作用
  • シクロファン
  • 応答性
  • 電気化学
  • ホトクロミズム
  • 単一分子メモリ
  • 固相反応
  • 共有結合
  • ホストゲスト
  • 物性有機化学
  • 有機電子材料
  • 構造有機化学
  • Organic Materials Chemistry
  • Organic Reaction Chemistry
  • Structural Organic Chemistry

研究分野

  • ナノテク・材料, 構造有機化学、物理有機化学
  • ナノテク・材料, 機能物性化学
  • ナノテク・材料, 有機合成化学
  • ものづくり技術(機械・電気電子・化学工学), 電子デバイス、電子機器

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2006年04月 - 現在
    北海道大学大学院 理学研究院 化学部門 教授 (改組), Faculty of Science, Department of Chemistry
  • 2002年04月 - 2006年03月
    北海道大学大学院理学研究科化学専攻 教授
  • 1995年01月 - 2002年03月
    北海道大学理学部化学第二学科 助教授, School of Science
  • 1989年04月 - 1994年12月
    東北大学 理学部 化学科 助手, Faculty of Science, Department of Chemistry
  • 1988年04月 - 1989年03月
    JSPS PD (東北大学理学部化学科)

学歴

  • 1986年04月 - 1988年04月, 東北大学大学院理学研究科化学専攻博士後期課程(短縮修了)
  • 1984年04月 - 1986年03月, 東北大学, 理学研究科, 化学専攻博士課程前期, 日本国
  • 1980年04月 - 1984年03月, 東北大学, 理学部, 化学第二学科, 日本国

委員歴

  • 2011年04月 - 現在
    有機π電子系学会, 幹事, 学協会
  • 2010年09月 - 現在
    基礎有機化学会, 理事, 学協会
  • 2024年09月 - 2024年09月
    第34回基礎有機化学討論会, 実行委員長
  • 2022年09月 - 2024年08月
    基礎有機化学会 会長
  • 2019年08月 - 2024年08月
    International Symposium on Novel Aromatic Compounds (ISNA) International Advisory Board 国際諮問委員会 会長
  • 2019年07月 - 2019年07月
    第18回新芳香族化学国際会議 組織委員長, 学協会
  • 2007年10月 - 2007年10月
    第37回構造有機化学討論会 実行委員長, 学協会

■研究活動情報

受賞

  • 2019年03月, 日本化学会学術賞               
    鈴木 孝紀
  • 2004年09月, 第一回野副鉄男教授記念奨励賞               
    鈴木 孝紀
  • 1996年03月, 日本化学会進歩賞               
    鈴木 孝紀

論文

その他活動・業績

講演・口頭発表等

  • 動的酸化還元系の化学 (特別講演)               
    鈴木孝紀
    第32回基礎有機化学討論会, 2022年09月20日, 日本語, 口頭発表(基調)
    2022年09月20日 - 2022年09月22日, [招待講演]
  • Hexaarylbutadienes Exhibiting NIR-electrochromism for the Development of H2S-Bioimaging and Photodynamic Therapy               
    Takanori Suzuki
    19th International Symposnium on Novel Aromatic Compounds, 2022年07月06日, 英語, 口頭発表(招待・特別)
    2022年07月03日 - 2022年07月08日, [招待講演]
  • Studies on Dynamic Redox Systems: Construction of Record-breaking Strained Compounds and Development of Unimolecular Memory               
    鈴木 孝紀
    The 99th CSJ Annual Meeting, Award Lecutre,, 2019年03月18日, 英語
  • 超結合:共有結合の限界を超えた化学               
    鈴木 孝紀
    日本化学会第99春季年会特別企画, 2019年03月16日, 日本語

所属学協会

  • 基礎有機化学会               
  • 日本化学会               
  • 有機合成化学協会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 含硫黄複素環類の近赤外エレクトロクロミズム:カルコゲン結合とバイオイメージング
    科学研究費助成事業
    2025年04月 - 2028年03月
    鈴木 孝紀
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 25K08604
  • 有機エレクトロクロミック物質の新展開:近赤外光スイッチによるバイオイメージング
    科学研究費助成事業
    2020年04月01日 - 2025年03月31日
    鈴木 孝紀, 石垣 侑祐
    生体内での硫化水素の局在と濃度を非侵襲的かつリアルタイムでイメージングする方法の開発は、病理学/医学の分野へと応用の期待される新技術となる。応募者らはこれまで、電位の入力によって近赤外(NIR)光領域の非常に大きな吸収体のON/OFFが可能な有機エレクトロクロミック物質を利用し、肝炎や癌などの様々な疾患との関わりの深い硫化水素をイメージングできる方法論の開発を行ってきた。今年度は、硫化水素はガス療法に有望であることが示されている点に注目し、硫化水素が腫瘍微小環境に影響を及ぼして強力な抗腫瘍免疫を誘導できるかどうかについては、依然として議論の余地があった。そこで本研究では、腫瘍を標的とし、腫瘍微小環境に応答性を示す新たな脂質ナノ粒子を開発した。これは、腫瘍組織特異的に硫化水素をデリバリーして組織内で放出することができる機能を持ち、光力学免疫療法も可能である。
    新規ナノ粒子は、酸性の腫瘍微小環境中で pHに応じた硫化水素の一気放出を可能にし、粒子中の有機エレクトロクロミック材料を即座に還元する。その結果、近赤外蛍光と光線力学療法の活性が出現する。さらに、高レベル濃度の硫化水素が腫瘍間質液圧の低下、血管新生の促進、血管透過性の増加、低酸素症の改善、免疫抑制状態の軽減によって腫瘍微小環境中を再構築できることを見出したが、それにより、ナノ粒子の腫瘍取り込みが増加して光線力学療法の有効性が高まることで、808 nm レーザー照射中によって、細胞死が誘発された。新規ナノ粒子は硫化水素ガスと光線力学療法の相乗効果を可能にし、乳がん腫瘍を効果的に根絶することで、腫瘍の転移と再発を予防できることが明らかとなった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 23K20275
  • 有機エレクトロクロミック物質の新展開:近赤外光スイッチによるバイオイメージング
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2020年04月01日 - 2025年03月31日
    鈴木 孝紀, 石垣 侑祐
    研究計画に沿った研究実験を実施し、その実績について、”Generation of hydroxyl radical-activatable ratiometric near-infrared bimodal probes for early monitoring of tumor response to therapy.”L. Wu, Y. Ishigaki, W. Zeng, T. Harimoto, B. Yin, Y. Chen, S. Liao, Y. Liu, Y. Sun, X. Zhang, Y. Liu, Y. Liang, P. Sun, T. Suzuki, G. Song, Q. Fan, D. Ye, Nat. Commun. 2021, 12, 6145. [DOI: 10.1038/s41467-021-26380-y (open access)]の論文にて発表した。


    上記論文では、生体内のヒドロキシラジカルを選択的に検知してイメージングを行う方法を開拓したものであり、ヘキサアリールブタジエン骨格に、適切なアルキル基の置換したアミノ基を導入した化合物が有効であった。またNIR蛍光によるイメージングに、NIR吸収に由来する光音響分光スペクトルを併用することで、定量性の高い手法として確立できた点は特筆に値する。


    一方、物質開発については、ヘキサアリールブタジエンの基本骨格を持ちながらも、酸化還元に際して分子内に反芳香族性骨格であるチエピン、オキセピン骨格が生じることで、よりNIRの長波長部分に吸収をもつ化合物群についての検討を中心に進める計画であった。当該物質の合成には成功しており、今後そのスペクトル特性とイメージング法への応用へ進む段階である。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 20H02719
  • 電位入力型ON/OFF機能の付与された双安定性分子ジャンクションの創成
    科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    2020年07月30日 - 2023年03月31日
    鈴木 孝紀
    「電位入力型ON/OFF機能の付与された双安定性分子ジャンクションの創成」に関する本研究課題では、分子薄膜の両面に電極が接合された分子ジャンクションについて、エレクトロニクスの高速化とダウンサイジングに不可欠な将来的技術であることを鑑み、薄膜を構成する分子の導電性が外部刺激によって変化する設計のもとで、分子ジャンクションにON/OFF機能を付与する挑戦的内容である。国立シンガポール大学C.A.Nijhuis教授との国際共同研究として実施する。電極接合については、Nijhuis教授らが持つ共融ガリウム-インジウム電極の蒸着技術を用い、Au/分子薄膜//GaOx/EGaIn型のデバイスを構築する。
    初年度は、中性分子の酸化電位と新たなC-C結合が形成されることによる二価陽イオン種還元電位に1Vもの差を伴う電気化学的双安定性をもった系として、ビフェニル(BP)とジヒドロフェナントレン(DHP)骨格の変換する動的酸化還元対をモチーフとした分子の合成をおこなった。最終的に、酸化還元部位に対して、金表面に結合可能な2つのジスルフィド部位を有する一連の化合物群を合成した。酸化還元骨格上に導入する置換基によって、動作電位が変化させられることをサイクリックポルタンメトリーで確認した。具体的には、同じアミン系置換基であっても、ピロリジノ基、ジメチルアミノ基、モルホリノ基では、0.3Vの変化を観測した。その際、以前に検討したプロトタイプでの問題点であった、遅い結合切断の過程による、変換速度の問題を克服する点を解決できたことも確認した。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 20K21184
  • ドナーアクセプター連結型中分子による生物機能/光機能分子創出               
    科学研究費補助金(新学術領域(研究領域提案型))
    2018年04月 - 2020年03月
    鈴木 孝紀
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • 安定な1,4-ジイルジカチオンの発生/消失に伴うモノマー/ポリマースイッチング               
    科学研究費補助金(競争的萌芽研究)
    2016年04月 - 2019年03月
    鈴木 孝紀
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • 単一有機分子nビットメモリ及び抵抗可変型分子ワイヤの提案とそのプロトタイプの創成
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2015年 - 2019年
    鈴木 孝紀
    中性の電子供与体とカチオン種の相互変換に際してC-C結合の可逆な形成/切断や非常に大きな分子構造変化の起こるdyrex系は、従前の酸化還元系と比べて、開殻中間体の定常濃度が低いこと、及び、酸化電位と還元電位の差異が大きく電気化学的双安定性を有すること、という2つの特徴を持つ。これらは電子授受前後の大きな構造変化に基づく特性であり、個々の分子が1ビットを担う単一分子メモリとなり得る。本研究では、dyrex系を共役鎖でπ拡張した分子が、電子授受で共役のON/OFFスイッチングな”可変抵抗型分子ワイヤ”や”nビットメモリ”となり得ることを、そのプロトタイプの構築と特性調査から明らかにした。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 15H03790
  • マルチレドックスサイト型オリゴマー中分子による生物機能分子創出               
    科学研究費補助金(新学術領域(研究領域提案型))
    2016年04月 - 2018年03月
    鈴木 孝紀
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • イミン架橋制御により動的挙動と動的平衡を制御するダイナミック分子システムの開発
    科学研究費助成事業
    2012年04月01日 - 2015年03月31日
    河合 英敏, 鈴木 孝紀
    本研究では“イミン架橋制御に基づく構造と運動性の制御”や“非線形的応答を示すアロステリック会合能”を、様々な分子モチーフに適用することによる新たな動的構造制御システム構築を目的とし、①アロステリック会合型超分子ポリマーにおける重合度保持効果、②アロステリック会合能とイミン結合形成を組み合わせた3成分系超分子ポリマーの構築、③分子ギア型アロステリックレセプターの開発、④複数の安定状態を制御できるイミン架橋型ロタキサンの開発、⑤分子ジャイロを指向した籠型分子の構築、⑥アトロプ異性とイミン結合形成、分子認識能を組み合わせることによる分子メモリーを有するマクロサイクルの開発を行った。
    日本学術振興会, 若手研究(A), 東京理科大学, 24685008
  • 超分子ロッド:MFMS概念に基づく分子設計の検証
    科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)
    2013年 - 2014年
    鈴木 孝紀
    本申請中でのもっとも重要な命題(MFMS)Maximum Function on Minimum Skeleton(MFMS)は、「如何にして単純な骨格に多用な機能を盛り込むか」であり、今年度は、熱・光・電場などの外部刺激に対してその物性値を可逆的に変化させる応答性分子に注目した。C9,C10位にジ(スピロアクリダン)骨格の置換したジヒドロフェナントレン誘導体1aはヘキサフェニルエタンと類似した部分構造を持ち、電気化学的入力に対してC9-C10『エタン結合』の切断による安定なジカチオン2a2+の生成を伴いながら、UV-Visおよび蛍光スペクトルの変化する多重出力エレクトロクロミズム応答を示す。1a及び2a2+はいずれもヘリシティ、軸不斉といった不斉要素を持つが、室温でもその立体配置は容易に反転する。一方、適切な分子設計を行い1a及び2a2+の立体反転を抑制すれば、ジヒドロフェナントレン誘導体キラルカラムを用いた光学分割が可能であり、また、立体配置を保ったまま対応するジカチオンと相互変換できると考えた。実際にC4,C5位にメチル基を導入した1bやジベンゾ縮環体1cを新たに合成して検討を進めたところ、、1b,cや2b,c2+の立体配置は安定であり、ねじれたπ系を有する光学活性な酸化還元対が非常に大きな円二色性(CD)を示すため、1b,c/2b,c2+の電気化学的相互変換では、これまでの応答に加えCDを更なる出力とした多重出力応答挙動を示すことが明らかとなった。これは、既存の骨格にごく小さな構造的摂動を加えることで、新たな機能を付与できたこと示す例であり、MFMSの遂行が成功したことを意味する。
    文部科学省, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 25620050
  • 新しい水素結合ネットワーク素材としての縮環マロナミド:次元制御構造構築とその応用
    科学研究費助成事業
    2011年 - 2013年
    河合 英敏, 鈴木 孝紀
    本研究では、非常に単純な化合物であるインダンジカルボキサミド誘導体が水素結合形成により強固な2次元シート構造へと集合することを利用し、その構造修飾により多様な構造の次元制御とその応用を目的として研究を行った。種々の置換様式からなる縮環マロナミドはいずれも高い信頼性で2次元シート構造へと集合し、縮環構造の幅の広さに応じシート間の重なり方が制御可能であることを明らかにした。また、両端に縮環マロナミド構造をもつ誘導体では、内部に溶媒分子を取り込んだ3次元格子構造を形成すること、さらに嵩高いトリプチセン骨格を縮環した誘導体では、シートがまるまることで1次元チューブ構造を形成することを明らかにした。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 東京理科大学, 23655024
  • 集合化を特徴とする動的酸化還元系分子の集積合成:次元的秩序性の外部刺激制御
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2009年 - 2013年
    鈴木 孝紀
    外部刺激に対してその物性値を可逆的に変化させる応答性分子は、将来的に分子素子への展開が期待されるほか、表示材料やメモリーとしての応用が可能である。電気化学的な入力に対して色調を変化させるエレクロトクロミズム系はその代表例であり、可逆な酸化還元反応を行う物質群がその役割を担う。電子授受に際して可逆なC-C 結合の形成/切断を伴う動的酸化還元系は電気化学的双安定性を特徴とし、その機能開発に際して優位性を持つ。本研究では、[1] 集積合成法を駆使して初めて入手可能となった新規物質について、[2]新規に開発された集積合成法により入手可能となった様々な新規物質について、その特異な機能開発研究を実施した
    文部科学省, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21106012
  • 世界記録に挑戦する化合物:最長の炭素-炭素結合と超原子価
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2009年 - 2011年
    鈴木 孝紀, 藤原 憲秀, 河合 英敏
    代表者らは、ヘキサフェニルエタン型分子に関するこれまで10年間の結果をもとに考察を行い、その結合の解裂で生じるジラジカル状態が立体的に近接位に強制されたままであり、且つ、共鳴やペリ環状反応によって閉殻構造に変換されないという条件を満たせば、これまでの常識を超える極度に長い結合を観測できると考えた。この予想をもとにテトラアリールピラセン型分子をモチーフとした研究を行い、中性有機分子での世界最長結合[1.791(3)Å]の観測、及び、長い結合ほど更に結合長が変化し易いという「伸長性」を発見した。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21350022
  • 動的シクロファン:新しい分子応答系の提案
    科学研究費補助金(萌芽研究)
    2005年 - 2007年
    鈴木 孝紀, 藤原 憲秀, 河合 英敏
    申請者は本課題の中で「動的シクロファン」という概念を提案した。これは、外部刺激によってシクロファンの持つ歪みや骨格構造に摂動を与え、それに付随する渡環相互作用の変化やシクロファンに特徴的な物性値変化を応答出力として取り出すというユニークな試みである。これまでテレフタルアミドの様々誘導体へのp-キシリレンジアンモニウム型ゲストの添加による「超分子シクロファン」の検討を行っている。例えば、応答型レセプター機能を持つシクロファンについての検討を行い、分子内に2つのテレフタルアミド骨格を持ち、,これらが二組の1,4-ビス(フェニルエチニル)ベンゼン発色団で架橋された大環状シクロファンについては、不斉なゲストを錯形成させた時、ゲストのエナンチオマーの一方はねじれ構造への変形を引き起こすが、その鏡像体との錯形成ではホストは長方形の構造のままで変形が誘起されないという興味深い結果が得られている。これらは、円二色性(CD)出力を合わせ持つシグナリングホストとなることものである。上記の成果に基づき今年度は、6置換ベンゼンとなる2,3,5,6-テトラアリールテレフタルアミドをモチーフとして、これらが1)非会合状態ではアミドがアンチ配座となり6つの置換基は非プロペラ配置をとる、2)ジアンモニウムが会合して超分子シクロファンとなると、シン配座になったアミド基のdirecting効果により、プロペラ配座に変化する、3)点不斉の情報がプロペラ構造の動的なヘリシティに効果的に転写されることで動的応答挙動が付与される、という分子プロペラの系を確立に成功した(投稿中)
    文部科学省, 萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 17655012
  • 集積型酸化還元系が発現する複合機能の探求と単一分子メモリへの展開
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2003年 - 2005年
    鈴木 孝紀, 藤原 憲秀
    代表者は、電子移動と結合の組み替えがカップルした「動的酸化還元挙動」に着目し、この独自の概念に基づく分子応答系の構築を行った。本課題の直接的な目的は、応答系を分子素子へと展開しようとする際の新しいパラダイムの創出することであり、その具体的内容は以下の3つである。それらは(1)「動的」挙動を示す電場応答性分子を二次元に集積し、超高密度記録材料を構築するという「単一分子メモリ」の概念を提案し、そのプロトタイプを提示すること;(2)分子集積化に利用できる「新規な超分子リンカー」を探求し、それを基板表面修飾法として利用すること;(3)電子移動とカップルした結合の組み替えが、凝縮相全体の相転移を誘起する「動的液晶相」の創成を行うこと。期間内に、(1)については、ジスルフィドやエチニル基に代表される表面修飾能を持った分子の合成に成功するとともに、多重出力および多重入力型応答機能の実現に成功した。(2)については、ポリエーテル骨格の集合能に着目し、海産天然物にも見られる梯子型ポリエーテルの収束的合成法の開発とその方法論の有効性を示した。いくつかの部分骨格についてはX線構造解析を行い、CH--O水素結合による集合化を確認した。(3)については、パイ骨格の遠隔位に2つのジアリールエテニル基を導入した一連の電子供与性化合物の合成を行い、酸化還元によって可逆なモノマー-オリゴマー変換の起こる系を実現した。分子に長鎖アルキル基を持つアミノフェニル基へと置換することで、ゲル相も現れることから、バルク凝縮相のマクロな挙動を酸化還元によって制御できる系へ発展できることを示した。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 15350019
  • 不斉表面の電気化学的応答とその機能
    科学研究費補助金(萌芽研究)
    2002年 - 2004年
    鈴木 孝紀
    本研究課題の目的は、1)不斉要素を有する有機酸化還元系の構築とその応答機能を開発し、2)それらを表面へと固定できる方法論を応用して表面物性としての機能を引き出すことにある。本年度はそれぞれ、1)テトラヒドロフェナントラアゼピン骨格を有する系の開発、2)表面修飾に利用できるアンカー置換基を有する酸化還元系の開発について検討を行った。a)アゼピン骨格を有するキラルな酸化還元系:不斉要素を有する有機酸化還元系は、電気化学的入力に対して電子スペクトル及び円二色性(CD)スペクトルの双方の出力を与える多重出力型分子応答系となる。大きなCD出力を得るためには、エキシトンカップリングの利用できる軸不斉またはらせん状化合物が望ましい。表題骨格のヘリシティは容易に反転するが、N上にキラルなベンジルアミノ基を導入することで一方のジアステレオマーを優先させることに成功した。これにより、煩雑な光学分割を行わずに感度良くエレクトロキロオプティカル出力が得られる系の構築が可能となった。b)末端アセチレンおよびジスルフィド官能基をする酸化還元系:表面での自己組織化膜の形成を行うためには、表面修飾に利用できるアンカー置換基が導入された機能性酸化還元系を合成する必要がある。これまで動的酸化還元活性が確認されたジスピロジヒドロフェナントレン骨格を有する3種の酸化還元対の、a)ベイ領域へのエチニル基に導入、b)スピロ環上へのプロパルギル基の導入、c)ベイ領域へのジスルフィド官能基の導入された化合物の合成に成功した。前2者は水素終端シリコン表面への固定に、後者は金表面への固定に利用できる官能基を有するものであり、現在膜の調製の検討を行っている。
    文部科学省, 萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 14654139
  • 新しい分子応答系:エレクトロキロオプティクス
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2001年 - 2002年
    鈴木 孝紀, 辻 孝
    多重出力型分子応答系の構築を目指した本研究課題の目的は、電気化学的入力に対して、UV-Vis及びCD(円2色性)という2つのスペクトル出力が得られるエレクトロキロオプティカル(ECO)応答系の構築である。この研究を通じて、単に例の少ない応答系の成功例を増やすばかりではなく、どのような酸化還元対が有効なECO系になり得るのかという分子設計指針が得られたものと確信する。ECO系構築における問題点の1つは、他の応答系の場合と同様、如何にして双安定性を獲得するかという点である。これについては、代表者のこれまでの成果をもとに、「動的酸化還元挙動」を利用すること容易にクリアすることができた。一方、ECO系に特有の問題点としては、如何にして大きなキロオプティカル出力を発生させるかという点がある。即ち、通常の酸化還元対にキラルな置換基を結合させるだけでは、有効なECO系は構築不可能なのである。ここではヘリカルな構造を有するπ電子系を利用すること、また、同一のクロモフォアを2つ組み込み、その間でエキシトンカップリングを起こさせること、という手法を採用することで、非常に大きなCD出力を得ることに成功している。更に、UV-Vis及びCD出力の検出が長波長領域でも可能な化合物の探求、並びに、ECO以外の多重出力型応答系の構築へも研究を展開することができた。後者に関しては特に、高感度検出の可能な蛍光スペクトル出力型分子を合成することで、電気化学的入力に対し、UV-Vis及び蛍光を出力とする、エレクトロフルオリック応答系の構築に成功した。この結果を基に、UV-Vis、CD、蛍光という3つの出力を与える応答系への道も開かれた。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 13440184
  • 特異なスピン共役系の関係と展開
    科学研究費助成事業
    1998年 - 2000年
    小林 啓二, 石黒 勝也, 井上 克己, 岡田 恵次, 阿波賀 邦夫, 鈴木 孝紀, 富岡 秀雄
    主な研究実績は以下の三つに大別することができる。
    新しい安定スピン共役電子系の開発:立体保護により、半減期が室温で10分近くに及ぶ非常に安定な三重項カルベンを開発した。安定なラジカル種により構成される単一成分分子性金属が見い出された。また、キラルな構造を有する不斉ラジカル種の開発に成功し、不斉分子磁石の構築への指針が提示された。
    集合体としてのスピン共役電子系の設計と性質:窒素二座型配位子を中心に、スピン共役電子系を配位子とする自己集積型金属錯体による高スピン種の開発が行われ、配位子におけるスピン伝達の様式が解析できた。また、室温をまたいで磁気的双安定性を示すラジカル集合体結晶が発見され、室温での磁気的性質のスイッチング現象を実現させた。
    外部応答を示す動的なスピン共役電子系の研究:プロトン濃度に依存して双極イオン構造とビラジカル構造との平衡が成立する分子開発した。酸性度を磁性をプローブとして計測する方法論の基礎が検討された。電気化学的反応系でも、このようなイオン反応が絡む電子構造スイッチング反応が見い出された。電荷移動を固体摩砕により誘起できることが分かった。固相中に開殻分子種を発生させる手法へと展開が計られ、さらに固相反応の触媒的役割が明らかになった。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 東京大学, 10146101
  • 多点相互作用反応・場として機能する新規環状構造の開発
    科学研究費助成事業
    1999年 - 1999年
    辻 孝, 大北 雅一, 鈴木 孝紀
    分子認識や自己認識化には、当該分子が分子形状を維持する剛直性と状況に適応し得る柔軟性を併せ備えていることが求められる。本研究では、5員環部が還元されたインダセンがそのような特性を備え、適切に異なる官能基によって構造修飾することにより、三次元的な相互作用を制御できる点に着目した。
    1.インダセン骨格を利用した新規ホスト化合物の合成 5員環はenvelop型配座をとっており、(Z)-置換体では嵩高さの小さな基はaxial位をとってπ-πstacking構造の錯体を形成するのに適した約7.0Aの距離をおいてほぼ平行に配列される。(Z)-置換誘導体の結晶構造解析は、計算による予測を裏付けた。また、2分子が歯車のように互いに噛み合った興味深い結晶構造を明らかにした。若干の置換アリールエチニル体を合成し、そのホスト分子としての機能に検討を加えた。その結果、CT吸収強度に(Z)-体と(E)-体では約9倍の差が認められ、(Z)-体とのより強い錯体形成が認められた。
    対応する(E)-置換体では、より嵩高い置換基がequatorial配座をとって逆方向に配列される。4-ピリジル/メトキシカルボニル置換体のX線構造解析は、このことを実証した。共有結合あるいは金属への配列を利用して大環状構造を構築すれば、官能基を大環状構造の環内方向に配列させることができる。大環状の構築とその基質の取り組みの選択性と触媒機能を継続課題として解明する計画である。
    2.官能基化したパラフェニレン/エチニレン型マクロサイクルの合成 先に合成を報告したジクロロDewarベンゼンが、官能基化したメタおよびパラフェニレン構造をその折れ曲がり構造を利用して大環状構造に組み込むための合成素子として有用であることを見い出した。1, 2-ジエチニルベンセンとの交互(2:2)環化カップリング、および1,3-ジエチニルベンゼン等価体との(2:4)環化カップリング、保護基の交換、光芳香環化によって官能基化したパラフェニレン/エチニレン型マクロサイクルが得られた。それらのキラル性、空孔への基質特異的取り組みと官能基による活性化は今後の検討課題である。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 北海道大学, 11119201
  • 包接・自己集合・自己組織化能を有する新規環状構造の構築と機能開発
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1999年
    辻 孝, 大北 雅一, 今井 敏郎, 鈴木 孝紀
    本研究では、高度かつ組織的に官能基化された篭形およびチャンネル形成能をもつ大環状化合物を合成し、新規な多点相互作用反応場としての機能を開発することを目指した。
    1.インダセン骨格を利用した新規ホスト化合物の合成
    (a)π-π stackingに適合した鋏形構造の合成と分子認識 剛直な芳香環と柔軟性をもつ5員環から構成されたインダセン骨格Iは適度な自由度をもつと共に、芳香環および両端の5員環を適切にそれぞれ異なる官能基によって構造修飾することにより、三次元的相互作用を制御できると考えられる。Iの5員環はenvelope形配座をとっており、(Z)-置換体IIでは嵩高さの小さな基はaxial位をとってπ-πstacking構造の錯体を形成するのに適した約7.0Aの距離をおいてほぼ平行に配列されることを見い出した。また、2分子が歯車のように互いに噛み合った興味深い結晶構造を明らかにした。置換アリールエチニル体のホスト分子としての機能に検討を加えた。その結果、(Z)-体がより強い錯体形成能を示すことが示唆された。
    (b)多官能基化した空孔をもつ環状構造の構築 アリール基を導入するとequatorial配座優先性は高く、COOR基やCH_2OH基は分子平面に対しほぼ垂直のaxial配座をとることを見い出した。共有結合あるいは金属への配位を利用して大環状構造を構築すれば、それらの基を大環状構造の環内方向に配向させることができる。大環状の構築とその基質取り込みの選択性と触媒機能を、継続課題として解明する計画である。
    2.官能基化したパラフェニレン基を組み込んだマクロサイクルの合成
    規制された配置をとって官能基化された剛直な大環状構造は、分子認識による錯形成や自己会合による組織体形成等の観点から注目されている。先に比較的容易に合成できることを報告したジクロロDewarベンゼンは、官能基化したメタおよびパラフェニレン構造をその折れ曲がり構造を利用して大環状構造に組み込むための合成素子として有用である。1,2-ジエチニルベンゼンとの交互(2:2)環化カップリング、および、1,3-ジエチニルベンゼン等価体との(2:4)環化カップリング、保護基の交換、光芳香環化によってパラフェニレン/エチニレン型マクロサイクルを得た。他の方法では困難な官能基化したメタおよびパラフェニレン基を組み込んだマクロサイクルの合成が可能と考えられる。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 10440182
  • インダン骨格を利用した超分子形成能を有する基質設計を機能開発
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1998年
    辻 孝, 大北 雅一, 今井 敏郎, 鈴木 孝紀
    ベンゼン環の両側に飽和5員環が縮環したヘキサヒドロインダセン骨格では、両末端の5員環上の置換基とベンゼン環上の置換基が直交した配向をとることを特徴とする。その結果、それらの置換基を操作することによりx,y,z3軸方向での分子間相互作用を制御できる。本研究では、5員環およびベンゼン環上に水素結合能や金属配位能を有する置換基を導入したインダセン誘導体と、その骨格を複数個環状に結合したマクロサイクルを設計し、その合成と超分子形成能に検討をくわえた。
    1. 官能基化したヘキサヒドロインダセン誘導体の合成に関する報告は少ない。そこで、ベンゼン環上に官能基変換が可能なメトキシ基、また、5員環にカルボニル、カルボキシル基等を導入した誘導体の合成法の開発を行い、それらの誘導体合成への道を開いた。
    2. ベンゼン環に縮環した5員環は、カルボニル基や二重結合の導入によりベンゼン環と共平面に固定されるが、飽和の場合には比較的大きな配座自由度をもつ。その特性を利用した超分子形成能を有する基質の設計と官能基による構造修飾の可能性に検討を加えた。
    3. ヒドリンダセンの2つの5員環にsyn/anti面選択的に置換基を導入することは困難であるが、環状ケトアミドでの容易なエピマー化能を利用し、基質のsyn/anti立体化学に拘わらず、syn体を経由してアミド基間の水素結合によって大環状構造へと自己組織化三量化する基質の設計と開発を行った。
    日本学術振興会, 萌芽的研究, 北海道大学, 10874104
  • 多年相互作用反応場開発を指向した新規環状構造の構築と機能
    科学研究費助成事業
    1998年 - 1998年
    辻 孝, 大北 雅一, 今井 敏郎, 鈴木 孝紀
    適切な官能基の導入によって、x,y,z座標軸方向での相互作用の制御が可能なヘキサヒドロインダセン(ヒドリンダセン)骨格を主要構成単位とする大環状構造の構築と、その多点相互作用による基質特異的ゲスト分子の取り込み、さらに、立体選択的反応場としての機能開発を目指した研究をおこなった。
    1.電子供与性基を置換したヒドリンダセン骨格と、環内部への水素結合受容体の取り込みを目指した水素結合供与(アミド)基から成るマクロサイクルの設計と合成をおこなった。π-π stackingの効果と水素結合によってジニトロベンゼン、ジシアノベンゼン等との基質特異的ホスト-ゲスト錯体形成を狙ったものである。錯体形成は吸収スペクトルの変化によって検知できると考えており、上記の化合物に対する特異的センサーとして、また、反応場としての機能をさらに明かにしてゆく予定である。
    2.ヒドリンダセン骨格とジエチニルベンゼンを交互に繋ぎ、大きな空孔をもつ環状構造の構築を進めた。ベンゼン環上の置換基は配座間の相互変換によってその位置関係が大きく変化し、置換基との相互作用による基質の取り込みと排出に際して機能すると考えられる。これらの結果に基いてさらに、ヒドリンダセンのベンゼン環上への水素結合能や金属配位能を有する置換基の導入とそれらの基を利用したチャンネル構造の形成、官能基化された開閉機能を備えた側鎖の導入による篭形構造の構築と多点相互作用によって基質を構造特異的に活性化する反応場の形成に検討を加える予定である。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 北海道大学, 10132201
  • インダセン骨格によって構成された包接、自己集合能を有する基質の設計・開発研究
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1997年
    辻 孝, 大北 雅一, 今井 敏郎, 鈴木 孝紀
    ベンゼン環の両側に飽和5員環が縮環したヘキサヒドロインダセン骨格は、両末端の5員環上の置換基が環骨格にたいして直交した方向の、一方、ベンゼン環上の置換基は5員環上の置換基に対して垂直方向の配向をとることを特徴とする。5員環およびベンゼン環に水素結合能や金属配位能を有する置換基を導入したインダセン誘導体と、その骨格を複数個環状に結合したマクロサイクルの設計と合成に検討を加えた。
    1.官能基化したヘキサヒドロインダセン誘導体の合成に関する報告は少ない。そこで、ベンゼン環上に官能基変換が可能なメトキシ基、また、5員環にカルボニル、カルボキシル基等を導入した誘導体の合成法の開発を行い、それらの誘導体合成への道を開いた。
    2.ヘキサヒドロインダセン骨格を5員環末端位で二量化し、二重結合の導入、シクロプロパン化によってシクロプロパン環を介したスピロ結合によってインダセン骨格を結び付けた構造を合成した。2つのインダセン骨格が互いに約120℃の角度をなして折れ曲がった構造をしており、今後のマクロサイクル合成の基本となるものである。
    3.ベンゼン環に縮環した飽和5員環の比較的大きな自由度や、環状ケトエステルでの容易なエピマ-化能を利用した分子識別能や自己組織化能をもつヘキサヒドロインダセン誘導体を本研究過程で新たに着想し、その合成研究を進めた。X線構造解析の結果、飽和5員環の両末端位置の置換基がインダセン骨格に対してほぼ垂直の配座を優先することが明らかとなったが、この特徴を今後の分子間会合研究に取り入れ、生かすことを計画している。
    日本学術振興会, 萌芽的研究, 北海道大学, 09874120
  • 〔1.1〕パラシクロファンの動力学的安定化とその化学特性研究
    科学研究費助成事業
    1996年 - 1997年
    辻 孝, 大北 雅一, 今井 敏郎, 鈴木 孝紀
    1.速度論的に安定化された[1.1]パラシクロファンの単離とX線構造解析。 我々が1993年にその合成を初めて報告した[1.1]パラシクロファンとその若干の置換体は、いずれも溶液中-20°C以下でのみ安定に存在し得る化合物であった。本研究において、そのベンゼン環上に-CH_2Si(CH_3)_3,-CON(CH_3)_2基を導入することによって著しく安定化されることを見い出し、単結晶として単離することに成功した。そのX線構造解析は、既存化合物中では最高度に変形したベンゼン環の存在を明らかにした。また、著しい変形にもかかわらず、理論計算から予測されたようにベンゼン環に検知し得るほどの結合交替はなく、良好な芳香族性の維持が示唆された。
    2.速度論的に安定化された新規[1.1]パラシクロファンおよび[1.1]ナフタレノファンの合成研究。[4]パラシクロファン系における研究成果に基き、新たにメチレン側鎖上にアルキリデンを導入した[1.1]パラシクロファン誘導体、および、ベンゾ縮環を導入して共役系の拡張と速度論的安定化を兼ね備えた[1.1]ナフタレノファン誘導体の合成を進めた。これらの化合物では、[1.1]パラシクロファンの2つのベンゼン環上に電子的性質を異にする置換基の導入が可能であり、[1.1]パラシクロファンの特徴である強制された渡環相互作用による特性の発現が期待される。
    3.[1.1]パラシクロファンの酸化還元挙動の解析。 理論計算は、[1.1]パラシクロファンのジカチオン種では2つのベンゼン環の面間隔の著しい減少と2つのベンゼン環に渡る電子の非局在化による新規な芳香族性の発現を示唆した。しかし、Et,CON(CH_3)_2基を置換した誘導体についてのCV測定では、安定なカチオンラジカル、ジカチオン種の生成は見い出せなかった。速度論的安定化が不十分なためと考えられ、上記(2)の化合物の合成を待ってさらに検討を進める。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 08454192
  • 結晶状態での光誘起電子移動を利用した酸化還元型ホトクロミズム系の構築
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    1996年 - 1997年
    鈴木 孝紀
    本研究は、電子供与体と受容体の二成分からなる電荷移動錯体をモチーフとして、酸化還元型の新しいホトクロミズム系を提案しそれを実現することを目的としている。このような系を実現する為には、一方の成分が動的酸化還元挙動を示すもの、即ち、電子移動に際して可逆な結合生成と切断が起こるものを利用することが必要となる。これにより光照射時にのみ相互変換が起こり暗所では中性状態およびイオン状態の双方が安定に存在するという二重安定性が達成されると予想される。平成8年度にはヘキサアリールエタン型の構造を有する新規電子供与体である9,9,10,10-テトラアリールジヒドロフェナントレン1とその2電子酸化により生成するビス(トリアリールメタン)型ジカチオン色素1についての検討を行ない、平成9年度は電子受容性部分を有するビフェニル型色素を設計し、その還元によってC-C結合形成が起こる系を中心に検討を行なった。後者での中心的研究対象である2,2′-bis[dicyano-1-(4-dimethylaminophenyl)]-biphenyl3は,可視部にジシアノビニルアニリン骨格に由来する吸収極大を示す。そのサイクリックボルタモグラムは、2電子移動によってジヒドロフェナントレン型に閉還していること、また無色のジアニオンは酸化により3を再生することを示唆した。SmI_2によって発生させたジアニオンを酸でクエンチすると、立体特異的にトランス型に閉環した化合物4が高収率で単離された。このものは短時間の加熱によりエナミノニトリル型化合物5へと異性化し、そのものの酸化ではもはや3は生成しなかった。以上の結果は、この系が「書き込み禁止」オプションのついたエレクトロクロミズム応答系となることを示す結果である。本研究で扱った分子群は嵩高い置換基を有するためか、結晶性電荷移動錯体を与えにくく、固体状態での光誘起電子移動反応の検討には至らなかった。
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 08640664
  • 新規安定ラジカルの両性多段階酸化還元挙動と単一成分有機電導体への展開
    科学研究費補助金(重点領域研究)
    1995年 - 1995年
    鈴木 孝紀
    現在までに良好な電導性を示す数多くの分子性結晶が知らるようになったが、有機超伝導体を含めてそのほとんど全てが二成分以上から形成されている。これは、有機固体での電導性の担い手となる伝導電子を供給するという不可欠な要因によるものであるが、このこと自体が系の複雑さを増大させ、固体物性を司る結晶構造の制御をより困難にしている事も事実である。このような観点からすると単一成分有機電導体の研究はこの分野の新しい展開方向を指し示すものの一つと考えられる。そこで本課題では電気化学的両性度の高い新規な安定ラジカルを合成、単離しその単一成分有機電導体としての有効性を検討する事を目的として研究を行うことにした。実際の研究では四環性窒素複素環化合物であるキノキサロ[2,3-b]キノキサリン骨格(1)をモチーフとして選んだ。これは、ピラジンに代表される窒素複素環が代表的なW eitz型の酸化還元系を為すため電気化学的両性を付与しやすいこと、また極く限られた系ではあるものの中性ラジカルが安定に単離されている例があることを考慮した分子設計による。母体の1aとメチルトリフレートとの反応で5位が4級化されたカチオン種2aとした。このものの電子受容性は非常に高く、塩化メチレン中で還元電位の測定では+0.66及び-0.20Vに可逆な波形を示した。このことは2aの一電子還元で生成するラジカル種3aが0.86Vという小さなEsum値を持つ電気化学的両性の強い分子であることを予想させる。しかし、ヨウ化物イオンを用いた2aの還元では電子スペクトルで748nmの吸収を有する新しい化学種が観測されたものの半減期が10秒程と不安定な為その単離には至らなかった。そこで1aの1,4,7,10位の4箇所に様々な置換基を導入した化合物から出発しラジカル種3を安定に単離した。これらは10^<-7>から10^<-9>Scm^<-1>程度の電導性を示すことが明らかとなった。これらの値は決して高いものではないが、本研究の分子設計の妥当性を示すものである。
    文部科学省, 重点領域研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 07232205
  • 高反応性ビラジカル及びカチオンラジカルに関する研究
    科学研究費助成事業
    1994年 - 1995年
    宮仕 勉, MARIANO P.S., MCBRIDE J.M., HILINSKI E.F, DINNOCENZO J, GOODMAN J.L., WAGNER P.J., BERSON J.A., 秋山 公男, 鈴木 孝紀, 高橋 康丈, 池田 浩
    本研究は次の2つに大別される。
    1.有機光化学におけるビラジカル(BR)とカチオンラジカル(CR)の研究
    本研究では光誘起電子移動よる有機化合物の骨格転位におけるBRとCRの相互関係について研究した.
    一般に電子受容対(A)との光誘起電子移動で生じた電子供与体基質の非ディストニックCRは容易に結合生成あるいは結合開裂を起こし,より安定なディストニックCR中間体(I^<・+>)へと変化する.溶媒のかご外へ拡散したI^<・+>はしばしばスペクトル的手法により観測され,また分子状酸素やアルコールなどのラジカルトラップ剤により捕捉されるが、イオンペア[I^<・+>/A^<・->]内におけるI^<・+>の反応性はまだ明らかになっていない.この中間体I^<・+>の反応性には二つの可能性がある.
    ひとつはA^<・->からの逆電子移動反応であり,結果として一重項および三重項BRが生じ,結合開裂あるいは結合生成をへて生成物を最終的に与える.もう一つ考えられる過程は結合開裂あるいは結合生成とそれに引き続く逆電子移動過程である.これらのどちらが反応に関与しているかを明らかにするために,相補的な二つのレーザー技術を用いた.すなわち,CRやBRの直接観測のための時間分解レーザーフラッシュフォトリシス(LFP)と,イオンペア[I^<・+>/A^<・->]のエネルギー評価のための時間分解光音響熱測定法である.ナノ秒時間分解LFPは現有設備で行ったが,ピコ秒時間分解LFP及び光音響熱測定法は,高橋と池田がフロリダ大学とロチェスター大学に共に赴き,共同研究として行った.また秋山はミシガン大学に赴きWagner教授とBRの多重度・電子構造と反応性の研究を行い,CRとの対比を行った.これらの研究の結果,CRとBRを経由する次の三つの光誘起電子移動反応系を見いだした.
    (1)2,5-ジアリール-1,5-ヘキサジエンの光増感電子移動縮退Cope転位.これは1,4-ジアリールシクロヘキサ-1,4-ジイルCRと1,4-ジアリールシクロヘキサ-1,4-ジイルBRを経由する「CR環化-BR開裂機構」で進行する.
    (2)2,2-ジアリールメチレンシクロプロパンの光増感電子移動縮退メチレンシクロプロパン転位.これはトリメチレンメタンCR(TMM^<・+>)と対応するBR(TMM)を経由する「CR開裂-BR閉環機構」で進行する.
    (3)5,5-ジメチル2,3-ビス(1-フェニルビニル)シクロペンタジエンの光誘起電子移動反応による一重項および三重項テトラメチレンエタン型BRの生成.この反応には逆電子移動過程が必要不可欠である.
    招聘研究ではMariano教授,Hilinski助教授を招聘し,各々共同研究を行なった.
    Mariano教授との研究では有機合成上価値の高い反応中間体を直接観測し,反応機構を決定出来たことは意義深い.また,Hilinski助教授との共同研究では,オキサトリメチレンメタン型中間体の直接観測が緊急課題として挙げられ,三重大学工学部富岡秀雄教授の協力を得て低温マトリックスの実験を行った.さらにHilinski助教授との合同討議・情報交換では高反応性BR及びCRの動力学の研究にはピコ秒及びフェムト秒LFPの利用の必要性が改めて指摘された.これらの最先端設備による研究は今後の課題である.
    以上の研究により,イオンペア内における逆電移動過程がCRの化学とBRの化学を結ぶ重要な役割を果たしていることが明らかになった.今日まで逆電子移動過程はエネルギーを浪費する「負の過程」として認識されてきていることから,この結論は注目に値する.
    2.電荷移動錯体などの固相における光化学の研究
    鈴木とエール大学McBride教授の派遣及び招聘により,固相光化学に対する結晶工学的見地からの討議と共同研究を行った.特に日本側の固相不斉光化学の研究はその反応機構はもちろんその合成的応用まで討議が及び,試料供与と測定実験を中心に共同研究を継続していくことが確認された.
    本研究では今後も各研究者との共同研究を継続すると共に,アメリカNSF光誘起電子移動センター(ロチェスター大学内)との連携も図り、本研究課題を発展的に拡大する予定である.
    日本学術振興会, 国際学術研究, 東北大学, 06044014
  • 酸化還元をトリガーとする応答性分子の研究
    科学研究費補助金(一般研究(C))
    1994年 - 1995年
    鈴木 孝紀
    これまで電導性や磁性等の個体物性の発現を目指した多段階酸化還元系の設計に於いては、結晶中での電子の授受を容易にする為に、それに伴う構造変化が微少であることが望ましいとされてきた。このような観点からするとこれらは静的な酸化還元系と見なすことができる。一方、電子授受に伴い分子構造が大きく変化し、更には結合様式が変わってしまう場合でも、全過程としてそれが可逆に繰り返される場合には動的なレドックスサイクルとして区分することができ、これらは応答性分子としての機能が期待される。本研究はこのような動的過程を示す系の設計合成を通じて、それぞれの酸化段階の構造や性質を調べ、更にその変化をたどることにより、これらの応答性分子としての有効性を追求することを目的としている。平成6年度には酸化によって渡環結合が形成されるタイプの電子供与体をモチーフとして研究をおこない、平成7年度は逆に酸化により結合解裂を伴う分子の研究に重点を置いた。初めに研究対象とした2,2′-(シクロアルカン-1,m-ジイリデン)ビス(1,3-ベンゾジチオール)類は、電子供与体として良く知られたジベンゾ-TTF骨格にシクロアルカンを挿入して共役を切断したタイプの化合物であり、続いて研究したトリシクロ型化合物はシクロブタン環に二つの1,3-ベンゾジチオール環がスピロ型に連結された構造を有しているもので互い異性体の関係にある。両者とも容易に2電子酸化されビシクロ骨格を有するジカチオンへと変化する。これらの詳細な検討によりこれらが可逆なレドックス対になる為に適したリングサイズを特定し、その挙動の違いについて考察した。一方、1,3-ベンゾチオリウム自体は強力な発色団とはなり得ない為、次に酸化によりトリアリールメタン系の色素骨格を形成し得るヘキサアリールエタン誘導体の研究に着手した。期待通り単離されたジカチオンは可視部に十万以上のモル吸光係数を持つ安定な化合物で、二電子移動に際して定量的にC-C結合の形成と切断が起るエレクトロミズム系となることが実証された。
    文部科学省, 一般研究(C), 東北大学->北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 06640675
  • 新規安定ラジカルの両性多段階酸化還元挙動と単一成分有機電導体への展開
    科学研究費補助金(重点領域研究)
    1994年 - 1994年
    鈴木 孝紀
    本研究では電気化学的両性度の高い新規な安定ラジカルを合成単離し、その単一成分有機電導体としての有効性を検討する事を目的としている。実際の分子設計に於いては、電子供与性(D)及び受容性(A)双方の部分構造を一分子内に含むA-π-D^・型の中性ラジカルを設計した。平成6年度にはD^・骨格となるピリジル基のN上に、長さの異なるアルキル鎖を有するR-1の研究を行なった。得られたラジカルは高い電気化学的両性度を有し、またRの長さによってその酸化還元挙動は変化しない。しかし、その電導性はRの長さにより系統的に変化することが見いだされた。メチルおよびペンチル体のX線構造解析によれば、これらのラジカルはいずれもA^<-・>-π-D^+型の分極構造を有していることが示され、また結晶中に於ける分子の重なりも非常に良く似ている。しかし、Rが長くなるにつれて結晶構造の二次元性が顕著に低下し、これが電導性の変化につながっていることが明らかとなった。
    文部科学省, 重点領域研究, 東北大学, 研究代表者, 競争的資金, 06243204
  • 光誘起電子移動反応による鎖状ポリエン及び慣理化合物の電子移動反応の研究
    科学研究費助成事業
    1992年 - 1993年
    宮仕 勉, 鈴木 孝紀, 池田 浩, 高橋 康丈
    光増感電子移動コープ転伝反応についてはエネルギー曲面の問題を追求した。2,5-ジアリール-1,5-ヘキサジエンラジカルカチオンの環化反応の活性化エネルギーをパルスラジオリシスで、中間体シクロヘキサン-1,4-ラジカルカチオンのイオン対のエネルギーを光音響測熱法で測定を行い、その結果から光増感電子移動反応によるコープ転伝反応はラジカルカチオン環化-ジラジカル開環型の2段階反応で起こる事を実証した。この反応に関連する1,4-ジアリール-2,3-ジメチルビシクロヘキサン誘導体の電子移動経由の開環反応を詳細に研究し、増成剤・溶媒極性に依存して反応機構が変化する事実とその反応機構を明らかにした。ジメチレンフランおよびジメチレンピロール誘導体をビススチリンフランおよびピロールの光増成移動反応で生成させ,その存在をレーザーフラシュ法で確認するとともに種々のジェンとの反応速度をレーザーフラッシュ法で求めた。化学的挿捉実験の結果を総合してこれらの非ケキュレ型中間体は茎底状態一重埴と決定した。理論計算結果からもその妥当性が裏付けられた。コープ転伝反応を起こした2,5-ジアリール-1,5-ヘキサジェン等に炭素を増加したヘプロジェン,オクロジェン,ノナジェンの素の光増感電子移動反応も行い,炭素鎖の長さの効果が詳細に研究され,興味ある立体化学で環化する事が判明し,長さの増大で環化効率が著しく減少する事を明らかにした。3種のジビニルベンゼンと強力な電子受容体ビスチアジアゾロテトラシアノキノジメタンとの結晶性電荷移動錯体の固相光化学を行い,電子移動経由の興味ある〔2+2〕型環化付加反応を見出した。
    日本学術振興会, 一般研究(A), 東北大学, 03403005
  • 芳香環及び複素環の縮合を利用した新規な電子受容体の開発
    科学研究費助成事業
    1988年 - 1988年
    鈴木 孝紀
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東北大学, 63790206
  • 機能性多段階酸化還元系の開発とその応答機能               
    競争的資金
  • Molecular Response System Based on Dynamic Redox Properties               
    競争的資金

産業財産権

  • 新規なビキサンテン化合物およびビスキサンテニリウム化合物とその製造方法、およびその用途               
    特許権, 鈴木孝紀, 藤原憲秀, 河合英敏, 田中祥子, 樋口博紀
    特願2004-265909, 2004年
  • 新規なビアクリダン化合物およびビスアクリジニウム化合物とその製造法、およびその用途               
    特許権, 鈴木孝紀, 辻孝, 藤原憲秀, 河合英敏, 樋口博紀, 右田章, 太田賢司
    特願2004-031074, 2004年
  • 2,6-ジメチルナフタレンの分離方法
    特許権, 宮仕 勉, 山下 敬郎, 鈴木 孝紀, 藤井 宏, 三菱石油株式会社
    特願平1-145176, 1989年06月09日
    特開平2-076830, 1990年03月16日
    201103045531160719
  • パラキシレンの分離方法
    特許権, 宮仕 勉, 向井 利夫, 山下 敬郎, 鈴木 孝紀, 藤井 宏, 三菱石油株式会社
    特願昭62-317421, 1987年12月17日
    特開平1-160925, 1989年06月23日
    201103099450724858
  • ベンゾキノン誘導体と電子供与体との電荷移動錯体の製造方法
    特許権, 向井 利夫, 山下 敬郎, 鈴木 孝紀, 富士ゼロックス株式会社, 向井 利夫
    特願昭61-298371, 1986年12月15日
    特開昭63-150273, 1988年06月22日
    201103059002566719
  • 新規化合物、その化合物と電子供与体との電荷移動錯体、及びその化合物の陰イオンあるいは陰イオンラジカルの塩
    特許権, 向井 利夫, 山下 敬郎, 鈴木 孝紀, 向井 利夫, 富士ゼロックス株式会社
    特願昭60-171161, 1985年08月05日
    特開昭62-033157, 1987年02月13日
    201103092639449055

その他

  • 1988-1989 日本学術振興会特別研究員 日本学術振興会特別研究員
    1989-1994 東北大学助手(理学部化学科) 助手
    1995 北海道大学助教授(理学部化学第二学科) 助教授
    1995-2002 北海道大学助教授(大学院理学研究科化学専攻) 助教授
    2002-2006 北海道大学教授(大学院理学研究科化学専攻) 教授
    2006- 北海道大学教授(大学院理学研究院化学部門) 教授
  • 1988-1989 Postdoctoral Fellowships of Japan Society for the Promotion of Science,JSPS Research fellow: 1988-1989; Assistant Professor: Tohoku University, 1989-1994; Associate Professor: Hokkaido University, 1995-2001; Full Professor: Hokkaido University, 2002-present
    1989-1994 Research Associate
    1995 Associate Professor
    1995-2002 Associate Professor
    2002-2006 Professor
    2006- Professor