都木 靖彰 (タカギ ヤスアキ)

水産科学研究院 海洋応用生命科学部門 増殖生物学分野教授
Last Updated :2025/12/04

■研究者基本情報

学位

  • 水産学博士, 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究キーワード

  • 化粧品
  • コンドロイチン硫酸
  • コラーゲンペプチド
  • 再生医療用材料
  • 細胞外基質
  • コラーゲン
  • 魚類生理学
  • Fish Physiology

研究分野

  • ライフサイエンス, 水圏生命科学, コラーゲン ペプチド コンドロイチン硫酸 加水分解物
  • ライフサイエンス, 水圏生産科学, チョウザメ 養殖 キャビア 地域振興 産学官連携
  • ライフサイエンス, 細胞生物学, 細胞外基質 細胞活性制御
  • ナノテク・材料, 有機機能材料, コラーゲン 細胞足場 組織工学 再生医療

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2002年 - 2005年
    北海道大学教授(大学院水産科学研究科) 教授
  • 2002年 - 2005年
    Professor,Professor, Hokkaido University, Graduate School of Fisheries Sciences

学歴

  • 1990年, 北海道大学, 水産学研究科, 水産増殖学専攻, 日本国
  • 1990年, 北海道大学, Graduate School, Division of Fisheries

委員歴

  • 2024年02月 - 現在
    日本水産学会, 理事, 学協会
  • 2022年03月 - 現在
    日本水産学会, 北海道支部支部幹事, 学協会
  • 2019年02月 - 現在
    日本水産学会, 国際交流委員会, 学協会
  • 2023年03月 - 2025年02月
    日本水産学会, 学会賞選考委員会, 学協会
  • 2021年04月 - 2024年03月
    日本水産増殖学会, 会長, 学協会
  • 2013年 - 2023年
    日本水産学会, 水産増殖懇話会委員会, 学協会

学内役職歴

  • 教育研究評議会評議員, 2018年4月1日 - 2020年3月31日
  • 教育研究評議会評議員, 2020年4月1日 - 2022年3月31日
  • 教育研究評議会評議員, 2022年4月1日 - 2024年3月31日
  • 研究戦略室室員, 2024年4月1日 - 2026年3月31日
  • 水産学部長, 2022年4月1日 - 2024年3月31日
  • 水産学部長, 2024年4月1日 - 2026年3月31日
  • 大学院水産科学院長, 2022年4月1日 - 2024年3月31日
  • 大学院水産科学院長, 2024年4月1日 - 2026年3月31日
  • 大学院水産科学研究院長, 2022年4月1日 - 2024年3月31日
  • 大学院水産科学研究院長, 2024年4月1日 - 2026年3月31日

■研究活動情報

受賞

  • 1998年, 1998: Best Oral Presentation Award, 2nd International Symposium on Fish Otolith Research and Application               

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

  • ウナギの科学               
    塚本勝巳, 第3章 3.2 骨格
    朝倉書店, 2019年, [共著]
  • 魚類学の百科事典               
    骨組織の形成と代謝
    丸善出版, 2018年, [共著]
  • 魚類学               
    矢部 衞, 桑村 哲生, 都木 靖彰
    恒星社厚生閣, 2017年, 377, 日本語, 学術書, [編者(編著者)]
  • マリンバイオテクノロジーの新潮流               
    シーエムシー出版, 2011年

所属学協会

  • (社)日本動物学会               
  • 日本水産学会               
  • 日本水産増殖学会               
  • Zoological Society of Japan               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 魚類コラーゲンの医療利用:骨インプラント表面への骨ミメティックコート技術の開発
    科学研究費助成事業
    2021年04月05日 - 2025年03月31日
    都木 靖彰, 浦 和寛, 東藤 正浩
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 21H04731
  • 魚類コラーゲン製軟骨再生材料の開発:再生医工学研究のパラダイムシフトをめざして
    科学研究費助成事業
    2021年07月09日 - 2023年03月31日
    都木 靖彰, 浦 和寛
    小課題1.チョウザメ脊索Ⅱ型コラーゲン(NC)を用いたⅡ型コラーゲン線維コート技術の開発: 本研究室で開発されたチョウザメ浮袋コラーゲン(SBC)を用いた線維コート技術 (Moroi et al., DOI: 10.1016/j.msec.2019.109925) を基盤としてNCの線維コート技術を開発した(線維コートとは、コラーゲン原線維を培養容器底面に一様にコーティングする技術で、生体組織のコラーゲン性基質と細胞とのインタラクションの研究を可能にする新技術である)。Ⅱ型コラーゲン溶液の濃度、線維化バッファー(リン酸バッファー)の濃度、pH、インキュベーション温度などを最適化することで、世界で初めてⅡ型コラーゲンの線維コートに成功した。また、マウス軟骨前駆細胞ATDC5を用いた培養試験を実施し、Ⅱ型コラーゲン分子コートと比較して線維コート上では細胞増殖速度が低下する一方で軟骨基質産生を示すアルシアンブルー染色が強陽性となる(=前軟骨細胞から成熟軟骨細胞への分化が促進される)ことを確認した。今後軟骨細胞遺伝子発現量を定量する。
    小課題2.NCを用いた3次元足場ゲルの開発: 市販のブタⅠ型コラーゲンのゲル化法を参考に、細胞毒性の低い架橋剤ゲニピンを添加することで、NCを用いてNC原線維から成るゲルとNC分子からなるゲルの合成に成功した。今後ゲルの粘弾性や細胞培養への応用技術を開発する。
    小課題3.SBCもしくはNCを用いた軟骨細胞spheroid作成技術の開発: SBCを用いてマウス由来前骨芽細胞MC3T3-E1をスフェロイド化する技術を応用し、ATDC5細胞のスフェロイド化に挑戦した。しかし、MC3T3-E1がスフェロイド化する条件ではATDC5細胞はスフェロイド化しなかった。本技術開発には別のアイディアが必要であると思われる。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 21K19130
  • 魚類コラーゲンに特徴的なミクロンレベルの大直径線維の成長機構と細胞分化誘導活性
    科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    2019年06月 - 2021年03月
    都木 靖彰, 柚木 俊二, 成田 武文, 畑山 博哉, 浦 和寛
    本研究では魚類コラーゲン(SBC)を用いることで,ミクロンレベルの大直径コラーゲン線維の成長機構を直接観察するためのAFM観察,デジタルマイクロスコープ観察技術,NaCl濃度やPB濃度によるバンドル形成と細い線維の形成の制御技術を開発した。またSBC線維,分子上の細胞の遺伝子発現を変化させる情報の入り口が細胞接着部にある可能性を示した。今後これらの技術を用いることでバンドル形成機構をさらに詳細に検証できる。また,細胞とコラーゲン線維との接着装置であるインテグリンとその後の情報伝達経路を線維と分子で比較することで,線維への接着が遺伝子発現を制御する機構の解明が実現する可能性がある。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 研究代表者, 19K22322
  • 魚類コラーゲンペプチドの医療分野への応用をめざした研究
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2018年04月 - 2021年03月
    都木 靖彰, 吉田 誠一郎, 松嶋 景一郎, 柚木 俊二, 畑山 博哉, 佐伯 宏樹, 三輪 佳子
    水産廃棄物から得られるコラーゲンペプチド(CP)を「床ずれ」治療もしくは予防用クリームに利用することを目的に,まずCP生産の原料となる精製コラーゲンおよび高純度ゼラチンの製造技術開発をおこなった。その後,酵素を用いて製造したCPを高温高圧処理することでさらに低分子化できることを示すとともに,低分子化により抗酸化能が増すことを示した。しかし,高温高圧処理によっては皮膚線維芽細胞に対する機能性は高まらず,むしろ長時間の処理によっては細胞遊走が阻害されたりCPの細胞増殖活性化能がなくなった。これらの結果から,適度な高温高圧処理により抗酸化能が高く細胞活性化能を持つCPを合成できることを示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 18H02273
  • 糖分子の導入による新たな抗炎症魚肉ペプチドの創成とその作用メカニズムの解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2017年04月 - 2020年03月
    佐伯 宏樹, 都木 靖彰
    糖修飾したシロザケ筋原線維たんぱく質は,強い抗炎症作用を示す。その効果成分が産生ペプチド画分に集中することから,本研究では,等電点分画(IEF)を活用した抗炎症ペプチドの効率的調製」を目指している。昨年度はアルギン酸オリゴ糖(AO)修飾によって得た抗炎症ペプチドをIEFに供し,そこで得た酸性ペプチド画分が,強い抗炎症作用を示すことを確認したが,その効果は消化ペプチド全体で得た作用よりも弱かった。この問題の原因解明は目標達成に欠かせないと判断し,今年度は,IEFで20分画したMfペプチド(MfP)を各々AO修飾した後,マクロファージにおけるTNT-α産生の抑制効果を調べた。すなわち,各MfP画分にAOを混合・凍結乾燥し,60℃(相対湿度75 %)で0-12時間保持してメイラード反応を介したAO修飾を行い,経時的にAO修飾ペプチド(以下MfP-AO)を得た。MfP-AOの抗炎症作用は,マウス・マクロファージ様細胞(RAW264.7)におけるTNF-α産生を抑制効果によって判断した。
    【結果】MfP-AO画分は,いずれもAO修飾4時間で最大のTNF-α産生抑制効果を示したが,この作用は,酸性ペプチド画分だけではなく,塩基性画分においても観察された。この知見の獲得は,昨年度の「酸性ペプチドを対象としたAO修飾が全消化ペプチドよりも抗炎症作用が劣っていた」という現象を,「AO修飾が酸性画分以外の消化ペプチドにも抗炎症作用を付与できる」という事実から説明できることを示している。そして各MfP-AO画分を詳細に検討すると,抗炎症作用が付与されない画分も存在した。以上の結果を総合すると,IEFを用いた抗炎症ペプチドの効率的調製は,単に酸性ペプチドのみを収集するだけでは十分でなく,機能付与が可能なMf-P画分の選択が必要であることを示唆している。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究分担者, 17K07932
  • ウニに生殖腺刺激ホルモンはあるのか?
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2014年04月 - 2017年03月
    都木 靖彰, 浦 和寛, 東藤 孝
    ウニ生殖巣の肥大化メカニズムを研究するツールとして,生殖巣器官培養系を確立し,これを用いて生殖巣の肥大に重要な主要卵黄タンパク質(MYP)の合成を誘起する因子を探索した。仮説としてウニ体腔液中の因子と核内受容体に結合する脂質を設定し,ウニ生殖巣が肥大した時期の体腔液および肥大したウニ生殖巣から抽出した総脂質を添加して生殖巣を培養し,MYP mRNA量を定量PCRにより測定したが,どちらも優位な変動は認められなかった。本研究期間において,ウニ生殖巣中のMYP mRNAの発現を誘起する因子の決定はできなかった。今後,MYPの合成に関与する核内受容体を特定しそのリガンドを添加する実験が必要である。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 26660167
  • ウニにステロイドホルモン合成・代謝機構はあるのか?
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2013年04月 - 2016年03月
    浦 和寛, 都木 靖彰, 井尻 成保
    ウニの生殖巣肥大にステロイドホルモンが関与しているか解明するために、生殖巣が小さいキタムラサキウニに給餌し生殖巣を人為的に肥大させた。給餌開始前後のウニから生殖巣を摘出し、次世代シークエンス解析によりトランスクリプトーム解析を行い、22種類の核内受容体および21種類のP450を同定した。脊椎動物に見られるステロイドホルモンをリガンドとする核内受容体は認められなかった。一方、脊椎動物においてステロイドホルモンの合成に必須のP450と相同性を持つP450遺伝子は認められなかった。さらに、生殖巣ではEcR/FXRが認められたことからウニ特有のステロイドホルモンを合成・代謝している可能性が示された。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 研究分担者, 25660159
  • チョウザメの生殖統御技術開発のための性分化、卵成長および卵成熟の分子機構解析
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2012年04月 - 2016年03月
    足立 伸次, 荒井 克俊, 都木 靖彰, 平松 尚志, 山羽 悦郎, 井尻 成保
    ロシアチョウザメおよびアムールチョウザメの未分化生殖腺(将来の卵巣または精巣)および卵巣を用いて、分子的性分化期、形態的性分化期、卵成長期および卵成熟期に発現する遺伝子を次世代シーケンサーにより網羅的に解析し、各ステージ特異的発現遺伝子を探索するとともに発現定量した。それら成果を活用し、早期性判別、早期成熟誘導、安定的良質卵生産および全雌生産技術の開発を推進した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 研究分担者, 24248033
  • 再生鱗をモデルとしたコラーゲン配向機構の解明-魚コラーゲンから生体修復材料を造る
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2012年04月 - 2016年03月
    都木 靖彰
    配向性の高いコラーゲンを豊富に含み再生能の高い鱗をモデルとして,非コラーゲン性基質タンパク質(NCP)が魚類コラーゲン原線維の太さや配向におよぼす機能を解析した。各種NCPのクローニング,発現解析,モルフォリノノックダウン,リコンビナントタンパク質の合成とそれを用いた抗体作成および免疫組織化学解析による機能解析と,リコンビナントとコラーゲンをハイブリッド化させた新規材料の合成に成功した。今後,このようなハイブリッド材料の生体修復材料としての機能性を調べる必要がある。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 24380101
  • ウニに生殖腺刺激ホルモンはあるのか?
    科学研究費助成事業
    2011年 - 2013年
    都木 靖彰, 浦 和寛, 東藤 孝
    これまで、ウニの生殖巣の発達につれて生殖巣で合成・蓄積されるタンパク質(主要卵黄タンパク質 Major Yolk Protein :MYP)の遺伝子構造・発現部位が明らかにされていたが、生殖巣の発達を統御機構に関しては不明なまま残されていた。本研究では、MYPおよびGAPDH mRNA発現定量系の確立をおこなうとともに、MYPの合成を誘起する生殖腺刺激ホルモンの探索を行うための生殖巣器官培養の確立を試み、短期間の器官培養系を確立した。これにより、今後 MYP mRNA 発現量を指標に生殖の内分泌統御に関する研究が可能になる。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 23658152
  • 人工餌料開発をめざしたウニの栄養吸収および成長機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2010年 - 2012年
    浦 和寛, 都木 靖彰
    北海道はウニの主要な生産地であり、従来天然ウニを漁獲すると共に、生殖巣の発達の悪いウニを良漁場へ移植するなどの対処がなされてきた。そこで、これらのウニを養殖することで生殖巣の増大を図り、商品として有効利用する試みが行われ生殖巣の品質向上に適した餌の開発が必要とされている。養殖事業や中間育成事業を効率良く行うためには、量や品質を管理しやすい人工餌料の開発が重要である。人工餌料の開発にはウニの消化吸収能力に関する基礎的知見の集積が必須であるが、これまで殆ど行われてきていなかった。本研究では、ウニ消化酵素を精製し生化学的特性を明らかにすることを目的とした。その結果、エゾバフンウニの消化酵素はキタムラサキウニに比べ高温に弱いということが明らかになった。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究分担者, 22580194
  • 再生鱗をモデルとしたコラーゲン配向機構の解明-魚コラーゲンから生体修復材料を造る
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2009年 - 2012年
    都木 靖彰, 生駒 俊之, 浦 和寛
    質量分析を用いて,鱗コラーゲンの高次配向制御に関わる可能性が高いSLRPsを同定するとともに,その遺伝子クローニングをおこなって発現部位を明らかにした。また,コラーゲン変性温度がα3鎖の量とプロリン残基水酸化率とで制御される可能性を示した。さらに,磁場内でコラーゲン線維配向構造創出をおこなって粘弾性特性,引張強度を明らかにするとともに,再線維化コラーゲンを用いて高密度の新規メソ多孔材料の開発に成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 21380116
  • 有機・無機相互作用解析によるバイオミネラリゼーションの制御機構の解明
    科学研究費助成事業 学術創成研究費
    2005年 - 2009年
    長澤 寛道, 小暮 敏博, 都木 靖彰, 作田 庄平
    バイオミネラリゼーション(生物が無機鉱物を作る作用)は、それによって作られる無機鉱物(バイオミネラル)に微量に含まれる有機物によって制御されていると考えられてきた。われわれは、水棲生物の石灰化組織を材料にして石灰化を制御していると考えられる有機物を探索、精製、構造・機能解析を行った。また、石灰化組織の結晶学的特徴を電子顕微鏡解析によって明らかにし、バイオミネラルの生成を制御する多数の高分子・低分子有機化合物を発見することによって従来の考え方を実証した。
    日本学術振興会, 学術創成研究費, 東京大学, 研究分担者, 17GS0311
  • 再生鱗をモデルとしたコラーゲン配向機構の解明-魚コラーゲンから生体修復材料を造る
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2006年 - 2008年
    都木 靖彰, 浦 和寛, 生駒 俊之
    ウロコのコラーゲンを用いて再生医療用人工基質の合成をめざして、生物学と材料科学の両面から研究を推進した。生物学的アプローチにより鱗形成細胞分化の分子機構、コラーゲン配向を制御する候補分子、組織ごとのコラーゲンα鎖組成を明らかにした。また、材料科学的アプローチにより、ブタ及びティラピアコラーゲン線維配向ゲルを高磁場内で実現するとともに、湿潤環境下による乾燥により10~20wt%の高密度化に成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 18380109
  • ウニにインスリンはあるのか?
    科学研究費助成事業 萌芽研究
    2006年 - 2007年
    都木 靖彰, 浦 和寛
    我が国の水産業において、水産無脊椎動物は重要な増養殖対象動物としての位置を占めており、種苗生産・放流や養殖が盛んに行われている種も多い。近年、日本沿岸域における水産生物資源、特に無脊椎動物の資源量は減少傾向にあることから、今後は優良品種の育種や高度で効率的な増養殖技術の開発が必要になると考えられるが、水産無脊椎動物においてそのような試みは著しく立ち遅れている。その大きな理由として、水産無脊椎動物の成長や成熟を制御する内分泌系に関する基礎的知見が極めて少ないといえる。比較的研究されているウニでも、糖質・脂質・タンパク質の代謝を制御する内的因子(ホルモンなど)の存在の有無や、それらの作用機序について正確に把握されていないのが現状である。本研究は、ウニをモデル生物として選定し、無脊椎動物の内分泌機構の解明に着手するものである。
    今年度は、エゾバフンウニ消化器官において、モルモット抗ブタインスリン抗血清を用いて免疫組織化学的解析を行った。その結果、胃において消化管内腔側の上皮細胞の小さな顆粒に陽性反応が認められた。また、卵巣、精巣、放射神経にも免疫陽性反応が認められた。このことからエゾバフンウニにインスリン様物質が局在している可能性が示された。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 18658075
  • 高機能人工餌料開発をめざしたウニの栄養吸収および成長機構の解明
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2004年 - 2005年
    清水 幹博, 都木 靖彰, 尾島 孝男, 浦 和寛
    ウニは北海道において重要な漁業資源であるが、それらの天然資源は減少している。そのため、養殖システムの開発が重要となってきている。そのためには栄養吸収機構を理解する必要があるが、基礎的な生理学的知見が少ない。そこで本研究では、ウニの栄養吸収機構の基礎的知見得ることを目的とし、以下の知見を得た。
    1.エゾバフンウニを用いて、消化器官(咽頭、食道、胃、腸、直腸)における組織観察を行った。その結果、咽頭と食道ではこれまで1種類の顆粒細胞の存在が報告されていたが、本研究により少なくとも2種類の顆粒細胞が存在していることが明らかとなった。
    2.キタムラサキウニ消化管由来のアルカリセリンプロテアーゼ(SUPase)のcDNAおよび構造遺伝子をクローニングした。SUPaseのアミノ酸配列は、スブチラーゼに属する他の酵素の触媒領域と33-46%の同一性を示すこと、さらに、Asp-His-Serからなる荷電リレーを構成するアミノ酸も良く保存されていることから、SUPaseはスブチラーゼに分類されるプロテアーゼであることが明らかになった。
    3.キタムラサキウニ消化管由来のセルラーゼ(SnEG54)のcDNAをクローニングした。SnEG54のアミノ酸配列をGHF9に属するセルラーゼである、シロアリ、ホヤ、アワビの触媒ドメインのアミノ酸配列と比較したところ、51-57%の相同性を示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究分担者, 16580140
  • 魚類の再生鱗をモデルとした脊椎動物の骨再生機構研究の新展開
    科学研究費助成事業 萌芽研究
    2004年 - 2005年
    都木 靖彰, 浦 和寛
    1.昨年にひきつづき、キンギョの鱗再生にともない発現するRunx2(Cbfa1)およびBMP2,4遺伝子の塩基配列決定をおこなった。Runx2は4種のアイソフォームの全塩基配列を決定した。BMP2はほぼ70%程度の配列の決定を終えた。キンギョRunx2遺伝子はこれまでに報告されたゼブラフィッシュRunx2bと最も高い相同性(約90%)を示した。BMP2および4のcDNA断片はゼブラフィッシュBMP2および4と高い相同性を示した。
    2.鱗有機基質の主成分であるキンギョI型コラーゲンα鎖cDNA塩基配列を決定した。3種のα1(I)cDNA(α1(I)-A,B,C)を得、α1(I)-Aはその全塩基配列を、α1(I)-B,Cはその70%を決定した。α2(I)も3種のcDNAを得、それらの全塩基配列を決定した。α3(I)は1種類の全塩基配列を決定した。キンギョα鎖は、ゼブラフィッシュα鎖と約90%、哺乳類のα鎖と約70%の相同性を示した。また、分子系統樹ではα3(I)がα1(I)から分岐していることが確認された。さらに、既報の脊椎動物I型コラーゲンα鎖のPro残基数とコラーゲン変性温度の関係を近似式で表し、Y=0.3853X-44.712(r=0.9916)を得た。ここで、Y:変成温度(℃)、X:アミノ酸1000残基あたりのPro残基数である。この式を用いてキンギョのコラーゲンの変成温度を推定したところ、変成温度は三量体を構成するα鎖の組成で異なり、α3(I)鎖を多く含むと変成温度が高くなることが示された。
    3.低リン・低カルシウム条件下におかれたキンギョの再生鱗の有機基質の微細構造解析をおこなった。リン酸カルシウム結晶は、非コラーゲン性有機基質の電子密度の高い物質中で形成され、成長することを明らかにした。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 研究代表者, 16658077
  • 耳石微量元素組成に基づく養殖魚・種苗放流魚の集団判別-新水産物産地検証法の開発
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2003年 - 2005年
    都木 靖彰, 新井 崇臣, 阿部 周一, 山羽 悦郎
    欧米諸国における魚類の耳石微量元素研究では、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICPMS)が用いられているが、我が国では感度の低い電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)が用いられている。当該研究は従来のEPMA法による耳石微量元素測定と生活履歴解析、DNAマーカーを用いた集団判別研に加え、我が国で初めてのICPMSを用いて魚類の生活履歴解析および集団判別をおこない、以下の成果を得た。
    1.ICPMSよる耳石微量元素測定技術開発およびそれを利用した魚類の生活履歴解明と集団判別:ICPMSを用いた耳石および貝殻中の微量元素含有量測定法を開発し、微量元素組成による集団判別が養殖魚介類の産地判別に有効であることを示した。
    2.EPMA法による耳石微量元素測定を利用した魚類の生活履歴解明:EPMAによる耳石SrおよびCa含有量測定と、Sr : Ca比を用いて、サケ科魚類やウナギ属魚類の個体の生息水域の変化(回遊経路)を詳細に明らかにした。
    3.遺伝子を用いた集団判別:シロサケの系群解析を可能とするDNAマイクロアレイ方を開発した。本法は正確で時間もかからず、DNAシーケンサーなどの特別な機器を必要としないため、フィールドや調査船上における系群解析に極めて有効である。
    4.耳石の形成と石灰化機構および微量元素取り込み機構の解明と魚類の他硬組織との比較:耳石有機基質OMP-1およびotolin1が日周輪形成に重要な役割を果たしていることを示すとともに、内リンパ液の過飽和度(Sa)は常に1以上に保たれ、アラゴナイト結晶形成は常に起こりうる状態に保たれてることを示した。また,サクラマスの場合では、海水移行後、耳石のSr含量が上昇するのに少なくとも7日のタイムラグがあることを初めて示した。このことは、耳石中のSrとCaの含有比より魚類の生活塩分履歴解析を行う上で考慮するべき重要な点である。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 15380125
  • 海棲哺乳類の生活史と環境に関する研究
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2004年
    宮崎 信之, 乙部 弘隆, 天野 雅男, 新井 崇臣, 田辺 信介, 内藤 靖彦, 都木 靖彰
    本研究では、海棲哺乳類(イルカ、アザラシなど)の生活を理解する上で重要な要素である分布、回遊、成長、繁殖、食性、個体群判別などについて優れた成果をあげてきた。同時に、有機塩素系化合物(OCs)、有機スズ化合物(BTs.)、重金属類、放射性核種などの有害化学物質の生物濃縮特性を明らかにすると共に、その生物影響について国際的に注目される成果をあげてきた。その成果は、国内外の学会や講演会などで発表(英語:38回、日本語:39回)すると共に、レフリー付き学術論文(英文:88編、和文:4編)、著書(英文1編)、総説他(英文:4編、和文:19編)などに公表してきた。
    なかでも、イシイルカの有機塩素系化合物、有機スズ化合物、重金属類の蓄積特性に関する研究、およびカスピカピカイアザラシ、バイカルアザラシ、北極海のワモンアザラシがA型インフルエンザウイルスに感染していたことを明らかにした研究は、ともに世界的に高い評価を得ている。特に、1979年にタイのバンコックを中心に世界的に流行したA型インフルエンザウイルス(H3N2)が現在でもカスピカイアザラシの体内に保持されていることは、人間の世界で起きている感染症を考える際に、野生動物研究との連携が極めて重要であることを示唆した。また、海洋生態系における主要な海洋生物の生活史や環境応答に関する研究成果と比較することによって、海棲哺乳類が海洋生態系で果たす役割とその特性がより鮮明になってきた。特に、カスピ海に生息するカスピカイアザラシとその餌生物との関係やチョウザメの回遊履歴との関係の研究は国際的に注目されている。甲殻類のワレカラ類で得られた有機スズ化合物による生物影響との比較は、それぞれの有害化学物質の挙動の特性をより明確にした。
    今後は、本研究成果を生かして、有害化学物質による海洋汚染の環境モニタリング研究を海洋生態系全体で実施できるような研究体制を構築していく必要がある。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 13460082
  • 耳石輪紋形成の分子機構の解明―基質タンパク二種の分布とmRNA発現の比較
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2001年 - 2002年
    都木 靖彰
    1.耳石基質タンパク産生細胞の特定と、基質タンパクの微細分布:ニジマスの耳石の主要な基質タンパク二種(OMP-1およびOtolin-1)に対する特異抗体を作成し、光顕・電顕免疫組織化学をおこない、ニジマス内耳におけるOMP-1産生細胞は扁平上皮細胞と移行上皮細胞の一部、Otolin-1産生細胞は感覚上皮細胞に接する円筒形の背の高い細胞であることを明らかにした。さらに、OMP-1が耳石にのみに含まれるのに対し、Otolin-1は耳石と耳石膜ゼラチン層の両方に含まれることを明らかにした。また、耳石基質が厚いシート状の基質とその間の微細な網目状の基質の二種類からなること、網目状の基質の密度の濃淡により日周輸が形成されること、OMP-1,Otolin-1ともに微細な網目状基質内に分布すること、したがって両基質の産生・沈着量の日周変動により日周輸が形成される可能性があることを明らかにした。
    2.耳石基質タンパク遺伝子発現定量系の開発:リアルタイムPCR法を用いて、ニジマスの個体ごとに両タンパク質のmRNA発現量を定量するための技術開発をおこない、ニジマス個体ごとのOMP-1,Otolin-1発現量の定量法を確立した。現在、本法を用いて量基質タンパク遺伝子の発現の日周変動を調べている。
    3.内リンパ液の過飽和度の測定:耳石は内リンパ液から析出した炭酸カルシウム結晶である。一般に水溶液から結晶が析出する場合、結晶の形態や成長速度は、溶液の過飽和度(Sa)に大きく依存する。ニジマス内耳小嚢の内リンパ液の電解質濃度を個体ごとに実測し、内リンパ液のSaは2.027-4.303の範囲にあり、内リンパ液はアラゴナイトに対して過飽和状態にあることを明らかとした。さらに、Saは内リンパ液のpHと強い相関関係があり、内リンパ液のpH調節がアラゴナイト結晶の成長(=耳石成長)に非常に重要であることを示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 研究代表者, 13660178
  • さけ科魚類の回遊行動と水温環境変動への行動的、生理的適応
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    1999年 - 2000年
    内藤 靖彦, 都木 靖彰, 上田 宏, 田中 秀二, 加藤 明子, 飯郷 雅之, 小達 恒夫, 會田 勝美
    1999年には、岩手県大槌湾において、沿岸域で回帰回遊中の2個体のサケ(Oncorhynchus keta)から、遊泳度・遊泳深度とともに、体軸角度とTail-beat activityの約2日間にわたる記録を、装着型のマイクロデータロガーによって得ることに成功した。同様の記録は海洋を自由に遊泳する魚類からはこれまでにまったく得られたことがなく、価値の高い成果をあげることができた。本研究の結果、サケは上昇時に下降時と比べて遊泳によるエネルギーをより多く消費していること、鰾内の空気の容量を短期的にはほとんどまったく調整していないことが明らかになった。
    2000年7月には、ベーリング海中央部から、27個体のサケに遊泳速度・遊泳深度・経験水温記録計を装着して放流した。現在までに、ただ1個体(放流地点56°30′N,179゜00′E)のデータロガーが回収され(再捕地点:北海道根室沿岸)、51日間のデータを得ることができた。サケの水平方向の移動速度は平均で36.2km/dayであった。したがってサケの総移動距離は2427kmと推定されるが、この推定値は、放流地点から再捕地点までの水平距離2760kmの約80%に相当することが明らかとなった。
    日光中禅寺湖においては、1999年秋の予備調査を経て、2000年秋の調査では、計30個体のヒメマスにマイクロデータロガー装着放流し、23個体の経験水温と遊泳深度のデータを得ることができた。本調査では放流と再捕と同時に血液のサンプリングを行ない、血中のホルモン濃度の測定を行なうことにより、調査個体を、未排精雄、排精雄、未排卵雌、排卵雌のグループに正確に分別できることが可能になった。本調査の結果によって、ヒメマス(Oncorhynchus nerka)の成熟状態によってどのように遊泳深度が変化していたかについて解析を進めることが可能になった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 国立極地研究所, 研究分担者, 11460093
  • 魚類耳石の微細輪紋形成機構-耳石有機基質合成と内リンパ液イオン組成からの解析
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1999年 - 2000年
    都木 靖彰
    耳石に刻まれる日周輪やチェックリング読みとりの正確性を増し、さらなる情報を解読するためには、内耳内リンパ液の微量採取法、イオン組成測定法、耳石有機基質産生活性測定法を確立し、それらが日周輪・チェックリング形成に果す役割を解明することが必要である。
    昨年度に確立した方法を用いて、ニジマスの内リンパ液のイオン組成と炭酸カルシウムアラゴナイトに対する過飽和度を求め、内リンパ液の過飽和度とpH、二酸化炭素分圧、炭酸イオン濃度、Caイオン濃度との関係を解析した。その結果、過飽和度は内リンパ液のpHに比例していることを明らかにした。このことは、内リンパ液のpHの調節により耳石成長量が調節されていることを示す。現在この成果について学術論文を執筆中である。
    次に、ストレスとチェックリング形成との関係を明らかにする目的で、追い回しストレスが内リンパ液イオン組成に与える影響を調べた。短時間の追い回しストレスは血液の酸性化を引き起こしたが、内リンパ液のイオン組成、過飽和度には大きな変化がなかった。このことから、短時間のストレスはチェックリング形成の原因とならないものと結論できた。現在、繰り返しストレス、長時間のストレスの影響を調べている。
    OMP-1は、我々のグループが世界に先駆けてその構造を明らかにした、耳石の可溶性有機基質であり、その成果を学術雑誌に論文として発表した(裏面参照)。また、現在OMP-1遺伝子発現量を競合PCR法を用いて調べている。
    さらに、耳石有機基質の性質とその産生機構を明らかにする目的で、OMP-1の電顕的分布を調べるとともに、耳石に含まれる糖成分の解析を行った。これらの成果も学術雑誌に論文として発表した(裏面参照)。
    以上の成果をまとめる目的で、耳石形成機構に関する二つの総説を学術雑誌に発表した(裏面参照)。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京大学, 研究代表者, 11760131
  • 海棲哺乳類の資源管理と生息環境に関する基礎的研究
    科学研究費助成事業
    1997年 - 2000年
    宮崎 信之, 天野 雅男, 乙部 弘隆, 都木 靖彰, 田辺 信介, 竹内 一郎
    本研究では、海棲哺乳動物の生活史(分類、成長、繁殖、行動、食性など)のデータをもとに合理的な資源管理を模索するとともに、海棲哺乳類を指標とした有害化学物質(有機塩素系化合物、有機スズ化合物、重金属類など)による海洋汚染のモニタリング研究を実施した。特に、有害化学物質による生息環境の汚染は、海棲哺乳類の繁殖や生存に影響を与えることから、その生物影響についても言及した。本研究課題で得られた研究成果をもとに学術論文37編、報告書・総説36編を発表すると同時に、国内外の学会発表49回、および一般講演28回を行った。イシイルカ、バイカルアザラシ、カスピカイアザラシに関する生活史研究と彼らを指標とした環境モニタリング研究は国際的にも高い関心を持たれている。なかでも、イシイルカが餌生物のバイオマスの変化に応じて主要な餌生物の種類をスイッチさせている現象を明らかにした論文は、国際的評価が高い。バイカル湖に生息しているバイカルアザラシの生活史を正確な年齢査定の方法を用いて解析した論文は、国内外の研究者からも注目されている。同時に、バイカルアザラシを通じてバイカル湖の環境汚染を推察し、バイカル湖南部のパルプ工場排水がバイカル湖を汚染し、バイカルアザラシの生存を危うくしているとの私たちの調査結果は、世界の人々に驚きをもって受け入れられた。また、カスピカイアザラシを指標としたカスピ海における環境汚染の研究は、国際的に注目されている。平成11年12月にマウイで開催された国際海棲哺乳学会では「カスピカイアザラシの危機」、平成12年4月に国立マレーシア大学で開催された「内分泌攪乱化学物質の国際会議」では「海棲哺乳類の生活史に基づいた有害化学物質の蓄積特性」、平成12年5月に開催されたUNESCO主催の会議「カスピ海とその周辺域の環境」では「カスピカイアザラシの生活史特性値と有害化学物質の蓄積特性」、平成13年3月に日本で開催された日米専門家による「内分泌化学物質の汚染とその環境評価に関する会議」では「海棲哺乳類に蓄積する有機塩素系化合物とその生物影響」を紹介した。このように、本研究課題で得られた知見をもとに、さまざまな国際会議で招待講演を行ってきた。これらの活動を通じて、海洋環境に配慮した新しいタイプの資源管理システム確立の重要性を説くとともに、彼らの生息環境の保全の必要性を国内外にアピールしてきた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 09460086
  • 電顕組織化学法による耳石基質の合成・次着経路とその日周輪形勢に果たす機能の解明
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1997年 - 1998年
    都木 靖彰
    硬骨魚類の耳石は、年齢、日齢査定形質として水産学研究に必要不可欠な硬組織である。にもかかわらず、年輪・日周輪形成メカニズムはいまだに解明されていない。本研究は,耳石日周輪形成メカニズムを、主に耳石有機基質の産生メカニズムから解明しようとするものである。本年度は昨年度に引き続き、以下の諸点を明らかにした。
    1. 抗耳石可溶性基質抗体を用いた透過型電顕組織化学を昨年に引き続き行い、移行上皮細胞・扁平上皮細胞における耳石可溶性基質産生機構およびその耳石への取り込み機構を明らかにした。可溶性基質は産生後、移行上皮細胞では小型の、扁平上皮細胞ではより大型の分泌小胞中に保存された後、エクソサイトーシスにより内リンパ液中へと分泌される。分泌された可溶性基質が内リンパ液中から耳石へと取り込まれていく様子も観察された。
    2. 小嚢上皮・耳石のレクチン組織化学法および、耳石可溶性基質・内リンパ液のドットプロット法により、小麦胚芽、コンカナバリンAおよびインゲンマメレクチンに反応するN一結合型糖鎖を含む物質が感覚細胞および支持細胞から耳石膜を介して、あるいは移行上皮細胞および支持細胞から内リンパ液を介して耳石に取り込まれることを明らかにした。
    3. ニジマス耳石割断面を走査型電子顕微鏡で詳細に観察したところ、小石状、平板状、球状など様々な結晶構造が観察された。現在、これらの構造がすべてあらゴアナイトからできているのか、他の結晶系(カルサイトなど)が混在しているのか、X線回折を行うべくサンプルを準備中である。それと平行して耳石可溶性基質抗体を用いた免疫組織化学を走査型電顕上で行うべく技術開発中である。
    以上の結果は、タンパク質に加えて糖質、たぶん糖タンパク質が耳石形成に重要な機能を果たしていることを示唆する。今後耳石基質タンパク質や糖鎖の構造を明らかにし、その機能を解明する必要がある。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京大学, 研究代表者, 09760172
  • レクチン組織化学法を用いた魚類耳石有機基盤の糖構造およびその合成・沈着経路の解明
    科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    1996年 - 1996年
    都木 靖彰
    耳石は耳石特有の有機基質に炭酸カルシウムが沈着して生長するとされる。本研究は、糖と特異的に結合するレクチンを用いて耳石有機基質の糖構造の決定、その産生細胞の特定および産生機構の解明を目的として行われた。材料としてニジマスの最も大きい耳石(扁平石)を包む内耳膜迷路である小嚢を用いた。研究結果の概要は以下の通りである。
    1.透過型電子顕微鏡観察により、小嚢上皮細胞を感覚細胞、支持細胞、移行上皮細胞、Mitochondria-rich cell(MRC)、扁平上皮細胞に分類した。MRCを除くすべての細胞が分泌活性を有するタンパク合成細胞であり、耳石形成に関与することを示唆した。
    2.MRCは、その微細構造はイオン輸送生細胞の特徴を有し、代表的なイオンポンプであるNa^+,K^+-ATPaseを高濃度に持つことを証明した。このことから、MRCは小嚢内リンパ液の特殊なイオン組成の形成にあずかるイオン輸送性細胞であると断定した。
    3.アルシアンブルー。PAS染色により、耳石には主として産生多糖類が、耳石膜には酸性多糖と中性多糖両方が含まれることを明らかとした。小嚢上皮のレクチン組織化学染色により、感覚上皮・移行上皮・扁平上皮細胞にはマンノース・N-アセチルグルコサミンが、支持細胞にはマンノースが含まれることを証明した。一方、ガラクトースやN-アセチルガラクトサミンが小嚢上皮に含まれる可能性は低いことを解明した。耳石抽出物を電気泳動・ウェスタンブロッティング後、レクチン(ConA)染色したところ、耳石基質タンパクの主要な成分はマンノースを含む糖タンパクであった。同様の成分は内リンパ液中にも存在した。これらのことから、小嚢上皮に含まれるマンノースの少なくとも一部は耳石基質タンパクと結合した後内リンパ液中に分泌され、耳石中に取り込まれることを示唆した。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京大学, 研究代表者, 08760174
  • 化学物質による海洋汚染とその毒性影響
    科学研究費助成事業
    1994年 - 1996年
    宮崎 信之, 田辺 信介, 天野 雅男, 都木 靖彰, 竹内 一郎, 乙部 弘隆
    本研究では、海棲哺乳類を海洋汚染の指標生物として、日本近海は勿論のこと、熱帯・温帯海域から北極・南極海に至るまで広範囲に調査した。なかでも、1987-88年に多数のアザラシが死亡したバイカル湖およびその周辺域については、ロシア科学アカデミー湖沼学研究所との共同研究として実施することができ、貴重な研究成果を得ることができた。これらの研究成果については、関連学会などで発表すると同時に、一部については学術論文として公表した。その内訳は、原著論文が10編、著書が6編、報告書等が14編、講演発表が35回であった。
    上記の10論文では、(1)日本のみならず世界の海に生息しているイルカ類に蓄積する有機塩素系化合物とその生物影響、(2)多数の個体が死亡したバイカルアザラシとその生息環境に存在する有機塩素系化合物とその特性、(3)日本近海に生息するイルカ類に蓄積する有機スズ類とその特性、(4)南極海に生息するアデリーペンギンに蓄積する重金属とその特性などの研究成果を中心にまとめた。同時に、これらの科学的知見をもとに地球規模の海洋汚染の現状を分析し、将来、益々厳しくなる地球規模の海洋汚染に対する対応策を検討し、国際的な監視体制の確立、国際的な標本バンクの設立、国際共同研究体制の構築などについても言及した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 06454097
  • 魚類のカルシウム代謝調節と硬組織の形成機構に関する研究
    科学研究費助成事業 奨励研究(特別研究員)
    1989年 - 1990年
    都木 靖彰
    日本学術振興会, 奨励研究(特別研究員), 北海道大学, 研究代表者, 01790464

産業財産権

  • コラーゲンを含む組成物               
    特許権, 田中順三, 生駒俊之, 吉岡朋彦, 許哲峰, 都木靖彰, 浦和寛
    特許6132299
    2017年
  • ウニ用畜養飼料               
    特許権, 浦和寛, 都木靖彰, 今村聖祐, 村上雅之, 堤尚信
    特開2016-187337, 2016年
  • チョウザメ類脊索から簡便な抽出方法で得られるII型コラーゲン               
    特許権, 都木靖彰, 浦和寛, 国立大学法人北海道大学
    特願2011-147490(P2011-147490), 2011年07月01日
    特許第5043215号(P5043215), 2012年07月20日
    2012年10月10日