芳賀 永 (ハガ ヒサシ)

先端生命科学研究院 先端融合科学研究部門 細胞ダイナミクス科学分野教授
附属社会創造数学研究センター教授
Last Updated :2025/06/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(理学), 北海道大学

Researchmap個人ページ

研究者番号

  • 00292045

研究キーワード

  • 走査型プローブ顕微鏡
  • 上皮細胞
  • コラーゲンゲル
  • 細胞運動
  • 集団運動
  • 細胞培養
  • 結合組織
  • 組織形成
  • 接着構造
  • ゲル基質
  • メカノセンス
  • 細胞
  • 放射線治療
  • Radiotherapy
  • 粘弾性
  • カンチレバー
  • 放射線
  • 力学的メモリー効果
  • 表面粘性
  • 表面剛性
  • 細胞形態
  • TGFB-1
  • リン酸化
  • radiation
  • irradiation
  • 放射線感受性
  • 細胞生物学
  • 生物物理学
  • Biological Physics
  • Cell Biology

研究分野

  • ライフサイエンス, 腫瘍生物学
  • ライフサイエンス, 形態、構造
  • 自然科学一般, 生物物理、化学物理、ソフトマターの物理
  • ライフサイエンス, 細胞生物学
  • ライフサイエンス, 生物物理学

担当教育組織

■経歴

経歴

  • 2023年04月 - 現在
    北海道大学 大学院先端生命科学研究院 研究院長
  • 2013年05月 - 現在
    北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授
  • 2010年 - 2013年
    - 北海道大学 大学院先端生命科学研究院, 准教授
  • 2007年 - 2010年
    北海道大学 大学院理学院生命理学専攻, Graduate School of Science, Division of Biological Sciences, 准教授
  • 2006年 - 2007年
    北海道大学 大学院理学院生命理学専攻, Graduate School of Science, Division of Biological Sciences, 助教授
  • 2002年 - 2006年
    北海道大学 大学院理学研究科生物科学専攻, 助教授
  • 1997年 - 2002年
    北海道大学 大学院理学研究科物理学専攻, 助手
  • 1995年 - 1997年
    米国マサチューセッツ工科大学 化学科, 博士研究員
  • 1994年 - 1995年
    日本学術振興会, 特別研究員
  • 1992年 - 1995年
    北海道大学 教養部, 非常勤講師

学歴

  • 1992年04月 - 1995年03月, 北海道大学, 大学院理学研究科, 物理学専攻 博士後期, 日本国
  • 1990年04月 - 1992年03月, 北海道大学, 大学院理学研究科, 物理学専攻 修士課程, 日本国
  • 1986年10月 - 1989年03月, 北海道大学, 理学部, 物理学科, 日本国
  • 1985年04月 - 1986年09月, 北海道大学, 理Ⅰ系

委員歴

  • 2010年 - 現在
    日本細胞生物学会, 評議員, 学協会
  • 2020年04月 - 2022年03月
    日本生物物理学会北海道支部, 支部長, 学協会
  • 2016年 - 2020年
    日本メカノバイオロジー学会, 会長, 学協会

学内役職歴

  • 大学院生命科学院副学院長, 2019年4月1日 - 2021年3月31日
  • 大学院生命科学院副学院長, 2021年4月1日 - 2023年3月31日
  • 大学院先端生命科学研究院長, 2023年4月1日 - 2025年3月31日

■研究活動情報

論文

その他活動・業績

書籍等出版物

担当経験のある科目_授業

  • 生物系の統計力学               
    北海道大学理学部
  • 生物系の量子力学               
    北海道大学理学部
  • 少人数討論型育成プログラム               
    北海道大学大学院生命科学院

所属学協会

  • 日本メカノバイオロジー学会               
  • 日本細胞生物学会               
  • 日本癌学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • アデノウイルスE4遺伝子の幹細胞性誘導機構から新たながん治療分子標的を検索する
    科学研究費助成事業
    2024年04月01日 - 2027年03月31日
    安田 元昭, 芳賀 永, 義達 理恵子
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 24K13103
  • がん細胞に集団浸潤もたらす細胞間接着構造とシグナル経路の探索
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    芳賀 永
    多くのがん細胞種は細胞間の接着を維持したまま集団で浸潤する.このことを集団浸潤という.その機序については不明な点が多い.本研究は,がん細胞にみられる細胞間接着構造と細胞間に形成される仮足構造を観察・解析するとともに,それらの構成分子およびシグナル経路を明らかにすることで集団浸潤の普遍的機序に迫る.研究目的で掲げた3つの問いである①集団浸潤をもたらすシグナル経路の探索,②細胞間に特異的に見られる仮足構造の解析,③集団浸潤の普遍性の検証のうち,令和3年度では,①集団浸潤をもたらすシグナル経路の探索を行った.
    ヒト皮膚扁平上皮がん細胞株(A431細胞)から高浸潤と低浸潤のサブクローン株を樹立し,DNAマイクロアレイによってサブクローン間の発現遺伝子を比較したところ,これまでにkeratin-1,10,14,JAK-STAT経路などの遺伝子発現に有意な差があることが明らかとなっていた.そこで,転写因子であるSTAT1に着目し,RNA干渉法によってSTAT1の発現を抑制したところ,高浸潤サブクローン株の集団浸潤が有意に抑制されるという結果を得た.さらに,STAT1を活性化させるサイトカインであるインターフェロンβ(INFB)の発現と局在を免疫蛍光染色法によって観察したところ,高浸潤サブクローン株では細胞-細胞間にINFBが局在する一方,低浸潤サブクローン株では細胞-細胞間での局在は観察されなかった.加えて,高浸潤サブクローン株でINFBの発現をノックダウンしたところ,STAT1は活性化せず,集団浸潤も抑制されることが明らかとなった.さらに,EGTAを用いて細胞-細胞間接着を緩めたところ,高浸潤サブクローン株におけるINFBの細胞-細胞間局在が消失し,集団浸潤が抑制された.これらの結果は,IFNBが細胞間隙に蓄積しSTAT1が活性化することで集団浸潤が誘引されることを示している.
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 21K07142
  • 足場材の硬さの違いを利用した上皮角化・非角化様式解明と培養口腔粘膜作成法への応用
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2020年04月01日 - 2023年03月31日
    泉 健次, 芳賀 永, 石原 誠一郎, 加来 賢, 佐藤 大祐, 鈴木 絢子
    今年度は、コロナの影響で魚うろこコラーゲンの入手がままならず、既製品の魚うろこコラーゲンであるセルキャンパスしか手に入らなかったため、コラーゲンゲルの足場材の硬さをランダムに変えての培養口腔粘膜作成はできなかった。その分、セルキャンパスを用いて、コントロールの硬い培養皿面、同表面でカルシウム濃度をあげた分化培地、および、いわゆるコラーゲンゲルの軟性面で培養したケラチノサイトに対し、運動能解析と外注によるマイクロアレイ解析による網羅的遺伝子発現分析(現在までに2サンプル解析終了し、現在もう2サンプル培養しており、外注予定)を実施し、結果がでたら新たに分担者に加わっていただいた凌先生にヒートマップとクラスター図を作成してもらい、ビッグデータ解析をお願いする。
    細胞運動能解析では驚いたことに、コラーゲンゲル上の細胞運動能が、硬い培養皿面での細胞運動能より上回っていた。これは、いわゆる癌細胞のメカノバイオロジーと真逆の現象である。さらに、運動能が高いにも関わらず、ケラチノサイトの分化マーカー遺伝子発現が更新していることが示唆され、申請者の以前の基盤B研究で報告した結果とも相反するデータを得ており、今後考察を加え、メカニズム解明したい。また、コロナの影響で、研究分担者のいる北海道大学にAFMを用いた細胞の硬さ検索ができなかった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 新潟大学, 20H03870
  • がん細胞に集団浸潤を誘引する接触追従の機序解明と普遍性の検証
    学術研究助成基金助成金/基盤研究(C)
    2017年 - 2019年
    芳賀 永
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • インビトロ系における細胞シートからの3D形態形成
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2015年 - 2019年
    芳賀 永
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • 3D形態ロジックの国際共同研究を加速するバーチャル研究所
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2015年 - 2019年
    近藤 滋
    文部科学省, 競争的資金
  • 生物の3D形態を構築するロジック
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2015年 - 2019年
    近藤 滋
    文部科学省, 競争的資金
  • 細胞外基質の硬さに誘引される転写調節因子ATF5の活性と浸潤能亢進の機序
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2014年 - 2016年
    芳賀 永
    本研究では、基質の硬さが誘引するがん細胞の浸潤能との関係を調べ、がん細胞が悪性化する機序の解明を目指した。その結果、基質の硬さによって転写因子ATF5が活性化し、基質接着タンパク質であるインテグリンの発現に関与することでがん細胞の浸潤能が亢進することを明らかとした。さらに、がん細胞株を硬さの異なる基質中で培養したところ、硬い基質上では、ATF5が核内に移行する現象を見出した。加えて、ATF5の欠失変異体をがん細胞に発現させ、核内移行の機序を調べたところ、核外搬出シグナル(NES)が関与していることが明らかとなった。
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 26430104
  • がん細胞は自身の生存をかけ放射線域を逃れるべく上皮間葉移行をなしうるか
    科学研究費助成事業
    2012年04月01日 - 2015年03月31日
    西岡 健, 芳賀 永, 安田 元昭, 武島 嗣英
    今年度の実験において我々は5'UTRおよび3'UTR依存性発現調節の候補遺伝子の機能解析を行った。5'UTR結合タンパク質に関してはSRSFファミリーが有望であると考えられた。これらタンパク質はHIF-laあるいはcMYCの5'UTRを挿入したルシフェラーゼリポーターからのタンパク質発現を数倍に活性化することができた。これら候補遺伝子の発現を、マイクロアレイにて比較したところ、予想通り高転移性株では発現が高い傾向が認められた。これらの発現が遺伝子プロモーター領域の配列の違いによるものか否かを判断するため、アレイ解析に用いた細胞のゲノムDNAを出発材料にしてプロモーター領域のシークエンスを行ったところ顕著な塩基置換は認められず、メチル化などのエピジェネティックな変化の解析が今後の課題として提起された。3'UTR依存性発現調節の候補遺伝子としてELAVLファミリータンパク質の1つであるELAVL2の機能解析を行った。ELAVL1はほぼ全ての細胞において多量に発現し主に核局在を示すが、ELAVL2は主に細胞質に局在する。ELAVL2導入細胞株ではELAVL1を導入した細胞よりも、ARE mRNA由来のタンパク質発現レベルが有意に上昇していた。蛍光タンパク質タグを付与したHuRを単独で強制発現させてもELAVL1は核局在を示したが、ELAVL1とELAVL2を同時に発現させた細胞では細胞質局在するELAVL1が認められた。two-hybrid法にて、ELAVL1どうしの結合よりELAVL1-ELAVL2間のほうがより強い結合であることが示された。この結合にはELAVL2のN末端、C末端領域が必要であった。ELAVL1の核から細胞質への局在変化にはELAVL2が大きく関わっていること、ELAVL2の発現量はがん細胞の悪性度と相関することが示唆された。これまで3'UTR依存性の翻訳抑制機構を担うと報告されてきたELAVL1はむしろHIF-1αの翻訳効率を低下させることが示され、従来考えられてきた調節機構はより複雑なものであることが示唆された。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 24390285
  • 張力によるアクチンの構造変化と、それに依存したミオシンの結合増加および局在制御
    科学研究費助成事業
    2012年04月01日 - 2015年03月31日
    上田 太郎, 祐村 恵彦, 芳賀 永, 野口 太郎, 安達 泰治
    真核細胞においてさまざまな重要現象に中心的に関与するアクチンフィラメントの機能分化機構を解明するため、アクチンフィラメントに張力が負荷されるとミオシンIIの結合が促進されるという仮説の検証を試みた。その結果、アメーバ細胞内のフィラメントに負荷される張力を見積もることができた。そうした張力をin vitroでフィラメントに負荷しミオシンIIの結合量の変化を見る実験に関しては、概ね実験系を確立でき、今後の測定への展望が開けた。蛍光エネルギー移動法による観察も最終的な結論を得るに至っていないが、細胞内のフィラメントに構造多型性があることが確認できた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 独立行政法人産業技術総合研究所, 24370069
  • ゲル基質の軟らかさと粘性を利用した上皮シートの3次元組織構築
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2014年 - 2015年
    芳賀 永
    本研究課題は,ゲル基質を用いて上皮細胞に腸管絨毛のような立体構造(チューリップハット様の構造)を形成させるシステムを構築することを目的とする.研究代表者はこれまでに,上皮細胞をマトリゲル上に播種すると,上皮シートの辺縁部が内側に収縮し,ゲル基質を変形させながら回転運動を行い,絨毛構造を形成することを発見した.本研究では,この現象を組織再生の基礎技術とするために,①上皮シートの辺縁部が収縮する機構,②ゲル基質の粘性がもたらす効果,③シート全体が回転運動する機構の3点に焦点を当てて研究を遂行した.
    平成27年度では,交付申請書における研究実施計画に従って,リーダー細胞の出現による形態形成への機序解明と様々な粘性係数をもつ粘性基質の開発を行った.実験の結果,上皮間葉転移(EMT)を誘引する受容体を薬剤阻害してもチューリップハット構造の形成が阻害されることはなかった.リーダー細胞の出現,およびチューリップハット構造の形成にはEMTのシグナル経路は関与しないことが明らかとなった.また,粘性基質の開発については,シリコーンオイルにPDMSを混ぜることで任意の粘性係数を実現することに成功した.粘性基質上に播種した上皮細胞が様々な形の突起構造,管状構造を形成することを発見した.さらに,従来法であるマトリゲルに架橋剤としてゲニピンを混ぜることで,任意の粘性係数をもつ新規のマトリゲル基質を開発した.ゲニピンの濃度を調節し,粘性係数を変えことで任意のサイズの突起構造を形成させることに成功した.
    これらの結果は,平成27年度内にScientific Reports誌に原著論文として公開することができた.
    文部科学省, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 26106702
  • 多数の細胞の力と運動がもたらす管腔構造形成のロジック
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2013年 - 2014年
    芳賀 永
    本研究課題は,上皮細胞の集団が協調して力を出し合い,管腔組織を形成するロジックを明らかにすることを目的とする.研究代表者はこれまでに,上皮細胞(MDCK細胞)をコラーゲンゲルで重層すると,上皮シートの辺縁部が内側に収縮し,シート全体が湾曲しながら折り返されることで管腔構造が形成されることを発見した.本研究では,この現象が生じるロジックを解明するために,①上皮シート端が折り返す機構,②折り返した細胞に追随して後続細胞が集団で運動する機構,③上皮シートが湾曲し間隙が形成される機構の3点に焦点を当てて研究を遂行した.
    平成26年度では,交付申請書における研究実施計画に従って,上皮シート辺縁部を取り囲むアクトミオシン束の収縮力発生機構について調べた.とくに,細胞に大きな収縮力をもたらすII型ミオシン調節軽鎖(MRLC)の2重リン酸化機構に着目して実験を行った.具体的には,阻害剤投与,免疫蛍光染色,siRNAによる発現抑制,FRETプローブを用いた蛍光ライブイメージングを行うことで,MRLCの2重リン酸化に寄与するリン酸化酵素(ROCK,ZIP-kinase,MLCK)の働きについて検討した.その結果,MLCKは折り返しには寄与せず,ROCKとZIP-kinaseの寄与が大きいことが明らかとなった.とくに,ZIP-kinaseの働きについてはあまり知られていなかったので,今回の発見は細胞の集団運動を理解する上で意義が大きいといえる.さらに,研究実施計画に従って,MMP-8の分泌と管腔形成との関係についても調べた.MMP-8の阻害剤を投与したところ,管腔形成に大きな影響を及ぼさないことが明らかとなった.
    これらの結果は,平成26年度内にPLoS ONE誌に原著論文として公開することができた.
    文部科学省, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 25127701
  • 動体追跡医科学研究
    科学研究費補助金(基盤研究(A))
    2009年 - 2012年
    白土 博樹, 本間 さと, 玉木 長良, 芳賀 永, 但野 茂, 石川 正純
    放射線を軸に、ナノレベルの物理現象から社会的存在としての患者まで生体の動体追跡科学の基盤研究を行った。電子線トラック特性解析から細胞生存率モデルを提案した。DNAの二本鎖切断のうち修復されずに残るものの数がPoisson分布し、それが潜在的致死(PL)損傷であると仮定するNLP(Non-Lethal Probability)モデルによって、照射後の細胞の生存率をより適切に説明できた。細胞への放射線効果の予測を統計学的に行う際には、解析対象を分布値で表現する解析法を導入することで、より正しく記述できることが示唆された。ひと由来がん細胞が軟らかい基盤上の動きを観察したところNF-κBやLOXとの関係がわかり、細胞のゲル器質内への侵潤の3次元的観察系を構築する基礎が整った。マウス体内の各部位における遺伝子発現をリアルタイムに長期間、自由行動中の動物から計測する小動物内の分子の動体追跡技術を開発した。ルシフェラーゼレポーターを用い、体表からの微弱発光レベルの三次元空間における長期間追跡を行うことができ、定量的追跡への土台が整った。サルの脳定位照射・動体追跡照射の実験を可能にするために、準備的検討を行った。大動物の動体追跡実験が可能になると、生理学的検討に使える可能性が高い。ひとがん組織の放射線治療後の腫瘍の変化を定量的に記載し、予測するためのモデルを構築した。ひとがん腫瘤の動体追跡の...
    文部科学省, 基盤研究(A), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 21249065
  • 基質の軟らかさによって誘引される細胞の協調的集団運動に関する研究
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2009年 - 2011年
    芳賀 永, 川端 和重
    細胞集団に自発的な協調運動を誘引させるため,コラーゲンゲルを作成し,その上に上皮細胞(MDCK細胞)を培養した.平成22年度では,細胞外基質との接着構造を解析し,リーダー細胞の出現機構について調べた.さらに,細胞間に「力」を伝達するセンサーの探索を行った.(1)細胞-基質間の接着構造の解析これまでの実験結果によって,軟らかいゲル基質上においては,リーダー細胞のみが基質との接着部位にintegrin-β1を発現し,リーダー細胞以外の細胞は別の接着タンパク質を発現していることが示唆されていた.平成22年度では,RT-PCRにより,リーダー細胞以外の細胞における接着構造の解明を目指した.しかし,integrin-β3,β4,β7など幾つか候補が見つかったものの,接着タンパク質の同定には至らなかったので,次年度も継続して実験を行う予定である.(2)リーダー細胞の出現機構の解明これまでの実験結果によって,基質の硬さに伴って上皮-間質転換(EMT)が誘引され,リーダー細胞が出現することが示唆されていた.平成22年度では,MDCK細胞のサブクローニングを行い,発現遺伝子と表現型を調べることでEMTを検証した.その結果,ガラス基盤上でも集団運動を示すサブクローンの獲得に成功した.そのサブクローンは細胞間接着が極めて強固であり,E-cadherinが有意に発現していることが明らかとなった.さら...
    文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21570158
  • 力学的応答測定を利用した極微小タンパク質結晶の判別・評価法の開発
    科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)
    2009年 - 2010年
    田中 勲, 芳賀 永
    本研究課題では,タンパク質結晶化初期スクリーニングにおいて析出する極微小結晶様物質の力学的応答特性を,走査型プローブ顕微鏡を用いて測定するための研究開発を行った.前年度までに,走査型プローブ顕微鏡でタンパク質結晶を観察する系を構築し,さらに塩の結晶についても同様の実験系を考案した.本年度は,タンパク質結晶および塩結晶の測定数を増やすことに取り組んだ.タンパク質結晶については,ニワトリ卵白リゾチームと甘味タンパク質ソーマチンについては成功したが,確立した実験系ではかなり高濃度のタンパク質溶液が多量に必要となり,かつ通常の結晶化とは方式が異なるため,既存の結晶化戦略との溝を埋めるような研究が必要とされる.また本課題内で,結晶面の違いによって,力学的性質の差異が示唆されたため,異なる結晶面の特性を比較検討する研究が必要であることが見出された.塩類の結晶について本年度は,前年に成功したNaClと同様の方法によってさまざまな塩類を結晶化させることを試みたが,NaCl以外では測定に適した結晶を得ることはできず,タンパク質と塩類を詳細に比較するためには,異なる方法で結晶を得る必要がある.タンパク質とNaClの結晶の力学的応答を比較した場合,前者のほうが弾性に富むこと,またNaClの結晶は,表面に強い電荷を帯びていることが示唆され,結晶の判別に応用できることが期待された.しかし,タンパク質と...
    文部科学省, 挑戦的萌芽研究, 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 21657026
  • 放射線照射を生き延びた癌細胞に秘められた謎:癌根絶への多角的アプローチ
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2008年 - 2010年
    西岡 健, 芳賀 永, 安田 元昭, 本間 明宏, 堤香 織, 酒井 正春
    放射線後生き残った細胞(以下IRとをす)の遺伝子発現をcDNAアレイにより調べた。マウス線維肉腫細胞のセルラインQRsPを使用し10Gyの照射を施行した。コロニーアッセイとともに6つのクローンの樹立が行われた。照射を生き延びた細胞では、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CKI)、p16 p57 の著明な発現低下;14.8および12.0の低下、また耐性クローン(IR)をマウスに移植したところ移植比100%がえられた。この細胞株にCD34がふくまれていることをかんがみると、がん幹細胞が放射線耐性に含まれていた可能性がある。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 20390319
  • 細胞コロニー内の細胞に個別に蓄積される力学的記憶の解明
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2006年 - 2008年
    川端 和重, 芳賀 永, 根本 幸児
    細胞集団がどのように連携・協同して血管や臓器などのマクロな形態を形成するかその機構を解明することを目的に、細胞に蓄積される力学的記憶効果を調べた。本研究では、走査型プローブ顕微鏡を用いた新たな測定装置を構築し、細胞に力学的変形刺激を加えた場合に細胞内に発生する力の応答を調べた。その結果、細胞の変形パターンによって、その後の細胞の力学的応答が大きく異なり、細胞レベルに力学的な記憶効果があることを明らかにした。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 18340122
  • 放射線治療中に生ずる高度増殖浸潤能クローンの封じ込め
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2006年 - 2007年
    西岡 健, 安田 元昭, 芳賀 永, 本間 明宏, 堤 香織
    マウス繊維芽肉腫細胞株QR s P細胞に10Gyの放射線照射を施行し、生存したコロニーから24株をクローニングした。これらに対しさらに10Gy照射したところコロニーの出現のしかたはまちまちであり、母集団の中には放射線高感受性のものもあれば抵抗性のものもあることが判明した。このうち最も抵抗性の株(10-1IRと命名)と最も高感受性の株10-5IRについて様々な角度から相違点を見つけ出した。まず親株との間でそれぞれc DNAアレイを行った。またIR群それぞれをC57BL/6マウスに細胞移植を行ったところ造腫瘍能には変わりがないことが判明した。この腫瘍から細胞株を再び作成し親株との間で2回目のc DNAアレイを施行した。この計4回のアレイデータから、それぞれ親株と似ているもの、異なるものを抽出し、さらにそれらの遺伝子群について10-1IRと10-5IRの間で異なる遺伝子を70個検出した。このなかには転写因子であるATF5が存在した。放射線照射をmimicするためp53を強制導入して親株と10-5IRの細胞死分画をフローサイトメーターみたところ、親株で7%、10-5IRで25%と明らかに10-5IR細胞においてp53によるアポトーシスが多く見られた。次にATF5を10-5IRに強制導入しコロニーアッセイによる10Gy照射後の生存コロニー数、フローサイトメーターによるアポトーシスの文画...
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 18390325
  • 細胞システムにおける「力学平衡」モデルの実証
    科学研究費補助金(萌芽研究)
    2003年 - 2004年
    川端 和重, 芳賀 永
    細胞運動や組織形成などには、基質の伸展刺激や流れずり応力等の力学的刺激が重要な働きをすることが知られている。本研究の目的は、外力に対する細胞の力学的応答を調べることにより、細胞内のアクチンフィラメントネットワークの動的性質を明らかにする、特に、外的刺激に対する力学的な平衡状態(張力ホメオスタシス)の存在およびその性質また分子レベルでの要因を明らかにすることである。本研究により得た結果は以下である。1)弾性シャーレを用いて、生きたマウス繊維芽細胞(NIH-3T3)を伸長もしくは収縮させた時の、細胞のかたさ分布の時間変化を力学SPMを用いて測定した。細胞内のアクチンストレスファイバーに働く張力にも恒常性が存在し、元の状態に戻るために2時間程度の時定数を持つ。2)ストレスファイバーの収縮力の起源であるミオシン調節軽鎖(MRLC ; Myosin Regulatory Light Chain)に結合したリン酸数と張力の応答の関係を調べた。1リン酸化はできるが2リン酸化することが出来ないMRLC(MRLC-T18A)を過剰に発現させた細胞を機械的に伸張させ、その力学的応答をSPMによって測定した。この細胞では細胞内張力ホメオスタシスは起こらない。3)wild-type細胞を伸長もしくは収縮し、リン酸化されたMRLCの細胞内の空間分布を共焦点蛍光顕微鏡で観察した。細胞の伸長直後にストレス...
    文部科学省, 萌芽研究, 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 15650051
  • ナノ力学プローブ顕微鏡による結合組織の形成過程における力学的制御機構の解明
    科学研究費補助金(若手研究(B))
    2002年 - 2004年
    芳賀 永
    前年度に開発した広域走査が可能な新型の走査型プローブ顕微鏡(WR-SPM)を用いて、上皮細胞が増殖し上皮組織を形成するまでの過程を力学的な見地から観察を行った。これまで市販のSPMでは100ミクロン程度の走査範囲が限界であったが、新たに開発したWR-SPMでは400ミクロンのエリアを走査することが可能となっている。現在までに、数百の細胞からなる上皮細胞のコロニー全体に対する弾性率分布の経時変化測定に成功している。さらに、一細胞レベルにおける細胞内張力のダイナミクスについてのSPM観察を行った。その結果、ストレスファイバーを構成するII型ミオシン調節軽鎖(MRLC)のリン酸化が細胞内張力の発生起源であり、伸長もしくは収縮といった外力が細胞に加わっても、細胞はMRLCのリン酸化レベルを変化させることで、細胞の形態や細胞内張力を安定化させていることが明らかとなった。また、保温装置付きの位相差顕微鏡を用いて、コラーゲンゲル基盤上で培養した上皮細胞が上皮コロニーを形成しながら集団で運動する過程を長時間観察した。その結果、(1)コラーゲン線維の配向性が上皮細胞の集団運動の方向を決定する。(2)ゲル基盤上の上皮細胞には、amoeboid型運動をするfollower細胞と、mesenchymal型運動をするleader細胞が存在し、それらの細胞の役割分担が空間的に制御されることで、上皮細胞は集団で一定方向に効率良く運動し、結合組織の形成を行う。ことなどが明らかとなった。以上、SPMで得られた結果と位相差顕微鏡による長時間観察の結果を比較すると、上皮細胞は組織を形成する過程において上皮コロニー周辺部のleader細胞が牽引力を発生し、その力がコロニー中心部に伝わることでコロニー全体が協調して一定方向に運動することが明らかとなった。
    文部科学省, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 14780536
  • 生きた動物細胞の粘弾性分布の走査型プローブ顕微鏡による定量的評価法の開発
    科学研究費補助金(基盤研究(C))
    2002年 - 2003年
    平井 義彦, 芳賀 永, 川端 和重, 田中 芳雄, 川田 博昭, 菊田 久雄
    細胞のマイクロ粘弾性解析手法として,探針をコンタクトモードで走査しながら試料に周期的な応力を加え、たわみ信号に現れる周期的な応答から試料の粘弾性を評価フォースモジュレーション法について,試料の粘弾性と溶液の粘性の両方を考慮に入れたカンチレバーにおける1次元の振動方程式を導入し,この方程式に基づいた数値計算により、カンチレバー振動の振幅・位相から、Hertzモデルを複素弾性率に拡張し、1次元の弾性[N/m]と粘性[Ns/m]から弾性率と粘性係数を計算した。次に,走査型プローブ顕微鏡(SPM)のカンチレバー探針を,試料に周期的に押込むときに,特に,探針が試料と接触・乖離を繰返す場合につき、カンチレバー運動に対する流体の抗力を考慮した高次の振動モードを含むカンチレバー運動方程式を解析的に解き,カンチレバー根元の押込み方向励振振動に対するSPMカンチレバー先端の振動振幅比,位相遅れと,試料の表面剛性,表面粘性との関係を導出し,粘弾性分布を定量的に評価する方法を構築した.これより,カンチレバーの位相差,振幅比と,試料の表面粘性,表面剛性の関係を示す粘弾性分布図を求めた.これを基にして,生きた細胞の粘弾性特性を測定するためのソフトウエアを開発した.これにもとづき,AFMからの測定データより,生きた細胞の粘弾性分布を測定するシステムの構築と,その有効性を検証した.
    文部科学省, 基盤研究(C), 大阪府立大学, 連携研究者, 競争的資金, 14550222
  • 生細胞の組織形成過程における力学的制御機構の解明               
    1996年
    競争的資金

産業財産権

社会貢献活動

  • 全国大学生活協同組合連合会 理事(北海道ブロック運営委員長)               
    2022年01月 - 現在
    その他
    その他
  • 北海道大学生活協同組合 監事会議長               
    2021年05月 - 現在
    その他
    その他