長友 優典 (ナガトモ マサノリ)

薬学研究院 創薬科学部門 創薬化学分野教授
教育イノベーション機構教授

2007年 東京理科大学 理学部第一部 応用化学科卒業(中田 忠 教授)
2009年 東京理科大学 大学院理学研究科 化学専攻修士課程修了(中田 忠 教授)
2010年 日本学術振興会特別研究員 (DC2)
2012年 東京大学 大学院薬学系研究科 統合薬学専攻 博士後期課程修了 [博士(薬学)](井上 将行 教授)
2012年 東京大学 大学院薬学系研究科 助教
2012年 The Scripps Research Institute(TSRI)客員研究員(Prof. P. S. Baran)
2018年 東京大学 大学院薬学系研究科 講師
2018年~ 天然物化学談話会 世話人(2024年~同世話人代表)
2021年 東京大学卓越研究員
2023年 現職

研究者基本情報

■ 通称等の別名
  • Masanori Nagatomo
■ 学位
  • 博士(薬学), 東京大学, 2012年03月
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
研究者番号
  • 70634161
ORCID IDResearcher ID
  • HGD-2896-2022
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 有機合成化学
  • 天然物合成化学
  • 全合成
  • 光化学
  • 計算化学
研究分野
  • ライフサイエンス, 生物有機化学
  • ナノテク・材料, 構造有機化学、物理有機化学
  • ナノテク・材料, 有機合成化学, 有機合成化学
  • ライフサイエンス, 薬系化学、創薬科学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2023年11月 - 現在
    北海道大学, 大学院薬学研究院, 教授
  • 2021年10月 - 2023年10月
    東京大学, 卓越研究員, 日本国
  • 2018年11月 - 2023年10月
    東京大学, 大学院薬学系研究科, 講師, 日本国
  • 2012年04月 - 2018年10月
    東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教, 日本国
  • 2012年07月 - 2012年08月
    スクリプス研究所, カリフォルニア サンディエゴ, 客員研究員, アメリカ合衆国
  • 2010年04月 - 2012年03月
    独立行政法人日本学術振興会, 特別研究員(DC2 医歯薬学), 日本国
学歴
  • 2009年04月 - 2012年03月, 東京大学, 大学院薬学系研究科, 統合薬学専攻 博士後期課程, 博士後期課程, 日本国
  • 2007年04月 - 2009年03月, 東京理科大学, 大学院理学研究科, 化学専攻 修士課程, 修士課程, 日本国
  • 2003年04月 - 2007年03月, 東京理科大学, 理学部第一部, 応用化学科, 日本国
  • 1999年04月 - 2002年03月, 宮崎県立宮崎西高等学校, 理数科, 日本国
委員歴
  • 2018年04月 - 現在
    Colloquium of natural product chemistry, manager, 学協会
  • 2018年04月 - 現在
    天然物化学談話会, 世話人, 学協会

研究活動情報

■ 受賞
  • 2025年04月, 公益財団法人UBE学術振興財団, 2025年度 UBE学術振興財団学術奨励賞
    HIV/AIDSの根治を志向したインゲナンエステル類の網羅的全合成と活性評価
    長友 優典
  • 2024年04月, 公益財団法人長瀬科学技術振興財団, 2024年度 長瀬研究振興賞
  • 2023年03月, 公益社団法人 日本化学会, 第37回 若い世代の特別講演証
    高酸化度多環式テルペノイドの網羅的全合成への挑戦
    長友 優典, 37204986;36811303
  • 2021年12月, 公益社団法人 有機合成化学協会, 第一三共 研究企画賞
    「逆」生合成経路に基づく稀少海洋産ノルジテルペン類の網羅的全合成戦略の確立
    長友 優典
  • 2021年10月, 東京大学, 令和3年度東京大学卓越研究員
    ラジカル合成戦略を基盤とした高酸化度生物活性天然物合成の単純化
    長友 優典
  • 2019年12月, 公益財団法人MSD生命科学財団, Chemist Award BCA 2019
    α-ヘテロ炭素ラジカルを活用した有機分子構築法の開発と高酸化度天然物の全合成
    長友 優典
  • 2019年01月, Thieme Publishing Group, The Thieme Chemistry Journals Award 2019
    長友 優典
  • 2018年03月, 日本薬学会, 奨励賞
    高酸化度天然物の全合成戦略の開発
    長友 優典
  • 2017年07月, 天然物化学談話会, 奨励賞
    官能基密集型天然物の全合成戦略の開発
    長友 優典
  • 2010年12月, Pacifichem 2010, Student Poster Competition Award
    Synthetic Study of Ryanodine
    長友 優典
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
  • 〔主要な業績〕網羅的全合成戦略の探求―プリビレッジな構造の抽出と構築
    長友優典, 化学と工業 飛翔する若手研究者
    公益社団法人日本化学会, 2023年08月, 2, 584-585, 日本語, 教科書・概説・概論, [査読有り], [単著]
  • 〔主要な業績〕Total Syntheses of Densely Oxygenated Natural Products by Radical-Based Decarbonylative Convergent Assembly
    長友 優典, 天然物化学の新潮流
    Springer, 2023年07月, 9789819917136, 377, 259-273, 英語, 学術書, 36811303;37204986, [査読有り], [単著]
  • 〔主要な業績〕抗がん剤タキソールの全合成――ラジカル反応を活用した新しい合成戦略とその展開
    長友優典; 今村祐亮; 井上将行, 月刊化学
    化学同人, 2023年07月, 36811303;37204986, [共著]
  • α-Arylation of Cyclopentanones by Palladium/Enamine Cooperative Catalysis
    Submitted by; Yibin Xue; Arjuna Parsad; Guangbin Dong; Checked by; Jaejoong Han; Masanori Nagatomo; Masayuki Inoue
    Organic Syntheses, Inc., 2023年03月, [共著]
  • Stereoselective [2+2] Cycloadditions: Synthesis ofa Tri-O-Bn-D-Glucal-derived β-Lactam
    Submitted by; Maria Varghese; Hannah E. Caputo; Ruiqing Xiao; Anant Balijepalli; Aladin Hamoud; Mark W. Grinstaff; Checked by; Kyohei Oga; Masanori Nagatomo; Masayuki Inoue
    Organic Syntheses, Inc., 2021年12月, [共著]
  • Preparation of 1H-Indazole-3-carbonitrile
    Submitted by; Yonggang Chen; Qinghao Chen; Lushi Tan; Lu Chen; Xiaowei Wang; Checked by; Yuma Komori; Masanori Nagatomo; Masayuki Inoue
    Organic Syntheses, Inc., 2020年10月16日, [共著]
  • Preparation of (-)-Levoglucosenone from Cellulose Using Sulfuric Acid in Polyethylene Glycol
    Submitted by J. Klepp, W. Dillon, Y. Lin, P. Feng, B. W. Greatrex, Checked by Y. Imamura, M. Nagatomo, M. Inoue
    Organic Syntheses, Inc., 2020年03月02日, [共著]
  • Nickel-Catalyzed Cross-Coupling of 2-Methoxynaphthalene with Methyl 4-(5,5-dimethyl-1,3,2-dioxaborinan-2-yl)benzoate
    Submitted by; Yuki Kawashima; Takayuki Furukawa; Naoto Chatani; Mamoru Tobisu Checked by; Takumi Fukuda; Masanori Nagatomo; Masayuki Inoue
    Organic Syntheses, Inc., 2019年02月04日, 36-52, 英語, [共著]
  • 〔主要な業績〕天然有機化合物の全合成 : 独創的なものづくりの反応と戦略
    日本化学会, リアノダンジテルペンの統一的全合成
    化学同人, 2018年03月, 9784759813876, v, 193p, 図版 [4] p, 日本語, [共著]
  • 〔主要な業績〕高酸化度天然物の全合成戦略の開発
    長友 優典
    薬事日報, 2018年03月, 日本語, 学術書, [単著]
  • 〔主要な業績〕ラジカル反応を基盤とした高酸化度天然物の収束的合成戦略
    井上 将行; 長友 優典; 占部 大介
    ファルマシア, 2017年09月, 5, 日本語, 学術書, [共著]
  • リアノジン類の統一的全合成-多様性を志向した共通中間体の設計戦略
    長友 優典; 井上 将行
    化学, 2016年04月, 2, 日本語, 学術書, http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~inoue/assets/pdf/kagaku2016.pdf, [共著]
  • Pentafluorophenyl Isocyanate
    T. Hoshikawa; M. Nagatomo; M. Inoue
    e-EROS, 2013年09月, 047084289X, 英語, 事典・辞書, [共著]
■ 主な担当授業
  • 卒業研究準備実習Ⅰ, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 創薬化学特論, 2024年, 修士課程, 生命科学院
  • 卒業研究準備実習Ⅱ, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 実践有機合成化学特論, 2024年, 修士課程, 生命科学院
  • 薬学論文講読演習Ⅰ, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 有機化学Ⅱ, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 薬学論文講読演習Ⅱ, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 有機合成化学演習Ⅱ, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 薬学論文講読演習Ⅲ, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 薬学総合演習, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 薬学卒業研究, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 薬科学演習, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 薬科学論文講読演習, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 薬科学卒業研究, 2024年, 学士課程, 薬学部
  • 生命科学研究, 2024年, 修士課程, 生命科学院
  • 生命科学実習, 2024年, 修士課程, 生命科学院
  • 生命科学論文講読Ⅰ, 2024年, 修士課程, 生命科学院
  • 生命科学論文講読Ⅱ, 2024年, 修士課程, 生命科学院
  • 生命科学特別研究, 2024年, 博士後期課程, 生命科学院
  • 生命科学文献講読, 2024年, 博士後期課程, 生命科学院
  • 臨床薬学論文講読Ⅰ, 2024年, 博士後期課程, 生命科学院
■ 所属学協会
  • 有機合成化学協会
  • 日本化学会
  • 日本薬学会
  • 日本農芸化学会
  • 日本生薬学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 天然物主導型電位依存性ナトリウムチャネル制御因子の創製
    科学研究費助成事業
    2025年04月 - 2028年03月
    長友 優典
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 25K02380
  • 創薬リード創出を志向した未踏高酸化度中分子ダフナンジテルペンの網羅的全合成
    科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    長友 優典
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 東京大学, 22K06521
  • MI実装による革新的光反応の創出と高酸化度天然物の未踏逆合成戦略の提示と実現
    科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
    2022年06月 - 2024年03月
    長友 優典
    日本学術振興会, 学術変革領域研究(A), 東京大学, 研究代表者, 22H05341
  • 天然物創薬を意図したトリゴチェリン類の網羅的全合成
    令和4年度研究助成
    2022年10月 - 2023年09月
    長友優典
    公益財団法人 興和生命科学振興財団, 研究課題C 「人類の脅威となる感染症への対策となる研究」, 東京大学, 研究代表者
  • 東京大学卓越研究員制度
    2021年04月 - 2023年03月
    長友 優典
    国立大学法人 東京大学, ラジカル合成戦略を基盤とした高酸化度生物活性天然物合成の単純化, 東京大学, 研究代表者
  • ハイブリッド触媒系による多成分連結型連続反応の開発と全合成への展開
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2017年06月 - 2022年03月
    井上 将行; 長友 優典; 伊藤 寛晃; 萩原 浩一
    多くの酸素官能基や四置換炭素を有する官能基密集型天然物は、タンパク質を介した信号伝達の新たな制御試薬や革新的な医薬品を提供するための重要なリード構造になる潜在性を持っている。しかし、自然界からの単離は困難であることが多く、創薬応用のためには全合成が必要である。一方、有機合成化学的には、高酸化度天然物の構造は、合成化学における新戦略および新反応を開発するための理想的なプラットフォームとなる。我々は、このような天然物の全合成のためのハイブリッド触媒を活用した収束的戦略の開発を目指している。収束的合成は、標的分子の構造を一工程ずつ逐次的に組み上げる直線的合成に比して、一挙に分子の複雑さを増すことができるため、より短い合成経路設計に有利である。2019年度は、含窒素芳香環に高酸化度部位を一挙に導入する方法を開発し、1-ヒドロキシタキシニンおよび5-エピオイデスム-4(15)-エン-1β,6β-ジオールの収束的全合成を達成した。
    窒素や酸素を含むヘテロ環は、創薬において極めて重要な部分構造である。我々は、含窒素芳香環に高酸化度化合物である糖誘導体を連結する、ラジカル付加反応を開発した。本方法は、温和な条件において進行するため、創薬候補分子や天然物の合成に有用である。
    タキソールは、6/8/6員環(ABC環)が特異に縮環したタキサン骨格上に多数の不斉点および酸素官能基を有する。1-ヒドロキシタキシニンはタキソールの天然類縁体であり、様々ながん細胞に対して毒性を示す。我々が開発したラジカル二成分連結反応と、ラジカル環化反応を応用して、多数の酸素官能基を配する複雑骨格を構築した。その結果、26工程という短工程で1-ヒドロキシタキシニンの全合成を実現した。同様のラジカル二成分連結反応によって、抗HIV活性を示す5-エピオイデスム-4(15)-エン-1β,6β-ジオールを7工程で全合成した。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 東京大学, 17H06452
  • 巨大複雑天然物群の網羅的創出による未踏創薬モレキュラースペースの開拓
    科学研究費助成事業 基盤研究(S)
    2017年05月 - 2022年03月
    井上 将行; 櫻井 香; 長友 優典; 伊藤 寛晃; 萩原 浩一
    本研究は、強力な生物活性を有する巨大複雑天然物の構造と機能をモチーフとした、全合成から人工分子創製・活性評価・応用までを研究課題としている。実現すべき項目としては、①テルペン系・核酸系巨大複雑天然物の全合成、②ペプチド系巨大複雑天然物の固相全合成、③テルペン系・核酸系天然物の類縁体網羅的創出、④ペプチド系天然物の類縁体網羅的創出および⑤合成分子群の構造・機能解析と活性発現要件の解明・応用があげられる。項目②はすでに達成している。2020年度は、項目①③④⑤において、顕著の成果を得た。
    ①ラジカル反応を用いて糖から容易に誘導できる2個の部分構造を連結し、核酸系巨大天然物ヒキジマイシン(抗菌活性)の全合成を短工程で達成した(17工程)。また、本ラジカル連結反応を用い、ジオスピロジン(抗菌活性)を全合成した。
    ③2-ピロンの新規構築法を開発し、5個のブファジエノリド(抗がん活性)の網羅的全合成を達成した。構造・機能解析の結果、17位の立体化学の存在、16位の極性官能基の有無および3位のヒドロキシ基の置換基が、がん細胞の増殖抑制に大きな影響を与えることがわかった。
    ④グラミシジンA (抗菌活性)の4000種類を超える構造類縁体群を網羅的に構築・評価した。その結果、抗菌活性を保持しながら大幅に哺乳細胞毒性を低減した人工類縁体を見出した。また、ヤクアミドB (抗がん活性)の固相全合成法を応用し、不飽和アミノ酸部位に関するE/Z異性体を8種類合成した。構造・機能解析の結果、ヤクアミドBの立体化学が強力な活性に必要であることが初めて分かった。
    ⑤項目③、④において述べたように、ブファジエノリド、グラミシジンAおよびヤクアミドBの活性発現要件の解明・応用を行った。また、生物活性分子に対して低親和性の標的タンパク質を捕捉できる、金ナノ粒子を利用した新戦略を開発した。
    日本学術振興会, 基盤研究(S), 東京大学, 17H06110
  • 天然・人工ダフナン/チグリアン類の網羅的全合成法の開発と新機能分子の創製
    若手研究
    2019年04月 - 2021年03月
    長友 優典
    ダフナン・チグリアン・ラムノフォランジテルペン類は、置換基パターンによって多岐に渡る重要な生物活性を発現することが知られており、新薬創製に繋がる大きな可能性を秘めた化合物である。しかし上記の高酸化度中分子ジテルペンを新薬のリード化合物として活用する事は、その化学構造の複雑さから極めて困難な課題である。本研究ではこの社会的要請の高い問題の解決に挑戦した。その結果、共通炭素骨格を備えた3環性合成中間体の構築法を確立し、共通中間体をから、3種類の天然物、レジニフェラトキシン、プロストラチン、クロトホルボロンの全合成を、いずれも原料から20工程以内で達成した。
    日本学術振興会, 若手研究, 東京大学, 研究代表者, 競争的資金, 19K15554
  • ラジカル合成戦略による官能基密集型中分子テルペノイドの全合成と高度反応集積化
    科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    2018年04月01日 - 2020年03月31日
    長友 優典
    【背景】分子量400-4000の中分子天然物が低分子・バイオ医薬の優位点を併せ持つポストバイオ医薬として注目を集めているが、それらを医薬品開発のリード化合物として活用する事は、その化学構造の複雑さから極めて困難な課題である。この社会的要請の高い問題の解決に向け、本研究では、反応集積型高化学選択的ラジカル反応を鍵とした官能基密集型中分子テルペノイドの実用的全合成戦略の確立を計画した。具体的には、顕著な生物活性を有する官能基密集型中分子テルペンであるタキサン類およびクラジエリン類を、高化学選択的な分子間ラジカルフラグメントカップリングおよびラジカル環形成反応を用いて超効率的に全合成する。全合成を基盤とした本研究は、天然物化学・創薬化学・有機合成化学の複合領域において、大きな学術的波及効果を生むと共に、本新学術領域研究の特長である、高次機能中分子の創製を切り開く重要な基礎研究となる。
    【方法・結果】本年度は分子間ラジカル付加反応を鍵として、がん細胞毒性を有する1-ヒドロキシタキシニンの収束的全合成研究を遂行した。アシルテルリドおよびエノンを用いたラジカル付加反応により立体選択的にA, C環を連結した。続いて、低原子価チタン試薬を用いた分子内ピナコールカップリング反応によるB環構築を行うことで、タキサン骨格を構築した。最終的に市販化合物から26工程で効率的に1-ヒドロキシタキシニン全合成を達成した。
    本成果はドイツ化学会誌Angewandte Chemie International Editionに発表した。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 東京大学, 18H04384
  • 3種のラジカル的分子間C-C結合形成を鍵とする核酸系天然物の収束的合成戦略の開発
    基盤研究(C)
    2016年04月 - 2019年03月
    長友 優典
    核酸塩基を有する求核的なアルコキシ炭素ラジカル種を、エノン、オキシム、およびアルデヒドで捕捉する3種の分子間炭素-炭素[C(sp3)-C(sp3)]結合形成反応(Method I, II, III)を開発した。また、その開発途上で第4の反応系式であるラジカル-ラジカルカップリング反応(Method IV)を開発した。開発した4つの反応系式を活用し、核酸系天然物であるポリオキシン類の網羅的全合成やヒキジマイシンのポリオール構造構築などを達成した。
    本アルコキ炭素ラジカル種を介した炭素-炭素結合形成反応は、穏和な中性条件下、高化学選択的に進行する為、有機合成化学の観点から極めて有用である。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 東京大学, 研究代表者, 競争的資金, 16K08156
  • イオンチャネルを制御する巨大複雑天然物の網羅的全合成および新機能分子の創出
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2017年04月 - 2018年03月
    井上 将行; 長友 優典; 伊藤 寛晃; 萩原 浩一
    生命現象の根幹をなすイオンチャネルは、感覚・感情・思考などに深くかかわり、その機能不全は多くの疾患を引き起こす。そのため、チャネルに作用する医薬品の合理的な開発は、現代科学における緊急課題である。分子量が500を超え酸素官能基が密集した巨大複雑天然物は、一般的な医薬品や天然物では実現不可能な、チャネルの高選択的阻害・活性化を可能にする。そこで、申請者は複雑天然物の全合成およびチャネルの機能解析・制御法開発のための新機能分子創出を目的とした。
    すでに申請者は、モデル基質において三成分連結反応(method A, method B)およびラジカル二量化反応(method C)の開発に成功しており、これらが分子の複雑性を一挙に増すことが出来ることを報告した。本研究提案では、method A-Cを創造的に組み合わせることによって、全合成が極めて困難なイオンチャネルに作用する巨大複雑天然物群の超効率的構築を実現する。本年度は、特にレジニフェラトキシン、スクアモシンAおよびバトラコトキシンの全合成ルートの確立を目標とした。以下に成果を報告する。
    レジニフェラトキシンは、TRPV1チャネルを介した強力な鎮痛作用を有する。5/7/6員環上に酸素官能基が密集していることが構造的特徴であり、全合成が極めて困難な巨大複雑天然物の代表例といえる。method Aを利用して合成した中間体から、すでに全合成を達成した。
    スクアモシンAは、Ca2+依存性K+チャネル活性化作用と強力な細胞毒性を有し、抗がん剤として期待されている。そのビステトラヒドロフラン構造を、method Cによって一挙に構築した。
    バトラコトキシン(電位依存性Na+チャネル活性化)の全合成では、まず、ラジカル-極性交差反応(method B)によって二成分の連結し、多数の酸素官能基を有するステロイド骨格を効率的に構築した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 17H00886
  • 天然・人工リアノイド群の網羅的全合成法の開発および新機能分子の創製と応用
    科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    2015年04月01日 - 2017年03月31日
    井上 将行; 長友 優典
    生命現象の根幹をなすイオンチャネルの機能不全は、多くの疾患を引き起こす。そのため、チャネルに作用する医薬品の合理的な開発は、現代科学における緊急課題である。リアノジンは、カルシウムイオン放出チャネルであるリアノジン受容体を強力に活性化する。本研究は、リアノジンの構造と機能をモチーフとした、天然・人工リアノイドの網羅的全合成・活性評価を目標とした。その結果、リアノジンを含む6つの天然リアノイドの網羅的全合成を達成した。さらに、合成分子群の機能解析と活性発現要件の解明に必要なリアノイドの量的供給、および蛍光標識化したリアノジンの合成調達に成功した。
    日本学術振興会, 挑戦的萌芽研究, 東京大学, 15K14928
  • 収束的合成戦略の革新による巨大複雑天然物全合成の高度一般化
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2014年04月01日 - 2017年03月31日
    井上 将行; 占部 大介; 長友 優典; 倉永 健史
    生物活性天然物からの医薬品の開発は緊急課題である。分子量が500を超え酸素官能基が密集した巨大複雑天然物は、一般的な医薬品や天然物よりも、強力かつ高選択的な生物活性を有する。本課題では、巨大天然物に関する独創的かつ先進的な研究を展開した。まず、革新的な収束的合成戦略として、ラジカル二・三成分カップリング反応およびラジカル二量化・クロスカップリング反応を開発した。これらを合成ルート設計に組み込み、巨大複雑天然物であるリアノジン、クロトホルボロン、4-ヒドロキシジノウォール、ウワバゲニンおよびザラゴジン酸Cの全合成を達成した。さらに、全合成ルートを応用して天然・人工類縁体を創出した。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 26253003
  • 2種の光励起C(sp3)-H直接官能基化を鍵とする新規有機合成戦略の確立
    若手研究(B)
    2014年04月 - 2016年03月
    長友 優典
    殆ど全ての有機化合物に含まれるC(sp3)-H結合を標的とする直接変換反応に着目し、合成をより直截的に高効率化する新手法・新戦略の開発を目指した。具体的には、極めて反応性の高い電子不足なオキシルラジカルを利用して、標的分子上のC(sp3)-H結合から化学選択的に水素原子を引き抜き、生じる活性な炭素ラジカル種を適切なラジカル受容体で捕捉し、標的分子にC(sp3)-C結合を構築した。
    まず、キラルなエチニルスルホキシイミンを用いることで初のラジカル的不斉C-Hアルキニル化反応を達成した。また、C(sp3)-H直接変換反応をラクタシスチンおよびザラゴンジン酸Cの合成戦略へ展開しその全合成を達成した。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 東京大学, 研究代表者, 競争的資金, 26860009
  • リアノジンの全合成研究
    特別研究員奨励費
    2010年04月 - 2012年03月
    長友 優典
    Ca^<2+>イオンは、様々な生物応答を司る最も重要なセカンドメッセンジャーである。その濃度を制御する細胞内蛋白質(リアノジンレセプター,RyR)には3つのサブタイプが存在し、これらが骨格筋・心筋・平滑筋・脳小胞体に異なる割合で散在し、機能することで中枢神経系が統御されている。しかし、未だ個々の機能及び作用機序の詳細については明確になっていない。そこで、RyRのサブタイプ別の機能を生物有機化学的に解明するためには、RyRと選択的に結合するリアノジンが分子プローブとして有効であると考えた。しかし、リアノジンの天然物そのものは、極めて複雑な分子骨格であるため、直戴的化学修飾による分子プローブへの誘導が困難である。申請者は、C_2対称合成中間体への二官能基同時変換と非対称化反応を鍵反応とするリアノジンの全合成及び、分子プローブの短段階合成法の確立並びに、誘導体分子プローブの創製・活性評価を立案した。
    申請者は初年度において2,5-ジメチルヒドロキノンから14工程(9度のこ官能基同時変換反応を含む)で合成したC_2対称合成中間体を四酸化オスミウム酸化によって非対称化し、反応性の高いα-オキソ-橋頭位ラジカル用いた炭素-炭素結合形成を鍵反応として、リアノジンの15位のヒドロキシ基及び3位ピロールエステルを除く全ての10連続不斉中心を有する15-デオキシ-リアノドールの合成を達成した。今年度は昨年度と同一のC_2対称合成中間体から15位に酸素官能基を有する化合物を合成し、昨年度確立したリアノジン骨格構築法を基盤としてリアノジンの3位ピロールエステルを除く全ての炭素骨格及び酸素官能基を有する重要合成中間体を合成した。本合成中間体は、4工程でのリアノドールへの変換および6工程でのリアノドールへの変換が期待できる。また本合成中間体は類縁天然物並びに、直戴的化学修飾による分子プローブへの誘導が可能な構造である。
    日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 東京大学, 研究代表者, 競争的資金, 10J00873