廣川 淳 (ヒロカワ ジユン)

地球環境科学研究院 物質機能科学部門 分子材料化学分野准教授
環境健康科学研究教育センター准教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 東京大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
研究者番号
  • 20262115
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究分野
  • ナノテク・材料, 基礎物理化学
  • ナノテク・材料, グリーンサステイナブルケミストリー、環境化学
  • 自然科学一般, 大気水圏科学
■ 担当教育組織

研究活動情報

■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
■ 主な担当授業
  • ナノ環境材料化学特論Ⅰ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 環境科学総論, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 化学Ⅰ, 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 所属学協会
  • 日本分光学会
  • 日本化学会
  • 日本エアロゾル学会
  • 大気環境学会
  • 日本大気化学会
  • Japan Association of Aerosol Science and Technology
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • ウイルス粒子の個性に注目した細胞取り込み機構と応答スペクトルの解析
    科学研究費助成事業
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    藤岡 容一朗; 廣川 淳
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21H02735
  • 東アジアにおけるエアロゾルの植物・人間系へのインパクト-研究総括
    科学研究費助成事業
    2008年11月13日 - 2014年03月31日
    畠山 史郎; 本田 靖; 伊豆田 猛; 東野 達; 杉本 伸夫; 原 宏; 奥山 喜久夫; 神谷 秀博; 廣川 淳; 兼保 直樹; 船田 良; 松田 和秀; 高野 裕久; 王 青躍
    エアロゾルの化学、物理、工学などの研究者と植物生理の研究者、医学の研究者が連携してエアロゾルをキーワードに東アジアで増加するエアロゾルの発生、変質、沈着のプロセスの解明と、組成・分布・輸送のデータから植物、人間の健康への影響を明らかにすることを目的に平成20年度から24年度までに行われた科学研究費補助金新学術領域研究「東アジアにおけるエアロゾルの植物・人間系へのインパクト」の成果をまとめ、広く一般に公開してその成果を周知させるとともに、幅広い領域の人々に利用してもらうことを本研究の目的とした。
    本研究では研究成果報告会の開催と、雑誌体の報告集を発行することの2通りの手段により、上記目的の達成をめざした。
    (1)一般向けの研究成果報告会を平成25年10月23日に東京都府中市の府中グリーンプラザにおいて開催した。ここでは本領域において平成20年度から24年度まで毎年行ってきた全体会議シンポジウムのような研究者向けの難しい言葉ではなく、高校生以上程度の一般の市民が充分理解できるよう注意を払って報告を行った。
    (2)研究成果の印刷体によるとりまとめは、日本エアロゾル学会の機関誌「エアロゾル研究」の特別号として発行することとし、社会への発信を含めた取り組みとして行った。
    これにより、本領域の研究成果を、その主題とするエアロゾルの研究者ほぼ全員に配布することができた。また通常の雑誌配布冊数より多く印刷し、エアロゾル学会非会員の植物や健康影響の分野の研究者にも配布した。またそれ以外の興味を持たれる研究者や市民にも入手可能となるよう、上記報告会の参加者には希望に応じて別途送付するとともに、エアロゾル学会を通じて本特別号の内容をJ-STAGEによって、web公開した。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 東京農工大学, 20120001
  • エアロゾル前駆体の実時間計測による二次有機エアロゾル生成過程の解明
    科学研究費助成事業
    2008年 - 2012年
    廣川 淳; 猪俣 敏; 高橋 けんし
    大気中の揮発性有機化合物は、酸化反応を経て二次有機エアロゾルとよばれる粒子を生成するが、物理過程、化学過程が複雑に関与するため、その理解は不十分である。本研究では、植物起源の有機化合物を対象とし、その酸化反応に関わる化学種の実時間計測を通じて、反応速度を定量的に求めるとともに、気体中および粒子中の反応生成物を分析することにより、二次有機エアロゾルの生成につながる新たな化学機構を提案することができた。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 20120003
  • 化学イオン化質量分析法による大気中亜硝酸濃度の測定
    科学研究費助成事業
    2008年 - 2010年
    廣川 淳; 真船 文隆
    大気中の亜硝酸濃度を測定するため、化学イオン化質量分析法を用いた測定装置を開発した。化学イオン化の反応条件を最適化し、一次イオンの信号強度を強くすることにより、亜硝酸の最小検出限界40 pptv(1分間積算)を得た。また、他成分による干渉効果を、室内実験および量子化学計算から検討した。その結果、高湿度の大気条件ではNOxによる干渉が起こることがわかり、これを補正するために寄与を定量化した。最後に、札幌において試験的な観測を行った。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 20310001
  • 気体-液体界面におけるヨウ化物イオンの溶媒和構造と不均一反応の解明
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2009年
    真船 文隆; 廣川 淳; 宮島 謙
    液体表面(気液界面)は、内側には溶媒が無限に存在する一方、気相側には溶媒分子がほとんど存在しないという極めて特異な微視的環境を形成する。このような不均一な溶媒和環境で、ハロゲンイオンがどのような溶媒和構造をとるかを明らかにすることを目的とした。第一原理計算によると、ヨウ化物イオンは水溶液の表面にも存在する一方、塩化物イオンは内部に存在すると考えられている。我々は、水溶液表面のヨウ化物イオンの吸収スペクトルを測定した。NaI溶液を液体ビームとし、これに対して紫外線を照射すると、ヨウ化物イオンがCTTS状態を経由して光脱離によって電子を放出する。電子の放出深さは1nm程度であるので、液体表面付近から放出される電子を検出することが可能である。光脱離スペクトルから、NaIの濃度が低いときには、ヨウ化物イオンは内部に存在し、濃度が高いときには表面に存在することがわかった。また、表面から生成するイオンを検出することで、Na^+イオンの溶媒和構造を調べた。その結果、Na^+イオンは濃度によらずに表面の内部に存在することがわかった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 19350005
  • 熱拡散チェンバ氷晶計を用いた有機物粒子の雲過程における氷晶形成能の評価
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2008年
    持田 陸宏; 廣川 淳; 中坪 中坪; 重井 重井
    大気エアロゾル粒子やそのモデル粒子の氷晶形成能力を測定する目的で、熱拡散チェンバの立ち上げを進めた。また、熱流体解析ソフトウェアを用いて、エアロゾル導入部の性能の検討や、先行研究で報告のある空気の速度・水蒸気の飽和度などの計算を行った。さらに、実際の装置を用いて温度制御や氷膜の生成等について検討を進めた。本研究は期間途中で終了となったが、熱拡散チェンバを用いる実験は、関連した研究において継続される予定である。
    日本学術振興会, 若手研究(A), 名古屋大学, 18684031
  • 化学イオン化質量分析法を用いたエアロゾル前駆気体濃度測定装置の開発
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2005年
    廣川 淳
    無機エアロゾル二次生成過程の重要な前駆気体であるアンモニアおよび塩化水素の大気中濃度を高感度かつ高速に測定するため、化学イオン化質量分析法を用いた装置の開発を計画した。アンモニアはプロトン親和力が高いことから、プロトン付加したエタノールクラスターイオンを試薬イオンとして用い、そこからの発熱的なプロトン移動反応を利用することにより、アンモニアをイオン化することを考えた。しかし、実大気における試験的な測定の結果、試薬イオンが大気中の他の成分との反応により大幅に減少し、アンモニアの濃度測定が干渉されることがわかった。そこで、プロトン親和力がアンモニアとエタノールの間に位置するアセトンのプロトン付加クラスターを新たに試薬イオンとして用い、アンモニアの化学イオン化を試みた。実大気測定の結果、濃度1ppbvレベルのアンモニアを検出可能であること、および他成分による干渉がないことが示された。また、大気中のアンモニア濃度の変化に対して、1分以内の時間応答を有することも確かめることができた。一方、塩化水素は、ハロゲン負イオンに対する親和力が高いことから、SO_2Cl^-を試薬イオンとした塩化物イオン移動反応による化学イオン化を計画した。標準ガスを用いた実験から、試薬イオンと塩化水素とのイオン-分子反応によりClHCl^-イオンが生成し、その信号強度は導入した塩化水素濃度と直線関係にあることが見出された。この直線の傾きから感度は、200〜300cps(counts per second)/ppmvと見積もられた。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 16030201
  • 大都市圏におけるオキシダントの光化学的制御戦略に関する研究
    科学研究費助成事業
    2002年 - 2004年
    近藤 豊; 梶井 克純; 小池 真; 北 和之; 竹川 暢之; 廣川 淳
    オゾンの光化学を支配する前駆気体(NO_x,HNO3,PANなどの濃窒素酸化物、炭化水素類、CO)、OH,HO_2ラジカル類、化学反応に関与する太陽放射スペクトルを高精度で測定する装置を開発した。それらを用いた総合観測を2003年から2005年にかけて、異なった季節で行った。特に04年の7-8月には東京の駒場の東大キャンパス及び埼玉県の騎西市の環境科学国際センターの2点で集中的に実施した。また同時に質量分析計などによるエアロゾルの粒径別の化学組成の測定も行われた。朝の時間帯に東京から輸送された空気塊が午後埼玉県に達することから、これら2点での観測は、空気塊中に起きる反応を調べる上で理想的である。高気圧に覆われ、海陸風循環の発達した8月中旬に、高濃度オゾン域が13:00頃、東京北部に発生し、海風により埼玉県へと輸送されながらさらにオゾン濃度が高くなることが観測された。窒素酸化物が酸化されながらオゾンを生成するなど、鍵となる化学過程が初めて観測された。また高濃度オゾンの生成に伴い、有機エアロゾルも効率的に生成されることも初めて観測されるなど、エアロゾルの生成とオゾン化学との相互作用に関する画期的な知見が得られた。
    輸送過程と光化学過程を組み込んだ3次元モデルの開発を行った。海陸風循環による大気の流れを地上観測データと比較し、流れ場の計算が高精度で行われることを確かめた。このモデルは極めて高精度で、関東域の高濃度オゾンを再現できた。また、計算されたオゾンの前駆気体も観測値を良く再現できた。このモデルを用いて、オゾン生成は正午付近の2-3時間の間に生成していることなど、詳細な化学過程を調べることができた。オゾン生成には、朝のラッシュ時に放出される窒素酸化物が重要な役割を果たすことが示された。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 14208061
  • AGAGE観測データに基づく両半球大気中OH濃度の経年変動機構の解明
    科学研究費助成事業
    2002年 - 2003年
    忽那 周三; 廣川 淳; 高見 昭憲
    OH大気濃度変動に関するAGAGE観測データ解析では、CH_3CCl_3対流圏除去過程として、OHとの反応と海洋への溶解のみが考慮されている。25種類の標準粘土鉱物試料のCH_3CCl_3分解反応活性について閉鎖循環式反応装置を用いて調べ、環境条件下でCH_3CCl_3の塩化水素脱離反応が進行すること(反応確率約10^<19>)及び砂漠地表面中の粘土鉱物によるCH_3CCl_3の分解が有意な除去過程となる可能性のあることを示した。また、AGAGH観測データのCH_3CCl_3濃度減少エピソードと観測大気塊の砂漠上空通過の相関について考察した。
    OH消失機構として注目されているエアロゾルへの取り込みについて、インピンジングフロー法により、二酸化窒素(NO_2)、二酸化硫黄(SO_2)の水および種々の溶液に対する取り込み係数を測定した。NO_2で過酸化水素水、ヒドロキノン水溶液などで純水に比べ取り込み係数が大きくなることを見出した。ヒドロキノンの場合について解析した結果から、液相反応により取り込みが増大したと考えられた。一方、疑似海水では、NO_2、SO_2の場合ともに取り込み係数に変化はみられなかった。OHの水への取り込みにおける溶液反応の影響について考察した。
    OH生成機構に関連する対流圏ハロゲン種の化学イオン化質量計による測定に関して、水蒸気の干渉を臭素(Br_2)について検討した。水蒸気共存下においては、試薬イオンが水蒸気との会合イオンを形成するために試薬イオンピークによる規格化が適用できないが、水蒸気との会合イオンの強度も含めてピーク強度を規格化することにより、水蒸気濃度に依存しないBr_2検出感度の得られることを明らかにした。濡れ壁反応管を製作し、上記化学イオン化質量分析計を用いて、Br_2の水への取り込み係数を測定し、シミュレーション結果等と比較して、Br_2の水への取り込みは液相反応律速であることを示した。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 独立行政法人産業技術総合研究所, 14580558
  • 化学イオン化質量分析計を用いた海洋大気中の次亜臭素酸濃度の測定
    科学研究費助成事業
    2001年 - 2002年
    廣川 淳
    化学イオン化質量分析計を用いて、次亜臭素酸HOBrを高感度かつ選択的に検出、測定するための化学イオン化スキームとして、フッ素負イオンF^-及び塩素負イオンCl^-を試薬イオンとして用いたハロゲン負イオン付着反応の有用性を検討した。フッ素負イオン及び塩素負イオンはそれぞれ三フッ化窒素NF_3及び塩化メチルCH_3Clを試薬気体として用いるが、これらからの負イオン生成法として、コロナ放電イオン化及び放射線源を用いた低速電子付着イオン化の2つの手法を取り上げ、その有効性を実験的に調べた。フッ素負イオンの場合は、コロナ放電イオン化によりフッ素負イオンに加え、フッ化水素が生成し、これがフッ素負イオンに付着したクラスターイオンの生成が質量分析計により確認された。これはNF_3の放電により、フッ素負イオンと同時にフッ素原子が多量に生成し、これが周囲大気中に微量に存在する水蒸気から水素原子を引き抜くことにより、フッ化水素を生成しているものと考えられ、化学イオン化の試薬イオン生成法をしては不適当であると判断された。一方、放射線イオン源を用いた場合は、フッ化水素付着クラスターイオンの生成は見られず、フッ化物負イオンの質量ピークのみが観測された。また、塩素負イオンの場合は、コロナ放電イオン源、放射線イオン源ともに塩素負イオンとそれに水蒸気が付加したイオンが観測され、塩化水素の副生成は見られなかった。以上の実験結果より、化学イオン化の試薬イオンとしてフッ素負イオン、塩素負イオンを生成する場合、コロナ放電イオン源に比べ放射線イオン源の方が適していると結論付けることができた。
    日本学術振興会, 若手研究(B), 東京大学, 13780414
  • 海塩粒子とオゾンの不均一化学反応の研究
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    廣川 淳
    クヌッセンセル法を用い、海塩粒子のモデル化合物に対するオゾン(O_3)の取り込み過程を調べた。特に、海塩粒子中に含まれる微量金属イオンが不均一反応に及ぼす影響を調べるため、塩化第二鉄(FeCl_3)をごく微量に含んだ塩化ナトリウム(NaCl)及び合成海塩粒子をモデル化合物として、これら固体粒子表面へのオゾンの取り込み係数の測定、及び取り込みにより生成する化合物の同定を行った。FeCl_3を微量に含んだNaClの系では、Fe/Na比が0.1%、0.5%、1%の3種類の試料を調製し、これらへのオゾンの取り込み係数を測定した結果、Fe/Na比によらず(1.6-1.9)×10^<-2>という値が得られた。また、オゾンの取り込みに伴い塩素分子(Cl_2)の生成が観測されたが、その生成収率はFe/Na比に依存し、Fe/Na比=0.1%では検出限界以下であったのに対し、Fe/Na比=0.5%、1%でそれぞれ27%、47%であった。一方、合成海塩粒子にFeCl_3を微量に混合させた系では、同程度の取り込み係数1.9×10^2が得られたが、塩素分子の生成はみられず、かわりに臭素分子(Br_2)の生成が観測された。これは、合成海塩粒子に含まれる臭化物イオンが塩化物イオンに比べ反応性が高いため、まず臭素分子が生成したものと考えられる。これらの結果は、陸起源の土壌粒子などとの内部混合によりFe^<3+>イオン濃度が高くなった海塩粒子において、オゾンとの不均一反応が促進されることを示唆している。特に、大気寿命の長い(数日以上)、粒径の小さい粒子では、臭化物イオンがまず欠乏する結果、オゾンの取り込みにより塩素分子が生成することが予想され、これまで特定されなかった、海洋境界層における塩素分子発生源としてこの反応のはたらく可能性が高い。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京大学, 11780379
  • 対流圏におけるハロゲンの化学と循環に関する研究
    科学研究費助成事業
    1998年 - 2000年
    河村 公隆; 廣川 淳; 横内 陽子; 田中 茂; 中塚 武; 大河内 直彦
    本研究では、大気中のハロゲンに着目し、観測と室内実験の立場から以下の課題を実施した。
    (1)無機ハロゲンの測定と大気中での動態、(2)ハロゲンラジカル測定法の開発および対流圏における塩素・臭素分子の測定、(3)揮発性ハロゲン炭化水素の動態、(4)含ハロゲン有機物の検索と有機エアロゾルの解析、(5)非メタン炭化水素の炭素安定同位体比測定、(6)ハロゲン類の気液界面取り込み過程の動力学的研究、(7)生物界由来の揮発性ハロゲン化合物の生成機構と循環。
    無機ハロゲンガスの自動連続測定のために拡散スクラバーを用いた自動測定装置を開発し海洋大気中での測定を行った結果、海洋大気中での海塩粒子からの無機ハロゲンガスの生成が認められた。又、隠岐島において、Cl_2の濃度は日中に減少し、HClは日中に高くなる傾向を見いだした。
    塩素、臭素分子等の無機ハロゲン種の濃度測定を目指して化学イオン化質量分析装置を製作した。この装置を用いて臭化ナトリウム及び合成海塩上で、塩素の取り込みに伴う臭素分子の生成反応を確認した。一方、オゾンの取り込みに伴う臭素分子の生成も、高い反応確率で観測し、海塩上での不均一化学反応によるハロゲン放出の機構を明らかにした。
    ハロゲン有機物の海洋・海氷中の分布を測定し、その変動要因を解析した。カナダ・アラート、沖縄波照間島、および北西太平洋上におけるCH_3Iの測定を行った結果、その大気濃度は地域により異なる季節変化を示した。北極域では年間を通して低濃度であったが、北西太平洋上では8-9月に高濃度(最高1-2pptv)を示した。
    海洋エアロゾル試料中に臭化コハク酸、塩化コハク酸を発見した。臭化コハク酸はアジア大陸に近い西部北太平洋で高く、東に行くに従い減少する傾向を示した。一方、塩化コハク酸は西部から中部北太平洋にかけて増加傾向を示した。この結果は、海洋大気中で有機物の臭素化および塩素による置換反応が起こっており、ハロゲンは有機エアロゾルの変質に深く関わっている可能性を明らかにした。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 北海道大学, 10144101
  • レーザー誘起蛍光法による超高感度NO_X計の開発
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1999年
    梶井 克純; 吉沢 仁; 廣川 淳
    レーザー誘起蛍光法による窒素酸化物(NO_2)の超高感度濃度測定装置の開発を行った。装置の主要構成要素は半導体レーザーダイオ一ド励起Nd:YAQレーザー、レーザー光揺らぎ補償ユニット、蛍光検出セル、レーザー誘起蛍光集光光学系、光子計数ユニット、排気系および全体の制御用パーソナルコンプュータである。これら全てのユニットの最適化を行い更に、ダウンサイジングを行うことにより野外観測に絶え得るシステムを構築した。出来あがった装置を沖縄県辺戸岬の大気化学観測ステーションに持ち込み平成11年7月29日から8月15日まで他の化学成分と同じに測定を行った。また、装置の妥当性を調ぺるために光分解/化学発光法によるNOxの同時観測も行った。その結果、両者の異なる測定原理に基づく方法が良い一致を示したことから、本装置は十分信頼性の高いものであることが示された。その後、更に励起レーザー光学系及びレーザー光強度の増大、ダイノートゲートのタイミングの変更、蛍光セル内の圧カの最適化等の改良を行った結果、最終的に1分間の積算で3.8pptvのNO_2を測定できる装置を開発することができた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 09558066
  • 対流圏光化学反応理論の検証のためのOHラジカル及び他の反応性気体の総合観測
    科学研究費助成事業
    1997年 - 1999年
    梶井 克純; 坂東 博; 廣川 淳
    大気中の光化学反応を検証するためにはHO_X(OH/HO_2)ラジカルを中心とした反応性微量成分の大気中での総合濃度測定が必要不可欠となり、本研究ではHO_X(OH/HO_2)ラジカルの大気濃度測定装置の開発と野外観測を行い、新たな知見を得ることを目指した。OHラジカルの測定はLIF法により行った。種々の高度化によりOHラジカルの検出下限が1分値積算で3x10^6radical/cm^3まで測定できるものが完成した。その装置を1998年夏期には隠岐島、1999年は沖縄に持ち込み野外観測を実施した。その結果、隠岐島では夜間のHO_Xラジカルの夜間の発生源として2重結合を有する炭化水素とオゾンの反応か重要であることが明らかとなった。また、沖縄の観測ではOHラジカルの観測に成功し、正午あたりに濃度極大を示し、その値は約5x10^6cm^<-3>であることが明らかとなった。オゾン生成について検討した結果、植物起源のイソプレンの濃度が大きく日中に2〜3ppb程度測定された。HO_Xについては50ppt〜1ppb程度であり、オゾン前駆物質および太陽紫外線は十分多いのでネットにはオゾン生成が起こることを示している。日中では平均オゾン生成速度として約4ppb/hのオゾン生成が可能であることを示している。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 09480115
  • 液化空気/フーリエ変換赤外分光法による大気微量分の同時分析法の開発
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1996年
    秋元 肇; 川崎 雅嗣; 梶井 克純; 廣川 淳
    1.液体空気フーリエ赤外分光法によるメタン等温室効果気体の分析法の開発を行った。測定原理としてはフーリエ赤外分光光度計の赤外光を液体空気試料用クライオスタットに導入し、クライオスタット内の工学パイプに液化空気を流通させながら、その赤外吸収スペクトルを測定する方式を採用した。液体空気試料用の分光クライオスタットは、小型ヘリウム冷凍機式試料ガス液化ユニット、低温光学パイプ、熱シールド用液体窒素容器、および凍結防止用の加熱温度コントローラーからなっている。小型ヘリウム冷凍機は30Wのものを使用し、冷凍機内部で液化された液化試料は内径3mm、長さ300mmの金コートされた光学パイプに導入する設計となっている。分光用クライオスタットおよびフーリエ変換赤外分光光度計とは中間光学系を介して、光学的に結合された。
    2.本設計に基づいて製作された分光用クライオスタットに野外空気を100cc/minで導入することによって、液化空気の赤外スペクトルが得られた。得られたスペクトルにはH2Oの他、二酸化炭素とメタン、一酸化炭素が観測され、これらの大気微量成分の同時観測が可能であることが分かった。CH4および一酸化炭素の標準ガスを発生させ、得られた吸収強度とバックグランドノイズから測定感度の推定を行った。実験条件として分解能1cm^<-1>、積算回数32回を用いたときの推定感度はCO(2140cm^<-1>)で35ppb、CH4(1305cm^<-1>)で23ppbであり、大気試料に対して十分な感度を有することが分かった。
    3.本測定法の問題点は、液化試料の安定性が乏しい点にあり、今後さらにクライオスタット光学系を改良することにより温度安定性を高める必要がある。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 07558193
  • 大気中NO分子の高感度レーザー分光法による測定に関する研究
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1996年
    梶井 克純; 廣川 淳
    NO測定用のステンレス製真空チャンバーおよび排気系の設計・製作を行った。窒素希釈したNO(10ppm)を真空漕に噴出させ超音速自由噴流として、紫外パルスレーザーにより、NO(A^2Σ)の励起スペクトルを観測し、回転温度解析を行った。その結果、X/Dの値が70のときに25Kの回転温度が得られた。このことから十分に冷却されていることが明らかとなった。次に、レーザー強度依存性の実験からこのレーザー強度範囲(3-4 μJ pulse^<-1>)ではレーザー強度の1.75乗に比例することから共鳴2光子イオン化過程が起こっていることが確認された。S/N向上のために検出信号を波高弁別器により弁別し計数法により処理したところ約2桁の向上が認められた。マスフローコントローラを用いた希釈システムにより検出信号とNO濃度の関係を調べたところ200ppbまでよい直線関係があることが明らかとなった。また、NO_2の化学的干渉について実験を行ったところ、NOと同程度の信号を得るには約50倍のNO_2を導入する必要があることが明らかとなった。このことから低温冷却することにより選択性は向上したと考えられる。また、44μJのレーザーエネルギーで1分間の積算により検出下限を16pptと見積もられた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 東京大学, 07454147
  • 対流圏OHラジカルの直接測定による大気化学反応理論の検証
    科学研究費助成事業
    1994年 - 1996年
    秋元 肇; 廣川 淳; 梶井 克純
    大気中OH/HO_2ラジカル測定装置の開発を行った。低圧下でLIFを測定する手法を採用し、測定セルを設計し製作した。更に、本装置を校正するために検量実験を行った。既知量のOHラジカルを生成する手法として化学滴定定法と光分解/光吸収法の2種類について行った。化学滴定法では水素分子のマイクロ波放電による大過剰の水素原子と既知量のNO_2を反応させることにより既知量のおHラジカルを生成しセル内で蛍光を観測した。この手法によりセル内で10^9-10^<11> radicals cm^<-3>のラジカルを生成でき蛍光信号とラジカル濃度は良い直線関係が保証されることが明らかとなった。更に、水蒸気の光分解により10^<11>radicals cm^<-3>程度のOHラジカルが生成することが100mの長光路(ベースパス1M ; 100回反射)吸収法測定により明らかとなり、そのOHラジカルを含んだ大気試料をLIFセルに導入することにより検量を行った。両者の手法で装置の感度を調べたところ良い一致が見られた。検出下限を見積もったところ20Hzのレーザーくり返しで1分間の積算により4×10^<10> radicals cm^<-3>という値が得られた。本装置での検出下限を規定している主な要因として多重反射ミラーからの発光による背景光の大きさが問題であることが明らかとなり、セルの改良とレーザーのくり返しを1kHzに増加したところ検出下限は7×10^8radicals cm^<-3>まで改善された。この結果HO_2ラジカルについては大気中濃度を測定できることが明らかとなった。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 東京大学, 06403031
  • 大気中におけるHOxラジカル測定手法の高度化に関する研究
    科学研究費助成事業
    1994年 - 1994年
    秋元 肇; 廣川 淳; 梶井 克純
    本年度からレーザー誘起蛍光法(LIF)に基づく対流圏OHラジカル測定装置の高度化に関する研究に着手した。
    1.レーザー光源
    本装置は将来実用的に野外観測使用することを目的としている。従って本研究に用いられるレーザー光源としては、個々の仕様を満たしていることとともに、操作の安定性に優れかつコンパクトであることが必要条件とされる。本研究では対流圏OH測定用としては世界で初めて、最近開発された半導体レーザー励起のYLFレーザーを励起光源とする小型色素レーザーを用いることとし、必要仕様のシステムを特注した。得られたレーザーシステムについて調整の結果306nmにおいてくり返し周波数1kHz、パルス幅数nsec、パルスあたりエネルギー数μJ、波長幅約0.1cm-1のレーザー光を得ることができた。
    OHラジカル参照セル
    レーザーの発振波長をOHラジカルの1本の回転線にロックするための、OHラジカル参照セルを製作した。参照セルとしては、セル内を室内空気を数torrの圧力で流通させ加熱したアルメル線のフィラメント上での水蒸気の熱分解によってOHラジカルを生成させ、その中をレーザー光を通過させて得られるLIFシグナルを測定するための光電子増倍管を組み込んだものとした。
    3.LIF測定用多重反射セル
    励起用レーザー光を球面鏡の間で多重反射させることによって励起効率を高め、これと直角の方向からレンズを用いてマルチチャンネルプレート(MCP)上に蛍光を集光する大気中OHラジカルのLIF測定用セルを設計、製作した。多重反射鏡システムとしては従来通常用いられている3枚鏡ホワイトセルの代わりに、2枚鏡システムを採用し調整の簡単化を図った。
    日本学術振興会, 重点領域研究, 東京大学, 06228208
  • 対流圏大気における化学反応過程の解明
    競争的資金