谷野 圭持 (タニノ ケイジ)

理学研究院 化学部門 有機・生命化学分野特任教授
工学研究院特任教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(理学), 東京工業大学
  • 理学修士, 東京工業大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
ORCID IDJ-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 合成化学
  • 全合成
  • 反応開発
  • 有機合成
研究分野
  • ナノテク・材料, 有機合成化学
  • ライフサイエンス, 生物有機化学
  • ナノテク・材料, 構造有機化学、物理有機化学
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2006年04月 - 現在
    北海道大学大学院理学研究院, Faculty of Science, 教授
  • 1999年08月 - 2006年03月
    北海道大学大学院理学研究科, 助教授
  • 1998年11月 - 1999年07月
    北海道大学大学院理学研究科, 助手
  • 1989年06月 - 1998年10月
    東京工業大学理学部, School of Science, 助手
学歴
  • 1987年04月 - 1989年05月, 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 化学専攻博士後期課程
  • 1985年04月 - 1987年03月, 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 化学専攻修士課程
  • 1982年04月 - 1985年03月, 東京工業大学, 理学部, 化学科
  • 1981年04月 - 1982年03月, 東京工業大学, 第1類
学内役職歴
  • 大学院総合化学院副学院長, 2024年4月1日 - 2026年3月31日

研究活動情報

■ 受賞
  • 2013年, 日本化学会, 学術賞
    谷野 圭持
  • 2011年, 名古屋シルバーメダル
    谷野 圭持, 日本国
  • 2007年, 有機合成化学協会, Mukaiyama Award
    日本国
  • 2000年, 有機合成化学協会, 有機合成化学奨励賞
    日本国
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 書籍等出版物
  • 天然物全合成の最新動向
    シーエムシー出版, 2009年
  • 天然物化学 植物編
    アイピーシー, 2007年
  • 第5版実験化学講座 16有機化合物の合成IV
    丸善, 2005年
■ 主な担当授業
  • 総合化学特論Ⅱ(Modern Trends in Organic Chemistry and Biological Chemistry), 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 総合化学特論II (Modern Trends in Organic Chemistry and Biological Chemistry), 2024年, 修士課程, 工学院
  • 大学院共通授業科目(一般科目):自然科学・応用科学, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 有機化学特論, 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 生物化学A(Ⅳ), 2024年, 修士課程, 総合化学院
  • 先端総合化学特論Ⅰ, 2024年, 博士後期課程, 総合化学院
  • 総合化学特論II (Modern Trends in Organic Chemistry and Biological Chemistry), 2024年, 博士後期課程, 工学院
  • 化学実験Ⅵ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 化学実験F, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 有機化学Ⅱ, 2024年, 学士課程, 理学部
  • 科学・技術の世界, 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • カゴ型炭素骨格の高効率構築法に基づく高次構造天然物の全合成
    科学研究費助成事業
    2024年04月01日 - 2027年03月31日
    谷野 圭持
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 24K01477
  • ペリ環状反応に基づくユニークな中員環骨格構築法:高次構造天然物合成への展開
    科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    2021年04月01日 - 2024年03月31日
    谷野 圭持
    自然界には、様々な大きさの炭素環が互いに縮合した複雑な分子構造を持つ天然有機化合物が数多く存在する。それら天然物の化学合成は医薬品の開発にも繋がり、学術面のみならず社会的な要請にも応える重要な研究課題である。本研究の目的は、独自に開発した有機合成反応を駆使し、従来の方法では困難な中員環炭素骨格構築法を開発することにある。さらに、天然物合成への応用を通して、その有用性を実証する。
    1年目の実績として、脱離基として挙動するカルバマート基を導入した鎖状トリエン基質に強塩基を作用させることで、ヘプタトリエニルアニオンの生成に続く8π系電子環状反応が進行し、交差共役7員環トリエンが単一の生成物として得られることを明らかにした。ヘプタトリエニルアニオンの8π系電子環状反応は古くから知られているものの、生成する7員環ジエンが異性体混合物となる問題点などから、一般的な7員環構築法として確立されていなかったが、本業績はこの制約を打破するものである。
    さらに、アニオン安定化基を導入した基質トリエンの8π系電子環状反応を検討し、リン酸エステル基を導入した基質から、塩基性条件下での環化反応とアルデヒドとのワンポットHorner-Wadsworth-Emmons反応を経て、交差共役7員環トリエンを得る新反応の開発に成功した。これと同時に、基質両末端の置換基は、形成される7員環上では互いに隣接する炭素上に存在するが、それらの相対立体配置が基質の二重結合の立体配置を反映する「立体特異的な環化反応」であることを証明した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 21H01923
  • 四級不斉炭素構築法の新展開:付加/転位反応による高次構造天然物の効率合成
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2018年 - 2020年
    谷野 圭持
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • 超微量生物機能性天然中分子の高効率合成
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2015年 - 2019年
    谷野 圭持
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • 炭素小員環化合物とヘテロ原子の複合利用による高次構造天然物の合成
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2015年 - 2017年
    谷野 圭持
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • コンパクトな多機能性官能基としてのシアノ基を活用した天然物合成
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2012年 - 2014年
    谷野 圭持
    複雑な構造を有する天然物の全合成では、既存の変換反応が適用できない局面が多く、新しい方法論や合成反応の開発が求められている。本研究課題では、縮環構造や連続する四級不斉炭素を含む構築困難な炭素骨格を対象に、シアノ基の特性(α-シアノカルバニオンの直線的構造、シアノ基のコンパクトさ、他の官能基への多彩な変換法)を活かした反応設計を行い、天然物の合成研究に展開した。
    具体的な合成標的として医薬や農薬のリード化合物として期待されるツビフェラールA、アザジラクチン、およびフォルボールを選び、各々について多環性分子骨格の新たな構築法を開発した。
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 24350018
  • 新たな集積合成手法に基づく多環性生物活性天然物の短段階全合成
    科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    2009年 - 2012年
    谷野 圭持
    多官能性天然有機化合物の全合成においては,工程数の短縮が成功の鍵を握ることから、環骨格形成において複数の炭素-炭素結合を一挙に形成する反応集積化手法の開発を目指した。まず、単子菌類から単離されたセスキテルペンであるフランエーテルBを合成標的とし、シロキシアレンとアセチレンジコバルト錯体の[5+2]型付加環化反応を開発した。この効率的7員環構築法とエノールシリルエーテルの分子内アルキル化反応を組み合わせて、ヒドロアズレン骨格を構築した。次に、硝酸アンモニウムセリウムを用いてコバルト錯体部位の無水マレイン酸への変換と渡環エーテル部の形成を一挙に行なった。最後に、無水マレイン酸部を還元的にフラン環に変換し、フランエーテルBの全合成を達成した。次に、サンゴ類から抽出されるクラジエリンテルペノイドを合成標的とし、それらに含まれる11-オキサビシクロ[6.2.1]ウンデカン骨格をアセチレンジコバルト錯体とフランの[6+4]型付加環化反応により構築した。得られたコバルト錯体に酢酸中でヨウ素と酢酸銅(II)を作用させると、渡環酸素の転位を伴う特異なヨウ素化反応が進行し、11-オキサビシクロ[5.3.1]ウンデカン骨格を有するアリル酢酸エステルが生成することを見出した。光学分割を経て合成した光学活性エノンから、有機銅試薬の共役付加反応および分子内環化反応を経て6員環を構築した。共役付加によりイ...
    文部科学省, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21106010
  • 新世代農薬リード化合物として期待される高次構造テルペノイドの全合成研究
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2009年 - 2011年
    谷野 圭持
    ソラノエクレピンAの関連化合物であり、ダイズシストセンチュウ孵化促進物質であるグリシノエクレピンAについて、不斉全合成に成功した。本合成の特長は、1)独自に開発したシクロペンテンアヌレーション法によるビシクロ[4.3.0]ノナン骨格の立体選択的構築、2)ヒドロホウ素化反応・鈴木-宮浦カップリングによる側鎖の立体選択的導入、3)7-オキサビシクロ[2.2.0]ヘプタン骨格を有する橋頭位アニオンを用いるA環導入、にある。グリシノエクレピンAの全合成は既に3例が報告されているが、上記の方法論を開発することで従来法をしのぐ効率的な全合成が達成でき、Chemistry Letters誌に発表した論文はEditors Choiceに選定された。一方、前年度に明らかとなったソラノエクレピンAの全合成における問題点は、1)分子内Diels-Alder反応における面制御、2)混み合った環境にあるC19位水酸基の立体選択的還元、3)複数の酸素官能基の選択的変換、であった。これらの諸問題について、1)C19位水酸基の保護基と反応溶媒の検討、2)還元剤としてのDBALの採用、3)TMS基の特性を利用した水酸基の区別、の解決法を見出した結果、ソラノエクレピンAの世界初の全合成を達成した。本合成品を用いて、ジャガイモシストセンチュウの孵化活性試験を行ない、極めて低濃度の水溶液中で顕著な孵化促進活性を示す...
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21350021
  • 特異な化学構造と顕著な生物活性を有する多環性高次構造天然物の全合成研究
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2007年 - 2009年
    宮下 正昭; 谷野 圭持; 南雲 紳史; 谷野 圭持; 南雲 紳史
    近年、特異な化学構造と顕著な生物活性を有する微量の天然有機化合物が次々と発見されており、新規医薬品開発の面から非常に注目されている。本研究は、スナギンチャクの成分で顕著な薬理活性を示すゾアンタミン系アルカロイドの化学合成を研究主題とし、骨粗鬆症治療薬として非常に期待されているノルゾアンタミンの全合成に続き、強力な鎮痛作用を有するゾアンタミンおよび顕著な抗血小板凝集作用を示すゾアンテノールの世界初の化学合成を達成した。
    文部科学省, 基盤研究(B), 工学院大学, 連携研究者, 競争的資金, 19350027
  • 生体機能分子の創製の研究統括
    科学研究費補助金(特定領域研究)
    2004年 - 2008年
    福山 透; 小林 資正; 佐々木 誠; 谷野 圭持; 菅 敏幸
    平成20年6月に、取りまとめの公開シンポジウムをタワーホール船堀(東京)にて実施した。このとき代表的な研究成果を中心に公開し、成果を社会に対して発信した。これらの研究成果は、生命現象の化学的解明に飛躍的な進展や新戦略による創薬にも直結するため、製薬に代表される産業界においても有用であり、公開シンポジウムでは企業の研究者も幅広く参加した。また、本特定領域研究では、各研究項目の計画研究班員と公募班員の間での緊密な共同研究体制を構築することを重要課題として掲げた。これまで、公開シンポジウムやHPにより研究者の相互の理解を深め、有機的連携と緊密な共同研究体制を構築した。現在までに、30組以上の領域内共同研究が進行中であり、成果があがりつつある。また、最終報告も平成21年3月に作成した。この最終報告書にはおのずと解決された問題と、さらに解決されなかった問題(既存の学術誌等には投稿できない)が例示されることとなるため、この方面の研究者にとって研究課題が容易に見つけ出せるバイブル的な存在になるように留意し整理した。また、班員、研究協力者、班友の業績を中心としたテキスト「天然物の全合成 : 2001〜2008」の編纂を行った。現在最終校正の段階にあり、平成21年中に発売可能な状態にある。本特定領域ではすでに50を超える生理活性天然物(生体機能分子)の全合成を達成している。それらを網羅する本書...
    文部科学省, 特定領域研究, 東京大学, 連携研究者, 競争的資金, 16073101
  • 付加環化反応を基軸とする多置換中員環炭素骨格構築法の開発
    科学研究費補助金(特定領域研究)
    2004年 - 2007年
    谷野 圭持; 宮下 正昭; 吉村 文彦
    昨年度は、独自のシクロペンテンアヌレーション法および橋頭位アニオンを用いるA環部導入法を駆使し、ダイズシスト線虫孵化促進物質グリシノエクレピンAの不斉全合成を達成した。今年度はまず、この知見をさらに発展させて天然物グリシノエクレピンBの不斉全合成を目指した。本化合物はグリシノエクレピンAの類縁体であるが、D環上の側鎖にγ-ヒドロキシ-α,β-不飽和カルボン酸部位を有する点が異なる。この部位の立体選択的構築法を検討した結果、光学活性配位子を用いる不斉野崎-檜山-岸カップリング反応を用いることにより、世界初の不斉全合成を達成することができた。一方、昨年度から着手した高次構造天然物アザジラクチンの全合成研究においては、高度に縮環したEFG環部の効率的な合成法を検討した。その結果、Nazarov環化反応によりE環を、分子内ェーテル環化によりF環を、メチルチオ基を水銀塩で活性化する分子内グリコシル化反応によりG環を各々構築し、モデル化合物の効率的合成に成功した。今後は、この知見を既に確立したC8位四級不斉炭素の立体選択的構築法と組み合わせることで、アザジラクチンの全合成が達成する計画である。さらに、海洋産天然物スクレロフィチンAの全合成研究において、以下の画期的な進展があった。従来は、[6+4]型付加環化反応により構築した11-オキサビシクロ[6.2.1]ウンデカン骨格が、脱コバルト錯...
    文部科学省, 特定領域研究, 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 16073201
  • 特異な化学構造と顕著な生理活性を有する多環状天然物の全合成研究
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2004年 - 2005年
    宮下 正昭; 谷野 圭持
    (1)ノルゾアンタミン及びゾアンタミンの不斉全合成骨粗鬆症モデルマウスの骨密度や骨重量の低下を強力に抑制する7環性海産アルカロイド、ノルゾアンタミンならびに顕著な抗炎症作用と鎮痛作用を有するゾアンタミンの全合成研究を展開し、三つの合成上の重要課題:(1)C環上に存在する3個の四級不斉炭素の立体選択的構築、(2)トランス-アンチ-トランスに縮環したパーヒドロフェナンスレン骨格(ABC環)の立体選択的合成、(3)二組のアミノアセタール構造ならびに架橋したδ-ラクトン環を含むDEFG環部の立体選択的構築、を解決することにより、これらのアルカロイドの最初の化学合成を達成した。ノルゾアンタミンの全合成は5-メチルシクロヘキセノンから出発して41工程、全収率3.5%、各工程の平均収率は92%であり、本合成によりゾアンタミン系アルカロイドの高効率的な化学合成ルートを確立できた。またノルゾアンタミンのC19位にメチル基を導入するルートを開発し、ゾアンタミンの最初の化学合成を達成した。(2)ソラノエクレピンAの全合成研究ジャガイモシスト線虫(PCN)の孵化促進物質であるソラノエクレピンAの不斉全合成を目指し新たに4-メトキシ-3-ブテンニトリルの共役付加反応を基軸とする効率的なシクロペンテンアヌレーション反応を開発するとともに、2環性エノンの効率的な合成法を確立した。またエポキシアルコールのピ...
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 16350049
  • アセチレンジコバルト錯体を利用した中員環骨格構築法の開発
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    2002年 - 2004年
    谷野 圭持
    (1)[5+2]型付加環化反応の新展開エノールシリルエーテル部位とアセチレンジコバルト錯体部位を合わせ持つ5炭素ユニットとエノールシリルエーテルとの[5+2]型付加環化反応の適用範囲を拡大する目的で、種々の電子豊富オレフィンおよび芳香族化合物を2炭素ユニットとして検討を行い、シロキシアレンが新たな置換形式の7員環化合物を高収率で与えることを見出した。(2)高次付加環化反応の開発先に開発した5炭素ユニットを一炭素伸長した6炭素ユニットを用いると、エノールシリルエーテルとの[6+2]型付加環化反応が進行し、8員環化合物が高収率かつ高立体選択的に合成できた。さらに、エノールシリルエーテルをアリルシリルエーテルに換えると[6+3]型付加環化反応が進行し、9員環アセチレンジコバルト錯体が単一の立体異性体として得られた。この付加環化体は、硝酸アンモニウムセリウムを作用させることにより、対応する9員環アセチレンに変換された。9員環アセチレンは環歪みを有するため通常の方法では合成困難とされており、今回開発した[6+3]型付加環化反応は、全く新しくかつ実用的な合成手法として特筆される。一方、フランは4炭素ユニットとして働くことを見出し、[5+4]型および[6+4]型付加環化反応による中員環骨格構築法を開発することができた。(3)天然物合成への展開シロキシアレンの[5+2]型付加環化反応を鍵反応...
    文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 14340191
  • 多連続不斉中心を含む鎖状系有機分子構築法の開発と天然物合成への応用
    科学研究費補助金(基盤研究(A))
    2000年 - 2002年
    宮下 正昭; 谷野 圭持
    多不斉中心を有する鎖状有機分子を高立体選択的に作り分ける精密有機合成手法の開発は現代有機化学の重要なテーマである。本研究はエポキシドの求核置換反応を基軸とし,新しい概念に基づく立体特異的鎖状有機分子構築法を開発するとともに,それらを生理活性天然物の全合成へ応用展開し,有機合成に新局面を拓くことを目的として行われた。その結果,本基盤研究費が交付された平成12年~14年度の3年間に以下の研究成果を得た。(1)2,3-エポキシアルコールのC2位選択的アルキル化反応の開発(2)有機アルミニウムートリアルキルシリルトリフラートの組み合わせによるエポキシドの立体特異的アルキル化-シリル化反応の開発(3)γ,δ-エポキシ-α,β-不飽和エステル系の立体選択的S_N2'反応の開発(4)二重立体反転を伴う立体特異的鎖状有機分子構築法の開発(5)ホウ素キレートのエンド開環反応を機軸とする2,3-エポキシアルコールのC2位選択的求核置換反応の開発また特異な生物活性と化学構造を有する以下の天然物の全合成を達成した。(1)トウモロコシの宿主特異的病原毒素PM-Toxin A及びBの不斉全合成(2)高歪み天然物インゲノールの全合成(3)強力な抗癌活性を示す海産天然物サイトファイシンCの立体選択的全合成(4)イオノフォアー抗生物質ジンコフォリンの不斉全合成
    文部科学省, 基盤研究(A), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 12304042
  • インゲノールの全合成研究
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1998年 - 1999年
    谷野 圭持
    筆者は昨年度までに、コバルトアセチレン錯体部位を有するtrans-デカリノール誘導体の分子内環化反応およびエポキシアルコールの炭素骨格転位反応を経て新規なインゲナン誘導体を合成することに成功した。この化合物はインゲノールと等しいCD環部を有するのみならず、A環上の1位およびB環上の6位に各々酸素官能基を有する重要中間体である。今年度は、このインゲナン誘導体からインゲノールへの変換を実現するべく、まずA環の官能基化を検討した。すなわち、1位水酸基をケトンへと酸化した後、2位へのexo-メチレン基の導入および水素添加を経て2-メチル体を合成した。さらに、1位ケト基を還元して得たアルコールを脱水反応によりC(1)-C(2)オレフィンとした後、クロム酸を用いたアリル位の酸化反応により3位にケト基を導入した。最後に、DIBALを用いて3位ケト基を立体選択的に還元し、インゲノールのA環に存在するすべての官能基の導入を達成した。一方、これと並行してB環の官能基化についても以下の検討を行った。すなわち、6位水酸基をケトンへと酸化した後、塩基で処理して4位のメトキシ基をβ-脱離させ、共役エノンを得た。このものに塩基性過酸化水素を作用させて立体選択的にC(4)-C(5)エポキシドとした後、Peterson反応により6位ケト基をケテンジチオアセタールへと変換した。最後に、塩化銅で処理してエポキシド...
    文部科学省, 奨励研究(A), 東京工業大学->北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 10750619
  • 新有機反応メディア
    科学研究費補助金(重点領域研究, 特定領域研究(A))
    1997年 - 1999年
    吉田 潤一; 堀口 良昭; 澤村 正也; 岩澤 伸治; 大嶋 幸一郎; 神戸 宣明; 碇屋 隆雄; 谷野 圭持
    本研究では新化学現象・新反応の発見と開拓のために、反応の分子環境としての反応場、反応剤、反応媒体、反応手法などを反応メディアという観点から研究を行ってきた。とくに、電子移動反応場、高分子反応場、結晶反応場、ラジカル反応場、金属錯体反応場、特異条件反応場とそれらの境界領域について重点的に検討を行い、新現象・新反応の発見を目指して検討を行ってきた。その結果、多くの特筆すべき成果を得ることができた。以下に示す。電子移動反応場においては、活性種の生成条件を高度に制御することにより、生成した活性種を蓄え、それを結合生成反応に用いるというカチオンプール法を開拓し、炭素-炭素結合生成反応の新しい方法論を明らかにした。さらに、電解反応場と固体マトリックス反応場の組み合わせにより、高効率・高選択的な分子変換法を明らかにした。また、有機金属反応場、ラジカル反応場、カチオン反応場においては、新活性種や機能性反応場反応の構築などにおいて顕著な成果を上げることができた。媒体の研究においても注目すべき成果が得られた。すなわち、水中におけるラジカル反応において、従来の有機溶媒中の反応にみられない興味深い応性の変化や選択性の変化が観測されることを明らかにした。また、水中におけるイオン反応の促進効果を利用し、ラジカル反応とイオン反応を組み合わせる新しい反応系の開発をも明らかにした。さらに、超臨界流体における金...
    文部科学省, 重点領域研究, 特定領域研究(A), 京都大学, 連携研究者, 競争的資金, 09238102
  • ケイ素の効果を活用した新規大員環炭素骨格構築法の開発
    科学研究費補助金(基盤研究(B))
    1996年 - 1997年
    桑嶋 功; 谷野 圭持
    3-(アルキルチオ)-2-(シロキシ)アリルアセタートを3炭素源とする[3+2]環化付加反応について検討し、各種の電子余剰オレフィン類との反応によるシクロペンタノン及びメチレンシクロペンタンの新規構築法を開発した。さらに、この反応の位置選択性及び立体特異性発現の機構について検討し、大きなHOMO係数を持つビニルスルフィドの硫黄原子が立体選択性発現に大きな影響を持つことを明らかにした。また、この手法を基盤として、トリキナン型生理活性物質であるコリオリンの不斉全合成を達成した。さらに、現在、ペンタレノラクトンGの全合成についても検討を加えている。これらの成果を基盤として、適当な求核部位を持つ3-(アルキルチオ)アリルアセタートを設計し、この位置選択的環化による中及び大員環炭素骨格構築法を開発した。さらに、この手法を活用する中及び大員環炭素骨格を含む天然有機化合物の合成似ついて検討を加えている。特異な環状炭素骨格と生理活性から合成化学的に広く注目されているインゲノールの合成を目指して、先ず、環化と転位を伴う一段階構築法を設計して検討を行い、この特異な炭素骨格の極めて有効な構築法を開発した。現在、この変換法を基盤とした全合成に関して研究を進めている。
    文部科学省, 基盤研究(B), 東京工業大学, 連携研究者, 競争的資金, 08454198
  • Development of Selective C-C bond Farming ReactionsTotal Synthesis of Natural Products
    1997年
    競争的資金
  • イミンのエン反応を利用した高立体選択的含窒素化合物の合成研究
    科学研究費補助金(奨励研究(A))
    1995年 - 1995年
    谷野 圭持
    まず、2-(メチルチオ)クロチルシリルエーテルと芳香族鎖状イミンとのエン反応について検討を行った結果、窒素上にアルコキシカルボニル基を導入することでイミンの反応性が著しく向上し、良好な収率で目的とする付加体が得られることを見出した。本反応のジアステレオ選択性は高く、エン基質のZ体はsyn体を、またE体はanti体をそれぞれ選択的に与えた。一方、対応する脂肪族鎖状イミンは合成困難であったが、1,1-ビスカルバマートを等価体として用いることで、高立体選択的にエン反応が進行することを明らかにした。次に、環状イミンとの反応について検討を行い、5-アシロキシピロリドン誘導体をイミン等価体として用いることでピロリジン環上へのジアステレオ選択的な側鎖導入を実現した。さらに、本反応の不斉合成への応用を試み、光学活性な1-フェネチルアミンから誘導される出発原料を用いればジアステレオ面選択的付加が起こることを明らかにした。以上の反応によって得られるエン付加体は、アシル基で保護されたアミノ基およびエノールシリルエーテル部位を合わせ持つことから、含窒素複素環の前駆体として有用であることを示した。すなわち、付加体を酸で処理するとエノールシリルエーテル部位の加水分解および環化が進行し、ピロリジノール誘導体を与えるが、このもののエステル誘導体にルイス酸共存下、種々の求核試剤を作用させることにより、環骨格上...
    文部科学省, 奨励研究(A), 東京工業大学, 研究代表者, 競争的資金, 07740489
  • 高立体選択的エン反応の開発及び天然物合成への応用
    科学研究費助成事業
    1991年 - 1991年
    谷野 圭持
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京工業大学, 03740271