小西 克明 (コニシ カツアキ)

地球環境科学研究院 物質機能科学部門 分子材料化学分野教授
附属グリーンナノテクノロジー研究センター教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(工学), 東京大学
■ URL
researchmap URLホームページURL■ ID 各種
ORCID IDJ-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード
  • 超分子化学
  • 有機・無機ハイブリッド
  • 金属クラスター
  • Orgrnic - lnorganic hybrid
  • Metal Clrster
研究分野
  • ナノテク・材料, エネルギー化学
  • ナノテク・材料, 複合材料、界面
  • ナノテク・材料, 機能物性化学
  • ナノテク・材料, 高分子化学
  • ナノテク・材料, 有機合成化学
  • ナノテク・材料, ナノ構造物理
  • ナノテク・材料, ナノ構造化学
  • 環境・農学, 環境材料、リサイクル技術
  • 環境・農学, 環境負荷低減技術、保全修復技術
■ 担当教育組織

経歴

■ 経歴
経歴
  • 2025年10月 - 現在
    北海道大学大学院地球環境科学研究院・環境科学院, 研究院長・学院長
  • 2013年04月 - 現在
    北海道大学電子科学研究所, 客員教授
  • 2008年10月 - 現在
    北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授
  • 2000年 - 2008年09月
    Associate Professor, Hokkaido University
  • 2000年10月 - 2003年09月
    JST PRESTO (さきがけ), 変換と制御, Researcher
  • 2000年 - 2003年
    JSTさきがけ研究 研究員
  • 2000年 - 2002年
    北海道大学, 助教授(准教授)
  • 2000年 - 2000年
    東京大学工学部, The Faculty of Engineering, 講師
  • 1991年 - 2000年
    東京大学工学部 助手, The Faculty of Engineering
  • 1991年 - 2000年
    Research Associate, faculty of Engineering.
学歴
  • 1991年, 東京大学, 工学系研究科, 合成化学, 日本国
  • 1991年, 東京大学, Graduate School, Division of Engineering, Synthetic chemistry
  • 1987年, 東京大学, 工学部, 工業化学科, 日本国
  • 1987年, 東京大学, Faculty of Engineering, Industrial Chemistry
学内役職歴
  • 大学院環境科学院副学院長, 2019年4月1日 - 2019年9月30日
  • 大学院環境科学院副学院長, 2019年10月1日 - 2021年9月30日
  • 大学院環境科学院副学院長, 2021年10月1日 - 2023年9月30日
  • 大学院環境科学院副学院長, 2023年10月1日 - 2025年9月30日
  • 大学院地球環境科学研究院副研究院長, 2019年4月1日 - 2019年9月30日
  • 大学院地球環境科学研究院副研究院長, 2019年10月1日 - 2021年9月30日
  • 大学院地球環境科学研究院副研究院長, 2021年10月1日 - 2023年9月30日
  • 大学院地球環境科学研究院副研究院長, 2023年10月1日 - 2025年9月30日

研究活動情報

■ 受賞
  • 2015年03月, 日本化学会, 学術賞
    小西 克明
  • 1993年03月, 日本化学会, 日本化学会若い世代の特別講演
■ 論文
■ その他活動・業績
■ 主な担当授業
  • 環境物質科学基礎論Ⅲ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • ナノ環境材料化学特論Ⅱ, 2024年, 修士課程, 環境科学院
  • 大学院共通授業科目(教育プログラム):One program for Global Goals, 2024年, 修士課程, 大学院共通科目
  • 化学Ⅱ, 2024年, 学士課程, 全学教育
■ 所属学協会
  • 高分子学会
  • 日本化学会
  • The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
  • The Society of Polymer Science, Japan
  • Chemical society of Japan
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • フッ素集積内部空間を有する中空型無機構造体の構築と機能
    科学研究費助成事業
    2023年06月30日 - 2026年03月31日
    小西 克明
    フッ素は全元素中で最大の電気陰性度を有するとともに水素に次いでサイズが小さく、周期表中でも特異な存在である。本研究では、[Mo132O372(L)30]42-の構造式をもつ中空型巨大ポリ酸({Mo132})分子を用い、多価アニオン性無機シェル内部に構築された「フッ素リッチなナノ空間」において発現するユニークな特性・ 機能を開拓する。初年度は以下について検討を行った。
    1)配位子交換反応による内壁フッ素修飾法の確立:CF3COOH, CF2HCOOH, CFH2COOHなどフッ素含有量が異なるカルボン酸を、カルボキシレート交換反応によって導入するための反応条件の最適化(pH、当量比、温度など)を行い、内壁上に存在する30個のカルボキシレートをほぼ定量的に交換する手法を確立した。
    2)水に不溶な有機ゲストの取込みプロトコルの確立と炭化水素ゲスト包接活性の評価:1)で得た各種内壁フッ素修飾の{Mo132}をホストとして用い、水系媒体中で水に不溶な有機ゲストの取込み実験を種々の条件でおこない適切で再現性のあるプロトコルを確立した。この中で、環状アルケンに対して特異的な取込み活性を示すことを見出した。なかでもシクロペンタジエンは、FをHに置換した類似体では全く取込み活性を示さず、パーフルオロ型が特異的に取込み活性を示す。興味深いことに、鎖状アルケンでは非フルオロ置換体とパーフルオロ置換体ではほとんど活性に違いは観察されず、取込み過程でエントロピー項が大きく関与していることが示唆された。また、これらのゲスト取込み実験は水溶液中で行ってきたが、この手法では取りこめないゲストをホストと固相粉砕混合することによって、効率的にゲスト取込みが実現できる場合があることを予備的に見出した。
    日本学術振興会, 挑戦的研究(萌芽), 北海道大学, 23K17924
  • 配位子保護金属クラスターの精密組織化と金属コア間相互作用による機能発現
    科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    2021年04月05日 - 2025年03月31日
    小西 克明
    本研究では、クラスター集積組織体を配向・距離が制御された形で精密設計し、複数クラスター間でのシナジー効果によって発現する創発的機能を開拓することを目的としている。本年度は、様々な配位子保護金属クラスターを用いて、以下の3つの異なったアプローチからクラスター集積体の建造を試みた。
    1)界面活性剤を構造制御剤とするクラスター集積化:カチオン性8核金クラスターを用いて、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)をはじめとする自己組織性をもつアニオン性界面活性剤との組み合せによって、クラスターを配向させる試みを行った。その結果、特定の媒体条件下において、顕著な発光増大(凝集誘起型発光)が観察され、特定の集積構造の形成が示唆された。透過型電子顕微鏡では、100nm程のサイズの球状ミセルが形成されており、その内部でクラスターが集積化しているものと考えられる。
    2)配位子間相互作用に基づくアプローチ:金属クラスター表面に多数配置された配位子間での相互作用を分子間で制御できれば、特定の形態をもつ組織構造が得られる可能性がある。本年度は、疎溶媒性を有するフルオロカーボンユニットをもつ配位子をチオラート配位型Au25クラスターに導入し固体状態でのナノ構造を観察したところ、ナノファイバー構造が形成されることを走査型電子顕微鏡観察から明らかとした。
    3)配位子間での共有結合架橋に基づくアプローチ:チオラート型Au25クラスターの外表面にチオラートアニオンを導入し、そこを起点とするクラスター間の架橋反応を動的共有結合の概念に基づいて制御することで、クラスターが高密度に充填されたポリマーを得ることに成功した。また、同じモノマーを用いて架橋条件を調整することで、形態、配列構造、吸着特性が異なるポリマーを得られることを明らかとした。
    日本学術振興会, 基盤研究(A), 北海道大学, 21H04683
  • 金属クラスターと芳香族ユニットの間に働く引力相互作用の学理解明と機能開拓
    基盤研究(B)
    2018年04月 - 2021年03月
    小西 克明
    科学研究費補助金, 研究代表者, 競争的資金
  • 自己組織構造形成に駆動される二重ラセン型配位高分子の精密合成
    科学研究費 挑戦的萌芽研究
    2016年04月 - 2017年03月
    小西 克明
    JSPS, 研究代表者, 競争的資金
  • 有機小分子に誘発される発光性ナノ金属種の自己集合を利用した機能開拓
    科学研究費 基盤研究(B)
    2012年04月 - 2015年03月
    小西 克明
    JSPS, 研究代表者, 競争的資金
  • 分子ナノシステムの創発化学
    科学研究費助成事業
    2008年11月13日 - 2014年03月31日
    川合 知二; 相田 卓三; 松井 真二; 浅井 哲也; 新海 征治; 甲斐 昌一; 田中 裕行; 坂口 浩司; 石田 敬雄; 松本 卓也; 赤井 恵; 山口 智彦; 小川 琢治; 小西 克明; 君塚 信夫; 藤田 誠; 茅 幸二; 松重 和美; 岡本 佳男; 吉川 研一; 北川 禎三
    本領域では、非平衡開放系における時間・空間の自己組織化の原理を取り入れ、分子の個性が現れる高次な組織体や機能の創発を目指した研究を展開してきた。動的非平衡プロセスによる酸化物ナノワイヤー成長や排他的経路選択による巨大高次構造を持つ多成分構造体の一義的生成など、分子間隣接相互作用のスケールを遥に超えた自己組織化の原理に迫る成果を得た。さらに、非線形性や雑音など、これまで化学には馴染みの薄い概念に基づいて、閾値型の応答を示す自己組織化、分子の酸化還元ネットワークにおける確率共鳴現象の発現など創発的な機能探索を行った。これらの成果を通して「創発化学」という新しい学術領域の存在と重要性を示した。
    日本学術振興会, 新学術領域研究(研究領域提案型), 大阪大学, 20111001
  • 無機クラスター高次ネットワーク構造の構築と機能創発
    科学研究費 新学術領域研究(計画)
    2008年10月 - 2013年03月
    小西 克明
    文部科学省, 研究代表者, 競争的資金
  • サブナノ金属クラスターの精密合成と光触媒としての機能探索
    2011年 - 2012年
    小西 克明
    科学技術振興機構, 戦略的な研究開発の推進/戦略的創造研究推進事業/ALCA(先端的低炭素化技術開発)/探索ステージ, 11102820
  • ゲストに誘起される半導体ナノクラスターの自己集積を利用する発光センシング
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2009年
    小西 克明
    水系媒体に微量溶存した疎水性有機ゲスト化合物を高感度で検出できる化学センサーを目指して、ゲスト認識場を表面近傍に導入した発光性硫化カドミウムクラスターの分子設計を行った。その結果、水素結合性アミド基と疎水部位を表面近傍に有するクラスターを用いた場合に、ビスフェノールA などの疎水性フェノールに対して、水系媒体中で選択的に正の発光応答を示すセンシング系を構築することに成功した。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 19350063
  • 中空空間を有するポルフィリンオリゴマーの鋳型合成
    科学研究費助成事業
    2007年 - 2008年
    小西 克明
    本研究では、球状構造をもつ粒径1〜20nm程度の金属クラスター化合物をテンプレートとして用い、その近傍に配位集積化したポルフィリン化合物間を架橋重合後、クラスターを溶解除去することによって、内部に中空空間を有するポルフィリンオリゴマー(ポリマー)構造体を合成し、パイ電子リッチな内部空間の物質取込能や触媒としてのポテンシャルを調べることを目的とした。これまでの研究で確立された手法を用いて、6つの亜鉛ポルフィリンからできたかご状構造体の内部空間に平均粒径1.4nmのAuクラスターを閉じこめた構造体を合成し、閉じこめた金クラスターの除去を、シアン化ナトリウム,ヨー化カリウム/ヨウ素などの金を溶解する試薬を用いて検討を行った。その結果、金クラスター自体は完全に溶解除去することができたが、残ったポルフィリン成分が用いる試薬や反応条件によって異なることがわかった。さらに、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いた検討から、いずれの場合にも、複数の成分を含んでいることが明らかとなった。これらの成分を単離し、マトリックス支援レーザー脱離質量分析法を用いて分子量の決定を試みたが、重合度のことなるオリゴマーに相当するピークが観察され、さらにレーザー強度等の分析条件によってその強度が著しく変化することがわかった。質量分析条件下での、開裂と再結合のためであると考えられる。この他に、NMRによる構造同定についても試みたが、全体的にピークがブロード化し、いくつかのコンホメーションが存在していることが示唆された。結論として、中空空間を有するポルフィリンオリゴマーを単離、同定するには至らなかったが、複合体から金クラスターを溶解除去する手法を確立することができた。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 19655037
  • 有機物と金属酸化物クラスターから構築されたサブナノ細孔空間の認識・触媒機能
    科学研究費助成事業
    2006年 - 2007年
    小西 克明
    有機物と多核金属種(クラスター)から構成されるハイブリッド物質は、両者の間で働く協同・相乗効果に由来する特異な機能発現が期待されることから、近年興味を集めている。本研究では、クラスターとして、前周期金属酸化物アニオンで、独特な触媒、酸化還元活性を示すことが知られているヘテロポリ酸化合物(POM)に着目し、その対カチオンの有機ホスト化合物との包接相互作用を利用して、無機クラスター種近傍に規制された有機空間を構築し、両者の界面での協同作用による新しい機能開発を目指した。具体的には、種々のジエステル修飾カリックスアレンとKeggin型ポリタングステン酸(PW)の複合結晶中に形成されるサブナノサイズの1次元細孔を用いて、その制限されたナノ空間への種々の物質の取り込みを調べた。その結果、本複合体はアルコール・ニトリルなどの高極性物質から、脂肪族・芳香族炭化水素などの低極性物質にいたる広範な有機物に対して高い吸着活性を示すことを見いだした。その一方で、サイズがより小さい窒素、アルゴンはほとんど吸着しないことから、有機ゲストは、内壁の有機成分との引力的相互作用を駆動力として、induced-fit型の様式で内部に取り込まれると推定される。続いて、低極性有機ゲストについて選択性を調べたところ、無極性ゲストのわずかな構造の違いを高度にみわけることができることを見いだした。たとえば、直鎖状アルカンは効率的に取り込まれるのに対して、枝分かれをもつアルカンはほとんど吸着活性を示さなかった。またこれらの吸着特性は、カリックスアレン中のエステル置換基によって調整することが可能であり、これを利用して内部オレフィンのcis/trans識別に成功した。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 18033001
  • 重金属イオンを高感度、高選択的に検出する発光センサーの開発
    2006年 - 2006年
    小西 克明
    本課題においては、申請者が最近見いだした発光性CdS ナノクラスターと重金属イオンとの特異的相互作用を通じた発光応答を利用して、高感度、高選択的でかつ簡便な検出試薬として実用化するための基盤を確立する。すなわち、これまで予備的に見いだしたCu, Hg, Pb イオンに対する鋭い応答性をベースに、競合するイオンに対するマスキング試薬の探索などを通じて、実用的なレベルまでに選択性を高めるとともに、チップ化、試験紙化などへの展開についても検討する。
    科学技術振興機構, 産学が連携した研究開発成果の展開/研究成果展開事業/地域事業/地域イノベーション創出総合支援事業/シーズ発掘試験, 7700009084
  • 表面へのπ機能団の導入を機軸とする半導体ナノ粒子の発光制御とセンシングへの応用
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2006年
    小西 克明
    本研究は、表面に有機部位を導入した半導体クラスター類を用い、申請者らが独自に見いだした「表面π官能団と外部物質との相互作用にともなうクラスター発光変化」を基盤に、「色(光吸収)」や「発光」の変化で応答するセンシングシステム・材料を創製することを目的とした。
    昨年度までの研究で、代表者は、1)表面に12個のアリール基を導入したCdSクラスター分子Cd10S4(SAr)12の近傍に、4級アンモニウムイオンがπ相互作用で表面置換基の間にインターカレートして集積化し、さらにそれがクラスター由来のオレンジ色発光を著しく増大させる、2)発光色(波長)、発光強度が、表面置換基の電子的性質に大きく依存する、ことを見いだしてきた。本年度は、表面置換基にオリゴエーテル基、カルボキシル基、スルホ基などの親水性基を導入した水溶性のクラスターの合成を行い、水中でのゲスト応答性を調べた。その結果、オリゴエーテル修飾型クラスターがCu(I)、Ag(I)イオンとの相互作用に応答して、著しい発光の増強を示すことを見いだした。この応答はこれらの金属イオンに極めて特異的であり、他の第一周期遷移金属、アルカリ、アルカリ土類金属イオンの共存下でも同程度の応答性を示す。さらに、アニオン表面をもつクラスターと有機カチオン類との相互作用、応答性を調べたところ、ポリリシン、ポリエチレンイミンをはじめとするポリカチオンに対して著しい正の発光応答を示すことがわかった。この応答性は、ポリカチオン種に特異的であり、単純なモノアンモニウムイオンは全く応答性を示さない。以上のように、本研究では発光性のCdSクラスターをベースに表面のπ系置換基を設計することで、いくつかのゲストに特異的に正の発光応答性を示すゲストセンシングシステムを構築することに成功し、今後発光センサーとして応用するに当たって有用な指針を得ることができた。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 17350062
  • 有機物と金属酸化物クラスターから構築されたサブナノ細孔空間の認識・触媒機能
    科学研究費助成事業
    2005年 - 2005年
    小西 克明
    本研究では、独特な酸触媒、酸化還元触媒活性をもつヘテロポリ酸と比較的サイズの大きい「有機ホスト化合物」であるカリックスアレーンを、配位相互作用をはじめとする分子間力を用いて分子レベルで複合化することにより、「多孔性(ポーラス)構造」をもつ結晶性複合固体を作製し、細孔内部の特異な空間環境下で、両コンポーネントの特性あるいは協同効果を戦略的に利用することで、新規な機能性材料、触媒を創出することを目的としている。
    申請者らはこれまでの研究で、4つのlower rim水酸基のうち、2つにエチルエステル性官能基を導入したカリックスアレーンナトリウム包接錯体(C2-Na)と[PM_<12>O_<40>]^<3->から構成されるイオン性複合結晶中に形成されるマイクロ細孔が、アルコール蒸気を効率的に取込むことを明らかにしている。本研究で、アルコール以外の有機ゲスト蒸気の取込みを検討したところ、ケトン、エステル、ニトリルなどの極性ゲストの取込みにおいても、高い活性を示すことを見いだした。この結果は、本複合体の細孔壁が親水性のアニオンと疎水性のカリックスアレーン部位で構成されており、両親媒的なミクロ環境を提供していること良く対応する。実際、ポリ酸アニオンが高い親和性を示す水に対しては、ほとんど取込み活性は観察されず、内部空間がどちらかといえば疎水的であることを示している。また、低極性物質の取込みにおいては、ゲストの立体的な要素が重要であることがわかった。例えば、大きさがほとんど同じであるベンゼンとシクロヘキサンでは、若干厚みが小さい前者のみが細孔内に取込まれた。またエステル置換基の大きさを微調整することで、オレフィンのシス・トランスなど既存の分離材料では困難な立体異性体の分離も可能であることがわかった。
    日本学術振興会, 特定領域研究, 北海道大学, 17036001
  • 有機・無機超分子複合体の設計と環境調和型システムへの応用
    科学研究費補助金
    2004年 - 2005年
    競争的資金
  • 有機ホスト化合物と複合化したヘテロポリ酸の固体触媒作用
    科学研究費助成事業
    2004年 - 2005年
    小西 克明
    ヘテロポリ酸のもつ独特な酸触媒、酸化還元触媒活性を利用した水中で機能する固体触媒系の開発は近年の大きなトピックの1つであるが、その高い水親和性が障害になってきた。本研究では、ホストーゲスト相互作用を利用して中性有機物のひとつであるカリックスアレーンと分子レベルで複合化することにより、ヘテロポリ酸由来の水親和性を低減した非水溶性の有機/ポリ酸複合体を作製し、その固体触媒としての性能を評価することを目指した。
    申請者らのこれまでの研究で、ヘテロポリ酸の対カチオンとカリックスアレーンの包接錯形成を介して、両者を分子レベルで複合化でき、さらに場合によってはポーラス構造を初めとする独特な固体高次構造をとることを明らかにしてきた。昨年度の本研究で、種々のカリックスアレーンを用いてNa_3[PM_<12>O_<40>]との3:1複合体の構造、およびその安定性を、X線結晶解析、粉末X線回折を用いて検討したところ、4つのlower rim水酸基のうち、2つにエチルエステル性官能基を導入したカリックスアレーン(C2)とNa_3[PM_<12>O_<40>]から誘導した複合体が、マイクロポーラスな結晶構造をとり、さらに極めて高い熱安定性を示すことがわかった。そこでエステル置換基であるエチル基をプロピル(C3)、ブチル(C4)、ヘキシル(C6)、ベンジル(Bn)基に変換して、得られたポリ酸との複合結晶の構造を調べたところ、C2由来の複合体と同様のポーラス構造を取ることがわかった。さらにその複合結晶の水中での安定性を調べたところ、C2由来の複合体では容易にポリ酸塩が水中に遊離してくるのに対し、C6、Bn由来の複合体は、極めて高い耐性を示した。これらの2つの複合体は同時に高い撥水性を示し水に浮遊する界面型の触媒としても期待できる。また、これらは水中からのフェノール類の取込み活性を示し、環境ホルモン類の除去材料としての利用も考えられる。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 16656245
  • 結晶相重合による構造規制された有機高分子/金属酸化物クラスター複合体の創製
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2004年
    小西 克明
    無機金属種を含有する複合型有機材料は、無機金属種固有の特性と、有機物の構造的柔軟性を合わせ持つため、近年大きな関心を集めている。我々は最近、前周期金属酸化物クラスターであるヘテロポリ酸アニオンを、対イオンの包接を介してカリックス[4]アレンと複合化させることによって得られるイオン性結晶が、ポーラス構造を初めとする興味深い固体高次構造を取ることを見いだした。初年度の研究において、この構造に関してより詳細な検討を行うとともに、そのゲスト吸着特性を調べたところ、通常のバルクのヘテロポリ酸とは異なり、水よりもメタノール、エタノールなどのアルコール類に対して高い親和性を示すことを見いだした。しかしながら、この高次の構造はユニット間のイオン結合とvan der waals力で保持されているため、溶液中では構造を維持できないなど、加工応用を考える上で難がある。そこで本年度は、固体中での高次構造をロックすることを目指して、カリックス[4]アレンに光固相重合性をもつ桂皮酸ユニットを導入し、ヘテロポリ酸との複合固体中で光架橋重合を行うことにより、有機ポリマー中に無機金属種を内包したハイブリッド物質の作製を行った。具体的には、upper rim側に2つの桂皮酸ユニットをアミド結合を介して導入したカリックス[4]アレンモノマーとNa_3PW_<12>O_<40>から作製した複合結晶を、シクロヘキサン中で超音波処理により分散させ、そこに300nm以上の紫外可視光を照射した。その結果、光架橋によってポリマー化が進行し光照射前の結晶が可溶であるアセトンに不溶な固体が得られた。さらにアセトン洗浄後に得られた不溶固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、カリックスアレンとポリ酸の組成比は光照射前とほとんど変化せず、ポリマーマトリックス内にクラスターイオンが定量的に埋め込まれていることがわかった。
    日本学術振興会, 基盤研究(B), 北海道大学, 15350064
  • 有機物のかごの内部空間に閉じこめたAムクラスターの触媒作用
    科学研究費助成事業
    2003年 - 2003年
    小西 克明
    遷移金属の多くは、錯体、微粒子などの形で、物質変換触媒として中心的役割を果たすが、Auはその中の例外的存在で触媒活性はほとんどないと考えられてきた。しかし最近になって、Au化合物が触媒作用を示す例がいくつか知られるようになってきた。本研究では、こうしたAuの触媒作用に着目し、構造組成明確なAuクラスター(微粒子)を、有機物のかごの内部に「浮遊」させた有機/無機複合体を分子レベルで精密にデザインし、それを用いてAuクラスターの触媒作用を調べることを目的とした。
    具体的には、組成、サイズが明確な分子状Au_<55>クラスター(d=1.4nm)を金属種として、また有機ユニットとして剛直な平面構造をもつポルフィリンを用いた。かご状構造体の合成はピリジル基とチオレート基を持つ2官能性のリンカーを用いて、Au_<55>の周辺部に複数個のZnポルフィリン錯体を集積させた後、末端二重結合間をオレフィンメタセシス反応で架橋させた。その結果、クラスターのテンプレート効果によって、単一のAu_<55>クラスターを内包した6枚のZnポルフィリンからなる"かご"が高収率で得られることが明らかになった。生成物は、元素分析、MS、UV/visより同定した。さらに、得られた化合物を1-ヘキサンチオールで処理して、クラスターとZnポルフィリン錯体を結びつけている二官能性リンカーを除去することにより、かごとクラスター間に結合相互作用を持たない複合体へと誘導することができた。
    こうして得られた複合体においては、基質などの小分子は、ポルフィリンの間に生じる「かごのすき間」を自由に通り抜けてクラスターと相互作用しうるのに対して、クラスターは剛直なポルフィリン部位によって、かご内部に閉じこめられ脱離できない。さらに、クラスター表面に結合しているチオレート配位子を除去して「裸のクラスター」への誘導を検討したところ、還元剤の処理により部分的に配位子を脱離できることが明らかとなった。
    日本学術振興会, 萌芽研究, 北海道大学, 15656202
  • 超分子相互作用を用いた環境調和型物資変換プロセス
    2000年 - 2003年
    小西 克明
    生物の体の中では、水素結合をはじめとする微弱な力が、複数の分子団の間で多重に働くことによって、様々な機能が巧妙に発現、制御されています。これを手本に、本研究では、分子間の弱い相互作用を人工的かつ戦略的に活用して、分子の複合体(超分子)を精密にデザインし、それを用いて、クリーンで高効率、高選択的な物質合成ができるシステムの構築を目指します。
    科学技術振興機構, 戦略的な研究開発の推進/戦略的創造研究推進事業/さきがけ, 7700000564
  • ポルフィリン集積超分子ワイヤの分子設計と動的スイッチング
    科学研究費助成事業
    2000年 - 2000年
    小西 克明; 相田 卓三
    ポルフィリン類の特異機能は、その剛直な大環表p-共役系に起因しており、特に、二つ以上のポルフィリンユニットが集積すると、特異なp-電子構造が形成されることが知られている。その典型例が光合成のスペシャルペアであり、そのモデルとしてダブルデッカー型ポルフィリン錯体が注目されている。従来、この錯体に関しては、dynamic NMRの実験から『ポルフィリン環間の強いp電子相互作用のため、二枚の向かい合ったポルフィリン配位子は相互に回転しない』とされていたが、最近になって我々は、ポルフィリン配位子のねじれ構造により発現するキラリティーを利用することにより、相互回転する場合があることを見出した。本年度の研究において、回転能の外部刺激による制御を目指して、錯体のレドックスの影響を調べたところ、ある種のCe錯体を用いた場合、錯体の還元により約300倍回転速度が増大することがわかった。一方、酸化による回転能の変化を、Zr(IV)錯体について調べたところ、100倍程度回転能が低下することがわかった。すなわち、配位子の相互回転を錯体のレドックスによって制御可能であり、これは本錯体が「分子モーター」としてのポテンシャルを有していることが示すものである。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 東京大学, 12023211
  • ポルフィリンπ電子雲により安定化されたケイ素ラジカル種を用いる反応
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    小西 克明
    近年、ラジカル反応を用いる有機合成、高分子合成に関する重要性はますます高まっており、その精密制御は現代化学の大きな課題の一つである。中でも、ケイ素、スズなどのIVa族のラジカル種は、有機合成の分野では還元剤として、また材料科学の分野ではCVDプロセスの鍵中間体として興味が持たれている。しかし、これらのラジカルは反応性が極めて高く、立体的に嵩高い置換基を導入して安定性を向上させたものが、汎用的に用いられている。研究代表者らは、昨年度までの研究で、ケイ素原子がポルフィリン配位子にキレートされた有機ケイ素ポルフィリン錯体が特異な光ラジカル反応性を示すことを見出してきた。
    本年度の研究では、上記の知見を基に、ケイ素ポルフィリン錯体の光反応性についてさらに検討した。その結果、ジアルキルケイ素ポルフィリン錯体とTEMPOなどのニトロキシ化合物との光反応で生成するジニトロキシケイ素錯体において、アキシャル配位子であるニトロキシラジカルが、可視光照射下で可逆的にかつクリーンに交換反応を示すことを見出した。この反応は、可視光照射下において特異的に起こり、暗所下では全く進行しない。すなわち、このニトロキシケイ素錯体は、ポルフィリン部位の光励起によりラジカル種を発生するシリルラジカル等価体とみなすことができ、種々の制御されたラジカル反応への応用が期待できる。
    日本学術振興会, 基盤研究(C), 東京大学, 11650883
  • ポルフィリン集積超分子ワイヤの分子設計と動的スイッチング
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    小西 克明; 相田 卓三
    ポルフィリン類の特異機能は、その剛直な大環状π-共役系に起因しており、特に、二つ以上のポルフィリンユニットが集積すると、特異なπ-電子構造が形成されることが知られている。我々は、二枚のポルフィリンで一つの金属原子をサンドイッチしたダブルデッカー型金属錯体のポルフィリン環の間に働くπ-電子相互作用を、架橋金属あるいはポルフィリン部分のレドックスによりスイッチングできることを見いだしている。この知見を基に、本研究では、基質取込可能なキャビティーを有するface-to-face型ポルフィリンダイマーを基本ユニットとして、ダブルデッカー型の配位結合を介して架橋することにより、ゲストの取り込みによるスイッチングが可能な『一次元の梯子型ポルフィリン集積ワイヤ』を設計を目指した。
    本年度は、基本ユニットとなるポルフィリンダイマーの分子設計を中心に検討した。ここでは、金属架橋反応の際に、分子内で架橋が起こらないように、二枚のポルフィリンの間にrigidなフェニレンエチニレン鎖で結合したface-to-face型ポルフィリンダイマーを分子設計した。さらに、集積化に伴う溶解度の低下を考慮し、スペーサ部分には、ベンゼン環層が3層(L3)、4層(L4)のポリ(アリールエーテル)デンドリマーユニットを導入した。具体的には、デンドリマー部分を導入したm-フェニレンエチニレン鎖架橋ジアルデヒドをジピロメタンを、酸触媒下でカップリングさせることにより、目的とするポルフィリンダイマーの合成に成功した。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 東京大学, 11136208
  • 光捕集デンドリマーで被覆した共役ポリマーの合成と機能
    科学研究費助成事業
    1999年 - 2000年
    相田 卓三; 小西 克明; 江 東林
    本年度では、共役系ポリマーを光捕集機能を有するデンドリマー組織で被覆した可溶性分子ワイヤを設計し、孤立化した共役系ポリマーの光機能について検討した。
    Convergent法によりデンドリマー組織を有するジエチニルベンゼン誘導体を合成した。THF中、パラジウム錯体を触媒として、1,4-ジヨードベンゼンとの重縮合反応によりデンドリマー組織で被覆したポリフェニレンエチニレンを合成した。GPCでポリマーの分子量を測定したところ、重量平均分子量で約26万(125量体;ポリスチレン換算)のポリマーが生成していることが分かった。得られたポリマーはクロロフォルム、THFなどの有機溶媒に易溶である。THF中、紫外・可視吸収スペクトルを測定したところ、280nm付近にデンドリマー組織に由来するピークが観察された。一方、ワイヤ主鎖の共役系に由来する吸収が432nm付近に現れた。これはモノマーユニットの極大吸収(335nm)より98nmレッドシフトしており、ワイヤの広い範囲の共役が確認された。THF中、定常光を用いて、ワイヤの主鎖(432nm)を励起すると、共役系に由来する青色の蛍光(454nm)が観察された。そこで、デンドリマー組織(280nm)を励起したところ、デンドリマー組織自身に由来する蛍光(310nm)が完全に消光され、その代わりに、共役系ワイヤに由来する発光(454nm)が観察された。吸収スペクトルと励起スペクトルの比較から、デンドリマー組織から共役系へのエネルギー移動はほぼ100%の効率で起こっていることが分かった。
    日本学術振興会, 特定領域研究(A), 東京大学, 11133214
  • ポルフィリン骨格による不斉窒素原子のインターロックと不斉合成反応への応用
    科学研究費助成事業
    1995年 - 1995年
    小西 克明
    三種類の異なった置換基が結合した窒素原子を有するアミンは不斉であり、その窒素原子上に不斉中心が存在する。しかし、窒素原子上の非共有電子対のフリッピングにより、通常容易にラセミ化を起こすため、Troger baseのような例外を除いてその光学異性体を安定に単離することはできない。申請者らが開発を行ってきた一連の不斉ポルフィリンの一つであるキラルなN-置換ポルフィリン類も置換基が導入された窒素原子が不斉中心となっている。しかしこの場合、不斉窒素に結合した置換基がポルフィリンコアよりもかさだかいため、通り抜けることができない。従って、窒素原子上の立体配置がインターロックされており、その光学異性体はラセミ化することなく、容易に単離できる。本研究では、この点に着目し、不斉N-置換ポルフィリンを塩基触媒とした新しい不斉合成反応を開発を行なった。
    研究代表者は、これまでに、窒素原子を不斉中心とする一連の不斉N-置換ポルフィリンの合成、光学分割に成功している。そこで不斉窒素原子上にリジッドな三次元不斉空間を有するストラップN-メチルポルフィリンを触媒として、チオールのシクロヘキセノン類への不斉マイケル付加反応を検討したところ、35%-58%のの不斉選択性で、反応が定量的に進行することを見いだした。さらに、触媒の構造が不斉選択性に与える影響について調べたところ、ストラップのない不斉N-置換ポルフィリンを触媒とすると不斉選択性が著しく低下することを見いだし、不斉窒素原子上のストラップの提供するリジッドなキャビティーが不斉誘導に重要な役割を果たしているという知見を得た。また、基質と触媒の相互作用を赤外吸収、可視吸収、円偏光二色性スペクトルから詳細に解析したところ、触媒活性点近傍の2級アミドを介した水素結合により基質が活性化され、触媒反応が進行することがわかった。
    日本学術振興会, 奨励研究(A), 東京大学, 07750947