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桑原 朝子 (クワハラ アサコ)
| 法学研究科 附属高等法政教育研究センター 法動態部門 | 教授 |
研究者基本情報
■ 学位■ URL
researchmap URL■ ID 各種
J-Global ID■ 研究キーワード・分野
研究キーワード研究分野■ 担当教育組織
研究活動情報
■ 受賞■ 論文
- 近松門左衛門『冥途の飛脚』に見る信用をめぐる社会構造(下)
桑原朝子
法律時報, 98, 1, 80, 87, 2026年01月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌) - 近松門左衛門『冥途の飛脚』に見る信用をめぐる社会構造(上)
桑原朝子
法律時報, 97, 12, 82, 89, 2025年11月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌) - 樋口一葉『大つごもり』に見る信用問題 : 西鶴との比較を手掛りとして
桑原, 朝子
北大法学論集, 73, 2, 1, 40, 北海道大学大学院法学研究科, 2022年07月29日
日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要) - 「国法」が破られる意味─近松門左衛門『博多小女郎波枕』の分析を手掛りとして
桑原 朝子
論究ジュリスト, 28, 93, 100, 2019年02月, [招待有り]
日本語, 研究論文(学術雑誌) - 近松門左衛門『大経師昔暦』をめぐって(2・完): 貞享改暦前後の日本の社会構造
桑原 朝子
北大法学論集, 64, 3, 125, 164, 北海道大学大学院法学研究科 = Hokkaido University, School of Law, 2013年09月
日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要) - 近松門左衛門『大経師昔暦』をめぐって(1): 貞享改暦前後の日本の社会構造
桑原 朝子
北大法学論集, 64, 2, 1, 59, 北海道大学大学院法学研究科 = Hokkaido University, School of Law, 2013年07月
日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要) - 近世日本における裁判観の形成と変容
桑原 朝子
北大法学論集, 58, 3, 1401, 1428, 北海道大学大学院法学研究科, 2007年09月
日本語, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 研究ノート
- 学界展望<日本法制史>荒木仁朗『江戸の借金―借りてから返すまで―』
桑原朝子, 国家学会雑誌, 137, 7・8, 121, 123, 2024年08月
日本語, 書評論文,書評,文献紹介等 - 学界展望<日本法制史>鈴木俊幸『近世読者とそのゆくえ 読書と書籍流通の近世・近代』
桑原 朝子, 国家学会雑誌, 132, 1・2, 124, 126, 2019年02月
日本語, 書評論文,書評,文献紹介等 - 近松門左衛門『博多小女郎波枕』と抜荷―法制史における文学史料の意義
桑原 朝子, 法制史研究, 66, 204, 205, 2017年03月, [査読有り], [招待有り]
日本語, 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議) - 2015年学界回顧 日本法制史 近世
桑原 朝子, 法律時報, 87, 13, 321, 322, 2015年12月, [招待有り]
日本語 - 2014年学界回顧 日本法制史 近世
桑原 朝子, 法律時報, 86, 13, 319, 320, 2014年12月, [招待有り]
日本語 - 学界展望<日本法制史>藤実久美子『近世書籍文化論―史料論的アプローチ―』
桑原 朝子, 国家学会雑誌, 120, 9・10, 199, 201, 2007年10月
日本語, 書評論文,書評,文献紹介等 - 学界展望<日本法制史>川尻秋生『日本古代の格と資財帳』
桑原 朝子, 国家学会雑誌, 117, 11・12, 227, 230, 2004年12月
日本語, 書評論文,書評,文献紹介等 - 学界展望<日本法制史>春名宏昭『律令国家官制の研究』
桑原 朝子, 国家学会雑誌, 112, 1・2, 207, 209, 1999年02月
日本語, 書評論文,書評,文献紹介等
- リーガル・ラディカリズム──法の限界を根源から問う
飯田高・齋藤哲志・瀧川裕英・松原健太郎編, 第1章 Ⅲ 「国法」が破られる意味──近松門左衛門『博多小女郎波枕』の分析を手掛りとして
有斐閣, 2023年08月, 9784641126435, [共著] - 法のクレオール序説 : 異法融合の秩序学
長谷川 晃編, 10章 近世前期の裁判物にみる上方都市の社会構造―「民事裁判」をめぐって
北海道大学出版会, 2012年06月, 9784832967601, 日本語, 学術書, [共著]
- 法政理論総合研究Ⅱ, 2024年, 博士後期課程, 法学研究科
- 基礎法政論, 2024年, 修士課程, 法学研究科
- 日本法史, 2024年, 修士課程, 法学研究科
- 日本歴史ⅢD, 2024年, 学士課程, 現代日本学プログラム課程
- 法史学Ⅰ, 2024年, 学士課程, 法学部
- 演習Ⅰ, 2024年, 学士課程, 法学部
- 演習Ⅰ, 2024年, 学士課程, 法学部
- 演習Ⅱ, 2024年, 学士課程, 法学部
- 人間と文化, 2024年, 学士課程, 全学教育
- 日本法史, 2024年, 法科大学院, 法学研究科
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 近世日本における隔地間取引・為替制度の発達と信用をめぐる意識構造
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
2020年04月01日 - 2024年03月31日
桑原 朝子
2年目にあたる本年度は、近世日本における隔地間取引と為替制度の発展の背後に、信用をめぐる、いかなる人々のいかなる意識が存在し、またそれが通時的にいかに変容するかについて解明することを中心的に試みた。特に初年度の研究から、大坂における商業信用の突出した発達が窺えたため、主に大坂商人の意識を、他の都市の商人と比較しつつ、上方の文芸や、商家の家訓・家法などの分析を通じて明らかにするように努めた。
その結果、都市による意識の差もあるが、御用商人か否かといった、幕藩権力との関係の強弱も、他の商人との関係の築き方やその間における信用の供与の仕方に大きな影響を及ぼしていることが分かった。また、近世を通じて、商人が、同業者仲間や町といった、職縁・地縁・血縁等による、時に重なり合う様々な共同体に属しており、それらが、構成員への信用の供与に大きな役割を果たしていたことが窺えた。こうした共同体は、連帯的精神のもとに、その内部では相互扶助的な信用の供与を行うことが多いが、一方で、その強固な連帯が、構成員を相互に監視させ、他の構成員に迷惑をかけた者を追い詰めてゆくという方向に働きがちであったことも、とりわけ近松門左衛門の作品には、はっきりと描かれていた。このような多様な共同体は、その相互関係や権力との関係を複雑に変化させつつ長く存続してゆくが、明治期に入ると、大都市を中心にその弱体化が顕著になり、共同体的連帯に基づく相互扶助的な信用も成り立たなくなってゆくことは、当時の樋口一葉の日記などから明らかになった。
また、こうした近世から近代初期の日本のテクスト分析の作業と並行して、初年度と同様に、信用に関する2つの研究会にも参加を続け、異なる地域や時代の様々な信用問題に関する報告を聞き、視点の多角化や考察の深化に役立てた。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 20K01251 - 家と相続をめぐる近世日本の社会構造
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
2016年04月01日 - 2020年03月31日
桑原 朝子
本研究は、近世日本に特徴的な、大名家の相続に関する御家騒動とそれを素材とする文芸である御家物の分析によって、家と相続をめぐる武士と町人の意識、及びその背後の社会構造の解明を試みた。その結果、御家騒動の多発の要因には、特に17世紀後期以降の、主君個人よりも御家の存続を重視する方向への武士の意識変化や、藩政改革をめぐる家臣間の対立があり、それにやや遅れる御家物の隆盛とその内容の変化には、家業を手堅く守り継ぐ経営への商家の方針転換等が関わっていることが分かった。また、相続を扱った近世フランスと中国の文学との比較により、経済的階層の連帯の弱さといった、近世日本の社会構造の顕著な特徴も明らかになった。
日本学術振興会, 基盤研究(C), 北海道大学, 16K03251 - 団体の比較史的諸形態と法人理論の基礎
科学研究費補助金(基盤研究(A))
2013年 - 2017年
木庭 顕
昨年度に予告したとおり本年度は公共団体の問題に活動を集中した。その集大成は3月にKinch HoekstraとLuca Ioriを迎えて行われた「ホッブズとトゥーキュディデス」に関する研究会であり、事実上の締めくくりとなるに相応しい濃厚な二日間であった。つまり古典古代と近代をまたぎ、また国際間の衝突もテーマであったから国家間の問題、近代国家共存体制外の地域の問題、をも視野に入れた。ホッブズはまさに枢要な交点である。そのポイントで、公共団体立ち上げの条件を探った。ゲスト二人の報告は或る雑誌に翻訳して発表の予定である。また、研究代表者自身、この研究会に至る中で同時並行して一本の論文をまとめ、『国家学会雑誌』に発表した。後者は、このプロジェクトが深くかかわってきた法人理論がホッブズにとって有した意義をも論ずるものである。また、ともに、自生的な団体と深く関係するメカニズムである互酬性を、そのメカニズムの極限的なフェイズをホッブズがいかに利用しつつ克服するか、を追跡した。こうした考えをホッブズはトゥーキュディデス読解を通じて獲得した。彼が同じく翻訳したホメーロスを含め、ギリシャの社会人類学的洞察をバネにしたことになる。こうした見通しは、本研究会が遂行してきた広い比較史的視野を有して初めて持つことが可能になる。その意味では、今回の成果は、公共団体をターゲットとしてきた本年度の活動のみならず、全期間の活動の凝縮点である。付言すれば、教育目的ながら野心的な内容を含む拙著『現代日本公法の基礎を問う』も同一の軌道を回る惑星である。
文部科学省, 基盤研究(A), 東京大学, 競争的資金, 25245001 - 近世前期日本の支配体制をめぐる町人の意識構造と国際関係
科学研究費補助金(基盤研究(C))
2012年 - 2015年
桑原 朝子
本研究は、近世前期(17世紀~18世紀前期)の日本の支配体制をめぐる上方町人達の意識構造を、それを最もよく表す近松門左衛門の世話浄瑠璃とその関連テクストの分析を主たる手掛りとして、当時の国際関係と関連づけて解明することを試みたものである。近世前期には、幕府の「法」による規律が強化され抑圧的な体制が確立してゆくが、上方町人達は、こうした体制に対する強い抵抗感と自立的な商業世界の形成の難航から、海外への関心を高め自由な貿易を求めた。しかし、18世紀後期になると、その意識は急激に変化し、体制への抵抗が薄れてむしろ体制側の価値観に接近する一方、対外観も大きな変容を遂げることが明らかになった。
文部科学省, 基盤研究(C), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 24530001 - 信用の比較史的諸形態と法
科学研究費補助金(基盤研究(A))
2008年 - 2012年
木庭 顕; 加毛 明; 滝澤 紗矢子; 両角 吉晃; 松原 健太郎; 金子 敬明; 桑原 朝子; 森田 果
信用ないし広い意味の金融の問題については、現在のグローバル化の状況の中で、十分な見通しを持ちえない状況である。歴史的に様々に形成された社会構造が各社会に色濃く影響を及ぼし、一律の議論を許さない。そこで比較史的に見られる様々な信用の形態を研究するそれぞれの歴史的社会の専門家を複数結集し、これと法との間の複雑な相互関係を分析することとした。おのずから、多元的多層的なアプローチの構築を目指すものである。
文部科学省, 基盤研究(A), 東京大学, 連携研究者, 競争的資金, 20243001 - 近世前期上方都市の社会構造と民事裁判――日中文芸比較を手掛りとして
科学研究費補助金(若手研究(B))
2009年 - 2011年
桑原 朝子
2年目にあたる今年度は、近世前期(17世紀~18世紀前期)のテクストに特徴的な、「民事裁判」への強い関心の背後にある社会構造について、初年度よりも踏み込んで多角的に解明することを試みた。具体的には、「民事裁判」と結びついて現れることの多い「町」(通りを挟んで両側に店を出す商工業者の地縁的・自治的共同体)をはじめとする町人の地縁的共同体に着目し、井原西鶴の『本朝桜陰比事』に代表される裁判小説や京都所司代板倉勝重・重宗父子の裁判記録とされる『板倉政要』を手掛りに、町をめぐる意識構造およびその「民事裁判」との関係を分析する一方、裁判小説の主たる舞台でもあった京都の町について、町触や町規則等の法制史料を用いつつ考察した。その結果、町には、権力に対抗する町人間の自発的・自治的共同体という面と支配機構の一部という面があり、この両面の間の関係やバランスの変化が、町と裁判官との関係や裁判のあり方、構成員の経済活動に対する町の信用供与機能等に影響を及ぼしていたことが明らかになった。また、町の前者の面とこれを尊重する裁判とを支える意識の形成に、当時庶民の文芸として広く流行した連句(俳諧の連歌)が関わっているのではないか、という見通しを得た。なぜなら、「民事裁判」と町に強い関心を示す裁判小説の作者が、いずれも俳人と推測されている上、付合の形式により一つの文芸を構成する連句は、他人の句を生かすことに...
文部科学省, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 21730002 - <法のクレオール>と主体的法形成の研究
科学研究費補助金(基盤研究(S))
2005年 - 2009年
長谷川 晃; 松村 良之; 今井 弘道; 鈴木 賢; 田口 正樹; 林田 清明; 水野 浩二; 齋藤 哲志; 中村 民雄; 尾崎 一郎; 会澤 恒; 桑原 朝子
本研究の目的は、異なる法体系の間の遭遇/浸透/変成における連鎖的秩序形成過程を主体的で不断の法創造たる<法のクレオール>として捉え、その有り様について価値的、行為的、思想=制度的、そして統合的という4つの問題次元の協働状態からなる法動態の多次元的相互作用を示す統合モデルを構想しつつ、様々な歴史・制度的事例において相同性を有する主体的法形成の諸要素・条件の動態比較的な理論分析と実証を行うことであった。そして5年間の研究期間の後に、そこでは<法のクレオール>の一般的モデルとして、法的主体化~法的変成~法的混合という3つのクレオール過程を一方の軸とし、他方でそれらの過程が人々の解釈的活動主体性という動因によって展開されるという動的な枠組みが析出され、これを基礎として、特に法的変成における価値的次元、行為的次元、および思想=制度的次元(東アジア・西欧・北米・日本)について、それぞれの法的問題状況の相異-すなわち、支配-抵抗関係における法的抑圧状況、侵略-対抗関係における法的圧迫状況、そして拡張-継受関係における法的流入状況-に応じて<法のクレオール>のモードが変化することが証示された。このような成果は、従前の法学研究にはない斬新な動的視点から異なる法体系の間の普遍的な相互影響・形成作用を明らかにするものであり、まもなく論文集『異法融合とその諸相』(仮題)として公刊される運びとなってい...
文部科学省, 基盤研究(S), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 17103001 - 平安朝知識人の意識変化と社会変動--伝奇小説・物語の日唐比較を手掛りとして
科学研究費補助金(若手研究(B))
2006年 - 2008年
桑原 朝子
本研究は、平安朝の物語とこれに重要な影響を与えた唐代の伝奇小説との比較分析に基づき、その担い手たる知識人の意識変化と、これらの隆盛と前後して起きた社会変動との関係の解明を目指した。その結果、唐では科挙官僚等が、身分秩序と結び付いた従来の価値観に挑戦する新たな考えを伝奇の中で明確に先取りするのに対し、平安期の文人貴族や宮廷の女房は、貴族制の変化やそのもたらす問題を物語で鋭く示唆しつつも、それに積極的に関与せず距離をとることが明らかになった。
文部科学省, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 18730001 - 和歌・歌物語にみる平安貴族の意識構造--日本における「政治」批判の典型の成立
科学研究費補助金(若手研究(B))
2004年 - 2005年
桑原 朝子
本研究は、いわゆる摂関体制が確立した平安中期に焦点を当て、僅かな権勢者間の利害調整と化していた当時の「政治」に対し、表向きは逆らわずただ文芸の世界に閉じこもることによってそこから敢えて距離をとる、という消極的な形の批判を示した、文人貴族や没落貴族の意識構造を、主に和歌や歌物語等の文学史料の分析により解明したものである。抒情詩の一種である和歌は、権力から距離をとる意識構造を涵養する側面を持つ一方で、儀礼の場で用いられ、天皇および摂関家の権力と堅固に結びついて発展してきたという歴史的背景をも有する。後者の面を如実に示す一例が、当時繰り返し編纂された勅撰和歌集であるのに対し、前者の面を引き立てる好例が歌物語であり、これらは、政治的な問題を鋭く意識しつつもそれに直接言及することは避け、敢えて勅撰和歌集に採録されない和歌を取り上げることによって対抗意識を示したり、反摂関家を象徴し貴族社会の規範に囚われない人物を、主人公に仕立てたりしている。政治権力から離れたところで個人的な自由を享受しようとする態度は、歌物語に大きな影響を与えた唐代の伝奇小説の作者にも見られるが、彼らが一方で儒教の価値観に規定されており、こうした観点からの評言を作品に付すことがあるのに対し、歌物語にはそのような記述は見られない。ここに端的に表れている、平安中期の貴族社会における儒教の弱さは、文芸作品に内在する価値の一貫...
文部科学省, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 16730001 - 文化のクレオールと法の構造化-<比較法形成論>の探究とその深化-
科学研究費補助金(基盤研究(B))
2002年 - 2004年
長谷川 晃; 会澤 恒; 田口 正樹; 鈴木 賢; 尾崎 一郎; 桑原 朝子; 長谷川 晃
本研究においては、平成14年度は研究の第1ステージとして各問題次元に即して文献や資料を整理し、着眼点の絞り込みを行った。15年度は研究の第2ステージとして、文化のクレオールと法の構造化の過程の一般的パタンを各問題次元ごとに立体的に分析した。そして16年度は各次元での研究の全体的な統合を試みた。価値的次元に関しては、価値の移植のプロセスの意義と憲法体制のあり方をめぐって、文化のクレオールと法の構造化における「社会につながれた批判者」の役割とそれに媒介された価値の浸透=変成のプロセスを解明した。社会的次元に関しては、国家の法理念と社会の法文化のギャップという制度/社会構造依存的因子を把握し、特に「帝国」への抵抗が自閉的自己称揚に陥る過程を検討して、法の相互浸透の阻害条件を解明した。歴史・制度的次元においては、まずアジアに関して、東アジア法系の成立可能性について考察し、特に中国における連続的、段階的な違いの連鎖として物事をとらえるグラデーション文化とその西洋法文化への接合状況を解明した。またヨーロッパに関しては、中世後期ドイツの都市内外における法規範と社会の相互作用を中心として、特にカール5世刑事裁判令の制定過程と中小貴族層との関係を調査し、貴族の利害関心の役割を解明した。さらにアメリカに関しては、アメリカ社会・政治制度の根幹である自由・人権の再定義のプロセスを考察し、宗教に影響さ...
文部科学省, 基盤研究(B), 北海道大学, 連携研究者, 競争的資金, 14320001 - 古代日本における文学と「法」の関係-平安前期文人貴族の貴族制構想を手掛りとして
科学研究費補助金(若手研究(B))
2002年 - 2003年
桑原 朝子
前年度は、平安前期の漢詩文と法制史料を分析し、その通時的変化に深く関わる文人貴族の意識構造と、それに支えられた貴族制構想の概要を解明したが、今年度は、この文人貴族の構想が挫折を余儀なくされることではじめて成立した、摂関期の貴族制について考察し、両者の比較により、それぞれの特質や意義を浮き彫りにするとともに、貴族制という観点から議論全体を構造化することに努めた。具体的には、まず、摂関期の漢詩文学や貴族の日記、儀式書等を分析し、当時の君主と貴族、および貴族同士の間には、平安前期の文人貴族が主に詩を通じて築き上げようとした、距離をおいた明確な関係は存在せず、むしろ相互依存的な関係が見られることを明らかにした。平安前期の文人貴族と摂関期の貴族との、この点に関する相違の最大の要因は、恐らく彼らが身に付けていた教養の差異にあると思われる。前者は詩人かつ儒家で法の解釈能力も高いことを、少なくとも理想としていたが、後者は、儀式作法や政務に関する先例や故実を心得てさえいれば、とりわけ詩作によって保証される、全てから距離をとった自分自身の視点で物事を判断する能力を求められてはいなかったからである。次に、単行法令をはじめとする、平安前期と摂関期の法制史料を比較し、貴族と在地社会の関係の相違について考察した。平安前期の法令は、当時拡大しつつあった、血統貴族と在地富豪層との個人的な結合関係を禁止する方...
文部科学省, 若手研究(B), 北海道大学, 研究代表者, 競争的資金, 14720001
